空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラム
【課題】各利用者に負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供可能な空席予定情報提供システムを提供する。
【解決手段】受信装置100は、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、乗車券から乗車区間情報を取得し送信する。主サーバ130は、受信装置100から送信された乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定する。主サーバ130は、推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し、降車予定駅情報データベースに登録する。主サーバ130は、降車予定駅情報データベースを参照して、利用者の携帯端末140に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する。
【解決手段】受信装置100は、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、乗車券から乗車区間情報を取得し送信する。主サーバ130は、受信装置100から送信された乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定する。主サーバ130は、推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し、降車予定駅情報データベースに登録する。主サーバ130は、降車予定駅情報データベースを参照して、利用者の携帯端末140に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムに関し、更に詳しくは、利用者に座席の着席状況を提供する空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
列車等の座席の利用状況を通知するシステムがある。そのようなシステムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1では、ユーザが所持するユーザ携帯端末と、座席に設置された座席無線装置と、列車サーバと、列車情報提供サーバとを用いる。ユーザ携帯端末には、あらかじめ降車駅情報を登録しておく。座席無線装置は、着席した乗客のユーザ携帯端末から降車駅情報を取得する。座席無線装置は、各座席に座っている乗客のユーザ携帯端末しか感知しないような微弱かつ直線的な電波を送出し、各座席上のユーザ携帯端末との間でだけ通信可能な程度の通信距離や感度を持っている。
【0003】
列車サーバは、各列車に1台設置されるワークステーションサーバ等の情報処理装置である。座席無線装置が取得した降車駅情報は、列車サーバに送信される。列車サーバは、受信した情報に基づいて、座席状況、具体的には座席ごとの空席/着席情報や、着席乗客の降車駅情報を生成する。また、車両ごとの混雑状況(乗車率)を集計する。列車サーバが生成・集計した座席状況、混雑状況は、列車センターに設けられた列車情報提供サーバに送信される。列車情報提供サーバは、座席状況、混雑状況を受信すると、これら情報を、列車ごとに、内部のデータベースに格納する。列車情報提供サーバは、ユーザからの求めに応じて、座席状況や混雑状況を、ユーザに提供する。
【0004】
通常、通勤電車等の座席指定ではない車両に乗った乗客は、座席が埋まっているときには、第六感を働かせるなどしてすぐに降車しそうな着席者を推理し、その座席のそばで、空席ができるのを辛抱強く待つことになる。推理が外れ、少し離れた座席が空くと、後から乗車してきた乗客に先に着席され、最悪の場合は、自分の降車駅まで座ることができない。特許文献1では、列車提供サーバから、座席状況や混雑状況の提供を受けることで、空席がある車両や、着席者の降車駅を知ることができる。ユーザは、どの駅でどの乗客が降車してどの座席が空席になるのか知ることで、着席の可能性を高めることができる。
【特許文献1】特開2004−110508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、各ユーザが、事前に、自身のユーザ携帯端末に降車駅情報を登録する必要がある。これに関して、特許文献1には、降車駅情報を提供したユーザに対して、プリペイドカード等の景品や、運賃割引などの何らかの特典を付与することで、降車駅情報の登録等のユーザにとって負担になる作業を自主的に行ってもらう動機付けにするという記載がある。しかし、特典を付与したとしても、ユーザが自主的に降車駅情報をユーザ携帯端末に登録するとは限らない。降車駅情報が得られなければ、利用者に着席者の降車駅を知らせることはできず、利用者は、どの駅でどの座席が空席になるかを知ることはできない。つまり、各ユーザに負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供することはできない。
【0006】
本発明は、各利用者に負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供可能な空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の空席予定情報提供システムは、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、前記乗車券から乗車区間情報を取得し送信する受信装置と、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する降車予定駅情報データベース登録部と、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する空席予定情報提供部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の空席予定情報提供方法は、コンピュータを用い、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する方法であって、前記コンピュータが、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得するステップと、前記コンピュータが、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録するステップと、前記コンピュータが、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供するステップとを有することを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、コンピュータに、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得する処理と、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する処理と、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムは、各利用者に負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、電車を例に挙げて説明するが、座席指定ではない座席を有する乗り物であれば、例えばバスや船など、他の乗合交通機関でもよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の空席予定情報提供システムを示している。空席予定情報提供システムは、受信装置100、中継装置110、車両情報サーバ120、及び、主サーバ130を備える。受信装置100、中継装置110、及び、車両情報サーバ120は、電車内に設置される。主サーバ130は、データ管理センターに設置される。携帯端末140は、利用者が使用する、携帯電話機などの携帯型端末装置である。携帯端末140は、ネットワーク200を経由して、主サーバ130にアクセス可能である。
