説明

積繊装置

【課題】回転ドラムの集積用凹部内の積繊物の離型がスムーズで転写不良を起こし難く、所望の形状の成形体を効率良く製造することができる積繊装置を提供すること。
【解決手段】回転ドラム1は、集積用凹部2を外周面に有し、ドラム本体3と集積用凹部2の底面2Aを形成する通気性の開孔部材4とを備えている。開孔部材4は、底面2Aに対向配置された外側成形部材6と、開孔部材4とドラム本体3との間に配置された内側成形部材7とに挟まれており、両成形部材6,7は開孔部材4に重ねて配されている。集積用凹部2の平面視において底面2Aと重なる両成形部材6,7の凹部底面対応部6A,7Aは、それぞれ、該凹部底面対応部6A,7Aを厚み方向に貫通する複数の開口部65,75と各該開口部65,75を区画形成する開口部画成部60,70とから構成され、内側成形部材7の開口部画成部70は外側成形部材6の開口部画成部60に対応している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に集積用凹部を有する回転ドラムを備え、該集積用凹部に、パルプ等の繊維材料や吸水性ポリマー等の成形体材料を積繊させ、所定形状の成形体(吸収体)を得るのに用いられる積繊装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の衛生品(吸収性物品)に用いられる吸収体の製造装置として、外周面に集積用凹部を有する回転ドラムを備え、回転ドラムを回転させつつ、その外周面にパルプ等の成形体材料を飛散状態にて供給し、成形体材料を集積用凹部の底面からの吸引により集積用凹部内に積繊させ、この集積用凹部内の積繊物を、集積用凹部に対向配置させた吸引手段からの吸引により集積用凹部から離型して、吸引手段上に転写する積繊装置が知られている。
【0003】
前述の如き構成の積繊装置の回転ドラムに関し、例えば特許文献1には、集積用凹部の底面を形成する、ワイヤメッシュ等の小孔のある通気性の部材の上に、マスキング部材を所定方向に移動可能に取り付け、該マスキング部材を動作させることによって所望の形状、坪量分布を有する吸収体を製造可能にした回転ドラムが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、集積用凹部の底面を形成する、多数の吸引孔を有する通気性の多孔板の内部側に、空気流を整流するハニカム構造整流体を該多孔板に対して一体的に配置した回転ドラムが記載されている。特許文献2によれば、このような構成の回転ドラムを用いることで、吸収体のプロファイルが安定化され、吸収体重量のバラツキが抑えられるとされている。
【0005】
また特許文献3には、集積用凹部の通気性の底面全域に、ドラムの径方向外方へ突出してドラムの周り方向へ長く延びる複数の凸部が形成され、該凸部が、該周り方向へ連続的又は間欠的に並ぶと共に、ドラムの軸方向へ所定寸法離間して並んでいる回転ドラムが記載されている。特許文献3によれば、このような構成の回転ドラムを用いることで、成形体材料が前記凸部を除く凹部のスペースに積繊するため、最終的に得られる成形体(吸収体)は、前記凸部によって形成された間欠的に並ぶ複数の低剛性部を有し、それによって、均一な剛性と高い柔軟性とを有し、全域に体液を効率良く吸収することができるとされている。
【0006】
また特許文献4には、集積用凹部の底面を形成するウェブ層の内部側(成形体材料の非積繊面側)に、複数の開口部を有するスペース部材と、複数の開口部を有するガス流量制御層とがこの順で積層されている回転ドラムが記載されている。特許文献4によれば、集積用凹部の底面(ウェブ層)は平坦状ではなく、該底面はドラム幅方向の中央部に凹部を有しており、そのため、成形体における該凹部に対応する部分を、他の部分に比して成形体材料の積繊量が多い高坪量部とすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2004−530799号公報
【特許文献2】国際公開第2007/037357号
【特許文献3】特開2006−141615号公報
【特許文献4】特開昭62−206071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の如き構成の積繊装置においては、回転ドラムの集積用凹部内に成形体材料を積繊させて得られた積繊物を、該集積用凹部に対向配置させた吸引手段からの吸引により該集積用凹部から離型して該吸引手段上に転写するときに、積繊物が集積用凹部内の構成部材の隙間等に引っ掛かって該集積用凹部からスムーズに離型されない場合があり、積繊物の転写不良を起こすおそれがあった。積繊物の転写不良は、製造効率の低下の他、型崩れ、転写位置のズレ等、最終製品である成形体の品質低下につながる不都合を引き起こすおそれがあり、その発生防止が望まれる。
【0009】
従って、本発明は、回転ドラムの集積用凹部内の積繊物の離型がスムーズで転写不良を起こし難く、所望の形状の成形体を効率良く製造することができる積繊装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外周面に集積用凹部を有する回転ドラムを備え、該回転ドラムが成形体材料を該集積用凹部の底面で吸引により積繊して成形体を形成する積繊装置であって、前記回転ドラムは、ドラム本体と、前記集積用凹部の底面を形成する通気性の開孔部材とを備え、前記開孔部材は、前記集積用凹部の底面に対向配置された外側成形部材と、該開孔部材と前記ドラム本体との間に配置された内側成形部材とに挟まれており、両成形部材は該開孔部材に重ねて配置されており、前記集積用凹部の平面視において該集積用凹部の底面と重なる前記両成形部材の凹部底面対応部は、それぞれ、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の開口部と各該開口部を区画形成する開口部画成部とから構成され、前記内側成形部材の開口部画成部は前記外側成形部材の開口部画成部に対応している積繊装置を提供するものである。
【0011】
また本発明は、前記積繊装置を用いた吸収体の製造方法であって、空気流に乗せて供給した吸収体原料を、前記回転ドラムの集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を具備する吸収体の製造方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、吸収体とこれを固定するシート材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、前記製造方法の実施によって得られた吸収体を前記シート材に固定する工程を具備する吸収性物品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の積繊装置によれば、回転ドラムの集積用凹部内の積繊物の離型がスムーズで転写不良を起こし難く、所望の形状の成形体を効率良く製造することができる。また、本発明の吸収体の製造方法によれば、型崩れ等の無い高品質の吸収体を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の積繊装置の一実施態様の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す積繊装置の回転ドラムを示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す回転ドラムの構成を説明する図である。
【図4】図4は、図2に示す回転ドラムの外周面及びその近傍のドラム幅方向に沿う断面を示す断面図である。
【図5】図5は、図2に示す回転ドラムの集積用凹部の底面とは反対側の面(ドラム本体との対向面)の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】図6は、図2に示す回転ドラムの集積用凹部に成形体材料が積繊した状態を示す断面図(図4対応図)である。
【図7】図7(a)は、図6に示す集積用凹部から離型した積繊物を示す斜視図、図7(b)は、図7(a)のI−I線断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る回転ドラムの他の実施態様の外周面及びその近傍のドラム幅方向に沿う断面を示す断面図(図4相当図)である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、それぞれ、図8に示す回転ドラムにおける非通気性部の一例を示す平面図である。
【図10】図10は、本発明に係る回転ドラムの更に他の実施態様の要部の一部の斜視図である。
【図11】図11は、図10に示す回転ドラムの要部の構成を説明する図である。
【図12】図12は、本発明に係る回転ドラムの更に他の実施態様の要部の図11相当図である。
【図13】図13は、本発明に係る回転ドラムの更に他の実施態様の要部の構成を説明する図である。
【図14】図14は、本発明の範囲外の積繊装置の回転ドラムの構成を説明する図である。
【図15】図15(a)は、図14に示す回転ドラムの集積用凹部に成形体材料が積繊した状態を示す断面図、図15(b)は、図15(a)に示す集積用凹部から積繊物を離型して吸引手段上に転写する工程の説明図、図15(c)は、図15(b)の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の積繊装置を、その好ましい一実施態様に基づいて図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の積繊装置の一実施態様である積繊装置10が示されており、また、図2〜図4には、積繊装置10が備える回転ドラム1が示されている。積繊装置10は、外周面に集積用凹部2を有する回転ドラム1を備え、回転ドラム1が成形体材料を集積用凹部2の底面2Aで吸引により積繊して成形体を形成する装置である。
【0016】
