説明

空冷による気体凝縮を利用したテフロン(登録商標)試料分解容器

重金属の分析のために用いられる原子吸光光度計(AAS)、誘導結合プラズマ(ICP)を使用するにおいて、必ず試料は液体状態で導入すべきであり、このためには酸による試料分解を行うべきである。ビーカーによる試料分解法、マイクロ波を利用した分解法は揮発元素の損失、酸の多量使用、有害ガスの排出、試料処理数の限界、分解試料量の制限、洗浄の不便などが問題視されて来た。本発明はフッ素樹脂(テフロン(登録商標))または石英材質からなる反応容器の加熱と捕集管の空冷による気体凝縮を利用して一度の酸の注入で多量の試料を処理することができ、分析試料が多い所でも大量に処理することができ、従来の加熱板を利用して処理することができるので、安価で活用することができる。分解する時に発生する有毒ガスや揮発元素は吸水管に凝縮されるので、腐食を防止することができ、さらに良いデータ値を得ることができる。分解に用いられる試薬を低減することができるとともに、試薬の濃縮による試料の汚染問題も解決した。また、分解中に発生する有毒ガスによる大気汚染問題も解決した。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフッ素樹脂(以下テフロン(登録商標)と称する)という素材を利用して、化学実験室で固体または液体試料を多様な種類の酸に分解するための試料分解容器に関する。さらに具体的には、下部に位置した反応容器に加えられる加熱分解と、上部に位置した捕集管で空冷による熱い気体の凝縮で、分解中に揮発される重金属の損失を防止し、用いられる試薬の使用を低減し、かつ、分解時間の短縮を図るために考案されたテフロン(登録商標)試料分解容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近100年間、化学実験室で一般的に用いられる試料分解方法はビーカーと時計皿による試料分解であった。ビーカーによる試料分解は簡単に分解できるという長所はあるが、オープンされた上部から水銀、砒素等の揮発元素の損失と、加熱による試薬の気化で試薬の使用量が多かった。また、発生する有毒ガスは加熱器の本体の損傷及びヒュームフードの寿命を短縮させる原因になる。
【0003】
もう一つの方法として、250mlの丸底フラスコに25cm以上の大きさに製作された冷却管を載置し、またその上に吸水管を設置して試料を酸分解する方法である。冷却管は水で冷却させる水冷で、別途の電気冷却機械装置(chiller)が必要である。このような方法は、装備の長さが非常に大きくて一般のフードに置いて使用することが困難であり、分解後、容器の洗浄も大変である。また、一度に試料処理数も約五つに制限されていて、分解する試料が多い所では適合しない。本方法の製品の技術的面でも反応容器で気化された気体は水冷冷却管で多すぎる気体が凝縮されて落ちるので過量の酸の蒸発が要求される場合には使用することができない。そして、水冷冷却管の存在で捕集管の元々の役割は微々な水準である。即ち反応容器で気化された気体は冷却管によって再び反応容器に大部分落ちて吸水管に上がることができないため、反応容器と吸水管の相互間に大きな関連がない。
【0004】
最近には、マイクロ波による試料分解法を多く使用している。しかし、マイクロ波は分解の時、圧力分解をするので試料の注入量が制限されていた。通常、有機物の場合に、0.5g以上分解することができない。さらに、本方法は試料の前処理過程が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】国内土壌公定試験法 亜鉛、ニッケルの前処理図面参照
【非特許文献2】US EPA Method 3015、3051、3052
