説明

穴位置測定装置

【課題】簡単かつ小型の装置で、鉛直上下方向に配置された上穴と下穴の水平方向の相対位置を正確に測定可能な穴位置測定装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、穴位置測定装置は、下げ振りと、下げ振りに下端が固定される下げ振り糸12と、下げ振り糸12の上端が固定され、上穴1の開口縁に支持される糸固定部材11と、を備え、糸固定部材11における上穴1の開口縁に支持される部分が一つの球面上に位置し、この球面の中心位置に下げ振り糸12の上端が固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、鉛直方向に対して上下に配置された機器や装置などの構造物に形成された上穴と下穴の水平方向の相対位置を測定する穴位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、台座に機器を据え付ける場合は、台座の穴と装置の穴との水平方向の相対位置を互いに調整して位置合わせすることがある。しかしながら、穴の中心には、基準となる参照点が存在しないため、台座の穴と機器の穴にそれぞれ位置測定装置を設置して各穴の中心位置を測定している。
【0003】
この場合に適用する穴位置測定装置としては、例えば特許文献1に記載された芯出し装置がある。この芯出し装置は、下げ振りである中心表示具の下ろす位置を穴の中心とするため、中心表示具を下ろす操作部から測定対象穴の周囲部に向って角度変更可能な3本のアームを掛止させ、中心表示具を下ろす部分の位置決めを行っている。
【0004】
また、特許文献2に記載された据付け芯位置測定装置では、上下の穴の芯位置を測定するため、上の穴の位置から吊り下げられる下げ振りと、下の穴の位置に設置したターゲットを1つの装置として構成している。この装置は、上記下げ振り及び上記ターゲットを収納した筒体を上下の穴に嵌め込む構造としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−196387号公報
【特許文献2】特開2006−194750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1の装置は、アームを開閉するリンク機構を有するため、装置が複雑化する問題がある。また、特許文献1の装置は、リンク機構が設けられているため、可動部を有する。この可動部には、遊びが設けられていることから、小径の穴に対する位置決め精度が低下する。その結果、特許文献1の装置は、測定精度が低いという問題がある。
【0007】
また、特許文献2の装置は、下げ振り及び上記ターゲットを収納した筒体を上下の穴に嵌め込む構造であることから、装置が長尺化するとともに、大型化するという問題もある。
【0008】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、簡単かつ小型の装置で、鉛直上下方向に配置された上穴と下穴の水平方向の相対位置を正確に測定可能な穴位置測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る穴位置測定装置は、上部構造物に形成された上穴と下部構造物に形成された下穴とが鉛直上下方向に配置され、前記上穴と前記下穴との水平方向の相対位置を測定する穴位置測定装置であって、下げ振りと、前記下げ振りに下端が固定される下げ振り糸と、前記下げ振り糸の上端が固定され、前記上穴の開口縁に支持される糸固定部材と、を備え、前記糸固定部材における前記上穴の開口縁に支持される部分が一つの球面上に位置し、この球面の中心位置に前記下げ振り糸の上端が固定されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の実施形態に係る穴位置測定装置は、上部構造物に形成された上穴と下部構造物に形成された下穴とが鉛直上下方向に配置され、前記上穴と前記下穴との水平方向の相対位置を測定する穴位置測定装置であって、レーザ発振器と、前記レーザ発振器に下端が固定されて前記レーザ発振器から照射されるレーザ光が下向きになるように前記レーザ発振器を吊り下げる吊り下げ糸と、前記吊り下げ糸の上端が固定され、前記上穴の開口縁に支持される糸固定部材と、を備え、前記糸固定部材における前記上穴に支持される部分が一つの球面上に位置し、この球面の中心位置に前記吊り下げ糸の上端が固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、簡単かつ小型の装置で、鉛直上下方向に配置された上穴と下穴の水平方向の相対位置を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る穴位置測定装置の第1実施形態を設置した原子炉内構造物を示す立断面図である。
【図2】図1の糸固定具を示す立面図である。
