説明

積層微小構造化電池と製造方法

電池は、電流コレクタと陽極材料とがその上に形成される基材を含む第1部分を含む。第2部分は、基材上に形成され、電流コレクタと陰極材料とを含む。第1部分は第2部分に接合され、陽極材料を陰極材料から隔てるため、接合する際に隔離体が第1部分と第2部分との間に載置される。電解質は、陽極材料、陰極材料、および、隔離体と接触して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許はエネルギー蓄積システムに関する。より具体的には、本特許は、積層微小構造化電池システムと、その設計および製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(micro-electromechanical systems, MEMS)の多くは、電気エネルギーを動力源として必要とする。時として、電力は、結合された電池あるいは電池システムで供給される。電池が大きい場合、MEMS装置のサイズによる利点がなくなる。電極材料、隔離体、および、電解質の物理的制約のため、それらを別々に製造し、その後、それらからなる電池をMEMS装置に結合せざるをえない。
【0003】
また、MEMS技術は、完全に移植可能な医療装置の開発を可能とした。しかし、こうした装置の電源は、これらシステムの質量の最大85%、体積の最大35%を占めることもある。市販されている最小の電池は、ミリメートル(mm)範囲であり、亜鉛あるいはリチウムの化学反応を利用している。液相の電解質および気相の反応副生成物を収容するために、ステンレス鋼のケースが一般的に用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移植可能なシステムのさらなる小型化のためには、MEMS製作技術との親和性が改善された、MEMS加工親和材料および基材を備える新しい電池技術が必要である。また、動力源の選択は、電気化学以外の事柄にも依存する。設計過程では、形状因子、性能、寿命、化学反応の毒性、および、熱産生の割合が考慮されなければならない。このことは移植可能なシステムについて特に当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は微小構造化電池に関する。こうした電池は、一般的にはおよそ1mmの、微視的な設置面積を作製するために用いることができ、また、製造時にMEMS装置に直接組み込むことができる。微小構造化電池は、MEMSのこれまでのエネルギーと電力との制約を克服する可能性を有し、環境的あるいは生物医学的用途の無線センサーネットワークを作るためのMEMS装置の普及利用を可能とするだろう。なぜなら、システムの他の構成要素と同じ規模で動力源を作ることが可能であるからである。電池材料を積層するための改良された製作工程を用いることで、エネルギー損失は減少し、蓄電能力は増加し得、MEMSに組み込む得る寸法を有し寿命要求に応える微小電池が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る結合された微小機械化電池を含む微小電気機械システムの模式図を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る微小機械化電池の断面図を示す。
【図3】複数セル微小機械化電池の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
MEMS装置は、その製造とともに、あるいは、その製造と親和性の高い方法で製造され得る薄膜の微小構造化された積層電池からの恩恵をうけ得る。微小電池は、MEMS装置そのものに用いられる加工技術を用いて製造されてもよい。このようにして、微小電池は、たかだか装置自身程度の設置面積しか有しないように製造され得、加工中に、あるいは、MEMS装置と同じ加工技術を用いて製造されてもよい。微小電池は、MEMS装置に直接接続されてもよく、これにより追加工程なしで済ますことができる。基材に、間隔、接続、あるいは、電解質の微小流路を作るために、他の微小構造化工程を適用してもよく、例えば、レーザー加工、微細ドリル加工、微細切断加工、あるいは、類似の加工が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態は、MEMS装置と組み合わせることに適した電池構造と関連付けて記載されるが、本願技術はより大きな寸法に拡張可能である。そのため、本発明は、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)およびラップトップコンピュータなどのより大きな携帯装置を含む大型の装置に組み込むことのできる電池と、平面太陽電池アレイと、車両を含む様々な種類の装置に電力を供給し、あるいは、グリッド電力設備の負荷平準化をもたらす大型高出力の角柱状あるいは巻回電池との設計および製造に適用することができる。
【0008】
