積層型熱交換器
【課題】 第1流路3の流路長を長くし且つ、その流路の断面積を小さくして流速を増すとともに、第2流路4内にはインナーフィン16を配置して、その伝熱面積を大きくし、第1流体5と第2流体6との熱交換を促進する。
【解決手段】 第1プレート1に一対の突条13、14を並列し、その突出高さを第1流路3の高さに整合させる。それらの突条13、14を避けた位置で、第2プレート2に多数のディンプル15を分散して突出し、その高さを第1流路3の高さに等しくする。第2流路4側には突条13、14およびディンプル15の裏側の各凹嵌部が存在し、その第2流路4にインナーフィン16を介装する。
【解決手段】 第1プレート1に一対の突条13、14を並列し、その突出高さを第1流路3の高さに整合させる。それらの突条13、14を避けた位置で、第2プレート2に多数のディンプル15を分散して突出し、その高さを第1流路3の高さに等しくする。第2流路4側には突条13、14およびディンプル15の裏側の各凹嵌部が存在し、その第2流路4にインナーフィン16を介装する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の皿状プレートを積層した積層型熱交換器であって、オイルクーラ等に用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のオイルクーラは、平面円形の多数の皿状プレートに出入孔とバイパス孔とが周方向に90度づつ位置ずれして穿設され、各プレートがインナーフィンを介して積層され、各プレートの一つ置きにオイル流路と冷却水流路とを形成したものである。
また、特許文献2に記載の自動車用オイルクーラは、平面円形で、プレート表面に多数の突条を並列し、各突条が上下のプレートで互いに交差するように配置することにより、インナーフィンを省略したものである。
更に、特許文献3に記載のオイルクーラは、平面が方形で多数の突条を並列し、内部にインナーフィンを有さないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−139480号公報
【特許文献2】特開平10−96596号公報
【特許文献3】実用新案登録第3026231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、各プレート間にインナーフィンを配置するため、部品点数が多くなり、組立てが面倒で、製造コストが高くなる欠点がある。
特許文献2及び、特許文献3は、それぞれインナーフィンを排除し、各プレート表面に多数の突条を並列したものである。そして、各プレートの一枚おきに、オイル流路と冷却水流路とを形成するものである。
【0005】
このようなオイルクーラは、冷却水に比べて、粘性の高いオイル側の伝熱面積を大きくする必要がある。しかし、インナーフィンを省略した特許文献2,3は伝熱面積が比較的小さいため、単位体積あたりの熱交換量が少なくなる欠点がある。また、冷却水の流路においては、各部に均一に冷却水が流通しがたい欠点がある。
そこで、本発明はかかる欠点を取除き、比較的部品点数が少なく且つ、オイル側の伝熱面積を十分に確保しつつ、冷却水がプレート各部に均一に流通し、且つその流路長を長くして熱交換を促進しうる積層型熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、外周が互いに整合する皿状の第1プレート(1)と第2プレート(2)とが交互に積層されて、それらの間に第1流路(3)と第2流路(4)とが積層方向に交互に配置され、
第1プレート(1)には、一対の第1流体(5)の第1連通孔(7)(8)と、一対の第2流体(6)の第1バイパス孔(9)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、その一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交または、X字状に交差するように配置され、
第2プレート(2)には、第2流体(6)の一対の第2連通孔 (10) (11)と、一対の第1流体(5)の第2バイパス孔(12)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、
その第2プレート(2)の一対の第2連通孔(10)(11)と、第1プレート(1)の一対の前記第1パイパス孔(9)とが整合すると共に、第2プレート(2)の一対の第2パイパス孔(12)と第1プレート(1)の前記一対の第1連通孔(7)(8)とが整合し、
前記第1流路(3)に第1流体(5)が流通し、第2流路(4)に第2流体(6)が流通する積層型熱交換器において、
第1プレート(1)には、その第1流体(5)の一対の連通孔(7) (8)の間で、両孔(7)(8) を結ぶ直線に交差する一対の突条(13)(14)が並列して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、一方の突条(13)の長手方向の一端が第1プレート(1)の一方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の他端縁から離間して配置され、 他方の突条(14)の長手方向の一端が第1プレート(1)の前記他方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の前記一方縁から離間して配置され、それにより、第1流路(3)内で、第1流体(5)が一対の突条(13)(14)を迂回して平面略S字状に流通するように構成し、
