説明

積層配線構造体およびその製造方法

【課題】 金属プラグ近傍の上層配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上する。
【解決手段】 下層配線3上に層間絶縁膜4を堆積させる。次に絶縁膜4に開口部5を形成する。次に開口部にタングステンまたはアルミニウムを埋め込み、下層配線と電気的に接続する金属プラグ7を形成する。次に金属プラグ7上部に凹部を形成する。次に凹部にのみ銅8を堆積する。最後に銅を含んだアルミニウム合金からなる上層配線9を形成し、熱処理を行う。これにより金属プラグ7の上層配線の金属プラグ7近傍で、アルミニウム銅化合物が形成され、金属プラグ7近傍の銅濃度が増加する。したがって金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超LSIの製造で配線や電極として使用される金属配線と多層配線間を電気的に接続する金属プラグとを備えた積層配線構造体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超LSIの高集積化・高速化に伴い、金属配線内の原子の移動に起因するエレクトロマイグレーション現象による配線の断線が生じ、半導体装置の信頼性を低下させるといった問題が生じている。そのため、金属配線をスパッタ法もしくは化学気相成長法(以下CVD法と略す)で形成する際に、例えばアルミニウムを金属配線として用いる場合には、銅をアルミニウム中に添加するとエレクトロマイグレーション耐性が向上するということが知られており、半導体装置の配線形成の際に広く利用されている(例えば、F.M.d'Heurle,Met. Trans.2,683(1971)、A.J.Learn,J.Electronic Materials,3,531(1974)など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法では以下に述べる問題があった。
【0004】図2は、従来の積層配線構造体の構成断面図である。シリコン基板1上に、シリコン酸化膜からなる第一絶縁膜2、第一積層配線3、シリコン酸化膜からなる第二絶縁膜4が形成されている。第二絶縁膜4に開口部を形成し、開口部に第一チタン・窒化チタン積層膜6、および第一積層配線3と電気的に接続する金属プラグ7とを形成する。また、第二絶縁膜4上には、金属プラグ7と電気的に接続する第二積層配線9が形成されている。
【0005】エレクトロマイグレーション現象による金属配線の断線において一番断線しやすい箇所は、多層配線の場合、図2に示すように各層配線同士を電気的に接続する金属プラグ7上部にある金属配線9の金属プラグ7近傍である。従来の方法では、この箇所のエレクトロマイグレーション耐性のみ選択的に向上させることは出来ない。
【0006】また、アルミニウム金属に2%以上の銅を添加した場合は、エレクトロマイグレーション耐性は確かに向上するが、今度は配線形成の際の加工上の問題、具体的には、アルミニウム中に2%以上銅が添加されたアルミニウム合金においては、銅塩化物の蒸気圧が大変小さいためにエッチングができなくなってしまう。銅は、配線全体に添加されるので、前述したように、一番断線しやすい箇所である金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性を選択的に向上させることはできない。
【0007】本発明の目的は、エレクトロマイグレーション現象による金属配線の断線において一番断線しやすい箇所である金属プラグ近傍の銅濃度を加工上の問題を起こすことなく増やすことにより、エレクトロマイグレーション耐性を向上させ、信頼性の高い積層配線構造体およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る積層配線構造体は、下層配線と、銅を含んだアルミニウム合金からなる上層配線と、前記下層配線と前記上層配線とを電気的に接続し、かつ上部に凹部が形成され、前記凹部に銅を堆積したタングステンまたはアルミニウムからなる金属プラグとで構成されている。
【0009】請求項1の構成により、金属プラグの銅を堆積した部分とアルミニウム合金が接した箇所、すなわち金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍においては、その後の熱処理においてAl2Cuが形成される。配線に電流が流れる際、このAl2Cuは分解されるので(例えばI.R. Barkshire and M.Prutton, J.Appl.Phys. 77(3),February 1995,p1082-1085)その部分の銅濃度が増えることになり、その結果、銅を含んだアルミニウム合金からなる積層配線においてエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性を選択的に向上させることができる。
