空気サンプルを輸送するための導電性内側表面を備える管を有する空気監視システム
空気監視システムは、導電性内側表面を有する管を含む。一実施形態では、ライナーは、例えばカーボンナノチューブなどの炭素ベースの材料を含む。別の実施形態では、伝導性層は、基板に接着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して空気サンプルに関し、より詳細には、空気の特性を測定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で知られるように、サンプルまたは測定の目的のために、空気が管またはパイプを通って輸送される様々な用途がある。例えば、空気質測定システムは、感知される環境において配置されるセンサの代わりに遠隔配置されるセンサを有することができる。加えて、センサは、いくつかの位置を感知するために使用されることができる。そのようなシステムについては、複数の管が、複数の位置から集中型のセンサまで空気サンプルを導くために使用されることができる。中央に配置された空気スイッチおよび/または電磁弁は、これらの手法でこれらの位置から様々な管を通ってセンサに至る空気を連続的に切替するために使用されて複数の遠隔地からの空気を測定することができる。これらのタコのようなまたは星形に構成されたシステムは、相当な量の管を使用する。ネットワーク型空気サンプリングシステムとして知られる別の複数配置のサンプリングシステムは、中央「幹線」管と共に様々な位置へ延びる支線を使用する。空気ソレノイドは、複数のサンプル位置に隣接して遠隔配置されることができる。空気サンプリングシステムは、建物内のサンプル位置についての管またはパイプを通じての遠隔および/または複数位置の空気サンプル、外気または環境のサンプル、および煙突および排気筒におけるサンプルを含むことができる。典型的な空気サンプリングシステムは、米国特許第6,125,710号に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
当技術分野で知られるように、空気サンプリングシステムは、空気サンプルまたは「パケット」を適切なセンサに送るための様々な種類の管を使用することができる。管のうちの1種類は、TEFLON(テフロン)管である。しかし、TEFLON管は、比較的高価であり、TEFLON管は不良導体であり空気サンプルがそのような材料の管を通過するときに帯電を確立する傾向があるようにある望ましくない粒子輸送特性を有し、その結果気流の流れからの微粒子状物質の静電堆積が強化される。TEFLON管ほど費用のかからない低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン(LDPEまたはHDPE)管が使用されてきたが成果は不十分である。室内の空気質CO2感知に対しては良好であるが、LDPEまたはHDPE管は揮発性有機化合物(VOC)を吸収および脱着し、そのことが不正確な感知結果をもたらす。この種類の管は、プラスチックが電気的に不良導体であり電荷を保持でき、静電堆積の結果として比較的に思わしくない輸送特性となるので粒子感知の用途に対しても思わしくない。
【0004】
いくつかの種類のプラスチック管が、粒子を輸送するために使用されることができる。例えば、ある種類のプラスチック管は、Thermoplastic Processes,Inc.(New Jersey州Stirling)によって製作される「Bev−A−Line XX」管として知られており、ポリエチレン管であり得るそうしたことを乗り越える改善がされている粒子輸送効率を用いて空気サンプルを行うために使用されることができる。しかし、「Bev−A−Line XX」管は、非常に高価であると共にVOCを吸収する。同様に、シリコーン管は、粒子を輸送するための伝導性シリコーン管を生成するために大量のカーボンブラック(粉末形態の非常に分散した元素状炭素)が含浸されることがある。例えば、TSI,Inc.は、TSI,Inc.のパート番号3001789などの様々な大きさの伝導性シリコーン管を製造しており、このパート番号3001789は、内径0.31インチ(7.87mm)および外径0.375インチ(9.53mm)を有する。この管は典型的には、エアロゾル調査においてエアロゾル粒子を携帯用計器に輸送するために使用される。しかし、伝導性シリコーン管は、VOCをやはり吸収および脱着する。また、シリコーンは、空気サンプル中のVOCのレベルを測定するために一般に使用される種類の金属酸化物半導体TVOC(総揮発性有機化合物)センサの動作を特に害し、損なう。
【0005】
ある金属管は、空気サンプルの輸送に対して望ましい特性を有し得るが、既知の金属管の選択は、ある欠点を有する可能性がある。例えば、ある金属管は剛体であり、取付け工程に関連した骨が折れる作業のために取付けを非常に高価にさせる。他の金属管は、取付けを用意にするように変形可能であり得るが、金属の特性は、空気サンプルの用途にあまり適していない。Synflex(Ohio州Mantua),Saint−Gobain Performance Plasticsの一部門によって製造されるある既知の管は、高圧空気式の用途向けにより高い破裂抵抗および圧力定格を備えたより強いプラスチック管を与えるために、アルミニウムライナーされたポリエチレン管(以前はDekabonとして知られていたType 1300 Synflex)を含む。内部のアルミニウムライナーは、アルミニウム内側管を外側プラスチックジャケットと共に着接することを助けるために接着剤で塗られてもいる。アルミニウムライナーは、耐薬品性を追加するために管の内側部分上にプラスチック被膜も有する。しかし、そのような管構成は、空気サンプルの媒体としての使用には望ましくない。内側被膜は、粒子を引寄せて捕捉し、VOCを吸収する。加えてアルミニウムは、被膜が使用されない場合でも多くの室内の汚染物とよく反応する。アルミニウムのよく反応する性質により、アルミニウム管は、空気サンプル管として正確で信頼できる性能を与えないことになる。さらに、アルミニウム表面は、それが外気状況に露出されると時間が経つにつれて酸化する親和性を有する。表面の酸化は、管の内側の粗さを増大させ、酸化アルミニウムの形態で微粒子状物質を放出する結果となる可能性があり、それにより管を通っての輸送を介してサンプルされる微粒子状物質の所与の濃度に無視できない影響を有し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空気監視システム中の空気サンプルの輸送によく適している管構造を提供するものであり、典型的な実施形態では、この管は、最小限の吸収および気体排出で微粒子状物質を効率的に輸送するための、ステンレス鋼として設けられることができる金属層を含む。この管は、管構造全部が、従来の管の方法に類似する方法で曲げられ、切断され、接合されることができるようなジャケットを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、空気サンプルを輸送する方法は、1つまたは複数の後続の特徴、すなわち、第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、空気サンプルをカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーを有する導電層を含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、センサを使用して空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップとを含むことができる。この方法は、1つまたは複数の特徴、すなわち、内側層が管壁の厚さ全部を包含する;内側層が、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む;この管が、実質的な量の炭素の単層ナノチューブを含まない外側層を含む;および、センサ組が、空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報ならびにVOC、露点または二酸化炭素のレベルの測定値のうちの1つを測定する、という特徴をさらに含むことができる。
【0008】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、センサ組と、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および一連の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの一連の終端ポイントから得られ、この一連の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とを含み、この管の少なくとも一部がカーボンナノチューブを有する導電層を含む。このシステムは、1つまたは複数の以下のこと、すなわち、管が、外側層を含まずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを含む;内側層が、カーボンナノチューブが約1重量%と約6重量%の間で装填されるホスト材料を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む;この管が実質的な量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む;内側層が、約0.005インチ(127μm)から約0.03インチ(762μm)までの範囲の厚さを有する;およびセンサ組が、空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報、ならびにVOC、露点温度(または、他の湿度特性)または二酸化炭素のレベルの測定値のうちの1つを測定する、ことをさらに含むことができる。
【0009】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、2つ以上の空気パラメータを測定するためのセンサ組を含み;それらのパラメータのうちの1つは、粒子とすることができると共に、別の空気サンプルのパラメータは、例えばVOC、湿度、二酸化炭素、オゾン、一酸化炭素の空気のペーハー(carbon monoxide air PH)、アンモニア、冷媒、ホルムアルデヒド、亜酸化窒素(N2O)、NO、NO2、SO、SO2、カビ胞子、または別の空気パラメータとすることができる。このシステムには、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および一連の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの一連の終端ポイントから得られ、この一連の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とがやはり含まれており、少なくとも一部の管が、例えば炭素の単層ナノチューブ、炭素の多層ナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、グラファイトまたはカーボンブラックなどの炭素ベースの材料を含む導電層を含む。このシステムは、1つまたは複数の以下のこと、すなわち管が、外側層を含まずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを含む;内側層が、炭素ベースの材料で装填されるホスト材料を含む;この管が、実質的な量の炭素ベースの材料を含まない非伝導性外側層を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、ことをさらに含むことができる。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、空気サンプルを輸送する方法は、第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、空気サンプルを、基板に接着された導電性金属ライナーを含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、センサを使用して空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップとを含む。この方法は、1つまたは複数の以下のこと、すなわち、金属ライナーが、ステンレス鋼を用いて金属化される;管が、外側ジャケットを含む;金属ライナーが、ステンレス鋼箔を含む;金属ライナーが、アルミニウム箔を含む;アルミニウム箔が、無水酸化アルミニウムの表面を含む;金属ライナーが、金属化層を含む;金属ライナーが、ニッケルめっきした銅箔を含む;金属ライナーが、基板の上へ直接堆積された箔層を含む;および基板が(Kapton(登録商標)などの)ポリアミドフィルムからなる、ことをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、センサ組と、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および複数の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの複数の終端ポイントから得られ、この複数の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とを含み、この管が基板に接着された導電性金属ライナーを含む。このシステムは、1つまたは複数の上述の特徴を含むことができる。
【0012】