【図3】図1の穴位置測定装置における位置確認具を示す立面図である。
【図4】図3の位置確認具を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る穴位置測定装置の第2実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る穴位置測定装置の第3実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図7】第3実施形態の制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る穴位置測定装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る穴位置測定装置の第1実施形態を設置した原子炉内構造物を示す立断面図である。図2は図1の糸固定具を示す立面図である。図3は図1の穴位置測定装置における位置確認具を示す立面図である。図4は図3の位置確認具を示す斜視図である。
【0015】
なお、本実施形態は、沸騰水型原子炉の炉心シュラウドの交換時に制御棒駆動機構ハウジング(以下、CRDハウジングという。)の穴と炉心支持板の穴との位置合せをするために穴の水平方向の相対位置を測定する例である。
【0016】
図1に示すように、原子炉圧力容器5内には、上部格子板6が炉心シュラウド4に取り付けられている。上部格子板6と炉心支持板3との間には、図示しない燃料集合体が設置されている。この燃料集合体の核反応は、制御棒を燃料間に挿入することにより制御される。この制御棒の挿入を円滑に行うためには、制御棒駆動機構(CRD)を収納するCRDハウジング2を炉心支持板3に対して高い芯位置精度で据え付ける必要がある。
【0017】
そのため、本実施形態は、上部構造物である炉心支持板3の穴1と下部構造物であるCRDハウジング2の穴2aとの水平方向の相対位置を測定するようにしている。本実施形態では、炉心支持板3の穴1が上穴に相当し、CRDハウジング2の穴2aが下穴に相当する。穴1及び穴2aは、鉛直上下方向に配置されている。穴1及び穴2aは、横断面円形に形成されている。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の穴位置測定装置は、糸固定部材としての糸固定具11と、下げ振り糸12と、下げ振り31と、下げ振り位置確認部材としての位置確認具21とを備える。
【0019】
糸固定具11は、炉心支持板3の穴1の開口縁に支持される。この糸固定具11には、下げ振り31が下げ振り糸12を介して吊り下げられる。すなわち、下げ振り糸12の上端は、糸固定具11に固定される。下げ振り31は、下げ振り糸12の下端に固定される。
【0020】
糸固定具11は、図2に示すように例えばステンレス鋼から一体に成形されている。糸固定具11は、円形の厚板に形成された胴部15と、胴部15の下方で下向きに凸の球面状に形成された球面座16とを備える。糸固定具11は、胴部15及び球面座16に下げ振り糸12が挿通する段付開口部17が形成されている。この段付開口部17は、下側中央に開口し、胴部15の穴径より球面座16の穴径を大きくしてある。段付開口部17には、糸固定具11の上面に開口する糸挿通孔18が連通している。この糸挿通孔18は、下げ振り糸12が挿通可能な径に設定され、その下端を球面座16の球面中心Oとしている。
【0021】
糸固定具11は、炉心支持板3の穴1の開口縁に球面座16で支持されている。すなわち、糸固定具11は、穴1の開口縁に支持される部分が一つの球面上に位置している。この球面座16の球面中心Oは、糸挿通孔18の下端に位置していることから、下げ振り糸12の上端は、糸挿通孔18の下端、すなわち球面座16の球面中心Oに固定されている。下げ振り糸12は、例えば合成樹脂製の釣り糸や金属線が用いられる。
【0022】
位置確認具21は、図3に示すように上面が下げ振り31と対向する方向になるようにCRDハウジング2の穴2aの開口縁に支持される。位置確認具21は、糸固定具11と同様に、例えばステンレス鋼により一体に成形される。位置確認具21は、下げ振り31の先端の位置を目視により確認するものである。
【0023】
具体的には、位置確認具21は、図4に示すように穴2aの中心に対する下げ振り31の位置を確認するために基準点25が設けられている。位置確認具21は、穴2aに支持される穴取り合い部22が球面状に形成されている。基準点25は、この球面の中心を通り上向きでほぼ水平な平面24に設けられている。すなわち、基準点25は、位置確認具21の上面に設けられている。
【0024】
基準点25は、例えば1mmピッチで、X方向及びY方向に示された座標軸の原点とすることができる。したがって、本実施形態は、基準点25に対する下げ振り31の先端位置をX方向及びY方向から目視により確認することで、炉心支持板3の穴1とCRDハウジング2の穴2aとの水平方向の相対的な位置ずれを測定することができる。