積繊装置10は、図1に示すように、矢印R1方向に回転駆動される回転ドラム1と、回転ドラム1の外周面に成形体材料を供給するダクト11と、回転ドラム1の斜め下方に配置され、矢印R2方向に回転駆動されるトランスファーロール12と、トランスファーロール12の下方に配されたバキュームコンベア(図示せず)とを備えている。積繊装置10におけるバキュームコンベアは、この種の積繊装置における通常のバキュームコンベアと同様に構成されており、駆動ロール及び従動ロールに架け渡された無端状の通気性ベルトと、該通気性ベルトを挟んでトランスファーロール12と対向する位置に配されたバキュームボックスとを備えている。
【0017】
積繊装置10においては、更に、バキュームボックス13が、回転ドラム1の周方向におけるダクト11とトランスファーロール12との間に設けられおり、メッシュベルト14が、バキュームボックス13と回転ドラム1との間及びトランスファーロール12と回転ドラム1との間を通るように配されており、風除けプレート15が、トランスファーロール12の外周面に近接させて設けられている。
【0018】
以下、積繊装置10の主たる特長部分である回転ドラム1について説明する。本実施態様の回転ドラム1は、図2〜図4に示すように、成形体材料が積繊される集積用凹部2を外周面に有し、ドラム本体3と、集積用凹部2の底面2Aを形成し且つ通気孔が多数形成された通気性の開孔部材4とを備えている。集積用凹部2は、回転ドラム1の外周面に周方向の全長に亘って連続している。開孔部材4は平坦状であり、開孔部材4が形成する集積用凹部2の底面2Aは平坦状であり、実質的に凹凸を有していない。換言すれば、底面2Aにおける、後述する外側成形部材6(凹部底面対応部6A)の各開口部65(線状部材61,62で囲まれた空間)に対応する部分(集積用凹部2の平面視において該対応する部分と重なる部分)は平坦状である。尚、ここでいう「凹凸」は、成形体材料の積繊量に影響を与えるような凹凸(積繊量を部分的に異ならせるために意図的に形成された凹凸)を意味し、成形体材料の積繊量に影響を与えないような微細な凹凸は含まない。
【0019】
ドラム本体3は、剛性を有する金属製の筒状体からなり、集積用凹部2の平面視においてその底面2Aと重なる凹部底面対応部31を、図3に示すように、ドラム幅方向(回転ドラムの回転軸方向、図中符号Xで示す方向)の中央部に有している。ここで、「平面視」とは、対象物(集積用凹部等)を、回転ドラム1の外周面の法線方向(回転ドラム1の回転軸方向と直交する方向)の外方から見た場合を意味する。ドラム本体3の凹部底面対応部31は、該凹部底面対応部31を厚み方向に貫通する複数(図3に示す形態では8つ)の貫通口32と、隣接する2つの貫通口32,32の間に位置する非通気性のリブ33とを含んで構成されており、貫通口32を有していることによって、該凹部底面対応部31全体として通気性を有している。複数の貫通口32は、ドラム本体3の周方向に所定間隔を置いて形成されており、該周方向に隣接する2つの貫通口32,32の間に、非通気性のリブ33がドラム幅方向Xに延びて形成されている。リブ33は、主として、ドラム本体3自体の強度を向上させると共に、集積用凹部2の底部の強度を向上させる役割を果たす。
【0020】
開孔部材4は、ドラム内方から発生されるバキュームエアーをドラム外方に伝え、バキュームエアーに乗って運ばれてくるパルプ等の成形体材料を保持するものである。開孔部材4自体(通気孔を画成する部材自体)は難又は非通気性材料からなるものの、開孔部材4の全域には、多数の微細な通気孔が形成されており、集積用凹部2が、回転ドラム1内における負圧に維持された空間上を通過している間、該通気孔が成形体材料を吸引する吸引孔として機能する。開孔部材4には、通気孔として、例えば直径0.2〜0.6mm程度の円孔を、0.4〜1.5mm程度のピッチで千鳥状に形成することができる。非通気性材料としては、例えば、ステンレス、鉄、アルミ、高分子材料等が挙げられ、難通気性材料としては、例えば、非通気性材料からなる部材に微小開孔が設けられた材料等が挙げられる。開孔部材4としては、金属又は樹脂製のメッシュや、金属又は樹脂製の板にエッチングやパンチングで多数の細孔を形成した、多孔性の金属板又は樹脂板等を用いることができる。開孔部材4を形成する多孔性の金属板又は樹脂板としては、例えば、厚み0.1〜0.5mm程度の金属又は樹脂製の板(ステンレス板等)に、パンチングやエッチング等の手法により多数の細孔を形成したものが用いられる。前述したように、本実施態様においては、集積用凹部2の底面2Aは平坦状であり、そのため、該平坦状の底面2Aを形成する開孔部材4は実質的に凹凸を有しておらず、従って、開孔部材4の見掛け厚みは、回転ドラム1の周方向の全域に亘って均一である。
【0021】
本実施態様の回転ドラム1は、図2〜図4に示すように、ドラム本体3及び開孔部材4に加えて更に、集積用凹部2の内側面2Bを形成するリング部材5を備えている。リング部材5は、集積用凹部2のドラム幅方向Xの長さ(集積用凹部2の幅)を規定するもので、集積用凹部2を挟んで回転ドラム1の外周面の幅方向両側部に配されており、この幅方向一側部側のリング部材5と他側部側のリング部材5との間隔(左右一対のリング部材の間隔)が、集積用凹部2の幅となる。また、リング部材5は、その回転ドラム1の周方向に沿う内側端面が、集積用凹部2の内側面2Bの一部を形成しており、集積用凹部2の深さを決定する要素の1つとなっている。リング部材5の取り付け位置(前記左右一対のリング部材の間隔)や厚み(前記内側端面の高さ)は、成形体(積繊物)の幅や成形体材料の積繊量等を考慮して決定される。リング部材5は、非通気性であり、例えばステンレス板等の金属板からなり、その厚みは例えば2〜12mm程度である。
【0022】
本実施態様の回転ドラム1の主たる特長の1つとして、図3及び図4に示すように、集積用凹部2の底面2Aを形成する開孔部材4が、集積用凹部2の底面2Aに対向配置された外側成形部材6と、開孔部材4とドラム本体3との間に配置された内側成形部材7とに挟まれている点が挙げられる。両成形部材6,7は、図3及び図4に示すように開孔部材4に重ねて配置されており、外側成形部材6と開孔部材4との間及び内側成形部材7と開孔部材4との間には、他の部材は配置されていない。外側成形部材6及び内側成形部材7は、それぞれ、そのドラム幅方向Xの長さ(幅)が開孔部材4と同じであり、集積用凹部2の平面視においてその底面2Aと重なる凹部底面対応部6A,7Aをドラム幅方向Xの中央部に有している(図3参照)。ここでいう「平面視」は前述した通りである。
【0023】
集積用凹部2の平面視において該集積用凹部2の底面2Aと重なる両成形部材6,7の凹部底面対応部6A,7Aは、それぞれ、図3及び図4に示すように、凹部底面対応部6A,7Aを厚み方向に貫通する複数の開口部65,75と各該開口部65,75を区画形成する開口部画成部60,70とから構成されている。
【0024】
本実施態様においては、両成形部材6,7の開口部画成部60,70は、それぞれ、図3及び図4に示すように、集積用凹部2の底面2A(回転ドラム1の外周面)に沿って延びる線状部材61,62,71,72を含んで構成されている。ここで、「集積用凹部2の底面2Aに沿って延びる」とは、開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)と底面2A(開孔部材4)とが接触している場合及び接触していない場合の両方を含む。
【0025】
より具体的には、外側成形部材6の開口部画成部60は、図3に示すように、ドラム幅方向Xに延びる平面視直線状の複数本の幅方向線状部材61と、該複数本の幅方向線状部材61と直交する平面視直線状の複数本(本実施態様では4本)の周方向線状部材62とからなり、これら線状部材61,62によって平面視して格子状に形成されている。外側成形部材6の開口部65は、その格子の目の部分に位置し、平面視して矩形形状を有している。
【0026】
また、内側成形部材7の開口部画成部70は、図3に示すように、ドラム幅方向Xに延びる平面視直線状の複数本の幅方向線状部材71と、該複数本の幅方向線状部材71と直交する平面視直線状の複数本(本実施態様では4本)の周方向線状部材72とからなり、これら線状部材71,72によって平面視して格子状に形成されている。外側成形部材6の開口部75は、その格子の目の部分に位置し、平面視して矩形形状を有している。
【0027】
集積用凹部2は、外側成形部材6の開口部画成部60によって、外側成形部材6の複数の開口部65に対応する複数の凹部に区画されている。各該凹部は、開孔部材4(底面2A)と、該開孔部材4からその法線方向に立設する開口部画成部60からなる側壁とから構成されており、該開孔部材4の全体が、成形体材料を吸引する吸引部となっている。各該凹部それぞれにおける、開口部画成部60からなる側壁で囲まれた空間(凹部の内部空間)が、開口部65である。
【0028】
両成形部材6,7の開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)は、それぞれ開孔部材4と同様に、難又は非通気性材料からなり、非通気性である。ここで、開口部画成部60,70の「非通気性」は、ドラム内方から発生されるバキュームエアーが当該部材(開口部画成部60,70)を通過し難い性質を意味し、バキュームエアーを全く通過させない場合(通気性無しの場合)のみならず、低いながらも通気性を有しているが、ドラム外方にて空気中を飛散状態の成形体材料(パルプ等)を、当該部材を通過するバキュームエアーによっては当該部材に吸着させることができない場合(実質的に通気性無しの場合)も含む。特に断らない限り、本明細書中に記載の「非通気性」については前記の説明が適用され、例えば、開孔部材4自体(通気孔を画成する部材自体)の非通気性も、開口部画成部60,70の非通気性と同じである。このように、両成形部材6,7の凹部底面対応部6A,7Aは、何れも、開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)が非通気性であるものの、空気を通す複数の開口部65,75を有していることによって、該凹部底面対応部全体として、成形体材料の吸引堆積に十分な通気性を有している。