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点を解決するために、テフロン(登録商標)材質の反応容器とその上部に位置した捕集管を使用して、加熱分解の中に発生する有害ガスの捕集、揮発元素の損失防止、分解に必要な試薬の最小使用及び分解時間の短縮、圧力分解への簡単な転換に目的がある。本発明は上記の問題点を解決するための試料分解容器及びこれを利用した試料分解方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような目的を達するために、試料分解容器は容器の上部に捕集管結合部7が形成された反応容器1と捕集管2とで構成され、上記捕集管2は上記反応容器1の上部と結合可能に、下部に反応容器結合部10が形成され、上部には外側と内側にそれぞれ逆U字管結合部13と捕集管蓋結合部16が形成され、反応容器1で発生した気体が通過できるようにチューブ14が形成された中間管3、逆U字状に形成され、上記逆U字状の下部に上記中間管3の上部内側の逆U字管結合部13と結合され、中間管結合部17の上側に一定の大きさの孔18が形成される逆U字管4、及び上記逆U字管を囲むように上記中間管3の上部外側の捕集管蓋結合部16と結合され、上部には気体が通過できるガス排出口20が形成された捕集管蓋5で構成されることを特徴とする。この場合、反応容器の材質はテフロン(登録商標)、石英及びセラミックスの中のいずれか一つであり、上記捕集管2はテフロン(登録商標)材質からなる。
【0008】
上記中間管3と上記反応容器1との結合、上記中間管3と上記逆U字管4、及び上記中間管3と上記捕集管蓋5との結合はねじ結合で形成されることができ、上記反応容器1にはねじ結合の末端に延長されて形成された結合突出部9を有し、上記中間管3はねじ結合の上側に上記結合突出部と対応して結合される結合溝11を含み、上記結合突出部9と上記結合溝11との間にはOリングを挿入して密閉力を高めるように構成することを特徴とする。
【0009】
試料を分解する方法は、上記試料分解容器を利用するが、試料及び試料分解溶液収容段階S20では、上記反応容器に試料と試料分解溶液を収容し、吸収溶液収容段階S30では、上記反応容器と上記捕集管を結合し、上記捕集管には吸収溶液を収容し、加熱段階S40では、上記試料分解容器を加熱板の上に載せて加熱し、試料分解段階S50では、試料が反応容器で気化されて捕集管に移動し、捕集管で空冷によって凝縮され、凝縮された溶液は反応容器の圧力の降下で再び反応容器に移動することを繰り返すことによって試料が分解されることを特徴とする。乾式アッシング法による試料の分解の時には、上記反応容器1は石英またはセラミックス材質からなり、上記反応容器1に試料を入れて、500℃乃至600℃に加熱して試料をアッシングする試料アッシング段階S10を先行することを特徴とする。また、圧力分解が必要な場合には、テフロン(登録商標)材質の反応容器1に試料と試料分解溶液を収容し、上記捕集管2の代りにテフロン(登録商標)圧力蓋6を結合して圧力分解することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は反応容器1をテフロン(登録商標)材質に選択した時に、フッ酸(HF)を使用することができ、石英材質に選択した時には、乾式アッシング法<食品医薬品安全庁の食品公典による分解法>で分解することができる。
【0011】
捕集管2の空冷凝縮の效果で、分解の時に試料の量に対して必要な試薬使用を最小化することができて、試薬の購買費用を低減することができ、このような空冷凝縮の效果及び捕集管2に予め入れて置いた吸収溶液(0.5モール硝酸や過マンガン酸カリウム溶液または金標準溶液5ppmを6ml〜15ml程度)を使用することによって揮発元素(水銀、砒素、鉛、セレニウム、錫、アンチモンなど)の捕集を図って揮発元素の損失なしにより良いデータを得ることができる。また捕集管2の空冷凝縮效果で、有害ガスの排出を最小化し、ヒュームフードの腐食や加熱板本体の腐食を防止して機器の使用寿命を延長することができる。同時に、NOx、COx、SOxなどを分解する時に発生する有害ガスの排出から大気環境の汚染防止效果を期待することができる。
【0012】
捕集管2をテフロン(登録商標)圧力蓋6に簡単に取り替えて圧力分解に切り替えて使用することができる。韓国「海洋環境汚染公定試験法」で提示する海底堆積物の試料分解方法として本発明品であるテフロン(登録商標)材質の反応容器1と圧力蓋6を使用することができる。
