説明

積層型電池

【課題】 積層型電池の内部にガスが発生した場合にも、単位電池素子同士等の接触を維持して電池としての十分な機能を発揮させる。
【解決手段】 シート状の正極(12)とシート状の負極(14)との間に電解質(16)の層を介在させた単位電池素子(18)を積層させた積層体(22)をラミネートシート(24)で抜気密封した積層型電池(10)において、前記積層体で発生した気体を捕集するためのバッファ(20)を設けた。このバッファには内部を真空状態にした多孔質部材(20a)又は中空部材(20b)や、つぶした状態の弾性を有する中空管(20c)等が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電池に関し、より詳細には、シート状の正極と負極との間に電解質の層を介在させた単位電池素子を積層させた積層体を、ラミネートシート(フレキシブルな外装部材)で密封した電池において、内部に発生するガスを捕集するための構造を備えた積層型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
図6にシート型のリチウム二次電池の一般的な構造を模式的に示した。この図に示したようにシート型のリチウム二次電池は、正極集電体(12a:アルミニウム集電体)の片面に正極合剤(12b)を塗布した正極(12)と負極集電体(14a:リチウム集電体)の片面に負極合剤(14b)を塗布した負極(14)とを、電解質(16)の層を介して積層して構成した単位電池素子(18)を、この単位電池素子の正極集電体の未塗布面と負極集電体の未塗布面とを接触させた状態で順次積層(図では3層)して積層体(22)とし、これをラミネートシート(24)を用いて抜気密封したものである。
【0003】
ラミネートシート(24)は、例えばアルミニウム箔を中間の一層とし、その内側にポリプロピレンフィルムを、外側にポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムをそれぞれラミネートして一体化したものであり、柔軟性を有している。
2枚のラミネートシートに挟み込まれた積層体(22)は、正極リード(31)および負極リード(32)を外部へ導出した状態で収容され、ラミネートシートの外周部が熱融着等で封口されることで内部の気密が確保されている。
【0004】
また図7に示した特許文献1の「積層型電池、組電池および車両」には、電流をラミネートシート(24)外に取り出すための正極リードや負極リードを不要とし、正極リードや負極リードを通過することによる電池出力の低下を防止することを目的として、電解質(16)の層を挟んで積層されたシート状の電極(12,14)に含まれる集電体(12a,14a)のうち、最外層にある集電体をラミネートシートから露出させ、これを電極端子とした積層型電池が発案されている。
【特許文献1】特開2004−134210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような積層型電池では、積層することにより直列に複数の単位電池素子を接続し、積層数に応じた任意の電池電圧を得ることができるものの、主として充放電の繰り返しに伴って発生する分解ガスや酸素などの種々の気体が単位電池素子内の電極と電解質との接触や単位電池素子同士の接触を阻害し電池の出力を低下させてしまうことや、またこれらが完全に剥離してしまった場合には、積層型電池が電池として機能しなくなってしまうことがあった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、単位電池素子を複数段積層させた積層体をラミネートシートで密封した積層型電池の内部にガスが発生した場合にも、電極と電解質との接触や単位電池素子同士の接触を維持することで、電池としての十分な機能を発揮することができる積層型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、シート状の正極(12)とシート状の負極(14)との間に電解質(16)の層を介在させた単位電池素子(18)を積層させた積層体(22)をラミネートシート(24)で抜気密封した積層型電池(10)において、前記積層体で発生した気体を捕集するためのバッファ(20)を設けた、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記バッファ(20)は、ラミネートシート内に収容され、積層体(22)とバッファとの間には気体流路(26)が形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記バッファ(20)は、内部を真空状態にした多孔質部材(20a)又は中空部材(20b)であり、前記積層体(22)で発生した気体を多孔質部材又は中空部材内に捕集する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記バッファ(20)は、弾性を有する中空管(20c)であり、該中空管がつぶれた状態から当初の形状に復元しようとする復元力を利用して前記積層体(22)で発生した気体を中空管内に捕集する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記バッファ(20)は、板状の部材を折り曲げて製作した板バネ(20d)であり、該板バネが圧縮された状態から当初の形状に復元しようとする復元力を利用して前記積層体(22)で発生した気体を板バネ間の空隙に捕集する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