説明

空気から二酸化炭素を抽出する方法及び装置

本発明は、空気から二酸化炭素を抽出する方法及び装置に関する。本発明によれば、炭酸脱水素酵素を、例えば風力発電機6の回転翼等の回転翼5に配設する。二酸化炭素を、回転翼5で吸収し、回転翼から離れて移送する。このようにして抽出した二酸化炭素を、任意に使用して、メタノールを製造してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気から二酸化炭素を抽出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素(CO)は、しばしば不所望なものと見なされる化合物である。例えば、一般的に、二酸化炭素は地球大気中の汚染物質と見なされている。多くの技術的又は工業的プロセスで、二酸化炭素が、例えば、石油又はガソリンの燃焼中に、副産物として発生する。様々な提案が、空気から二酸化炭素を除去するために提示されている。例えば、米国特許第6,946,288号では、建物用換気システムに、空気中に含まれる二酸化炭素を、炭酸イオン及び水素イオン溶液に水和反応を触媒する触媒手段を設け、それにより、空気から二酸化炭素を除去可能にすることを、提案している。
【0003】
二酸化炭素は必ずしも不所望の汚染物質ではなく、様々な目的に使用することもできる。例えば、独逸国特許第DE196 44 684 A1号では、二酸化炭素をメタノール製造プロセスに於ける原料として使用可能にすることを、提案している。メタノールをエネルギー源として使用可能なことは既知である。例えば、メタノールを、燃料電池の電力生成プロセスで使用できる。また、メタノールを使用して、燃焼によりエネルギーを生産できる。
【0004】
二酸化炭素の別な利用可能性について、例えば米国特許第7,008,985号で開示しており、該文献では、二酸化炭素を噴射剤としてエアゾールスプレー容器中で使用可能にすることを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、空気から二酸化炭素を除去して、後で他の目的に利用する、或いは単に空気中の二酸化炭素含有量を減少させる方法及び装置を、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法には、炭酸脱水素酵素を配設する表面を有する壁を設けるステップと、上記壁を気流に露出するステップと、及び炭酸脱水素酵素を使用して、二酸化炭素を気流から除去するステップと、を備える。任意に、そうして得た炭酸脱水素酵素を次に他の目的、例えばメタノールを生産するために、使用してもよい。炭酸脱水素酵素を、上記壁の表面に固定してもよい。
【0007】
二酸化炭素を使用してメタノールを製造する場合、これを、電気エネルギーを使用して、水と二酸化炭素をメタノールに変換する化学反応によって、行うことができる。
【0008】
本発明によれば、壁を回転翼、特に風力発電機の回転翼によって形成する。この風力発電機からの電気エネルギーを任意に利用して、水と二酸化炭素をメタノールに変換してもよい。勿論、壁を風力発電機の回転翼によって形成した場合、メタノールを生産するために使用する電気エネルギーは、風力発電機ではない別のソースから得てもよい。
【0009】
回転翼を、該回転翼の半径方向に互いに分離した複数のセルに分割してもよい。次に、各セルには、炭酸脱水素酵素を、各セルで二酸化炭素を抽出できるように、配設、例えば固定した壁を有してもよい。
【0010】
二酸化炭素を使用して、メタノールを生産した場合、そうして得たメタノールを、次に使用して、例えば、燃料電池等で電気エネルギーを生産させてもよい。
【0011】
また、本発明は、空気から二酸化炭素を抽出する/除去する装置に関する。該装置には、炭酸脱水素酵素を、気体、特に空気から、二酸化炭素を抽出できるように、配設/固定する表面を有する壁を備える。壁を回転翼、特に風力発電機の回転翼で形成する。
【0012】
また、本装置には、この壁と接続した燃料電池と、燃料電池に接続した電気エネルギー源を、任意に備えてもよい。
【0013】
実施例によっては、回転翼を、該回転翼の半径方向に互いに分離した複数のセルに分割できる。少なくとも該セルの幾つか及び場合により各セルには、炭酸脱水素酵素を、幾つかのセル(又は、各セル)により二酸化炭素を抽出できるように、配置、例えば固定する壁を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】二酸化炭素を抽出するために設計されたセルで如何に二酸化炭素を抽出するかを示す略図である。
