説明

空気のクラスター化を促進する機能と共に住空間に生活環境改善や美容、健康機能を促進する機能性素材をマイクロカプセル化して付加したインキ或いはバインダー

【課題】従来、マイナスイオン効果によって、空気の浄化を行う物質についてはよく知られていた。また、これらを組成物としたインクやバインダーは存在したが、空気をクラスター化することで、多機能にわたる除菌効果或いは消臭効果を発揮するものはなかった。
【解決手段】微弱放射線により空気中の水分をクラスターし、クラスターイオンとして、空気中の悪臭成分の消臭や菌類を除菌し浄化する機能を発揮する素材と、防虫、美容、健康などの天然素材をマイクロカプセル化して混合し、印刷と言う簡便な手段で、浄化と様々な機能性を発揮できる印刷物を実現するインキとバインダーを作製する。

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷インキやバインダーに空気中の水分子をクラスター化し、その抗菌機能や消臭機能、防カビ機能を発揮させるようにするレアース鉱石と、それにプラスして、相乗的に、その機能効果を拡大する効果の有る消臭などの生活環境改善や美容、健康機能を持つ植物抽出油やその他の機能性薬剤をマイクロカプセル化して、その除放性により長期間その機能を発揮するようにして混合し、それらを配合した印刷用インキやバインダー、を作製し、簡便に印刷することにより、紙、板紙類、フイルム、不織布、繊維、その他に様々な機能を発生させることにより、その印刷された紙、板紙類その他の印刷対象物が、消臭機能や美容機能やビタミンC類などのサプリメント機能や青葉アルコールなどの脳活性機能や繊維にUVカット機能など幅広い機能と、またレアーアース鉱石類などが発生する除菌イオンが、空気環境などを浄化すると共に自律神経などを抑制して健康を促進すると言う、カレンダー、衣類、シート類、靴のインソールや帽子、傘、絨毯、カーテン、その他幅広い対象に印刷と言う手段で簡便に実現することにより、求める機能を長期間発生させ環境、美容、健康を促進させる製品が製作できる画期的な機能性材料となる。
【背景技術】
マイナスイオンなどのイオンを発生する物質自体はよく知られている。またそれらイオンが健康増進にきわめて有効であることもよく知られている。そしてこのイオン発生物質として、代表的な物として、トルマリンや各種ジルコニウム化合物などが使用され、インクなどと混合した組成物として広く用いられている。またこのイオン発生物質と遠赤外線を放射する物質と併用することも実際行われている。
しかし乍ら、空気をクラスター化しそれにより発生する+Hイオンと−OHイオンによる幅広い浄化機能と、用途に応じた薬剤成分や芳香成分をマイクロカプセル化し、その除放性により長期間薬剤や芳香機能を発揮するものと混合し、長期間その効果を享受できる印刷インキや印刷バインダーとそれにより印刷された紙・板紙や合成紙、合成樹脂シート、繊維類は、未だ世の中には無い。
【発明が解決しようとする課題】
この理由は、イオン発生物質そのものがクラスターイオンを発生しなくて殆どマイナスイオンの発生だけであったり、それらを各種対象物に付着させるには、今までは繊維であれば糸に練り込むか、後加工の場合は塗布か含浸方法がとられているのが一般的であり、紙・板紙や合成紙類、合成樹脂シート、繊維類、木材類、その他様々なシートに印刷機で簡便に印刷し強力に付着させられるところ迄のインキとバインダーの選考とその応用実験が行き届いてなかった。
これを解決することにより、誰でもが簡便に印刷塗布することによりクラスターイオン発生源を任意に作成し、その上機能性薬剤成分とその芳香成分による効果の増大や、発生イオンによる自律神経抑制とそれを上長するハーブや樹木の抽出精油の発揮する機能やさわやか感による癒し効果を享受できることが可能となり、しかも印刷技術が駆使できるだけに機能効果にプラスして、文字や絵、写真など様々な表現効果が可能となり、幅広い市場の要望が実現できることになる。
従すなわちクラスターイオンそのものと併用する薬剤効果や芳香効果を生活環境にのって本発明が解決しようとする課題は、従来の上記要望に応えることであり、改善と美容、健康増進に、広く誰でも自由に享受できる発生源を作り、尚かつ印刷による幅広い表現力や応用力が従来に無い機能性印刷物や、機能性広告宣伝物などや美容機能、健康機能、消臭やUVカットなどの環境機能を有する衣類、カーテン、絨毯を印刷と言う簡易的な行為により実現できる印刷インキやバインダーを開発することである。
【課題を解決するための手段】
この課題は、イオン発生物質そのものが、例えばレアーアース鉱石の場合は、やや白褐色の粉末またはスラリー状のものであり、塗布した場合、対象物にその色が付着するという問題を解決する必要がある。
一方、印刷などのインク層の厚さは、1ミクロンからそれ以下であり、その厚みの中に十分機能が発揮できる微細化が必要となる。その解決には、機能発生物質の粒径を印刷インク層の厚さの数分の一の粒径にする必要がある。実験的には数百ナノレベルへの微細化することにより上記の色の問題と均等な分布性が上がる。
また薬剤成分や芳香成分を長期間発揮させるには、粒径1ミクロン以下の有機質、無機質の多孔質物質のマイクロカプセルに吸着させたマイクロカプセル化させることにより実現できる。
このことから、印刷しても印刷色に影響を与えない、含有する各成分の分布が平均化され、長期間効果を発揮できるインキやバインダーが実現できる。
【発明の作用】
本発明の溶液は、基本的には(イ)〜(ニ)の手段から成っている。
(イ)クラスターイオン発生物質
(ロ)必要に応じて薬剤、芳香剤のカプセル化したもの
(ハ)インキやバインダー樹脂成分を用いて
(ニ)紙、板紙類、繊維、樹脂、木製版に印刷する
本発明に於いて使用するクラスターイオン物質としては、従来から微弱放射線を発生することで知られている物質を、何れも広い範囲で使用することが出来る。
その代表的なものを例示すると、レアーアース鉱石系の多くのクラスターイオン発生物質が対象になる。
レアーアース鉱石系では、消臭抗菌作用を有するトリウム系の微量放射性レアーアース鉱物の粉体と常温で遠赤外線を放射するジルコニウム、ジルコニア、アルミナ、シリカなどのセラミックスを混合−粉砕−焼結を繰り返して出来たイオン・遠赤外線発生セラミックスなどが例示できる。
また本発明に於いて、薬剤や芳香剤無しでも充分クラスターイオン発生が、消臭、抗菌力を有し効果を発揮するが、(ロ)の薬剤成分や芳香剤成分の混合使用により、その用途範囲と効果は拡大に広がる。その代表的なものを例示すると、消臭剤、抗菌剤、防虫剤、抗カビ材、動物忌避剤、洗浄浄化剤、芳香剤、各種アロマオイルなどを挙げることが出来る。
マイクロカプセル剤としては、0.5ミクロン〜1ミクロンのシリコンボールで、中心が中空で、周囲が多孔質の物が作られている。また炭酸カルシウムから作られる比重の非常に軽いマイクロカプセルもある。
インキは、オフセットインキやグラビアインキが最も普遍的であり、オフセットインキの場合は、ロジン変性フェノール樹脂、重合アマニ油、大豆油、高沸点石油系溶剤に顔料とレアーアース鉱石とシリコンマイクロカプセルを混合させる。
グラビアインキの場合は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、真レイン樹脂、ビニル樹脂、セルロース類、塩化ゴムなどのゴム類、その他各樹脂に顔料とレアーアース鉱石とマイクロカプセルを混合する。
バインダー樹脂類は、オフセットインキ用、インクジェット用それぞれを使用する。
本発明に於いては、溶液の構成は、クラスターイオン発生物質47重量部が含まれた重量部で、必要に応じて3重量部から10重量部の薬剤、1重量部から3重量部の芳香剤を混入した溶液となる。
本インキの印刷対象物は、紙・板紙類、合成紙類、フィルム、繊維類、など幅広い対象に簡便に印刷できる。
また印刷方式としては、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、等がある。クラスターイオン発生量は、使用するイオン発生物質により異なり、1回の印刷で約50個/cc〜70個/cc、回数を重ねることにより発生量は増加する。
【実施例1】
クラスターイオン発生物質として、レアーアース混合体を使用し、白樺の抽出精油にササの抽出油,ヒノキチオール、などをシリカマイクロカプセルに封入し混合したものを使用し、クラスターイオン発生物質40gを含む上記薬剤10gの混合体を50gとをロジン変性フェノール樹脂20%、重合アマニ油5%、大豆油20%、高沸点石油系溶剤10%、顔料20%を混合し、普通印刷用紙にオフセット印刷で4回繰り返し印刷してみた。
測定した結果、クラスターイオンとして200個/cc〜250個/cc発生した。
【実施例2】
上記インキで、80g/mの中厚紙に4回繰り返し印刷し、カケンセンター(旧日本化学繊維検査協会)で、ガスの除去性能表か試験を実施した。
アンモニアガス(排泄臭など):100ppm濃度が、2時間後減少率97%
ホルムアルデヒドガス(シックハウス症候群):5.0ppm濃度が、2時間後減少率86%イソ吉草酸ガス(足臭、ヘルメット臭など):2時間後減少率96%と言う結果を得た。
ホルムアルデヒドの分解消臭は、クラスターイオンのOHイオンやHイオンがメタノール系成分に変換し無毒化している。
ホルムアルデヒド(HCHO)+OH−=CO2+CH3OH
ホルムアルデヒド(HCHO)+H+=CH3OH