図1は、MEMS装置10とそれに結合された微小機械化電池12とを示す。MEMS装置は、ガラス、例えば二酸化シリコン(SiO2)のシリコン基材14、と、基材14上に形成された変換器16と、基材14中に形成された、例えば処理装置の、回路18とを含み得る。カバー20は、変換器を露出させながら回路18を取り囲み得る。本発明は、MEMS装置の特定の構造あるいはその意図する機能に限定されず、MEMS装置が変換器であるもの、変換器を含むもの、あるいは、MEMS装置が処理回路または類似構造を含むものも含まないものも包含する。そのため、MEMS装置は、実質的にどんな型の電力要件を有するMEMS装置でもあり得る。
【0009】
微小機械化電池12は、MEMS装置10に結合されており、例えば、高分子接着剤19、例としては2液エポキシ樹脂、を用いてMEMS装置10に固定され得る。
【0010】
図2は、微小電池、例えば微小構造化電池12、の横断面を示す。この実施形態では、基材は、微細ダイアモンドドリルを用いて機械加工され、固体、ゲル状、あるいは、液体の電解質を収めるのに適した間隔が電極間に作られる。微小構造化電池12は、両部分の間に位置する隔離体26を有する第1部分22と第2部部品24とを含む。両部分はそれぞれ陽極と陰極とを画定し、少なくとも電極材料において異なる。これら部分は、接着剤、例えば速硬性エポキシ樹脂、で、それらの間に配置される隔離体26にともに固定され得る。隔離体26は、Celgard(登録商標)あるいは他のナノメートル径の孔を有する高分子膜から形成され得、厚さ約25マイクロメートル(μm)から100nmであり得る。
【0011】
電解質は、部分の一方もしくは両方の中に形成された微小流路28(これらの経路は、電解質の導入の後に封止されるので、破線で描かれる)を用いて導入され得る。好ましい実施形態では、保管寿命とひいては装置の使用可能時間とを延長するため、電解質の導入は、MEMS装置が作動するまで遅延される。
【0012】
部分22と24のそれぞれは、電極材料30を基材32上に載置することで形成される。また、適切な電流コレクタ構造34が、有利なことには、電極載置工程中にあるいは以降の工程で、基材32上に載置される。電流コレクタ34は、電池出力のMEMS装置10への結合を可能にする伝導性タップ36を含むように形成されてもよい。電極活性材料の載置は、レーザー加工、例えば、Nd−YAG、あるいは、他の種類のレーザーによって、パルスレーザー堆積法(PLD)、電子線堆積法(EBD)、化学気相堆積法(CVD)、物理的気相堆積法(PVD)、化学液相堆積法(CFD)、あるいは、電気めっき、もしくは、以上の任意の組み合わせ、と組み合わせて達成され得る。
【0013】
ある実施形態では、微小構造化電池12の一般的性質に制限されるものではないが、陽極と陰極とのための基材32は、コンピュータ支援設計と印刷技術を用いて最初にマスクを形成することで準備され得る。フォトレジストは、ウェハーストックなどの未処理の基材ストック上にスピンコーティングされ、紫外線(UV)照明への露光あるいは他の方法を用いて硬化され得る。フォトレジストは、溶剤によって選択的に取り除かれてもよい。その後、基材は、腐食液、例えば、フッ素酸(HF)、あるいは、均一に制御可能に材料を取り除くことのできる他の腐食液を用いて望ましい深さにエッチングされる。
【0014】
基材をエッチングするために、ウェットエッチングの代わりに、レーザー切断を用いてもよい。レーザー切断では、加工工程は少なく、加工速度は速くなる可能性がある。しかし、ウェットエッチングでは、エッチングの深さ、および、空洞形状の深さをより良く制御できる可能性がある。
【0015】
第1部分22、この実施例で言えば亜鉛(Zn)陽極、が、3つの金属堆積工程を用いて形成され得る。ニッケル(Ni)層(図示せず)、あるいは、他の接着目的の金属もしくは金属酸化物の材料が、金(Au)もしくは他の伝導性電流コレクタ、例えば電流コレクタ34、に続いてエッチングされた基材上に載置され得る。その後、亜鉛層は、活性材料、例えば電極材料30、のために載置される。この実施形態では、亜鉛は、石油あるいは別の蒸留物中に溶かしたZnナノ粒子のエアゾールスプレー堆積によって載置される。
【0016】
第2部分24、この実施例で言えば酸化銀(AgO)陰極、が、3つの金属堆積工程を用いて形成され得る。ニッケル(Ni)層(図示せず)、あるいは、他の接着目的の金属もしくは金属酸化物の材料が、金(Au)もしくは他の伝導性電流コレクタ、例えば、電流コレクタ34に続いてエッチングされた基材上に載置される。その後、銀層は、活性材料、例えば電極材料30、のために載置される。銀活性材料の配置に続いて、銀は酸化され酸化銀になる。酸化は、銀材料が十分に酸化されるまで、基材を過酸化水素水(H)に浸すことで達成され得る。代わりに、金属の酸化は、膜をオゾン雰囲気(O)中でUV光線に露光することで酸化されてもよい。こうした目的、例えば金属堆積の間基材膜を酸素(O)にさらすこと、のため、他の酸化剤、あるいは、酸化雰囲気が使用されてもよい。
【0017】
