積載計画生成装置、積載計画生成方法、及びプログラム
【課題】船舶に対して積載スペース内に収まる製品を割り当てる。
【解決手段】港湾に寄港する複数の船舶の中から船舶を1つ選択する船舶選択部106と、船舶に積載すべき製品のうち、船舶選択部106が選択した船舶の最大積載スペースから当該船舶に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する船舶として船舶選択部106が選択した船舶を割り当てる積載割当部107とを備える。
【解決手段】港湾に寄港する複数の船舶の中から船舶を1つ選択する船舶選択部106と、船舶に積載すべき製品のうち、船舶選択部106が選択した船舶の最大積載スペースから当該船舶に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する船舶として船舶選択部106が選択した船舶を割り当てる積載割当部107とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置、積載計画生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場で完成した製品を船舶によって輸送する際、予約した船舶の最大積載量と製品の重量を比較して積載計画の実施を行っている。しかし通常、製品は船舶の最大積載量を考慮して製造されないため、製品の仕様によっては、サイズや重量の組み合わせが悪く、積載率が低下し、効率的な輸送ができないおそれがある。特に、コンテナ内に格納されて運搬される製品は、輸送に使用するコンテナサイズに規定があるため、製品の組み合わせによる積載率に対する影響が大きい。
【0003】
そこで、特許文献1には、倉庫及び工場内の製品を所定の出荷ロット作成ルールに従って、積載量が最大積載量に満たない船舶に対し、製品を割り当てる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−227354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法を用いる場合、船舶と製品との割り当てを行う際に、コンテナサイズと製品のサイズとの関係について考慮されないため、コンテナに対する製品の積載密度を適切に設定することができないという問題がある。例えば、比重の小さい製品の組み合わせを船舶の最大積載量を満たすように割り当てた場合、製品のサイズが大きすぎて実際にはコンテナに積載できなくなってしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決する積載計画生成装置、積載計画生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置であって、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部と、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、前記運搬手段選択部は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日が早い順に前記運搬手段を選択することが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき積載日が早い順に前記製品の割り当てを行うことが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記製品のうち、前記運搬手段に積載すべき積載日が同日の製品が複数存在する場合に、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、前記積載日が同日の製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きいか否かを判定するスペース判定部を備え、前記積載割当部は、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和より大きいと判定した場合に、前記積載日が同日の製品の何れか1つを選択し、当該選択した製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和以下であると判定した場合に、前記積載日が同日の製品の組み合わせを複数選択する組み合わせ選択部を備え、前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせの中から、当該組み合わせを構成する製品の所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下である組み合わせを1つ選択し、当該組み合わせを構成する製品を積載する運搬手段として、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせのうち、前記所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下であり、かつ前記所要積載スペースの和が最大のものを選択することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記組み合わせ選択部は、2つの製品の組み合わせを選択することが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、前記製品と前記運搬手段との割り当てに基づいて、前記製品の生産計画を生成する生産計画生成部を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明においては、前記製品の積載予定日を取得する積載予定日取得部と、前記積載予定日取得部が取得した積載予定日が、当該製品を積載する予定の運搬手段の積載期限日より後である場合、前記運搬手段に対する当該製品の割当を取り消す割当取り消し部とを備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該製品の割当を取り消された運搬手段に積載する製品の割り当てを行うことが好ましい。
【0017】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該割当を取り消された製品を積載する運搬手段の割当を行うことが好ましい。
【0018】
また、本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を用いた積載計画生成方法であって、運搬手段選択部は、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択し、積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てるを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、船舶に対して、所要積載スペースが当該船舶の残り積載スペース以下となるような製品を割り当てる。これにより、船舶に対して積載スペース内に収まる製品を割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】受注情報記憶部が記憶する受注情報のフォーマットの例を示す図である。
【図3】船舶情報記憶部が記憶する船舶情報のフォーマットの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置による積載計画の見直し動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明のいくつかの実施形態について詳しく説明する。
積載計画生成装置は、生産される製品を船舶(運搬手段)に割り当てることで製品の積載計画を生成し、また当該積載計画に基づいて製品の生産計画を生成する装置である。
【0023】
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態による積載計画生成装置は、受注情報入力部101、受注情報記憶部102、製品選択部103、船舶情報入力部104、船舶情報記憶部105、船舶選択部106(運搬手段選択部)、積載割当部107、生産計画生成部108を備える。
【0024】
受注情報入力部101は、船舶による運搬対象となる製品の情報の入力を受け付ける。
受注情報記憶部102は、受注情報入力部101が受け付けた受注情報を記憶する。
製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報を1つ選択する。
【0025】
図2は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のフォーマットの例を示す図である。
図2に示すように、受注情報には、受注ID、機種、台数、所要積載スペース、積載期限日(積載日)、輸送経路、計画済フラグが含まれる。
ここで、受注IDは、製品の受注順に昇順に設定される一意な値である。また、所要積載スペースとは、製品をコンテナに積載する際に必要なスペースの大きさを示す値であり、機種毎のサイズ及び受注数量から算出される。また、積載期限日は、当該製品を積載すべき期限日を示す値であり、顧客の所在地及び納期から算出される。また、輸送経路は、顧客の所在地に最寄りの港湾を示す。また、計画済フラグは、当該製品を積載する船舶が割り当てられている場合にTrueを示し、割り当てられていない場合にFalseを示す。すなわち、受注情報入力部101によって入力されたとき、計画済フラグはFalseを示す。
【0026】
船舶情報入力部104は、積載地となる港湾に寄港する(到着する)船舶の情報の入力を受け付ける。
船舶情報記憶部105は、船舶情報入力部104が受け付けた船舶情報を記憶する。
船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を1つ選択する。
【0027】
図3は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報のフォーマットの例を示す図である。
図3に示すように、船舶情報には、船舶ID、寄港日、最大積載スペース、積載済スペース、輸送経路が含まれる。
ここで、船舶IDは、船舶に一意に割り当てられる値である。また、積載済スペースは、当該船舶に積載予定の製品の所要積載スペースの和を示す値である。また、本実施形態では、船舶の寄港日に荷揚げ・荷降ろしを行い、同日に当該船舶が出港する場合について説明する。したがって、船舶情報に含まれる寄港日は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日を示している。
【0028】
積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品の所要積載スペースと、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースとの比較に基づいて、製品と船舶との割当を行うか否かを決定する。また、積載割当部107は、製品と船舶との割当に基づいて積載計画を生成する。
生産計画生成部108は、積載割当部107が生成した積載計画に基づいて、製品の生産計画を生成する。
【0029】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、計画済フラグがFalseを示す受注情報を全て取得する(ステップS1)。次に、製品選択部103は、ステップS1で取得した受注情報の積載期限日のうち直近の日付のものを特定する(ステップS2)。次に、製品選択部103は、ステップS2で特定した日付を積載期限日とする受注情報を全て抽出する(ステップS3)。
【0030】
次に、船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報に、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在するか否かを判定する(ステップS4)。船舶選択部106が、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在しないと判定した場合(ステップS4:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS5)。
