説明

積層型電子部品

【課題】 積層体の底面にのみ端子を形成した場合はコイルの両端を貫通ビアにて積層体の底面に引き出す必要がある。積層体の底面と側面に渡って端子を形成した場合は、積層体の底面と側面が交差する角部分で端子の厚みが薄くなって、端子が積層体の底面に形成された部分と積層体の側面に形成された部分とに分断され、断線したり、直流抵抗が上昇する。
【解決手段】 絶縁体層と導体パターンを積層し、積層体内に回路素子が形成される。この積層体には、底面と側面が交差する角部に、その表面が角部に露出する導電体を形成する。また、積層体の側面には導電体と接続する電極を形成する。そして、回路素子の両端を積層体の側面の電極に接続し、導電体と電極によって端子を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体層と導体パターンが積層された積層体内部に回路素子が形成され、この回路素子が積層体の外表面に形成された端子に接続された積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品に、図14と図15に示す様に、絶縁体層141と導体パターン142を積層して、これらの積層体内にコイルが形成され、積層体の外表面に端子144を形成した積層型電子部品がある。
この種の電子部品が実装される電子機器では、小型化に伴って実装基板とその上部基板やシールドケース等との距離が小さくなっている。この様な電子機器の実装基板に従来の電子部品を実装した場合、上部基板やシールドケースと電子部品の上面に形成された端子が接触し、上部基板やシールドケースとの間でショートしやすかった。
この様な問題を解決するために、図16(A)に示す様に積層体の底面にのみ端子164を形成する(例えば、特許文献1を参照。)か、又は、図16(B)に示す様に積層体の底面と側面に渡って端子164を形成する(例えば、特許文献2を参照。)ことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-12920号公報
【特許文献2】特開2006-114626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、積層体の底面にのみ端子を形成した従来の電子部品においては、積層体内部の構造が複雑になり、コイルの両端を貫通ビアにて積層体の底面に引き出す必要があった。また、積層体の底面と側面に渡って端子を形成した従来の電子部品においては、コイルの巻軸が実装面と平行になり、低背化した場合、磁束通過面積が小さくなり、特性が劣化するという問題があった。さらに、積層体の底面と側面に渡って端子を形成した従来の電子部品においては、積層体の底面と側面が交差する角部分で端子の厚みが薄くなって、端子が積層体の底面に形成された部分と積層体の側面に形成された部分とに分断され易く、断線が発生したり、直流抵抗が上昇したりするという問題があった。
【0005】
本発明は、端子が積層体の底面に形成された部分と側面に形成された部分との間で断線したり、直流抵抗が上昇したりすることのない積層型電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、絶縁体層と導体パターンを積層し、積層体内に回路素子が形成され、回路素子が積層体の外表面に形成された端子に接続された積層型電子部品において、積層体の底面と側面が交差する角部に、その表面が角部に露出する導電体を形成し、積層体の側面に導電体と接続する電極を形成して端子とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、絶縁体層と導体パターンを積層し、積層体内に回路素子が形成され、回路素子が積層体の外表面に形成された端子に接続された積層型電子部品において、積層体の底面と側面が交差する角部に、その表面が角部に露出する導電体を形成し、積層体の側面に導電体と接続する電極を形成して端子とするので、断線が発生したり、直流抵抗が上昇したりするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の積層型電子部品の第4の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明の積層型電子部品の第5の実施例を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の積層型電子部品の第5の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の積層型電子部品の第6の実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明の積層型電子部品の第7の実施例を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の積層型電子部品の第8の実施例を示す分解斜視図である。
【図14】従来の積層型電子部品の分解斜視図である。