適切な金属堆積技術であればいかなるものでも採用できる。PVDは、厚い(10μmより厚い)金属層を、他の工法よりも迅速に堆積することが可能である。要求される活性材料の厚さが、PVDあるいはスパッタリング法を介して可能な厚さを超える場合、代わりに、その膜に電気めっき法を用いることができる。電流コレクタの厚さは、一般的に、活性材料の厚さよりも薄く、適切な技術であればいかなるものを用いて形成してもよい。化学液相堆積法は、低温工程である利点があり、加工工程数を減少させ得る。焼結法は、銀粉を基材上に堆積するために用いられ得るが、要求される加工温度のため、この加工法はあまり望ましくないかもしれない。最後の電極構造の表面仕上げは、基材の温度と用いられた蒸着技術とに強く依存する。PVDは、低い基材温度で行なわれるので、多孔性が高く表面仕上がりの荒い基材ができあがる。堆積膜は、非結晶質であり得、再結晶化のための続く熱処理を必要とするかもしれない。多孔構造は、電気伝導性と機械的一体性を維持しながらも、利用可能な活性表面積と電解質浸透性とを有するため、液体電解質を使用する電池電極に役に立つ。
【0018】
必要であれば、複数の基材を、ウェハーあるいは別の基板構造上に設けてもよい。エッチング後、金属堆積と酸化工程は、必要に応じて完了され、適切な特定の電気エネルギーと電力特性が獲得される。各基材は、標準的な切断技術を用いて、ウェハーから分離され得る。亜鉛の酸化を防ぐため、陽極部のダイシング中には、冷却水は用いるべきではない。
【0019】
ミリメートル未満の直径、例えば直径およそ100μmの、流路あるいは開口部28が基材32中に形成され、電解質の例えば、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸プロプレン(PC)、あるいは、イオン伝導性で電気的に中性の他の電解質が完成した微小構造化電池構造12に空気の排出と同時に導入されることが可能となる。代わりに、ゲル状の電解質を、部分の接合と封止の際に用いて微小電池構造内に封入しても、あるいは、基材中に形成された目的に合致する通路を介し後で挿入してもよい。
【0020】
開口部28を形成するため、微小機械ドリル加工あるいは化学ドリル加工を用いてもよい。追加のガラス流路(図示せず)を、形成された孔に挿入し、速硬性エポキシ樹脂を用いて、そこに固定してもよい。電解質の導入に続いて、存在するのであれば、ガラス流路は、パッケージとエポキシを用いて封止された開口部28とから切り離され得る。
【0021】
前記の実施例では、各基材は、電池構造に組み込まれる前に分離される。複数の電池が、分離の前に組み立てられ得る。金属堆積工程の完了後、接着剤、例えば1つ以上の接着剤シートあるいはスクリーン印刷湿潤接着剤、が、ウェハーの一方あるいは両方の上に堆積され得る。ウェハーは、その後、ウェハー-接着剤-隔離体-接着剤-ウェハーのサンドイッチ状に接合され得、接着剤の硬化後、各電池は分離される。
【0022】
微小機械化電池の複数加工は、さらに、複数セル微小機械化電池の製造を可能にする。分離工程の間、複数のセルが、接合したままに残され得る(図3に示す電池セル12’を参照)。電流コレクタ34と伝導性タップ36との形成の際、伝導性タップは、複数のセル(伝導性タップ36を参照)を連結して複数セル微小機械化電池の単一出力が得られるように形成され得る。
【0023】
実際の電極、電解質、および、隔離体材料は、用途に対して選択され得、既知の最適化技術を用いて改良され得る。こうした最適化技術の1つは、Albano(他)著、Design of an Implantable Power Supply for an Intraocular Sensor, Using POWER (Power Optimization for Wireless Energy Requirements)および、Cook(他)著、POWER (power optimization for wireless energy requirements): A MATLAB based algorithm for design of hybrid energy systems, Journal of Power Sources, 2006年159号758〜780頁に記載されている。
【0024】
ニッケル電池化学反応は、再充電可能な無線周波数である利点を有する。銀電池化学反応は、信頼性を向上し、放電電流の安定性をもたらす。リチウム化学反応を含む薄膜技術は、MEMS装置加工で要求される潜在的に高い加工温度のため、MEMS装置と組み合わせる場合、潜在的な加工の困難をもたらす。しかし、いくつかの電池化学反応は、200℃までの温度に耐える能力があり得る。
【0025】
微小機械化電池12をMEMS装置10に接合する、シリコンに固定された高分子は、最初に両部品を金を蒸着して被覆することで、強化され得る。また、プラズマ化学気相成長(PECVD)窒化シリコン被膜も固定を強化し得る。金とシリコンは、純金属よりもかなり低い融点を有する共晶化合物を作ることが知られている。冷却固化で両部品を固定する接合工程中に、液膜が作られる。