【0013】
実際の分析において、分解した後、過量の酸が分解が終わった溶液に存在する場合、分析器機や分析結果に良くないため(分析器機の腐食及びマットレス妨害)、分解された溶液の中に存在する過量の酸を加熱蒸発する場合に、課題解決手段で詳しく説明したように省エネルギーを実現することができ、加熱板及びヒュームフードの腐食防止や大気環境の汚染を減らすことができる。
【0014】
「国内土壌公定試験法」で提示する土壌中の亜鉛、ニッケルの前処理方法で本発明を使用すると、一度に大量の試料を処理することができ、従来の方法に比べて実験室の空間を確保することができる。即ち、本発明は専用加熱ブロック(hot block)に差し込んで分解することができ、実験室で一般的に使用するホットプレート(hot plate)に載せて使用することができるので、化学実験室で安価で汎用的に使用することができる。特に高価の外国製試料分解装備の輸入抑制效果を期待することができる。
【0015】
最後に、テフロン(登録商標)容器は、一般のプラスチックに比べて使用温度が高く(テフロン(登録商標)連続使用温度260℃)、酸に強く、硝子容器に比べて割れる虞がないので廃棄されることが少なくて廃棄物による環境汚染を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による試料分解容器を組立てた全体の断面図。
【図2】反応容器の正面図。
【図3】中間管の断面図。
【図4】逆U字管の正面図。
【図5】捕集管蓋の正面図。
【図6】テフロン(登録商標)圧力蓋の断面図。
【図7】本発明による試料分解容器を組立てる前の全体の正面図及び圧力分解容器の正面図。
【図8】本発明による試料分解容器を利用した試料分解方法のブロック図。
【図9】試料アッシング段階を含む場合における試料分解方法のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、まず反応容器1の材料の選択面でテフロン(登録商標)と石英またはセラミックス材質を使用することができる。テフロン(登録商標)材質を使用する場合に様々なテフロン(登録商標)材質の中で選択することができるが、射出成形が可能なPFA(パーフルオロアルコキシ)を選択することが好ましい。射出成形はテフロン(登録商標)原材料を加熱して溶かして金型に成形することで、圧出式成形に比べて表面がきれいで、水銀などの重金属が容器の内部に完全に吸着されないので、分解した後、洗浄が非常に容易である長所がある。テフロン(登録商標)は連続使用温度が260℃で、大部分の試料の分解に適合する。
【0018】
石英の場合には、乾式アッシング法で、分解の時、500℃〜600℃の高温でアッシングさせる場合に、テフロン(登録商標)よりさらに高い温度で使用可能であるので、この場合には石英で反応容器を製作して分解容器として使用することができる。
【0019】
本発明による試料分解容器は、反応容器1と、その上部に位置した捕集管2とを含む。上記捕集管2はさらに中間管3、逆U字管4、吸水管蓋5からなる。
【0020】
中間管3は、下は反応容器1と連結され、上は逆U字管4と吸水管蓋5とに連結される。中間管と反応容器の結合手段としては、多様な方法を選択することができる。各種の結合方式の中でねじ結合にして漏水を防止し、かつ、分解の中に発生する若干の反応圧力ガスが排出されることを防止することが好ましい。この時、ねじ結合は鋸歯ねじ結合を採択して、反応容器の内部の高い反応圧力をよりよく耐えるように設計することができる。また別途のOリング(O−ring)を形成して結合部位に挿入して漏水を防止し、高い密閉力を保持することができる。中間管3と逆U字管4の結合は多様な結合形態の中で選択可能であるが、ねじ結合を選択することが好ましい。この時にも漏水があってはならないので、逆U字管4を挿入する前にOリング(O−ring)を挿入して漏水を防止することができる。中間管3と連結される捕集管蓋5もその結合をねじ結合にして中間管3に結合される部分に結合溝12を形成して回して嵌め込みながら完全に密閉する。この時、漏水が予想される場合には、まずOリング(O−ring)を挿入して結合する。