【0029】
開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)の形成材料として、難及び非通気性材料の何れを用いるかは、製造する成形体(吸収体)の用途等に応じて適宜選択可能である。本発明者らの知見によれば、開口部画成部60,70それぞれの通気性が、集積用凹部2の底面2A(開孔部材4)の通気性に比して低い場合、これらの通気性が同等である場合に比して、積繊性が向上し、成形体材料の集積用凹部2への積繊がスムーズに行われるようになると共に、転写性が向上し、集積用凹部2内の積繊物の転写がスムーズに行われるようになる。従って、開口部画成部60,70の形成材料は、両画成部60,70が集積用凹部2の底面2A(開孔部材4)に比して通気性が低くなるように、選択されることが好ましい。
【0030】
外側成形部材6における凹部底面対応部6Aを除く部分、即ち、外側成形部材6のドラム幅方向Xの両側部6B,6Bは、本実施態様においては、回転ドラム1の外周面の平面視においてリング部材5と重なる、リング部材対応部となっている。外側成形部材6の側部6Bのドラム幅方向Xの長さ(幅)は、リング部材5の幅と同じである。外側成形部材6の側部6Bは、図4に示すように、その回転ドラム1の周方向に沿う内側端面が、リング部材5の内側端面と面一の面を形成しており、リング部材5と共に集積用凹部2の内側面2Bを形成している。外側成形部材6の側部6Bは、凹部底面対応部6A(開口部画成部60)と同様に難又は非通気性材料からなり、開口部画成部60と同様に非通気性である。
【0031】
また、内側成形部材7における凹部底面対応部7Aを除く部分、即ち、内側成形部材7のドラム幅方向Xの両側部7B,7Bは、本実施態様においては、回転ドラム1の外周面の平面視においてリング部材5と重なる、リング部材対応部となっている。内側成形部材7の側部7Bのドラム幅方向Xの長さ(幅)は、リング部材5の幅と同じであり、従って外側成形部材6の側部6Bの幅とも同じである。内側成形部材7の側部7Bは、図3に示すように、その回転ドラム1の周方向に沿う内側端面が、リング部材5の内側端面及び外側成形部材6の側部6Bの内側端面と面一の面を形成している。内側成形部材7の側部7Bは、凹部底面対応部7A(開口部画成部70)と同様に難又は非通気性材料からなり、開口部画成部70と同様に非通気性である。
【0032】
外側成形部材6に関し、凹部底面対応部6Aの厚みは、1mm以上が好ましく、更に2mm以上が好ましく、また30mm以下が好ましく、15mm以下が更に好ましい。具体的には、凹部底面対応部6Aの厚みは、好ましくは1〜30mm、更に好ましくは2〜15mmである。両側部6Bの厚みは、凹部底面対応部6Aの厚みと同様に設定することができる。また、内側成形部材7に関し、凹部底面対応部7Aの厚みは、1mm以上が好ましく、更に2mm以上が好ましく、また30mm以下が好ましく、15mm以下が更に好ましい。具体的には、凹部底面対応部7Aの厚みは、好ましくは1〜30mm、更に好ましくは2〜20mmである。両側部7Bの厚みは、凹部底面対応部7Aの厚みと同様に設定することができる。
【0033】
内側成形部材7の開口部画成部70は、外側成形部材6の開口部画成部60に対応している。即ち、外側成形部材6の開口部画成部60に対しては、必ず内側成形部材7の開口部画成部70が対向配置されている。本実施態様においては、図3及び図4に示すように、外側成形部材6の開口部画成部60(線状部材61,62)に対して、内側成形部材7の開口部画成部70(線状部材71,72)が1対1で対応している。尚、両者の対応関係はこのような1対1の形態に制限されず、内側成形部材7は、外側成形部材6の開口部画成部60(線状部材61,62)に対応しない開口部画成部70(線状部材71,72)を有していても良い。
【0034】
本実施態様においては、図3及び図4に示すように、外側成形部材6の複数の開口部65と内側成形部材7の複数の開口部75とが1対1で対応している。即ち、集積用凹部2の平面視において、1個の開口部65と1個の開口部75とが重なっている。また、1個の開口部65とこれに対応する1個の開口部75(集積用凹部2の平面視において互いに重なり合う開口部65,75)は、平面視形状が互いに相似の関係にある。本実施態様においては、開口部75は、対応する開口部65に対する相似比が1であり、開口部65と開口部75とは、平面視形状が互いに合同の関係にある。
【0035】
このように、本実施態様においては、開口部65と開口部75とが1対1で対応し且つ斯かる対応関係にある両開口部65,75の平面視形状が互いに合同の関係にあるので、自ずと、開口部65,75を区画形成する開口部画成部60,70においては、幅方向線状部材61と幅方向線状部材71とは本数(配置数)が等しく、また、周方向線状部材62と周方向線状部材72とも本数(配置数)が等しく、更に、外側成形部材6の線状部材61,62と、集積用凹部2の平面視において線状部材61,62と重なる、内側成形部材7の線状部材71,72とで、幅(線状方向と直交する方向の長さ)が同じである。即ち、開口部画成部60を構成する直線状の周方向線状部材62の幅W2(図4参照)と、開孔部材41を挟んでその真下(ドラム本体3側)に位置する、開口部画成部70を構成する直線状の周方向線状部材72の幅W4(図4及び図5参照)とが同じであり、また、開口部画成部60を構成する直線状の幅方向線状部材61の幅W1(図示せず)と、開孔部材41を挟んでその真下(ドラム本体3側)に位置する、開口部画成部70を構成する直線状の幅方向線状部材71の幅W3(図5参照)とが同じである。開口部画成部60を構成する幅方向線状部材61の幅W1及び周方向線状部材62の幅W2は、それぞれ、成形体(積繊物)の形状に影響を及ぼすものであるから成形体の用途等に応じて適宜設定され、1mm以上が好ましく、更に2mm以上が好ましく、また10mm以下が好ましく、8mm以下が更に好ましい。具体的には、幅W1及び幅W2は、それぞれ、好ましくは1〜10mm、更に好ましくは2〜8mmである。幅W3は幅W1と同様の範囲であり、幅W4は幅W2と同様の範囲である。幅W1と幅W2(幅W3と幅W4)とは、同じでも良く、異なっていても良い。
【0036】
尚、線状部材61,62,71,72の幅(W1〜W4)は、それぞれ、本実施態様においては、線状部材62,72について図4に示すように、線状部材の厚み方向(集積用凹部2の深さ方向)に変化せずに一定となっているが、該厚み方向に変化していても良く、例えば、開孔部材4に向かって漸次増加又は減少していても良い。その場合、線状部材61,62,71,72の幅(W1〜W4)は、当該線状部材における、開孔部材4(底面2A)に最も近接している部位の幅(当該線状部材と開孔部材4とが接触している場合は、その接触部位の幅)を意味する。
【0037】
このように、本実施態様においては、集積用凹部2の底面2Aを形成する通気性の開孔部材4が、複数の開口部65,75と各該開口部65,75を区画形成する開口部画成部60,70とから構成されている、外側成形部材6と内側成形部材7とに挟まれているため、集積用凹部の底部が開孔部材のみから構成されている場合、あるいは後述する回転ドラム80(図14及び図15参照)のように、集積用凹部の底部が開孔部材と該開孔部材の一面側に配置された成形部材との2層から構成されている場合に比して、集積用凹部2の底部の強度が向上していて該底部が変形し難く、集積用凹部2内を構成する開孔部材4と外側成形部材6との密着性が高まり、集積用凹部2の底面2Aと該底面2A上に位置する外側成形部材6の開口部画成部60(線状部材61,62)との間に隙間が生じ難い。そのため、本実施態様の回転ドラム1によれば、斯かる隙間に積繊物が引っ掛かることによって生じる、前述した積繊物の転写不良を起こし難く、また、成形体材料を運ぶためのバキュームエアーが整流になり易いため、集積用凹部2内での成形体材料の均一な積繊が促進され、型崩れの無い良好な形状の成形体を効率良く製造できる。
【0038】
図14及び図15に示す回転ドラム80は、集積用凹部90の底部が開孔部材82と該開孔部材82の一面側に配置された成形部材84との2層から構成されているもので、集積用凹部90の底面上に、該底面からの成形体材料の吸引を妨げる非通気性の成形部材84が設けられている。斯かる「集積用凹部の底面上の非通気性の成形部材」は、一般に、成形体材料の積繊量を部分的に異ならせること等を目的として採用されるところ、積繊物の転写不良の原因となり得る。回転ドラム80について更に説明すると、回転ドラム80は、図15(a)に示すように、パルプ等の成形体材料が積繊される集積用凹部90を外周面に有するもので、図14に示すように、ドラム本体81と、集積用凹部90の底面を形成し且つ通気孔が多数形成された通気性の開孔部材82と、集積用凹部90の内側面(該底面と交差する方向に延びる壁面)を形成するリング部材83とを備え、更に、開孔部材82とリング部材83との間に、集積用凹部90をその底面方向に複数の領域に区画する成形部材84を備えている。成形部材84における集積用凹部90の底面に対応する部位84Aは、互いに直交する平面視直線状の複数本の非通気性の線状部材85によって格子状に形成されており、その格子の目の部分に、成形部材84を厚み方向に貫通する開口部86が形成されている。
【0039】