【0026】
本発明に係る電池の実施形態は、以下の性質を1つ以上有し得る。
1)MEMS装置の製造と同時に形成・組み立てされること。
2)小型軽量であるため、自律遠隔センサーネットワークを作ることを可能とすること。
3)高い単位質量・単位容積あたりのエネルギー・電力と、一致する電位を有する商用電池に勝るファラデー効率(≒27mWh/cm)とを示すこと。
4)高度な精密製造により、低い内部抵抗と低い電流漏洩であること。
5)薄膜が堆積された電極であること。
6)高い電圧を達成するために、積み重ね可能、かつ/または、層状の電極を有すること。
7)薄膜平面セル、角柱状の積層セル、円筒状セル、あるいは、螺旋状の巻回セルとしての配置に適していること。
8)主あるいは副電気化学反応に修正可能であること。
9)固体薄膜電解質、あるいは、液体ないしゲル溶液の電解質に適合可能であること。
10)気密封止可能であること。
11)大量生産によって潜在的にコストを削減できること。
12)肉眼で見える電池寸法に拡大可能であること。
【0027】
本明細書中に記載したMEMS装置における実施形態に係る電池の用途は明らかであるものの、その技術は完全に拡大縮小が可能であり、大型の堆積電池が可能であり望ましい。小型電池のための本発明技術の実証を図示し、このアプローチを立証する。そこで、本発明とその実施形態は以下のものを提供する。
A)装置製造時の、あるいは、装置製造完了後の組み込みを可能とする、顕著に減少した寸法と改善したエネルギー・電力特性とを有する、MEMSのための最適な電力供給源の設計と製造。
B)小規模、低コスト、かつ、組み込み可能な、CMOSシステムの作製を可能とする、薄膜蒸着に基づく作成方法。
C)微小電池スタックの能力および寿命と、配置と、複数セルの構成との特性化。
D)微小構造化技術を基材に適用することで、頑丈で柔軟な基材上の微小電極膜と、液相、ゲル状、あるいは、固相の電解質間隙とを形成すること。
【0028】
本発明は、故障保護装置と連結して用いられ得るいくつかの好ましい実装組み立て品の実施形態に関して記載されているが、本発明はこうした装置に制限されるものではないと理解されるであろう。本発明概念は、いかなる数の装置および構造と連結して採用されてよい。さらに、種々の実施形態の特徴を組み合わせて例示し記載したが、これら特徴は、本発明の範囲内にあるこうした1つの実装のそれぞれに、別々に実装され得る。
【0029】
本開示は、種々の変形例と代替形態が可能であり、特定の実施形態を、図面および本明細書中に記載の実施形態において一例として示した。しかし、本開示は、本発明を記載した特定の形態に制限することを意図するものではなく、むしろ、本発明は、添付の請求項で既定される全ての変形例、代替例、および、等価例を含むことを意図するものである、と理解されるだろう。
【0030】
ある語が、本特許中で「本明細書中で用いられるように、ここで語『』は〜を意味するものと定義される」という文章あるいは類似の文章で明示的に定義されていない限り、その語の意味を、明示的であろうと暗示的であろうと、明白な通常の意味合いを越えて、制限する意図はなく、こうした語は、本特許の(請求項の言葉使いを除いて)いかなる段落のいかなる文章に基づく範囲にも限定されるものとして解釈されるべきではない。本特許の末尾の請求項で列挙されるいかなる語が本特許中で単一の意味で一貫して参照される範囲においても、それは読み手を混乱させないよう明瞭にするためになされるのであり、こうした請求項の語が、制限によって、暗示によって、あるいは、その他の方法によって、その一つの意味を意図するものではない。請求項の要素が「手段」という語といかなる構造の詳細も有しない機能とを列挙することで定義されない限り、いかなる請求項の要素の範囲も合衆国法典第35巻112条第6段落の適用に基づいて解釈されることを意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜電流コレクタと、高度に多孔質の微細構造を特徴とし物理的気相成長工程によって設けられる薄膜陽極材料とがその上に形成される基材を含む第1部分と、
薄膜電流コレクタと、高度に多孔質の微細構造を特徴とし物理的気相成長工程によって設けられる薄膜陰極材料とがその上に形成される基材を含む第2部分とを含み、
前記第1部分は前記第2部分と結合し、前記陽極材料を前記陰極材料から隔てるために、隔離体が、前記第1部分と前記第2部分との間に配置される、
電池。
【請求項2】
前記薄膜陽極材料と前記薄膜陰極材料とのそれぞれが高度に多孔質の微細構造を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記陽極材料、前記陰極材料、および前記隔離体に接触する電解質を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