【0021】
中間管3は、内径2mm〜20mm、長さ10mm〜100mmのチューブ14があるため、凝縮液の逆流を防止したり、気化ガスが捕集管2の内部によく入るように誘導する。また、中間管3の外部には反応容器1や捕集管蓋5と結合し、かつ、分離する時、手から滑らないように凹凸部15を形成する。
【0022】
逆U字管4の下部(ねじ山の直上に)には内径1mm〜5mmの孔18が2〜10個穿孔されて気化ガスの排出を誘導する。上記孔18を通じて排出した熱い気体は捕集管2の外部の空冷によって気体凝縮が発生し、既存の吸収溶液(0.5モール硝酸や過マンガン酸カリウム溶液または金標準溶液5ppmを6ml〜15ml程度)と会って揮発元素の吸着を図る。
【0023】
捕集管蓋5は上部に2mm〜20mmの内径になるようにガス排出口20を形成して気化ガスの排出を誘導する。このガス排出口20を通じて捕集管2の内部にピペットを利用した吸収溶液(0.5モール硝酸や過マンガン酸カリウム溶液または金標準溶液5ppmを6ml〜15ml程度)を入れて揮発元素である水銀(Hg)の捕集を目的に使用することができる。またガス排出口20は、分解後空冷で凝縮された溶液や吸収溶液を排水する役割を果たす。
【0024】
本発明の各構成は、金型を製作する時表面加工を精密にして、各構成品の表面を最大限に滑らかに処理することによって汚染物質が内部に付かないように設計された。
【0025】
本発明を使用するにおいて、まず反応容器1と捕集管2に結合されたテフロン(登録商標)分解容器は加熱板や加熱ブロックで加熱分解する。試料が有機物である場合、分解できる量は、乾燥された試料を基準に最大2g〜3gを分解することができ、用いられる酸を試料の特性に合わせて単一酸や混合酸を選択して約20ml〜25ml取って試料とともに入れる。加熱分解が始まると、従来のビーカー分解方式と異なって、上部捕集管2で空冷凝縮が発生し、同時に反応容器1では試薬が蒸発して反応圧力が降下しながら捕集管2の凝縮液が再び反応容器1に落ちて最初に注入された試薬のみでも完全に分解することができる。
【0026】
分解温度の設定は、最初のNOx、COxなどの有毒ガスが約80℃から90℃で発生し始まると、その温度を約20分〜40分間保持し、その後、試料の特性によって自由に温度を設定することができる。最初に低温で徐徐に分解する理由は、急に高温で加熱されることによって発生する反応圧力の急上昇を防止するためである。本発明の反応容器1と中間管3の結合はこのような反応圧力にも耐えることができるように、鋸歯ねじ結合を採択することができ、同時に反応容器1と中間管3を回して嵌めながら、中間管の下部の結合溝11と反応容器1の捕集管結合部7の直上に結合突出部9が結合されて、完全に密閉されるように設計された。一般の嵌め込み式結合方式を採用すると、反応圧力に耐えられなくて気体の漏水や反応容器1と中間管3の離脱または爆発の危険がある。
【0027】
温度の設定において、揮発元素は温度に非常に敏感であるので、正確な温度のコントロールが必要である。反応容器1に、約200℃〜250℃で加熱する時に、捕集管2の温度は約50℃〜70℃程度に測定される。これは捕集管2の外部の空冷で温度の上昇を防止するからである。水銀(Hg)の場合90℃、砒素化合物(AsCl)の場合130℃以上で揮発されるので、捕集管2の外部の空冷の役割は大きい。
【0028】
また、反応容器1の加熱と捕集管2の空冷によって試薬は気化と凝縮現象が発生し、反応容器1の内部に試薬が全部気化されると、反応容器1の内部の反応圧力が降下する。そして、吸水管2に凝縮された液体が再び反応容器1で落ちて再び試料の分解に必要な試薬として作用する。一般のビーカーでは試薬をさらに注入する必要があるが、本発明では試薬を追加注入する必要がない。結局、これは試薬の過量な使用で試薬の濃縮による試料の汚染を防止し、かつ、実験室の運用費用の低減效果を期待することができる。
【0029】