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)空気のクラスター化を促進する機能性素材の粉体あるいは液体スラリーを
(ロ)各種印刷インキやバインダーに混合作製し、
(ハ)必要に応じて、消臭や美容や健康機能など必要用途に応じた昇華性薬剤成分液や芳香成分液をマイクロカプセル化した物を混合し、
(ニ)印刷や塗布などの工程によって対象物に長期間そのクラスター機能と薬剤機能を発生せしめるインク或いはバインダー。
【請求項2】
空気のクラスター化には、酸化トリウムなどを含有するレアーアース鉱石を、50ナノから500ナノサイズに微細化し、印刷時に、印刷対象に平均的に分布印刷されるようにする請求項1のインク或いはバインダー。
【請求項3】
上記昇華性薬剤成分が、害虫忌避、芳香、森林浴、花粉症・脳活性、アレルギー・アトピー・ストレス改善などの生活環境改善機能、美容機能やサプリメントなどの健康機能の有する溶液を0,5ミクロンから1ミクロンサイズのシリコンマイクロカプセルに含浸させ、その除放性により長期間それらの機能を発揮させるマイクロカプセル化物質を混合する請求項1のインク或いはバインダー。

【公開番号】特開2013−10914(P2013−10914A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157141(P2011−157141)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(502218813)株式会社ウイット (3)
【出願人】(511169438)河村株式会社 (1)
【Fターム(参考)】