説明

空孔を有する導光板

【課題】パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのオフィスオートメーション機器、画像信号を表示する各種モニター、例えばパネルモニター、テレビモニター等に用いられる表示装置及び室内外空間の照明装置に使用される表示装置や看板等に適した導光板を提供する。
【解決手段】透明熱可塑性樹脂基板中に空孔を有し、該空孔の空孔率が、1.5×10−5〜0.3%、平均空孔径が0.05〜50μm、紫外線吸収剤が30〜500ppm含有してなり、透明熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及び環状オレフィン系樹脂からなる群から選ばれる樹脂であることを特徴とするバックライト用導光板

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのオフィスオートメーション機器、画像信号を表示する各種モニター、例えばパネルモニター、テレビモニター等に用いられる表示装置及び室内外空間の面光源装置に使用される表示装置や看板等に適したバックライト用導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
透明熱可塑性樹脂、その中でも特にメタクリル樹脂は、優れた光透過性、機械的特性からこれまでに多くの照明用途に用いられてきたが、特に近年は照明用ランプを備えた表示装置等のバックライト用導光板として使用されるようになってきた。このバックライトの方式としては、導光板を光源と液晶ユニットの間に挟んだ、いわゆる直下式と、光源を導光板のエッジに取り付けるエッジライト方式の2種が通常用いられ、現在はエッジライト方式が主流となっている。特に、近年は表示装置の高輝度化、大型化、薄型化の要求が強く、より明るく、より大きく、より薄くの商品コンセプトのもと開発が続けられており、特にエッジライト方式での高輝度面発光装置の開発が強く望まれている。
【0003】
この為、光源装置で使用される導光板についても、側面に配設された光源ランプより入光した光の入射光を効率的に出射面に出射させる導光板の要求が非常に強くなっている。
このような要求のうち、導光板による高輝度化の方法に関しては、これまでにも複数の技術開示がなされている。例えば、導光板の中に光拡散粒子を分散混入することにより均一な発光面を得る方法(例えば、特許文献1参照)、導光体に屈折率の異なる微粒子を包含する光散乱性プラスチック材料を用いることにより高輝度化する方法(例えば、特許文献2参照)、導光体に中空架橋樹脂粒子を分散させることにより輝度斑を均一にする方法(例えば、特許文献3参照)等が開示されている。
しかしながら、これら微粒子を分散する先行技術においては、輝度、輝度斑、色斑、耐光性等、表示装置の大型化、薄型化に伴う要求に対し充分対応できるレベルには到達していないのが現状である。
【特許文献1】特公昭39−1194号公報
【特許文献2】特開平4−145485号公報
【特許文献3】特開平9−178947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像信号を表示する各種モニター、例えばパネルモニター、テレビモニター等に用いられる表示装置及び室内外空間の照明装置に使用される表示装置や看板等に適した導光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意検討の結果、特定の空孔率と平均空孔径及び特定量の紫外線吸収剤を含有する導光板により高輝度化、輝度斑低減、色斑低減、及び優れた耐光性を兼ね備えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)片面が光出射面である透明熱可塑性樹脂基板の少なくとも1つ以上の端面に光源が配置されたエッジライト方式の面光源装置において、該透明熱可塑性樹脂基板中に空孔を有し、該空孔の空孔率が、1.5×10−5〜0.3%、平均空孔径が0.05〜50μm、紫外線吸収剤が30〜500ppm含有されてなることを特徴とするバックライト用導光板、
(2)透明熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及び環状オレフィン系樹脂からなる群から選ばれる樹脂である上記1に記載のバックライト用導光板、
である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のバックライト用導光板は、光源ランプから入光した光の発光効率を最大限に向上させると共に、輝度斑、色斑を低減させ、更に優れた耐光性を発現する効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明について以下具体的に説明する。