本発明は、添付図面と共に取り上げられる後続の詳細な説明からより十分に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、空気サンプルの最適な輸送を行うための本発明による管を有する典型的な空気監視システム100を示す。概して、システム100は、空気サンプルまたは空気パケットを部屋などの第1の位置から1つまたは複数のセンサが配置される第2の位置まで輸送する。センサは、CO、CO2、TVOC、露点温度および/または露点湿度、オゾン、空気のペーハーなどの空気の様々な特性、亜酸化窒素、SO2、SO、NO2、NO、アンモニア、メタン、硫化水素、冷媒およびホルムアルデヒドなどの1つまたは複数の他の気体または蒸気の様々な特性を測定する。加えて、光オブスキュレーションセンサは、所与の粒径範囲内の微粒子状物質の量を測定するために使用されることができ、または粒子計数センサは、約0.3uMから約2.5uMまでの範囲の小粒子の単位サンプル体積当りの個数、2.5uMから10uMまでの範囲の大粒子の単位サンプル体積当りの個数、他の所望の粒径範囲の粒子の単位サンプル体積当りの個数、および約0.02uMから1uMまでの範囲の超微小粒子の単位サンプル体積当りの個数などの情報を与えるために使用されることができる。本発明の管は、金属性内側層および適宜のジャケット層を含む。ステンレス鋼から形成されることができる金属性内側層は、正確な空気質監視のために比較的に低い吸収および気体排出で空気サンプル中の微粒子状物質の効率的な輸送を行う。
【0014】
本発明の複合管を詳細に説明する前に、この管が中で使用されることができる、米国特許第6,125,710号に記載された典型的な空気サンプリングシステムを簡潔に述べる。図1のシステム100は、複合管のネットワーク105を通って複数の空気取入弁103a〜103dに接続される中央感知および制御システム101を含む。管のネットワーク105は、幹線区間105eと、各空気取入弁103a〜103dに対応および接続される支線105a〜105dとを有する。中央感知および制御システム101は、管幹線区間105eの端部に接続されるセンサ組107と、システムを通じて空気を引き込むためにセンサ組107に接続される空気ポンプ109と、センサ組107、空気取入弁103a〜103d、および空気ポンプ109の動作を制御するための、ならびにセンサ組107および外部機器と通信するための制御および通信のユニット111とを含む。制御および通信のユニット111は、入出力機能用のネットワーク装置アダプタ115(図1A)を含むと共に、制御ネットワーク内で通信を制御するためのいくつかの制御ネットワークルータ117を適宜含む様々な構成部品を光ファイバー、電子式または空気式の制御ネットワーク113を通じて制御可能である。
【0015】
代替としては、図1Aのネットワーク装置アダプタ115および制御ネットワークルータ117は、装置アダプタ115と直接通信する、または弁103などの制御される構成部品と直接通信する制御および通信のユニット111を用いて省略可能である。デジタル式通信ネットワークは、制御ネットワーク113の一部として用いられることができる。
【0016】
制御および通信のユニット111は、空気ポンプ109がシステムを通じて空気を引き込む間に他の弁(例えば、弁103b〜103d)が閉じられている間の期間にそれぞれの弁(例えば、弁103a)が開放するように空気取入弁103a〜103dを順次操作し、このようにして開放している弁(例えば、弁103a)が配置されているサンプルの箇所からシステムの中に空気サンプルを引き込む。図1の構成では、複数の弁(例えば、103a〜103d)からの空気サンプルは、ただ1本の幹線区間105eを通って制御感知および制御システム101の中に引き込まれる。したがって、センサ組107は、管105eの幹線区間が接続される1つの入口孔だけを有する。
【0017】
センサ組107は、センサ組を通過する空気サンプルの様々なパラメータを測定する。センサ組107内の個々のセンサは、流量の要件、圧力の要件、および化学的性質または他の特性に基づくセンサの影響に応じて、直列または並列に入口から空気を受取るように配列されてよい。直列接続では、空気サンプルは直列接続された各センサを順々に通過し、一方並列接続では、空気サンプルは並列接続された各センサを一度に通過する。制御および通信のユニット111は、センサ組107によって生成される測定値を読取り、読取値を建物の空気流制御、ドラフトコントローラ等などの外部機器(図示せず)に伝達する。制御および通信のユニット111または外部機器は、受動的データ収集を含むがそれに限定されない様々な手段で収集されたデータを使用でき、特定条件下で警報機構を起動させ、特定条件下で安全機構を起動させ、および空気流制御機器に対して命令を発行することによって局部または全部の空気流パラメータを変化させる。
【0018】
第1の技術によれば、各空気取入弁103a〜103dは、103d→103c→103b→103aで順次開放され、4つの対応するサンプルD、C、BおよびAをセンサユニット107の中に引き込む。各弁を開放することについての時間および継続時間は、内部サンプルの境界面の量(inter−sample 境界面の量)より大きい安定したサンプルが空気取入弁103a〜103dを通って得られるように十分に長くなるように選択され、このようにして順に開放される次の上流の空気取入弁103a〜103dがあるかどうかに関わらず、良好なサンプルがセンサユニット107に到達することを確実にする。サンプルAが空気取入弁103aからセンサユニット107まで移動するための時間TAは、例えば事前の測定によって知られていると仮定される。空気取入弁103aの開放から時間TAが経過し、サンプルAと隣接する前のサンプルの間の任意の境界面の量を超えてセンサユニット107の中のサンプルAの部分を動かすのに必要な追加の時間を加えると、次いで、測定のために装備されるセンサユニット107は、測定を行う。
【0019】
第2の技術によれば、各空気取入弁103a〜103dは、103a→103b→103c→103dで順次開放され、4つの対応するサンプルA、B、CおよびDをセンサユニット107の中に引き込む。やはり上述のように、各弁は、安定したサンプルが引き込まれるのに十分な時間にわたって開放が維持され、その後、次の下流の空気取入弁が順に開放され、または弁103dの場合のように、安定したサンプルがセンサユニット107に引渡されるのに十分な時間にわたって開放が保持され、その後に103dは閉じられることになり、弁103aが開かれてその順序をさらに繰返して開始することになる。その時間は、内部サンプルの境界面の量より大きい安定したサンプルが空気取入弁103a〜103dを通って得られるのに十分となるようにやはり選択され、このようにして順に開放される次の下流の空気取入弁103a〜103dがあるかどうかに関わらず、良好なサンプルがセンサユニット107に到達することを確実にする。上述のように、測定は、各弁103a〜103dが開放された後の既知の移動時間TA〜TDおよびセンサユニット107を通る境界面の量の通過時間によって定められる時間で行われるようにタイミングが決められてよい。
【0020】
タイミングの代わりに、第3の技術は、数ミリ秒から数秒までの範囲の実質的な期間にわたって安定した測定値を生成するのに十分に大きさであるサンプルA〜Dを測定することに依存する。センサユニット107は、絶え間なく操作および監視されてその中に含まれるセンサを通り過ぎて流れる空気の流れの動特性を測定する。測定値が変化しているときの時間の間は、内部サンプルの境界面は、センサユニット107を通過している。測定値が実質的に安定しているときの時間の間は、サンプルの役立つ安定した部分が、センサユニット107を通過している。センサユニット107は、各将来のサンプルがいつ有効になるのかを推定するために過去の測定データを使用する制御システム111に接続されてよい。
【0021】
図1Aは、図1のシステム100などの空気監視システムのさらなる態様を示す。システム100は、次に述べられるように管ネットワーク105を通って複数の空気取入弁103に接続される上で述べたような中央感知および制御ユニット101を含む。いくつかの下位のネットワークは、管ネットワーク105の部分105e〜105nを含む主幹線にルータ201を通ってそれぞれ接続される幹線区間105f〜105kによって定められる。ルータ201は、例えば中央感知および制御ユニット101の制御および通信のユニット111によって電子的または空気式に制御される空気流スイッチである。
【0022】
システム100は、管105の少なくとも数本の支線(例えば、105a〜105c)に接続される分散型電源/感知完成品203を含むことができる。分散型電源/感知完成品203は、1つまたは複数のセンサと、管105の支線からセンサを通って空気を引き込むために接続される空気ポンプとを含んでよい。
【0023】
システム100は、重要な融通性および冗長性を与える。各ルータ201によってなされる接続を選択的に設定することよって、および空気取入弁103のうちの1つを選択的に開放することによって、空気サンプルは、任意の空気取入弁103の箇所から任意のセンサ101または203まで経路設定されることができる。
【0024】
本発明は、上述のシステムなどの空気サンプリングシステムおよび他の用途に役立つ最適な空気輸送のために、例えばステンレス鋼の内側金属層を有する管構造と、少なくとも一部が例えばPVCの非金属材料で構成される外側ジャケットとを与える。非金属材料は、合成材料または非合成材料を含んでよい。本発明の管は、遠隔地で空気のパラメータを測定するための、管を通じて空気を吸込む空気サンプリングシステムによく適している。概して、この管は、内側ステンレス鋼ライナーと、適宜の外側プラスチックジャケットとを含む。
【0025】
一実施形態では、この管は、従来のプラスチック管に類似し得るある機械的特性を有する。例えば、本発明の管は、この管が引っ張られ、曲げられ、切断され、接合され、また他の操作がなされることができるので、構造全体にわたって比較的容易に取付けられることができる。本発明の管の取付け費用は、硬質ステンレス鋼管区間および巻状ステンレス鋼管よりも少ない。加えて、固い304ステンレス鋼の管に対して管の比較的に小さい質量および管のより大きな可撓性によって、より軽いデューティ継手が、取付けの間に共に区間を継ぐために使用されることができる。したがって、John GuestのSuper Speedfit(登録商標)などのより廉価な速接続継手が使用されることができる。これは、確実な接続を行うために固いステンレス鋼パイプを接続することが典型的に必要とされる、比較的高価なSwagelok(登録商標)型の継手、現場のねじ結合および溶接の使用よりも望ましい。
【0026】
図2は、適当な材料のジャケット204によって覆われた金属性ライナー202を含み、ジャケット204はライナーの上に押出成形されることができるものである、典型的な複合管構成200を示す。典型的な実施形態では、ライナー202は、管状の形態に折込まれたステンレス鋼のリボンで構成され、ジャケットは、ポリエチレンからなる。プラスチックジャケットに対するステンレス鋼の接着力を向上させるために、エチレン共重合体または類似の好ましい加熱硬化材料などの適宜の接着材料が、接着材料がライナーの内側表面上に少しも存在しないように金属性ライナー202の外側表面上に使用されてよい。
【0027】
ある具体的な実施形態では、内側ライナー202は、室内の空気質および他のものの監視の目的で関心の濃度の(VOCを含む)大部分の気体状成分および微粒子状物質を輸送するために最適な特性を与えるように304ステンレス鋼から形成される。例えば、本発明の管は、数10億分の1(PPB)という低さの濃度を有する建物環境内でありふれた様々な気体のサンプルを輸送するのに適している。これは特に、ベンゼン、アルシン、二酸化塩素、および例えばOSHA規則Standard 29 CFRの下で列挙される大部分の他の物質などの低い許容曝露限界(PEL)を有する物質を監視するのに役立つものであり、それらは参照により本明細書に組み込まれる。これらなどの空気汚染物測定のさらなる詳細は、建物内の複数の位置から再循環される空気を断続的に監視および確認するためのマルチポイントサンプリングシステムの使用を説明する米国特許第6,609,967号に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。本発明の管は、あらゆる様々な潜在的な汚染物が存在する可能性の湿った化学実験室などの実験室環境に特によく適している。
【0028】
当技術分野で知られるように、304ステンレス鋼は、ステンレス鋼系中の最もよく知られており、しばしば使用される合金のうちの1つである具体的なクロムニッケルオーステナイト合金を指す。金属性ライナー202は、内側表面上の静電荷の蓄積を防ぐように導電性であり、それは空気質監視の目的の管を通じた微粒子状物質の効率的な輸送を促進する助けとなる。金属性ライナー202は、比較的に低い吸収特性および気体排出特性を有する内部表面を与えもする。
【0029】
ライナー202用に使用される金属材料は、特定の用途のために管を通ってサンプルされる材料に関連するその特性に基づいて選択されることができるということが理解されよう。典型的なライナー材料は、析出硬化鋼と共に、様々なオーステナイト、マルテンサイトおよびフェライトの等級を含む様々なステンレス鋼を含む。ある具体的な実施形態では、304ステンレス鋼は、幅広い温度範囲にわたるその耐食性および耐熱性ならびにその良好な機械的特性のために使用される。加えて、(ライナーを形成するために使用される工程に応じた)他の適当な金属は、青銅、金、ニッケル、ニッケル合金、チタン合金およびクロメート被膜しているアルミニウムなどの導電性転化被膜された金属を含むがそれに限定されない。
【0030】
典型的な実施形態では、ジャケット204は、金属ライナーに卓越した破砕抵抗を与えるその能力によってポリエチレンとして設けられる。しかし、他の適当な材料は、PVC(特にプレナム環境での使用に適当であるものであり、ここではそれが要件であるもの)、Teflon(登録商標)、Mylar(登録商標)および様々なフッ素プラスチック(FEP、PFA、CTFE、ECTFE、ETFE)を含むがそれに限定されない。より一般的には、幅広い様々なプラスチックが、加工性、重さ、耐摩性、剛性および所望される煙および火災の等級に基づいてジャケット材料として使用されることができる。
【0031】