【0025】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0026】
このように構成される糸固定具11では、図2〜図4に示すように下げ振り糸12が球面座16の球面中心Oから吊り下げられているため、炉心支持板3の穴1に対して糸固定具11の設置角度が傾斜したとしても、吊り下げられた下げ振り31の位置は、常に穴1の中心軸からずれることはなく、糸固定具11を容易に設置することが可能となる。その結果、下げ振り31は、穴1の中心軸から常に正確に吊り下げられる。
【0027】
また、位置確認具21は、穴2aに支持される穴取り合い部22が球面状に形成されている。この球面の中心を通る平面24に基準点25が設けられている。そのため、穴取り合い部22の球面中心は、基準点25と一致している。したがって、位置確認具21の穴2aへの設置に際して、位置確認具21が傾斜して設置されたとしても、基準点25が穴2aの中心軸位置からずれることがなくなる。その結果、下げ振り31による位置確認が正確かつ容易になる。
【0028】
このように本実施形態によれば、下げ振り糸12が球面座16の球面中心Oから吊り下げられているため、下げ振り31は、炉心支持板3の穴1の中心軸から常に正確に吊り下げられる。したがって、本実施形態によれば、簡単かつ小型の装置で、鉛直上下方向に配置された炉心支持板3の穴1とCRDハウジング2の穴2aとの水平方向の相対位置を正確に測定することができる。
【0029】
なお、本実施形態では、上穴が炉心支持板3の穴1であり、その穴1の横断面を円形に形成した場合について説明したが、これに限らず例えば上穴が横断面正方形に形成した場合についても適用可能である。
【0030】
(第2実施形態)
図5は本発明に係る穴位置測定装置の第2実施形態の全体構成を示す斜視図である。なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。その他の実施形態も同様とする。
【0031】
図5に示すように、上部構造物53には上穴51が形成されている。また、下部構造物54には、下穴52が形成されている。上穴51及び下穴52は、鉛直上下方向に配置されている。上穴51及び下穴52は、横断面円形に形成されている。
【0032】
図5に示すように、本実施形態の穴位置測定装置は、糸固定部材としての3本の糸固定アーム41,42,43と、下げ振り糸12と、下げ振り31と、下げ振り位置確認部材としての位置確認具21とを備える。
【0033】
3本の糸固定アーム41,42,43は、板状に形成され、それぞれ周方向に間隔をおいて配置されている。3本の糸固定アーム41,42,43は、それぞれ上穴51の開口縁に支持される曲線アーム41a,42a,43aが形成されている。3本の糸固定アーム41,42,43の接合部44には、下げ振り31が下げ振り糸12を介して吊り下げられる。すなわち、下げ振り糸12の上端は、接合部44に固定される。下げ振り31は、下げ振り糸12の下端に固定される。
【0034】
3本の糸固定アーム41,42,43は、それぞれ上穴51の開口縁に支持される曲線アーム41a,42a,43a部分が一つの球面上に位置している。この球面の中心位置は、下げ振り糸12の上端が固定される接合部44である。
【0035】
なお、下部構造物54の下穴52の開口縁に支持される位置確認具21は、図3及び図4と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0036】
このように構成される3本の糸固定アーム41,42,43は、下げ振り糸12が曲線アーム41a,42a,43aが形成する球面の中心、つまり接合部44から吊り下げられている。そのため、上穴51に対して3本の曲線アーム41a,42a,43aの設置角度が傾斜したとしても、吊り下げられた下げ振り31の位置は、常に上穴51の中心からずれることはなくなる。したがって、3本の糸固定アーム41,42,43を容易に設置することが可能となるとともに、下げ振り31を上穴51の中心から常に正確に吊り下げることができる。
【0037】
このように本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、糸固定部材として3本の糸固定アーム41,42,43を用いたことにより、測定対象の穴が大きくなった場合においても、穴位置測定装置の物量を少なくすることができる。そのため、装置の軽量化が図れるとともに、装置の取扱い及び設置作業が容易になる。
【0038】
なお、本実施形態は、糸固定部材を3本の糸固定アーム41,42,43により構成したが、3本に限らず4本以上の糸固定アームで構成してもよい。
【0039】
(第3実施形態)
図6は本発明に係る穴位置測定装置の第3実施形態の全体構成を示す斜視図である。図7は第3実施形態の制御系を示すブロック図である。