第2プレート(2)には、前記突条(13)(14)を避けた位置で、多数のディンプル(15)が分散して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、
第2流路(4)側には、前記突条(13)(14)およびディンプル(15)の裏側の各凹陥部が存在し、その第2流路(4)にインナーフィン(16)が介装されたことを特徴とする積層型熱交換器である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の熱交換器において、
一対の突条(13)(14)の前記各他端部に、互いに対向する側に曲折する曲がり部(17)を有する積層型熱交換器である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換器において、
前記インナーフィン(16)がオフセット型のものであり、第1流体(5)と第2流体(6)とがプレートの中央部で対向流となるように流通する積層型熱交換器である。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面円形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交するように配置された積層型熱交換器である。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面方形または菱形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置された積層型熱交換器である。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱交換器がオイルクーラであり、第1流体(5)が冷却水であり、第2流体(6)がオイルである積層型熱交換器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の積層型熱交換器は、第1プレート1に並列して設けた一対の突条13、14の存在により、第1流体5がそれらを迂回して平面略S字状に流通するとともに、その第1流路3内には多数のディンプル15が分散して突出しているため、流路断面を小さくするとともに、流路長を長くして、その流速を早めて、第1流体5を十分攪拌するので、熱交換が促進される。また、第2流路4側には突条13、14、ディンプル15の突出部が存在せず、そこにインナーフィン16が介装されているから、第1流路に比べて伝熱面積が大きく且つ、第2流体6の流通を円滑にし、熱交換を促進しうる。
【0013】
上記構成において、請求項2に記載のように、一対の突条13、14の各他端部に互いに対向する側に曲折する曲がり部17を設けた場合には、第1流路3のS字状流路をより曲折して、その流路長を長くし、熱交換を促進させることができる。
【0014】
上記構成において、請求項3に記載のように、第2流路4のインナーフィン16をオフセット型のものとし、第1流体5と第2流体6とがプレートの中央部で対向流となるように流通させた場合には、さらに第1流体5と第2流体6との熱交換を促進しうる。
【0015】
上記構成において、請求項4に記載のように、第1プレート1および第2プレート2の外周を平面円形に形成し、一対の連通孔7、8間を結ぶ直線と、一対のバイパス孔9間を結ぶ直線とが直交するように配置した場合には、平面円形のプレートによる積層型熱交換器において、最も効率よく熱交換を行なうことができる。
【0016】
上記構成において、請求項5に記載のように、第1プレート1および第2プレート2の外周を平面方形または菱形に形成し、一対の連通孔7、8間を結ぶ直線と、一対のバイパス孔9間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置した場合には、このプレートの積層型熱交換器において、効率よく熱交換を行なうことができる。
【0017】
上記いずれかの熱交換器をオイルクーラとして使用し、第1流体5を冷却水とし、第2流体6をオイルとした場合には、オイル側の伝熱面積を大きくして、両流体間の熱交換を効率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例の積層型熱交換器の分解斜視図。
【図2】同熱交換器に用いられる第1プレート1の平面図。
【図3】図2のIII−III矢視断面図。
【図4】同熱交換器に用いられる第2プレート2の平面図。
【図5】図4のV−V矢視断面図。
【図6】同熱交換器の第1流体5および第2流体6の流通状態の説明図。
【図7】図6のVII−VII矢視断面図。
【図8】本発明の第2実施例の第1プレート1の平面図。
【図9】同第3実施例の第1プレート1の平面図。
【図10】同第4実施例の第1プレート1の平面図。
【図11】同第5実施例の第1プレート1の平面図。
【図12】同第6実施例の第1プレート1の平面図。
【図13】同第7実施例の第1プレート1の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
【0020】
(第1実施例)
本発明の積層型熱交換器は、外周が互いに整合する平面円形の皿状の第1プレート1と、第2プレート2とが交互に積層されて、それらの間に第1流路3と第2流路4とが積層方向に交互に配置される。
