説明

空中写真データの作成方法と空中写真データセット

【課題】 従来、空中写真データセットは、専ら撮影中心を利用していたが、撮影済みで保管されている撮影データの活用とともに、撮影画像内に納められた任意の対象物の画像を積極的に利用することが望まれている。
【解決手段】 注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点の位置(仮想撮影主点位置)と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点の位置(実際撮影主点位置)との距離を判断して、特定の空中写真(特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した選択画像を前記特定空中写真から取り出す工程を含むことを特徴とする空中写真データの作成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中写真データの作成方法と前記作成方法で得られたデータに関するもので、詳しくは、撮影された空中写真の新しい活用を可能にする空中写真データを作成する方法に関するものであり、得られたデータの種々の活用が可能な空中写真データに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空中写真画像は、さまざまな活用がされている。例えば、写真測量に利用され、地形図作成、工業計測、文化財計測、自然災害計測等々に用いられている。更に、その際に例えば、ステレオ画像化するために、それぞれの空中写真画像に或る関係を持たせるためにペアリンクを作成し、ペアリンクを検索して、ステレオ画像を得る方法は、例えば、特許文献1、2、3および4に記載されている。また、特殊な見やすい観察方法のための加工例が、例えば、特許文献5に記載されている。
【特許文献1】特開2001−28049号公報
【特許文献2】特開2002−5659号公報
【特許文献3】特開2003−32364号公報
【特許文献4】特開2006−018549号公報
【特許文献5】特開2005−156514号公報
【0003】
前記空中写真画像を得るための空中撮影(航空撮影)の際に、或るオーバーラップ率とサイドラップ率で、それぞれの撮影画像が縦横共に一部重複するように撮影されるのが一般的であるので、前記重複を活用することも特許文献5には記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法は、必要な画像を得るまでのアクセスに時間がかかる、必要な画像アクセスのための準備に労力、時間が必要である、望みの画像を簡単に得られない等々の問題点があって、これらの改良が望まれている。例えば、特許文献5のようなそれぞれの空中写真の重複を利用して、望みの箇所を望みの方向から観察使用とする場合には、データセットの作成に時間が必要である。また、例えば、ステレオ画像を得ようとする場合には、ペアリンクを予め作成し、更に、そのペアリンク情報でアクセスすることになるので、アクセスに熟練あるいは時間を要するなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、かかる従来の課題を解決するもので、注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点の位置(仮想撮影主点位置)と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点の位置(実際撮影主点位置)との距離を判断して、特定の空中写真(特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した選択画像を前記特定空中写真の中から取り出す工程を含む空中写真データの作成方法が、非常に有用であることを見出し、請求項1とするものである。
【0006】
本発明によれば、調査、観察等の対象となる対象物の注視したい位置と高度の空間位置情報をインプットして、注視点(前記対象物の特に注視しようとする点)を定め、更に、前記注視点をどの方向から見たいかの視線ベクトルに対する空間方向をインプットするという大きくは二つの作業で、得たいものが得られるあるいは見たいものが見られるという簡便さを有する。前記空間方向は、水平面内での方向と垂直面内での方向をいうが、厳密にインプットする場合と、より簡易化のために、大雑把なクラスわけをした方向のクラスを選択するというクラス選択によるインプットもありうる。
【0007】
例えば、前記垂直面内での方向は、45°というインプットもあるが、高高度、中高度、低高度のようなクラスわけし、例えば、45°は、低高度にクラスわけしておくことにより、低高度を選択するという方法もある。また、前記水平面内での方向は、具体的方位を入力することと、それに変えて、東西南北とその中間の南東、南西等を含めた8個の方位の選択をするという方法もとりうる。
【0008】
本発明は、前記注視点に関する空間位置情報と前記視線ベクトルの空間方向との入力、あるいは選択により、前記注視点を見るための望ましい仮想の撮影主点位置あるいは位置範囲が求められる。一般的には、実際の撮影位置高度(基準面高度の一例)の面とベクトルとの交点を利用するが、特別の目的がある場合には、目的に応じた高度の面が用いられる。また、前記撮影位置の高度の面は平均値を前記基準面高度の面として用いることもできる。
【0009】