各基材が、対応する前記陽あるいは陰極材料と前記電流コレクタとを受容するキャビティを提供するためエッチングされたあるいは削磨されたガラスを含む、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記ガラスはシリコン酸化物を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記陽極材料が、亜鉛、リチウム金属(Li)、黒鉛(C)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、あるいは、他の炭素層間化合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記陰極材料が、酸化銀、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、LiNiCoAl、および、LiNiCoMn、からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記電解質材料が、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチレン(EC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸プロプレン(PC)、あるいは、イオン伝導性で電気的に中性の他の電解質、の材料である、請求項1に記載の電池。
【請求項9】
MEMS装置がその中にあるいはその上に戴置される基材と、前記基材、装置チップ、あるいは、チップキャリア上に直接に戴置され、前記MEMS装置に電気的に結合された微小電池とを含むMEMSシステム。
【請求項10】
前記微小電池は、前記MEMS装置の基材、装置チップ、あるいは、チップキャリア上に直接に形成される、請求項9に記載のMEMSシステム。
【請求項11】
前記微小構造化電池は、接着剤によって前記基材に固定される、請求項9に記載のMEMS装置。
【請求項12】
前記接着剤は高分子接着剤である、請求項9に記載のMEMS装置。
【請求項13】
接着剤修正塗装が、前記基材と前記微小機械化電池との少なくとも1つに適用される、請求項9に記載のMEMS装置。
【請求項14】
前記接着剤修正塗装は、金属、金属酸化物、あるいは、セラミックの層を含む、請求項9に記載のMEMS装置。
【請求項15】
前記接着剤修正塗装は、金層あるいはプラズマ化学気相成長(PECVD)窒化シリコン被膜を含む、請求項9に記載のMEMS装置。
【請求項16】
1つ以上の追加の微小構造化電池に結合された第1微小構造化セルを含む、微小構造化電池。
【請求項17】
前記第1微小構造化セルと任意の追加の微小構造化セルとは共通基材上に形成される、請求項9に記載の微小構造化電池。
【請求項18】
前記第1微小構造化電池セルと任意の追加の微小構造化セルとは、直列にあるいは並列に、電気的に結合される、請求項9に記載の微小構造化電池。
【請求項19】
第1キャビティを形成するために第1基材をエッチングあるいは削磨する工程と、
前記第1キャビティ内に電流コレクタ材料と陽極材料とを戴置する工程と、
第2キャビティを形成するために第2基材の一部をエッチングあるいは削磨する工程と、
前記第2キャビティ内に電流コレクタ材料と陰極材料とを戴置する工程と、
前記第1基材と前記第2基材との間に隔離体を設け、前記陽極材料を前記陰極材料から隔てる工程と、
を含む電池の製造方法。
【請求項20】
前記陽極材料、前記陰極材料、および前記隔離体に接触する電解質を設ける工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1基材をエッチングあるいは削磨する工程と、第2基材をエッチングあるいは削磨する工程とは、マスキングを伴う、または、伴わないエッチング、もしくは、レーザーを利用した削磨を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
陽極および陰極材料を配置する工程は、化学気相成長法、プラズマ気相成長法、化学液層成長法、電気めっき法、焼結法、あるいは、スパッタリング法の使用を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第1基材と前記第2基材とを接合する工程は、前記第1基材と前記第2基材とを固定する工程を含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−524158(P2010−524158A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501282(P2010−501282)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/058923
【国際公開番号】WO2008/121972
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(509269805)ザ レジェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (2)
【Fターム(参考)】