【0040】
前記第1、第2実施形態では、上穴と下穴との水平方向の相対的な位置ずれを測定するために下げ振り及び基準点などを用いたが、本実施形態では、レーザ発振器及びレーザ検出器を用いている。
【0041】
図6に示すように、本実施形態も前記第2実施形態と同様に、上部構造物53に上穴51が形成され、下部構造物54に下穴52が形成されている。
【0042】
3本の糸固定アーム41,42,43は、前記第2実施形態と同様に、上穴51の開口縁に支持される曲線アーム41a,42a,43a部分が一つの球面上に位置している。この球面の中心位置は、下げ振り糸12の上端が固定される接合部44である。
【0043】
下げ振り糸12の下端には、レーザ発振器45が固定されている。具体的には、下げ振り糸12は、レーザ発振器45から照射されるレーザ光が下向きになるようにレーザ発振器45を吊り下げる。このレーザ発振器45には、例えば炭酸ガスレーザが使用される。
【0044】
位置確認部材としての位置確認具21Aは、上面がレーザ発振器45と対向する方向になるように下穴52の開口縁に支持される。位置確認具21Aは、前記第1実施形態の位置確認具21と同様に、例えばステンレス鋼により一体に成形される。
【0045】
位置確認具21Aには、図6に示すように下穴52の中心に対するレーザ発振器45のレーザ光の位置を確認するためにレーザ検出器46が設けられている。位置確認具21Aは、下穴52に支持される穴取り合い部22が球面状に形成されている。レーザ検出器46は、この球面の中心を通る平面24に設けられている。すなわち、レーザ検出器46は、位置確認具21Aの上面に設けられている。
【0046】
本実施形態の制御系は、図7に示すように上記レーザ検出器46の他、検出信号処理部47と、出力部48とを備える。
【0047】
レーザ検出器46は、例えばCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサを備えたカメラが適用される。
【0048】
検出信号処理部47は、レーザ検出器46で検出した上穴51の中心位置を示す検出信号を処理する。具体的には、検出信号処理部47は、カメラコントロールユニットが用いられ、X方向及びY方向の座標軸を示す信号におけるレーザ光の位置を示す信号に処理される。
【0049】
出力部48は、X方向及びY方向を示す座標軸を示す信号におけるレーザ光の位置を示す信号を入力し、表示部に座標軸に対するレーザ光の位置を例えば液晶表示装置などの表示部に画像表示する。これにより、下穴52の中心位置に対する上穴51の中心位置のずれを測定することができる。
【0050】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0051】
このように構成される3本の糸固定アーム41,42,43は、下げ振り糸12が曲線アーム41a,42a,43aが形成する球面の中心、つまり接合部44から吊り下げられている。そのため、上穴51に対して3本の曲線アーム41a,42a,43aの設置角度が傾斜したとしても、吊り下げられたレーザ発振器45の位置は、常に上穴51の中心からずれることはなくなる。したがって、3本の糸固定アーム41,42,43を容易に設置することが可能となるとともに、レーザ発振器45を上穴51の中心から常に正確に吊り下ろすことができる。
【0052】
また、位置確認具21Aは、下穴52に支持される穴取り合い部22が球面状に形成されている。この球面の中心を通る平面24にレーザ検出器46が設けられている。そのため、穴取り合い部22の中心は、レーザ検出器46の検出領域内にある。したがって、位置確認具21Aの下穴52への設置に際して、位置確認具21Aが傾斜して設置されたとしても、レーザ検出器46が下穴52の中心位置からずれることがなくなる。その結果、レーザ検出器46によるレーザ光の検出が正確かつ容易になる。
【0053】
さらに、レーザ検出器46によって検出されたレーザ光は、検出信号処理部47によりX方向及びY方向の座標軸を示す信号におけるレーザ光の位置を示す信号に処理される。出力部48は、この信号を表示部に画像表示する。
【0054】
このように本実施形態によれば、上穴51の位置の検出するためにレーザ発振器45及びレーザ検出器46を用いている。そのため、レーザ検出器45からの検出信号を出力することで、遠隔で監視することが可能となる。したがって、本実施形態によれば、鉛直上下方向に配置された上穴51と下穴52の水平方向の相対位置を測定するために、位置確認具21Aの近傍に作業員が近づかなくても、位置測定が可能となる。
【0055】
なお、本実施形態は、レーザ検出器45にCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサを備えたカメラを用いた例について説明したが、これに限らずレーザ検出器45にポジションセンシングデバイス(PSD)を用い、検出信号処理部47ではX方向及びY方向の座標軸の中心からの偏差に応じた電圧を出力するようにしてもよい。