【0031】
他方、船舶選択部106は、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在すると判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報を全て抽出する。製品選択部103は、ステップS3で抽出した受注情報であって、計画済フラグがFalseを示す受注情報のうち、受注IDが最も小さいものを選択する(ステップS6)。つまり、ステップS6で製品選択部103は、積載計画がされておらず、かつ積載期限日が最も早い受注情報のうち、最も早く受注されたものを選択する。
また、船舶選択部106は、ステップS4で抽出した船舶情報のうち、寄港日が最も早いものを選択する(ステップS7)。
【0032】
次に、積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す輸送経路と、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す輸送経路とが一致するか否かを判定する(ステップS8)。積載割当部107は、双方の輸送経路が一致すると判定した場合(ステップS8:YES)、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースを算出する(ステップS9)。残り積載スペースは、船舶情報の最大積載スペースと積載済スペースとの差を算出することで得られる。次に、積載割当部107は、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースが、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品の所要積載スペース以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0033】
積載割当部107は、残り積載スペースが所要積載スペース以上であると判定した場合(ステップS10:YES)、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品を積載する船舶として、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶を割り当て、当該製品の積載計画を生成する(ステップS11)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、製品選択部103は、選択した受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、製品選択部103が選択した受注情報が示す所要積載スペースを加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0034】
次に、積載割当部107は、ステップS3で抽出した受注情報が示す全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS12)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS6に戻り、次の受注情報について割当処理を行う。
【0035】
なお、積載割当部107が、ステップS8において受注情報が示す輸送経路と船舶情報が示す輸送経路とが異なると判定した場合(ステップS8:NO)、またはステップS10において船舶の残り積載スペースが製品の所要積載スペース未満であると判定した場合(ステップS10:NO)、船舶選択部106は、ステップS4で抽出した船舶情報のうち、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶を示すものが存在するか否かを判定する(ステップS13)。船舶選択部106が、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在しないと判定した場合(ステップS13:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS5)。
【0036】
他方、船舶選択部106は、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在すると判定した場合(ステップS13:YES)、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶のうち、最も寄港日が早いものを選択し(ステップS14)、ステップS8に戻る。すなわち当該選択した船舶情報が示す船舶が、製品選択部103が選択している受注情報が示す製品の積載に適しているか否かの判定を行う。
【0037】
そして、ステップS12において、積載割当部107が全ての製品について積載する船舶を割り当てたと判定した場合(ステップS12:YES)、生産計画生成部108は、ステップS3で抽出した受注情報が示す各製品の生産計画を生成する(ステップS15)。具体的には、積載割当部107によって生成された積載計画が示す製品の積載日から、当該製品の工場から港湾まで当該製品を輸送するのに要する陸上輸送期間及び当該製品の生産に要する生産期間を減じた日付を、生産開始日とする。
【0038】
次に、具体的な例を挙げながら、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。ここでは、受注情報記憶部102が図5(A)に示す受注情報を記憶し、船舶情報記憶部105が図5(B)に示す船舶情報を記憶している場合における積載計画生成装置の動作について説明する。
【0039】
まず製品選択部103は、ステップS1の処理により、図5(C)に示すように、計画済フラグがFalseを示す受注情報を取得する。次に、製品選択部103は、ステップS2の処理により、直近の積載期限日が「9月30日」であることを特定する。そして、製品選択部103は、ステップS3の処理により、図5(D)に示すように、「9月30日」を積載期限日とする受注情報を抽出する。
他方、船舶選択部106は、ステップS4の処理により、図5(E)に示すように、寄港日が「9月30日」以前の日を示す船舶情報を抽出する。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
次に、製品選択部103は、ステップS6の処理により、図6(A)に示すステップS3で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ受注IDが最も小さい受注情報(図6(C))を選択する。次に、船舶選択部106は、図6(B)に示すステップS4で抽出した船舶情報から、寄港日が最も早い船舶情報(図6(D))を選択する。
【0041】
図6(C)に示す受注情報と図6(D)に示す船舶情報は、輸送経路が一致しないため、船舶選択部106は、ステップS14の処理により次の船舶情報(図6(E))を選択する。
図6(E)に示す船舶情報が示す船舶は、図6(C)に示す受注情報が示す製品を積載するに充分な残り積載スペースがないため、船舶選択部106は、ステップS14の処理により次の船舶情報(図6(F))を選択する。
ここで、図6(C)に示す受注情報と図6(F)に示す船舶情報は輸送経路が一致し、かつ当該船舶情報が示す船舶に残り積載スペースが十分にあるため、積載割当部107は、ステップS11の処理により図6(C)に示す受注情報と図6(F)に示す船舶情報との割当を行う。
【0042】
次に、製品選択部103は、図(G)に示すように受注情報の計画済フラグをTrueにする。また、船舶選択部106は、図(H)に示すように船舶情報の積載済スペースを更新する。以降、製品選択部103は全ての製品の割り当てが終わるまで、ステップS6以降の処理を繰り返し実行する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶に対して、所要積載スペースが当該船舶の残り積載スペース以下となるような製品を割り当てる。これにより積載計画生成装置は、船舶に対して積載スペース内に収まる製品を割り当てることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば生産計画生成部108は、製品と船舶との割り当てに基づいて、製品の生産計画を生成する。これにより、輸送時の効率を最適化するように製品の生産計画を立てることができる。
【0045】
《第2の実施形態》
図7は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による積載計画生成装置は、第1の実施形態による積載計画生成装置に加えて、スペース判定部109及び組み合わせ選択部110を更に備える。
【0046】
スペース判定部109は、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースが、受注情報記憶部102が記憶する受注情報が示す製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和以上であるか否かを判定する。
組み合わせ選択部110は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、積載期限日が同日の製品を示す2つの受注情報の全ての組み合わせを選択する。
【0047】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第1のフローチャートである。
まず、製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、計画済フラグがFalseを示す受注情報を全て取得する(ステップS21)。次に、製品選択部103は、ステップS1で取得した受注情報の積載期限日のうち直近の日付のものを特定する(ステップS22)。次に、製品選択部103は、ステップS22で特定した日付を積載期限日とする受注情報を全て抽出する(ステップS23)。
【0048】
次に、船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報に、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在するか否かを判定する(ステップS24)。船舶選択部106が、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在しないと判定した場合(ステップS24:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS25)。
【0049】
他方、船舶選択部106は、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在すると判定した場合(ステップS24:YES)、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報を全て抽出する。次に、船舶選択部106は、ステップS24で抽出した船舶情報のうち、寄港日が最も早いものを選択する(ステップS26)。
【0050】
次に、製品選択部103は、ステップS3で抽出した受注情報であって、計画済フラグがFalseを示す受注情報のうち、ステップS26で船舶選択部106が選択した船舶情報と輸送経路が一致するものを抽出する(ステップS27)。次に、船舶選択部106は、ステップS26で選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースを算出する(ステップS28)。そして、積載割当部107は、算出した残り積載スペースが、製品選択部103が抽出した受注情報の所要積載スペースのうち最小のもの以上であるか否かを判定する(ステップS29)。
【0051】
