説明

積層型半導体装置、積層型構造体、及び電子機器

【課題】PoP構造の積層型半導体装置において、実装基板への実装面積を抑制しつつ上下パッケージの接続端子数を確保し、下側パッケージのチップ厚および実装ギャップの制限を緩和する。
【解決手段】積層型半導体装置は、上面に電極ランドと接続端子4と有する配線基板3と、配線基板3の上に、回路形成面が配線基板3の上面に対抗するように搭載された半導体チップ1と、電極ランドと半導体チップ1の回路形成面とを接続する金属バンプ2と、配線基板3と半導体チップ1との隙間に金属バンプ2を介して充填されたアンダーフィル樹脂6とを備えている。接続端子4は、配線基板3の上面の面積の40%以上の領域に配置されており、且つ、配線基板3の辺又は角に集約して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示の技術は、半導体チップを内包したパッケージが積層接続されてなる積層型半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信機器や事務用電子機器の小型化及び高機能化が進展することに伴って、これらの機器に搭載される半導体集積回路装置等を有する半導体装置についても、小型化と共に、入出力のための外部端子の数を増加することが要求されている。しかし、複数の半導体装置を同じ平面上に実装する方式では、小型化及び薄型化が特に要求される携帯機器用の半導体装置を製造することが困難になってきている。
【0003】
これらの要求を実現させる技術として、集積度の高いパッケージ積層構造であるPoP(Package on Package)構造が採用されるようになってきている。
【0004】
以下、従来の半導体装置について、図4(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0005】
図4(a)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図4(b)は、当該構造を示す断面図である。
【0006】
図4(a)及び(b)に示すように、半導体チップ101上には、半導体チップ101上の電極端子に機械的及び電気的に接続され、はんだからなる金属バンプ102が形成されている。半導体チップ101は、配線基板103に対して金属バンプ102を介してフリップチップ搭載されて、機械的及び電気的に接続されている。半導体チップ101と配線基板103との隙間には、金属バンプ102を封止するアンダーフィル樹脂106が充填されている。配線基板103の半導体チップ搭載面(以下、「上面」と称する)に対向する面(以下、「下面」と称する)には、はんだからなる外部接続端子107が形成されている。配線基板103の上面上のうち、半導体チップ101が搭載されていない、平面的に見て半導体チップ101を囲む領域上には接続端子104が配置されている。以上のようにして下側パッケージが形成されている。
【0007】
下側パッケージの上には、電極ランド109が下面に形成された積層パッケージ108が、はんだからなる金属ボール110を介して機械的及び電気的に接続されている。金属ボール110は、接続端子104と電極ランド109とを機械的及び電気的に接続しており、外部接続端子107に電気的に接続されている。
【0008】
次に、上述したフリップチップ実装方式による従来の積層型半導体装置の製造方法について説明する。
【0009】
まず、電気めっき法や印刷法、ボール搭載法などの方法を用いて金属バンプ102を形成した半導体チップ101と、金属バンプ102に対応する位置に電極ランドが形成された配線基板103とを用意する。そして、半導体チップ101を配線基板103上にフリップチップ接続する。
【0010】
次に、半導体チップ101の金属バンプ102をリフローすることにより、はんだを溶融し、金属バンプ102により半導体チップ101と配線基板103とを接続する。
【0011】
次に、半導体チップ101と配線基板103との隙間を清浄化し、ディスペンサを用いてその隙間にアンダーフィル樹脂106を注入する。この注入は半導体チップ101の周辺部から行うが、液状の樹脂は毛細管現象により半導体チップ101と配線基板103との隙間の全体に浸入し、半導体チップ101と配線基板103との隙間にアンダーフィル樹脂106が充填される。
【0012】
次に、熱処理を行い、アンダーフィル樹脂106を硬化することによって半導体チップ101の回路形成面及び金属バンプ102による接続部分を封止する。
【0013】
最後に、配線基板103の上面(チップ搭載面)と反対側の面(下面)に引き出された金属パッドに外部接続端子107を形成し、リフローする。
【0014】