第1プレート1には、第1流体5の連通孔7、8が周方向に180度離間して配置されている。この連通孔7、8は、底面の平面から内面側に小筒部が形成され、その孔縁に内フランジ孔を形成する。そして、図2及び図3に示すごとく、一対の連通孔7、8から周方向に90度離間して、底面の平面に面一の一対のバイパス孔9が穿設されている。そして、その一対のバイパス孔9を結ぶ直線と、一対の連通孔7、8を結ぶ直線とが直行する。
【0021】
一対の連通孔7、8を結ぶ直線に斜めに交差して互いに平行に一対の突条13、14がその外面側に突出し、その先端部にL字状に曲折した曲がり部17を形成する。この突条13、14および曲がり部17の高さは、図7から明らかなように、第1流体5が流通する第1流路3の高さに整合する。
【0022】
次に、第2プレート2は図4、図5に示すごとく、第2流体6の一対の連通孔10、11が周方向に180度離間して、設けられている。その孔縁は、第1プレートのそれらと同様に内面側に凹嵌し、内フランジ状に形成されている。そして、連通孔10、11から周方向に90度離れた位置に一対のバイパス孔12が穿設されている。更に、プレートの平面には多数のディンプル15が、その内面側に突設されている。その突出高さは、第1流路3の高さに等しい。なお、各ディンプル15は、図6に示すごとく、第1プレート1の各突条13、14と接触しないように、平面的にそれを避けて配置されている。
【0023】
そして、第1プレート1、第2プレート2は図1のごとく積層され、第1プレート1の連通孔7、8の内フランジ部がその下面側の第2プレート2のバイパス孔12に接する。また、第1プレート1の一対のバイパス孔9はその上面側の第2プレート2の連通孔10、11の内フランジに接触する。そして、第1プレート1の下面側と第2プレート2の上面側との間にはインナーフィン16が挿入される。このインナーフィン16には一対の連通孔7、8および一対のバイパス孔9に整合する位置に孔が穿設されている。
【0024】
このインナーフィン16は、図1に示す如く、オフセットフィン(マルチエントリー型フィン)を用いることが好ましい。これは多数の波形が平面の一方方向に曲折されるとともに、その波の頂部方向に多数の切起しが形成されたものである。そして、図7に示すごとく、インナーフィン16が介装された位置に第2流路4が形成される。
【0025】
第1プレート1の上面側と第2プレート2の下面側との間にはインナーフィンは介装されず、第1プレート1の突条13、14が第2プレート2の下面に接触するとともに、第2プレート2のディンプル15が第1プレート1の上面側に接する。そして、それらの間に第1流路3を形成する。
【0026】
そして、図1のごとく、最上端に位置する一対の連通孔10、11には第2流体用の一対の取付パイプ19の一端が挿入され、一対のバイパス孔12には、それぞれ取付パイプ20の下端が装着される。なお、積層方向の最下端には孔を有しないプレートが配置される。そして、各プレートの接触部間が一体にろう付け固定され、積層型熱交換器を構成する。そして、第1流体5として、冷却水が第1プレート1の上面側と、第2プレート2の下面側との間に流通し、第2流体6としてオイルが第1プレート1の下面側と、第2プレート2の上面側との間に流通し、両流体間に熱交換が行なわれるものである。
なお、図1において、積層方向の最上端を端蓋で閉塞し、最下端のプレートに一対づつの取付パイプ19、20を接続してもよい。
【0027】
(作用)
冷却水である第1流体5は、図6のごとく、一方の連通孔7から第1流路3内を一対の突条13、14を迂回し、他方の連通孔8にS字状に流通する。この時、第1流体5は一対の突条13、14に案内されるとともに、多数のディンプル15により攪拌される。それとともに、第1流体5の流路は比較的狭く絞られ、その分だけ流速を増して流通する。また、第2流体6としてのオイルは、第1プレート1の下面側を一方のバイパス孔9から他方のバイパス孔9に流通する。この時、その第2流路4内にはインナーフィン16が配置され、それによって、熱伝達を良好にする。そして、図6に示すごとく、各プレートの中央部で第2流体6と第1流体5とは、対向流となる。この時、第2流体6は一方のバイパス孔9から他方のバイパス孔9を結ぶ直線の近傍により多くが流通する。それが第2流体の出入口の最短距離だからである。そして、その位置には第1流体5が対向流として導かれ、熱交換を促進する。
【0028】
(第2実施例)
次に図8は、第1プレート1の第2実施例であり、この例が前記第1実施例の図2のそれと異なる点は、突条13、14が直線的に形成されている点のみである。即ち、図2の場合には、突条13、14の他端に曲がり部17が設けられていたが、図8の例ではそれが存在しない。それに対応して図示しない第2プレートのディンプルその他が形成される。
(第3実施例)
次に図9は、第1プレート1の第3実施例であり、この例が図8の実施例と異なる点は、突条13、14が一対の連通孔7、8間を結ぶ直線に直交する点である。図8の場合は、それが斜めに交差していた。
【0029】
(第4実施例)
次に図10は、本発明の第4実施例の第1プレート1であり、これが図8の実施例と異なる点は、第1プレート1の外形が正方形に形成されている点のみである。
(第5実施例)
次に図11は、本発明の第5実施例であり、これが図10のそれと異なる点は、連通孔7、8間を結ぶ直線と、各突条13、14とが直交する点である。図10の場合は、それがX字状に交差する。