積載割当部107は、残り積載スペースが、最小の所要積載スペース未満であると判定した場合(ステップS29:NO)、船舶選択部106が選択した船舶に積載できる製品が無いと判定する。そして、船舶選択部106は、ステップS24で抽出した船舶情報のうち、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶を示すものが存在するか否かを判定する(ステップS30)。船舶選択部106が、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在しないと判定した場合(ステップS30:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS25)。
【0052】
他方、船舶選択部106は、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在すると判定した場合(ステップS30:YES)、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶のうち、最も寄港日が早いものを選択し(ステップS31)、ステップS27に戻る。すなわち当該選択した船舶情報が示す船舶に対して製品を積載できるか否かの判定を行う。
【0053】
図9は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第2のフローチャートである。
他方、ステップS29において積載割当部107が、残り積載スペースが、最小の所要積載スペース以上であると判定した場合(ステップS29:YES)、スペース判定部109は、製品選択部103がステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報を選択する(ステップS32)。次に、スペース判定部109は、ステップS28で算出した残り積載スペースが、スペース判定部109が選択した2つの受注情報の所要積載スペースの和以下であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0054】
スペース判定部109が、残り積載スペースが所要積載スペースの和より大きいと判定した場合(ステップS33:NO)、製品選択部103は、ステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseであり、かつ受注IDが最も小さいものを選択する(ステップS34)。そして、積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品を積載する船舶として、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶を割り当て、当該製品の積載計画を生成する(ステップS35)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、製品選択部103は、選択した受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、製品選択部103が選択した受注情報が示す所要積載スペースを加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0055】
次に、積載割当部107は、ステップS27で抽出した受注情報が示す全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS36)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS36:NO)、ステップS32に戻り、次の受注情報について割当処理を行う。
【0056】
また、ステップS33において、スペース判定部109が、残り積載スペースが所要積載スペースの和より小さいと判定した場合(ステップS33:YES)、組み合わせ選択部110は、ステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseである受注情報2つの全ての組み合わせを選択する(ステップS37)。そして、積載割当部107は、組み合わせ選択部110が選択した組み合わせのうち、所要積載スペースの和と船舶選択部106が選択する船舶情報が示す船舶の残り積載スペースとの差が最も小さくなる組み合わせを、船舶に割り当てる(ステップS38)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、組み合わせ選択部110は、船舶の割り当てがなされた2つの受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、組み合わせ選択部110が選択した受注情報が示す所要積載スペースの和を加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0057】
そして積載割当部107は、ステップS36で輸送経路が同じ製品を全て船舶に割り当てた場合(ステップS36:YES)、またはステップS38の処理を終えた場合、ステップS23で製品選択部103が抽出した全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS39)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS39:NO)、ステップS30に戻り、次の船舶に対する割当処理を行う。
【0058】
そして、ステップS39において、積載割当部107が全ての製品について積載する船舶を割り当てたと判定した場合(ステップS39:YES)、生産計画生成部108は、ステップS23で抽出した受注情報が示す各製品の生産計画を生成する(ステップS40)。具体的には、積載割当部107によって生成された積載計画が示す製品の積載日から、当該製品の工場から港湾まで当該製品を輸送するのに要する陸上輸送期間及び当該製品の生産に要する生産期間を減じた日付を、生産開始日とする。
【0059】
次に、具体的な例を挙げながら、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。ここでは、受注情報記憶部102が図10(A)に示す受注情報を記憶し、船舶情報記憶部105が図10(B)に示す船舶情報を記憶している場合における積載計画生成装置の動作について説明する。
【0060】
まず製品選択部103は、ステップS21の処理により、図10(C)に示すように、計画済フラグがFalseを示す受注情報を取得する。次に、製品選択部103は、ステップS22の処理により、直近の積載期限日が「9月30日」であることを特定する。そして、製品選択部103は、ステップS23の処理により、図10(D)に示すように、「9月30日」を積載期限日とする受注情報を抽出する。
他方、船舶選択部106は、ステップS24の処理により、図10(E)に示すように、寄港日が「9月30日」以前の日を示す船舶情報を抽出する。
【0061】
次に、船舶選択部106は、ステップS26の処理により、図10(F)に示すように、図10(E)に示す船舶情報の中から寄港日が最も早いものを選択する。そして、製品選択部103は、図10(G)に示すように、図10(D)に示す受注情報の中から、図10(E)に示す船舶情報と同じ「US」を輸送経路とするものを抽出する。
【0062】
図11は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
次に、スペース判定部109は、ステップS32の処理により、図11(A)に示すステップS23で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報(図11(C))を選択する。このとき、所要積載スペースの和は、残り積載スペース未満であるため、製品選択部103は、ステップS23で抽出した船舶情報から、受注IDが最も小さいもの(図11(D))を選択する。そして、積載割当部107は、図11(D)に示す受注情報と図11(B)に示す船舶情報との割当を行う。当該割り当てにより、図11(E)に示すように、船舶情報の積載済スペースが更新される。
【0063】
次に、スペース判定部109は、ステップS32の処理により、ステップS23で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報(図11(F))を選択する。このとき、所要積載スペースの和は、残り積載スペース以上であるため、組み合わせ選択部110は、ステップS23で抽出した受注情報の全ての組み合わせ(図11(G))を選択する。そして、積載割当部107は、組み合わせ選択部110が選択した組み合わせのうち、所要積載スペースの和と残り積載スペースとの差が最小になる組み合わせ(図11(H))と図11(E)に示す船舶情報との割当を行う。
以降、製品選択部103は全ての製品の割り当てが終わるまで、次の船舶に対する割当処理を繰り返し実行する。
【0064】
このように、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶の残り積載スペースが、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きい場合に、受注IDが最も小さい製品、すなわち受注日が最も古い製品を船舶に割り当てる。また、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶の残り積載スペースが、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和以下である場合に、製品の組み合わせのうち、所要積載スペースの和と残り積載スペースとの差が最小となる組み合わせを船舶に割り当てる。これにより、残り積載スペースが最小となるように他の製品を積載することができ、かつ製品を受注日順に船舶に積載することができる。
【0065】
ここで、ステップS33において、船舶の残り積載スペースと、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和とを比較する理由について説明する。
ステップS33において、船舶の残り積載スペースと最大の所要積載スペースとを比較した場合、残り積載スペースと最大の所要積載スペースとが一致する場合には、所要積載スペースが最大の製品を積載することができる。しかし、残り積載スペースが最大の所要積載スペースより小さい場合、当該所要積載スペースが最大の製品を積載することができなくなってしまう。また、2つの組合せを考えた場合、所要積載スペースが最大の製品と他の製品との組合せが、全て積載できなくなってしまうという問題がある。他方、ステップS33の条件にすることで、このような問題を回避することができる。
また、2つの製品の組合せの最大値でも積載スペースに余剰が発生する場合で、ステップS37の処理を実行すると、2つの製品の組合せで所要積載スペースの和が最大となるものを選択したとしても、積載可能なスペースが残ってしまう可能性がある。そこで、ステップS33の条件にすることで、2つの組み合わせの何れかにおいて船舶の残り積載スペースが最小となるため、当該船舶に対して製品を適切に積載することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、組み合わせ選択部110が2つの製品の組み合わせを選択する場合について説明したが、これに限られない。例えば、本実施形態と比較して計算量が増大するが、組み合わせ選択部110は、3つ以上の製品の組み合わせを選択するようにしても良い。
【0067】
《第3の実施形態》
図12は、本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による積載計画生成装置は、第2の実施形態による積載計画生成装置に加えて、進捗状況検討部111(積載予定日取得部)及び割当取り消し部112を更に備える。
【0068】
進捗状況検討部111は、各製品の生産進捗状況と生産計画生成部108が生成した生産計画とに基づいて、当該製品の進捗状況が適切であるか否かを検討する。
割当取り消し部112は、進捗状況検討部111による検討の結果、製品の積載予定日が当該製品を積載する予定の船舶の寄港日より後になると判定された場合に、当該船舶に対する製品の割当を取り消す。
つまり、本実施形態によれば、製品の生産進捗状況に遅れが発生し、製品の完成が船舶の寄港日より後になる場合に、積載計画の見直しを行うことができる。