以上により、BGA型の積層型半導体装置が完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−287906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、上記従来のPoP構造を有する積層型半導体装置では、下側パッケージに搭載された半導体チップ101の厚さ及び金属バンプ102の高さが、接続後の金属ボール110の高さによって制限される。このため、多機能化及び高速化に伴う積層パッケージ108における電極ランド109の端子数の増加及び狭ピッチ化により、接続後の金属ボール110の高さの低下に対応することが困難になる。また、積層パッケージ108が搭載される際に下側パッケージ上の接続端子104が露出している必要があるため、半導体チップ101と配線基板103との隙間に充填されているアンダーフィル樹脂106のフィレットが接続端子104の一部又は全部を覆うことが許されない。その結果、半導体チップ101の外形サイズが制限される。また、積層パッケージ108の外形サイズは下側パッケージの外形サイズ以上にする必要があり、外形サイズが制限される。
【0017】
両パッケージ間のスタンドオフ(積層パッケージ108と配線基板103との隙間)を確保する方法として、図5(a)及び(b)に示すように、積層パッケージ108の電極ランド109に金属ポスト105を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構造にすると、金属ポスト105を追加する分、図4(a)及び(b)に示す構造よりもスタンドオフを広げることができると共に、端子数の増加を図ることができる。しかし、金属ポスト105を形成するために高コストとなる。また、積層パッケージ108の外形サイズの制限は解消されない。
【0018】
また、図6(a)及び(b)に示すように、下側パッケージ108の接続端子104に金属ポスト105を形成すると共に、レジスト材や繊維強化材によって形成された嵩上げ部113を形成する方法も提案されている。このような構造にすると、図5(a)及び(b)の場合と同様に、図4に示す構造よりもスタンドオフを広げることができると共に、端子数の増加を図ることができる。しかし、嵩上げ部113を形成するために高コストとなる。また、積層パッケージ108の外形サイズの制限は解消されない。
【0019】
前記に鑑み、本発明の目的は、複数のパッケージが積層されてなる積層型半導体装置において、下側パッケージの面積を従来構造と同等以下にすることである。
【0020】
また、上下パッケージの接続端子数を同等以上に確保することである。
【0021】
また、チップ厚や金属バンプの高さの制限を解消することである。
【0022】
また、積層パッケージの外形サイズを従来構造と同等以下に緩和することである。
【0023】
また、接続端子が従来構造と同ピッチであっても、積層パッケージの搭載性及び接続性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の一側面の積層型半導体装置は、上面に第1の電極ランドと接続端子と有する配線基板と、配線基板の上に、回路形成面が配線基板の上面に対抗するように搭載された半導体チップと、第1の電極ランドと半導体チップの回路形成面とを接続する第1の接続部材と、少なくとも配線基板と半導体チップとの隙間に第1の接続部材を介して充填されたアンダーフィル樹脂とを備えており、接続端子は、配線基板の上面の面積の40%以上の領域に配置されており、且つ、配線基板の辺又は角に集約して配置されている。
【0025】
この構成によると、下側パッケージを従来構造のようにチップ周辺部に接続端子を配置した場合と比較して接続端子を有効に配置できる。これにより、接続端子数が同数であればパッケージ外形サイズを小さくすることができる一方、パッケージ外形サイズが同等であれば接続端子数を多くすることができる。また、下側パッケージ上面に搭載された半導体チップの直上に積層パッケージが配置されないことより、チップ厚や金属バンプの高さの制限を解消することができる。また、接続端子の配置が下側パッケージの外周部に配置されていないことより、積層パッケージの外形サイズを下側パッケージの外形サイズと同様にする必要がなく、積層パッケージの外形サイズの制限を解消することができる。また、接続端子の配置が下側パッケージの外周部に配置されず集約して配置するため実装領域は小さくなることより、接続端子が従来構造と同ピッチであっても、積層パッケージの搭載性及び接続性を向上することができる。
【0026】
また、本発明の一側面の積層型実装構造体は、上記積層型半導体装置と、配線基板の下面に設けられた外部接続端子とを備えており、積層型半導体装置と外部接続端子とは、電気的に接続されている。
【0027】
また、本発明の一側面の電子機器は、上記積層型実装構造体を備えており、例えば、携帯電話等の通信機器又はデジタルカメラ等に用いられる。
【発明の効果】
【0028】