前記のように、仮想撮影主点が定まると、ついで、データに保存された複数の空中写真の中から、例えば、前記注視点を含み(撮影範囲に前記空間位置情報を含むもの)、実際撮影主点位置と前記仮想撮影位置との関係を調べることになる。例えば、前記実際撮影主点位置と前記仮想撮影主点位置との距離が最短のものを選択する。
【0010】
選択された前記空中写真は、例えば、前記注視点を中央に配置したいときには、前記注視点を中央に配置したときに前記空中写真から切り取れる任意の範囲、例えば、最大の範囲を切り取るということで、選択画像が形成され、表示(ディスプレー)される。表示に当たって、前記空間方向によっては、注視点を含む画像が、下側に広がる方向で或る場合は、画像を回転して(例えば、180度)上下を入れ替えるあるいは適度な角度回転して(例えば、100度)画像として表示する方が見やすいこともあり、各実施の態様は、好みに応じた回転画像を表示することを含む。
【0011】
本発明は、前記空間位置情報が前記注視点の2次元位置情報と高度の情報を含み、前記空間方向が前記視線ベクトルの2次元方向と俯角方向を含み、前記高度と前記俯角方向と前記空中写真の撮影基準面高度とで前記仮想撮影主点位置を求める請求項1の空中写真データの作成方法を請求項2とし、前記仮想撮影主点と前記実際撮影主点との距離が最短のものを選択する工程を含む請求項1または2の空中写真データの作成方法を請求項3としている。
【0012】
更に、前記注視点を前記画面の中央に配置する請求項1、2または3の空中写真データの作成方法を請求項4としている。
【0013】
また、本発明は、前記手段の応用として、色々な可能性をもっていて、水平面内あるいはほぼ水平面内の定められた直線の直線上あるいはほぼ前記直線上に、前記特定空中写真(第1の特定空中写真)の実際撮影主点位置(第1の実際撮影主点位置)と、第2の実際撮影主点位置とを有し、前記第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定の空中写真(第2の特定空中写真)を選択し、前記選択画像(第1の選択画像)に加えて、前記注視点を画面の予め定められた前記位置に配置した第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す工程を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の空中写真データの作成方法を請求項5としている。
【0014】
また、本発明は、前記直線の方向と長さを入力する工程を含んでいて、前記長さの線分の中点での前記直線への垂線を、前記空間方向に一致あるいはほぼ一致させたときに得られる前記仮想撮影位置を用い、前記線分の長さに基づいて、前記直線の一端を前記第1の実際撮影主点位置の選択に利用し、前記直線の他端を前記第2の実際撮影主点位置の選択に利用した請求項5の空中写真データの作成方法を請求項6としている。
【0015】
更に、前記空間方向(第1の空間方向)と同一または異なる空間方向(第2の空間方向)と、前記注視点(第1の注視点)とは別の注視点(第2の注視点)の空間位置情報によりうられる前記仮想撮影主点位置(第1の仮想撮影主点位置)とは別の仮想撮影主点位置(第2の仮想撮影主点位置)と前記複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を比較して、第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定空中写真を自動選択し、前記選択画像(第1の選択画像)に加え、前記第2の注視点を含む第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す取得工程を含み、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が一部重複する関係で前記第2の注視点を定めるあるいは前記第2の選択画像の大きさと画像の配置を定めるとともに、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像を隣接あるいは近接して並列に配置したときに、前記第1の選択画像内の前記注視点の前記空間方向と前記第2の選択画像内の前記第2の注視点の前記第2の空間方向が平行あるいはほぼ平行になる関係と、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が連続性を維持する関係とになる前記取得工程を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の空中写真データの作成方法を請求項7とする。
【0016】
また、前記取得工程を第3以降の注視点と第3以降の仮想撮影主点位置から得られる第3以降の実際撮影主点位置の第3以降の特定空中写真について、繰り返して、前記第3以降の注視点を含む第3以降の選択画像を作成する連続工程を含むことを特徴とする請求項7の空中写真データの作成方法を請求項8としている。
【0017】