【0030】
(第6実施例)
次に図12は、本発明の第6実施例であり、その第1プレート1が図10のそれと異なる点は、第1プレート1の外周が細長い矩形に形成され、その対角位置に一対の連通孔7、8が設けられるとともに、他の対角位置に一対のバイパス孔9が設けられた点である。そして、第1プレート1は長方形に形成れている。それに対応して図示しない第2プレートのディンプルその他が形成される。
(第7実施例)
次に図13は、本発明の第7実施例の第1プレート1であり、これが図12のそれと異なる点は、一対の突条13、14が第1プレート1の短辺にそれぞれ平行に配置されている点である。図12のそれらは、短辺に対して鋭角に配置されていた。
【0031】
いずれの実施例でも、第1流体5は突条13、14の存在により、一方の連通孔7から他方の連通孔8にS字状に流通する。なお、各実施例の第1プレート1の外周は第2プレート2の外周に整合し、それぞれの孔も上下方向に積層したとき、互いに整合する位置に配置されている。そして、第2プレート2には各突条13、14を避けた位置にディンプル15が第1プレート1の上面側に突出する。そして、第1プレート1の下面側と第2プレート2の上面側との間にはオフセット型のインナーフィン16が配置される。
【符号の説明】
【0032】
1 第1プレート
2 第2プレート
3 第1流路
4 第2流路
5 第1流体
6 第2流体
【0033】
7 連通孔
8 連通孔
9 バイパス孔
10 連通孔
11 連通孔
12 バイパス孔
【0034】
13 突条
14 突条
15 ディンプル
16 インナーフィン
17 曲がり部
18 周壁
19 取付パイプ
20 取付パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の皿状プレートを積層した積層型熱交換器であって、オイルクーラ等に用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のオイルクーラは、平面円形の多数の皿状プレートに出入孔とバイパス孔とが周方向に90度づつ位置ずれして穿設され、各プレートがインナーフィンを介して積層され、各プレートの一つ置きにオイル流路と冷却水流路とを形成したものである。
また、特許文献2に記載の自動車用オイルクーラは、平面円形で、プレート表面に多数の突条を並列し、各突条が上下のプレートで互いに交差するように配置することにより、インナーフィンを省略したものである。
更に、特許文献3に記載のオイルクーラは、平面が方形で多数の突条を並列し、内部にインナーフィンを有さないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−139480号公報
【特許文献2】特開平10−96596号公報
【特許文献3】実用新案登録第3026231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、各プレート間にインナーフィンを配置するため、部品点数が多くなり、組立てが面倒で、製造コストが高くなる欠点がある。
特許文献2及び、特許文献3は、それぞれインナーフィンを排除し、各プレート表面に多数の突条を並列したものである。そして、各プレートの一枚おきに、オイル流路と冷却水流路とを形成するものである。
【0005】
このようなオイルクーラは、冷却水に比べて、粘性の高いオイル側の伝熱面積を大きくする必要がある。しかし、インナーフィンを省略した特許文献2,3は伝熱面積が比較的小さいため、単位体積あたりの熱交換量が少なくなる欠点がある。また、冷却水の流路においては、各部に均一に冷却水が流通しがたい欠点がある。
そこで、本発明はかかる欠点を取除き、比較的部品点数が少なく且つ、オイル側の伝熱面積を十分に確保しつつ、冷却水がプレート各部に均一に流通し、且つその流路長を長くして熱交換を促進しうる積層型熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、外周が互いに整合する皿状の第1プレート(1)と第2プレート(2)とが交互に積層されて、それらの間に第1流路(3)と第2流路(4)とが積層方向に交互に配置され、
第1プレート(1)には、一対の第1流体(5)の第1連通孔(7)(8)と、一対の第2流体(6)の第1バイパス孔(9)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、その一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交または、X字状に交差するように配置され、
第2プレート(2)には、第2流体(6)の一対の第2連通孔 (10) (11)と、一対の第1流体(5)の第2バイパス孔(12)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、
その第2プレート(2)の一対の第2連通孔(10)(11)と、第1プレート(1)の一対の前記第1パイパス孔(9)とが整合すると共に、第2プレート(2)の一対の第2パイパス孔(12)と第1プレート(1)の前記一対の第1連通孔(7)(8)とが整合し、
前記第1流路(3)に第1流体(5)が流通し、第2流路(4)に第2流体(6)が流通する積層型熱交換器において、