【図2】図1に示したセルのようなセルを回転翼に配置した本発明の実施例を示す。
【図3】如何にして本発明を風力発電機に適用してもよいかについて図式的に示している。
【図4】図1と同様な断面の略図であるが、より明確に二酸化炭素の排出経路を示している。
【図5】図4で示したセルの側面図である。
【図6】燃料電池におけるプロセスを図式的に示している。
【図7】図6のプロセスに対して逆に運転するプロセスに関する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、空気から二酸化炭素を抽出する本発明の方法には、炭酸脱水素酵素3を固定した表面2を有する壁1を設けること、を備える。炭酸脱水素酵素は、気体流(例えば、空気流)から二酸化炭素を除去する能力を有する酵素である。二酸化炭素を空気から除去するプロセスについては、例えば、米国特許第6,143,556で開示されており、該文献では、炭酸脱水素酵素、及び炭酸脱水素酵素により空気から二酸化炭素を除去するプロセスに関して、更に詳細に言及している。本発明による方法では、壁1の表面2を空気等の気体流に露出させる。それにより、炭酸脱水素酵素3を利用して、気体流から二酸化炭素を除去する。任意に、こうして得た二酸化炭素を次に、他の目的、例えば、エアゾールスプレー容器中の噴射剤として、或いはメタノールを製造する等に使用してもよい。
【0016】
図1に示すように、表面に炭酸脱水素酵素3を配置した壁1により、二酸化炭素を抽出する抽出チャンバ19を有するセル8の外面を構成する。チャンバ19を、前部区画20と後部区画21とに分割して、前部区画20を抽出用区画として機能させてもよい。チャンバ19を、液体で満たす。このチャンバ19内の液体を、前部区画20と後部区画21との間で液体を循環させ続けるポンプ22によって、圧送循環できる。後部区画の液圧を、好適には、前部区画20の液圧より高くする。そのために、縮流部23を、後部区画21と前部区画20との間に形成してもよい。前部区画に流入するのに、液体が縮流部23を通過する必要があるようにする。チャンバ19内の液体を、水性リン酸塩緩衝系、つまり水をベースとしたものにする。液体には凍結防止剤を含有してもよい。セル8の後壁4を、第1排気導管24に接触させる。
【0017】
図2を参照すると、壁1を、回転翼5で形成し、回転翼5の一部としている。回転翼5は、該回転翼が回転してもよいように、回転可能に軸支する。図3で図式的に示すように、回転翼5を、特に風力発電機6の回転翼5としてもよい。
【0018】
本装置の機能は以下の通りである。回転翼5が空気中で回転する。回転翼5が空気中で回転すると、該回転翼は回転翼5の表面に対して移動する大量の空気と接触する。これは特に回転翼5を風力発電機の回転翼5とし、回転翼5の回転を風で発生させる場合である。その結果、回転翼5の炭酸脱水素酵素が、炭酸脱水素酵素を静止壁に配置した場合よりも、多量の空気と接触する。二酸化炭素は炭酸脱水素酵素で吸収され、壁1を通過してセル8の前部区画20の液体中に流入する。炭酸脱水素酵素3を配置した壁1の部分を、透過性又は半透性膜、例えば、半透性のプラスチック膜または脂質膜で形成する。この膜を、イオノフォアにドープして、イオン伝導チャネルを提供してもよい。液体をポンプ22によって後部区画21へと循環させる。後部区画21から、二酸化炭素が後壁4を通過して第1排気導管24に流入する。後壁4もまた、透過性或いは半透性膜、例えば、脂質膜で形成する。このプロセス中、気圧Pを、前部区画20の圧力Pより大きくする、即ち、P>Pとする。同様に、後部区画21の圧力Pを、前部区画20の圧力Pより高くする、即ち、P>Pとする。また、後部区画21の圧力Pを、第1排気導管24の圧力Pより高くする。
【0019】
毎秒、1グラムの炭酸脱水素酵素で、440グラムの二酸化炭素に相当する10モルの二酸化炭素を処理できる。通常空気中に、1m当たり約340mlの二酸化炭素が存在し、これは1m当たり0.61グラムの二酸化炭素に相当する。結果的に、1グラムの炭酸脱水素酵素により、毎秒70mの空気中の二酸化炭素を処理できることになる。
【0020】