本発明は、前記空中写真データの作成方法により得られるデータにも関していて、注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を判断して、第1の特定の空中写真(第1の特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した第1の選択画像を前記特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記空間方向と同一または異なる空間方向(第2の空間方向)と、別の注視点(第2の注視点)の空間位置情報により得られる別の仮想撮影主点位置(第2の仮想撮影主点位置)と前記複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を比較して、第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定空中写真を自動選択し、前記第1の選択画像と第2の選択画像が一部重複する関係で前記第2の注視点を定めるあるいは前記第2の選択画像の大きさと画像の配置を定めるとともに、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像を隣接あるいは近接して並列に配置したときに、前記第1の選択画像内の前記注視点の前記空間方向と前記第2の選択画像内の前記第2の空間方向が平行あるいはほぼ平行になる関係と、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が連続性を維持する関係とで、前記第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す取得工程を含むとともに、前記取得工程を第3以降の仮想撮影主点位置から得られる第3以降の実際撮影主点位置の第3以降の特定空中写真について、繰り返して、第3以降の注視点を含む第3以降の選択画像を作成する連続工程を含む空中写真データの作成方法で得られた複数枚の選択画像を撮影順番に符合する配置でセットとした空中写真データセットを請求項9としている。
【0018】
また、注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を判断して、第1の特定の空中写真(第1の特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した第1の選択画像を前記第1の特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記第1の特定空中写真の実際撮影主点位置(第1の実際撮影主点位置)を含み、水平面内の定められた直線の直線上あるいはほぼ前記直線上にある第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定の空中写真(第2の特定空中写真)を選択し、前記注視点を画面の予め定められた前記位置に配置した第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記直線の方向と長さを入力する工程を含んでいて、前記長さの線分の中点での前記直線への垂線を、前記空間方向に一致あるいはほぼ一致させたときに得られる前記仮想撮影位置を用い、前記線分の長さに基づいて、前記直線の一端を前記第1の実際撮影主点位置の選択に利用し、前記直線の他端を前記第2の実際撮影主点位置の選択に利用した空中写真データの作成方法で得られた第1の選択画像の空中写真データと第2の選択画像の空中写真データをステレオデータセットとする空中写真データセットを請求項10とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のように構成され、簡単な操作で、望みの画像が得られる利点を有すると同時に、種々の応用が可能で、図化あるいは検証などのために必要とする注視点の必要とする角度からの画像が簡単に得られるとともに、ステレオ画像も望みのものが簡単にえられ、更に、例えば、或る道路に沿った見たい角度の画像が連続して得られる利点等があって、さまざまな応用が可能となる利点を有する。その他の効果は、以下の記載から更に詳細に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明で、例えば、或る注視点を或る角度から見たいときは、注視点の空間位置情報を入力(例えば、北緯何度、東経何度、高度何メートルを入力)し、一方、視線ベクトルの空間方向(例えば、東北の方向から前記注視点を見たいときは、東北。また、40度くらいの俯角でみたいときは、40度)を入力すると、多数の撮影済の空中写真の集合体の中から、例えば、基準高度を平均的に求めた平均基準高度値を使って、前記入力された空間方向を前記注視点から延長した直線と前記平均基準高度値にある水平面との交点を求め、その空間位置(例えば、北緯、東経、高度で、仮想撮影主点位置とする)と、前記集合体の各撮影空間位置(実際撮影主点位置と実際撮影主点高度)との差の比較を行い、例えば、距離が最小の空中写真を自動選択するあるいは特定の距離範囲に入るものを複数自動選択する。複数の空中写真が選択された場合は、サムネイル表示の中から選択する方式が取られ、複数の特定空中写真の中から、選択された特定空中写真から一枚の選択画像を作成するあるいは前記複数の特定空中写真の中からそれぞれ選択画像を作成する。
【0021】
選択された前記空中写真の前記注視点の画像を、特定の位置に配置し、例えば、得られる画面の中央に配置して、予め定められた大きさで、前記空中写真から、画像を切り取って、選択画像とする。以上の各工程で、それぞれ選択させる等の選択手段を挿入することも可能で、その場合、好ましくは、あらかじめ最もよく使う設定値を設定しておき、必要に応じて前記選択手段を起動させることも可能である。前記選択手段を講じるのは、例えば、前記基準高度を平均値ではなく、最大値、あるいは最小値を選択する手段を使う場合、または、任意の設定値を前記基準高度として入力する手段を使いたい場合などに前記選択手段として入力手段を付加することも可能である。また、前記注視点の画像内配置の選択手段、選択画像の大きさ設定のための選択手段もそれぞれの工程で付加させることが可能である。