【0069】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置による積載計画の見直し動作を示すフローチャートである。
第1の実施形態や第2の実施形態と同様の方法によって生産計画が生成され、製品の生産が開始されると、積載計画生成装置は、以下に示す処理を定期的に実行する。
【0070】
まず、進捗状況検討部111は、生産計画生成部108が生成した生産計画情報を取得する(ステップS51)。なお、生産計画情報には、工程毎の着手予定日と工程毎の完了予定日とが含まれる。次に、進捗状況検討部111は、製品の生産進捗情報を取得する(ステップS52)。なお、生産進捗状況は、製品の生産工程の実施毎に生産者が記録する情報であり、工程毎の着手実績日と工程毎の完了実績日とを含む。
【0071】
次に、進捗状況検討部111は、注文毎の遅れ日数及び積載予定日の計算を行う(ステップS53)。なお、遅れ日数は、最後に着手実績または完了実績が入力された工程での予定日と着手日との差によって算出される。また、積載予定日は、前回積載予定日に遅れ日数を加算することによって算出される。
【0072】
次に、進捗状況検討部111は、生産計画に対して生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在するか否かを判定する(ステップS54)。すなわち、進捗状況検討部111は、ステップS52で算出した遅れ日数が正の数となっている製品が存在するか否かを判定する。進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在しないと判定された場合(ステップS54:NO)、全ての製品の進捗状況が適切であると判断し、処理を終了する。
【0073】
他方、進捗状況検討部111は、生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在すると判定した場合(ステップS54:YES)、遅れが発生している製品を積載する船舶の寄港日を船舶情報記憶部105から読み出す(ステップS55)。次に、進捗状況検討部111は、遅れが発生している各製品の積載予定日が当該製品を積載する船舶の寄港日より後であるか否かを判定する(ステップS56)。進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している全ての製品の積載予定日が、船舶の寄港日以前であると判定された場合(ステップS56:NO)、全ての製品の進捗状況が適切であると判断し、処理を終了する。
【0074】
他方、進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している製品の中に、積載予定日が船舶の寄港日より後のものが存在すると判定された場合(ステップS56:YES)、生産計画生成部108は、生産遅れを挽回する生産計画を立案し、挽回可能な積載予定日を算出する(ステップS57)。次に、進捗状況検討部111は、ステップS57で立案した生産計画が示す積載予定日が当該製品を積載する船舶の寄港日より後であるか否かを判定する(ステップS58)。進捗状況検討部111によって、遅れが発生している全ての製品における新たな生産計画が示す積載予定日が、船舶の寄港日以前であると判定された場合(ステップS58:NO)、全ての製品の進捗状況が適切になったと判断し、処理を終了する。
【0075】
他方、進捗状況検討部111によって、遅れが発生している製品の中に、新たな生産計画が示す積載予定日も船舶の寄港日より後になるものが存在すると判定された場合(ステップS58:YES)、割当取り消し部112は、当該製品と船舶との割当を取り消す(ステップS59)。具体的には、割当取り消し部112は、受注情報記憶部102が記憶する当該製品を示す受注情報の計画済フラグをFalseに書き換える。また、割当取り消し部112は、船舶情報記憶部105が記憶する当該製品を積載する船舶の船舶情報の積載済みスペースから、当該製品の所要積載スペースを減算する。
そして、積載計画生成装置は、第1の実施形態または第2の実施形態に示す方法により、割当取り消し部112によって割り当てが取り消された製品及び船舶に対する積載計画の生成を行う(ステップS60)。
【0076】
このように、生産状況を監視することで、問題点を早期発見することができ、生産納期の遅延を防止することができる。これにより、当初の生産計画通りに製品を製造し、船舶への積載を実施することができ、積載率の低減を回避することができる。
また、生産納期の遅延を回避できない場合にも、船舶の空きスペースに対して新たに積載計画を立てることで、積載率の低減を回避することができる。
【0077】
以上、図面を参照してこの発明のいくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、製品を船舶に積載する例を用いて説明したが、これに限られず、トラックや飛行機などの他の運搬手段に対する積載計画の生成に、本発明による積載計画生成装置を適用しても良い。
【0078】
また、上述した実施形態では、受注情報及び船舶情報として図2及び図3に示すフォーマットの情報を用いる場合を説明したが、これに限られない。例えば、上述した実施形態では、予め積載期限日が受注情報のフォーマットに組み込まれる場合を説明したが、これに限られず、受注情報のフォーマットとして顧客の所在地及び納期を組み込んでおき、積載期限日はこれらの情報から別途算出するようにしても良い。
【0079】
また、上述した実施形態では、船舶情報に寄港日を含み、当該寄港日を積載期限日として必要な船舶情報の抽出、選択等を行う場合を説明したが、これに限られない。例えば、船舶情報に出港日が含まれている場合、当該出港日を積載期限日として抽出等を行っても良い。この場合、寄港日と出港日とが異なる日である場合にも、適切に抽出等を行うことができる。また例えば、船舶情報に、出港前の諸手続きを考慮して決定される製品の積載期限日が含まれている場合、当該積載期限日を基に抽出等を行っても良い。ここで出港前の諸手続きの例としては税関検査などが挙げられる。
【0080】
また、上述した実施形態では、積載スペースに基づいて船舶に積載する製品を選択する場合について説明したが、これに限られず、積載スペースに加えて積載重量を加味して製品を選択しても良い。例えば、積載スペースを最大化する製品の組み合わせが複数ある場合に、当該組み合わせのうち積載重量を許容積載重量以内で最大化できるような組み合わせを選択するようにすることができる。
【0081】
なお、上述の積載計画生成装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0082】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
101…受注情報入力部 102…受注情報記憶部 103…製品選択部 104…船舶情報入力部 105…船舶情報記憶部 106…船舶選択部 107…積載割当部 108…生産計画生成部 109…スペース判定部 110…組み合わせ選択部 111…進捗状況検討部 112…割当取り消し部
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置、積載計画生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場で完成した製品を船舶によって輸送する際、予約した船舶の最大積載量と製品の重量を比較して積載計画の実施を行っている。しかし通常、製品は船舶の最大積載量を考慮して製造されないため、製品の仕様によっては、サイズや重量の組み合わせが悪く、積載率が低下し、効率的な輸送ができないおそれがある。特に、コンテナ内に格納されて運搬される製品は、輸送に使用するコンテナサイズに規定があるため、製品の組み合わせによる積載率に対する影響が大きい。
【0003】
そこで、特許文献1には、倉庫及び工場内の製品を所定の出荷ロット作成ルールに従って、積載量が最大積載量に満たない船舶に対し、製品を割り当てる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−227354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法を用いる場合、船舶と製品との割り当てを行う際に、コンテナサイズと製品のサイズとの関係について考慮されないため、コンテナに対する製品の積載密度を適切に設定することができないという問題がある。例えば、比重の小さい製品の組み合わせを船舶の最大積載量を満たすように割り当てた場合、製品のサイズが大きすぎて実際にはコンテナに積載できなくなってしまうおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決する積載計画生成装置、積載計画生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置であって、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部と、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、前記運搬手段選択部は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日が早い順に前記運搬手段を選択することが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき積載日が早い順に前記製品の割り当てを行うことが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記製品のうち、前記運搬手段に積載すべき積載日が同日の製品が複数存在する場合に、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、前記積載日が同日の製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きいか否かを判定するスペース判定部を備え、前記積載割当部は、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和より大きいと判定した場合に、前記積載日が同日の製品の何れか1つを選択し、当該選択した製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和以下であると判定した場合に、前記積載日が同日の製品の組み合わせを複数選択する組み合わせ選択部を備え、前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせの中から、当該組み合わせを構成する製品の所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下である組み合わせを1つ選択し、当該組み合わせを構成する製品を積載する運搬手段として、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせのうち、前記所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下であり、かつ前記所要積載スペースの和が最大のものを選択することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記組み合わせ選択部は、2つの製品の組み合わせを選択することが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、前記製品と前記運搬手段との割り当てに基づいて、前記製品の生産計画を生成する生産計画生成部を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明においては、前記製品の積載予定日を取得する積載予定日取得部と、前記積載予定日取得部が取得した積載予定日が、当該製品を積載する予定の運搬手段の積載期限日より後である場合、前記運搬手段に対する当該製品の割当を取り消す割当取り消し部とを備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該製品の割当を取り消された運搬手段に積載する製品の割り当てを行うことが好ましい。