上記本発明によると、PoP構造を有する場合に、下側パッケージの面積を従来構造と同等以下にし、上下パッケージの接続端子数を同等以上に確保し、チップ厚又は金属バンプの高さの制限を解消できる。また、積層パッケージの外形サイズを従来構造と同等以下に緩和できる。さらに、接続端子が従来構造と同ピッチであっても、積層パッケージの搭載性及び接続性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第2の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図2(b)は、本発明の第2の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第3の実施形態に係る積層型実装構造体の構造を示す平面図であり、図3(b)は、本発明の第3の実施形態に係る積層型実装構造体の構造を示す断面図である。
【図4】図4(a)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図4(b)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【図5】図5(a)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図5(b)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【図6】図6(a)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図6(b)は、PoP構造を有する従来の積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の各実施形態に係る積層型半導体装置及び積層型実装構造体について図面を参照しながら説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す断面図である。
【0032】
図1(a)及び(b)に示すように、配線基板3は、上面に設けられた電極ランドと接続端子4とを有している。半導体チップ1は、配線基板3の上面に、回路形成面が配線基板3の上面に対抗するように搭載されている。接続部材としての例えば金属バンプ2は、電極ランドと半導体チップ1の回路形成面とを接続している。アンダーフィル樹脂6は、少なくとも配線基板3と半導体チップ1との隙間に金属バンプ2を介して充填されている。ここで、接続端子4は、配線基板3の上面の面積における40%以上の領域に配置されており、且つ、配線基板3の辺又は角に集約して配置されていることが好ましい。このようにすると、チップ周辺部に同じピッチで接続端子を配置した場合の端子数より多く配置できる。例えば、接続端子が配線基板の上面の面積の40%以上の領域に、且つ、配線基板3の辺又は角に集約して0.4mmピッチで配置された場合、チップ周辺部に接続端子を0.4mmピッチに配置した場合の端子数より多く配置できる。
【0033】
半導体チップ1の回路形成面には、アルミニウム(Al)からなる複数の電極パッドが形成されている。該電極パッド上には、例えばスパッタ法によって形成されたチタン(Ti)からなるバリアメタルと銅(Cu)からなる下部金属膜と、その上方に、電気めっき法によって形成されたニッケル(Ni)からなる上部金属膜とによって構成された金属膜が形成されている。バリアメタルとして、TiW又はCr等を用いてもよい。また、金属膜は、無電解めっき法によって形成されたニッケル(Ni/Au)で構成されていてもよい。さらに、該金属膜上には、上述の金属バンプ2が形成される。
【0034】
配線基板3の配線は銅(Cu)からなり、電極ランドは、配線基板3の上面に形成されたソルダーレジストを開口して形成されており、該表面は、無電解めっき法によって形成されたニッケル(Ni/Au)又はニッケル・パラジウム(Ni/Pd/Au)からなる金属膜によって構成されている。また、配線基板3の上面には、OSP(Organic Solder Preservative)が塗布されていてもよい。さらに、配線基板3の上面には、印刷法又は搭載法により、はんだからなるSOP(Solder on Pad)が形成されていてもよい。配線基板3の上面のうち、上記の電極ランドが形成されていない外側の領域には、図示しない積層パッケージの電極ランド上に形成された金属ボールに対応するように、接続端子4が形成されている。
【0035】
次に、本実施形態に係る積層型半導体装置を製造する方法について説明する。
【0036】
まず、半導体チップ1の回路形成面(主面)を下に向けた状態にて、金属バンプ2の先端にフラックスを転写する。または、配線基板3の上面にフラックスを塗布してもよい。
【0037】
次に、半導体チップ1を配線基板3の上面上に搭載し、リフロー炉で加熱することで金属バンプ2を溶融させて、半導体チップ1の回路形成面と配線基板3の上面とを接続する。
【0038】