好適には、前部区画20のpHを7.0超とする。例えば、前部区画20に関する適切なpHレベルを、例えば7.4としてもよい。pHを7超とすると、二酸化炭素は前部区画20(抽出用区画)において、水相に、一層容易に溶解する。ここで炭酸脱水素酵素は、二酸化炭素を、直ぐに液体中に溶解する炭酸水素塩に変換するよう働く。
【0021】
図2を参照すると、好適には、回転翼5を、該回転翼5の半径方向に互いに分離した複数のセル8に分割し、各セル8には、炭酸脱水素酵素を、各セル8が二酸化炭素を抽出できるように、配設、例えば固定した壁1を有する。必要に応じて、更なるステップをとり、セル内を減圧してもよい。
【0022】
図3では、回転翼を、風力発電機6の一部として、ハブ27に取付けて、これを示している。該ハブを、支柱29で支持するハウジング30に回転可能に軸支する。
【0023】
図4及び図5に示すように、第1排気導管24を、複数の二酸化炭素抽出用セル8で共通にしてもよい主排気導管25に繋げる。再度図2を参照すると、主排気導管25を回転翼5に沿って翼5の外側部分から回転翼5のハブ27を通してその先へと延伸させている。主排気導管25を、風力発電機6の構造体内部に設置可能な負圧/真空源26に接続してもよい。負圧源26を、例えば、ポンプ又はファンとしてもよい。この負圧源26から、二酸化炭素を例えば、更なる導管28を介して更なる送出先、例えば二酸化炭素用貯蔵タンク又は二酸化炭素を更なる生成物質を生成するプロセスで使用するユニット9に、任意に送出してもよい(図3参照)。このユニット9を、例えば、二酸化炭素をメタノール製造プロセスで使用する燃料電池としてもよい。ユニット9(例えば、燃料電池9)を、従って、回転翼5の壁1まで、該壁1を介して空気中から抽出した二酸化炭素を、壁1からユニット9まで輸送するようにして、接続する。以上開示した実施例では、壁1を、導管24、25、及び28と負圧源26を介してユニット9に接続している。しかし、当然ながら、壁1からユニット9までの接続又は連通ラインを、上記開示した以外の方法でも、設計できる。例えば、負圧源26を使用する場合、負圧源26を必ずしも風力発電機6の構造体内部に設置する必要はない。
【0024】
上述したように、空気から抽出した二酸化炭素を任意に使用して、化学反応でメタノールを生産してもよく、該化学反応では、電気エネルギーを用いて、水と二酸化炭素をメタノールに変換する、即ち、電流+CO+HO→CHOH(ここではプロセスを簡素化した形で示しており、実際には、このプロセスには、O等の中間化合物の形成を含んでもよい)。回転翼5を、風力発電機6の回転翼5とした場合、風力発電機6から得た電気エネルギーを、水と二酸化炭素をメタノールに変換するプロセスに使用できる。或いは、かかるプロセス用の電気エネルギーを、風力発電機6以外の別のソースから得てもよい。例えば、電気エネルギーを電源幹線から得ることができる。
【0025】
メタノールを生産するために、燃料電池9を使用してもよい。メタノールを生産するプロセスでは、燃料電池9を、メタノールを燃料として電力を発生させるプロセスで使用する通常の操作モードと比べて、逆に運転させる。
【0026】
次に、図6を参照して、実施可能なメタノール生産プロセスについて説明する。図6では、燃料電池9がアノード15及びカソード16を有して、示されているのが分かる。アノード15とカソード16を、膜17で分離する。数字18は電気回路を示す。メタノールを生産するために、二酸化炭素と水を、燃料電池9の開口部11から、燃料電池9に注入する。電流を、電気回路18に印加する。カソード側では、Oが開口部14から流出している間、水を開口部13から加える(当然ながら、図6は略図である)。図6では、メタノール(CHOH)が、開口部12を通り燃料電池から排出される。
【0027】
当然ながら、このプロセスを、図7に示すように逆方向に運転することも可能である。図7では、如何にしてメタノールを、開口部12を介して燃料電池9に供給するかを示している。その結果起こる反応で、電流が電気回路18で発生する。
【0028】
当然ながら、本発明について、空気から二酸化炭素を除去する装置という観点から記述することもできる。該装置には、その表面2に炭酸脱水素酵素3を、二酸化炭素を空気から抽出できるように、固定した壁1を、備える。
【0029】
本装置の機能は以下の通りである。風が吹き付ける間、風力発電機6の翼5は気流に露出される。電気エネルギーを風力発電機で発生させると同時に、二酸化炭素を回転翼5に沿って抽出する。
【0030】