【0013】
図2に、電車内の構成を示す。受信装置100は、電車の各座席下に1つずつ取り付けられる。図3に、座席の拡大図を示す。受信装置100は、例えば、座席の腰掛の部分の下に設置される。受信装置100は、人体が座席に座ったことを検知する機能と、乗客が携帯しているICカード型定期券から発せされる情報(電波)を受信する機能とを有する。受信装置100は、乗客の着席を検出すると、ICカード型定期券との間の通信を開始し、ICカード型定期券から、定期券の乗車区間情報を読み出す。受信装置100は、読み出した情報に、自身に固有の識別番号(座席番号)と受信強度の情報とを付加し、中継装置110へデータ送信する。
【0014】
中継装置110は、各車両に1台ずつ設置されている。中継装置110は、例えば、各車両の天井の中央付近に設置される。中継装置110は、車両内の受信装置100から送信された情報を収集する。中継装置110は、収集した情報に、自身に固有の識別番号(車両番号)を付加し、車両情報サーバ120へデータ送信する。車両情報サーバ120は、一列車につき、一台が配置される。車両情報サーバ120は、例えば、先頭車両の運転室に設置される。車両情報サーバ120は、中継装置110を介して、各車両の受信装置100から送信された情報を収集する。
【0015】
中継装置110は、自身が設置された車両に車両情報サーバ120が設置されているときは、収集した情報を、直接に車両情報サーバ120へ送信する。自身が設置された車両に車両情報サーバ120がない場合は、車両情報サーバ120が設置された車両に向けて、他の中継装置110を1つずつ中継しながら、収集した情報を、車両情報サーバ120へ送信する。例えば、3両編成の場合は、3両目の中継装置110は、収集した3両目の情報を2両目の中継装置110へ送信する。2両目の車両の中継装置110は、収集した2両目の情報を1両目(先頭車両)の中継装置110に送信すると共に、3両目の情報を先頭車両の中継装置110に中継する。先頭車両の中継装置110は、収集した先頭車両の情報を車両情報サーバ120に送信すると共に、2両目及び3両目の情報を車両情報サーバ120に中継する。
【0016】
図4に、車両情報サーバ120の構成を示す。車両情報サーバ120は、データ処理部121と車両情報データベース122とを有する。データ処理部121は、車両情報データベース登録部123と、車両情報送信部124とを有する。車両情報データベース122は、座席ごとに着席者の乗車区間情報を記憶する。図5に、車両情報データベース122の記録内容の具体例を示す。車両情報データベース122には、中継装置110の識別番号と受信装置100の識別番号との組について、定期券の乗車区間情報が記憶される。
【0017】
車両情報データベース登録部123は、各受信装置100が中継装置110を介して送信した情報を受信する。車両情報データベース登録部123は、受信した定期券の乗車区間情報を、車両情報データベース122に登録する。車両情報データベース登録部123は、車両情報データベース122への定期券の乗車区間情報の登録に際して、1つの受信装置100で、複数のICカード型定期券の情報を受信しているときには、データ重複処理を行い、受信した情報のうちで、最も受信強度が強いものを車両情報データベース122に登録する。その他の情報は、破棄する。
【0018】
車両情報送信部124は、車両情報データベース122から、各座席の着席者の定期券の乗車区間情報を取得する。その後、取得した乗車区間情報に、自装置に固有の識別番号を付加して、インターネット等のネットワーク200を介して、データ管理センター内の主サーバ130にデータ送信する。
【0019】
図6に、主サーバ130の構成を示す。主サーバ130は、データ処理部131、受信データベース132、電車運行スケジュールデータベース133、及び、降車予定駅情報データベース134を備える。データ処理部131は、受信データベース登録部135、降車予定駅情報データベース登録部136、電車検索部137、及び、空席予定情報提供部138を有する。受信データベース登録部135は、運行中の電車の車両情報サーバ120から、車両情報データベース122の情報を収集する。受信データベース登録部135は、受信した情報を、受信データベース132に登録する。
【0020】
図7に、受信データベース132の記録内容の具体例を示す。受信データベース132には、車両情報サーバ120の識別番号、中継装置110の識別番号、及び、受信装置100の組について、定期券の乗車区間情報が記録される。この受信データベース132を参照することで、各電車の各車両の各座席席の着席者の定期券乗車区間を調べることができる。
【0021】
電車運行スケジュールデータベース133は、電車の運行スケジュールを記憶している。図8に、電車運行スケジュールデータベース133の記録内容の具体例を示す。電車運行スケジュールデータベース133は、電車識別番号と、その電車の終着駅と、途中の停車駅と、途中駅の発車時刻とを記憶する。また、電車運行スケジュールデータベース133は、電車識別番号と車両情報サーバ120の識別番号との対応も記憶する。電車運行スケジュールデータベース133を参照することで、電車の停車駅などを調べることができる。また、電車と、車両情報サーバ120との対応関係を調べることができる。
【0022】
降車予定駅情報データベース登録部136は、受信データベース132のデータと電車運行スケジュールデータベース133のデータとを統合処理し、降車予定駅情報を生成する。降車予定駅情報の生成では、まず、電車運行スケジュールデータベース133を参照して、電車の行き先(上り/下り)を調べる。その後、受信データベース132を参照し、電車の行き先と着席者の定期券の乗車区間情報とから、着席者の降車予定駅を推定する。乗車区間が、当該電車の路線とは異なるときは、図示しない記憶装置内に記憶された路線情報を参照して乗換駅を割り出し、その乗換駅を降車予定駅とすればよい。降車予定駅情報データベース登録部136は、降車予定駅を推定すると、推定した降車予定駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成する。降車予定駅情報データベース登録部136は、降車予定駅情報の生成後、生成した降車予定駅情報を、降車予定駅情報データベース134に登録する。
【0023】
図9に、降車予定駅情報データベース134の記録内容の具体例を示す。降車予定駅情報データベース134には、電車識別番号と、車両識別番号(中継装置110の識別番号)と、座席識別番号(受信装置100の識別番号)と、降車予定駅とを対応付けた降車予定駅情報が記憶される。降車予定駅情報データベース134を参照することで、どの電車のどの車両のどの座席に着席した乗客が、どの駅で降車する予定であるかを調べることができる。
【0024】