本発明において、導光板を構成する透明熱可塑性樹脂は、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、非晶性ポリエステル等が挙げられる。好ましくは、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン系樹脂であり、更に好ましくはメタクリル樹脂である。
メタクリル樹脂とは、メタクリル酸メチルあるいはメタクリル酸エチルを70重量%以上と、これらと共重合性を有する単量体とを共重合することにより得る事ができる。これらと共重合性を有する単量体としてはメタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類等があげられるが、これらに限定されるものではなく、また、製造方法についても何ら限定されるものではない。また、耐熱性メタクリル樹脂、低吸湿性メタクリル樹脂、耐衝撃性メタクリル樹脂等が含まれる。耐衝撃性メタクリル樹脂とは、例えば、メタクリル樹脂にゴム弾性体をブレンドしたものであり、そのゴム弾性体は、特開昭53−58554号公報、特開昭55−94917号公報、特開昭61−32346号公報等に開示されている。
【0008】
ポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールAに代表される二価フェノール系化合物から誘導される重合体が用いられる。ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法、エステル交換法あるいは固相重合法等、周知慣用の方法で製造されたものを使用することができる。
環状オレフィン樹脂とは、ノルボルネンやシクロヘキサジエン等、ポリマー鎖中に環状オレフィン骨格を含む重合体もしくはこれらを含む共重合体であり、非晶性熱可塑性樹脂に属する。その製造方法については特に限定されるものではない。例えば、ノルボルネンを主とした環状オレフィン樹脂としては、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報等に記載されている樹脂を用いることができる。また、必要に応じて軟質重合体を添加してもよい。軟質重合体としては例えば、α−オレフィンからなるオレフィン系軟質重合体、イソブチレンからなるイソブチレン系軟質重合体、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンからなるジエン系軟質重合体、ノルボルネン、シクロペンテン等の環状オレフィンからなる環状オレフィン系軟質重合体、有機ポリシロキサン系軟質重合体、α,β−不飽和酸とその誘導体からなる軟質重合体、不飽和アルコール及びアミンまたはそのアシル誘導体またはアセタールからなる軟質重合体、エポキシ化合物の重合体、フッ素系ゴム等が挙げられる。
【0009】
スチレン系樹脂とは、スチレンを必須成分とするホモポリマー、コポリマー、またはこれらのポリマーと他の樹脂とから得られるポリマーブレンドなどである。特にポリスチレン、アクリロニトリルとスチレンの共重合体樹脂であるAS樹脂、メタクリル酸エステルとスチレンの共重合体樹脂であるMS樹脂であることが好ましい。更に、スチレン系樹脂相中にゴムが分布した透明強化ポリスチレンも好ましく使用できる。スチレン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、周知慣用の方法で製造されたものを使用することができる。
【0010】
非晶性ポリエステルとは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ジヒドロキシ化合物、あるいはこれらの2種以上から選ばれたジヒドロキシ化合物単位と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、ウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、あるいはこれらの2種以上から選ばれたジカルボン酸単位とから形成されるポリエステルの中で、非晶性の樹脂である。非晶性ポリエステルの製造方法は、特に限定されるものではなく、周知慣用の方法で製造されたものを使用することができる。非晶性ポリエステルとして容易に入手し得る市販銘柄としては、イーストマン・コダック社の製品であるKODAR PETGあるいはPCTA(登録商標)等がある。
【0011】