【0017】
また、本発明においては、前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該割当を取り消された製品を積載する運搬手段の割当を行うことが好ましい。
【0018】
また、本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を用いた積載計画生成方法であって、運搬手段選択部は、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択し、積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てるを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、船舶に対して、所要積載スペースが当該船舶の残り積載スペース以下となるような製品を割り当てる。これにより、船舶に対して積載スペース内に収まる製品を割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】受注情報記憶部が記憶する受注情報のフォーマットの例を示す図である。
【図3】船舶情報記憶部が記憶する船舶情報のフォーマットの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置による積載計画の見直し動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明のいくつかの実施形態について詳しく説明する。
積載計画生成装置は、生産される製品を船舶(運搬手段)に割り当てることで製品の積載計画を生成し、また当該積載計画に基づいて製品の生産計画を生成する装置である。
【0023】
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態による積載計画生成装置は、受注情報入力部101、受注情報記憶部102、製品選択部103、船舶情報入力部104、船舶情報記憶部105、船舶選択部106(運搬手段選択部)、積載割当部107、生産計画生成部108を備える。
【0024】
受注情報入力部101は、船舶による運搬対象となる製品の情報の入力を受け付ける。
受注情報記憶部102は、受注情報入力部101が受け付けた受注情報を記憶する。
製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報を1つ選択する。
【0025】
図2は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のフォーマットの例を示す図である。
図2に示すように、受注情報には、受注ID、機種、台数、所要積載スペース、積載期限日(積載日)、輸送経路、計画済フラグが含まれる。
ここで、受注IDは、製品の受注順に昇順に設定される一意な値である。また、所要積載スペースとは、製品をコンテナに積載する際に必要なスペースの大きさを示す値であり、機種毎のサイズ及び受注数量から算出される。また、積載期限日は、当該製品を積載すべき期限日を示す値であり、顧客の所在地及び納期から算出される。また、輸送経路は、顧客の所在地に最寄りの港湾を示す。また、計画済フラグは、当該製品を積載する船舶が割り当てられている場合にTrueを示し、割り当てられていない場合にFalseを示す。すなわち、受注情報入力部101によって入力されたとき、計画済フラグはFalseを示す。
【0026】
船舶情報入力部104は、積載地となる港湾に寄港する(到着する)船舶の情報の入力を受け付ける。
船舶情報記憶部105は、船舶情報入力部104が受け付けた船舶情報を記憶する。
船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を1つ選択する。
【0027】
図3は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報のフォーマットの例を示す図である。
図3に示すように、船舶情報には、船舶ID、寄港日、最大積載スペース、積載済スペース、輸送経路が含まれる。
ここで、船舶IDは、船舶に一意に割り当てられる値である。また、積載済スペースは、当該船舶に積載予定の製品の所要積載スペースの和を示す値である。また、本実施形態では、船舶の寄港日に荷揚げ・荷降ろしを行い、同日に当該船舶が出港する場合について説明する。したがって、船舶情報に含まれる寄港日は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日を示している。
【0028】
積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品の所要積載スペースと、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースとの比較に基づいて、製品と船舶との割当を行うか否かを決定する。また、積載割当部107は、製品と船舶との割当に基づいて積載計画を生成する。
生産計画生成部108は、積載割当部107が生成した積載計画に基づいて、製品の生産計画を生成する。
【0029】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、計画済フラグがFalseを示す受注情報を全て取得する(ステップS1)。次に、製品選択部103は、ステップS1で取得した受注情報の積載期限日のうち直近の日付のものを特定する(ステップS2)。次に、製品選択部103は、ステップS2で特定した日付を積載期限日とする受注情報を全て抽出する(ステップS3)。
【0030】
次に、船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報に、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在するか否かを判定する(ステップS4)。船舶選択部106が、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在しないと判定した場合(ステップS4:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS5)。
【0031】
他方、船舶選択部106は、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在すると判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS2で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報を全て抽出する。製品選択部103は、ステップS3で抽出した受注情報であって、計画済フラグがFalseを示す受注情報のうち、受注IDが最も小さいものを選択する(ステップS6)。つまり、ステップS6で製品選択部103は、積載計画がされておらず、かつ積載期限日が最も早い受注情報のうち、最も早く受注されたものを選択する。
また、船舶選択部106は、ステップS4で抽出した船舶情報のうち、寄港日が最も早いものを選択する(ステップS7)。
【0032】
次に、積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す輸送経路と、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す輸送経路とが一致するか否かを判定する(ステップS8)。積載割当部107は、双方の輸送経路が一致すると判定した場合(ステップS8:YES)、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースを算出する(ステップS9)。残り積載スペースは、船舶情報の最大積載スペースと積載済スペースとの差を算出することで得られる。次に、積載割当部107は、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースが、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品の所要積載スペース以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0033】
積載割当部107は、残り積載スペースが所要積載スペース以上であると判定した場合(ステップS10:YES)、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品を積載する船舶として、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶を割り当て、当該製品の積載計画を生成する(ステップS11)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、製品選択部103は、選択した受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、製品選択部103が選択した受注情報が示す所要積載スペースを加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0034】
次に、積載割当部107は、ステップS3で抽出した受注情報が示す全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS12)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS6に戻り、次の受注情報について割当処理を行う。
【0035】
なお、積載割当部107が、ステップS8において受注情報が示す輸送経路と船舶情報が示す輸送経路とが異なると判定した場合(ステップS8:NO)、またはステップS10において船舶の残り積載スペースが製品の所要積載スペース未満であると判定した場合(ステップS10:NO)、船舶選択部106は、ステップS4で抽出した船舶情報のうち、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶を示すものが存在するか否かを判定する(ステップS13)。船舶選択部106が、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在しないと判定した場合(ステップS13:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS5)。
【0036】
他方、船舶選択部106は、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在すると判定した場合(ステップS13:YES)、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶のうち、最も寄港日が早いものを選択し(ステップS14)、ステップS8に戻る。すなわち当該選択した船舶情報が示す船舶が、製品選択部103が選択している受注情報が示す製品の積載に適しているか否かの判定を行う。
【0037】
そして、ステップS12において、積載割当部107が全ての製品について積載する船舶を割り当てたと判定した場合(ステップS12:YES)、生産計画生成部108は、ステップS3で抽出した受注情報が示す各製品の生産計画を生成する(ステップS15)。具体的には、積載割当部107によって生成された積載計画が示す製品の積載日から、当該製品の工場から港湾まで当該製品を輸送するのに要する陸上輸送期間及び当該製品の生産に要する生産期間を減じた日付を、生産開始日とする。
【0038】
次に、具体的な例を挙げながら、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。ここでは、受注情報記憶部102が図5(A)に示す受注情報を記憶し、船舶情報記憶部105が図5(B)に示す船舶情報を記憶している場合における積載計画生成装置の動作について説明する。
【0039】