使用者の目的によっては、分解過程において、過量の酸を蒸発しようとする場合もある。この時には、捕集管蓋5のガス排出口20を密閉させて反応容器1と捕集管2を分離して捕集管2の内部の凝縮液をガス排出口20を通じて廃水筒に廃棄することによって、一般のビーカーのように加熱蒸発過程で電気エネルギーの消耗、有毒ガスの排出による加熱板の腐食及びヒュームフードの損傷を防止することができる。
【0030】
反応容器1と結合された捕集管2をテフロン(登録商標)圧力蓋6に取り替えると、約75psiの低圧力で分解することができる。この時にも、蓋はねじ結合と結合溝を構成し、反応の時発生する反応圧力に耐えるように設計する。また、圧力分解をするものであるので取っ手の部分に凹凸部22を形成して開閉しやすく設計する。
【0031】
本発明で分解の時発生する気体の流れは、まず反応容器1で生成された熱い気体が中間管3のチューブ14を経て逆U字管4の下部の孔18を通過し、同時に吸収溶液(0.5モール硝酸や過マンガン酸カリウム溶液または金標準溶液5ppmを6ml〜15ml程度)を通過しながら捕集現象が発生し、冷却が始まる。(熱い気体は反応圧力とガスの生成で吸収溶液を通過する時空気滴を形成しながら通過される)吸収溶液を通過した気体は捕集管蓋5の外部で加えられる空冷で温度の偏差が発生して凝縮され、余分の気体は捕集管蓋5のガス排出口20から排出される。このように本発明品の気体の流れは別途のテフロン(登録商標)圧力蓋6を使用しない限り密閉式ではない。従って試料を分解する時、微量の元素を含んで多量の試料を入れて分解しなければならない場合に、本発明による試料分解容器及び試料分解方法を使用すると試料量を最大2g〜3gまで分解することができる。
【0032】
本発明はテフロン(登録商標)反応容器1に約0.5g〜3gの試料を入れて一定量の硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、過酸化水素、フッ酸、リン酸等を単独または混合して入れる。また、中間管3と逆U字管4、捕集管蓋5で構成された捕集管2には、使用者の選択によって吸収溶液(蒸溜水、希硝酸、過マンガンカリウム溶液、金標準溶液5ppmを約15ml程度)を実験実用ピペットを利用して捕集管蓋5のガス排出口20を通じて入れる。それから反応容器1と捕集管2を互いに連結し、加熱板に載せたり、専用加熱ブロックに差し込んで加熱する。通常、ホットプレート式加熱器よりはブロックタイプの専用加熱器を使えば分解時間をより短縮することができる。分解温度の設定は試料の種類と国内外の分解法に合わせて分解することができる。
【0033】
国内「水質公定試験法」や「アメリカ環境庁」で提示する水質試料の分解の場合には、90℃〜140℃の内外に温度を設定して酸分解する。
【0034】
「食品公典」では乾式アッシング法で提示しているので反応容器1をテフロン(登録商標)ではない石英反応容器に取り替えて高温でアッシングさせた後硝酸で仕上げ処理する。
【0035】
土壌試料の場合、韓国「土壌汚染公定試験法」に提示した1モール塩酸による溶出とニッケル、亜鉛、水銀、砒素の前処理方法で、本発明品を応用して使用することができる。ニッケル、亜鉛を分解する時、上記捕集管2に0.5モールの希硝酸15ml入れて、温度約80℃〜180℃まで徐徐に加熱して、約2時間後に冷凍させた後分析する。(有機物が多い土壌(有機物含有10%以上)、特に済州島土壌の場合には、泡が発生する時硝酸を数滴注入する。)この時反応容器1の冷却で反応圧力が下降しながら捕集管2の溶液は自動に反応容器に落ち、反応容器1に集められた分解された液を分析溶液として使用する。水銀の場合には、反応容器と吸水管に過マンガン酸カリウム溶液を約6ml〜15mlを入れて分解する。
「海洋環境汚染公定試験法」で提示した海底堆積物や海洋廃棄物は上部の捕集管2の代りにテフロン(登録商標)圧力蓋6に取り替えてまず硝酸で40分間分解した後、蓋を閉めて圧力分解に用いる。
【0036】