、シート状の正極(12)とシート状の負極(14)との間に電解質(16)の層を介在させた単位電池素子(18)を積層させた積層体(22)をラミネートシート(24)で抜気密封した積層型電池(10)において、所定の厚みを有するメッシュ状または格子状の導体である板型のバッファ(20)を積層される単位電池素子の間に配置し、各単位電池素子で発生した気体をメッシュまたは格子の空隙に捕集することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、単位電池素子を積層させた積層体をラミネートシートで抜気密封した積層型電池に、主として充放電に伴って分解ガス等の種々の気体が発生した場合にも、これをバッファに捕集することができるため、これらの気体が単位電池素子同士等を剥離させ、その接触を阻害することによる電池出力の低下を回避することができる。
また特許文献1の積層型電池のように最外層の集電体を電極端子とする場合にも、気体の発生によって電極端子面が凹凸となることを回避することができ、複数の積層型電池を積み重ねて電池ユニットとした場合にも、積層型電池同士の十分な接触面を確保することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、バッファをラミネートシート内に収容し、積層体とバッファとを気体流路により連通することで、積層体で発生した気体を気体流路を通じてバッファに導くことができる。これにより簡易かつ簡潔な構成の積層型電池によって、気体の発生による単位電池素子同士等の剥離を回避することができるようになる。
【0015】
より具体的には、請求項3に記載の発明のように、積層体および中空部材(多孔質部材を含む)をフィルムシートで抜気密封して中空部材の内部を真空状態にし、または請求項4に記載の発明のように、積層体および径方向につぶした状態の弾性を有する中空管をフィルムシートで密封することで、積層体で発生した気体を中空部材または中空管の内部に捕集することができる。また請求項5に記載の発明のように、積層体および圧縮した状態の板バネをラミネートシートで密封することでも、板バネの復元力を利用して各単位電池素子で発生した気体を板バネ間の空隙に捕集することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、適当な厚みを有するメッシュ状または格子状(多孔質部材でも可)の導体である板型のバッファを、積層する単位電池素子の間に配置した状態でこれをラミネートシートにより抜気密封することで、バッファの容積を増大することができ、積層体で多くの気体が発生する場合にも迅速にこれを捕集することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
薄型に形成された積層型電池は、矩形の正極と負極とをポリマー電解質層を介して積層して構成した単位電池素子を複数層積層することで積層体とし、これをラミネートシートによって密封したものであり、ある程度の柔軟性を有している。
例えばポリマーリチウム二次電池では数十回から数百回の充放電を繰り返すため、その充放電に伴い各単位電池素子からはメタン、エタン、二酸化炭素、酸素など様々な気体が発生する。そのため本発明の積層型電池では、単位電池素子で発生した気体を捕集するためのバッファを有することをその特徴としている。
以下、本発明の積層型電池の各実施例を図面を用いて説明する。なお各実施例において同様の構成については重複する詳細な説明を省略する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)は本実施例の積層型電池の内部構造を示すための分解斜視図であり、図1(b)は作成した積層型電池の外縁部近傍のX−X断面の拡大図である。図に示した本実施例の積層型電池10は、単位電池素子18が12段積層された積層体22を有しており、その厚みは約5mm程度となっている。また本実施例では積層体22の縦横の長さをともに30cm程度とするが、電池の用途によって各辺の長さや積層段数を自由に設定することができる。
【0019】
積層体22の外周には積層体の側面を取り囲むようにしてバッファ20が枠状に取り付けられている。このバッファ20は絶縁性の硬質プラスチックやセラミクスを材料とする一辺が5mm程度(すなわち積層体22の厚さと同じ厚さ)の正方形断面の多孔質部材20aである。なお多孔質部材の断面形状は正方形に限られず、長方形、三角形、円形、半円形など適当な形状とすることができる。
【0020】
積層体22およびバッファ20は、縦横がともに32cm程度の長さの2枚のアルミラミネートシート24によって挟み込まれてパッケージされおり、2枚のアルミラミネートシート同士はその外周端の全周において約4cmの幅で熱融着されている。またアルミラミネートシート24の中心には、最外層にある集電体12a,14aを外部に露出させて電極端子として機能させるための縦横が24cm程度の窓部33が形成され、窓部33の全周も集電体12a,14aと熱融着されて封止されている。
【0021】
積層体22およびバッファ20をアルミラミネートシート24でパッケージする製造工程は真空チャンバー内で行われるか、またはアルミラミネートシート24の外周部のうち三方をあらかじめ封止した後内部を真空引きして封口することにより行われ、完成した当初の積層型電池10の内部は抜気された状態となる。そのため充放電に伴い積層体22から気体が発生した場合にも、ある程度の量までの気体は多孔質部材であるバッファ20の空隙に捕集されることになる。これにより、積層された単位電池素子18同士に剥離を生じることを防ぐことができ、接触阻害による電池出力の低下を回避することができる。またガス発生による積層型電池の変形を回避することができるため、複数の積層型電池10を積み重ねて電池ユニットとした場合にも、積層型電池同士の十分な接触面を確保することができる。