次に、半導体チップ1の回路形成面及び金属バンプ2による接続部分を保護するため、半導体チップ1と配線基板3との隙間にアンダーフィル樹脂6を半導体チップ1の外周部からディスペンサで塗布及び充填する。このようにして、本実施形態に係る上述の積層型半導体装置が製造される。
【0039】
本実施形態に係る積層型半導体装置及びその製造方法によると、接続端子4が配線基板3における上面の面積の40%以上の領域に配線基板3の辺又は角に集約して配置されている。これにより、下側パッケージを従来構造のようにチップ周辺部に接続端子4を配置した場合と比較して接続端子4を有効に配置できる。その結果、接続端子4の数が同数であればパッケージ外形サイズを小さくすることができる一方で、パッケージ外形サイズが同等であれば接続端子4の数を多くすることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図2(a)は、本発明の第2の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す平面図であり、図2(b)は、本発明の第2の実施形態に係る積層型半導体装置の構造を示す断面図である。なお、上述した図1(a)及び(b)に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付しており、その説明は省略又は簡略化する。
【0041】
図2(a)及び(b)に示すように、上述した第1の実施形態に係る積層型半導体装置において、接続端子4に対応する電極ランド9が設けられた積層パッケージ8と、接続端子4と電極ランド9とを電気的に接続する接続部材としての金属バンプ10とがさらに形成されている。ここで、積層パッケージ8の面積は、配線基板3の面積の40%以上であることが好ましい。
【0042】
次に、本実施形態に係る積層型半導体装置を製造する方法について説明する。
【0043】
まず、上述のようにして第1の実施形態に係る積層型半導体装置を製造する。
【0044】
次に、積層パッケージ8の電極ランド9を下側パッケージ上に搭載する。ここで、「下側パッケージ」とは、配線基板3及び半導体チップ1を含むパッケージのことを意味している。この工程では、電極ランド9上に設けられた金属ボール10と接続端子4との位置を合わせて接触させた状態でリフロー炉内で加熱して金属ボール10を溶解させることにより、金属ボール10と接続端子4とを接続させる。以上のようにして本実施形態に係る積層型半導体装置が製造される。なお、金属ボール10は、積層パッケージ8の側に設ける場合に限られず、下側パッケージ側にあらかじめ設けるようにしてもよい。
【0045】
本実施形態に係る積層型半導体装置及びその製造方法によると、下側パッケージを従来構造のようにチップ周辺部に接続端子を配置した場合と比較して、接続端子4を有効に配置することができる。これにより、接続端子4の数が同数であれば、パッケージ外形サイズを小さくすることができる一方で、パッケージ外形サイズが同等であれば、接続端子4の数を多くすることができる。また、下側パッケージ上面に搭載された半導体チップ1の直上に積層パッケージ8が配置されないことより、チップ厚又は金属バンプの高さの制限を解消することができる。また、接続端子4の配置が下側パッケージの外周部に配置されていないことより、積層パッケージ8の外形サイズを下側パッケージの外形サイズと同様にする必要がなく、積層パッケージ8の外形サイズの制限を解消することができる。また、接続端子4の配置が下側パッケージの外周部に配置されず集約して配置されるため、実装領域が小さくなる。その結果、接続端子4が従来構造と同ピッチであっても、積層パッケージの搭載性及び接続性を向上することができる。
【0046】
ここで、上述の図2に示すように、本実施形態に係る積層型半導体装置及びその製造方法では、積層パッケージ8は、その一部が配線基板3の領域の外側に突き出して形成されており、その下方に中空部が形成される構造をとなっている。また、積層パッケージ8における第1辺は、配線基板3の長辺における半導体チップ1の搭載されていない接続端子4が配置された領域の部分の長さの2倍以下であり、且つ、配線基板3の長辺と平行に設けられている。さらに、積層パッケージ8における第2辺は、配線基板3の短辺の長さの2倍以下であり、配線基板3の短辺と平行に設けられていてもよい。このようにすると、積層パッケージ8の重心が下側パッケージの面上にある構成となり、パッケージとしての安定性が良くなる。
【0047】
このように、本実施形態に係る積層型半導体装置及びその製造方法によると、さらに、下側パッケージの外形サイズに依存せず積層パッケージ8のサイズを設定することができる。その結果、積層パッケージ8の性能選択性を向上させることができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図3(a)は、本発明の第3の実施形態に係る積層型実装構造体の構造を示す平面図であり、図3(b)は、本発明の第3の実施形態に係る積層型実装構造体の構造を示す断面図である。なお、上述した図1(a)及び(b)並びに図2(a)及び(b)に示した部材と同じ部材については、同一の符号を付しており、その説明は省略又は簡略化する。