【図15】従来の積層型電子部品の斜視図である。
【図16】従来の別の積層型電子部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の積層型電子部品は、絶縁体層と導体パターンを積層し、絶縁体層間の導体パターンを接続して、積層体内にコイルが形成される。また、この積層体は、底面と側面が交差する角部に、その表面が角部に沿って露出する導電体が形成される。さらに、この積層体の側面と底面には導電体に接続される電極がそれぞれ形成される。そして、コイルの両端が積層体の側面に引き出されて積層体の側面に形成された電極に接続される。この様にして積層体の底面と側面が交差する角部にその表面が露出した導電体と積層体の側面と底面にそれぞれ形成された電極によって端子が形成される。
従って、本発明の積層型電子部品は、従来の様に積層体の底面と側面が交差する角部で端子の厚みが薄くなることがなく、積層体の底面に形成された電極と積層体の側面に形成された電極が導電体によって確実に接続される。また、本発明の積層型電子部品は、積層体の角部にその表面が角部に沿って露出する様に導電体が形成されるので、導電体を積層体内のデッドスペースの必要最小限のスペースに形成することができ、その分磁性体を形成するスペースを増加させたり、コイルによって発生する磁束の交錯する量を低減して交流抵抗を低減させたりすることができ、コイルの電気的特性の劣化を防止できる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の積層型電子部品の実施例を図1乃至図13を参照して説明する。
図1は本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図、図2は本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す斜視図、図3は本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す断面図である。
図1乃至図3において、11A〜11Eは絶縁体層、12A〜12Cは導体パターンである。
絶縁体層11A〜11Eは磁性体、非磁性体、誘電体等の絶縁体を用いて形成される。また、導体パターン12A〜12Cは、銀、銀系、金、金系、白金等の金属材料をペースト状にした導体ペーストを用いて形成される。
絶縁体層11Aには、長手方向の両端部の中央に切り欠きが形成され、この切り欠き内に導体が充填されて導電体13Aと導電体13Bが形成される。導電体13Aと導電体13Bはその表面が絶縁体層11Aの表裏面と長手方向の側面に露出する。
絶縁体層11Bの表面には、コイル用導体パターン12Aが形成される。このコイル用導体パターン12Aは1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Aの一端は絶縁体層11Bの長手方向の側面まで引き出される。
絶縁体層11Cの表面には、コイル用導体パターン12Bが形成される。このコイル用導体パターン12Bは1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Bの一端は絶縁体層11Cのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Aの他端に接続される。
絶縁体層11Dの表面には、コイル用導体パターン12Cが形成される。このコイル用導体パターン12Cは1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Cの一端は絶縁体層11Dのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Bの他端に接続される。コイル用導体パターン12Cの他端は絶縁体層11Dの長手方向の側面まで引き出される。この様にコイル用導体パターン12A、コイル用導体パターン12B、コイル用導体パターン12Cを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。
この絶縁体層11D上には絶縁体層11Eが積層される。
この様に絶縁体層11A〜11Eとコイル用導体パターン12A〜12Cが積層された積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が角部に沿って露出する導電体13A、13Bが形成される。この積層体には、図2、図3に示す様に、底面に電極14A1と電極14B1が、長手方向の側面に電極14A2と電極14B2がそれぞれ形成される。この電極14A1と電極14A2は導電体13Aによって接続されて端子が形成される。また、電極14B1と電極14B2は導電体13Bによって接続されて端子が形成される。
そして、コイルの一端を構成するコイル用導体パターン12Aの一端が電極14A2に、コイルの他端を構成するコイル用導体パターン12Cの他端が電極14B2にそれぞれ接続されることにより、コイルが電極14A1、14A2、導電体13Aによって構成される端子と電極14B1、14B2、導電体13Bによって構成される端子間に接続される。