【0022】
例えば、前記注視点の前記選択画像の位置の選択手段としては、中央ではなく、例えば、画像の左下隅あるいは右下隅等を選択させるような手段を用いることが可能である。また、例えば、前記仮想撮影位置と前記実際撮影位置の距離あるいは水平距離と高度との差等の選択をさせる工程を含むことが可能であり、このように、各工程で選択工程を含ませることも可能である。しかし、いずれにしろ、前記したように、好ましくは、それぞれの工程で最も使用頻度の高いものを予め設定しておいて、必要に応じて選択工程を使用できるようにすることが望ましく、入力工程を簡素化できる利点を有する。
【0023】
このようにして選択された前記選択画像は、必要時に必要に応じた大きさと位置で表示(ディスプレイ)させるようにできる。例えば、上記距離が最短なものを選択させるときに、同距離のものが複数存在する場合あるいは最短距離をある範囲に設定しておいてその範囲に入るものを利用するために複数存在させる場合には、その複数を選択画像として表示(ディスプレー)して、使用者に好みのものの選択させる方法もあり、あるいは例えば、高度をクラスわけしたような場合は、最も、望みの角度に近いものを複数の中から選択して表示し、他のものを次の選択可能状態に、その旨の表示とともにしておくことも可能である。選択画像の自動選択が不能な場合あるいはマニュアル選択を利用する場合には、前記のように全部をサムネイル表示して好みのものを選択させるか、あるいは、どれか表示して他にもあることも表示するような従来の表示方法の適切な表示選択方法が用いられる。
【0024】
本発明の実施態様のひとつとして、例えば、前記選択画像の複数枚を或る法則に従って得ることによって、種々の応用が可能となる。例えば、ステレオ画像を図化のため、あるいは、観察のため等の目的から得たいということと、従来では不可能であった或る俯角で、或る注視点をステレオ画像で見たいという要求があるときには、前記のように、選択画像を得る工程で、前記基準高度の水平面あるいはほぼ水平面上の直線あるいはほぼ直線上で、2点を選択して、例えば、それぞれに近い距離にある実際撮影位置の前記空中写真を例えば、それぞれ一枚ずつ選択し、前記注視点を含んだ選択画像を2枚切り出すことによって、観察するときにステレオ像が見られるステレオ画像を得る空中写真データセットを作成できる。
【0025】
例えば、或る注視点を或る俯角で或る方向に見たステレオ画像を見たい場合、前記注視点の空間位置情報と、視線ベクトルの空間方向をインプットすると同時に、ステレオ具合、すなわち、自然の立体感に近い状態で前記注視点をみるためのステレオ画像データセットが希望の場合は、前記直線の長さとして目の間隔に近い値を更に入力するか、あるいは、強いステレオ感、自然、弱いステレオ感、(この順で、前記直線の長さが、短くなるものをクラスわけして選択させる方式)の自然のクラスを選択させ、クラスの場合は、代表する線分の長さを用い、前記クラス選択ではない場合は、前記入力された線分の長さを用いて、例えば、前記入力された線分あるいは選択されたクラスの前記代表する線分の中点を用いて、前記注視点の前記空間位置から延長された直線が、前記視線ベクトルの前記空間方向に一致させたときに、空中写真の平均撮影高度との交点に前記中点を置き、前記延長された直線と前記入力された直線の長さの直分とが直交し、前記線分が水平面あるいはほぼ水平面に含まれるように、配置し、前記するように、前記線分の両端のそれぞれに近い距離にある実際撮影位置の前記空中写真を、例えば、それぞれ1枚選択する。
【0026】
選択された前記空中写真は、前記注視点を中央に配置するあるいは好みに応じて指定された位置に配置され、選択された2枚の前記空中写真で、共通範囲の中で、最大あるいは好みの大きさのものを切り取った選択画像を、ステレオ画像セットとして構成させることができる。
【0027】
このように得られたステレオ画像セットを、例えばディスプレイ上に表示させ、異なる2色の画像を補色関係にあるフィルターを介して、観察することにより、ステレオ画像を観察する、あるいは、前記2枚の画像表示を適切距離、位置に配置して、左右の目でそえぞれ別の画像を見ることにより、ステレオ画像を得ることができる。あるいは、前記2枚の画像表示とレンチキュラーレンズの配列と組み合わせて、ステレオ画像を得ることができる。図化工程で一般的な方法としては、両目とディスプレイ画面の間に置かれた液晶シャッターの左右交互の開閉に同期させて、左右像を交互にディスプレイ画面に表示させてステレオ像を得る液晶シャッター方式が用いられている。このような、ステレオ映像化の手段は、使用目的に応じて、従来のステレオ画像の観察手段の好ましいものが用いられる。例えば、インターネットの端末で一般ユーザーが見るときには、安価な方法が好ましい。
【0028】
本発明にかかるステレオ画像セットを、ステレオ視することにより、今までのステレオ画像セットでは得られなかった角度の映像をみることができるようになり、簡単な操作に加えて、更に、有用性が高まった。例えば、図化工程に利用するときは、任意の空間方向の選択が自由で、今まで、見られなかった視角の映像により、図化の正確度が向上するなどの効果が得られる。また、ステレオ感の強弱の選択が、例えば前記入力線分長で選択できるので、更に、精度、正確度を向上させることができる。
【0029】