電車検索部137は、電車運行スケジュールデータベース133を参照し、利用者からの要求に応じて、利用者が乗車可能な電車を検索する。電車の検索は、例えば、乗車駅、降車駅、乗車時間などを指定することで行う。空席予定情報提供部138は、利用者からの要求に応じて、利用者が乗車中又は乗車予定の電車について、空席になる予定の座席に関する情報を提供する。空席予定情報提供部138は、利用者が、電車検索部137を用いて乗車可能な電車の検索を行った場合には、電車検索部137にて検索された電車について、空席になる予定の座席に関する情報を提供すればよい。
【0025】
図10に、着席者の乗車区間情報の収集から主サーバ130へのデータ送信までの動作手順を示す。乗客が携帯するICカード型定期券は、「定期券の乗車区間情報」を電波発信する(ステップA1)。受信装置100は、乗客が座席に座ったことを検出すると(ステップA2)、ICカード型定期券から「定期券の乗車区間情報」を受信する(ステップA3)。乗車区間情報の受信後、受信装置100は、受信した「定期券の乗車区間情報」に、受信強度の情報と、自装置固有の識別番号とを付加して、中継装置110へデータ送信する(ステップA4)。受信装置100は、ステップA4のデータ送信を、所定時間間隔、例えば10秒間隔で行う(ステップA5)。受信装置100は、着席者が席を立ったことを検出すると、データ送信を停止する(ステップA6)。
【0026】
中継装置110は、車両内の受信装置100から送信されたデータを受信する(ステップA7)。中継装置110は、データを受信すると、受信データに自装置固有の識別番号を付加し、車両情報サーバ120に向けてデータ送信する(ステップA8)。先頭車両の中継装置110が受信した受信装置100からのデータは、直接に、車両情報サーバ120に送信される。2両目以降の中継装置110からのデータについては、1つ前の車両の中継装置110がデータ中継を行うことで1両ずつ先頭車両側に送られ、最終的に、先頭車両の中継装置110から車両情報サーバ120に送信される。
【0027】
車両情報サーバ120は、各車両の中継装置110から送信されたデータを受信する(ステップA9)。車両情報データベース登録部123は、ステップA9で受信したデータを、車両情報データベース122に記憶する。このとき、1つの受信装置100で複数のICカード型定期券情報を検出しているときは、電波強度を相互に比較し(ステップA10)、受信強度が最も強い情報を、車両情報データベース122に登録する(ステップA11)。つまり、受信装置100の近辺で検出されたICカード型定期券のうちで、最も受信装置100に近いICカード型定期券を特定し、その定期券の乗車区間情報を、車両情報データベース122に登録する。
【0028】
車両情報送信部124は、車両情報データベース122から、登録された情報を取得し、データ管理センター内の主サーバ130へ送信する(ステップA12)。車両情報送信部124は、車両情報データベース122に記録された情報を、周期的に、例えば、10秒間隔で取得し、主サーバ130へ送信する。
【0029】
図11に、車両情報サーバ120が送信したデータの受信から空席になる予定の座席に関する情報の提供までの動作手順を示す。主サーバ130は、車両情報サーバ120が図10のステップA12で送信したデータを受信する(ステップB1)。受信データベース登録部135は、ステップB1で受信したデータを、受信データベース132に登録する(ステップB2)。降車予定駅情報データベース登録部136は、ステップB2で登録されたデータと、電車運行スケジュールデータベース133に記録された運行情報とから、利用者照会向けのデータである降車予定駅情報を生成し(ステップB3)、作成した降車予定駅情報を、降車予定駅情報データベース134に登録する(ステップB4)。降車予定駅情報データベース登録部136は、受信データベース132の更新が行われるたびに、降車予定駅情報データベース134の更新を行い、各車両、各座席の降車予定駅情報を最新の状態に保つ。
【0030】
利用者は、携帯端末140を利用して、ネットワーク200経由で主サーバ130にアクセスする(ステップB5)。主サーバ130は、携帯端末140との接続が完了すると、「情報照会メニュー」を携帯端末140に送信する(ステップB6)。利用者は、携帯端末140の表示画面に表示された「情報照会メニュー」から、空席予定情報の送信を選び、主サーバ130に対して、空席予定情報の送信を要求する(ステップB7)。空席予定情報の送信要求では、利用者は、目的となる電車と、乗車駅及び行き先(降車駅)とを指定する。目的となる電車は、例えば、「○○駅発○○行○○電車」という形で指定する。利用者は、電車の運行情報を知っている場合には、目的となる電車の指定を直接に行うことができる。運行情報を知らない場合は、「情報照会メニュー」から「電車検索」を選択して「乗車駅、時刻、行き先」などのキーワードを入力し、電車検索部137を用いて、目的の電車を検索してもよい。
【0031】
空席予定情報提供部138は、降車予定駅情報データベース134を参照して、目的となる電車についての空席予定情報を生成し、携帯端末140に、空席予定情報を送信する(ステップB8)。空席予定情報の生成では、例えば、降車予定駅情報データベース134に記録された各座席の着席者の降車予定駅を参照して、降車予定駅と利用者の行き先(降車駅)とを比較する。空席予定情報提供部138は、利用者の行き先よりも手前で降車すると見込まれる着席者が着席している座席をリストアップし、その座席を特定する情報を空席予定情報に含める。
【0032】
携帯端末140は、空席予定情報を受信すると、表示画面に空席予定情報を表示し、利用者に、どの座席がどの駅で空席になるかを通知する(ステップB9)。ステップB9では、携帯端末140は、例えば、「○○駅発○○行○○電車○○両目○○座席は、△△駅にて空席予定」という空席予定情報を表示して、利用者に空席予定情報を通知する。なお、目的となる電車が満席ではなく、空席が存在する場合には、空席予定情報に代えて、又は、これに加えて、空席情報を表示してもよい。
【0033】
本実施形態では、受信装置100は、着席者のICカード型定期券との間で無線通信を行い、ICカード型定期券から乗車区間情報を取得する。降車予定駅情報データベース登録部136は、受信装置100が取得した乗車区間情報から着席者の降車駅を推定し、降車予定駅情報データベース134に、降車予定駅情報を登録する。空席予定情報提供部138は、降車予定駅情報データベース134を参照して、利用者に、空席予定情報を提供する。空席予定情報を参照することで、着席者がいち早く降車する座席を特定することができるので、利用者は、その座席の近くで空席待ちをすることができる。これにより、第六感を働かせるなどしてすぐに降車しそうな着席者を推理し、その座席のそばで空席待ちする場合に比して、利用者の着席の可能性を高めることができる。また、本実施形態では、車両内でICカード型定期券から乗車区間情報を読み出し、乗車区間情報から着席者の降車駅を推定する。このため、着席者は、事前に降車駅情報を携帯端末140に設定しておく必要がなく、着席者に負担を強いることなく、空席予定情報を提供できる。
【0034】
なお、上記実施形態では、利用者が指定した目的の電車について空席予定情報を送信したが、利用者が指定した電車の前後の電車を含めて空席予定情報を送信してもよい。その場合には、まず、各電車について空席数、途中駅からの空席予定数を表示しておき、利用者が電車を選択すると、その詳細、すなわち、どの車両のどの座席が空席であるかや、どの座席がどの駅から空席になる予定であるかを利用者に提示すればよい。このようにする場合は、利用者は、目的の電車の前後の電車を含めて混雑状況がわかるので、乗車する電車を1本遅らせ、或いは、混んでいない電車を選んで乗車するといったことが可能である。利用者の乗車時間が長いときほど、利用者は早く座れる電車を選びたいものであるため、混雑状況がわかるメリットは大きい。