透明熱可塑性樹脂中に空孔を形成させる方法は特に限定されるものではなく、如何なる方法を用いても良い。例えば、発泡剤を用い透明熱可塑性樹脂中で発泡させる方法や中空の微粒子を透明熱可塑性樹脂中に均一分散させる方法などが挙げられる。中空微粒子は特に限定されるものではなく、有機系及び/又は無機系の中空微粒子を良好に使用することができる。更に詳しく言うと、例えば、透明熱可塑性樹脂中に中空微粒子を均一分散させた組成物をシート成形押出機或いはプレス成形機によりシート成形体を得、その後所定のサイズに切り出しカット面を研磨加工して導光板を得る方法、賦形金型を有する射出成形機で成形する方法、透明熱可塑性樹脂原料単量体或いは部分重合体を含むシラップに中空微粒子を分散させた後キャスト法により重合してシート成形体を得、その後所定のサイズに切り出しカット面を研磨加工して導光板を得る方法、等の公知の製法を用いる事ができる。また、透明熱可塑性樹脂と例えば中空微粒子からなる樹脂組成物を、シート成形押出機、プレス成形機、或いは賦形金型を有する射出成形機等で成形し、導光板を得る場合には、分散性、作業性、経済性の観点から熱可塑性樹脂組成物中の微粒子を所望する濃度より濃いマスターバッチペレットとして作製し、成形時に透明熱可塑性樹脂で所望の濃度に希釈する方法を用いてもよい。
【0012】
また、押出機で溶融混練する場合、透明熱可塑性樹脂への中空微粒子の混合方法は、特に限定されるものではない。例えば、ヘンシェルミキサーによる混合、スーパーフローターによる混合、タンブラーによる混合といった周知慣用の混合方法で混合することができる。また、上記混合物を溶融混練する押出機は、単軸または二軸の押出機が挙げられ限定されるものではない。但し中空微粒子の二次凝集防止の観点から二軸押出機を使用することが製造上好ましい。押出機の温度は、使用する透明熱可塑性樹脂の種類によって任意に設定することができる。例えばメタクリル樹脂の場合には、180〜260℃前後である。
【0013】
また、キャスト法による重合方法の条件についても、特に限定されるものではなく、キャスト法の周知慣用の条件を適用することができる。
透明熱可塑性樹脂中の平均空孔径は、0.05〜50μmであり、且つ透明熱可塑性樹脂中に存在する空孔の単位体積あたりの空孔の占める割合、所謂空孔率は、1.5×10−5〜0.3%である。このように特定範囲の平均空孔径と特定範囲の空孔率を両立することで本発明の効果が発現するものである。上記特定範囲の空孔率を有している場合、該平均空孔径は好ましくは0.25〜30μm、更に好ましくは0.6〜15μmである。平均空孔径が0.05μm以上であると散乱性が徐々に強くなり好ましい。平均空孔径が50μm以下ではランプ近傍での強い散乱がなく、その結果輝度斑及び色斑が生じにくくなり好ましい。更に、上記特定範囲の平均空孔径を有してる場合、該空孔率は、好ましくは4.0×10−5〜0.15%であり、更に好ましくは2.0×10−4〜0.06%、最も好ましくは6.0×10−4〜0.03%である。空孔率が1.5×10−5%以上で0.3%未満であると後方反射等による光損失が無く、側面に沿って配設された光源ランプから入光した光の進行方向を導光板の発光面に対して垂直方向寄りに変換させる際、入光した光を効率的に発光面側に散乱させることができ、目標の輝度向上、輝度斑低減、色斑低減が可能となる。
【0014】
更に、本願発明の導光板には、側面に沿って配設された光源ランプから発生する紫外線による着色を抑え、特にカラー用光源装置においてはモニター画面上の色調が長時間使用しても常に一定した色調を示し、輝度の低下及び輝度斑の拡大をも抑制する目的で、紫外線吸収剤を添加する必要がある。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレートのようなサリチル酸系紫外線吸収剤、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類などであり、これらの中から選択される1種以上の紫外線吸収剤を透明熱可塑性樹脂に対して30〜500ppmの濃度で添加する。好ましくは50〜400ppm、更に好ましくは100〜300ppmである。紫外線吸収剤が30ppm以上であると効果が発現し、500ppm以下では導光板への着色の問題がなく輝度の低下にもつながらず好ましい。
【0015】
更に、本発明の導光板には、例えば、グリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸などの高級脂肪酸を離型剤として添加することや、フェノール系、チオエーテル系、フォスファイト系等の酸化防止剤等を添加することが可能であるが、その際は、本発明の目的を損なわない範囲で用いられ、通常5000ppm以下の濃度で用いることが好ましい。
【実施例】
【0016】
以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
(平均粒径の測定方法)
微粒子の平均粒径については、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒体として使用し、「マイクロトラック粒子径分布測定装置9320HRA(X−100)日機装(株)製」を用いて測定した。