【0056】
以上のように本発明の各実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0057】
例えば、上記各実施形態では、上穴の開口縁に支持される糸固定部材として球面座16が形成された糸固定具11と、曲線アーム41a,42a,43aが形成された3本の糸固定アーム41,42,43を用いた例について説明したが、これらの形状に限らず、上穴の開口縁に支持される部分が一つの球面上に少なくとも3つ位置するものであれば、他の形状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…穴、2…CRDハウジング、2a…穴、3…炉心支持板、4…炉心シュラウド、5…原子炉圧力容器、6…上部格子板、11…糸固定具(糸固定部材)、12…下げ振り糸、15…胴部、16…球面座、17…段付開口部、18…糸挿通孔、21…位置確認具(下げ振り位置確認部材)、21A…位置確認具(下げ振り位置確認部材)、22…穴取り合い部、24…平面、25…基準点、31…下げ振り、41…糸固定アーム(糸固定部材)、41a…曲線アーム、42…糸固定アーム(糸固定部材)、42a…曲線アーム、43…糸固定アーム(糸固定部材)、43a…曲線アーム、44…接合部、45…レーザ発振器、46…レーザ検出器、47…検出信号処理部、48…出力部、51…上穴、52…下穴、53…上部構造物、54…下部構造物、O…球面中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造物に形成された上穴と下部構造物に形成された下穴とが鉛直上下方向に配置され、前記上穴と前記下穴との水平方向の相対位置を測定する穴位置測定装置であって、
下げ振りと、
前記下げ振りに下端が固定される下げ振り糸と、
前記下げ振り糸の上端が固定され、前記上穴の開口縁に支持される糸固定部材と、を備え、
前記糸固定部材における前記上穴の開口縁に支持される部分が一つの球面上に位置し、この球面の中心位置に前記下げ振り糸の上端が固定されていることを特徴とする穴位置測定装置。
【請求項2】
前記糸固定部材は、前記上穴の開口縁に支持される部分が球面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の穴位置測定装置。
【請求項3】
前記上穴が横断面円形に形成され、
前記糸固定部材は、前記上穴の開口縁に支持される部分が少なくとも3本の曲線アームに形成され、これら少なくとも3本の曲線アームが周方向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の穴位置測定装置。
【請求項4】
前記下穴の開口縁に、上面が前記下げ振りと対向する方向に支持される下げ振り位置確認部材と、
前記下げ振り位置確認部材に設けられ、前記下穴の中心に対する前記下げ振りの位置を確認するための基準点と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の穴位置測定装置。
【請求項5】
前記下げ振り位置確認部材は、前記下穴の開口縁に支持される部分が球面状に形成され、この球面の中心を通る平面に前記基準点が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の穴位置測定装置。
【請求項6】
上部構造物に形成された上穴と下部構造物に形成された下穴とが鉛直上下方向に配置され、前記上穴と前記下穴との水平方向の相対位置を測定する穴位置測定装置であって、
レーザ発振器と、
前記レーザ発振器に下端が固定されて前記レーザ発振器から照射されるレーザ光が下向きになるように前記レーザ発振器を吊り下げる吊り下げ糸と、
前記吊り下げ糸の上端が固定され、前記上穴の開口縁に支持される糸固定部材と、を備え、
前記糸固定部材における前記上穴に支持される部分が一つの球面上に位置し、この球面の中心位置に前記吊り下げ糸の上端が固定されていることを特徴とする穴位置測定装置。
【請求項7】
前記下穴の開口縁に、上面が前記レーザ発振器と対向する方向に支持される位置確認部材と、
前記位置確認部材に設けられ、前記レーザ発振器のレーザ光を検出するレーザ検出器と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の穴位置測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−108947(P2013−108947A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256338(P2011−256338)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】