なお本実施例のようにバッファ20を枠状に形成しその中に積層体22を嵌め込むことで、積層型電池の形状が平面状に維持されるという副次的効果もある。
【実施例2】
【0022】
図2は実施例2の積層型電池の外縁部近傍の断面拡大図である。図に示した本実施例の積層型電池10の構成は上記実施例1の積層型電池の構成と類似しているが、バッファ20として多孔質部材を用いる代わりに1辺が5mm程度の正方形断面の中空部材20bを用いている。
【0023】
この中空部材20bは容易につぶれることのない絶縁性の材料によって作成され、積層体22の側面と面する部分には、複数個の小孔が軸方向に一列に形成されている。この小孔は積層体22内で発生した気体を中空部材20bに導くための、気体流路26となるものである。なお中空部材の断面形状は正方形に限られず、矩形全般、三角形、円形など適当な形状とすることができる。
【0024】
積層体22および中空部材20bは上記と同様に真空チャンバー内でアルミラミネートシート24によりパッケージされるか、またはアルミラミネートシート24の外周部のうち三方をあらかじめ封止した後内部を真空引きして封口することにより行われ、完成した当初の積層型電池10の内部は抜気された状態となる。そのため積層体22から発生した気体は、気体流路26を通り中空部材内の空間に吸引されて捕集されこととなる。
【実施例3】
【0025】
図3(a)は本実施例の積層型電池の内部構造を示すための分解斜視図であり、図3(b)は作成した積層型電池の外縁部近傍のX−X断面の拡大図である。図に示した実施例2の積層型電池10は、単位電池素子18が12段積層された縦横の長さをともに30cm程度、厚さを5mm程度とする積層体22と、積層体22の対向する2側面に隣接して配置された2本の中空管20c(バッファ20)を2枚のアルミラミネートシート24で挟み込んでパッケージしたものであり、実施例1および実施例2と同様に、アルミラミネートシート24に形成された窓部から最外層33にある集電体12a,14aを外部に露出させてこれを電極端子として機能させている。
【0026】
中空管20cは弾性を有する直径が1cmで絶縁樹脂性の中空円管であり、積層体22の側面と面する部分には、積層体22内で発生した気体を中空管内に導き入れるための気体流路26となる複数個の小孔が軸方向に一列に形成されている。
【0027】
所望の電圧を得るために本実施例の積層型電池10を積み重ねる場合には、積層型電池の側面に隣接して配置した中空管20cが互い違いになるように、偶数段の積層型電池と奇数段の積層型電池とが90°相対回転した位置関係となるように重ね合わされる(図示せず)。
【0028】
積層体22および中空管20cをアルミラミネートシート24でパッケージする際には、積層体22および中空管を2枚のアルミラミネートシート24で挟み込んだ後にこれをプレスし、中空管を径方向につぶれるように変形させた状態でアルミラミネートシート24を熱融着することで封止する(図3(b))。完成した積層型電池10内部の中空管20cは当初つぶれた状態にあるが、その弾性によりもとの形状に復元しようとする。そのため積層体22で気体が発生した場合にも、気体は気体流路26を通して中空管内に吸引されて捕集される。気体の捕集に伴い中空管20cは徐々にその断面形状を円形に近づけていくが(図3(b))、積層型電池10を積み重ねる場合にも中空管20cが互い違いになるようになっているため、その変形が電池ユニット全体の厚みに影響を与えることはほとんどない。
なお本実例の積層型電池10では、中空管20cの変形状態を目視することで積層体22からの気体の発生状況を確認することができ、これを電池の寿命の目安とすることができる。
【0029】
図4に本実施例の積層型電池の他の形態を示した。
この積層型電池では中空管の代わりに板状の部材をZ型に折り曲げて製作した板バネ20dをバッファとしたものである。この板バネ20dは外力が作用していない状態で5mm程度の高さを有している。この板バネも上記円筒管20cと同様に積層体22の対向する2側面に隣接して配置され、積層体22とともに2枚のアルミラミネートシート24により圧縮されて密封パッケージされている。
積層体22から発生した気体は、板バネ20dが圧縮された状態から当初の形状に復元しようとする復元力により板バネ間の空隙に捕集される。
【実施例4】
【0030】
図5に示した本実施例の積層型電池10は、積層される6段の各単位電池素子18の間に薄板状のバッファ20を配置した積層体22を、最外層にある集電体12a,14aを外部に露出させて電極端子とするための窓部33が形成された2枚のアルミラミネートシート24によって挟み込んで密封状態にパッケージしたものであり、積層体22全体の厚みは約10mm程度となっている。
このバッファ20は導電性製金属により作成され、各単位電池素子18と縦横の長さが同じで厚さが約1mm程度の大きさを有した格子状となっている。なおバッファ20の形状は格子状に限られるものではなくメッシュ状などにもすることができ、また電気伝導性の多孔質部材からなる薄板などを用いることもできる。
【0031】