金属性ライナー202およびプラスチックジャケット204を有する複合管は、適当な材料を使用して様々な手段で製造されることができる。図2の典型的な管200の実施形態では、ステンレス鋼のリボンは、いかなる溶接もせずに第1の領域208でリボンの縁部が重ねられた状態で管に形成される。次いで、ポリエチレンから形成されることができる外側ジャケット204は、ステンレス鋼の管の上に押出成形される。
【0032】
代替としては、ステンレス鋼のリボンまたはテープは、縁部が共に突き合わされ、重ならない状態で管に形成される。ステンレス鋼のリボンの継ぎ目は、断続的に溶接され、ポリエチレンの外側ジャケットは、ステンレス鋼のリボンの上に押出成形される。
【0033】
ある具体的な実施形態では、ライナー202は、厚さ.002インチ(50.8μm)および幅1.0インチ(2.54cm)を有する304ステンレス鋼のリボンから形成される。ステンレス鋼ライナーの上に外側ジャケットを形成することに必要とする押出成形工程のパラメータに応じて、ステンレス鋼は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.004インチ(102μm)の範囲の、それに限定されるものではないが、任意の実際的な厚さであってよい。例示の実施形態では、管200の外径が約3/8インチ(9.53mm)であり、内径が1/4インチ(6.35mm)から5/16インチ(7.94mm)である。
【0034】
ライナー材料およびジャケット材料の様々な組合せは、特定の用途の要求を満たすように使用されることができるということが理解されよう。例えば、ステンレス鋼は、(二塩化エチレン、塩化ビニルおよび二臭化エチレンなどの)ハロゲン化炭化水素および他のハロゲン化VOCをサンプルするのに最適ではないかもしれない。これらの化合物は、殺虫剤(例えば、クロルデンおよびヘプタクロル)、洗浄液(例えば、四塩化炭素)、脱脂剤および塗料用溶剤においてとてもありふれたものであった。これらの化合物の使用は、それらの毒性のためにアメリカ合衆国内では禁止または抑制されており、したがってそれらの化合物は以前ほど頻繁には室内の空気中で見つからない。しかし、それらの化合物は、売れ残り品が未だに市販されているかもしれず、それらの化合物は外国で未だに使用中である可能性もあるので、未だに存在している可能性がある。そこでこの種類のVOCの測定することには特別の関心があり、金がこれらの気体状成分に対して比較的に化学的に不活性であるので、例えば、金属性ライナー202は金からなってよい。このライナーは、別の材料の上に金被膜を含むことができるということが理解されよう。
【0035】
本発明の管は、最適な空気輸送特性および建物内での取付けを容易にする可撓性のための金属性内側層を提供する。この管の可撓性のために、本発明の管を取付ける費用は、硬質ステンレス鋼管などの従来技術の管の取付け費用より実質的に少ないものとすることができる。管構造の可撓性に影響を及ぼす一因は、管を製作する材料の曲げ弾性率である。所与の形状について、管などの構造は、低い曲げ弾性率を有する材料で製作されるとより可撓性のあるものになるということがよく知られている。本明細書では、可撓性は、管が曲げ力を受ける際に管が撓むことになる量を指す。
【0036】
図2Aは、本発明の管が、距離Lだけ隔てられた2点の間で吊るされ、力Fが外径Dおよび内径dを有する管に対して印加されたときにどのように曲がることになるのかを示す。所与の形状(L、Dおよびdは固定値)および予め定められた力Fの印加に対して、管材料の曲げ弾性率が減少されるにつれてたわみの量Z(管の可撓性)は増大する。304ステンレス鋼についての曲げ弾性率は、比較的に高い(管ジャケットに使用され得る比較的に固いPVC材料についての約0.5×106PSI(3.45×109pa)とは対照的に、約28×106PSI(1.93×1011pa))ので、例えば、ステンレス鋼管へのいくらかの予め定められた量の力Fの印加では、プラスチック材料からなる同じ管の構成より実質的に少なく撓むことになる。曲げ弾性率の違いのために、金属化ライナーの厚さに応じて、非金属性外側ジャケットを含む本発明の管は、304ステンレス鋼の管よりも50から100倍(より上)可撓性であることになる。すなわち、複合管(内側金属層および外側ジャケット)の実際上の曲げ弾性率は、304ステンレス鋼の管の曲げ弾性率より約50から100倍少ない。304ステンレス鋼の管と比べてこのより少ない曲げ弾性率は、本明細書で示され説明される様々な典型的な発明の管の実施形態に適当であることが理解されよう。
【0037】
図3は、金属材料302が管材料基板304の内側表面に施された、本発明による複合管300の典型的な実施形態を示す。管300についてのライナーを形成する金属材料302は、金属塗料、堆積された金属(様々な既知の金属堆積技術のうちの任意の1つを利用するもの)あるいは基板304の中に滑り込まされた金属性挿入物または金属管であってよい。
【0038】
一実施形態では、基板304の内側表面上の被膜302は、既成の長さの(例えばポリエチレンの)管をある半径に沿って細長く切り、管を開けて内側表面を露出し、(ステンレス鋼などの)薄い金属性フィルムを真空蒸着技術によって施すことによって施されることができる。次いで、管300は超音波溶接よって再封止され、これにより例えばポリエチレンまたはPVC管に薄膜のステンレス鋼ライナーを与える。
【0039】
この管の製造工程は、内側表面被膜302を与え、これは図2のライナー表面よりも均質であり、粒子輸送効率に影響を及ぼし得る継ぎ目を無くす。
【0040】
別の実施形態では、既成の長さの管である基板304の代わりに、基板304は、ジャケット材料の押出成形されるリボンであってよく、このリボンは金属化されて被膜302を形成する。次いで金属化基板は、管300を形成するように巻かれ、管300の継ぎ目は、超音波溶接技術を使用して封止される。
【0041】
別の実施形態では、複合管は、ポリエチレンまたはPVC管が押出成形される際に金属フィルムを施すことによって製造される。比較的に小さな金属気化プローブが、押出ダイの近くに配置され、作業区域内の真空を維持している間に複合管が成形ガイドを通過する際に管の内側表面にステンレス鋼などの気化された金属を施す。
【0042】
図3Aに示される別の実施形態では、管300は、Mylar(登録商標)、Teflon(登録商標)、Kapton(登録商標)またはいくつかの他の適当なフィルムなどの材料から形成されるライナー302を含み、ライナー302は、金属を用いて被膜され、ライナー302と外側ジャケット304の間に設置される共重合体の接着剤によって外側ジャケット304に接着される。
【0043】
図3Bは、基板306を含む図3Aの複合ライナー302の誇張された断面の展開図を示しており、基板306は、蒸着、スパッタリングまたは当業者に知られた金属堆積の他の類似の技術を使用してステンレス鋼を含む金属層305で堆積される。代替としては、金属層は、金、黄銅、または比較的に良好な化学的不活性および低い吸収性および吸着性の特質を与える他の適当な伝導性材料などの他の材料からなってよい。ライナー302は、押出成形工程の間にライナーを外側ジャケット304(図3A)に接着するために使用される(熱硬化性接着剤などの)共重合体接着剤307を含むこともできる。
【0044】
図3Bの中に示されるライナー302を使用することの1つの利点は、管が、図2の組立体を生成するための工程に類似し得る比較的に簡単な製造工程を使用して並べられることができることであり、その工程の中で金属性ライナーは、成形型の上の管に形成され、ポリエチレンまたはPVCなどの適当なプラスチック材料が管の上に押出成形される。本発明に記載された複合管が、National Electrical Code(米国電気工事規程)によって記載されるプレナムおよび上昇管の環境などの厳しい煙および火炎の等級が要求される環境での使用のためのものである場合には、ほとんどの種類のポリエチレン材料によってそれらが燃焼するときに発生される法外な煙により、外側ジャケット(204および304)にポリエチレンを使用することは望ましくない。代替として、任意のいくつかの難燃剤PVC材料のうちの1つの難燃剤PVC材料が、この目的のために使用されることができ、その際にこの組立体は、プレナム環境で使用するケーブルに適格性を付与するために用いられるNFPA262またはUL910などの最も厳しい検査の下で証明されることができる。PVCを使用することによっても、より少ない堅さまたはより可撓性の管構成となり、より少ない堅さまたはより可撓性であることは、このことがそのような管を建物環境中での取付けをより容易にさせるので、特に図6に表されるものなどの構造化ケーブルを形成するために組み込まれる際に、望ましい特性である。
【0045】
ポリエチレンの上のPVCなどのより柔軟なより可撓性の材料の使用で1つ考慮すべきことは、この組立体が破砕または過度の曲げを受けた場合に、内側ライナー202(図2)または302(図3A、3B)が永久的に変形することを防ぐための保持能力がより小さいことである。これらの状況を受けるときに内側ライナーの永久的な変形をもたらす一要因は、ライナーの金属層の厚さにある。したがって、PVCの外側ジャケットを構成するときは金属層をできる限り薄くさせることが望ましく、これは、蒸着または類似の技術を使用してこの金属化層が非常に薄く製作されることができるときに図3Bの複合ライナー302を非常に適当にさせる。例えば、蒸着技術による通常最大堆積厚は、2000Åであり、その堆積厚は、ライナー202用に使用され得るものなどの市販のステンレス鋼箔より約250倍薄いものである。結果として、図3Bに表される複合ライナーを利用する複合管は、非常に可撓性のある、および非常に圧縮抵抗のあるものとなる。加えて、堆積厚5000Å以上が、もっと様々な技術を使用して可能である。この大きさの厚さの表面被膜を有することは、よりよい伝導性および耐摩性を促進するために望ましい可能性がある。逆に言えば、使用されるスパッタリング工程に応じて、堆積厚200Å以下は、空気サンプル内の構成成分の吸着および吸収に対して十分な性能を与えるために十分であり、一方で良好な粒子輸送効率を促進するための許容できるレベルの伝導性を与えもする可能性がある。
【0046】
例えば、図3Bのライナー302が利用されるところでは、基板306は、厚さ.001インチ(25.4μm)のMylar(登録商標)からなり、および1000Åのステンレス鋼が基板306の表面上に堆積される。Mylarは、強くおよび引裂抵抗性があるので、Mylarは基板306用に好ましい材料であり、そのことは、基板が押出頭部を通じて引っ張られるときに基板が大きな力を受けることになる押出成形工程に対して有利である。加えて、この構成では、薄い金属化表面305が非常に良好にその原形に弾性で戻るので、管は、比較的に大きな内径(ID)で製作されることができ、一方で未だに非常に圧縮抵抗性があると共に、よじれおよび永久的な変形の他の源に対する抵抗性がある。例えば、典型的な実施形態では、外径(OD)が9.53mm(1インチの3/8(3/8 of an inch))であるところでは、図3Bの内側ライナーを使用して、管はID7.87mm(.310インチ)で構成されることができる。そのような大きなIDは、空気サンプルがシステムによって引き込まれる際により小さなIDのものと比べて、それにより気流に対するより少ない制限がもたらされるので望ましいものであり、したがって所与の流量に対するシステム中の圧力低下を低減する。これは、ポンプの最大流出(pump capacity issues)を低減させると共に、このシステムによって取込まれる空気サンプルに関するよりよい粒子輸送効率を促進する助けとなる。後者についての理由は、米国特許第6,125,710号に記載されたものなどの空気サンプリングシステムは、比較的に大きい流量(典型的には1分当り20リットル以上)で操作される傾向にあるということである。これらの流量においては、主として管の長手方向に摩擦損により数10kPa(数PSI)の圧力低下がシステム中で起こる可能性がある。この大きさの圧力低下は、流れる気体(空気)の密度に大きな影響を有し、それにより気体が管の長手方向に移動する際に気体速度のばらつきとなる。この速度または加速度の変化は、粒子を気流の流れから脱落させる傾向を有し、したがって粒子質量による慣性の影響の結果として、それらの粒子はサンプルから失われる。
【0047】
図4は、内部に適当なホスト材料402が金属材料404で含浸される、典型的な複合管400を示す。管400は、管の断面にわたって金属材料の均質および非均質の分散を有する様々な実施形態で与えられることができる。
【0048】
ある具体的な実施形態では、管400は、押出成形工程の直前に混合される微粉化したステンレス鋼片をポリエチレンと共に含む。ステンレス鋼の量は、露出された表面上の任意の有意の量のポリエチレンに対して管の内側表面の吸蔵を行うために十分なものとすべきである。ステンレス鋼片は、大きさ数10マイクロメートルから大きさ1マイクロメートルの何分の1かに至るまでの範囲とすることができる。この変形例は、ステンレス鋼管とほとんど同じ化学的不活性を有するポリエチレン管の作業性を有し、一方で効率的な粒子輸送を促進するように空気サンプルが引き込まれるように電荷が内側表面上で集まることを阻止する導電性内側表面を与えもする。
【0049】
別の実施形態では、ホスト材料402はTeflon(登録商標)であり、金属材料404は微粉化したステンレス鋼である。この組合せは、ステンレス鋼を含浸したポリエチレンより低い吸収および気体排出の特性を有する内側表面を与えることができる。Teflon(登録商標)は、本質的に低い吸収および気体排出の特性を有し、それにより金属材料のパッキング密度を制御する能力に依存の少ない工程を使用した管の形成を可能にする。金属材料のパッキング密度のばらつきにより、管の内側表面区域がパッキング密度の比較的に低いポリエチレンの望ましくない特性を取る可能性がある。
【0050】
図5Aおよび図5Bは、部分的に非金属材料504から形成され、部分的に金属材料506から形成される内側表面502を有する本発明による複合管500の別の典型的な実施形態を示す。管500は、非金属材料504の表面に埋込まれる金属ストリップ506を含む。