第1プレート(1)には、その第1流体(5)の一対の連通孔(7) (8)の間で、両孔(7)(8) を結ぶ直線に交差する一対の突条(13)(14)が並列して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、一方の突条(13)の長手方向の一端が第1プレート(1)の一方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の他端縁から離間して配置され、 他方の突条(14)の長手方向の一端が第1プレート(1)の前記他方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の前記一方縁から離間して配置され、それにより、第1流路(3)内で、第1流体(5)が一対の突条(13)(14)を迂回して平面略S字状に流通するように構成し、
第2プレート(2)には、前記突条(13)(14)を避けた位置で、多数のディンプル(15)が分散して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、
第2流路(4)側には、前記突条(13)(14)およびディンプル(15)の裏側の各凹陥部が存在し、その第2流路(4)にインナーフィン(16)が介装されたことを特徴とする積層型熱交換器である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の熱交換器において、
一対の突条(13)(14)の前記各他端部に、互いに対向する側に曲折する曲がり部(17)を有する積層型熱交換器である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換器において、
前記インナーフィン(16)がオフセット型のものであり、第1流体(5)と第2流体(6)とがプレートの中央部で対向流となるように流通する積層型熱交換器である。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面円形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交するように配置された積層型熱交換器である。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面方形または菱形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置された積層型熱交換器である。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱交換器がオイルクーラであり、第1流体(5)が冷却水であり、第2流体(6)がオイルである積層型熱交換器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の積層型熱交換器は、第1プレート1に並列して設けた一対の突条13、14の存在により、第1流体5がそれらを迂回して平面略S字状に流通するとともに、その第1流路3内には多数のディンプル15が分散して突出しているため、流路断面を小さくするとともに、流路長を長くして、その流速を早めて、第1流体5を十分攪拌するので、熱交換が促進される。また、第2流路4側には突条13、14、ディンプル15の突出部が存在せず、そこにインナーフィン16が介装されているから、第1流路に比べて伝熱面積が大きく且つ、第2流体6の流通を円滑にし、熱交換を促進しうる。
【0013】
上記構成において、請求項2に記載のように、一対の突条13、14の各他端部に互いに対向する側に曲折する曲がり部17を設けた場合には、第1流路3のS字状流路をより曲折して、その流路長を長くし、熱交換を促進させることができる。
【0014】
上記構成において、請求項3に記載のように、第2流路4のインナーフィン16をオフセット型のものとし、第1流体5と第2流体6とがプレートの中央部で対向流となるように流通させた場合には、さらに第1流体5と第2流体6との熱交換を促進しうる。
【0015】
上記構成において、請求項4に記載のように、第1プレート1および第2プレート2の外周を平面円形に形成し、一対の連通孔7、8間を結ぶ直線と、一対のバイパス孔9間を結ぶ直線とが直交するように配置した場合には、平面円形のプレートによる積層型熱交換器において、最も効率よく熱交換を行なうことができる。
【0016】
上記構成において、請求項5に記載のように、第1プレート1および第2プレート2の外周を平面方形または菱形に形成し、一対の連通孔7、8間を結ぶ直線と、一対のバイパス孔9間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置した場合には、このプレートの積層型熱交換器において、効率よく熱交換を行なうことができる。
【0017】
上記いずれかの熱交換器をオイルクーラとして使用し、第1流体5を冷却水とし、第2流体6をオイルとした場合には、オイル側の伝熱面積を大きくして、両流体間の熱交換を効率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例の積層型熱交換器の分解斜視図。
【図2】同熱交換器に用いられる第1プレート1の平面図。
【図3】図2のIII−III矢視断面図。
【図4】同熱交換器に用いられる第2プレート2の平面図。
【図5】図4のV−V矢視断面図。
【図6】同熱交換器の第1流体5および第2流体6の流通状態の説明図。
【図7】図6のVII−VII矢視断面図。
【図8】本発明の第2実施例の第1プレート1の平面図。