更に、本発明によれば、例えば、或る道路に沿った複数の注視点を或る空間方向から見た連続画像、あるいは、不連続な複数枚の望みの画像を得ることも可能である。前記連続画像の場合は、或る道路あるいは或る河川等の曲線または直線を選択し、これらの両側あるいは片側の注視点を入力し、前記曲線または直線に沿って、例えば、一定あるいはほぼ一定の距離置きに、前記曲線または直線の同一側で、前記曲線または直線から同一あるいはほぼ同一の距離離れた位置で同一あるいはほぼ同一高さにある複数の注視点を連続的に自動的に選択させ、入力された前記注視点の空間方向を用いて、それぞれ選択された前記注視点の空間位置と前記空間方向を用い、前記空間方向は、前記注視点の位置に応じて、前記曲線または直線に直角になるように方位を修正して、空中写真の平均高度面でとの交点を他の実施態様のように求めて、仮想撮影主点位置を定め、実際撮影主点位置との関係から、例えば、距離の一番短いものを選択して、各注視点に対応する実際撮影主点位置の空間写真をそれぞれ選択する。
【0030】
選択された前記空間写真から、他の実施の態様と同じように、前記各注視点に関して、前記注視点の配置をもって、隣接する画像で一部重複するように選択画像を切り出す。このように作成された前記選択画像は、前記曲線または直線に沿った連続的なもので、ひとつの空中写真画像のデータセットを得ることができる。このようにして得られた空中写真画像データセットは、或る道路等に沿った周辺の画像データに関するもので、前記各注視点を或るほぼ一定の角度から見たものであって、従来にない視点の画像データセットが得られる。
【0031】
前記連続的な空中写真画像データセットを表示する場合は、直線状に連続的に配置して表示(ディスプレイ)されるか、画面に道路をその形状で表示しながら、前記道路に沿って、元の配置のように表示するとか、あるいは、いずれの表示でも、同時に全部を表示したり、あるいは、フラッシュ的に一枚ずつ表示することもできる。このように、任意の空間方向の画像が得られ、表示されるので、図化工程、検査工程等々で、従来、見ることができなかったところが見えるようになって、正確度、精度が一層向上する。
【0032】
前記曲線あるいは直線に沿って、連続的な選択画像を得るのではなく、必要な注視点のみに着目して、選択画像を得るには、必要な注視点のそれぞれの空間位置情報を入力し、視点ベクトルの空間方向を入力すると、各注視点における方位の空間方向に変換され、一枚の希望する選択画像を得る工程の繰り返しで、前記それぞれの注視点を含む選択画像を得ることができる。その表示は、連続画像の場合のように行うことができる。例えば、不動産業などで、顧客に、前記沿線に沿って売りに出せれている不動産の状況を説明するためのものとして用いる場合などには、連続的な画像ではない場合が望ましいこともある。
【0033】
本発明のいずれの実施の態様でも、前記選択画像を切り出せる範囲で、異なる大きさのものをデータ保存することによって、表示の場合に、ズーミング表示が可能になり、観察者に印象深いものにすることもできるし、必要箇所のみズームして拡大表示することも可能になり、応用の範囲を広げることができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を図面により、更に具体的に説明する。図1は、空中写真の撮影主点位置を示す概念図である。C1から順番にC5までの行とP1から順にP8までの列を表示している。これら行と列は、直線1乃至6と直線11乃至19で区切られている。航空機が撮影に際して、飛行計画に基づいて南から北に(直線6の位置から直線1の位置の方向に)飛行し、U−ターンをして北から南へ(直線1から直線6の方向に)順次飛行しながら東から西へ(直線11の位置から直線19の位置の方向へ)移動して、丸で示された位置で空中写真を撮影した様子を表している。丸の位置表示は、撮影計画のすべての撮影主点位置の一部を表示したものである。それぞれの位置は、経度、緯度の2次元で表示される図であって、言い換えれば、上空から地上を見た平面図ともいえる。
【0035】
前記撮影計画は、撮影画面の縦横の重複率(オーバーラップ率とサイドラップ率)80%で立てられているので、縦5行、横5列の計25のマスで、一枚の空中写真が表示される。例えば、C1からC5の行とP1からP5の列の示される範囲が一枚の空中写真を意味する。このように得られた多数の空中写真は、撮影時の状況がそれぞれ記録されていて、実際の撮影位置をGPS等の機器で測定して、位置、高度、3次元の撮影方向角度が記録されている。これら撮影時の状況は、撮影位置、撮影画面の補正に用いられ、公知のバックプロジェクションによる補正が一般的であり、例えば、特許文献5に詳細に説明されている。
【0036】
見たい注視点の空間位置と視線ベクトルの空間方向をインプットして、これらを基に、多数の空中写真の中から望みの空中写真を選択し、その中から選択画像を作成する過程をついて説明する。入力された前記注視点の位置は、21である。
【0037】
図2は、俯角をあらわす図で、注視点21を含む注視物Gの注視点の位置は、XとYで示され、高度はZで示され、注視点21の空間位置は、X、Y、Zの座標で示される。H1は、基準面高で、前記飛行計画の飛行高度で、実際は、実際の高度の平均を利用することが好ましい。25は、視線ベクトルの空間方向をあらわしていて、俯角は、tanθ=(H1−Z)/Dであらわされる角度θである。Dは、前記視線ベクトルが前記基準面に交差する位置(交点)22と前記注視点の位置との水平距離である。
【0038】
前記交点22は、仮想撮影主点位置22を表し、図1にも表示されている。仮想撮影主点位置から注視点21を見た方向が、前記空間方向の方位(図1の場合は、ほぼ、南西の方向)を表す。このように、視線ベクトルの方位と俯角を利用して、注視点21から、仮想撮影主点位置22を求め、一例としてこれに一番近い行C2、列P6の撮影主点が必要な空中写真として選択される。