【0051】
ある具体的な実施形態では、管500の内側表面を形成する金属材料506は、非金属材料504の表面と実質的に同じ高さである。金属材料506は、管を通る気流の結果として輸送される電荷を逃すための伝導性経路を与え、空気サンプルの目的で管を通る微粒子状物質の効率的な輸送を促進する。
【0052】
伝導性金属材料506の間の間隔508は、所与のサンプル用途のために管を通って加えられる空気流量の結果として導体間でごくわずかな電場だけが確立されることができることを確実にするように十分に小さいものとすべきである。一実施形態では、金属材料506はステンレス鋼を含み、非金属材料504はTeflon(登録商標)を含む。
【0053】
図6Aは、構造化組立体600の典型的な実施形態の断面図であり、構造化組立体600は、複合管650と様々な集団の導体とを含み、それらは組立体が取付けられることができる空気サンプリングシステム内で使用されることができる。図6Bは、図6Aの構造化組立体600の等角図である。管650の周りに螺旋に巻付けられることができる導体の集団は、電力、通信および様々な信号を供給することができ、それらはシステム内で監視されることができる。構造化組立体600は、そのようなシステムで与えられる電力および通信のケーブル(および管)の取付けを簡単化し、その取付けの費用を下げる。
【0054】
典型的な構造化組立体600は、図7の例示の空気サンプリングシステム700などの空気サンプリングシステムでの使用によく適している。システム700は、建物内に取付けられることができ、1つの共通のネットワーク上で通信する、建物全体にわたって分散されたコントローラを有する建物制御システムの一部を形成することができる。システム700は、センサ組およびコントローラ702を含むことができ、それらは遠隔配置されることができ、1つまたは複数のノードコントローラ構成部分704a、bに結合される。終端ポイント706は、ノードコントローラ704aを介してセンサ組702まで送られる空気サンプルを取込むために様々な部屋に配置されることができる。ノードコントローラ704a、bは、中央コントローラ702によってネットワーク上で共にネットワーク化され制御されることができる。各ノードコントローラ704は、空気サンプルが取り出される各部屋専用である弁を制御する。例えば終端ポイント706、ノードコントローラ704およびセンサ組702は、図6の構造化組立体600を介して接続されることができる。
【0055】
空気サンプルは、多重方式でシステム中の各部屋から取込まれ、センサ組702まで戻るように運ばれる。加えて、(温度用および相対湿度用などの)個別のセンサは、部屋ごとに示される終端ポイントの位置の内で配設されてよく、それぞれに関連したデータは、各終端ポイントまで直列接続によって、あるいは終端ポイントとノードコントローラの間でアナログ信号および/またはデジタル信号を接続することによって、各ノードコントローラによってサンプルされてよい。典型的な空気サンプリングシステムのさらなる詳細は、米国特許第6,125,710号に述べられている。
【0056】
図6を再び参照すると、組立体600は、金属層652および管ジャケット654を有する複合管650を含む。ケーブルジャケット604と管ジャケット654の間の領域602では、様々なケーブルおよびワイヤが配設される。典型的な実施形態では、組立体600は、第1、第2、第3および第4のケーブル構造606、607、608および609を含む。ケーブル構造606、607および608は、システムについての電力、信号および通信の接続の組合せを与えるために使用される。
【0057】
第4のケーブル構造609は、システム700の性能を最適化することを助ける専用の感知機能を与えるために使用されることができる。加えて、組立体600は、ケーブルの取付けの間に外側ジャケット604の除去を補助するリップコード610を含む。リップコードは、構造化ケーブル組立体にありふれた特徴である。例えば、主要なワイヤおよびケーブルの製造業者、Belden CDT Inc.によって提供される複合ケーブルの系列(例えば、Belden 7876A 複合データ、オーディオ、画像、保安および制御のケーブル)における多くのケーブルは、リップコードを含む。
【0058】
ある具体的な実施形態では、第1のケーブル構造606は、信号を搬送するための22AWG撚線対を含み、第3のケーブル構造608は、いくつかの接続のための通信を行うと共に他のための信号を与えるためのドレイン線608aおよび箔遮蔽608bを有する22AWG TSPを含む。第2のケーブル構造607は、システム構成要素用に電力を搬送するための18AWG3つ組型の撚ケーブルを含む。
【0059】
ケーブル構造606、607および608によって供される機能は、システム700(図7)のどの部分でケーブル600が使用されるのかに応じて変動する。例えば、ノードコントローラ704a、bまたは702(図7)の間で接続を行うときは、第2のケーブル構造607は、典型的には(センサ組702内または近傍に存在する)電力供給部からシステム中の様々なノードコントローラへ電力を供給するために使用されることになる。システム700については、この電力供給部は、典型的には交流24V電力および接地であることになるが、このシステムの異なる実施形態は、ケーブル構造607を通ってさらに供給されることになる他の電源(例えば直流+/−15Vおよび接地)から動作するようになされることができる。ノードコントローラ704間、またはノードコントローラ704とセンサ組702の間で接続するときは、第3のケーブル構造608は、ネットワークケーブルとして機能し、その上でノードコントローラ704ならびにセンサ組および中央コントローラ702が通信する。これらの接続については、システム700の典型的な実施形態では、第3のケーブル構造608は、EIA485(または同等物)物理層を有するデータ通信ネットワークの幹線を形成する。この種類のネットワークは、ケーブルの特性インピーダンスを制約するためのみならず、ネットワークにある程度の雑音余裕を与えるために、第3のケーブル構造608についての仕様とされた通りに、接地線と共に導体からなる遮蔽用撚対をしばしば利用することはデータネットワーク設計の当業者には明らかであろう。さらに、構造化ケーブル600が、ノードコントローラ間704間、またはノードコントローラ704aとセンサ組702の間の接続を行うために使用されるときは、第1のケーブル構造606は、典型的には利用されることはなく、またはいくつかの補助的なもの、およびシステム700の顧客の用途において生じる可能性のある予め定められていない目的に仕えてよい。
【0060】
ノードコントローラ704と終端ポイント706の間で接続を行うときは、典型的には第2のケーブル構造607が使用されて電力および信号用接地を終端ポイント706で存在する個々のセンサ装置および計装に与えることになる。加えて、終端ポイント706に接続するときは、第1および第2のケーブル構造606、608は、706内で配置される様々なセンサからの信号出力をノードコントローラ704まで接続するために使用されてよく、ノードコントローラ704は、これらの信号を標本化し、中央コントローラ702まで戻るように通信する。706で存在する可能性のあるセンサの種類の例は、温度センサ、相対湿度センサおよびオゾンセンサを含む。
【0061】
第4のケーブル構造609は、感知ラインを与えて空気サンプルについてのタイミング順序を最適化する。ある具体的な実施形態では、感知ラインは26AWG撚線対ワイヤとして与えられる。感知ライン609は、各位置からセンサ組までの各空気サンプルの輸送時間を推定するために、図7のセンサ組702とシステム内の各終端ポイント706の間の距離を測定するために使用される。流量およびしたがって輸送速度は、通常はセンサ組702で調整されることになる。したがって、各感知される位置についてのサンプル輸送時間は、推定距離を同じ速度で除算することによって計算されることができる。より大きなシステムでは、輸送距離が数百フィート(数10メートル)になる可能性があり、それにより評価できる輸送時間となるので、これはシステムのサンプル速度を最適化するのに役立つ。例えば、流速1秒当り20フィート(1秒当り6.1メートル)で、400フィート(122メートル)にわたって取込まれるサンプルは、輸送時間20秒である。
【0062】
輸送時間を推定することに加えて、輸送距離を測定することは、センサ組702が粒子測定を行うために使用されるときに有利となり得る。微粒子の輸送効率は、本発明の管を通じて良好であるけれども、大粒子(例えばここではより大きな1uM)についての粒子の損失は、特に管が数10から数百フィート(数100メートル)の距離にわたって取込まれるときには輸送距離によって有意に変動する可能性がある。しかし、損失割合は、所与の流量での距離を用いて相当に予測可能であり、したがって輸送距離を知ることにより、この損失を補償する方法を与える。
【0063】
図8は、感知ライン801によって生成される電気回路の概略図800であり、感知ライン801が、図7に表されるシステム700全体にわたって構造化ケーブル600によって分配されるときのものである。したがって、終端ポイント806は、システム700中の706と対応し、ノードコントローラ804は、ノードコントローラ704と相関する。ライン長測定装置802は、典型的にはセンサ組および中央コントローラ702内、または702のごく近傍(典型的には40フィート(12.2メートル)以内)に収容される。図8に示されると共に図6に例示されたように、感知ラインは、好ましくは一対のワイヤ導体801a、bである。この対の導体は、対の導体が様々なノードコントローラ804、終端ポイント806およびライン長測定装置802に接続される場合にシステム700/800を通って分配される。各ノードコントローラ804は、いくつかの対の電気スイッチ803を含み、対の電気スイッチ803は、終端ポイント806とライン長測定装置802の間の距離を測定するためにライン長測定装置802と個々の終端ポイント806の間で選択的に回路を完成するために使用される。距離測定を行うための技術は、導体長に伴って変動する対の導体801a、bの物理的特性に依存する。例えば一実施形態では、距離測定は、802aと802bの間で測定される際のライン長測定装置と所与の終端ポイント806との間の対の導体801a、bの全オーム抵抗の測定に基づく。そのような測定を行うために設計され得る多様な回路が存在することは電子機器の当業者には明らかであろう。例えば一実施形態では、電流源は、ライン長測定装置802内の電子回路構成要素として与えられることができ、ポイント802aから感知ライン801aを通って継がれた接続805まで至り802bを通って戻って流れるように生成されることができる正確な電流を発生させる。組継ぎされた接続805は、終端ポイント806で対の導体801a、bの端部を共に拠り合せることによって、またはツイストオンワイヤ接続器を使用して801a、bを共に接続することによって、あるいは2つの電気導体を共に接合するために使用される他の適当な手段によって製作されることができる。点802aと802bの間の結果として得られる電圧は、802内の別個の回路によって同時に測定され、その信号は802aと802bの間の抵抗に比例し、その抵抗は終端ポイントまでの距離に比例する。これらの方法を使用するときに、感知ライン801a、bは、各終端ポイント806で継ぎ接続805を形成するように共に接続され、(801aおよび801b、閉じたスイッチ803ならびに組継された接続805の中の導体によって形成される)回路の全抵抗は、測定装置802によって測定される。
【0064】
さらなる例のように、終端ポイント806aとライン長測定装置802の間の距離を測定するためにこの抵抗測定方法を使用する際には、ノードコントローラ804a中の対のスイッチ803aは閉じられることになり、一方でシステム800中の他の全てのスイッチ803は開いたままであり、802aと802bの間の結果として得られる回路の抵抗が測定される。回路の実際の長さは、導体802aと802bの両方の合わせた長さのために、測定される実際の距離の2倍であることに留意されたい。これは、そのような測定システムの分解能の強化を助ける一方、ライン測定装置802に由来する電流の大きさを最小化する。
【0065】
典型的な実施形態では、感知ライン801は、銅ワイヤの26AWG単線撚線対であり、この撚線対は、例えば1000フィート当り40.81オーム(1メートル当り0.1339オーム)の抵抗仕様を有するBeldon Equivalent 9976とすることができる。代替としては、より細いまたはより粗い太さのワイヤ、および撚線などの異なる構成を使用するワイヤ、およびアルミニウムまたは他の材料などの異なる材料からなるワイヤが使用されることができる。しかし、選択の材料は、ケーブル組立体600が中を通って取付けられる所与の建物全体にわたって温度が劇的に変動する可能性があるので、測定精度が比較的に温度の影響を受けないことを確実にするために、比較的に低い抵抗率の温度係数を有するべきである。
【0066】
抵抗は、以下の式1に従って温度に伴って変動する。
RT=R20[1+α(T−20)] (式1)
ここで、
RT=実際の温度におけるオーム単位の抵抗
R20=20℃におけるオーム単位の抵抗
α=抵抗率の温度係数
T=実際の温度℃
である。
【0067】
共通区域、部屋、隙間空間および塔屋を含む典型的な商業建物の環境では、ケーブル組立体600が露出されることになる典型的な動作温度範囲は、0から40℃である。前に述べた通り本発明の好ましい実施形態では、感知ライン801は、銅からなることになる。銅に関しては、α=.00393℃−1であり、それは、式1に基づいて、銅を用いた抵抗に基づく距離測定の温度により許容範囲は、標準の温度が20℃および動作温度範囲が0から40℃であると仮定すると約+/−8%であることを意味する。この精度レベルは、輸送距離が152.4メートル以下(500フィート以下)である大部分のシステム800に対しては十分である。