このような構成の回転ドラム80を用いて、常法に従って吸引手段(図示せず)による集積用凹部90の底面からの吸引により成形体材料を集積用凹部90内に積繊させると、非通気性の線状部材85上では該底面からの吸引が行われないため、成形体材料は開口部86に優先的に吸引積繊され、その結果として図15(a)に示すように、成形体材料の積繊量が部分的に異なる積繊物95が集積用凹部90内に形成される。この集積用凹部90内の積繊物95を、図15(b)に示すように、集積用凹部90に対向配置させたバキュームコンベア96からの吸引により、集積用凹部90から離型してバキュームコンベア96上に転写しようとすると、図15(c)に示すように、積繊物95を構成する成形体材料が、開孔部材82と線状部材85との間の隙間87に引っ掛かって積繊物95のスムーズな離型を妨げる場合があり、しかも、集積用凹部90内にはこのような積繊物95のスムーズな離型を妨げ得る隙間87が多数形成されているため、積繊物95の転写不良が起こり易い。また、隙間87の存在は、回転ドラム80の内方から発生される、成形体材料を運ぶためのバキュームエアーの整流を乱すため、成形体材料の均一な積繊を妨げ、積繊物(成形体)の形状を乱すおそれがある。これに対し、本実施態様の回転ドラム1は、前述した構成(集積用凹部2の底部が開孔部材4と該開孔部材4の一面側及び他面側それぞれに配置された成形部材6,7との3層から構成されている等)を有していることにより、回転ドラム80に比して転写性、成形性等の点で優れている。
【0040】
また、本実施態様においては、前述したように、外側成形部材6の線状部材61,62と、集積用凹部2の平面視において線状部材61,62と重なる、内側成形部材7の線状部材71,72とで、幅を同じに設定していた(W1=W3、W2=W4)が、両線状部材の幅を異ならせた場合でも、良好な結果が得られる。即ち、内側成形部材7の線状部材71,72の幅W3,W4を、外側成形部材6の線状部材61,62の幅W1,W2よりも大きくした場合(W1<W3、W2<W4)には、ドラム外方から内方に向かって流れるバキュームエアーに対し、その風下に位置する開口部画成部70を構成する線状部材71,72が、風上に位置する開口部画成部60を構成する線状部材61,62よりも幅広になるため、バキュームエアーが集積用凹部2の底面2Aと開口部画成部60(線状部材61,62)との間の隙間に入り難くなり、そのため、集積用凹部2内での成形体材料の均一な積繊が促進され、積繊物の転写不良や型崩れが効果的に防止される。このような、底面2Aと開口部画成部60との間の隙間へのバキュームエアーの侵入防止効果をより一層高める観点から、開口部画成部60の幅方向線状部材61の幅W1とこれに対応する開口部画成部70の幅方向線状部材71の幅W3との比(W1/W3)は、好ましくは0.1〜1、更に好ましくは0.2〜0.7である。開口部画成部60の周方向線状部材62の幅W2とこれに対応する開口部画成部70の周方向線状部材72の幅W4との比(W2/W4)も、斯かる範囲に設定することが好ましい。
【0041】
また、本実施態様においては、開孔部材4が外側成形部材6と内側成形部材7とに挟まれていることにより、開孔部材4が両成形部材6,7に挟まれていない場合に比して、回転ドラム1から開孔部材4を取り外すのが容易で、開孔部材1に成形体材料が詰まったとき等の交換作業が容易である。
【0042】
前述した内側成形部材7、開孔部材4、外側成形部材6及びリング部材5は、図示しないボルト等により、この順でドラム本体3の外周部に脱着自在に固定されている。本実施態様においては、ドラム本体3に固定されるこれらの部材は、それぞれ、図3に示すように、その長手方向(ドラム周方向)の長さが回転ドラム1の周長を略2等分した長さとなっており、各部材につき2つずつをドラム本体3に固定することで、回転ドラム1を組み立てることができる。
【0043】
本実施態様においては、外側成形部材6は、図5に示すように、凹部底面対応部6Aにおいて開口部画成部60に穿設された複数個のボルト孔(図示せず)、及び各該ボルト孔に挿入されたボルト8を介して、内側成形部材7に固定されている。即ち、図5に示すように、集積用凹部2の平面視において外側成形部材6の凹部底面対応部6Aと重なる、内側成形部材7の凹部底面対応部7Aには、開口部画成部70を構成する幅方向線状部材71と周方向線状部材72との複数の交点のうちの一部に、開口部画成部70及び開孔部材4を厚み方向に貫通し、更に外側形成部材6の開口部画成部60(開口部画成部60を構成する幅方向線状部材61と周方向線状部材62との交点)の内部に達する、ボルト孔(図示せず)が穿設されており、集積用凹部2の底面2Aとは反対側の面からこれらのボルト孔に挿入された複数個のボルト8を介して、外側成形部材6、開孔部材4及び内側成形部材7が一体化されている。ボルト孔は、開口部画成部60の内部に達しているものの、開口部画成部60を厚み方向に貫通はしておらず、従って、ボルト8は、開口部画成部60の上面(開孔部材4との対向面とは反対側の面)から突出していない。このように、外側成形部材6の凹部底面対応部6Aをボルトを介して内側成形部材7の凹部底面対応部7Aに固定することにより、開口部画成部60,70と開孔部材4との密着性が高まり、これらの間に隙間が生じにくくなるため、前述した効果がより一層確実に奏されるようになる。
【0044】
また、本実施態様においては、ドラム本体3の非通気性のリブ33(図3参照)と外側成形部材6及び内側成形部材7それぞれの開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)とが重なっている。より具体的には、外側成形部材6は、開口部画成部60を構成するドラム幅方向Xに延びる複数本の幅方向線状部材61のうちの一部が、同じくドラム幅方向Xに延びる平面視直線状のリブ33と重なるように、ドラム本体3に固定されており、また、内側成形部材7も、開口部画成部70を構成するドラム幅方向Xに延びる複数本の幅方向線状部材71のうちの一部がリブ33と重なるように、ドラム本体3に固定されている。このように、ドラム本体3の凹部底面対応部31における非通気性のリブ33が、外側成形部材6の凹部底面対応部6Aを構成する線状部材61(難又は非通気性材料)及び内側成形部材7の凹部底面対応部7Aを構成する線状部材71(難又は非通気性材料)それぞれと重なっていることにより、リブ33が設けられていることに起因する不都合(ドラム内方から発生されるバキュームエアーによる成形体材料の吸引力の低下)を解消しつつ、リブ33による効果(ドラム本体3及び集積用凹部2の底部の強度向上並びに該底部の変形防止)をより確実に奏させるようにすることが可能となる。
【0045】
積繊装置10において、回転ドラム1のドラム幅方向X(回転ドラム1の回転軸方向)の一端には、モータ等の原動機からの動力を受けて回転する平面視円形状の回転板が固定されており、ドラム本体3、内側成形部材7、開孔部材4、外側成形部材6及びリング部材5は、この回転板の回転によって水平軸回りを一体的に回転する。一方、回転ドラム1のドラム幅方向Xの他端には、積繊装置10の他の構成部材に固定されていて回転しない平面視円形状の固定板が固定されている。この固定板には、回転ドラム1(ドラム本体3)の内部を周方向に複数の領域に仕切るプレートが固定されており、このプレートによって、回転ドラム1(ドラム本体3)の内部には、図1に示すように、相互間が仕切られた空間A、B及びCが形成されている。つまり、空間A〜Cどうし間は、前記固定板から前記回転板に向かって設けられたプレートにより仕切られている。前記回転板に固定されたドラム本体3等が回転しても、前記固定板に固定されたプレートは回転せず、従って、空間A、B及びCの位置は変わらず一定である。空間Aには、吸気ファン等の図示しない公知の排気装置(吸引手段)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、該空間A内を負圧に維持可能である。集積用凹部2が、負圧に維持された空間A上を通過している間、集積用凹部2の底面2Aを形成する開孔部材4の微細な通気孔が吸引孔として機能する。
【0046】
積繊装置10について更に説明すると、ダクト11は、図1に示すように、その一端側が、前記空間A上に位置する回転ドラム1の外周面を覆っており、図示しない他端側には、成形体材料導入装置を有している。成形体材料導入装置は、例えば、シート状の木材パルプを粉砕して解繊パルプとし、その解繊パルプ(繊維材料)をダクト内に送り込む粉砕機を備えている。ダクト11の途中に吸水性ポリマーの粒子を導入する吸水性ポリマー導入部を設けることもできる。
【0047】
トランスファーロール12は、通気性を有する円筒状の外周部を有しており、モータ等の原動機からの動力を受けて、その外周部が水平軸回りを回転する。トランスファーロール12の内側(回転軸側)の非回転部分には、内部を減圧可能な空間Dが形成されている。空間Dには、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置を作動させることにより、該空間D内を負圧に維持可能である。トランスファーロール12の外周面には、内外を連通する吸引孔が多数形成されている。それらの吸引孔は、負圧に維持された空間D上を通過している間、外部から内部に空気を吸入し、その吸引力により、集積用凹部2内の積繊物(成形体)が、回転ドラム1上からトランスファーロール12上へとスムーズに移行する。
【0048】
バキュームボックス13は、上下面、左右の両側面及び背面を有する箱状の形状を有し、回転ドラム1方向に向かって開口する開口部を有している。バキュームボックス13は、図示しない排気管等を介して、吸気ファン等の公知の排気装置(図示せず)が接続されており、該排気装置の作動により、バキュームボックス13内を負圧に維持可能である。尚、バキュームボックス13は、集積用凹部2内の積繊物を型崩れさせずに安定的に転写させるための装置であり、本実施態様のように比較的型崩れし難い形状の積繊物95(図7参照)が得られる場合は、特に設置しなくても良く、あるいは設置しても用いる必要は無い。メッシュベルト14は、網目を有する帯状の通気性ベルトが無端状に連結されたものであり、複数のフリーロール16及びトランスファーロール12に案内されて所定の経路を連続的に移動する。メッシュベルト14は、トランスファーロール12の回転によって駆動される。メッシュベルト14は、図1に示すように、ダクト11の下流側端部11aの近傍において、回転ドラム1の外周面上に導入された後、バキュームボックス13と回転ドラム1との間及びトランスファーロール12と回転ドラム1との間を順次通過するように配されている。メッシュベルト14は、バキュームボックス13の開口部の前を通過している間は、回転ドラム1の外周面に接触しており、トランスファーロール12と回転ドラム1との最接近部付近で、回転ドラム1の外周面から離れてトランスファーロール12上へと移行する。