まず製品選択部103は、ステップS1の処理により、図5(C)に示すように、計画済フラグがFalseを示す受注情報を取得する。次に、製品選択部103は、ステップS2の処理により、直近の積載期限日が「9月30日」であることを特定する。そして、製品選択部103は、ステップS3の処理により、図5(D)に示すように、「9月30日」を積載期限日とする受注情報を抽出する。
他方、船舶選択部106は、ステップS4の処理により、図5(E)に示すように、寄港日が「9月30日」以前の日を示す船舶情報を抽出する。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
次に、製品選択部103は、ステップS6の処理により、図6(A)に示すステップS3で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ受注IDが最も小さい受注情報(図6(C))を選択する。次に、船舶選択部106は、図6(B)に示すステップS4で抽出した船舶情報から、寄港日が最も早い船舶情報(図6(D))を選択する。
【0041】
図6(C)に示す受注情報と図6(D)に示す船舶情報は、輸送経路が一致しないため、船舶選択部106は、ステップS14の処理により次の船舶情報(図6(E))を選択する。
図6(E)に示す船舶情報が示す船舶は、図6(C)に示す受注情報が示す製品を積載するに充分な残り積載スペースがないため、船舶選択部106は、ステップS14の処理により次の船舶情報(図6(F))を選択する。
ここで、図6(C)に示す受注情報と図6(F)に示す船舶情報は輸送経路が一致し、かつ当該船舶情報が示す船舶に残り積載スペースが十分にあるため、積載割当部107は、ステップS11の処理により図6(C)に示す受注情報と図6(F)に示す船舶情報との割当を行う。
【0042】
次に、製品選択部103は、図(G)に示すように受注情報の計画済フラグをTrueにする。また、船舶選択部106は、図(H)に示すように船舶情報の積載済スペースを更新する。以降、製品選択部103は全ての製品の割り当てが終わるまで、ステップS6以降の処理を繰り返し実行する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶に対して、所要積載スペースが当該船舶の残り積載スペース以下となるような製品を割り当てる。これにより積載計画生成装置は、船舶に対して積載スペース内に収まる製品を割り当てることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば生産計画生成部108は、製品と船舶との割り当てに基づいて、製品の生産計画を生成する。これにより、輸送時の効率を最適化するように製品の生産計画を立てることができる。
【0045】
《第2の実施形態》
図7は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による積載計画生成装置は、第1の実施形態による積載計画生成装置に加えて、スペース判定部109及び組み合わせ選択部110を更に備える。
【0046】
スペース判定部109は、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースが、受注情報記憶部102が記憶する受注情報が示す製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和以上であるか否かを判定する。
組み合わせ選択部110は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、積載期限日が同日の製品を示す2つの受注情報の全ての組み合わせを選択する。
【0047】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第1のフローチャートである。
まず、製品選択部103は、受注情報記憶部102が記憶する受注情報のうち、計画済フラグがFalseを示す受注情報を全て取得する(ステップS21)。次に、製品選択部103は、ステップS1で取得した受注情報の積載期限日のうち直近の日付のものを特定する(ステップS22)。次に、製品選択部103は、ステップS22で特定した日付を積載期限日とする受注情報を全て抽出する(ステップS23)。
【0048】
次に、船舶選択部106は、船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報に、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在するか否かを判定する(ステップS24)。船舶選択部106が、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在しないと判定した場合(ステップS24:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS25)。
【0049】
他方、船舶選択部106は、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報が存在すると判定した場合(ステップS24:YES)、ステップS22で特定した日付以前の日を寄港日とする船舶情報を全て抽出する。次に、船舶選択部106は、ステップS24で抽出した船舶情報のうち、寄港日が最も早いものを選択する(ステップS26)。
【0050】
次に、製品選択部103は、ステップS3で抽出した受注情報であって、計画済フラグがFalseを示す受注情報のうち、ステップS26で船舶選択部106が選択した船舶情報と輸送経路が一致するものを抽出する(ステップS27)。次に、船舶選択部106は、ステップS26で選択した船舶情報が示す船舶の残り積載スペースを算出する(ステップS28)。そして、積載割当部107は、算出した残り積載スペースが、製品選択部103が抽出した受注情報の所要積載スペースのうち最小のもの以上であるか否かを判定する(ステップS29)。
【0051】
積載割当部107は、残り積載スペースが、最小の所要積載スペース未満であると判定した場合(ステップS29:NO)、船舶選択部106が選択した船舶に積載できる製品が無いと判定する。そして、船舶選択部106は、ステップS24で抽出した船舶情報のうち、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶を示すものが存在するか否かを判定する(ステップS30)。船舶選択部106が、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在しないと判定した場合(ステップS30:NO)、積載計画生成装置はアラートを発し、計画済みの積載計画の見直しや、寄港日の変更など船舶情報の見直しを利用者に要求して、処理を終了する(ステップS25)。
【0052】
他方、船舶選択部106は、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶が存在すると判定した場合(ステップS30:YES)、現在選択している船舶情報が示す寄港日より後に寄港する船舶のうち、最も寄港日が早いものを選択し(ステップS31)、ステップS27に戻る。すなわち当該選択した船舶情報が示す船舶に対して製品を積載できるか否かの判定を行う。
【0053】
図9は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作を示す第2のフローチャートである。
他方、ステップS29において積載割当部107が、残り積載スペースが、最小の所要積載スペース以上であると判定した場合(ステップS29:YES)、スペース判定部109は、製品選択部103がステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報を選択する(ステップS32)。次に、スペース判定部109は、ステップS28で算出した残り積載スペースが、スペース判定部109が選択した2つの受注情報の所要積載スペースの和以下であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0054】
スペース判定部109が、残り積載スペースが所要積載スペースの和より大きいと判定した場合(ステップS33:NO)、製品選択部103は、ステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseであり、かつ受注IDが最も小さいものを選択する(ステップS34)。そして、積載割当部107は、製品選択部103が選択した受注情報が示す製品を積載する船舶として、船舶選択部106が選択した船舶情報が示す船舶を割り当て、当該製品の積載計画を生成する(ステップS35)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、製品選択部103は、選択した受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、製品選択部103が選択した受注情報が示す所要積載スペースを加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0055】
次に、積載割当部107は、ステップS27で抽出した受注情報が示す全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS36)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS36:NO)、ステップS32に戻り、次の受注情報について割当処理を行う。
【0056】
また、ステップS33において、スペース判定部109が、残り積載スペースが所要積載スペースの和より小さいと判定した場合(ステップS33:YES)、組み合わせ選択部110は、ステップS27で抽出した受注情報のうち、計画済フラグがFalseである受注情報2つの全ての組み合わせを選択する(ステップS37)。そして、積載割当部107は、組み合わせ選択部110が選択した組み合わせのうち、所要積載スペースの和と船舶選択部106が選択する船舶情報が示す船舶の残り積載スペースとの差が最も小さくなる組み合わせを、船舶に割り当てる(ステップS38)。このとき、製品選択部103及び船舶選択部106は、それぞれ受注情報記憶部102が記憶する受注情報及び船舶情報記憶部105が記憶する船舶情報を更新する。具体的には、組み合わせ選択部110は、船舶の割り当てがなされた2つの受注情報の計画済フラグをTrueにして受注情報記憶部102に記録する。また、船舶選択部106は、選択した船舶情報の積載済みスペースに、組み合わせ選択部110が選択した受注情報が示す所要積載スペースの和を加算して船舶情報記憶部105に記録する。
【0057】
そして積載割当部107は、ステップS36で輸送経路が同じ製品を全て船舶に割り当てた場合(ステップS36:YES)、またはステップS38の処理を終えた場合、ステップS23で製品選択部103が抽出した全ての製品について積載する船舶を割り当てたか否かを判定する(ステップS39)。積載割当部107が、船舶の割当がされていない製品が存在すると判定した場合(ステップS39:NO)、ステップS30に戻り、次の船舶に対する割当処理を行う。
【0058】
そして、ステップS39において、積載割当部107が全ての製品について積載する船舶を割り当てたと判定した場合(ステップS39:YES)、生産計画生成部108は、ステップS23で抽出した受注情報が示す各製品の生産計画を生成する(ステップS40)。具体的には、積載割当部107によって生成された積載計画が示す製品の積載日から、当該製品の工場から港湾まで当該製品を輸送するのに要する陸上輸送期間及び当該製品の生産に要する生産期間を減じた日付を、生産開始日とする。
【0059】
次に、具体的な例を挙げながら、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第1の図である。ここでは、受注情報記憶部102が図10(A)に示す受注情報を記憶し、船舶情報記憶部105が図10(B)に示す船舶情報を記憶している場合における積載計画生成装置の動作について説明する。
【0060】