【0068】
別の実施形態では、ライン長測定装置802は、終端ポイント806と装置802の間の距離を測定するために時間領域反射率計(TDR)を組み込んでよい。そのような手法は、差動方式またはシングルエンデッド方式で高帯域電気パルスを系統801aおよび801bに印加すること、およびパルスが系統801を下って選択されたスイッチ803を通って終端ポイント806へ至り再び戻って伝搬するのにかかる経過時間を測定することに基づく。ケーブルの長さを測定するためにTDRを使用することは、十分に確立した方法である。
【0069】
感知ラインを使用して行われる距離測定が、実際の管の長さを合理的に表すものであるということを確実にするために、これらの導体の長さと管の長さの比は、制御されるべきであるということに留意されたい。それは空気輸送管の性能を助けるので、これは構造化ケーブル組立体の1つの特徴である。
【0070】
金属ラインの管を有する本明細書で開示される典型的な実施形態は、非常に非伝導性である材料を用いて製作される既知の管と比べて強化された粒子輸送効率性能を与える。これは金属化ライナーの伝導性によるものであり、この金属化ライナーは、述べたように静電効果による堆積を最小化する傾向にある。しかし、粒子損失の別な根源、熱泳動として知られる機構も、輸送効率に対して顕著な影響を有する可能性がある。熱泳動は、温度勾配による力に起因した粒子の移動を指し、ここで粒子に対する正味の力は、より低い温度の領域に向いている。これは、構造化組立体600が建物内で取付けられた場合に、終端ポイント706と組立体600が引き回される建物内の様々な区域の間で存在する大きな温度勾配のところで、粒子輸送に影響を及ぼす要因となり得る。例えば、ケーブル組立体600は、塔屋または隙間空間を通って引き回されることができ、そこは空気サンプルが取り出される部屋(終端ポイント706)の温度より実質的に低い温度であることが時々(例えば冬季)あり得る。例えば、表面上の0.5um粒子の堆積速度は、堆積面と、粒子が浮遊している空気の間で温度差10℃を維持することによって10分の1になり得るということが知られている。熱泳動力は、粒径に対して反比例する傾向にあり、大きさ1umおよびそれより小さい粒子で最も顕著となるものである。
【0071】
本発明の別な態様によれば、構造化組立体600は、熱泳動力を補償すると共に、粒子輸送に影響を及ぼす重力の影響およびクーロン力(静電効果)などの他の堆積力に対するある程度の対抗策を与える。これは、複合管650の長手方向に熱源を配設することによって成し遂げられることができ、それは、管650を規則正しく通過する空気サンプルの温度より上で内側ライナー652の平均温度を維持するのに十分である。
【0072】
加えて、管を熱することについての別の理由は、空気から凝結され得る水を含むあるVOCまたは他の気体が、管を通ってセンサ組まで輸送されている間に、そのVOCまたは他の気体が凝結することを防ぐことにある。
【0073】
図9に示されるある具体的な実施形態では、図6の組立体600は、1つまたは複数の加熱器要素901を構造化ケーブル組立体に加えることによって組立体900を形成するように変更される。加熱器要素901は、ニクロム、タングステン、ニッケル、ステンレス鋼などの材料、または加熱器の機能を与えるための適当な他の材料からなる1つまたは複数の抵抗性発熱体であってよく、その抵抗性発熱体を通って電流が流れることができ、その結果、導体の長手方向に電力が消費され温度が上昇する。この導体は、導体がリボン形であるように円形または平坦である断面を有してよい。
【0074】
例示の実施形態では、加熱器要素901は、28AWGタングステンワイヤからなる。この電流源は、センサ組702(図7)の一部である別個の電子式構成部分として含まれ、そこから加熱器要素901の平均温度は、ケーブル900の全長に応じて予め定められた電流を媒体に加えることによって制御されることができ、あるいはタングステンまたはニッケルが有する温度係数など材料の温度係数が比較的に大きい場合は、代替の実施形態のように、加熱器要素901の温度は、例えば熱線風速計の温度を制御するために開発された技術など温度依存性抵抗材料の温度を制御するための十分に確立した方法を使用して正確に制御されることができる。例えば、米国特許第4,523,461号を参照されたい。
【0075】
しかし、タングステンが使用される場合のある具体的な実施形態では、低電流がこの媒体に印加される。概して、加熱器要素は、最も典型的には組立体600/900が図7で示されるノードコントローラ704の間(例えば704aと704bの間)で接続する際に組立体600/900内で利用されることになり、組立体600/900の接続は典型的には最も長い長さの組立体600を含み、組立体600/900は建物の構造を通って数100フィート(数10から数100メートル)の距離にわたって引き回される場合もある。しかし、加熱器要素は、大きな温度勾配が建物内のこれらの接続点の間でしばしば起こり得、これが粒子損失に有意に寄与することになり得る際には、組立体600/900内ならびにノードコントローラ704とそれらの各終端ポイント706の間で有利に適用され得る多くの場合がある。
【0076】
管を通っての粒子輸送に影響を与える別の要因は、管媒体の内側表面が帯電を確立する能力にある。表面上に帯電が確立されることになる際には、その表面上で浮遊した微粒子状物質は、表面上が帯電し、粒子の電荷が逆の極性である場合、その表面に引寄せられる傾向を有することになる。本明細書に記載された伝導性ライナー652の利点の1つは、電荷を消散させる伝導性ライナーの能力であり、したがってその結果、不良導体の表面の帯電と比べて単位面積当り比較的に低い帯電となる。しかし、一部の場合は、電荷が伝導性ライナー652からいくつかの他の導電性媒体まで内部を流れることができる追加の伝導性経路を設けて、電荷が伝導性ライナー652の表面上に発達できる量を実質的に低減することが利点となる可能性がある。一例としては、伝導性ライナーは建物内の電気的接地に電気的に接続されることができ、あるいは伝導性ライナーは建物の骨組みまたはいくつかの他の建物の構成要素に接続されることができ、それによって接地への低インピーダンス経路または内部で電荷が十分に消散されることができる別の媒体を提供する。電荷がライナー652から流れる伝導性経路は、システム全体にわたる接地へのただ1つの接続または接地への複数の接続を与えることを含む任意のいくつかの技術を使用して確立されることができる。
【0077】
図10Aは、図7によって表されるシステム700全体にわたって構造化ケーブル600によって分散される管650の分散の概略図1000である。(図10Aで1001としても名付けられる)管650は、システム700/1000を通って分散されており、管650はノードコントローラ1004内で含まれる様々な弁1003に接続され、管650は弁1003と終端ポイント1006の間で接続される。適宜の接地接続1010も示されており、適宜の接地接続1010は、内側ライナー652を建物内の接地に電気的に接続するために利用されることができ、そこでシステム1000は取付けられ、したがって電荷がシステム1000から流れる経路を与える。
【0078】
一実施形態では、システム700/1000で示される管650の様々な区間の伝導性内側ライナー652は、共に電気的に接続され、その結果、任意の管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iに加えられる任意の量の電荷は、管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、i全体にわたって等しく消散させられる。これらの電気的接続は、例えば弁1003で導電性バーブ継手を使用することによってなされることができ、弁1003の一方の側の継手を弁1003の他方の側の継手に電気的に接続する手段を与える。
【0079】
図10Bは、管がこの方法を使用してノードコントローラ1004内の弁1003に接合される方法を表し、弁1003は、弁1003のそれぞれの側に接続されるバーブ継手1007a、bを含む。空気圧システムに関する当業者によく知られているバーブ継手は、大部分の種類の可撓性管と共に一般に使用されており、管を継手のバーブ区間上に押圧することによって接続を行うように使用される。(バーブ継手の一般的な例は、NewAge Industries,Inc.による製品系列Thermobarb(登録商標)のものを含む)そのような管1001との接続を行うことによって、各継手は、管1001の伝導性内側ライナー652と接触する。本発明の目的では、継手1007は、(例えば、黄銅、青銅、鉄、鋼、ステンレス鋼およびアルミニウムなどの)金属、伝導性プラスチック、伝導性複合材、または伝導性塗料などの任意の種類の伝導性材料からなることができ、または任意の種類の伝導性材料で被膜されることができる。さらに、一実施形態では、弁1003は、それ自体、例えばステンレス鋼またはいくつかの他の金属などの伝導性材料からなることができ、およびしたがって示されるように継手1007と管1001に接続されると、管区間1001aと1001bの間で電荷が流れる電気的に連続な経路を与える。
【0080】
代替の実施形態では、図10Cに示すように、弁1003が非伝導性材料からなる場合には、継手1007aの端子1008aおよび継手1007bの1008bに接続される短絡用ストラップ1009は、管1001a、bの内側ライナー652を共に電気的に接続するために設けられることができる。そのような伝導性ストラップ1009は、銅ワイヤまたはこの目的ために適当であるいくつかの他の伝導性材料からなるワイヤでよい。端子1008a、bは、ストラップ1009などのワイヤを継手1007に固着することができるねじ締め型締付具でよく、それは適宜の接地接続1010を留めるために使用されることもできる。加えて、適宜の接地1010は、システム1000全体にわたって1つまたは複数の位置で設けられることができる。
【0081】
さらなる実施形態では、バーブ継手1008の使用に代わり、伝導性経路は、伝導性である材料を使用してジャケット654を構成することによって電荷を伝導性内側ライナー652から管650のジャケット654を通って輸送するために設けられる。例えば、ジャケット654は、管400で使用されるものなどの微粉化した金属片で含浸された複合のプラスチックからなることができる。ジャケット654は、カーボンの粉末またはファイバーあるいは任意のいくつかの他の伝導性充填化合物で埋込まれたプラスチック樹脂からなることもできる。
【0082】
図11は、管650が、伝導性遮蔽1101で追加的に被包され、伝導性ドレイン線1102が、伝導性遮蔽1101と伝導性管ジャケット654の間で配設されてこれら3つの構成部品(654、1101および1102)の間で低インピーダンス接続を形成する。典型的な実施形態を表す。伝導性遮蔽1101は、(大部分の市販の遮蔽されたケーブルに共通であるものなどの)アルミニウム箔、アルミニウム・ポリエステル・アルミニウム薄層などの金属性箔、または任意の他の適当な伝導性材料から構成されてよい。同様に、ドレイン線1102は、遮蔽されたケーブルで典型的に見られる銅ドレイン線などの導線であってよい。しかし、ドレイン線1102は、同様に他の適当な伝導性材料から構成されてよい。
【0083】
ドレイン線1102は、電荷が伝導性内側ライナー652から管ジャケット654へ伝導性外側材料または遮蔽1101へ次いで最後にドレイン線1102を通って接地まで流れるように伝導性経路を設けるために、システム1000の接地接続1010に接続されてよい。ケーブル組立体1100をシステム1000の管に適用し1つの接地接続だけを設けるときは、区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iの間の伝導性内側ライナー652は、共に各区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからのドレイン線1102を継ぐことによって共に電気的に接続されてよい。バーブ継手を備えた実施形態の場合のように、ケーブル組立体1100を使用する実施形態は、システム1000全体にわたって複数の位置で接地されてもよい。そのようにする際には概して、各区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからのドレイン線1102を共に継ぐ必要はない。
【0084】
管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからの伝導性内側ライナー652の相互接続、および電荷が流れるための接地接続1010などの追加の電気経路を設けることは、システム内での電荷蓄積を制限するための受動的方法である。しかし、代替として、能動的方法が、空気サンプルがシステム1000全体にわたって様々な終端ポイント1006から取込まれる際に粒子の輸送を助けるために、内側ライナー652上の静電荷蓄積を制御するように、または粒子が表面652上の静電荷と相互作用する方法を制御するように使用されてよい。
【0085】
一実施形態では、システム1000の管650を通って引き込まれる空気サンプルは、終端ポイント1006から取込まれた各空気サンプルから引き込まれる微粒子状物質を能動的または受動的に充電するイオン化源に露出されてよい。本実施形態では、電圧は、伝導性ライナー652の表面から帯電した微粒子状物質をはじくために管650の伝導性内側ライナー652に印加されることになり、したがって、システム1000を通じての微粒子状物質の輸送効率を改善する。イオン化可能な流体媒体のための典型的なイオン源は、例えば米国特許第6,693,788号、米国特許第4,689,715号、米国特許第3,711,743号および米国特許第3,613,993号に記載されており、それら全ては参照により本明細書に組み込まれる。しかし、より詳細には、イオン化装置は、(空気などの)イオン化可能な流体媒体に露出される任意のいくつかの電極を利用することができ、(典型的には5キロボルト以上である)高電圧源に結合される。