試料の蒸発において、過量の酸を蒸発させた場合には、まず捕集管蓋5のガス排出口を密閉させた後反応容器1と捕集管2を分離して捕集管2に積もった凝縮液をガス排出口20を通じて廃水筒に直接捨てることができる。この時、蒸発の時の温度は約230℃〜260℃に加熱するとより速かに蒸発が発生する。
【0037】
本発明品の洗浄は、四つの組み立てで構成された各部分を分離した後、中性洗剤できれいに洗浄した後に蒸溜水:硝酸:塩酸の割合を8:1:1の割合で溶液に入れて酸洗浄する。
【0038】
超音波洗浄のみ使用する方法は避けるべきであり、必ず酸洗浄を含まれなければならない。硝酸、塩酸で洗浄する理由は、元素によって酸に洗浄される(溶出される)のが異なるからである。洗浄した後、乾燥器で乾燥する時、各構成品が汚染されないようにする。乾燥の後には、四つの構成品を組立てて密閉された空間に保管する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の上部に捕集管と結合されるように捕集管結合部が形成される反応容器と;
中間管、逆U字管、及び捕集管蓋で構成される捕集管と;を含み、
上記中間管は反応容器の上部と結合可能になるように、下部に反応容器結合部が形成され、上部には外側と内側にそれぞれ逆U字管結合部と捕集管蓋結合部が形成され、上記反応容器で発生した気体が上記逆U字管に移動できるようにチューブが形成され、上記逆U字管は逆U字状で、下部に上記中間管の逆U字管結合部と結合されるように、中間管結合部が形成され、上記中間管結合部の上側に一定の大きさの孔が形成され、上記捕集管蓋は上記逆U字管を囲むように上記中間管の捕集管蓋結合部と結合され、上部には気体が通過できるガス排出口が形成されることを特徴とする試料分解容器。
【請求項2】
上記反応容器の材質は、テフロン(登録商標)、石英及びセラミックスの中のいずれか一つであり、上記捕集管はテフロン(登録商標)材質からなることを特徴とする請求項1に記載の試料分解容器。
【請求項3】
上記中間管と上記反応容器との結合、上記中間管と上記逆U字管及び上記中間管と上記捕集管蓋の結合がねじ結合であることを特徴とする請求項1または2に記載の試料分解容器。
【請求項4】
上記反応容器には、上記捕集管結合部の末端に延長されて形成された結合突出部を有し、上記中間管はねじ結合の上側に上記結合突出部と対応して結合される結合溝を含み、上記結合突出部と上記結合溝との間にはOリングを挿入して密閉力を高めることを特徴とする請求項3に記載の試料分解容器。
【請求項5】
請求項1の試料分解容器を利用して、上記反応容器に試料と試料分解溶液を収容する試料及び試料分解溶液収容段階と;
上記反応容器と上記捕集管を結合し、上記捕集管には吸収溶液を収容する吸収溶液収容段階と;
上記試料分解容器を加熱板の上に置いて加熱する加熱段階と;
上記試料が反応容器で気化されて捕集管に移動し、捕集管で空冷によって凝縮され、凝縮された溶液は反応容器の圧力の降下で再び反応容器に移動することを繰り返すことによって試料が分解される試料分解段階と;を含むことを特徴とする試料分解方法。
【請求項6】
上記反応容器は石英またはセラミックス材質からなり、上記反応容器に試料を入れて、500℃〜600℃に加熱して試料をアッシングする試料アッシング段階を先行することを特徴とする請求項5に記載の試料分解方法。
【請求項7】
テフロン(登録商標)材質の反応容器に試料と試料分解溶液を収容し、テフロン(登録商標)圧力蓋を結合して圧力分解することを特徴とする試料分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−523371(P2011−523371A)
【公表日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508414(P2011−508414)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001873
【国際公開番号】WO2009/136694
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510255576)
【Fターム(参考)】