【0035】
上記実施形態では、着席者が所持するICカード型定期券から乗車区間情報を取得し、降車予定駅を推定した。将来的に、乗車券に、無線通信機能が備わったときには、乗車券から降車駅情報を読み出してもよい。その場合は、乗車区間情報から降車駅を推定する場合に比して、降車駅予測の精度を上げることができる。降車駅が直接指定されないタイプの乗車券、例えば、乗車駅から140円区間といった乗車券の場合は、乗車駅からの距離などに応じて当該乗車券で降車可能な駅を調べ、そのうちで最も乗車駅から遠い駅を降車予定駅としてもよい。なお、厳密には、定期券と乗車券とは区別されるべきものであるが、本明細書では、定期券も、乗車券の概念に含むものとして取り扱うこととする。
【0036】
上記実施形態では、車両情報データベース122への乗車区間情報の登録の際に、重複処理を行うとした、すなわち、車両情報サーバ120のデータ処理部121にて重複処理を行うとしたが、重複処理を、主サーバ130のデータ処理部131にて行う構成も可能である。その場合には、主サーバ130にて、受信装置100による乗車区間情報の際の受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて降車予定駅を推定し、推定した降車予定駅を、降車予定駅情報データベース134に登録すればよい。つまりは、車両情報サーバ120の段階で受信強度が最も高い乗車区間情報を特定しておくか、主サーバ130にて受信強度が最も高い乗車区間情報を特定するかは、任意である。
【0037】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムは、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態の空席予定情報提供システムの構成を示すブロック図。
【図2】電車内の配置を示すブロック図。
【図3】受信装置付近を拡大して示す図。
【図4】車両情報サーバの構成を示すブロック図。
【図5】車両情報データベースの記録内容を示す図。
【図6】主サーバの構成を示すブロック図。
【図7】受信データベースの記録内容を示す図。
【図8】電車運行スケジュールデータベースの記録内容を示す図。
【図9】降車予定駅情報データベースの記録内容を示す図。
【図10】動作手順を示すフローチャート。
【図11】動作手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0039】
100:受信装置
110:中継装置
120:車両情報サーバ
121:データ処理部
122:車両情報データベース
123:車両情報データベース登録部
124:車両情報送信部
130:主サーバ
131:データ処理部
132:受信データベース
133:電車運行スケジュールデータベース
134:降車予定駅情報データベース
135:受信データベース登録部
136:降車予定駅情報データベース登録部
137:電車検索部
138:空席予定情報提供部
140:端末装置
200:ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムに関し、更に詳しくは、利用者に座席の着席状況を提供する空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
列車等の座席の利用状況を通知するシステムがある。そのようなシステムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1では、ユーザが所持するユーザ携帯端末と、座席に設置された座席無線装置と、列車サーバと、列車情報提供サーバとを用いる。ユーザ携帯端末には、あらかじめ降車駅情報を登録しておく。座席無線装置は、着席した乗客のユーザ携帯端末から降車駅情報を取得する。座席無線装置は、各座席に座っている乗客のユーザ携帯端末しか感知しないような微弱かつ直線的な電波を送出し、各座席上のユーザ携帯端末との間でだけ通信可能な程度の通信距離や感度を持っている。
【0003】
列車サーバは、各列車に1台設置されるワークステーションサーバ等の情報処理装置である。座席無線装置が取得した降車駅情報は、列車サーバに送信される。列車サーバは、受信した情報に基づいて、座席状況、具体的には座席ごとの空席/着席情報や、着席乗客の降車駅情報を生成する。また、車両ごとの混雑状況(乗車率)を集計する。列車サーバが生成・集計した座席状況、混雑状況は、列車センターに設けられた列車情報提供サーバに送信される。列車情報提供サーバは、座席状況、混雑状況を受信すると、これら情報を、列車ごとに、内部のデータベースに格納する。列車情報提供サーバは、ユーザからの求めに応じて、座席状況や混雑状況を、ユーザに提供する。
【0004】
通常、通勤電車等の座席指定ではない車両に乗った乗客は、座席が埋まっているときには、第六感を働かせるなどしてすぐに降車しそうな着席者を推理し、その座席のそばで、空席ができるのを辛抱強く待つことになる。推理が外れ、少し離れた座席が空くと、後から乗車してきた乗客に先に着席され、最悪の場合は、自分の降車駅まで座ることができない。特許文献1では、列車提供サーバから、座席状況や混雑状況の提供を受けることで、空席がある車両や、着席者の降車駅を知ることができる。ユーザは、どの駅でどの乗客が降車してどの座席が空席になるのか知ることで、着席の可能性を高めることができる。
【特許文献1】特開2004−110508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、各ユーザが、事前に、自身のユーザ携帯端末に降車駅情報を登録する必要がある。これに関して、特許文献1には、降車駅情報を提供したユーザに対して、プリペイドカード等の景品や、運賃割引などの何らかの特典を付与することで、降車駅情報の登録等のユーザにとって負担になる作業を自主的に行ってもらう動機付けにするという記載がある。しかし、特典を付与したとしても、ユーザが自主的に降車駅情報をユーザ携帯端末に登録するとは限らない。降車駅情報が得られなければ、利用者に着席者の降車駅を知らせることはできず、利用者は、どの駅でどの座席が空席になるかを知ることはできない。つまり、各ユーザに負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供することはできない。
【0006】