【0049】
メッシュベルト14は、トランスファーロール12の前記吸引孔に比して小さい細孔を有し、トランスファーロール12の該吸引孔からの吸引に伴い、該吸引孔と重なるメッシュベルト14の前記細孔からの吸引も行われる。風除けプレート15は、トランスファーロール12の外周面の幅方向における前記吸引孔が形成されている領域を挟んでその両側に一対設けられており、側方からの風の流入を防止ないし軽減して、集積用凹部2から離型された積繊物(成形体)の型崩れ等を防止する。
【0050】
次に、前述した積繊装置10を用いて吸収体を連続的に製造する方法、即ち、本発明の吸収体の製造方法の一実施態様について説明する。本実施態様の製造方法は、空気流に乗せて供給した吸収体原料(成形体材料)を、回転ドラム1の集積用凹部2に吸引して積繊させる積繊工程を具備する。
【0051】
前記積繊工程の実施に先立ち、先ず、回転ドラム1内の空間A、トランスファーロール12内の空間D、及びバキュームボックス13内を、それぞれに接続された排気装置を作動させて負圧にする。空間A内を負圧にすることで、ダクト11内に、吸収体原料を回転ドラム1の外周面に搬送する空気流(バキュームエアー)が生じる。また、回転ドラム1及びトランスファーロール12を回転させ、トランスファーロール12の下方に配された図示しないバキュームコンベアを作動させる。
【0052】
そして、前記繊維材料導入装置を作動させて、ダクト11内に吸収体原料を供給すると、該吸収体原料は、ダクト11内を流れる空気流に乗り、飛散状態となって回転ドラム1の外周面に向けて供給される。
【0053】
ダクト11に覆われた部分を搬送されている間に、回転ドラム1の集積用凹部2には、図6に示すように、吸収体原料94が吸引されて積繊する。本実施態様においては、図6に示すように、底面2Aからの吸引が行われる、外側成形部材6の凹部底面対応部6Aの開口部65のみならず、底面2Aからの吸引が行われない、開口部画成部60(線状部材61,62)にも吸収体原料94を積繊させる。吸収体原料は、ダクト11の上流側においては、開口部65にのみ積繊し、積繊した吸収体原料の高さが開口部画成部60(線状部材61,62)の厚みまで達すると、吸収体原料どうしの絡み合いと吸収体原料を搬送するダクト11内の空気の流れに従い、吸収体原料は開口部画成部60(線状部材61,62)の上にも積繊し始める。ダクト11の下流側においては、集積用凹部2が完全に吸収体原料によって覆われた状態になる。
【0054】
このようにして、集積用凹部2内に吸収体原料94を積繊させて積繊物95を得た後、更に回転ドラム1を回転させる。そして、集積用凹部2内の積繊物95は、バキュームボックス13の対向位置にくると、バキュームボックス13からの吸引によって、メッシュベルト14に吸い付けられた状態となり、その状態で、トランスファーロール12と回転ドラム1との最接近部又はその近傍まで搬送される。そして、メッシュベルト14に吸い付けられた状態の積繊物95は、トランスファーロール12側からの吸引により、集積用凹部2から離型し、メッシュベルト14と共にトランスファーロール12上へと転写される。この積繊物95の集積用凹部2からの離型及びトランスファーロール12上への転写は、前述した回転ドラム1の特定構成に起因する作用効果によって、問題なくスムーズに実施される。
【0055】
図7には、集積用凹部2から離型した直後の積繊物95の一部が示されている。積繊物95は、図7に示すように、外側成形部材6の凹部底面対応部6Aの開口部65に対応する部分が、相対的に吸収体原料の積繊量が多い肉厚部(高坪量部)95A、凹部底面対応部6Aの開口部画成部60(線状部材61,62)に対応する部分が、相対的に吸収体原料の積繊量が少ない肉薄部(低坪量部)95Bとなっている。また、この積繊物95の一方の面95aがほぼ平坦である一方、他方の面95bは起伏の大きな凹凸面となっている。凹凸面95bには、ドラム幅方向X及びこれに直交する方向(ドラム周方向に対応する方向)に延びる複数本の平面視連続直線状の凹部(溝部、肉薄部95B)が格子状に配され、その格子の目の部分に、平面視矩形形状の凸部(肉厚部95A)が配されている。
【0056】
トランスファーロール12上に転写された積繊物95は、トランスファーロール12側からの吸引を受けながら搬送され、トランスファーロール12の下方に配された図示しないバキュームコンベア上に導入された、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等からなるコアラップシート96上へと受け渡される。その後、コアラップシート96の搬送方向に沿う両側部が折り返され、積繊物95の上下両面がコアラップシート96に被覆される。そして、コアラップシート96に被覆された状態の積繊物95は、必要に応じ、プレスロール等の圧縮手段(図示せず)によって厚み方向に圧縮された後、カッターによって所定の大きさに切断され、コアラップシート96に被覆された成形体からなる吸収体が得られる。尚、積繊物95が厚み方向に圧縮された場合、肉厚部(高坪量部)95Aは、相対的に密度が高い高密度部となり、肉薄部(低坪量部)95Bは、相対的に密度が低い低密度部となる。
【0057】
本発明の吸収体は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材として好適である。本発明の吸収体を用いた吸収性物品の一例として、該吸収体とこれを固定するシート材とを具備するものが挙げられる。このシート材は、吸収体の一面(肌対向面又は非肌対向面)側にのみ配されていても良く、吸収体の両面側それぞれに配されていても良い。後者の場合、吸収体の肌対向面側に配されるシート材として、液透過性の表面シートを用い、吸収体の非肌対向面側に配されるシート材として、液不透過性ないし撥水性の裏面シートを用いることができる。尚、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
【0058】
本発明の吸収体とこれを固定するシート材とを具備する吸収性物品の製造方法は、前述した製造方法の実施によって得られた吸収体を該シート材(表面シート、裏面シート等)に固定する工程を具備する。吸収体とシート材との固定は、ホットメルト接着剤、熱融着等の公知の固定手段によって実施することができる。また、吸収体とシート材との固定は、直接にシート材に接合させずに、少なくとも2つのシート材間に吸収体を挟持することも含む。
【0059】
以下、本発明の他の実施態様について説明する。後述する他の実施態様については、前述した実施態様と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前述した実施態様についての説明が適宜適用される。
【0060】
図8及び図9には、本発明に係る回転ドラムの他の実施態様が示されている。この他の実施態様の回転ドラムにおける開孔部材4Aは、外側成形部材6の開口部画成部60(線状部材61,62)及び/又は内側成形部材7の開口部画成部70(線状部材71,72)に対応する部分40(集積用凹部2の平面視において開口部画成部60及び/又は開口部画成部70と重なる部分。以下、開口部画成部対応部40ともいう。)に、非通気性部45を有している。より具体的には、開孔部材4Aを介して対向配置された外側成形部材6と内側成形部材7とは、前述したように、外側成形部材6の複数の開口部65と内側成形部材7の複数の開口部75とが1対1で対応しているところ、開孔部材4Aの開口部画成部対応部40は、図8に示すように、外側成形部材6の開口部画成部60(線状部材61,62)と内側成形部材7の開口部画成部70(線状部材71,72)とに挟まれた部分であり、該部分が非通気性部45となっている。
【0061】
非通気性部45は、開孔部材4Aの他の部位に形成されている通気孔(開孔部材4Aを厚み方向に貫通する孔)を有しておらず非通気性である。ここで、非通気性部45の「非通気性」は、前述した開口部画成部60,70の非通気性と同じであり、実質的に通気性無しを意味する。従って、非通気性部45は、成形体材料の積繊時においてドラム外方から内方に向かって流れるバキュームエアーを実質的に通さず、集積用凹部2の底面2Aからの吸引を行わない非吸引部として機能する。
【0062】
図9には、非通気性部45の具体例が示されている。図9(a)に示す形態においては、開孔部材4Aの開口部画成部対応部40の全域が非通気性部45となっており、開孔部材4Aにおける開口部画成部対応部40以外の部位は、非通気性部となっておらず通気孔を有している。つまり、図9(a)に示す実施態様においては、非通気性部45は、開口部画成部60を構成する複数本の幅方向線状部材61及び開口部画成部70を構成する複数本の幅方向線状部材71それぞれに1対1で対応する複数本の平面視連続直線状の幅方向非通気性部45Aと、開口部画成部60を構成する複数本(本実施形態では4本)の周方向線状部材62及び開口部画成部70を構成する複数本(本実施形態では4本)の周方向線状部材72それぞれに1対1で対応する複数本の平面視連続直線状の周方向非通気性部45Bとからなり、開口部画成部60、70と非通気性部45とで、集積用凹部2の平面視における形状が同じであり、これらの何れも平面視格子状である。積繊物の離型性の観点から、開口部画成部対応部40の幅方向非通気性部45Aは、幅方向線状部材61及び幅方向線状部材71の幅と同じかそれらよりも大きいことが好ましく、また、同観点から、開口部画成部対応部40の周方向非通気性部45Bは、周方向線状部材62及び周方向線状部材72の幅と同じかそれらよりも大きいことが好ましい。
【0063】