【0011】
図4は本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す斜視図である。
絶縁体層とコイル用導体パターンを図1の様に積層して積層体が形成され、絶縁体層間のコイル用導体パターンを螺旋状に接続して、積層体内にコイルが形成される。また、この積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体43A、43Bが形成される。
この様に形成された積層体には、底面に電極44A1と電極44B1が、長手方向の側面に電極44A2と電極44B2がそれぞれ形成される。電極44A2と電極44B2はその幅が積層体の長手方向の側面の幅とほぼ等しくなる様に形成される。この電極44A1と電極44A2は導電体43Aによって接続されて端子が形成される。また、電極44B1と電極44B2は導電体43Bによって接続されて端子が形成される。
そして、コイルの一端が電極44A2に、コイルの他端が電極44B2にそれぞれ接続されることにより、コイルが電極44A1、44A2、導電体43Aによって構成される端子と電極44B1、44B2、導電体43Bによって構成される端子間に接続される。
【0012】
図5は本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す分解斜視図、図6は本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す斜視図、図7は本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す断面図である。
絶縁体層51Aには、長手方向の両端部の中央に切り欠きが形成されると共に、この切り欠きに連なり幅方向に延在する貫通孔が形成され、この切り欠きと貫通孔内に導体が充填されて導電体53Aと導電体53Bが形成される。導電体53Aと導電体53Bはその表面が絶縁体層51Aの表裏面と長手方向の側面に露出する。
絶縁体層51Bには、長手方向の両端部の中央に切り欠きが形成され、この切り欠き内に導体が充填されて導電体53Aと導電体53Bが形成される。導電体53Aと導電体53Bはその表面が絶縁体層51Bの表裏面と長手方向の側面に露出する。
絶縁体層51Cの表面には、コイル用導体パターン52Aが形成される。このコイル用導体パターン52Aの一端は絶縁体層51Cの長手方向の側面まで引き出される。
絶縁体層51Dの表面には、コイル用導体パターン52Bが形成される。このコイル用導体パターン52Bの一端は絶縁体層51Dのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン52Aの他端に接続される。
絶縁体層51Eの表面には、コイル用導体パターン52Cが形成される。このコイル用導体パターン52Cの一端は絶縁体層51Eのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン52Bの他端に接続される。コイル用導体パターン52Cの他端は絶縁体層51Eの長手方向の側面まで引き出される。この様にコイル用導体パターン52A、コイル用導体パターン52B、コイル用導体パターン52Cを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。
この絶縁体層51E上には絶縁体層51Fが積層される。
この様に絶縁体層51A〜51Fとコイル用導体パターン52A〜52Cが積層された積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体53Aと導電体53Bが形成される。導電体53Aと導電体53Bは、積層体の底面に露出している部分に積層体の底面の幅方向に幅を広げた部分が形成される。この積層体には、図6、図7に示す様に、長手方向の側面に電極54Aと電極54Bがそれぞれ形成される。電極54Aは導電体53Aに接続される。また、電極54Bは導電体53Bに接続される。
そして、コイルの一端を構成するコイル用導体パターン52Aの一端が電極54Aに、コイルの他端を構成するコイル用導体パターン52Cの他端が電極54Bにそれぞれ接続されることにより、コイルが電極54A、導電体53Aによって構成される端子と電極54B、導電体53Bによって構成される端子間に接続される。
【0013】
図8は本発明の積層型電子部品の第4の実施例を示す斜視図である。
絶縁体層とコイル用導体パターンを図5の様に積層して積層体が形成され、絶縁体層間のコイル用導体パターンを螺旋状に接続して、積層体内にコイルが形成される。また、この積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体83Aと導電体83Bが形成される。導電体83Aと導電体83Bは、積層体の底面に露出している部分に積層体の底面の幅方向に幅を広げた部分が形成される。