本発明は、各利用者に負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供可能な空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の空席予定情報提供システムは、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、前記乗車券から乗車区間情報を取得し送信する受信装置と、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する降車予定駅情報データベース登録部と、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する空席予定情報提供部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の空席予定情報提供方法は、コンピュータを用い、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する方法であって、前記コンピュータが、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得するステップと、前記コンピュータが、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録するステップと、前記コンピュータが、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供するステップとを有することを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、コンピュータに、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得する処理と、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する処理と、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムは、各利用者に負担を強いることなく、利用者に空席になる予定の座席に関する情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、電車を例に挙げて説明するが、座席指定ではない座席を有する乗り物であれば、例えばバスや船など、他の乗合交通機関でもよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の空席予定情報提供システムを示している。空席予定情報提供システムは、受信装置100、中継装置110、車両情報サーバ120、及び、主サーバ130を備える。受信装置100、中継装置110、及び、車両情報サーバ120は、電車内に設置される。主サーバ130は、データ管理センターに設置される。携帯端末140は、利用者が使用する、携帯電話機などの携帯型端末装置である。携帯端末140は、ネットワーク200を経由して、主サーバ130にアクセス可能である。
【0013】
図2に、電車内の構成を示す。受信装置100は、電車の各座席下に1つずつ取り付けられる。図3に、座席の拡大図を示す。受信装置100は、例えば、座席の腰掛の部分の下に設置される。受信装置100は、人体が座席に座ったことを検知する機能と、乗客が携帯しているICカード型定期券から発せされる情報(電波)を受信する機能とを有する。受信装置100は、乗客の着席を検出すると、ICカード型定期券との間の通信を開始し、ICカード型定期券から、定期券の乗車区間情報を読み出す。受信装置100は、読み出した情報に、自身に固有の識別番号(座席番号)と受信強度の情報とを付加し、中継装置110へデータ送信する。
【0014】
中継装置110は、各車両に1台ずつ設置されている。中継装置110は、例えば、各車両の天井の中央付近に設置される。中継装置110は、車両内の受信装置100から送信された情報を収集する。中継装置110は、収集した情報に、自身に固有の識別番号(車両番号)を付加し、車両情報サーバ120へデータ送信する。車両情報サーバ120は、一列車につき、一台が配置される。車両情報サーバ120は、例えば、先頭車両の運転室に設置される。車両情報サーバ120は、中継装置110を介して、各車両の受信装置100から送信された情報を収集する。
【0015】
中継装置110は、自身が設置された車両に車両情報サーバ120が設置されているときは、収集した情報を、直接に車両情報サーバ120へ送信する。自身が設置された車両に車両情報サーバ120がない場合は、車両情報サーバ120が設置された車両に向けて、他の中継装置110を1つずつ中継しながら、収集した情報を、車両情報サーバ120へ送信する。例えば、3両編成の場合は、3両目の中継装置110は、収集した3両目の情報を2両目の中継装置110へ送信する。2両目の車両の中継装置110は、収集した2両目の情報を1両目(先頭車両)の中継装置110に送信すると共に、3両目の情報を先頭車両の中継装置110に中継する。先頭車両の中継装置110は、収集した先頭車両の情報を車両情報サーバ120に送信すると共に、2両目及び3両目の情報を車両情報サーバ120に中継する。
【0016】
図4に、車両情報サーバ120の構成を示す。車両情報サーバ120は、データ処理部121と車両情報データベース122とを有する。データ処理部121は、車両情報データベース登録部123と、車両情報送信部124とを有する。車両情報データベース122は、座席ごとに着席者の乗車区間情報を記憶する。図5に、車両情報データベース122の記録内容の具体例を示す。車両情報データベース122には、中継装置110の識別番号と受信装置100の識別番号との組について、定期券の乗車区間情報が記憶される。
【0017】
車両情報データベース登録部123は、各受信装置100が中継装置110を介して送信した情報を受信する。車両情報データベース登録部123は、受信した定期券の乗車区間情報を、車両情報データベース122に登録する。車両情報データベース登録部123は、車両情報データベース122への定期券の乗車区間情報の登録に際して、1つの受信装置100で、複数のICカード型定期券の情報を受信しているときには、データ重複処理を行い、受信した情報のうちで、最も受信強度が強いものを車両情報データベース122に登録する。その他の情報は、破棄する。
【0018】
車両情報送信部124は、車両情報データベース122から、各座席の着席者の定期券の乗車区間情報を取得する。その後、取得した乗車区間情報に、自装置に固有の識別番号を付加して、インターネット等のネットワーク200を介して、データ管理センター内の主サーバ130にデータ送信する。
【0019】
図6に、主サーバ130の構成を示す。主サーバ130は、データ処理部131、受信データベース132、電車運行スケジュールデータベース133、及び、降車予定駅情報データベース134を備える。データ処理部131は、受信データベース登録部135、降車予定駅情報データベース登録部136、電車検索部137、及び、空席予定情報提供部138を有する。受信データベース登録部135は、運行中の電車の車両情報サーバ120から、車両情報データベース122の情報を収集する。受信データベース登録部135は、受信した情報を、受信データベース132に登録する。
【0020】
図7に、受信データベース132の記録内容の具体例を示す。受信データベース132には、車両情報サーバ120の識別番号、中継装置110の識別番号、及び、受信装置100の組について、定期券の乗車区間情報が記録される。この受信データベース132を参照することで、各電車の各車両の各座席席の着席者の定期券乗車区間を調べることができる。
【0021】
電車運行スケジュールデータベース133は、電車の運行スケジュールを記憶している。図8に、電車運行スケジュールデータベース133の記録内容の具体例を示す。電車運行スケジュールデータベース133は、電車識別番号と、その電車の終着駅と、途中の停車駅と、途中駅の発車時刻とを記憶する。また、電車運行スケジュールデータベース133は、電車識別番号と車両情報サーバ120の識別番号との対応も記憶する。電車運行スケジュールデータベース133を参照することで、電車の停車駅などを調べることができる。また、電車と、車両情報サーバ120との対応関係を調べることができる。
【0022】