図9(a)に示す非通気性部45(45A,45B)は、細孔(通気孔)が多数形成された開孔部材4Aにおける通気孔の形成部位に、非通気性の別部材、例えば金属、樹脂、シリコーン等の非通気性部材を接合することで形成することができる。また、図9(a)に示す非通気性部45(45A,45B)は、開孔部材4Aにおける通気孔が形成されていない部位から形成されていても良く、具体的には例えば、開孔部材4Aとして、非通気性の金属又は樹脂製の板にエッチングやパンチングで多数の細孔を形成したものを用いる場合は、該板の所定箇所に意図的に細孔を形成しないことで、図9(a)に示す非通気性部45(45A,45B)を形成することもできる。
【0064】
また、非通気性部45は、開孔部材4A(開口部画成部対応部40)と両成形部材6,7〔開口部画成部60,70(線状部材61,62,71,72)〕とを接合して形成することもできる。この接合方法としては、開孔部材4A及び両成形部材6,7の接合予定箇所を熱で溶かし、その溶融箇所どうしを直接融着させる溶着(溶接)の他、開孔部材4Aと両成形部材6,7とを接着剤を介して接合させる方法が挙げられる。開孔部材4Aに本来形成されていた通気孔は、溶着や接着剤により閉塞するため、両成形部材6,7との溶着や接着剤による接合箇所は、非通気性部45となる。
【0065】
図9(b)には、このような、開孔部材4Aと両成形部材6,7との溶着や接着剤による接合箇所からなる、非通気性部45の一例が示されている。図9(b)に示す形態においては、開孔部材4Aの平面視格子状の開口部画成部対応部40に、平面視円形状の非通気性部45、即ち、開孔部材4Aと両成形部材6,7との溶着や接着剤による接合箇所が、所定間隔を置いて複数個形成されており、ドラム幅方向X及びこれに直交するドラム周方向の両方向に非連続に形成されている。隣接する2個の非通気性部45,45の間隔に相当する部位は、通気孔(開孔部材4Aに本来形成されていた通気孔)が形成されており通気性を有している。
【0066】
このように、開孔部材4Aの開口部画成部対応部40(集積用凹部2の平面視において開口部画成部60,70と重なる部分)は、図9(a)に示すように、その全域が非通気性部45となっていても良く、あるいは図9(b)に示すように、その一部(開孔部材4Aと両成形部材6,7との溶着や接着剤による接合箇所)のみが非通気性部45となっていて、開口部画成部対応部40全体としては、開孔部材4Aにおける該開口部画成部対応部40以外の部位よりも通気性の低い「弱通気性」を有していても良い。
【0067】
図8及び図9に示す他の実施態様によっても、前述した実施態様と同様の効果が奏される。特に、図8及び図9に示す他の実施態様によれば、開孔部材4Aの開口部画成部対応部40に、非通気性部45が形成されていることにより、外側成形部材6の開口部画成部60と開孔部材4Aとの間にパルプ等の成形体材料(吸収体原料)が詰まる等の不都合が一層起こり難く、成形体材料を運ぶためのバキュームエアーが整流になり易いため、集積用凹部2内での成形体材料の均一な積繊が一層促進され、型崩れの無い良好な形状の成形体(吸収体)を効率良く製造できる。
【0068】
図10〜図13には、本発明に係る回転ドラムの更に他の実施態様である回転ドラム1A,1B,1Cそれぞれの要部が示されている。回転ドラム1A,1B,1Cは、何れも外側成形部材及び内側成形部材並びにリング部材の形状が異なる点以外は、前述した実施態様と同様に構成されている。回転ドラム1A(図10及び図11参照)を用いて得られる吸収体(成形体)、及び回転ドラム1B(図12参照)を用いて得られる吸収体(成形体)は、何れも特に使い捨ておむつの吸収体として好適であり、回転ドラム1Cを用いて得られる吸収体(成形体)は、特に生理用ナプキンの吸収体として好適である。尚、図10〜図13に示されているのは、回転ドラムの周方向の一部(図10〜図12では吸収体一単位分、図13では吸収体二単位分)であり、各回転ドラム1A,1B,1Cは、これらの図に示された吸収体一単位分又は二単位分に相当する部分がドラム周方向に複数連続的に配されて構成されている。
【0069】
回転ドラム1Aの外側成形部材6P及び内側成形部材7Pは、図10及び図11に示すように、何れも該成形部材全体が、集積用凹部2の平面視においてその底面2A(図4参照)と重なる凹部底面対応部となっている。外側成形部材6Pは、図11に示すように、該外側成形部材6P(凹部底面対応部)を厚み方向に貫通する複数の開口部65A,65Bと各該開口部65A,65Bを区画形成する開口部画成部60とから構成されている。外側成形部材6Pの開口部画成部60は、該開口部画成部60の吸収体一単位分のドラム周方向の両端部それぞれに位置し、互いに交差する複数本の平面視直線状の線状部材によって平面視格子状に形成された格子状部63,63と、両格子状部63,63間に挟まれ、ドラム周方向に延びる一対の非直線状の線状部材64,64とからなる。開口部65Aは、格子状部63の格子の目の部分に位置し、平面視して四角形形状を有し、その四角形形状の対角線(図示せず)がドラム周方向に一致している。開口部画成部60は、開口部65Bとは逆の方向に、格子状部63,63を延長するよう存在し、線状部材で囲まれた開口部は形成していない線状部材も有している。開口部65Bは、一対の線状部材64,64間に位置し、両格子状部63,63間の全長に亘って連続している。一対の線状部材64,64は、それぞれ、ドラム周方向の中央部が両端部よりもドラム幅方向Xの内方に位置するように湾曲している。図10に示すように、外側成形部材6Pとこれを囲む一対のリング部材51,51との間には、成形体材料(吸収体原料)が積繊可能な開口部が形成されている。開口部65Bは、一対の線状部材64,64間に位置し、両格子状部63,63間の全長に亘って連続している。一対の線状部材64,64は、それぞれ、ドラム周方向の中央部が両端部よりもドラム幅方向Xの内方に位置するように湾曲している。
【0070】
回転ドラム1Aの内側成形部材7Pは、外側成形部材6Pと同形状で且つ各部の寸法が同じであり、図11に示すように、該内側成形部材7P(凹部底面対応部)を厚み方向に貫通する複数の開口部75A,75Bと各該開口部75A,75Bを区画形成する開口部画成部70とから構成され、該開口部画成部70は、互いに交差する複数本の平面視直線状の線状部材によって平面視格子状に形成された格子状部73,73との間に挟まれ、ドラム周方向に延びる一対の非直線状の線状部材74,74とからなる。外側成形部材6Pの開口部画成部60(格子状部63及び線状部材64)に対して、内側成形部材7Pの開口部画成部70(格子状部73及び線状部材74)が1対1で対応している。
【0071】
回転ドラム1Aのリング部材51は、図10及び図11に示すように、そのドラム周方向に延びる内側縁51aが曲線を含んで構成されており、ドラム幅方向Xの内方に向かって凸の湾曲部を有している。このリング部材51の内側縁51aの湾曲部は、一対の線状部材64,64のドラム幅方向Xの外方に位置している。リング部材51の内側縁51aは、集積用凹部2内で形成される吸収体(成形体)の長手方向(ドラム周方向)に延びる側縁の平面視形状を決定する部位である。
【0072】
図12に示す回転ドラム1Bは、その外側成形部材6Q及び内側成形部材7Q以外は、回転ドラム1Aと同様に構成されている。回転ドラム1Bの外側成形部材6Qは、該外側成形部材6Q(凹部底面対応部)を厚み方向に貫通する複数の開口部65と各該開口部65を区画形成する開口部画成部60とから構成されている。外側成形部材6Qの開口部画成部60は、その全体が、互いに交差する複数本の平面視直線状の線状部材61,62によって平面視格子状に形成されており、ドラム幅方向Xの長さが相対的に長い幅広部66と該長さが相対的に短い幅狭部67とを有している。幅広部66は、開口部画成部60の吸収体一単位分のドラム周方向の両端部に位置し、幅狭部67は、両幅広部66,66に挟まれている。
【0073】
回転ドラム1Bの内側成形部材7Qは、外側成形部材6Qと同形状で且つ各部の寸法が同じであり、図12に示すように、該内側成形部材7Q(凹部底面対応部)を厚み方向に貫通する複数の開口部75と各該開口部75を区画形成する開口部画成部70とから構成され、該開口部画成部70は、その全体が、互いに交差する複数本の平面視直線状の線状部材71,72によって平面視格子状に形成されており、ドラム幅方向Xの長さが相対的に長い幅広部76と該長さが相対的に短い幅狭部77とを有している。幅広部76は、開口部画成部70の吸収体一単位分のドラム周方向の両端部に位置し、幅狭部77は、両幅広部76,76に挟まれている。外側成形部材6Qの開口部画成部60(幅広部66及び幅狭部67)に対して、内側成形部材7Qの開口部画成部70(幅広部76及び幅狭部77)が1対1で対応している。
【0074】
図13に示す回転ドラム1Cは、そのリング部材52、外側成形部材6R及び内側成形部材7R以外は、図3に示す回転ドラム1と同様に構成されている。回転ドラム1Cのリング部材52には、そのドラム幅方向Xの中央部に、一単位の吸収体に対応する平面視楕円形状の窓部53がドラム周方向に所定間隔をおいて複数(2つ)形成されており、隣り合う2つの窓部53,53間は、吸収体原料(成形体材料)が積繊しない非積繊部となっている。
【0075】
回転ドラム1Cの外側成形部材6Rは、開口部65(線状部材61,62)の配置パターン以外は、図3に示す回転ドラム1の外側成形部材6と同様に構成されている。外側成形部材6R(凹部底面対応部6A)の複数の開口部65は、図13に示すように、千鳥状に配置されている。ここで千鳥状とは、複数の開口部65がドラム周方向に等間隔に配置されてなる列が、該ドラム周方向と直交するドラム幅方向Xに複数列配置され、且つ該ドラム幅方向Xにおいて、隣り合う2列どうしで互いに開口部65がずれている(好ましくは半ピッチずれている)配置である。尚、本発明でいう「千鳥状に配置」には、複数の開口部65が前記の説明通りに完璧に配置されている形態のみならず、製造上不可避的なずれなど、意図しないわずかな配置のずれが生じている形態も含まれる。