【0010】請求項2に係る積層配線構造体は銅の代わりにTi,Cr,Mg,Ni,Pd,Scのいずれかを含むアルミニウム合金を配線に用い、それと同種の金属を凹部に堆積した金属プラグとで構成されている。
【0011】請求項2の構成により、アルミニウムに添加することでエレクトロマイグレーション耐性が向上すると報告されている銅以外の金属を用いても先に述べたのと同じ理由でエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性を選択的に向上させることができる。
【0012】請求項3に係る積層配線構造体の製造方法は銅を含んだアルミニウム合金からなる下層配線を形成する第一の工程と、前記下層配線上に層間絶縁膜を形成する第二の工程と、前記層間絶縁膜中に開口部を形成し、前記開口部に前記下層配線と電気的に接続する金属プラグを形成する第三の工程と、前記金属プラグ上部に凹部を形成し、前記凹部に銅を堆積させる第四の工程と、前記金属プラグと電気的に接続した上層配線を形成する第五の工程と、熱処理を行い銅の化合物を形成する第六の工程とで構成されている。
【0013】請求項3の方法により金属プラグの銅を堆積した部分とアルミニウム合金が接した箇所、すなわち金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍に確実にAl2Cuが形成され、その部分の銅濃度が増すことになるためエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性が向上した積層配線を形成することができる。
【0014】請求項4に係る積層配線構造体の製造方法は、前記第三の工程において、タングステンまたはアルミニウムを前記開口部を埋めるように全面に堆積させた後、エッチバックして金属プラグ上部が前記層間絶縁膜の表面に対して凹部となるようにした後、前記凹部を覆うように全面にバリヤ層で被覆したのち前記第四の工程を行う方法である。
【0015】請求項4の方法により、従来の半導体装置の製造プロセスをそのまま利用できかつエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性が向上した積層配線構造体を形成することができる。
【0016】請求項5に係る積層配線構造体の製造方法は、前記第三の工程において前記開口部にのみ選択的にタングステンまたはアルミニウムを前記層間絶縁膜表面に対して凹部となるように堆積する方法である。
【0017】請求項5の方法により全面に堆積させたタングステンまたはアルミニウムをエッチバックするという工程を省くことができ、エッチバックに伴う素子へのダメージ(エッチ種の残留による腐食など)を低減できるだけでなく製造の効率化ならびに製造コストの低減を図ることができかつエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性が向上した積層配線構造体を形成することができる。
【0018】請求項6に係る積層配線構造体の製造方法は、第四の工程において銅を前記金属プラグ上部を覆うように全面に堆積させたのち前記層間絶縁膜表面が現れるまで銅をエッチングもしくは研磨して平坦化し、金属プラグ凹部にのみ銅を残す方法である。
【0019】請求項6の方法により金属プラグ凹部にのみ銅を残すことができかつその表面が前記層間絶縁膜とともに平坦化されているためにその上部に上層配線を形成することによりエレクトロマイグレーション耐性をさらに向上させることができる。
【0020】請求項7に係る積層配線構造体の製造方法は、第四の工程において前記金属プラグ凹部にのみ選択的に銅を堆積する方法である。
【0021】請求項7の方法により余剰の銅を取り除く工程を省くことができ、製造の効率化ならびに製造コストを低減することができる。
【0022】請求項8に係る積層配線構造体の製造方法はアルミニウムに添加することでエレクトロマイグレーション耐性が向上すると報告されている銅以外の金属を用いて積層配線構造体を形成する方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)まず、図1を参照しながら本発明の積層配線構造体の構造について説明する。