この様に形成された積層体には、長手方向の側面に電極84Aと電極84Bが形成される。電極84Aと電極84Bはその幅が積層体の長手方向の側面の幅とほぼ等しくなる様に形成される。
そして、コイルの一端が電極84Aに、コイルの他端が電極84Bにそれぞれ接続されることにより、コイルが電極84A、導電体83Aによって構成される端子と電極84B、導電体83Bによって構成される端子間に接続される。
【0014】
図9は本発明の積層型電子部品の第5の実施例を示す分解斜視図、図10は本発明の積層型電子部品の第5の実施例を示す斜視図である。
絶縁体層91Aには、長手方向の両端部に絶縁体層91Aの幅と同じ幅の導電体93Aと導電体93Bが形成される。
絶縁体層91Bには、長手方向の両端部の中央に切り欠きが形成され、この切り欠き内に導体が充填されて導電体93Aと導電体93Bが形成される。導電体93Aと導電体93Bはその表面が絶縁体層91Bの表裏面と長手方向の側面に露出する。
絶縁体層91Cの表面には、コイル用導体パターン92Aが形成される。このコイル用導体パターン92Aの一端は絶縁体層91Cの長手方向の側面まで引き出される。
絶縁体層91Dの表面には、コイル用導体パターン92Bが形成される。このコイル用導体パターン92Bの一端は絶縁体層91Dのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン92Aの他端に接続される。
絶縁体層91Eの表面には、コイル用導体パターン92Cが形成される。このコイル用導体パターン92Cの一端は絶縁体層91Eのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン92Bの他端に接続される。コイル用導体パターン92Cの他端は絶縁体層91Eの長手方向の側面まで引き出される。この様にコイル用導体パターン92A、コイル用導体パターン92B、コイル用導体パターン92Cを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。
この絶縁体層91E上には絶縁体層91Fが積層される。
この様に絶縁体層91A〜91Fとコイル用導体パターン92A〜92Cが積層された積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体93Aと導電体93Bが形成される。導電体93Aと導電体93Bは、積層体の底面に露出している部分の幅が積層体の底面の幅と同じになる様に形成される。この積層体には、図10に示す様に、長手方向の側面に電極94Aと電極94Bがそれぞれ形成される。電極94Aは導電体93Aに接続される。また、電極94Bは導電体93Bに接続される。
そして、コイルの一端を構成するコイル用導体パターン92Aの一端が電極94Aに、コイルの他端を構成するコイル用導体パターン92Cの他端が電極94Bにそれぞれ接続されることにより、コイルが電極94A、導電体93Aによって構成される端子と電極94B、導電体93Bによって構成される端子間に接続される。
【0015】
図11は本発明の積層型電子部品の第6の実施例を示す斜視図である。
絶縁体層とコイル用導体パターンを図9の様に積層して積層体が形成され、積層体内にコイルが形成される。また、この積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体113Aと導電体113Bが形成される。導電体113Aと導電体113Bは、積層体の底面に露出している部分に積層体の底面の幅方向に幅を広げた部分が形成される。
この様に形成された積層体には、長手方向の側面に電極114Aと電極114Bが形成される。電極114Aと電極114Bはその幅が積層体の長手方向の側面の幅とほぼ等しくなる様に形成される。
そして、コイルの一端が電極114Aに、コイルの他端が電極114Bにそれぞれ接続されることにより、コイルが電極114A、導電体113Aによって構成される端子と電極114B、導電体113Bによって構成される端子間に接続される。
【0016】
図12は本発明の積層型電子部品の第7の実施例を示す分解斜視図である。
絶縁体層121Aには、長手方向の両端部に複数の切り欠きが形成され、この切り欠き内に導体が充填されて複数の導電体123Aと複数の導電体123Bが形成される。複数の導電体123A、123Bはそれぞれ絶縁体層121Aの表裏面と長手方向の側面に露出する。
絶縁体層121Bの表面には、コイル用導体パターン122Aが形成される。このコイル用導体パターン122Aの一端は絶縁体層121Bの長手方向の側面まで引き出される。
絶縁体層121Cの表面には、コイル用導体パターン122Bが形成される。コイル用導体パターン122Bの一端はコイル用導体パターン122Aの他端に接続される。