【0039】
選択された前記空中写真は、行C1の上の行からC4で、列P4からP8内、換言すると、一番上の無番の横線、直線5、直線14、および直線19で囲まれた領域が一枚の撮影画像になっている。図3の線分31乃至34で囲まれた画面30である。図3は、選択画像を表示する図である。
【0040】
注視点を画面左下に入れたいという内容をインプットすると(インプットがない限り中央に配置されるようになっているが)、注視点21を左下にした選択画像35が得られる。中央の丸は撮影主点位置を表示している。選択画像35は、図3の場合、底辺が線分34に達するまで、あるいは左辺が線分33に達するまでのいずれか短い方で大きさの範囲が決められるので、必要度に応じて、大きさを選択できるようにするか、あるいは、最大のものを選択させる等の選択が可能である。あるいは、ズーム表示させることも可能である。
【0041】
このようにして、任意の注視点を任意の視線ベクトルの空間方向で観察することが可能になり、従来の図化工程、検証等々の正確度、精度を向上させることが可能になる。図4は、このようにして得られた注視物Gの一例である。21は、注視点で、画像41が、得られたものであるが、例えば、この画像を180度回転して、画像42として、注視点21を注視物Gとともに観察するように表示した例である。注視物Gの倒れ角を少なくして、例えば、地面に垂直に建っているようにみた方が見やすい場合は、前記回転を180度よりも少なく、例えば、160度あるいは100度等にするように、表示は、好ましい手段が選択される。
【0042】
図5は、ステレオ画像としての応用の例である。得られた画像43と45に写っている対象物Gと注視点21を偏位修正を行って、画像44と46にして、ディスプレイ表示し、例えば、画像44を青で表示し、画像46を赤で表示し、左目に赤のフィルターを掛け、右目に青のフィルターを用いると対象物Gと注視点21等が立体視できる。勿論、図化工程の場合は、好ましくは、液晶シャッター方式を用いるが、他の立体視の手段も用いられ、使用目的に応じた手段の選択により、より詳しく、注視点21の状態が観察できる効果がある。
【0043】
図1の撮影計画に沿って得られた空中写真データを保管している状態で、図4が得られるような条件を入力するときに、線分の長さと方向を入力すると、例えば、ステレオ画像を求める入力を兼ね、線分の中点を仮想撮影位置22に置き、前記線分の前記方向が前記視線ベクトルに直角で、前記基準面高上に置いたときに、前記線分の両端23と24を求める仮想撮影位置とし、これに近い撮影主点位置C2P5とC3P6が選択される。このときの注視点21の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向は図1で説明したものと同じものがインプットされているものとした。
【0044】
前記選択された二つの撮影主点位置23と24をもつ空中写真が2枚選択され、それぞれに関して、最初の実施例と同様に(図3のように)行って、選択画像を作成し、これをそれぞれの撮影主点位置23と24に関して繰り返して、選択画像2枚を作成する。このとき、画面の大きさと注視点の配置等について2枚の前記選択画像が一致あるいはほぼ一致するように前記偏位修正をして作成し、画像43および45としたものである。前記偏位修正は、エピポーラ幾何学により計算される複数のステレオ画像間で、対応点の画像中の高さが同じになるような画像に変換することであり、前記対応点を結ぶ直線(エピポーララインに相当)に沿うように格子化(グリッド化あるいはリサンプリング)により、画像変換を行うことである。
【0045】
以上のように、注視点の空間位置情報と、視線ベクトルの空間方向と、線分の長さと方向を使って、簡単にステレオ画像を得ることができる。従来のように、ステレオペア化する工程、ステレオペア情報を求める工程等が省略できるので、効率よく用いることができ、例えば、図化工程の労力、時間を削減、短縮できる。
【0046】
前記線分の長さと方向の入力に代えて、単純にステレオ感が、例えば、強、並、弱の選択になるように構成することも可能で、その場合は、入力がより簡便化される。尚、ステレオ画像を得る場合には、一般的に、前記実際撮影位置の間の距離Bと撮影高度Hとの関係が、B/Hが0.5乃至0.9が好ましいといわれているが、デジタル方式の撮影の場合は、0.3程度まで許容されると言われている。
【0047】
図6は、他の実施例にかかるもので、図1の撮影計画に沿って得られた空中写真データを用いるが、その中で、図1の直線1から直線6と直線11から19で囲まれた画像を概念図で表示したもので、Rで示される道路が中央に走っている。この道路をペンタッチ入力でなぞって、入力する。次いで、注視点21−Aの空間位置情報を入力する。更に、視線ベクトルの空間方向25−1を入力する。
【0048】
その後、図1および2で説明したように、仮想撮影主点位置が求められ、更に、自動的に等距離の信号で、注視点21−B乃至21−Fが道路Rに沿って求められる。あるいは、好みで、いくつかの観察したい注視点が入力され、複数の注視点を入力する場合は、連続性を求めない方式が取られるようにされている。視線ベクトルの空間方向は、各注視点から道路位置に向かう最短距離での道路の縁の接線に関して前記空間方向を修正して、各注視点における空間方向が修正され、25−2乃至25−6が自動的に決められる。マニュアル入力の場合も同様にインプットされた前記注視点について同様に自動的に定まる。