【0024】図1は、本実施形態の積層配線構造体の構成断面図である。この積層配線構造体は、あらかじめトランジスタが形成されているシリコン基板1上に、シリコン酸化膜からなる第一絶縁膜2、銅を含んだアルミニウム合金からなる第一積層配線3、シリコン酸化膜からなる第二絶縁膜4が形成されている。更に第二絶縁膜4に開口部を形成し、開口部に第一チタン・窒化チタン積層膜6aと、タングステン膜からなり、第一積層配線3と電気的に接続する金属プラグ7とを形成する。このとき、金属プラグ7上部が、第二絶縁膜4に対して凹部となるようにする。更に金属プラグ7上部を被覆し、かつ凹部を保つように第二チタン・窒化チタン積層膜6bを形成し、さらに凹部に銅8を堆積されている。金属プラグ7と電気的に接続する、銅を含んだアルミニウム合金からなる第二積層配線9が形成されている。
【0025】この構成では、特に、開口部に形成されたダングステンプラグの上に、エレクトロマイグレーションを防止するために銅を選択的に形成している。
【0026】図1に示すような積層配線構造体をにより、金属プラグの銅を堆積した部分とアルミニウム合金が接した箇所、すなわち上層配線9の金属プラグ7近傍においては、その後の熱処理において配線のアルミと銅8との反応により銅アルミ合金Al2Cuが形成される。配線に電流が流れる際、このAl2Cuは分解されるので、その部分の銅濃度が増えることになり、その結果、銅を含んだアルミニウム合金からなる積層配線において、エレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性を選択的に向上させることができる。
【0027】以下、図3(a)〜(g)を参照しながら図1に示す積層配線構造体の製造方法について説明する。
【0028】図3(a)が示す工程において、既にトランジスタが形成されているシリコン基板1上に、シリコン酸化膜からなる第一絶縁膜2、および下層配線として銅を含んだアルミニウム合金からなる第一積層配線3を形成する。
【0029】次に、図3(b)に示す工程において、第一積層配線3上に第二絶縁膜4としてTEOS膜をプラズマCVD法にて約2mm堆積し、TEOS膜が800nmになるまで化学的機械的研磨(以後CMPと略す)によって平坦化を行った後、第一積層配線3に達するまでTEOS膜に開口部5を形成する。
【0030】次に、図3(c)に示すように、開口部5に後に形成されるタングステンプラグの密着層として第一チタン・窒化チタン積層膜6aをスパッタ法もしくはCVD法により堆積させた後、タングステン膜7をブランケットタングステンCVD法により開口部を埋めるように全面に堆積する。このとき、第一チタン・窒化チタン積層膜6aとタングステン膜7の堆積膜厚は、開口部5の深さと径によって決定される。
【0031】次に、図3(d)に示すように、ドライエッチングによって第二絶縁膜4上の第一チタン・窒化チタン積層膜6aおよびタングステン膜7をエッチバックして、開口部5内のみにタングステン膜7および第一チタン・窒化チタン積層膜6aを残し、第一積層配線3と電気的に接続するタングステンプラグを形成する。この際、タングステンプラグ上部が第二絶縁膜4に対して200nm程度低くなるようにオーバーエッチをかけることにより凹部を形成する。
【0032】次に、図3(e)に示すように、第二チタン・窒化チタン積層膜6bをスパッタ法またはCVD法により堆積させた後、同じくスパッタ法により凹部を被覆するように全面に銅8を堆積する。
【0033】次に、図3(f)に示すように第二チタン・窒化チタン積層膜6b上の銅8を第二チタン・窒化チタン積層膜6(b)が現われるまでCMPにより研磨を行う。この工程により、凹部にのみ銅8が残ることになる。銅8の上にも凹部が形成されている。これは、後で形成される上層配線をはがれにくく密着性を上げるようにするためである。
【0034】その後、図3(g)が示すように、銅8上の凹部および第二チタン・窒化チタン積層膜6b上に金属プラグと電気的に接続する銅を含んだアルミニウム合金からなる第二積層配線9を形成し、最後に500℃前後の熱処理を行い、銅とアルミとの反応させる。
【0035】この製造方法により、金属プラグの銅8を堆積した部分とアルミニウム合金9が接した箇所、すなわち金属プラグ7の上層配線9の金属プラグ7近傍に確実にAl2Cuが形成され、その部分の銅濃度が増すことになるため、エレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線9の金属プラグ7近傍のエレクトロマイグレーション耐性が向上した、積層配線構造体を形成することができる。
【0036】尚、本実施形態では、接続孔が金属配線間(ヴィアホール)の場合であるが、半導体領域と配線金属を接続するコンタクトホールの場合でも同様である。