【0076】
回転ドラム1Cの内側成形部材7Rは、外側成形部材6Rと同形状で且つ各部の寸法が同じであり、図13に示すように、該内側成形部材7Rの凹部底面対応部7Aを厚み方向に貫通する複数の開口部75と各該開口部75を区画形成する開口部画成部70とから構成されており、複数の開口部75は、千鳥状に配置され、開口部画成部70は、互いに交差する複数本の平面視直線状の線状部材71,72を含んで構成されている。外側成形部材6Rの開口部画成部60(線状部材61,62)に対して、内側成形部材7Rの開口部画成部70(線状部材71,72)が1対1で対応している。
【0077】
本発明は、前記実施態様に制限されず適宜変更可能である。例えば、前記実施態様では、集積用凹部2は、回転ドラム1の外周面に周方向の全長に亘って連続的に形成されていたが、周方向に間欠的に形成されていても良く、その場合、周方向に隣接する2つの集積用凹部2,2間の最外表面を非通気性のリング部材5で形成し、該凹部2,2間に成形体材料を堆積させないようにすることができる。また、前記実施態様では、ドラム本体3に固定される各部材7,4,6,5は、それぞれ、回転ドラム1の周長を略2等分した長さを有し、各部材につき2つを組み合わせて構成されていたが、単一の環状部材から構成されていても良く、3つ以上を組み合わせて構成されていても良い。また、外側成形部材6の外側にリング部材5は配さなくても良い。また、開口部画成部60,70を構成する線状部材61,62,64,71,72,74における「線状」は、集積用凹部2の平面視において、前記実施態様の如き直線状に限られず、曲線、折曲線を含む。
【0078】
また、前記実施態様では、外側成形部材6及び内側成形部材7は、それぞれ、単層構造であったが、比較的厚みの薄い成形部材を複数積層させた多層構造であっても良い。外側成形部材6及び内側成形部材7をこのような多層構造にすると、単層構造の場合に比して、成形部材の加工が容易になり、様々な形状の成形体の製造が可能になる。
【0079】
また、前記実施態様では、外側成形部材6を内側成形部材7に固定するボルト8は、内側成形部材7側から外側成形部材6側に向けて(ドラム内方から外方に向けて)挿入されていたが、これとは逆に、外側成形部材6側から内側成形部材7側に向けて(ドラム外方から内方に向けて)挿入されていても良い。
【0080】
また、前記実施態様では、開口部65と開口部75とが1対1で対応し且つ斯かる対応関係にある両開口部65,75の平面視形状が互いに合同の関係にあり、従って、外側成形部材6の開口部画成部60と内側成形部材7の開口部画成部70とは、平面視形状が同一で、それによって集積用凹部2の平面視において全部が重なっていたが、両開口部画成部60,70の平面視形状は同一でなくても良く、集積用凹部2の平面視において一部が重なっていても良い。例えば、内側成形部材7の開口部画成部70を、図3に示す如き平面視格子状とし、外側成形部材6の開口部画成部60を、ドラム幅方向Xに延びる平面視直線状の複数本の幅方向非通気性部材のみから構成することにより、平面視梯子状としても良い。
【0081】
また、前記実施態様では、リング部材5を回転ドラム1の外周面に取り付けたが、リング部材は用いずに、外側成形部材6の側部に凸状部を形成し、該凸状部をリング部材と同効果を発現する部材としても良い。また、前記実施態様では、リング部材5のドラム幅方向の長さは一定であったが、リング部材5の内側縁部(内側端面側の側縁部)の形状をドラム周方向に沿って変える等により、リング部材5のドラム幅方向の長さをドラム周方向に変化させても良く、その場合、成形体の幅及び形状をドラム周方向に変化させることが可能となる。前述した一の実施態様が有する部分は、全て適宜相互に利用できる。
【0082】
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記(積繊装置、吸収体の製造方法、吸収性物品の製造方法)を開示する。
【0083】
<1> 外周面に集積用凹部を有する回転ドラムを備え、該回転ドラムが成形体材料を該集積用凹部の底面で吸引により積繊して成形体を形成する積繊装置であって、
前記回転ドラムは、ドラム本体と、前記集積用凹部の底面を形成する通気性の開孔部材とを備え、
前記開孔部材は、前記集積用凹部の底面に対向配置された外側成形部材と、該開孔部材と前記ドラム本体との間に配置された内側成形部材とに挟まれており、両成形部材は該開孔部材に重ねて配置されており、
前記集積用凹部の平面視において該集積用凹部の底面と重なる前記両成形部材の凹部底面対応部は、それぞれ、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の開口部と各該開口部を区画形成する開口部画成部とから構成され、前記内側成形部材の開口部画成部は前記外側成形部材の開口部画成部に対応している積繊装置。
【0084】
<2> 前記両成形部材の前記開口部画成部は、それぞれ、非通気性である前記<1>記載の積繊装置。
<3> 前記開孔部材は、前記外側成形部材及び/又は前記内側成形部材の前記開口部画成部に対応する部分に、非通気性部を有している前記<1>又は<2>記載の積繊装置。
<4> 前記非通気性部は、前記開孔部材と前記外側成形部材及び前記内側成形部材とが接合されて形成されている前記<3>記載の積繊装置。
<5> 前記非通気性部は、1)前記開孔部材、前記外側成形部材及び前記内側成形部材の接合予定箇所を熱で溶かし、その溶融箇所どうしを直接融着させる溶着(溶接)法、又は2)前記開孔部材と前記外側成形部材及び前記内側成形部材とを接着剤を介して接合させる方法により形成されている前記<3>又は<4>記載の積繊装置。
<6> 前記開孔部材の開口部画成部対応部(前記集積用凹部の平面視において前記外側成形部材の前記開口部画成部及び前記内側成形部材の前記開口部画成部それぞれと重なる部分)は、その全域が前記非通気性部となっているか、あるいは、その一部(前記開孔部材と前記両成形部材との溶着又は接着剤による接合箇所)のみが前記非通気性部となっていて、該開口部画成部対応部全体としては、該開孔部材における該開口部画成部対応部以外の部位よりも通気性の低い弱通気性を有している前記<3>〜<5>の何れか一項に記載の積繊装置。
【0085】
<7> 前記外側成形部材の複数の前記開口部と前記内側成形部材の複数の前記開口部とが1対1で対応している前記<1>〜<6>の何れか一項に記載の積繊装置。
<8> 前記集積用凹部の平面視において、前記外側成形部材の前記開口部と前記内側成形部材の前記開口部とが重なっている前記<7>記載の積繊装置。
<9> 前記集積用凹部の平面視において、互いに重なり合う前記外側成形部材の前記開口部と前記内側成形部材の前記開口部とは、平面視形状が互いに相似又は合同の関係にある前記<7>又は<8>記載の積繊装置。
【0086】
<10> 前記両成形部材の前記開口部画成部は、それぞれ、前記集積用凹部の底面に沿って延びる線状部材を含んで構成されている前記<1>〜<9>の何れか一項に記載の積繊装置。
<11> 前記外側成形部材及び前記内側成形部材それぞれの前記開口部画成部は、前記線状部材として、ドラム幅方向に延びる平面視直線状の複数本の幅方向線状部材と、該複数本の幅方向線状部材と直交する平面視直線状の複数本の周方向線状部材とからなり、これら線状部材によって平面視して格子状に形成され、両成形部材の前記開口部は、それぞれ、その格子の目の部分に位置し、平面視して矩形形状を有している前記<10>記載の積繊装置。
<12> 前記外側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅と、前記開孔部材を挟んでその真下に位置する、前記内側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅とが同じである前記<10>又は<11>記載の積繊装置。
<13> 前記外側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材と、前記集積用凹部の平面視において該外側成形部材の該線状部材と重なる、前記内側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材とで、幅が異なる前記<10>又は<11>記載の積繊装置。
<14> 前記内側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅は、前記外側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅よりも大きい前記<13>記載の積繊装置。
<15> 前記外側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅W1,W2とこれに対応する前記内側成形部材の(前記開口部画成部の)前記線状部材の幅W3,W4との比(W1/W3、W2/W4)は、0.1〜1又は0.2〜0.7である前記<10>〜<14>の何れか一項に記載の積繊装置。
<16> 前記外側成形部材の前記開口部画成部を構成する線状部材の幅は1〜10mmである前記<10>〜<15>の何れか一項に記載の積繊装置。
【0087】
<17> 前記外側成形部材は、前記凹部底面対応部において前記開口部画成部に穿設された複数個のボルト孔、及び各該ボルト孔に挿入されたボルトを介して前記内側成形部材に固定されている前記<1>〜<16>の何れか一項に記載の積繊装置。
<18> 前記ドラム本体における、前記集積用凹部の平面視において該集積用凹部の底面と重なる凹部底面対応部は、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の貫通孔と、隣接する2つの該貫通孔の間に位置する非通気性のリブとを含んで構成されており、
前記集積用凹部の平面視において、前記リブと前記両成形部材それぞれの前記開口部画成部とが重なっている前記<1>〜<17>の何れか一項に記載の積繊装置。
<19> 前記集積用凹部の底面は平坦状である前記<1>〜<18>の何れか一項に記載の積繊装置。