まず製品選択部103は、ステップS21の処理により、図10(C)に示すように、計画済フラグがFalseを示す受注情報を取得する。次に、製品選択部103は、ステップS22の処理により、直近の積載期限日が「9月30日」であることを特定する。そして、製品選択部103は、ステップS23の処理により、図10(D)に示すように、「9月30日」を積載期限日とする受注情報を抽出する。
他方、船舶選択部106は、ステップS24の処理により、図10(E)に示すように、寄港日が「9月30日」以前の日を示す船舶情報を抽出する。
【0061】
次に、船舶選択部106は、ステップS26の処理により、図10(F)に示すように、図10(E)に示す船舶情報の中から寄港日が最も早いものを選択する。そして、製品選択部103は、図10(G)に示すように、図10(D)に示す受注情報の中から、図10(E)に示す船舶情報と同じ「US」を輸送経路とするものを抽出する。
【0062】
図11は、本発明の第2の実施形態による積載計画生成装置の動作の具体例を示す第2の図である。
次に、スペース判定部109は、ステップS32の処理により、図11(A)に示すステップS23で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報(図11(C))を選択する。このとき、所要積載スペースの和は、残り積載スペース未満であるため、製品選択部103は、ステップS23で抽出した船舶情報から、受注IDが最も小さいもの(図11(D))を選択する。そして、積載割当部107は、図11(D)に示す受注情報と図11(B)に示す船舶情報との割当を行う。当該割り当てにより、図11(E)に示すように、船舶情報の積載済スペースが更新される。
【0063】
次に、スペース判定部109は、ステップS32の処理により、ステップS23で抽出した受注情報から、計画済フラグがFalseであり、かつ所要積載スペースが最も大きい2つの受注情報(図11(F))を選択する。このとき、所要積載スペースの和は、残り積載スペース以上であるため、組み合わせ選択部110は、ステップS23で抽出した受注情報の全ての組み合わせ(図11(G))を選択する。そして、積載割当部107は、組み合わせ選択部110が選択した組み合わせのうち、所要積載スペースの和と残り積載スペースとの差が最小になる組み合わせ(図11(H))と図11(E)に示す船舶情報との割当を行う。
以降、製品選択部103は全ての製品の割り当てが終わるまで、次の船舶に対する割当処理を繰り返し実行する。
【0064】
このように、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶の残り積載スペースが、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きい場合に、受注IDが最も小さい製品、すなわち受注日が最も古い製品を船舶に割り当てる。また、本実施形態によれば、積載割当部107は、船舶の残り積載スペースが、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和以下である場合に、製品の組み合わせのうち、所要積載スペースの和と残り積載スペースとの差が最小となる組み合わせを船舶に割り当てる。これにより、残り積載スペースが最小となるように他の製品を積載することができ、かつ製品を受注日順に船舶に積載することができる。
【0065】
ここで、ステップS33において、船舶の残り積載スペースと、最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和とを比較する理由について説明する。
ステップS33において、船舶の残り積載スペースと最大の所要積載スペースとを比較した場合、残り積載スペースと最大の所要積載スペースとが一致する場合には、所要積載スペースが最大の製品を積載することができる。しかし、残り積載スペースが最大の所要積載スペースより小さい場合、当該所要積載スペースが最大の製品を積載することができなくなってしまう。また、2つの組合せを考えた場合、所要積載スペースが最大の製品と他の製品との組合せが、全て積載できなくなってしまうという問題がある。他方、ステップS33の条件にすることで、このような問題を回避することができる。
また、2つの製品の組合せの最大値でも積載スペースに余剰が発生する場合で、ステップS37の処理を実行すると、2つの製品の組合せで所要積載スペースの和が最大となるものを選択したとしても、積載可能なスペースが残ってしまう可能性がある。そこで、ステップS33の条件にすることで、2つの組み合わせの何れかにおいて船舶の残り積載スペースが最小となるため、当該船舶に対して製品を適切に積載することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、組み合わせ選択部110が2つの製品の組み合わせを選択する場合について説明したが、これに限られない。例えば、本実施形態と比較して計算量が増大するが、組み合わせ選択部110は、3つ以上の製品の組み合わせを選択するようにしても良い。
【0067】
《第3の実施形態》
図12は、本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による積載計画生成装置は、第2の実施形態による積載計画生成装置に加えて、進捗状況検討部111(積載予定日取得部)及び割当取り消し部112を更に備える。
【0068】
進捗状況検討部111は、各製品の生産進捗状況と生産計画生成部108が生成した生産計画とに基づいて、当該製品の進捗状況が適切であるか否かを検討する。
割当取り消し部112は、進捗状況検討部111による検討の結果、製品の積載予定日が当該製品を積載する予定の船舶の寄港日より後になると判定された場合に、当該船舶に対する製品の割当を取り消す。
つまり、本実施形態によれば、製品の生産進捗状況に遅れが発生し、製品の完成が船舶の寄港日より後になる場合に、積載計画の見直しを行うことができる。
【0069】
次に、本実施形態による積載計画生成装置の動作について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態による積載計画生成装置による積載計画の見直し動作を示すフローチャートである。
第1の実施形態や第2の実施形態と同様の方法によって生産計画が生成され、製品の生産が開始されると、積載計画生成装置は、以下に示す処理を定期的に実行する。
【0070】
まず、進捗状況検討部111は、生産計画生成部108が生成した生産計画情報を取得する(ステップS51)。なお、生産計画情報には、工程毎の着手予定日と工程毎の完了予定日とが含まれる。次に、進捗状況検討部111は、製品の生産進捗情報を取得する(ステップS52)。なお、生産進捗状況は、製品の生産工程の実施毎に生産者が記録する情報であり、工程毎の着手実績日と工程毎の完了実績日とを含む。
【0071】
次に、進捗状況検討部111は、注文毎の遅れ日数及び積載予定日の計算を行う(ステップS53)。なお、遅れ日数は、最後に着手実績または完了実績が入力された工程での予定日と着手日との差によって算出される。また、積載予定日は、前回積載予定日に遅れ日数を加算することによって算出される。
【0072】
次に、進捗状況検討部111は、生産計画に対して生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在するか否かを判定する(ステップS54)。すなわち、進捗状況検討部111は、ステップS52で算出した遅れ日数が正の数となっている製品が存在するか否かを判定する。進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在しないと判定された場合(ステップS54:NO)、全ての製品の進捗状況が適切であると判断し、処理を終了する。
【0073】
他方、進捗状況検討部111は、生産進捗状況に遅れが発生している製品が存在すると判定した場合(ステップS54:YES)、遅れが発生している製品を積載する船舶の寄港日を船舶情報記憶部105から読み出す(ステップS55)。次に、進捗状況検討部111は、遅れが発生している各製品の積載予定日が当該製品を積載する船舶の寄港日より後であるか否かを判定する(ステップS56)。進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している全ての製品の積載予定日が、船舶の寄港日以前であると判定された場合(ステップS56:NO)、全ての製品の進捗状況が適切であると判断し、処理を終了する。
【0074】
他方、進捗状況検討部111によって、生産進捗状況に遅れが発生している製品の中に、積載予定日が船舶の寄港日より後のものが存在すると判定された場合(ステップS56:YES)、生産計画生成部108は、生産遅れを挽回する生産計画を立案し、挽回可能な積載予定日を算出する(ステップS57)。次に、進捗状況検討部111は、ステップS57で立案した生産計画が示す積載予定日が当該製品を積載する船舶の寄港日より後であるか否かを判定する(ステップS58)。進捗状況検討部111によって、遅れが発生している全ての製品における新たな生産計画が示す積載予定日が、船舶の寄港日以前であると判定された場合(ステップS58:NO)、全ての製品の進捗状況が適切になったと判断し、処理を終了する。
【0075】
他方、進捗状況検討部111によって、遅れが発生している製品の中に、新たな生産計画が示す積載予定日も船舶の寄港日より後になるものが存在すると判定された場合(ステップS58:YES)、割当取り消し部112は、当該製品と船舶との割当を取り消す(ステップS59)。具体的には、割当取り消し部112は、受注情報記憶部102が記憶する当該製品を示す受注情報の計画済フラグをFalseに書き換える。また、割当取り消し部112は、船舶情報記憶部105が記憶する当該製品を積載する船舶の船舶情報の積載済みスペースから、当該製品の所要積載スペースを減算する。
そして、積載計画生成装置は、第1の実施形態または第2の実施形態に示す方法により、割当取り消し部112によって割り当てが取り消された製品及び船舶に対する積載計画の生成を行う(ステップS60)。
【0076】
このように、生産状況を監視することで、問題点を早期発見することができ、生産納期の遅延を防止することができる。これにより、当初の生産計画通りに製品を製造し、船舶への積載を実施することができ、積載率の低減を回避することができる。
また、生産納期の遅延を回避できない場合にも、船舶の空きスペースに対して新たに積載計画を立てることで、積載率の低減を回避することができる。
【0077】
以上、図面を参照してこの発明のいくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、製品を船舶に積載する例を用いて説明したが、これに限られず、トラックや飛行機などの他の運搬手段に対する積載計画の生成に、本発明による積載計画生成装置を適用しても良い。
【0078】
また、上述した実施形態では、受注情報及び船舶情報として図2及び図3に示すフォーマットの情報を用いる場合を説明したが、これに限られない。例えば、上述した実施形態では、予め積載期限日が受注情報のフォーマットに組み込まれる場合を説明したが、これに限られず、受注情報のフォーマットとして顧客の所在地及び納期を組み込んでおき、積載期限日はこれらの情報から別途算出するようにしても良い。
【0079】
また、上述した実施形態では、船舶情報に寄港日を含み、当該寄港日を積載期限日として必要な船舶情報の抽出、選択等を行う場合を説明したが、これに限られない。例えば、船舶情報に出港日が含まれている場合、当該出港日を積載期限日として抽出等を行っても良い。この場合、寄港日と出港日とが異なる日である場合にも、適切に抽出等を行うことができる。また例えば、船舶情報に、出港前の諸手続きを考慮して決定される製品の積載期限日が含まれている場合、当該積載期限日を基に抽出等を行っても良い。ここで出港前の諸手続きの例としては税関検査などが挙げられる。
【0080】