回転翼5から、導管により、二酸化炭素をメタノールに変換できる燃料電池9へと導いてもよい。風力発電機6で発生させた電気の一部を、抽出した二酸化炭素を使用して、その後貯蔵可能なメタノールを生産する反応に、利用する。
【0031】
本発明の実施例によっては、電気エネルギーの必要性を監視してもよい。例えば、1つ又は複数の指標を、電気エネルギーが他の何処で必要か否かを決定するために、監視してもよい。そうした指標の1つを、例えば、電力価格としてもよい。電力価格の上昇は、電力需要が増大していることを示している可能性がある。電力需要が高いと示された時には、貯蔵したメタノールを使用して電力を生産し、それにより電力需要が大きいときに、電力を生産可能にする。
【0032】
風力発電機6の一部とする代わりに、炭酸脱水素酵素を有する回転翼5を、二酸化炭素を含有する多量の気体が放出され、且つ気体を大気中に放出する前に二酸化炭素濃度を低減したい排気煙突に、配置することができる。また、炭酸脱水素酵素を有する回転翼を、建物で使用して、二酸化炭素濃度を低減することもできる。
【0033】
図2を参照すると、回転翼5を、該回転翼5の半径方向に互いに分離した複数のセル8に分割した、実施例について示している。各セル8には、炭酸脱水素酵素3を、各セル8が二酸化炭素を抽出できるように、固定した壁1を有する。セル8には液体を含むため、回転翼全体に沿って延在させた単独のセル場合では、液圧が不所望に高くなる可能性がある−液柱が高くなり、遠心力により問題は一層深刻になる。複数のセル8を使用すると、各セル内の液体を、他のセル内の液体と分離できる。このようにして、液圧を低く保つことができる。好適には、各セルを回転翼に沿って延在させ(高さ)、これを20mm未満とするが、20mmを超える寸法も考えられる。セルの高さを20mm未満とした場合、それによりセル内で過度に高圧になる危険性を軽減できる。
【0034】
次に、本発明の1態様について、図4を参照して説明する。図4では、チャンバ19内の液体の循環について、反時計回り方向に循環させて、示している。大気に隣接する前部チャンバでは、液体はそのため矢印Cの方向に移動する。回転翼5を、好適には、回転翼5が空気中で動作すると、空気が回転翼に対して矢印Aの向きに、風によりチャンバ19内の流体を正しい方向に加圧するのを助けるように、配設する。例えば、風力発電機では、回転翼に対する風の動きの相対方向を、予め決定でき、セル8を、風により各セル8内部での液体の循環を補助するように、方向付ける。
【0035】
図1を参照すると、本発明による装置には、メタノールを製造できる、或いはしてもよい燃料電池9を、任意に含んでもよい。この燃料電池9を、炭酸脱水素酵素を備える壁1と連通状態にする。タンク10を、燃料電池9で生産したメタノールを次に貯蔵タンク10に貯蔵できるように、燃料電池9に接続してもよい。
【0036】
空気中で回転する回転翼5に炭酸脱水素酵素3を配置することによって、多量の空気が炭酸脱水素酵素と接触できる、つまり、より多量の二酸化炭素を抽出できる。本発明を使用して、空気中、例えば、人間が居住する或いは働く建物内の二酸化炭素含有量を、単に低減できる。かかる目的のために、回転翼を例えばファン等の構成要素とし、例えば電気モータ等のモータにより駆動させることができる。また、本発明を、目的を二酸化炭素を得ることとした、かかる目的ために利用できる。かかる目的のために、回転翼を、風力発電機又は吹き付ける風によって回転翼を回転させる他の装置の回転翼5とすることができる。
【0037】
炭酸脱水素酵素を備えた回転翼を、二酸化炭素を含有する気体流が存在する排気導管にも、配置できる。その結果、回転可能に軸支する回転翼5により、気体から二酸化炭素を除去できると同時に、電気エネルギーも生成できる。
【0038】
本発明について、方法及び装置に関して説明したが、当然ながら、これらのカテゴリは、1つの全く同じ発明の異なる態様を反映するのみである。従って、本方法には、本発明の装置を使用した必然的結果となるステップを、該ステップについて明確に記載したか否かにかかわらず、備えてもよい。同様に、本発明の方法を参照して、本装置の特徴についても説明した。
【符号の説明】
【0039】
1 壁
2 表面
3 炭酸脱水素酵素
4 後壁
5 回転翼
6 風力発電機
8 セル
9 ユニット
10 貯蔵タンク
11 開口部
12 開口部
13 開口部
14 開口部
15 アノード
16 カソード
17 膜
18 電気回路
19 抽出チャンバ
20 前部区画
21 後部区画