【0049】
図3および図4で説明したように、各注視点で、同様に選択画像が得られるが、連続性を求めている場合には、選択画像が隣接する画像と一部重複し、連続性が見られるように決定される。図7は、このようにして得られた画像を適度に回転させて得られたもので、それぞれ、注視点21A乃至21Fに相当する選択画像51乃至56が得られている。
【0050】
このようにして得られた選択画像51乃至55は、図7に表示されたように表示することにより、道路に沿って、見える様子が良く分かるようになる。あるいは、フラッシュ的に図7の左から右あるいはこの逆に一枚ずつ順次表示することにより、道路を移動した時の様子を表示することもできる。また、図6で、注視点を道路Rの両側に選定して、道路Rの両側の様子をみることもできるし、マニュアルで、必要箇所の両側の様子をみることもできる。前記両側の様子を見る場合には、場合により、視線ベクトルの前記空間方向の方位を前記道路の両側で互いに逆方位にすることができる。図6の視線ベクトルの前記方位が前記道路の反対側から前記道路越しの方向なので、前記視線ベクトルが発生される目の位置から見た様子にした方が見やすいので、図7では、選択画像51乃至56は、右から左に配置させている。また、選択画像51乃至56は、それぞれ隣接部分で、一部重複するように構成されていて、隣接して配置あるいは重複部分を旨く重ねると前記道路に沿った連続画像が得られて、沿線の様子がよく観察できる。
【0051】
本発明に用いるプログラム、ソフトは市販のものを利用することができ、画像処理、画像表示ソフト等を計算ソフトと適宜組み合わせて、簡単な追加ソフトで構成させることができ、入力の簡単さを含み、簡単な操作で、任意の画像を任意の方向から得ることでき、正確な情報入手等が得られる効果を有するとともに、種々の応用の可能性をもっていて、非常に有用なものである。
【0052】
更に本発明は、従来撮影済みで保管されている空中写真アナログデータをデジタル化したものおよび空中写真デジタルデータを活用することも可能で、従来のデータ活用にも有用である利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】 本発明における撮影主点位置を表示する概念図である。
【図2】 本発明に係る視線ベクトルの空間方向の俯角の例である。
【図3】 本発明にかかる選択画像の概念図である。
【図4】 本発明にかかる表示の例である。
【図5】 本発明にかかる他の実施例のステレオ画像の例である。
【図6】 本発明にかかる別の実施例の例である。
【図7】 図6で得られた選択画像の概念図である。
【符号の説明】
【0054】
21 注視点
22 仮想撮影主点
25 視線ベクトルの空間方向
35 選択画像
42 選択画像
44 選択画像
46 選択画像
51 選択画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点の位置(仮想撮影主点位置)と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点の位置(実際撮影主点位置)との距離を判断して、特定の空中写真(特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した選択画像を前記特定空中写真の中から取り出す工程を含むことを特徴とする空中写真データの作成方法。
【請求項2】
前記空間位置情報が前記注視点の2次元位置情報と高度の情報を含み、前記空間方向が前記視線ベクトルの2次元方向と俯角方向を含み、前記高度と前記俯角方向と前記空中写真の撮影基準面高度とで前記仮想撮影主点位置を求めることを特徴とする請求項1の空中写真データの作成方法。
【請求項3】
前記仮想撮影主点位置と前記実際撮影主点位置との距離が最短のものを選択する工程を含むことを特徴とする請求項1または2の空中写真データの作成方法。
【請求項4】
前記注視点を前記画面の中央に配置することを特徴とする請求項1、2または3の空中写真データの作成方法。
【請求項5】
水平面内あるいはほぼ水平面内の定められた直線の直線上あるいはほぼ前記直線上に、前記特定空中写真(第1の特定空中写真)の前記実際撮影主点位置(第1の実際撮影主点位置)と、第2の実際撮影主点位置とを有し、前記第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定空中写真(第2の特定空中写真)を選択し、前記選択画像(第1の選択画像)に加えて、前記注視点を画面の予め定められた前記位置に配置した第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空中写真データの作成方法。
【請求項6】
前記直線の方向と長さを入力する工程を含んでいて、前記長さの線分の中点での前記直線への垂線を、前記空間方向に一致あるいはほぼ一致させたときに得られる前記仮想撮影位置を用い、前記線分の長さに基づいて、前記直線の一端を前記第1の実際撮影主点位置の選択に利用し、前記直線の他端を前記第2の実際撮影主点位置の選択に利用したことを特徴とする請求項5の空中写真データの作成方法。
【請求項7】