【図9】同第3実施例の第1プレート1の平面図。
【図10】同第4実施例の第1プレート1の平面図。
【図11】同第5実施例の第1プレート1の平面図。
【図12】同第6実施例の第1プレート1の平面図。
【図13】同第7実施例の第1プレート1の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
【0020】
(第1実施例)
本発明の積層型熱交換器は、外周が互いに整合する平面円形の皿状の第1プレート1と、第2プレート2とが交互に積層されて、それらの間に第1流路3と第2流路4とが積層方向に交互に配置される。
第1プレート1には、第1流体5の連通孔7、8が周方向に180度離間して配置されている。この連通孔7、8は、底面の平面から内面側に小筒部が形成され、その孔縁に内フランジ孔を形成する。そして、図2及び図3に示すごとく、一対の連通孔7、8から周方向に90度離間して、底面の平面に面一の一対のバイパス孔9が穿設されている。そして、その一対のバイパス孔9を結ぶ直線と、一対の連通孔7、8を結ぶ直線とが直行する。
【0021】
一対の連通孔7、8を結ぶ直線に斜めに交差して互いに平行に一対の突条13、14がその外面側に突出し、その先端部にL字状に曲折した曲がり部17を形成する。この突条13、14および曲がり部17の高さは、図7から明らかなように、第1流体5が流通する第1流路3の高さに整合する。
【0022】
次に、第2プレート2は図4、図5に示すごとく、第2流体6の一対の連通孔10、11が周方向に180度離間して、設けられている。その孔縁は、第1プレートのそれらと同様に内面側に凹嵌し、内フランジ状に形成されている。そして、連通孔10、11から周方向に90度離れた位置に一対のバイパス孔12が穿設されている。更に、プレートの平面には多数のディンプル15が、その内面側に突設されている。その突出高さは、第1流路3の高さに等しい。なお、各ディンプル15は、図6に示すごとく、第1プレート1の各突条13、14と接触しないように、平面的にそれを避けて配置されている。
【0023】
そして、第1プレート1、第2プレート2は図1のごとく積層され、第1プレート1の連通孔7、8の内フランジ部がその下面側の第2プレート2のバイパス孔12に接する。また、第1プレート1の一対のバイパス孔9はその上面側の第2プレート2の連通孔10、11の内フランジに接触する。そして、第1プレート1の下面側と第2プレート2の上面側との間にはインナーフィン16が挿入される。このインナーフィン16には一対の連通孔7、8および一対のバイパス孔9に整合する位置に孔が穿設されている。
【0024】
このインナーフィン16は、図1に示す如く、オフセットフィン(マルチエントリー型フィン)を用いることが好ましい。これは多数の波形が平面の一方方向に曲折されるとともに、その波の頂部方向に多数の切起しが形成されたものである。そして、図7に示すごとく、インナーフィン16が介装された位置に第2流路4が形成される。
【0025】
第1プレート1の上面側と第2プレート2の下面側との間にはインナーフィンは介装されず、第1プレート1の突条13、14が第2プレート2の下面に接触するとともに、第2プレート2のディンプル15が第1プレート1の上面側に接する。そして、それらの間に第1流路3を形成する。
【0026】
そして、図1のごとく、最上端に位置する一対の連通孔10、11には第2流体用の一対の取付パイプ19の一端が挿入され、一対のバイパス孔12には、それぞれ取付パイプ20の下端が装着される。なお、積層方向の最下端には孔を有しないプレートが配置される。そして、各プレートの接触部間が一体にろう付け固定され、積層型熱交換器を構成する。そして、第1流体5として、冷却水が第1プレート1の上面側と、第2プレート2の下面側との間に流通し、第2流体6としてオイルが第1プレート1の下面側と、第2プレート2の上面側との間に流通し、両流体間に熱交換が行なわれるものである。
なお、図1において、積層方向の最上端を端蓋で閉塞し、最下端のプレートに一対づつの取付パイプ19、20を接続してもよい。
【0027】
(作用)
冷却水である第1流体5は、図6のごとく、一方の連通孔7から第1流路3内を一対の突条13、14を迂回し、他方の連通孔8にS字状に流通する。この時、第1流体5は一対の突条13、14に案内されるとともに、多数のディンプル15により攪拌される。それとともに、第1流体5の流路は比較的狭く絞られ、その分だけ流速を増して流通する。また、第2流体6としてのオイルは、第1プレート1の下面側を一方のバイパス孔9から他方のバイパス孔9に流通する。この時、その第2流路4内にはインナーフィン16が配置され、それによって、熱伝達を良好にする。そして、図6に示すごとく、各プレートの中央部で第2流体6と第1流体5とは、対向流となる。この時、第2流体6は一方のバイパス孔9から他方のバイパス孔9を結ぶ直線の近傍により多くが流通する。それが第2流体の出入口の最短距離だからである。そして、その位置には第1流体5が対向流として導かれ、熱交換を促進する。
【0028】
(第2実施例)
次に図8は、第1プレート1の第2実施例であり、この例が前記第1実施例の図2のそれと異なる点は、突条13、14が直線的に形成されている点のみである。即ち、図2の場合には、突条13、14の他端に曲がり部17が設けられていたが、図8の例ではそれが存在しない。それに対応して図示しない第2プレートのディンプルその他が形成される。