22 ポンプ
23 縮流部
24 第1排気導管
25 主排気導管
26 負圧源
27 ハブ
28 導管
29 支柱
30 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中から二酸化炭素を抽出する方法であって、該方法には、炭酸脱水素酵素(3)を配設する表面(2)を有する回転翼(5)を設けるステップと、前記回転翼(5)の前記表面(2)を、前記回転翼(5)が空気中で回転すると、気流に露出するステップと、及び前記炭酸脱水素酵素(3)を使用して、二酸化炭素を前記気流から除去するステップとを備えること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記回転翼(5)を、風力発電機(6)の回転翼(5)とし、前記回転翼(5)の回転を、風によって引き起こし、そこで前記回転翼(5)の回転を使用して、電気エネルギーを発生させること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抽出した二酸化炭素を使用して、電気エネルギーを使用して水と二酸化炭素をメタノールに変換する化学反応で、メタノールを生産すること、を特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転翼(5)を、風力発電機(6)の回転翼とし、前記風力発電機(6)からの電気エネルギーを使用して、水と二酸化炭素をメタノールに変換すること、を特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記回転翼(5)を、前記回転翼(5)の半径方向に互いに分離させた複数のセル(8)に分割し、各セル(8)には、炭酸脱水素酵素を、各セル(8)により二酸化炭素を抽出できるように、配設した壁(1)を有すること、を特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
回転可能に軸支した回転翼(5)を備え、該回転翼の表面(2)には、炭酸脱水素酵素(3)を、前記回転翼を空気中で回転させながら、二酸化炭素を空気から抽出できるように配設する、空気から二酸化炭素を抽出する装置。
【請求項7】
前記回転翼(5)を、風力発電機(6)の回転翼とし、前記回転翼(5)を、該回転翼(5)を風によって回転させた際に、電気エネルギーを発生するように、配設すること、を特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記回転翼(5)には、少なくとも1つのセル(8)を有し、該セルには、炭酸脱水素酵素を、前記セル(8)により二酸化炭素を抽出できるように、配設し、前記少なくとも1つのセル(8)には、液体で満たした抽出チャンバを有し、前記セルを、二酸化炭素を空気から吸収できる前部区画(20)と、二酸化炭素の排気チャネルと連通する後部区画(21)とに分割すること、を特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセル(8)には、前記チャンバの前記液体を前記前部区画と前記後部区画(20、21)との間で循環させるポンプ(22)を、備え、縮流部(23)により、前記後部チャンバを前記前部チャンバから分離すること、を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記回転翼(5)を、該回転翼(5)の半径方向に互いに分離した複数のセル(8)に分割し、各セル(8)には、炭酸脱水素酵素(3)を、各セル(8)により二酸化炭素を抽出できるように、配設する壁(1)を有すること、を特徴とする請求項6又は7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−505723(P2010−505723A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531349(P2009−531349)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050635
【国際公開番号】WO2008/041920
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504344978)モルフィック テクノロジーズ アクティエボラグ (ピーユービーエル) (14)
【Fターム(参考)】