降車予定駅情報データベース登録部136は、受信データベース132のデータと電車運行スケジュールデータベース133のデータとを統合処理し、降車予定駅情報を生成する。降車予定駅情報の生成では、まず、電車運行スケジュールデータベース133を参照して、電車の行き先(上り/下り)を調べる。その後、受信データベース132を参照し、電車の行き先と着席者の定期券の乗車区間情報とから、着席者の降車予定駅を推定する。乗車区間が、当該電車の路線とは異なるときは、図示しない記憶装置内に記憶された路線情報を参照して乗換駅を割り出し、その乗換駅を降車予定駅とすればよい。降車予定駅情報データベース登録部136は、降車予定駅を推定すると、推定した降車予定駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成する。降車予定駅情報データベース登録部136は、降車予定駅情報の生成後、生成した降車予定駅情報を、降車予定駅情報データベース134に登録する。
【0023】
図9に、降車予定駅情報データベース134の記録内容の具体例を示す。降車予定駅情報データベース134には、電車識別番号と、車両識別番号(中継装置110の識別番号)と、座席識別番号(受信装置100の識別番号)と、降車予定駅とを対応付けた降車予定駅情報が記憶される。降車予定駅情報データベース134を参照することで、どの電車のどの車両のどの座席に着席した乗客が、どの駅で降車する予定であるかを調べることができる。
【0024】
電車検索部137は、電車運行スケジュールデータベース133を参照し、利用者からの要求に応じて、利用者が乗車可能な電車を検索する。電車の検索は、例えば、乗車駅、降車駅、乗車時間などを指定することで行う。空席予定情報提供部138は、利用者からの要求に応じて、利用者が乗車中又は乗車予定の電車について、空席になる予定の座席に関する情報を提供する。空席予定情報提供部138は、利用者が、電車検索部137を用いて乗車可能な電車の検索を行った場合には、電車検索部137にて検索された電車について、空席になる予定の座席に関する情報を提供すればよい。
【0025】
図10に、着席者の乗車区間情報の収集から主サーバ130へのデータ送信までの動作手順を示す。乗客が携帯するICカード型定期券は、「定期券の乗車区間情報」を電波発信する(ステップA1)。受信装置100は、乗客が座席に座ったことを検出すると(ステップA2)、ICカード型定期券から「定期券の乗車区間情報」を受信する(ステップA3)。乗車区間情報の受信後、受信装置100は、受信した「定期券の乗車区間情報」に、受信強度の情報と、自装置固有の識別番号とを付加して、中継装置110へデータ送信する(ステップA4)。受信装置100は、ステップA4のデータ送信を、所定時間間隔、例えば10秒間隔で行う(ステップA5)。受信装置100は、着席者が席を立ったことを検出すると、データ送信を停止する(ステップA6)。
【0026】
中継装置110は、車両内の受信装置100から送信されたデータを受信する(ステップA7)。中継装置110は、データを受信すると、受信データに自装置固有の識別番号を付加し、車両情報サーバ120に向けてデータ送信する(ステップA8)。先頭車両の中継装置110が受信した受信装置100からのデータは、直接に、車両情報サーバ120に送信される。2両目以降の中継装置110からのデータについては、1つ前の車両の中継装置110がデータ中継を行うことで1両ずつ先頭車両側に送られ、最終的に、先頭車両の中継装置110から車両情報サーバ120に送信される。
【0027】
車両情報サーバ120は、各車両の中継装置110から送信されたデータを受信する(ステップA9)。車両情報データベース登録部123は、ステップA9で受信したデータを、車両情報データベース122に記憶する。このとき、1つの受信装置100で複数のICカード型定期券情報を検出しているときは、電波強度を相互に比較し(ステップA10)、受信強度が最も強い情報を、車両情報データベース122に登録する(ステップA11)。つまり、受信装置100の近辺で検出されたICカード型定期券のうちで、最も受信装置100に近いICカード型定期券を特定し、その定期券の乗車区間情報を、車両情報データベース122に登録する。
【0028】
車両情報送信部124は、車両情報データベース122から、登録された情報を取得し、データ管理センター内の主サーバ130へ送信する(ステップA12)。車両情報送信部124は、車両情報データベース122に記録された情報を、周期的に、例えば、10秒間隔で取得し、主サーバ130へ送信する。
【0029】
図11に、車両情報サーバ120が送信したデータの受信から空席になる予定の座席に関する情報の提供までの動作手順を示す。主サーバ130は、車両情報サーバ120が図10のステップA12で送信したデータを受信する(ステップB1)。受信データベース登録部135は、ステップB1で受信したデータを、受信データベース132に登録する(ステップB2)。降車予定駅情報データベース登録部136は、ステップB2で登録されたデータと、電車運行スケジュールデータベース133に記録された運行情報とから、利用者照会向けのデータである降車予定駅情報を生成し(ステップB3)、作成した降車予定駅情報を、降車予定駅情報データベース134に登録する(ステップB4)。降車予定駅情報データベース登録部136は、受信データベース132の更新が行われるたびに、降車予定駅情報データベース134の更新を行い、各車両、各座席の降車予定駅情報を最新の状態に保つ。
【0030】
利用者は、携帯端末140を利用して、ネットワーク200経由で主サーバ130にアクセスする(ステップB5)。主サーバ130は、携帯端末140との接続が完了すると、「情報照会メニュー」を携帯端末140に送信する(ステップB6)。利用者は、携帯端末140の表示画面に表示された「情報照会メニュー」から、空席予定情報の送信を選び、主サーバ130に対して、空席予定情報の送信を要求する(ステップB7)。空席予定情報の送信要求では、利用者は、目的となる電車と、乗車駅及び行き先(降車駅)とを指定する。目的となる電車は、例えば、「○○駅発○○行○○電車」という形で指定する。利用者は、電車の運行情報を知っている場合には、目的となる電車の指定を直接に行うことができる。運行情報を知らない場合は、「情報照会メニュー」から「電車検索」を選択して「乗車駅、時刻、行き先」などのキーワードを入力し、電車検索部137を用いて、目的の電車を検索してもよい。
【0031】
空席予定情報提供部138は、降車予定駅情報データベース134を参照して、目的となる電車についての空席予定情報を生成し、携帯端末140に、空席予定情報を送信する(ステップB8)。空席予定情報の生成では、例えば、降車予定駅情報データベース134に記録された各座席の着席者の降車予定駅を参照して、降車予定駅と利用者の行き先(降車駅)とを比較する。空席予定情報提供部138は、利用者の行き先よりも手前で降車すると見込まれる着席者が着席している座席をリストアップし、その座席を特定する情報を空席予定情報に含める。
【0032】
携帯端末140は、空席予定情報を受信すると、表示画面に空席予定情報を表示し、利用者に、どの座席がどの駅で空席になるかを通知する(ステップB9)。ステップB9では、携帯端末140は、例えば、「○○駅発○○行○○電車○○両目○○座席は、△△駅にて空席予定」という空席予定情報を表示して、利用者に空席予定情報を通知する。なお、目的となる電車が満席ではなく、空席が存在する場合には、空席予定情報に代えて、又は、これに加えて、空席情報を表示してもよい。
【0033】