(第3実施例)
次に図9は、第1プレート1の第3実施例であり、この例が図8の実施例と異なる点は、突条13、14が一対の連通孔7、8間を結ぶ直線に直交する点である。図8の場合は、それが斜めに交差していた。
【0029】
(第4実施例)
次に図10は、本発明の第4実施例の第1プレート1であり、これが図8の実施例と異なる点は、第1プレート1の外形が正方形に形成されている点のみである。
(第5実施例)
次に図11は、本発明の第5実施例であり、これが図10のそれと異なる点は、連通孔7、8間を結ぶ直線と、各突条13、14とが直交する点である。図10の場合は、それがX字状に交差する。
【0030】
(第6実施例)
次に図12は、本発明の第6実施例であり、その第1プレート1が図10のそれと異なる点は、第1プレート1の外周が細長い矩形に形成され、その対角位置に一対の連通孔7、8が設けられるとともに、他の対角位置に一対のバイパス孔9が設けられた点である。そして、第1プレート1は長方形に形成れている。それに対応して図示しない第2プレートのディンプルその他が形成される。
(第7実施例)
次に図13は、本発明の第7実施例の第1プレート1であり、これが図12のそれと異なる点は、一対の突条13、14が第1プレート1の短辺にそれぞれ平行に配置されている点である。図12のそれらは、短辺に対して鋭角に配置されていた。
【0031】
いずれの実施例でも、第1流体5は突条13、14の存在により、一方の連通孔7から他方の連通孔8にS字状に流通する。なお、各実施例の第1プレート1の外周は第2プレート2の外周に整合し、それぞれの孔も上下方向に積層したとき、互いに整合する位置に配置されている。そして、第2プレート2には各突条13、14を避けた位置にディンプル15が第1プレート1の上面側に突出する。そして、第1プレート1の下面側と第2プレート2の上面側との間にはオフセット型のインナーフィン16が配置される。
【符号の説明】
【0032】
1 第1プレート
2 第2プレート
3 第1流路
4 第2流路
5 第1流体
6 第2流体
【0033】
7 連通孔
8 連通孔
9 バイパス孔
10 連通孔
11 連通孔
12 バイパス孔
【0034】
13 突条
14 突条
15 ディンプル
16 インナーフィン
17 曲がり部
18 周壁
19 取付パイプ
20 取付パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周が互いに整合する皿状の第1プレート(1)と第2プレート(2)とが交互に積層されて、それらの間に第1流路(3)と第2流路(4)とが積層方向に交互に配置され、
第1プレート(1)には、一対の第1流体(5)の第1連通孔(7)(8)と、一対の第2流体(6)の第1バイパス孔(9)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、その一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交または、X字状に交差するように配置され、
第2プレート(2)には、第2流体(6)の一対の第2連通孔 (10) (11)と、一対の第1流体(5)の第2バイパス孔(12)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、
その第2プレート(2)の一対の第2連通孔(10)(11)と、第1プレート(1)の一対の前記第1パイパス孔(9)とが整合すると共に、第2プレート(2)の一対の第2パイパス孔(12)と第1プレート(1)の前記一対の第1連通孔(7)(8)とが整合し、
前記第1流路(3)に第1流体(5)が流通し、第2流路(4)に第2流体(6)が流通する積層型熱交換器において、
第1プレート(1)には、その第1流体(5)の一対の連通孔(7) (8)の間で、両孔(7)(8) を結ぶ直線に交差する一対の突条(13)(14)が並列して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、一方の突条(13)の長手方向の一端が第1プレート(1)の一方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の他端縁から離間して配置され、 他方の突条(14)の長手方向の一端が第1プレート(1)の前記他方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の前記一方縁から離間して配置され、それにより、第1流路(3)内で、第1流体(5)が一対の突条(13)(14)を迂回して平面略S字状に流通するように構成し、
第2プレート(2)には、前記突条(13)(14)を避けた位置で、多数のディンプル(15)が分散して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、
第2流路(4)側には、前記突条(13)(14)およびディンプル(15)の裏側の各凹陥部が存在し、その第2流路(4)にインナーフィン(16)が介装されたことを特徴とする積層型熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、
一対の突条(13)(14)の前記各他端部に、互いに対向する側に曲折する曲がり部(17)を有する積層型熱交換器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の熱交換器において、