(平均空孔径の測定方法)
中空微粒子を含有する試験片を作製し、ウルトラミクロトーム(ライカ社製;ウルトラカットUCT)を使用し厚さ80nmの超薄切片を得た。該超薄切片を四酸化ルテニウム水溶液で蒸気染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子製;JEM−2010)で空孔を観察して空孔数100個を実測することによって平均空孔径を算出した。
【0017】
(導光板の輝度、輝度斑、色斑の測定方法)
図1に示した光源装置に準じ、光源として3mmφの冷陰極管(ハリソン電気製)を導光板の長さ319mm側の両端面に設置し、光反射シートとしてレイホワイト75(きもと製)を用い、導光板の上部に光拡散シートD121(ツジデン製)を2枚載せた。冷陰極管には直流電圧安定装置より12Vの電圧をかけ20分間点灯後に発光面から1m離れた位置に設置した輝度計(CA−1000:ミノルタ製)により、発光面全体を縦19×横19=361分割した測定点の各々の輝度を測定した。次いで得られた361点の測定値から平均輝度を算出した。また、得られた361点の測定値から下記式(1)により輝度斑の評価指標として均斉度を算出した。
均斉度(%)=最小輝度値/最大輝度値×100 ・・・(1)
更に、361点各々の測定により得られたX,Y,Zの値を用い下記式(2)、式(3)により色斑の評価指標として黄色度差を算出した。
黄色度差=黄色度max−黄色度min ・・・(2)
黄色度=100(1.28X−1.06Z)/Y ・・・(3)
評価基準 ○:黄色度差が6未満
△:黄色度差が6〜8未満
×:黄色度差が8以上
【0018】
(導光板の耐光性評価方法)
6mm厚×50mm×50mmの試験片を作製し、該試験片をサンシャインウェザーメーターを用い、JIS−K−7350に準拠して300時間の曝露試験を実施した。試験前後での三刺激値X,Y,Zを測定、下記式(4)、式(5)を用い、計算によりΔYIを算出した。YIの測定機器としては、「TOKYO DENSHOKU CO.,LTD:COLOR AND COLOR DEFFERENCE METTER MODEL TC−1500MC」を用い、光源には標準光Cを使用し、視野角10度で測定を行った。
ΔYI=試験後YI−試験前YI ・・・(4)
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y ・・・(5)
【0019】
(メタクリル樹脂αペレットの製造)
メタクリル酸メチル79.9重量%、アクリル酸メチル5.1重量%、及びエチルベンゼン15重量%からなる単量体混合物に1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン150ppm及びn−オクチルメルカプタン300ppmを添加し、均一に混合した。この混合溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、減圧下で揮発分を除去した後、押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機のサイド部よりフィードポンプを用いて、140℃で加熱溶融された紫外線吸収剤<2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール>を所定量フィードし、押出すことによりメタクリル樹脂αのペレットを得た。このペレットを分析した結果、その共重合率はメタクリル酸メチル単位94.0重量%,アクリル酸メチル単位6.0重量%で、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを150ppm含有したものであった。
【0020】
(メタクリル樹脂βペレットの製造)
紫外線吸収剤<2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール>を未添加以外は上記(メタクリル樹脂αペレットの製造)と同様の方法で重合を行いメタクリル樹脂βペレットを得た。
本発明を実施例に基づいて説明する。
【0021】
[実施例1]
アクリル架橋中空微粒子(平均粒径:8μm、平均空孔径:6μm、ガンツ化成株式会社製)5gをメタクリル樹脂αペレット50kgへ均一にふりかけ、そのままヘンシェルミキサー(三井三池工業(株)製)にて1400回転で2分間ブレンドした。得られた混合ペレットを30mmφ2軸押出機(ナカタニ製)で100Torrに減圧脱揮しながら押出し、メタクリル樹脂組成物ペレットAを得た。得られたペレットAをシート用Tダイを有する50mmφ単軸押出機と温調されたポリシングロールと引き取り装置からなる押出シート成形機を用い、250℃の温度で押出して、幅300mm、厚み6mmで平均空孔径が6μm、空孔率が0.006%の押出板を得た。次いで得られた押出板から幅241mm、長さ319mmのサイズに丸鋸を用いて切り出し、切り出した板のカット面を精密研磨機(PLA−BEAUTY:メガロテクニカ(株)製)を用いて研磨し、更にバフ研磨を施し鏡面状に仕上げ、次いで、15インチサイズのドットグラデーションを施した印刷スクリーンを用い、インクにマットメジウムSR931(ミノグループ製)を使用して、導光板の片面にスクリーン印刷行い導光板を得た。