本実施形態では、受信装置100は、着席者のICカード型定期券との間で無線通信を行い、ICカード型定期券から乗車区間情報を取得する。降車予定駅情報データベース登録部136は、受信装置100が取得した乗車区間情報から着席者の降車駅を推定し、降車予定駅情報データベース134に、降車予定駅情報を登録する。空席予定情報提供部138は、降車予定駅情報データベース134を参照して、利用者に、空席予定情報を提供する。空席予定情報を参照することで、着席者がいち早く降車する座席を特定することができるので、利用者は、その座席の近くで空席待ちをすることができる。これにより、第六感を働かせるなどしてすぐに降車しそうな着席者を推理し、その座席のそばで空席待ちする場合に比して、利用者の着席の可能性を高めることができる。また、本実施形態では、車両内でICカード型定期券から乗車区間情報を読み出し、乗車区間情報から着席者の降車駅を推定する。このため、着席者は、事前に降車駅情報を携帯端末140に設定しておく必要がなく、着席者に負担を強いることなく、空席予定情報を提供できる。
【0034】
なお、上記実施形態では、利用者が指定した目的の電車について空席予定情報を送信したが、利用者が指定した電車の前後の電車を含めて空席予定情報を送信してもよい。その場合には、まず、各電車について空席数、途中駅からの空席予定数を表示しておき、利用者が電車を選択すると、その詳細、すなわち、どの車両のどの座席が空席であるかや、どの座席がどの駅から空席になる予定であるかを利用者に提示すればよい。このようにする場合は、利用者は、目的の電車の前後の電車を含めて混雑状況がわかるので、乗車する電車を1本遅らせ、或いは、混んでいない電車を選んで乗車するといったことが可能である。利用者の乗車時間が長いときほど、利用者は早く座れる電車を選びたいものであるため、混雑状況がわかるメリットは大きい。
【0035】
上記実施形態では、着席者が所持するICカード型定期券から乗車区間情報を取得し、降車予定駅を推定した。将来的に、乗車券に、無線通信機能が備わったときには、乗車券から降車駅情報を読み出してもよい。その場合は、乗車区間情報から降車駅を推定する場合に比して、降車駅予測の精度を上げることができる。降車駅が直接指定されないタイプの乗車券、例えば、乗車駅から140円区間といった乗車券の場合は、乗車駅からの距離などに応じて当該乗車券で降車可能な駅を調べ、そのうちで最も乗車駅から遠い駅を降車予定駅としてもよい。なお、厳密には、定期券と乗車券とは区別されるべきものであるが、本明細書では、定期券も、乗車券の概念に含むものとして取り扱うこととする。
【0036】
上記実施形態では、車両情報データベース122への乗車区間情報の登録の際に、重複処理を行うとした、すなわち、車両情報サーバ120のデータ処理部121にて重複処理を行うとしたが、重複処理を、主サーバ130のデータ処理部131にて行う構成も可能である。その場合には、主サーバ130にて、受信装置100による乗車区間情報の際の受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて降車予定駅を推定し、推定した降車予定駅を、降車予定駅情報データベース134に登録すればよい。つまりは、車両情報サーバ120の段階で受信強度が最も高い乗車区間情報を特定しておくか、主サーバ130にて受信強度が最も高い乗車区間情報を特定するかは、任意である。
【0037】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の空席予定情報提供システム、方法、及び、プログラムは、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態の空席予定情報提供システムの構成を示すブロック図。
【図2】電車内の配置を示すブロック図。
【図3】受信装置付近を拡大して示す図。
【図4】車両情報サーバの構成を示すブロック図。
【図5】車両情報データベースの記録内容を示す図。
【図6】主サーバの構成を示すブロック図。
【図7】受信データベースの記録内容を示す図。
【図8】電車運行スケジュールデータベースの記録内容を示す図。
【図9】降車予定駅情報データベースの記録内容を示す図。
【図10】動作手順を示すフローチャート。
【図11】動作手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0039】
100:受信装置
110:中継装置
120:車両情報サーバ
121:データ処理部
122:車両情報データベース
123:車両情報データベース登録部
124:車両情報送信部
130:主サーバ
131:データ処理部
132:受信データベース
133:電車運行スケジュールデータベース
134:降車予定駅情報データベース
135:受信データベース登録部
136:降車予定駅情報データベース登録部
137:電車検索部
138:空席予定情報提供部
140:端末装置
200:ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、前記乗車券から乗車区間情報を取得し送信する受信装置と、
前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する降車予定駅情報データベース登録部と、
前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する空席予定情報提供部とを備える空席予定情報提供システム。
【請求項2】
前記受信装置から前記乗車区間情報を受信し、該受信した乗車区間情報を、座席ごとに着席者の乗車区間情報を記憶する車両情報データベースに登録する車両情報データベース登録部と、
前記車両情報データベースから各座席の前記乗車区間情報を取得し、前記降車予定駅情報データベースに送信する乗車区間情報送信部とを更に備える、請求項1に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記乗車区間情報に、情報取得の際の受信強度を示す情報を付加し、前記車両情報データベース登録部は、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記受信強度が最も高い乗車区間情報を前記車両情報データベースに登録する、請求項2に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項4】
前記受信装置が送信した乗車区間情報を、前記車両情報データベース登録部まで中継する中継装置を更に備える、請求項2又は3に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項5】
前記受信装置が車両内の複数の座席のそれぞれに対応して設置され、前記中継装置が前記車両に対応して設置されており、前記受信装置は、前記乗車区間情報に自装置に固有の識別番号を付加して送信し、前記中継装置は、車両内の受信装置が送信した乗車区間情報を受信し、該受信した乗車駅区間情報に自装置の識別番号を付加して前記車両情報データベース登録部に向けて送信する、請求項4に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項6】
前記利用者からの検索要求を受け、電車の運行スケジュール情報を記憶する運行スケジュールデータベースを参照して、前記利用者が乗車する電車を検索し提示する電車検索部を更に備える、請求項1乃至5の何れか一に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項7】