【0037】また、本実施形態では、タングステンプラグを形成した例を用いたが、アルミニウムプラグを形成しても良い。更に、銅の代わりにTi,Cr,Mg,Ni,Pd,Scのいずれかの金属を用いても良い。ただし、アルミニウムに含まれる金属と凹部に堆積する金属は同種でなくてはならない。
【0038】図3(e)において銅を堆積させる際、凹部を被覆するように堆積させたため、銅堆積後でもタングステンプラグ形成部は、第二絶縁膜に対して少し低くなっているが、凹部を完全に埋め込んだ後、図3(f)に示すCMP処理を行った方が第二積層配線を形成する下地が完全に平坦化しているため、さらにエレクトロマイグレーション耐性を向上させることが可能となる。
【0039】本実施形態では、ブランケットタングステンCVD法を用いてタングステン膜を形成したが、例えば選択タングステンCVD法を適用して、開口部5のみに選択的にタングステン膜7を形成する方法でもよい。
【0040】(実施の形態2)まず、図4を参照しながら積層配線構造体の構造について説明する。図4は、積層配線構造体の構造断面図である。構造については実施の形態1で説明した積層配線構造体の構造とほぼ同じである。しかし、実施の形態1では金属プラグ7の高さを第二絶縁膜4より低くすることにより、プラグ上部に凹部を形成し、凹部に堆積される銅8と第二絶縁膜4とが反応するのを防ぐために第二チタン・窒化チタン積層膜6bを形成したのに対し、図4ではドライエッチングにより金属プラグの中央部に直接凹部を形成している点で実施の形態1とは異なっている。
【0041】以下では、図5(a)〜(f)を参照しながら図4に示す積層配線構造体の製造方法について説明する。
【0042】図5(a)が示す工程において、既にシリコン基板1上にトランジスタ、シリコン酸化膜からなる第一絶縁膜2および銅を含んだアルミニウム合金からなる第一積層配線3が形成されているものとする。
【0043】次に、図5(b)に示す工程において、第一積層配線3上に第二絶縁膜4としてTEOS膜をプラズマCVD法にて約2mm堆積し、TEOS膜が800nmになるまで化学的機械的研磨(以後CMPと略す)によって平坦化を行った後、第一積層配線3に達するまでTEOS膜に開口部5を形成する。
【0044】次に、図5(c)に示すように、選択CVD法により開口部5のみに選択的にタングステン膜7を形成し、第一積層配線3と電気的に接続するタングステンプラグを形成する。その後、タングステンプラグの高さが第二絶縁膜4より高いときはCMPにより第二絶縁膜4と同じ高さになるまで平坦化を行う。
【0045】次に、図5(d)に示すように、フォトリソグラフィによりタングステンプラグ中央部に凹部を形成するためにパターニングを行ったのちドライエッチングによりタングステンプラグ中央部に凹部を形成する。
【0046】次に、図5(e)に示すように、選択CVD法によりタングステンプラグ凹部に銅を選択的に堆積する。その後積層した銅の高さが第二絶縁膜4より高くなったときはCMPにより第二絶縁膜4と同じ高さになるまで平坦化を行う。
【0047】その後、図5(f)に示すように銅を含んだアルミニウム合金からなる第二積層配線9を形成し、最後に500℃前後の熱処理を行う。
【0048】この製造方法により、全面に堆積させたタングステンをエッチバックする工程及び余剰の銅を取り除く工程を省くことが可能となり、エッチバックに伴う素子へのダメージ(エッチ種の残留による腐食など)を低減できるだけでなく製造の効率化ならびに製造コストの低減を図ることができかつエレクトロマイグレーション耐性が最も弱い金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍のエレクトロマイグレーション耐性が向上した積層配線構造体を形成することができる。
【0049】尚、本実施形態では、接続孔が金属配線間(ヴィアホール)の場合であるが、半導体領域と配線金属を接続するコンタクトホールの場合でも同様である。
【0050】また、タングステンのかわりにアルミニウムでプラグを形成しても良い。更に本実施形態では、開口部にタングステンだけを選択的に形成したが、例えばタングステン膜を形成する前に開口部に選択的に窒化チタン膜を形成させた後、タングステン膜を選択的に形成すると、タングステン膜の密着性が良好なプラグを形成することができ、信頼性を向上させることができる。