また、上述した実施形態では、積載スペースに基づいて船舶に積載する製品を選択する場合について説明したが、これに限られず、積載スペースに加えて積載重量を加味して製品を選択しても良い。例えば、積載スペースを最大化する製品の組み合わせが複数ある場合に、当該組み合わせのうち積載重量を許容積載重量以内で最大化できるような組み合わせを選択するようにすることができる。
【0081】
なお、上述の積載計画生成装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0082】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
101…受注情報入力部 102…受注情報記憶部 103…製品選択部 104…船舶情報入力部 105…船舶情報記憶部 106…船舶選択部 107…積載割当部 108…生産計画生成部 109…スペース判定部 110…組み合わせ選択部 111…進捗状況検討部 112…割当取り消し部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置であって、
積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部と、
前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部と
を備えることを特徴とする積載計画生成装置。
【請求項2】
前記運搬手段選択部は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日が早い順に前記運搬手段を選択することを特徴とする請求項1に記載の積載計画生成装置。
【請求項3】
前記積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき積載日が早い順に前記製品の割り当てを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積載計画生成装置。
【請求項4】
前記製品のうち、前記運搬手段に積載すべき積載日が同日の製品が複数存在する場合に、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、前記積載日が同日の製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きいか否かを判定するスペース判定部を備え、
前記積載割当部は、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和より大きいと判定した場合に、前記積載日が同日の製品の何れか1つを選択し、当該選択した製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする請求項3に記載の積載計画生成装置。
【請求項5】
前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和以下であると判定した場合に、前記積載日が同日の製品の組み合わせを複数選択する組み合わせ選択部を備え、
前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせの中から、当該組み合わせを構成する製品の所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下である組み合わせを1つ選択し、当該組み合わせを構成する製品を積載する運搬手段として、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする請求項4に記載の積載計画生成装置。
【請求項6】
前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせのうち、前記所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下であり、かつ前記所要積載スペースの和が最大のものを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の積載計画生成装置。
【請求項7】
前記組み合わせ選択部は、2つの製品の組み合わせを選択することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の積載計画生成装置。
【請求項8】
前記製品と前記運搬手段との割り当てに基づいて、前記製品の生産計画を生成する生産計画生成部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の積載計画生成装置。
【請求項9】
前記製品の積載予定日を取得する積載予定日取得部と、
前記積載予定日取得部が取得した積載予定日が、当該製品を積載する予定の運搬手段の積載期限日より後である場合、前記運搬手段に対する当該製品の割当を取り消す割当取り消し部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の積載計画生成装置。
【請求項10】
前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該製品の割当を取り消された運搬手段に積載する製品の割り当てを行うことを特徴とする請求項9に記載の積載計画生成装置。
【請求項11】
前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該割当を取り消された製品を積載する運搬手段の割当を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の積載計画生成装置。
【請求項12】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を用いた積載計画生成方法であって、
運搬手段選択部は、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択し、
積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする積載計画生成方法。
【請求項13】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を、
積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部、
前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置であって、
積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部と、
前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部と
を備えることを特徴とする積載計画生成装置。
【請求項2】
前記運搬手段選択部は、運搬する製品の積載を完了すべき積載期限日が早い順に前記運搬手段を選択することを特徴とする請求項1に記載の積載計画生成装置。
【請求項3】
前記積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき積載日が早い順に前記製品の割り当てを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積載計画生成装置。
【請求項4】
前記製品のうち、前記運搬手段に積載すべき積載日が同日の製品が複数存在する場合に、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、前記積載日が同日の製品のうち所要積載スペースが最も大きい2つの製品の所要積載スペースの和より大きいか否かを判定するスペース判定部を備え、
前記積載割当部は、前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和より大きいと判定した場合に、前記積載日が同日の製品の何れか1つを選択し、当該選択した製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする請求項3に記載の積載計画生成装置。
【請求項5】
前記スペース判定部が、前記残り積載スペースが前記2つの製品の所要積載スペースの和以下であると判定した場合に、前記積載日が同日の製品の組み合わせを複数選択する組み合わせ選択部を備え、
前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせの中から、当該組み合わせを構成する製品の所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下である組み合わせを1つ選択し、当該組み合わせを構成する製品を積載する運搬手段として、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする請求項4に記載の積載計画生成装置。
【請求項6】
前記積載割当部は、前記組み合わせ選択部が選択した組み合わせのうち、前記所要積載スペースの和が前記残り積載スペース以下であり、かつ前記所要積載スペースの和が最大のものを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の積載計画生成装置。
【請求項7】
前記組み合わせ選択部は、2つの製品の組み合わせを選択することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の積載計画生成装置。
【請求項8】
前記製品と前記運搬手段との割り当てに基づいて、前記製品の生産計画を生成する生産計画生成部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の積載計画生成装置。
【請求項9】
前記製品の積載予定日を取得する積載予定日取得部と、
前記積載予定日取得部が取得した積載予定日が、当該製品を積載する予定の運搬手段の積載期限日より後である場合、前記運搬手段に対する当該製品の割当を取り消す割当取り消し部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の積載計画生成装置。
【請求項10】
前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該製品の割当を取り消された運搬手段に積載する製品の割り当てを行うことを特徴とする請求項9に記載の積載計画生成装置。
【請求項11】
前記積載割当部は、前記割当取り消し部が前記製品の割当を取り消した場合、当該割当を取り消された製品を積載する運搬手段の割当を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の積載計画生成装置。
【請求項12】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を用いた積載計画生成方法であって、
運搬手段選択部は、積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択し、
積載割当部は、前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる
ことを特徴とする積載計画生成方法。
【請求項13】
運搬対象となる製品に当該製品を積載する運搬手段を割り当てる積載計画生成装置を、
積載地に立ち寄る複数の運搬手段の中から運搬手段を1つ選択する運搬手段選択部、
前記運搬手段に積載すべき製品のうち、前記運搬手段選択部が選択した運搬手段の最大積載スペースから当該運搬手段に積載予定の他の製品の所要積載スペースを減じた残り積載スペースが、当該製品の所要積載スペース以上となる製品に対して、当該製品を積載する運搬手段として前記運搬手段選択部が選択した運搬手段を割り当てる積載割当部
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−103788(P2013−103788A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247686(P2011−247686)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
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