【0086】
図12は、管650と共に気流の流れに適用されるイオン源1201の応用例の典型的な実施形態1200を例示する。本実施形態では、伝導性バーブ継手1205は、電気的接続を伝導性内側ライナー652に与えるために使用されており、伝導性内側ライナー652に対して電圧ポテンシャルは、ネジ締め締付具1202を使用して電圧源1203の出力部をバーブ継手1205に電気的に接続することによって印加されてよい。しかし、伝導性内側ライナー652を接続する他の適当な方法が使用されてもよい。本明細書では、イオン化電源と同じ参照1209に接続される電圧源1203は、直流電圧または直流成分を有する時間変動性電圧であってよい。この電圧の大きさは、数ボルトから数1000ボルトまでの範囲の任意の値でよい。電圧源1203は、能動的装置であるとみなされることができる。伝導性内側ライナー652に印加される可能性のある潜在的に大きな電圧の結果としてもたらされる可能性のある潜在的な危険のために、電圧源1203は、その電流源能力を実質的に制限することによるエネルギー制限特徴を備えて設計されることができる。イオン源1201に流入する空気流の流れ1207は、イオン化電源1206からの電圧間で大きな電圧ポテンシャルを印加させる電極1204によってイオン化されることになる。結果として生じるイオン化された気流の流れ1208は、バーブ継手1205を通って管650に流入し、伝導性内側ライナー652上で電圧源1203を介して確立された電荷によって、気流の流れ1208内のイオン化された粒子は、伝導性内側ライナー652の表面からはじかれる傾向を有することになり、その結果、管650全体にわたる粒子輸送の強化となる。本発明の目的のために、イオン源1201は、システム1000全体にわたる多数の位置で設けられてよい。
【0087】
本発明の複合管は、システム700での使用によく適しているが、上述のように本発明の複合管は、空気サンプルを輸送するためにおよび任意のいくつかのセンサを用いて空気の様々な特性の遠隔測定を行うために設計された他の種類の空気監視システムでの使用にもよく適している。例えば、この管は、米国特許第6,241,950号によって記載されるもの(それは参照により本明細書に組み込まれる)などのマルチポイント空気サンプリングシステムでの使用によく適している。本発明の管からやはり利益を受けることができる他の種類の類似したシステムは、冷媒漏出を検出するための監視機能を与えるために使用されるシステム、および他の有毒性気体監視の応用例を含む。これらは、1つまたはいくつかの共用のセンサを使用して建物(特に冷水設備、空気処理装置および他の冷却システムの付近)内の1つまたは複数の位置で気体の形態にある冷媒漏出の存在を監視するためにしばしば使用される市販のシステムである。そのようなシステムは、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)および他の有毒性気体、ならびに建物の汚染物質または駐車場などの他の狭い空間内の汚染物質を監視するために使用されることもできる。
【0088】
例えば米国特許第6,241,950号に記載されたもの(それは参照により本明細書に組み込まれる)などのシステム、および冷媒および他の(有毒性)気体を監視するために使用される前述のシステムでは、空気パラメータの測定を行うためのセンサとシステムによって監視された位置からのサンプルを切替えるための空気取入弁は共に、建物内の共通の位置で配置されており、それらは、典型的には共通の容器内で配置される。図13は、そのようなシステムの一般化された図であり、このシステムは、管1301を介して関心の各部屋の終端ポイント1308に接続された複数の入力口を有する。終端ポイント1308は、単純に管1301の各部分の端部が配置される位置であってよく、または終端ポイント1308は、システム700の場合と同じように他のセンサおよび機器を組み込んでもよい。本サンプリングシステム用のほとんどの構成要素は、容器1307内に含まれ、容器1307は、内部を通ってサンプルが取込まれる空気取入弁1302と、1つの共通の多岐管1303を介して弁と相互接続するための手段と、1つまたは複数のセンサを含むセンサ組1304と、中央真空ポンプシステム1306と、コントローラ1305とを収容する。
【0089】
システムは、空気取入弁1302を通じて空気サンプルを順序付けることによって作動するものであり、空気サンプルは、それによってポンプ1306によって確立される負圧によってセンサ組1304を通って引き込まれる。所与の部屋または位置からの空気サンプルが、センサ組1304を通過する際に、1304によって感知される空気パラメータは、コントローラ1305によって監視され、典型的には記録される。コントローラ1305は、空気取入弁1302を順序付ける役割も果たす。多くの種類の管1301は、1300のようなシステムで使用されてきたものであり、ポリエチレン、Plexco(登録商標)、Teflon、硬質ステンレス鋼パイプおよび他の材料からなる管を含む。しかし、発明の管、例えば200、300、400、500を使用することによりシステム700によって実現される利益は、1300などのシステムおよび他のマルチポイント空気サンプル方式に等しく当てはまる。
【0090】
システム1300中の例えば200、300、400、500の本発明の管は、例えば良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。例えば200、300、400、500の管は、内部にシステム1300が取付けられる建物全体にわたる位置で、システム1300が低レベル濃度の揮発性有機化合物を遠隔監視することを可能にし、一方、同時に微粒子を遠隔監視する能力も与える。システム1300中の本発明の管を使用することにより、例えばセンサ組1304内での(ppbレベルのVOC監視用)光イオン化検出器および粒子計数器の使用を可能にすることになる。
【0091】
加えて、システム1300などの空気監視システムは、電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するための構造化組立体600、900および1100から利益を得ることもできる。これは、1300のようなシステムの能力を拡張するための簡便な方法を手供し、一方で取付け費用を最小化する。そのような組立体600、900および1100を使用することは、システム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置からの空気サンプルの順序付けを最適化するために感知ライン609を使用して距離測定が行われることを可能にもする。システム1300は、加熱器要素901を利用して粒子輸送効率を改善すると共に、VOCの気体または他の気体がシステム1300中の部屋および他の位置からセンサ組1304まで輸送されている間に空気から凝結され得る水を含むあるVOCの気体または他の気体の凝結を防ぐことを助けることもできる。また、空気サンプル中の粒子輸送を促進するためにシステム700/1000中の管の内側ライナー652上の電荷を能動的または受動的に制御するための説明済みの原理は、1300のなどのシステムに同様に適用する。
【0092】
本発明は、空気サンプリングシステム中で空気の「パケット」を輸送するのによく適する管構造を提供する。この管は、管を通じての微粒子状物質の効率的な輸送および関心の多くの空気の成分について比較的少ない吸収および気体排出を与える、金属性内側層および適宜の外側ジャケットを含む。
【0093】
図14Aは、金属箔が上に接着された基板を利用する金属ライナーされた管を含む誇張された断面で組立体1400の典型的な実施形態を示す。図14Bは、図14Aの管組立体1400の誇張された断面の展開図を示す。組立体1400は、316ステンレス鋼などの適当な材料を用いて金属化された金属ライナー1402を含む。一実施形態では、金属ライナー1402は、接着剤1403によって適当な基板1404に接着され、次いで基板1404は、適当なさらなる接着剤1405によって外側ジャケット1406に接着される。
【0094】
典型的な実施形態では、ライナー1402は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.005インチ(127μm)までの範囲の厚さを有するアルミニウム箔を含む。ある具体的な実施形態では、厚さが約25.4μm(.001インチ)である。典型的な実施形態では、金属化層1401が、厚さ約100から1000オングストロームまでの範囲の316ステンレス鋼であり、および一実施形態では、厚さが約200オングストロームである。接着剤層1403は、厚さが0.0001インチ(2.54μm)から0.002インチ(50.8μm)までであり、1402および1404用に使用される材料と接着相性のよいものであるように選択される硬化型永久接着剤とすることができる。例示の実施形態では、基板層1404は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.003インチ(76.2μm)までの範囲の(Kapton(登録商標)などの)ポリアミドフィルムであり、一実施形態では厚さ約0.001インチ(25.4μm)であり、それは基板1404をPVCからなってよい押出成形される外側ジャケット1406に接着するために使用される熱活性化接着剤でグラビア塗工される。
【0095】
代替の実施形態では、金属ライナー1402は、少なくとも管の内側表面を形成する表面上において、無水酸化アルミニウムの表面を有するアルミニウムからなり(それにより工業用サファイアと化学的に同じである特性となり)、金属化層1401は省略される。
【0096】
本発明の別の実施形態では、金属ライナー1402は、約0.001インチ(25.4μm)から約0.0005インチ(12.7μm)またはそれより少ない範囲の厚さを有する薄いステンレス鋼箔からなり、金属化層1401は省略される。金属ライナーについて他の厚さが可能であることが理解されよう。
【0097】
本発明の別の実施形態では、金属ライナー1402は、薄くニッケルめっきした銅箔からなる。ニッケルめっきした銅箔の厚さの典型的な範囲は、約0.001インチ(25.4μm)から約0.0005インチ(12.7μm)またはそれより少ない範囲である。例示の実施形態では、金属化層1401は省略される。
【0098】
一実施形態では、箔ライナー1402および接着剤1403は省略され、金属化層1401は、Kapton(登録商標)または他の適当なプラスチック材料からなる基板層1404の上へ直接堆積される。
【0099】
本発明の管1400は、管105としてシステム100(図1)での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300(図13)での使用によく適しており、良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。加えて、発明の管1400は、構造化組立体600(図6A)および900(図9)内に管650として組み込まれてよく、その結果、管1400は、700(図7)、800(図8)および1000(図10A)などのシステムで使用されることができる。加えて、発明の管1400は、電力および通信ならびに信号接続を建物全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、システム1300に適用される構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、管1400/650は、組立体600および900内で適用されて1300内での電気的接続を容易にすることができ、それは、終端ポイント1308で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置をやはり支援するようになされる、例えば冷媒または他の有毒性気体監視システムであってもよい。
【0100】
図15は、炭素ベースの材料1501で含浸される適当なホスト材料1502を有する管組立体1500を示す。一実施形態では、炭素ベースの材料1501は、非晶質の粉末形態の非常に分散した元素状炭素であるカーボンブラックである。10から10000オームセンチメートルの範囲の目標の体積抵抗率を達成するために、15から30重量%の間のカーボンブラックの装填が行われる。一実施形態では、体積抵抗率が約1000オームセンチメートルの所望の機械特性を得るために、約20重量%の装填割合が使用される。
【0101】
カーボンブラックは、火花放電および/または吸塵を発生し得る静電荷を低減させるような伝導特性を有するプラスチック複合材を製作するために幅広い種類のプラスチックの中の充填材として使用される。典型的には、この増大された伝導性は、通常環境またはクリーンルーム環境中の敏感な電子機器について静電遮蔽またはEMI遮蔽用に、ならびに静電放電を低減させるために使用される。この増大された伝導性は、これらの材料が静電放電によって点火する可能性を防ぐために、可燃性または揮発性の液体または気体を輸送するためにも使用される。この種類の導電性管材料の例は、TexLoc Ltd.からのパート番号23478の、カーボンブラックの充填されたPTFE管である。体積抵抗率は、使用されるカーボンブラックの特定の構成と充填材中のカーボンブラックの均等な分散を得ることの難しさの両方によっていくらかの変動を有する可能性があることが知られている。分散能力と呼ばれるこの特性は、伝導性カーボン材料が樹脂で濡らされ続いて脱凝集されることができることの容易性を示す。この目安は、カーボンブラックまたは他の炭素ベースの材料を分散させるために使用されるプラスチックホスト材料から独立している。費用に加えて、カーボンブラックのより高い装填は、ホスト材料の物理的特性を負に変化させ、例えば押出成形または鋳造することをより厄介でより困難にさせる。
【0102】
典型的な実施形態では、充填材として使用される炭素ベースの材料1501は、カーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、高伝導性、高耐久性を示す炭素の同素体であり、化学的に不活性であり、それら全ては、空気サンプル管に対して好ましい特性である。