前記インナーフィン(16)がオフセット型のものであり、第1流体(5)と第2流体(6)とがプレートの中央部で対向流となるように流通する積層型熱交換器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面円形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交するように配置された積層型熱交換器。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面方形または菱形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置された積層型熱交換器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱交換器がオイルクーラであり、第1流体(5)が冷却水であり、第2流体(6)がオイルである積層型熱交換器。
【請求項1】
外周が互いに整合する皿状の第1プレート(1)と第2プレート(2)とが交互に積層されて、それらの間に第1流路(3)と第2流路(4)とが積層方向に交互に配置され、
第1プレート(1)には、一対の第1流体(5)の第1連通孔(7)(8)と、一対の第2流体(6)の第1バイパス孔(9)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、その一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交または、X字状に交差するように配置され、
第2プレート(2)には、第2流体(6)の一対の第2連通孔 (10) (11)と、一対の第1流体(5)の第2バイパス孔(12)とがそれぞれ互いに離間して穿設され、
その第2プレート(2)の一対の第2連通孔(10)(11)と、第1プレート(1)の一対の前記第1パイパス孔(9)とが整合すると共に、第2プレート(2)の一対の第2パイパス孔(12)と第1プレート(1)の前記一対の第1連通孔(7)(8)とが整合し、
前記第1流路(3)に第1流体(5)が流通し、第2流路(4)に第2流体(6)が流通する積層型熱交換器において、
第1プレート(1)には、その第1流体(5)の一対の連通孔(7) (8)の間で、両孔(7)(8) を結ぶ直線に交差する一対の突条(13)(14)が並列して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、一方の突条(13)の長手方向の一端が第1プレート(1)の一方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の他端縁から離間して配置され、 他方の突条(14)の長手方向の一端が第1プレート(1)の前記他方縁の近傍まで達し、その他端は第1プレート(1)の前記一方縁から離間して配置され、それにより、第1流路(3)内で、第1流体(5)が一対の突条(13)(14)を迂回して平面略S字状に流通するように構成し、
第2プレート(2)には、前記突条(13)(14)を避けた位置で、多数のディンプル(15)が分散して、その第1流路(3)側にその流路高さに等しくプレス加工により突出し、
第2流路(4)側には、前記突条(13)(14)およびディンプル(15)の裏側の各凹陥部が存在し、その第2流路(4)にインナーフィン(16)が介装されたことを特徴とする積層型熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、
一対の突条(13)(14)の前記各他端部に、互いに対向する側に曲折する曲がり部(17)を有する積層型熱交換器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の熱交換器において、
前記インナーフィン(16)がオフセット型のものであり、第1流体(5)と第2流体(6)とがプレートの中央部で対向流となるように流通する積層型熱交換器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面円形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交するように配置された積層型熱交換器。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
第1プレート(1)および第2プレート(2)の外周が平面方形または菱形であり、第1プレート(1)の一対の第1連通孔(7)(8)間を結ぶ直線と、一対の第1バイパス孔(9)間を結ぶ直線とが直交またはX字状に交差するように配置された積層型熱交換器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱交換器がオイルクーラであり、第1流体(5)が冷却水であり、第2流体(6)がオイルである積層型熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−76523(P2013−76523A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217049(P2011−217049)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
[ Back to top ]