絶縁体層121Dの表面には、コイル用導体パターン122Cが形成される。コイル用導体パターン122Cの一端はコイル用導体パターン122Bの他端に接続される。コイル用導体パターン122Cの他端は絶縁体層121Dの長手方向の側面まで引き出される。この様にコイル用導体パターンを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。
この絶縁体層121D上には絶縁体層121Eが積層される。
この様に絶縁体層とコイル用導体パターンが積層された積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が角部に沿って露出する導電体123A、123Bが形成される。この積層体の底面には複数の導電体123Aに接続される電極と複数の導電体123Bに接続される電極が形成される。また、積層体の長手方向の側面には複数の導電体123Aに接続される電極と複数の導電体123Bに接続される電極が形成される。
そして、コイルの一端を構成するコイル用導体パターン122Aの一端が導電体123Aに接続された積層体の側面の電極に、コイルの他端を構成するコイル用導体パターン122Cの他端が導電体123Bに接続された積層体の側面の電極にそれぞれ接続されることにより、コイルが端子間に接続される。
【0017】
図13は本発明の積層型電子部品の第8の実施例を示す分解斜視図である。
絶縁体層131A、131Bには、長手方向の両端部に絶縁体層131Aの幅と同じ幅の導電体133Aと導電体133Bが形成される。
絶縁体層131Cの表面には、コイル用導体パターン132Aが形成される。このコイル用導体パターン132Aの一端は絶縁体層131Cの長手方向の側面まで引き出される。
絶縁体層131Dの表面には、コイル用導体パターン132Bが形成される。このコイル用導体パターン132Bの一端はコイル用導体パターン132Aの他端に接続される。
絶縁体層131Eの表面には、コイル用導体パターン132Cが形成される。このコイル用導体パターン132Cの一端はコイル用導体パターン132Bの他端に接続される。コイル用導体パターン132Cの他端は絶縁体層131Eの長手方向の側面まで引き出される。この様にコイル用導体パターンを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。
この絶縁体層131E上には絶縁体層131Fが積層される。
この様に絶縁体層とコイル用導体パターンが積層された積層体は、底面と長手方向の側面が交差する角部に、その表面が露出する導電体133Aと導電体133Bが形成される。導電体93Aと導電体93Bは、積層体の底面に露出している部分の幅が積層体の底面の幅と同じになる様に、積層体の側面に露出している部分の幅が積層体の側面の幅と同じになる様に形成される。この積層体には、長手方向の側面に電極がそれぞれ形成される。
そして、コイルの一端を構成するコイル用導体パターン132Aの一端が導電体133Aに接続された電極に、コイルの他端を構成するコイル用導体パターン132Cの他端が導電体133Bに接続された電極にそれぞれ接続されることにより、コイルが端子間に接続される。
【0018】
以上、本発明の積層型電子部品の実施例を述べたが、本発明はこの実施例に限られるものではない。例えば、導電体を積層体の底面と幅方向の側面が交差する角部に露出させる様に形成してもよい。また、第1の実施例と第7の実施例において、長手方向の両端部に切り欠きが形成され、この切り欠き内に導体が充填されて導電体が形成された絶縁体層が複数積層されてもよい。
【符号の説明】
【0019】
11A〜11E 絶縁体層
12A〜12C 導体パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体層と導体パターンを積層し、積層体内に回路素子が形成され、該回路素子が該積層体の外表面に形成された端子に接続された積層型電子部品において、
該積層体の底面と側面が交差する角部に、その表面が該角部に露出する導電体を形成し、
該積層体の側面に該導電体と接続する電極を形成して端子としたことを特徴とする積層型電子部品。
【請求項2】
絶縁体層と導体パターンを積層し、積層体内に回路素子が形成され、該回路素子が該積層体の外表面に形成された端子に接続された積層型電子部品において、
該積層体の底面と側面が交差する角部に、その表面が該角部に露出する導電体を形成し、
該積層体の側面と底面に該導電体と接続する電極をそれぞれ形成して端子としたことを特徴とする積層型電子部品。
【請求項3】
前記回路素子が前記積層体の側面に引き出され、前記積層体の側面に形成された前記電極に接続された請求項1又は請求項2に記載の積層型電子部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−69829(P2013−69829A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206872(P2011−206872)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】