【0022】
[比較例1]
メタクリル樹脂αペレットをシート用Tダイを有する50mmφ単軸押出機と温調されたポリシングロールと引き取り装置からなる押出シート成形機を用い、250℃の温度で押出して、幅300mm、厚み6mmの押出板を得た。以下実施例1と同様に実施して導光板の片面にスクリーン印刷行い導光板を得た。
【0023】
[比較例2]
メタクリル樹脂αペレットをメタクリル樹脂βペレットに変更した以外は実施例1と同様に実施し、紫外線吸収剤の入っていない導光板を得た。
【0024】
[比較例3]
アクリル架橋中空微粒子(平均粒径:8μm、平均空孔径:6μm、ガンツ化成株式会社製)250gをメタクリル樹脂αペレット50kgへ均一にふりかけ、そのままヘンシェルミキサー(三井三池工業(株)製)にて1400回転で2分間ブレンドした。得られた混合ペレットを30mmφ2軸押出機(ナカタニ製)で100Torrに減圧脱揮しながら押出し、メタクリル樹脂組成物ペレットBを得た。以下実施例1と同様に実施し、厚み6mmで平均空孔径が6μm、空孔率が0.33%の導光板を得た。
【0025】
[比較例4]
三酸化アルミニウム微粒子(平均粒径:0.5μm)0.4gをメタクリル樹脂αペレット50kgへ均一にふりかけ、そのままヘンシェルミキサー(三井三池工業(株)製)にて1400回転で2分間ブレンドした。得られた混合ペレットを30mmφ2軸押出機(ナカタニ製)で100Torrに減圧脱揮しながら押出し、メタクリル樹脂組成物ペレットCを得た。以下実施例1と同様に実施し、三酸化アルミニウムを8ppm含有した導光板を得た。
【0026】
[実施例1]及び[比較例1〜4]で得られた導光板について輝度、輝度斑、色斑測定及び耐光性評価を実施した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
(結果の概要)
・実施例1は輝度、輝度斑、色斑及び耐光性の全てに優れた性能を発現した。
・比較例1は実施例1に比べ輝度が低く、輝度斑が大きいものであった。
・比較例2は実施例1に比べ耐光性が劣るものであった。
・比較例3は実施例1に比べ輝度が低く、輝度斑も大きく更に色斑も大きいものであった。
・比較例4は実施例1に比べ輝度が若干低く輝度斑、色斑ともに大きいものであった。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の導光板は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのオフィスオートメーション機器、画像信号を表示する各種モニター、例えばパネルモニター、テレビモニター等に用いられる表示装置及び室内外空間の照明装置に使用される表示装置や看板等に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の導光板を用いたエッジライト方式液晶光源装置での輝度評価方法の一例を示したものである。
【符号の説明】
【0031】
A:光源(冷陰極管)
B:ランプハウス
C:導光板
D:光反射シート
E:光拡散シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面が光出射面である透明熱可塑性樹脂基板の少なくとも1つ以上の端面に光源が配置されたエッジライト方式の面光源装置において、該透明熱可塑性樹脂基板中に空孔を有し、該空孔の空孔率が、1.5×10−5〜0.3%、平均空孔径が0.05〜50μm、紫外線吸収剤が30〜500ppm含有されてなることを特徴とするバックライト用導光板。
【請求項2】
透明熱可塑性樹脂が、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及び環状オレフィン系樹脂からなる群から選ばれる樹脂である請求項1に記載のバックライト用導光板。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−32254(P2006−32254A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212694(P2004−212694)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】