【0103】
球状フラーレン(「バッキーボール」)から得られるカーボンナノチューブ(「バッキーチューブ」と呼ばれることがある)は、六角形模様の炭素原子の長くて中空の配置である。カーボンナノチューブは、チューブに巻かれた単層のグラファイトに類似する単層ナノチューブ(SWNT)としても知られる形態の単層の炭素原子で製作されることができる。この種類のナノチューブは、典型的には直径が0.7から約2ナノメートルおよび長さが数100マイクロメートルであり、典型的な直径は約1ナノメートルである。ナノチューブの別の形態は、多層ナノチューブ(MWNT)として知られており、この多層ナノチューブは、より厚いナノチューブを形成する炭素原子の複数の同心の層で製作される。これらのナノチューブは、SWNTに類似の長さである直径約3から30ナノメートルまでとすることができ、典型的な直径は約10ナノメートルである。カーボンナノチューブは、銅または金のような純粋な金属の、結果として生じる電子構造を有することもできる。カーボンナノチューブは、例えば、不活性雰囲気中の2つのグラファイト電極の間で典型的にはアーク溶接機から直流アーク放電を加えることによって生成されることができる。多層カーボンナノチューブの一例は、Hyperion Catalysis,Inc.によって製造されるFIBRIL(商標)ナノチューブであり、それは典型的な直径が約10から12ナノメートルを有し、炭素原子の約8つの層または同心の殻を用いる典型的な構造を有する。単層ナノチューブの例は、Carbon Nanotechnologies,Inc.によって製造される単層ナノチューブである。
【0104】
カーボンナノチューブは、電子機器の実装の中で一般に使用される静電気防止および電磁気の遮蔽材料および吸収材料を生成するために重合体ベースのホストに対する伝導性添加物として主に使用されてきた。これらの用途における添加物としてのカーボンナノチューブが有する利点の1つは、重合体ベースのホストの中であるレベルの伝導性を与えるために必要とされるナノチューブの量が、他の伝導性充填材についての量よりもずっと少ないということである。これは、ナノチューブの数1000に相当する極めて高い長さと幅のアスペクト比、さらにナノチューブの高い電気伝導率によるものである。カーボンナノチューブは、必要とされる充填の量をさらに低減させるいっそうより長い伝導性通路を製作するために、数10から数100の整合された管のロープの中にそれ自体組立てることができる。少量の充填材を使用することができることにより、費用が削減され、さらに剛性などの機械的特性は最小限に影響を与えられ、可撓性であり建物内に取付け容易である伝導性管1500を生成する。例えば、10から10000オームセンチメートルの範囲の伝導性を達成するために、ホスト材料1502は、いかによくカーボンナノチューブがホスト重合体材料の中で均等に分散されることができるかによって決定されるいくらかの変動がある状態で、カーボンナノチューブ1501が約1重量%から5重量%の範囲内で装填される。一実施形態では、約3.5重量%のカーボンナノチューブが約10オームセンチメートルのバルク伝導率レベルを達成するために使用される。
【0105】
VOCをサンプルするために使用されることになる伝導性管1500の中の充填材1501として使用することについてカーボンナノチューブの別な利点は、吸着および脱離の可能性が最小限にされることである。これは、ナノチューブが比較的に不活性であることと、ナノチューブが空気の流れの中に剥がれ落ちる、または気流に対して多くの表面積を見せる傾向が少ないという事実との両方によるものである。これは、(ホスト基体1502中の重合体鎖の粒径範囲を接近する)ナノチューブの比較的に小さな直径、ナノチューブの可撓性、および優れた「濡れ性」のため、ならびに重合体混合物を効果的に形成するためにナノチューブをホスト材料1502の長い重合体鎖と絡み合わせることまたは混合するためである。
【0106】
別の実施形態では、充填材として使用される炭素ベースの材料1501は、カーボンナノファイバーを含む。ナノファイバーは、カーボンナノチューブを製作するために使用されるものと類似の工程でしばしば形成される。実際には、カーボンナノファイバーは、多層カーボンナノチューブとして開始でき、しかし多くのより多層または炭素原子殻で成長されて直径約70から300ナノメートルの間であるチューブまたはファイバーを生成し、長さ数100マイクロメートルまでなり得る。ナノファイバーの製造業者は、Pyrograph Products,Inc.であり、同社のPyrograph IIIナノファイバー、それらは、幅約70から200ナノメートル、および長さ約50から100マイクロメートルである。ナノファイバーは、カーボンナノチューブほど高価ではないが、5から15重量%の範囲などで装填するより高い充填を必要とする可能性がある。
【0107】
別の実施形態では、ホスト材料1502の中に使用される充填材1501は、カーボンファイバーを含む。市販の構造的カーボンファイバーは、ポリアクリロニトリル(PAN)ファイバーまたは特殊な石油ピッチ(ピッチファイバー)から得られ、次いで導電性重合体添加物としての使用のためにさらに細断または粉砕されてよい。カーボンファイバーから得られるPANおよびピッチは、構造的応用例に対する連続的な強化材としても使用される。カーボンファイバーは、典型的には幅5または10マイクロメートルの範囲、長さ60から300マイクロメートルの範囲である。
【0108】
前述のように同じ10から10000オームセンチメートルを得るためには、10から20重量%の間の装填を必要とし、カーボンファイバーは、必要とされる装填性能においてカーボンブラックとカーボンナノファイバーの間となる。
【0109】
別の実施形態では、ホスト材料1502で使用される充填材1501は、グラファイト粒子を含む。グラファイトは、伝導特性を有する炭素の同素体である。プラスチック用のグラファイト充填材の一例は、SGL technologiesからのConductographグラファイト粉末である。グラファイトは、粉末形態で使用され、充填の装填割合を低減するようにファイバーの中に製作され、またはWestaim Ambeon(Canada、Alberta州),によって製作されるようなニッケルグラファイト化合物を形成するためにニッケルと化合されることができる。グラファイトは、比較的に化学的不活性でもあり、その不活性は、VOCを測定するために管での使用に有利である。例えば先に述べたように10から10000オームセンチメートルの体積抵抗率を獲得するためにニッケルグラファイト化合物充填を使用することは、約40から50重量%のグラファイト化合物を装填することを必要とし、上述の炭素ベースの材料に対して装填要求の一番高い限度でグラファイト化合物を入れる。
【0110】
ホスト材料1502の望ましい化学的特性は、可撓性および不活性材料であることを含み、不活性材料では気体排出しない、または空気サンプリングシステムを用いて測定されるVOCなどの任意の所望の空気パラメータに対して吸着剤として機能しないことである。低レベルの収着または脱離を有するこの能力は、多くの気体または蒸気の正確な空気サンプルに対して望ましいものである。例えば、空気式の管に対して一般に使用されるDekoron(商標)低密度ポリエチレン(LDPE)プラスチックは、VOCの吸着剤と吸収剤の両方であり、VOCが測定されることになる場合、適当なホスト材料ではない。同様に、湿度が関心である場合は、材料は、疎水性である必要があり、管は、水蒸気を吸着/吸収または脱離しないので、それにより低い湿度または露点の温度測定に関する精度を妥協することになり得る。例えば、低い露点の測定に関しては、いくつかの種類のナイロンは、ナイロンが平衡状態の確立において長い潜在的な遅延により最終的な平衡値に到達するのに潜在的に数日かかるので重大な遅延を測定システムに導入し得るものであるため好ましくない。ホスト材料が、関心のCO2、COおよび他の気体または蒸気のような気体に対して不浸透性であることも役立つ。さらに、あるホスト材料1502は、いくつかの種類の空気パラメータセンサと相性が良くない可能性がある。例えば、VOC、CO、オゾンおよび炭化水素などの化合物の範囲を検出するために使用される混合金属酸化物半導体系のセンサは、シリコーン蒸気との接触によって害されまたは深刻な影響を受ける可能性がある。ある腐食性気体または腐食性作用物で汚染された空気が粒子を放出する可能性のあるサンプル管組立体のライナーに影響を及ぼさないように、あるいは内側壁の表面仕上に影響を及ぼさないように良好な耐食性であることも望ましい。最後に、ホスト材料1502は、カーボンベースの充填材がホスト混合物の中に容易に混合または調合されて良好な表面伝導性のために充填材の均等な分散を有する混合物を生成することができるような特性を有するべきである。
【0111】
Kynar(登録商標)としても知られるフッ素重合体PVDF(ポリフッ化ビニリデン)は、極めて低い吸着/脱離、耐食性、水、蒸気および気体に対する不浸透性、可撓性、耐食性、およびカーボンベースの充填材との相溶性の良好な組合せを有するホスト材料1502の典型的な選択である。それはやはり、類似の特性を有するいくつかの他のホスト材料ほど費用がかからず、フッ素重合体PVDFの適度な融解温度が、押出成形または鋳造することをより容易におよび費用のかからないものにさせる。他の適当なホスト材料は、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの他のフッ素重合体樹脂プラスチックを含むがそれに限定されない。非フッ素重合体樹脂プラスチックは、所望のレベルの上記の物理的特性、材料特性および化学的特性を有することに基づく適当なホスト材料であってもよい。
【0112】
管1500の実施形態は、管105としてシステム100(図1)での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300(図13)での使用によく適しており、それにより良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を有する可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を与えて気体、蒸気または他の空気パラメータの正確な測定を可能にする。加えて、発明の管1500は、構造化組立体600(図6A)および900(図9)内に管650として組み込まれてよく、その結果、管1500は、700(図7)、800(図8)および1000(図10A)などのシステムで使用されることができる。
【0113】
管1500(図15)は比較的に簡単な構成のために、管1500の断面は、カーボンベースの充填材の均質な分散を含むように容易に製作されることができ、管の内側表面1503から管の外側表面1504までの伝導性経路を与える。これにより、管1500は、構造化ケーブル組立体1100(図11)内での使用に非常に適当なものになり、内側表面1503上に発達し得る電荷を外側表面1504に伝導し、この実施形態では外側表面1504はシールド1101に接触しており、シールド1101はドレイン線1102にも電気的に接続され、ドレイン線1102は管からの電荷を伝導するために使用されることを可能にする。それが電気泳動による粒子の脱落を最小化することを助けるので、これは、管650/1500内の良好な粒子輸送特性を促進する。
【0114】
加えて発明の管1500は、電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、 管1500/650は、組立体600および900内で適用されてマルチポイントサンプリングシステム1300内での電気的接続を容易にすることができ、例えば、マルチポイントサンプリングシステム1300は、終端ポイント1308(図13)で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置を支援するようにもなされる冷媒または他の有毒性気体監視システムであってよい。
【0115】
図16は、適当なジャケット層1601を用いて上に押出成形される伝導性複合内側層1602から構成される同時押出成形物である管1600の実施形態の例示である。一実施形態では、内側層1602は、商標名Kynar(登録商標)としても知られるポリフッ化ビニリデン(PVDF)1604からなるホスト材料を含み、このホスト材料は、炭素ベースの材料1605で含浸される。他の適当なホスト材料は、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどのフッ素重合体樹脂プラスチックを含むがそれに限定されない。
【0116】
外側ジャケット層1601は、内側層1602のホスト材料1604に十分接合されることのできるものに応じて様々なプラスチックから構成されることができる。一実施形態では、外側ジャケット層1601は、満たされていない(炭素ベースの材料でない)PVDFから構成され、内側層1602は、カーボンナノチューブを含浸したPVDFから構成される。他の適当な内側層充填材は、カーボンブラック、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンファイバーなどの他の炭素ベースの材料を含む。図16の管の実施形態1600の利点の1つは、1500の断面と同等の断面を有する管1600に対してはより少ない炭素ベースの材料が必要とされるので、管の材料費用が、図15の管1500の費用より少ないということである。現在のところ、カーボンナノチューブは、大部分のプラスチックより重さではるかにずっと高価であるので、これは望ましいものであり得る。
【0117】