前記空席予定情報提供部は、前記電車検索部が検索した電車について、前記利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を提供する、請求項6に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項8】
コンピュータを用い、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する方法であって、
前記コンピュータが、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録するステップと、
前記コンピュータが、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供するステップとを有する空席予定情報提供方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記乗車区間情報を受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて着席者の降車予定駅を推定する、請求項8に記載の空席予定情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、
着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得する処理と、
前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する処理と、
前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供する処理とを実行させるプログラム。
【請求項11】
前記降車予定駅情報データベースに降車予定駅情報を登録する処理では、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記乗車区間情報を受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて前記降車予定駅を推定する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項1】
着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行い、前記乗車券から乗車区間情報を取得し送信する受信装置と、
前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する降車予定駅情報データベース登録部と、
前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を提供する空席予定情報提供部とを備える空席予定情報提供システム。
【請求項2】
前記受信装置から前記乗車区間情報を受信し、該受信した乗車区間情報を、座席ごとに着席者の乗車区間情報を記憶する車両情報データベースに登録する車両情報データベース登録部と、
前記車両情報データベースから各座席の前記乗車区間情報を取得し、前記降車予定駅情報データベースに送信する乗車区間情報送信部とを更に備える、請求項1に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記乗車区間情報に、情報取得の際の受信強度を示す情報を付加し、前記車両情報データベース登録部は、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記受信強度が最も高い乗車区間情報を前記車両情報データベースに登録する、請求項2に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項4】
前記受信装置が送信した乗車区間情報を、前記車両情報データベース登録部まで中継する中継装置を更に備える、請求項2又は3に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項5】
前記受信装置が車両内の複数の座席のそれぞれに対応して設置され、前記中継装置が前記車両に対応して設置されており、前記受信装置は、前記乗車区間情報に自装置に固有の識別番号を付加して送信し、前記中継装置は、車両内の受信装置が送信した乗車区間情報を受信し、該受信した乗車駅区間情報に自装置の識別番号を付加して前記車両情報データベース登録部に向けて送信する、請求項4に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項6】
前記利用者からの検索要求を受け、電車の運行スケジュール情報を記憶する運行スケジュールデータベースを参照して、前記利用者が乗車する電車を検索し提示する電車検索部を更に備える、請求項1乃至5の何れか一に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項7】
前記空席予定情報提供部は、前記電車検索部が検索した電車について、前記利用者に、空席になる予定の座席に関する情報を提供する、請求項6に記載の空席予定情報提供システム。
【請求項8】
コンピュータを用い、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する方法であって、
前記コンピュータが、着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録するステップと、
前記コンピュータが、前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供するステップとを有する空席予定情報提供方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記乗車区間情報を受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて着席者の降車予定駅を推定する、請求項8に記載の空席予定情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、空席になる予定の座席に関する情報を含む空席予定情報を利用者に提供する処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、
着席者が所持する無線通信機能付き乗車券との間で無線通信を行う受信装置を用いて、前記乗車券から乗車区間情報を取得する処理と、
前記乗車区間情報に基づいて着席者の降車駅を推定し、該推定した降車駅を示す情報を含む降車予定駅情報を生成し降車予定駅情報データベースに登録する処理と、
前記降車予定駅情報データベースを参照して、利用者に、前記空席予定情報を提供する処理とを実行させるプログラム。
【請求項11】
前記降車予定駅情報データベースに降車予定駅情報を登録する処理では、1つの受信装置で複数の乗車区間情報が取得されているときは、前記乗車区間情報を受信強度が最も高い乗車区間情報に基づいて前記降車予定駅を推定する、請求項10に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−175953(P2009−175953A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12735(P2008−12735)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
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