積層体22をアルミラミネートシート24でパッケージする製造工程は、実施例1等と同様に真空チャンバー内で行われるか、またはアルミラミネートシート24の外周部のうち三方をあらかじめ封止した後内部を真空引きして封口することにより行われ、完成した当初の積層型電池10の内部は抜気された状態となる。そのため充放電に伴い各単位電池素子18から気体が発生した場合にも、比較的多くの気体を格子状のバッファ20の空隙に捕集することができる。これにより、積層された単位電池素子間等の通電を確保して、電池出力の低下を回避することができる。なおバッファ20は各単位電池素子の間に必ずしも配置される必要はなく、適当な枚数だけを配置することももちろん可能である。
なお本実施例の積層型電池によれば、積層型電池の厚みは厚くなるものの、バッファの空隙の体積を増加させることができるため、各単位電池素子から多くの気体が発生する場合にもこれに対処することができる。
【0032】
以上説明したように本発明によれば、単位電池素子を複数段積層させた積層体をラミネートシートで密封した積層型電池の積層体(単位電池素子)から気体が発生した場合にも、バッファがこれを捕集することで単位電池素子間等の通電を確保することができ、充放電を繰り返しても二次電池としての十分な機能発揮を確保することができる積層型電池が提供される。
【0033】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な形態の例ではあるが本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施することはもちろん可能である。例えば、バッファをラミネートシート内に封入することなく、外部に設けた吸引タンク等に積層体で発生した気体を導き捕集する構成とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように本発明によれば、主として充放電に伴い内部に気体が発生する場合にも単位電池素子間等の接触を確保することができる積層型電池が提供される。
なお上述の説明では積層型電池を薄型の二次電池として説明したが、フレキシブルな容器に収容される積層型の電池であり、使用によって内部に気体が発生するものであればこれに限られず、1次電池にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1における積層型電池の構造図である。
【図2】実施例2における積層型電池の構造図である。
【図3】実施例3における積層型電池の構造図である。
【図4】実施例3における積層型電池の他の形態の構造図である。
【図5】実施例4における積層型電池の構造図である。
【図6】シート型のリチウム二次電池の一般的な構造を示した模式図である。
【図7】特許文献1の積層型電池の構造図である。
【符号の説明】
【0036】
10 積層型電池
12 正極
12a 正極集電体
12b 正極合剤
14 負極
14a 負極集電体
14b 負極合剤
16 電解質
18 単位電池素子
20 バッファ
20a 多孔質部材
20b 中空部材
20c 中空管
20d 板バネ
22 積層体
24 ラミネートシート
26 気体流路
31 正極リード
32 負極リード
33 窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の正極(12)とシート状の負極(14)との間に電解質(16)の層を介在させた単位電池素子(18)を積層させた積層体(22)をラミネートシート(24)で抜気密封した積層型電池(10)において、
前記積層体で発生した気体を捕集するためのバッファ(20)を設けた、ことを特徴とする積層型電池。
【請求項2】
前記バッファ(20)は、ラミネートシート内に収容され、積層体(22)とバッファとの間には気体流路(26)が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の積層型電池。
【請求項3】
前記バッファ(20)は、内部を真空状態にした多孔質部材(20a)又は中空部材(20b)であり、前記積層体(22)で発生した気体を多孔質部材又は中空部材内に捕集する、ことを特徴とする請求項2に記載の積層型電池。
【請求項4】
前記バッファ(20)は、弾性を有する中空管(20c)であり、該中空管がつぶれた状態から当初の形状に復元しようとする復元力を利用して前記積層体(22)で発生した気体を中空管内に捕集する、ことを特徴とする請求項2に記載の積層型電池。
【請求項5】
前記バッファ(20)は、板状の部材を折り曲げて製作した板バネ(20d)であり、該板バネが圧縮された状態から当初の形状に復元しようとする復元力を利用して前記積層体(22)で発生した気体を板バネ間の空隙に捕集する、ことを特徴とする請求項2に記載の積層型電池。
【請求項6】
シート状の正極(12)とシート状の負極(14)との間に電解質(16)の層を介在させた単位電池素子(18)を積層させた積層体(22)をラミネートシート(24)で抜気密封した積層型電池(10)において、
所定の厚みを有するメッシュ状または格子状の導体である板型のバッファ(20)を積層される単位電池素子の間に配置し、各単位電池素子で発生した気体をメッシュまたは格子の空隙に捕集する、ことを特徴とする積層型電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−190601(P2006−190601A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2414(P2005−2414)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】