【0088】
<20> 前記ドラム本体は、剛性を有する金属製の筒状体からなり、前記集積用凹部の平面視においてその底面と重なる凹部底面対応部をドラム幅方向の中央部に有し、
前記凹部底面対応部は、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の貫通口と、隣接する2つの該貫通口の間に位置する非通気性のリブとを含んで構成されている前記<1>〜<19>の何れか一項に記載の積繊装置。
<21> 前記開孔部材は、金属又は樹脂製のメッシュ、又は金属若しくは樹脂製の板にエッチング若しくはパンチングで多数の細孔を形成した多孔性の金属板若しくは樹脂板であり、該開孔部材に直径0.2〜0.6mmの通気孔が0.4〜1.5mmのピッチで形成されている前記<1>〜<20>の何れか一項に記載の積繊装置。
<22> 前記回転ドラムは、前記集積用凹部の内側面を形成するリング部材を備えており、該リング部材は、該集積用凹部を挟んで該回転ドラムの外周面の幅方向両側部に配されている前記<1>〜<21>の何れか一項に記載の積繊装置。
<23> 前記外側成形部材の前記開口部画成部に対しては、必ず前記内側成形部材の前記開口部画成部が対向配置され、該内側成形部材は、該外側成形部材の該開口部画成部に対応しない開口部画成部を有している前記<1>〜<22>の何れか一項に記載の積繊装置。
<24> 前記集積用凹部は、前記回転ドラムの外周面に周方向の全長に亘って連続的に形成されているか、又は該周方向に間欠的に形成されている前記<1>〜<23>の何れか一項に記載の積繊装置。
<25> 前記積繊装置は、前記回転ドラムの外周面に成形体材料を供給するダクトと、該回転ドラムの斜め下方に配置され、回転駆動されるトランスファーロールと、該トランスファーロールの下方に配されたバキュームコンベアとを備えている前記<1>〜<24>の何れか一項に記載の積繊装置。
<26> 前記積繊装置は、前記回転ドラムの周方向における前記ダクトと前記トランスファーロールとの間に設けられた、バキュームボックスと、該バキュームボックスと該回転ドラムとの間及び該トランスファーロールと該回転ドラムとの間を通るように配された、メッシュベルトとを備えている前記<25>記載の積繊装置。
【0089】
<27> 前記<1>〜<24>の何れか一項に記載の積繊装置を用いた吸収体の製造方法であって、
空気流に乗せて供給した吸収体原料を、前記回転ドラムの集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を具備する吸収体の製造方法。
<28> 前記<25>記載の積繊装置を用いた吸収体の製造方法であって、
空気流に乗せて供給した吸収体原料を、前記回転ドラムの集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を具備する吸収体の製造方法。
<29> 前記<26>記載の積繊装置を用いた吸収体の製造方法であって、
空気流に乗せて供給した吸収体原料を、前記回転ドラムの集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を具備する吸収体の製造方法。
【0090】
<30> 前記回転ドラムの前記集積用凹部が前記ダクトに覆われた部分を搬送されている間に、該集積用凹部に吸収体原料が吸引されて積繊する前記<28>又は<29>記載の吸収体の製造方法。
<31> 前記集積用凹部内に吸収体原料を積繊させて積繊物を得た後、更に前記回転ドラムを回転させ、前記バキュームボックスの対向位置にて該積繊物を前記メッシュベルトに吸い付け、その状態で前記トランスファーロールと該回転ドラムとの最接近部又はその近傍まで該積繊物を搬送し、該トランスファーロール側からの吸引により、該集積用凹部から該積繊物を離型し、該メッシュベルトと共に該トランスファーロール上へと転写し、
次いで、前記トランスファーロール上に転写された前記積繊物を、該トランスファーロールの下方に配された前記バキュームコンベア上に導入された、コアラップシート上へと受け渡し、
しかる後、前記コアラップシートの搬送方向に沿う両側部を折り返し、前記積繊物を該コアラップシートで被覆する工程を具備する前記<29>記載の吸収体の製造方法。
<32> 前記集積用凹部の底面からの吸引が行われる、前記外側成形部材の前記凹部底面対応部の前記開口部のみならず、該底面からの吸引が行われない、該外側成形部材の前記開口部画成部(前記線状部材)にも吸収体原料を積繊させる前記<27>〜<29>の何れか一項に記載の吸収体の製造方法。
【0091】
<33> 吸収体とこれを固定するシート材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、
前記<27>〜<32>の何れか一項に記載の製造方法の実施によって得られた吸収体を前記シート材に固定する工程を具備する吸収性物品の製造方法。
【符号の説明】
【0092】
1,1A,1B,1C 回転ドラム
2 集積用凹部
2A 集積用凹部の底面
2B 集積用凹部の内側面
3 ドラム本体
31 ドラム本体の凹部底面対応部
32 貫通口
33 リブ
4,4A 開孔部材
40 開口部画成部対応部
45 非通気性部
5,51、52 リング部材
6,6P,6Q,6R 外側成形部材
6A 外側成形部材の凹部底面対応部
6B 外側成形部材の側部(リング部材対応部)
60 外側成形部材の開口部画成部
61 外側成形部材の開口部画成部の幅方向線状部材
62 外側成形部材の開口部画成部の周方向線状部材
63 外側成形部材の開口部画成部の格子状部
64 外側成形部材の開口部画成部の非直線状の線状部材
65,65A,65B 外側成形部材の開口部
7,7P,7Q,7R 内側成形部材
7A 内側成形部材の凹部底面対応部
7B 内側成形部材の側部(リング部材対応部)
70 内側成形部材の開口部画成部
71 内側成形部材の開口部画成部の幅方向線状部材
72 内側成形部材の開口部画成部の周方向線状部材
73 内側成形部材の開口部画成部の格子状部
74 内側成形部材の開口部画成部の非直線状の線状部材
75,75A,75B 内側成形部材の開口部
8 ボルト
10 積繊装置
11 ダクト
12 トランスファーロール
13 バキュームボックス
14 メッシュベルト
95 積繊物
96 コアラップシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に集積用凹部を有する回転ドラムを備え、該回転ドラムが成形体材料を該集積用凹部の底面で吸引により積繊して成形体を形成する積繊装置であって、
前記回転ドラムは、ドラム本体と、前記集積用凹部の底面を形成する通気性の開孔部材とを備え、
前記開孔部材は、前記集積用凹部の底面に対向配置された外側成形部材と、該開孔部材と前記ドラム本体との間に配置された内側成形部材とに挟まれており、両成形部材は該開孔部材に重ねて配置されており、
前記集積用凹部の平面視において該集積用凹部の底面と重なる前記両成形部材の凹部底面対応部は、それぞれ、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の開口部と各該開口部を区画形成する開口部画成部とから構成され、前記内側成形部材の開口部画成部は前記外側成形部材の開口部画成部に対応している積繊装置。
【請求項2】
前記両成形部材の前記開口部画成部は、それぞれ、非通気性である請求項1記載の積繊装置。
【請求項3】
前記開孔部材は、前記外側成形部材又は前記内側成形部材の前記開口部画成部に対応する部分に、非通気性部を有している請求項1又は2記載の積繊装置。
【請求項4】
前記外側成形部材の複数の前記開口部と前記内側成形部材の複数の前記開口部とが1対1で対応している請求項1〜3の何れか一項に記載の積繊装置。
【請求項5】
前記両成形部材の前記開口部画成部は、それぞれ、前記集積用凹部の底面に沿って延びる線状部材を含んで構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の積繊装置。
【請求項6】
前記外側成形部材の線状部材と、前記集積用凹部の平面視において該外側成形部材の線状部材と重なる、前記内側成形部材の線状部材とで、幅が異なる請求項5記載の積繊装置。
【請求項7】
前記外側成形部材は、前記凹部底面対応部において前記開口部画成部に穿設された複数個のボルト孔、及び各該ボルト孔に挿入されたボルトを介して前記内側成形部材に固定されている請求項1〜6の何れか一項に記載の積繊装置。
【請求項8】
前記ドラム本体における、前記集積用凹部の平面視において該集積用凹部の底面と重なる凹部底面対応部は、該凹部底面対応部を厚み方向に貫通する複数の貫通孔と、隣接する2つの該貫通孔の間に位置する非通気性のリブとを含んで構成されており、
前記集積用凹部の平面視において、前記リブと前記両成形部材それぞれの前記開口部画成部とが重なっている請求項1〜7の何れか一項に記載の積繊装置。
【請求項9】
前記集積用凹部の底面は平坦状である請求項1〜8の何れか一項に記載の積繊装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載の積繊装置を用いた吸収体の製造方法であって、
空気流に乗せて供給した吸収体原料を、前記回転ドラムの集積用凹部に吸引して積繊させる積繊工程を具備する吸収体の製造方法。
【請求項11】
吸収体とこれを固定するシート材とを具備する吸収性物品の製造方法であって、
請求項10記載の製造方法の実施によって得られた吸収体を前記シート材に固定する工程を具備する吸収性物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−99522(P2013−99522A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226903(P2012−226903)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】