前記空間方向(第1の空間方向)と同一または異なる空間方向(第2の空間方向)と、前記注視点(第1の注視点)とは別の注視点(第2の注視点)の空間位置情報により得られる前記仮想撮影主点位置(第1の仮想撮影主点位置)とは別の仮想撮影主点位置(第2の仮想撮影主点位置)と前記複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を比較して、第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定空中写真を自動選択し、前記選択画像(第1の選択画像)に加え、前記第2の注視点を含む第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す取得工程を含み、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が一部重複する関係で前記第2の注視点を定めるあるいは前記第2の選択画像の大きさと画像の配置を定めるとともに、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像を隣接あるいは近接して並列に配置したときに、前記第1の選択画像内の前記注視点の前記空間方向と前記第2の選択画像内の前記第2の注視点の前記第2の空間方向が平行あるいはほぼ平行になる関係と、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が連続性を維持する関係とになる前記取得工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空中写真データの作成方法。
【請求項8】
前記取得工程を第3以降の注視点と第3以降の仮想撮影主点位置から得られる第3以降の実際撮影主点位置の第3以降の特定空中写真について、繰り返して、前記第3以降の注視点を含む第3以降の選択画像を作成する連続工程を含むことを特徴とする請求項7の空中写真データの作成方法。
【請求項9】
注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を判断して、第1の特定の空中写真(第1の特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した第1の選択画像を前記特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記空間方向と同一または異なる空間方向(第2の空間方向)と、別の注視点(第2の注視点)の空間位置情報により得られる別の仮想撮影主点位置(第2の仮想撮影主点位置)と前記複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を比較して、第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定空中写真を自動選択し、前記第1の選択画像と第2の選択画像が一部重複する関係で前記第2の注視点を定めるあるいは前記第2の選択画像の大きさと画像の配置を定めるとともに、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像を隣接あるいは近接して並列に配置したときに、前記第1の選択画像内の前記注視点の前記空間方向と前記第2の選択画像内の前記第2の空間方向が平行あるいはほぼ平行になる関係と、前記第1の選択画像と前記第2の選択画像が連続性を維持する関係とで、前記第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す取得工程を含むとともに、前記取得工程を第3以降の仮想撮影主点位置から得られる第3以降の実際撮影主点位置の第3以降の特定空中写真について、繰り返して、第3以降の注視点を含む第3以降の選択画像を作成する連続工程を含む空中写真データの作成方法で得られた複数枚の選択画像を撮影順番に符合する配置でセットとしたことを特徴とする空中写真データセット。
【請求項10】
注視点の空間位置情報と視線ベクトルの空間方向を使用して求められる仮想撮影主点と、複数の空中写真のそれぞれの実際撮影主点位置との距離を判断して、第1の特定の空中写真(第1の特定空中写真)を自動選択し、前記注視点を画面の予め定められた位置に配置した第1の選択画像を前記第1の特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記第1の特定空中写真の実際撮影主点位置(第1の実際撮影主点位置)を含み、水平面内の定められた直線の直線上あるいはほぼ前記直線上にある第2の実際撮影主点位置を有する第2の特定の空中写真(第2の特定空中写真)を選択し、前記注視点を画面の予め定められた前記位置に配置した第2の選択画像を前記第2の特定空中写真の中から取り出す工程を含み、前記直線の方向と長さを入力する工程を含んでいて、前記長さの線分の中点での前記直線への垂線を、前記空間方向に一致あるいはほぼ一致させたときに得られる前記仮想撮影位置を用い、前記線分の長さに基づいて、前記直線の一端を前記第1の実際撮影主点位置の選択に利用し、前記直線の他端を前記第2の実際撮影主点位置の選択に利用した空中写真データの作成方法で得られた第1の選択画像の空中写真データと第2の選択画像の空中写真データをステレオデータセットとすることを特徴とする空中写真データセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−65795(P2008−65795A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272268(P2006−272268)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(390023249)国際航業株式会社 (55)
【Fターム(参考)】