【0051】本実施形態では、プラグ中央部に形成した凹部に選択CVD法により銅を堆積したが、無電解メッキ法にて銅を堆積しても良い。更に銅の代わりにTi,Cr,Mg,Ni,Pd,Scのいずれかの金属を用いても良い。ただし、アルミニウムに含まれる金属と凹部に堆積する金属は同種である方が好ましい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、エレクトロマイグレーション現象による金属配線の断線において一番断線しやすい箇所である金属プラグ上層配線の金属プラグ近傍においてエレクトロマイグレーション耐性を向上する金属の濃度を選択的に増やすことができるため、エレクトロマイグレーション耐性が向上した積層配線構造体を形成することができる。よって信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0053】また、従来用いられている半導体装置の製造方法を大きく変更することなく、前述の効果を発揮し得る、積層配線構造体を製造することができる。
【0054】また選択CVD法を用いることにより、従来必要であった製造工程をいくつか省くことができ、かつ前述の請効果を発揮し得る積層配線構造体を製造することができ、かつ、製造の効率化ならびに製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における積層配線構造体の断面図
【図2】エレクトロマイグレーション現象による金属配線の断線において一番断線しやすい箇所を示す断面図
【図3】実施の形態1における積層配線構造体の製造工程を示す工程断面図
【図4】実施の形態2における積層配線構造体の断面図
【図5】実施の形態2における積層配線構造体の製造工程を示す工程断面図
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 第一絶縁膜
3 第一積層配線
4 第二絶縁膜
5 開口部
6a 第一チタン・窒化チタン積層膜
6b 第二チタン・窒化チタン積層膜
7 タングステン膜
8 銅
9 第二積層配線
10 ボイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下層配線と、銅を含んだアルミニウム合金からなる上層配線と、前記下層配線と前記上層配線とを電気的に接続するタングステンまたはアルミニウムからなる金属プラグとを備え、前記金属プラグ上部に凹部を形成し、前記凹部に堆積された銅を有する、積層配線構造体。
【請求項2】 銅の代わりにTi,Cr,Mg,Ni,Pd,Scのいずれかを含むアルミニウム合金を配線に用い、それと同種の金属を前記金属プラグ凹部に堆積した請求項1に記載の積層配線構造体。
【請求項3】 下層配線を形成する第一の工程と、前記下層配線上に層間絶縁膜を形成する第二の工程と、前記層間絶縁膜中に開口部を形成し、前記開口部に前記下層配線と電気的に接続する金属プラグを形成する第三の工程と、前記金属プラグ上部に凹部を形成し、前記凹部に銅を堆積させる第四の工程と、前記金属プラグと電気的に接続した上層配線を形成する第五の工程と、熱処理を行い銅の化合物を形成する第六の工程とを含む、積層配線構造体の製造方法。
【請求項4】 前記第三の工程において、タングステンまたはアルミニウムを前記開口部を埋めるように全面に堆積させた後、エッチバックして金属プラグ上部が前記層間絶縁膜の表面に対して凹部となるようにした後、前記凹部を覆うように全面にバリヤ層で被覆したのち前記第四の工程を行う請求項3に記載の積層配線構造体の製造方法。
【請求項5】 前記第三の工程において、前記開口部にのみ選択的にタングステンまたはアルミニウムを前記層間絶縁膜表面に対して凹部となるように堆積する請求項3または4に記載の積層配線構造体の製造方法。
【請求項6】 前記第四の工程において、銅を前記金属プラグ上部を覆うように全面に堆積させた後、前記層間絶縁膜表面が現れるまで銅を平坦化し前記金属プラグ凹部にのみ銅を残す請求項3に記載の積層配線構造体の製造方法。
【請求項7】 前記第四の工程において、前記金属プラグ凹部にのみ選択的に銅を堆積する請求項3に記載の積層配線構造体の製造方法。
【請求項8】 銅の代わりにTi,Cr,Mg,Ni,Pd,Scのいずれかを用いる請求項3〜7のいずれかに記載の積層配線構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平10−294317
【公開日】平成10年(1998)11月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−101409
【出願日】平成9年(1997)4月18日
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)