【0049】
図3(a)及び(b)に示すように、上述した第2の実施形態に係る積層型半導体装置において、配線基板3の下面に設けられ、外部接続端子7により、該配線基板3と電気的及び機械的に接続した実装基板11がさらに形成されている。また、実装基板11上における、上記第2の実施形態で説明した積層パッケージ8の下方の中空部における直下の領域には、電子部品12が設けられていてもよい。
【0050】
本実施形態に係る積層型実装構造体によると、積層型半導体装置の中空部の直下に電子部品などを配置することができつつ、積層型半導体装置の実装基板への設置面積を拡大することなく必要な機能を確保することができる。その結果、積層型実装構造体を搭載する電子機器などの容積拡大を抑制しつつ、積層型半導体装置の性能選択性を向上させることができる。
【0051】
なお、以上で説明した各実施形態の積層型半導体装置及び積層型実装構造体は、多段構成の例えば撮像ユニットとして携帯電話等の通信機器や、パソコン、デジタルカメラ等の電子機器などに搭載することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、PoP構造を有する積層型半導体装置への適用にとって有用であり、さらに、種々の電子機器への適用にとって有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 半導体チップ
2 金属バンプ(接続部材)
3 配線基板
4 接続端子
6 封止樹脂
7 外部接続端子
8 積層パッケージ
9 電極ランド
10 金属ボール(接続部材)
11 実装基板
12 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に第1の電極ランドと接続端子と有する配線基板と、
前記配線基板の上に、回路形成面が前記配線基板の上面に対抗するように搭載された半導体チップと、
前記第1の電極ランドと前記半導体チップの回路形成面とを接続する第1の接続部材と、
少なくとも前記配線基板と前記半導体チップとの隙間に前記第1の接続部材を介して充填されたアンダーフィル樹脂とを備えており、
前記接続端子は、前記配線基板の上面の面積の40%以上の領域に配置されており、且つ、前記配線基板の辺又は角に集約して配置されている、積層型半導体装置。
【請求項2】
前記接続端子に対応するように設けられた第2の電極ランドを有する積層半導体装置と、
前記接続端子と前記第2の電極ランドとを電気的に接続する第2の接続部材とをさらに備えており、
前記積層半導体装置の面積は、前記配線基板の上面の面積の40%以上である、請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項3】
前記積層半導体装置は、下方に中空部を有するように、その一部が前記配線基板の領域から突き出して形成されている、請求項2に記載の積層型半導体装置。
【請求項4】
前記積層半導体装置の重心が、前記配線基板の面上に存在するように搭載されている、請求項2又は3に記載の積層型半導体装置。
【請求項5】
前記積層半導体装置を構成する第1辺は、前記配線基板の長辺における前記半導体チップの搭載されていない接続端子が配置された領域の部分の長さの2倍以下であり、且つ、前記配線基板の長辺と平行である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の積層型半導体装置。
【請求項6】
前記積層半導体装置を構成する第2辺は、前記配線基板の短辺の長さの2倍以下で有り、且つ、前記配線基板の短辺と平行である、請求項2〜5のうちのいずれか1項に記載の積層型半導体装置。
【請求項7】
請求項2〜6のうちのいずれか1項に記載の積層型半導体装置と、
前記配線基板の下面に設けられた外部接続端子とを備えており、
前記積層型半導体装置と前記外部接続端子とは、電気的に接続されている、積層型実装構造体。
【請求項8】
前記配線基板の下方に設けられ、前記外部接続端子により、前記配線基板と電気的に接続された実装基板と、
前記実装基板上における前記中空部の直下の領域に搭載された電子部品とをさらに備えている、請求項7に記載の積層型実装構造体。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の積層型実装構造体を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−263102(P2010−263102A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113340(P2009−113340)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】