管1600は、特定の用途の要求を満たす任意の実際的な寸法に製作されてよい。しかし、管1600の外径は、John GuestのSuper Speedfit(登録商標)などの市販の速接続式継手によって対応可能とされる標準の大きさであることが好ましいかもしれない。管は、ほとんど任意の大きさに製作されてよいが、管の外径についての2つの標準の大きさは、5/16インチ(7.94mm)および3/8インチ(9.53mm)である。一実施形態では、管1600の外径が約3/8インチ(9.53mm)である場合は、内径が約1インチの1/4(6.35mm)から約1インチの5/16(7.94mm)までの範囲であることになる。典型的な実施形態では、管1600の外径が約1インチの5/16(7.94mm)である場合は、その内径が約1インチの1/4(6.35mm)である。
【0118】
内側層1603の厚さは、特定の実施形態の要求を満たす任意の実際的な値であってよいことが理解されよう。しかし、上述のように、管1600の全体の費用を削減するように内側層1602の厚さ1603を最小化することは有益であり得る。厚さ約0.005インチ(127μm)から約0.030インチ(762μm)までの範囲の他の適当な厚さに対して、内側層1602についての典型的な厚さ1603は、約0.010インチ(254μm)である。標準のバーブ継手(1/4インチ(6.35mm)、5/16インチ(7.94mm)、6ミリメートル)と相性のよい管の内径を製作することは、それはシステム内の管部品を相互接続するための代替手段を与えるので有利である可能性があることが理解されよう。加えて、バーブ継手が導電性、例えば黄銅またはステンレス鋼の継手である場合、システム中の様々な区間と構成要素の間の電気的接続がもたらされることができ、それにより管の長さに沿って電荷蓄積を最小化することを助けることができ、したがってより良い粒子輸送効率を潜在的に促進する。
【0119】
管1600の実施形態は、管105としてシステム100での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300での使用に非常に適しており、良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。加えて、発明の管1600は、構造化組立体600および900内に管650として組み込まれてもよく、その結果、管1600は、700、800および1000などのシステム中で使用されることができる。
【0120】
一実施形態では、ジャケット層1601は、ステンレス鋼などの微粉化した金属などの導電性材料、またはカーボンブラックまたは別の炭素ベースの材料などの別の適当な材料などで含浸されるプラスチック材料から構成される。複合の内側層1602とジャケット層1601を共に導電性であるようにさせることによって、管1600は、管1600の断面全体にわたって伝導性であり、管の内側表面上の電荷が管の外側表面へ伝導することを可能にする。管1600の実施形態は、構造化ケーブル組立体1100(図11)に650として適用されてもよい。そのような構成では、管1600/650内側表面上に発達し得る電荷は、管の外側表面まで伝導し、管の外側表面は遮蔽1101と接触し、遮蔽1101もドレイン線1102に電気的に接続され、ドレイン線1102は電荷を管から離れるように伝導するために使用される。上述のように、それが、電気泳動による粒子の脱落を最小化することを助けるので、これは、管650/1600内の良好な粒子輸送特性を促進する。組立体1100内で管1500を使用することの利点を上回るこの手法の利点は、内側層1603に対して要求されるものほど重要な要求を有さないより廉価な伝導性充填材が、ジャケット層1601に対して使用されることができるということである。したがって、所与の管に対して、カーボンナノチューブなどのより高価な伝導性充填材より少ない断面積が、管の断面全体にわたって伝導性である管を製作するために必要とされる。
【0121】
発明の管1600は、加えて電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、管1600/650は、組立体600および900内で適用されてマルチポイントサンプリングシステム1300内の電気的接続を容易にすることができ、例えば、マルチポイントサンプリングシステム1300は、終端ポイント1308で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置をやはり支援するようになされる冷媒または他の有毒性気体監視システムであってよい。
【0122】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、詳細に示され説明されたものによって限定されない。本明細書で引用される全ての刊行物および参照は、明確に全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明による管を有する空気サンプリングシステムの構成図である。
【図1A】図1のシステムのさらに詳細を示す構成図である。
【図2】本発明による複合管の略図である。
【図2A】曲げ可撓性を有する複合管の概略図である。
【図3A】本発明による複合管のさらなる実施形態の略図である。
【図3B】図3Aの管をライナーするために使用されることができる複合ライナーの実施形態の断面図である。
【図4】本発明による複合管の別の実施形態の略図である。
【図5A】本発明による複合管の別の実施形態の横断面図である。
【図5B】図5Aの管の縦断面図である。
【図6A】本発明による複合管を含む構造化ケーブル組立体の断面図である。
【図6B】図6Aの構造化ケーブル組立体の等角図である。
【図7】本発明による複合管を有する空気サンプリングシステムの構成図である。
【図8】図7のシステムに適用可能であるその性能を最適化するためのサブシステムの実施形態を例示する概略図である。
【図9】抵抗性導体を含む構造化ケーブル組立体の断面図である。
【図10A】空気監視システム中の管の概略図である。
【図10B】ノードコントローラ内の弁に接合された管の概略図である。
【図10C】ノードコントローラ内の短絡用ストラップを含む弁に接合された管の概略図である。
【図11】空気監視システム中で使用されることのできる管の断面図である。
【図12】管と共に気流の流れに適用されるイオン源を示す概略図である。
【図13】マルチポイント空気サンプリングシステムの概略図である。
【図14A】本発明による導電性ライナーを有する管の誇張された縦方向断面図である。
【図14B】図14Aの管の誇張された長手方向部分断面図である。
【図15】本発明による炭素ベースの材料を有する管の実施形態の断面図である。
【図16】ジャケットを有する複合管の実施形態の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して空気サンプルに関し、より詳細には、空気の特性を測定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で知られるように、サンプルまたは測定の目的のために、空気が管またはパイプを通って輸送される様々な用途がある。例えば、空気質測定システムは、感知される環境において配置されるセンサの代わりに遠隔配置されるセンサを有することができる。加えて、センサは、いくつかの位置を感知するために使用されることができる。そのようなシステムについては、複数の管が、複数の位置から集中型のセンサまで空気サンプルを導くために使用されることができる。中央に配置された空気スイッチおよび/または電磁弁は、これらの手法でこれらの位置から様々な管を通ってセンサに至る空気を連続的に切替するために使用されて複数の遠隔地からの空気を測定することができる。これらのタコのようなまたは星形に構成されたシステムは、相当な量の管を使用する。ネットワーク型空気サンプリングシステムとして知られる別の複数配置のサンプリングシステムは、中央「幹線」管と共に様々な位置へ延びる支線を使用する。空気ソレノイドは、複数のサンプル位置に隣接して遠隔配置されることができる。空気サンプリングシステムは、建物内のサンプル位置についての管またはパイプを通じての遠隔および/または複数位置の空気サンプル、外気または環境のサンプル、および煙突および排気筒におけるサンプルを含むことができる。典型的な空気サンプリングシステムは、米国特許第6,125,710号に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
当技術分野で知られるように、空気サンプリングシステムは、空気サンプルまたは「パケット」を適切なセンサに送るための様々な種類の管を使用することができる。管のうちの1種類は、TEFLON(テフロン)管である。しかし、TEFLON管は、比較的高価であり、TEFLON管は不良導体であり空気サンプルがそのような材料の管を通過するときに帯電を確立する傾向があるようにある望ましくない粒子輸送特性を有し、その結果気流の流れからの微粒子状物質の静電堆積が強化される。TEFLON管ほど費用のかからない低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン(LDPEまたはHDPE)管が使用されてきたが成果は不十分である。室内の空気質CO2感知に対しては良好であるが、LDPEまたはHDPE管は揮発性有機化合物(VOC)を吸収および脱着し、そのことが不正確な感知結果をもたらす。この種類の管は、プラスチックが電気的に不良導体であり電荷を保持でき、静電堆積の結果として比較的に思わしくない輸送特性となるので粒子感知の用途に対しても思わしくない。
【0004】
いくつかの種類のプラスチック管が、粒子を輸送するために使用されることができる。例えば、ある種類のプラスチック管は、Thermoplastic Processes,Inc.(New Jersey州Stirling)によって製作される「Bev−A−Line XX」管として知られており、ポリエチレン管であり得るそうしたことを乗り越える改善がされている粒子輸送効率を用いて空気サンプルを行うために使用されることができる。しかし、「Bev−A−Line XX」管は、非常に高価であると共にVOCを吸収する。同様に、シリコーン管は、粒子を輸送するための伝導性シリコーン管を生成するために大量のカーボンブラック(粉末形態の非常に分散した元素状炭素)が含浸されることがある。例えば、TSI,Inc.は、TSI,Inc.のパート番号3001789などの様々な大きさの伝導性シリコーン管を製造しており、このパート番号3001789は、内径0.31インチ(7.87mm)および外径0.375インチ(9.53mm)を有する。この管は典型的には、エアロゾル調査においてエアロゾル粒子を携帯用計器に輸送するために使用される。しかし、伝導性シリコーン管は、VOCをやはり吸収および脱着する。また、シリコーンは、空気サンプル中のVOCのレベルを測定するために一般に使用される種類の金属酸化物半導体TVOC(総揮発性有機化合物)センサの動作を特に害し、損なう。
【0005】
ある金属管は、空気サンプルの輸送に対して望ましい特性を有し得るが、既知の金属管の選択は、ある欠点を有する可能性がある。例えば、ある金属管は剛体であり、取付け工程に関連した骨が折れる作業のために取付けを非常に高価にさせる。他の金属管は、取付けを用意にするように変形可能であり得るが、金属の特性は、空気サンプルの用途にあまり適していない。Synflex(Ohio州Mantua),Saint−Gobain Performance Plasticsの一部門によって製造されるある既知の管は、高圧空気式の用途向けにより高い破裂抵抗および圧力定格を備えたより強いプラスチック管を与えるために、アルミニウムライナーされたポリエチレン管(以前はDekabonとして知られていたType 1300 Synflex)を含む。内部のアルミニウムライナーは、アルミニウム内側管を外側プラスチックジャケットと共に着接することを助けるために接着剤で塗られてもいる。アルミニウムライナーは、耐薬品性を追加するために管の内側部分上にプラスチック被膜も有する。しかし、そのような管構成は、空気サンプルの媒体としての使用には望ましくない。内側被膜は、粒子を引寄せて捕捉し、VOCを吸収する。加えてアルミニウムは、被膜が使用されない場合でも多くの室内の汚染物とよく反応する。アルミニウムのよく反応する性質により、アルミニウム管は、空気サンプル管として正確で信頼できる性能を与えないことになる。さらに、アルミニウム表面は、それが外気状況に露出されると時間が経つにつれて酸化する親和性を有する。表面の酸化は、管の内側の粗さを増大させ、酸化アルミニウムの形態で微粒子状物質を放出する結果となる可能性があり、それにより管を通っての輸送を介してサンプルされる微粒子状物質の所与の濃度に無視できない影響を有し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空気監視システム中の空気サンプルの輸送によく適している管構造を提供するものであり、典型的な実施形態では、この管は、最小限の吸収および気体排出で微粒子状物質を効率的に輸送するための、ステンレス鋼として設けられることができる金属層を含む。この管は、管構造全部が、従来の管の方法に類似する方法で曲げられ、切断され、接合されることができるようなジャケットを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、空気サンプルを輸送する方法は、1つまたは複数の後続の特徴、すなわち、第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、空気サンプルをカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーを有する導電層を含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、センサを使用して空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップとを含むことができる。この方法は、1つまたは複数の特徴、すなわち、内側層が管壁の厚さ全部を包含する;内側層が、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む;この管が、実質的な量の炭素の単層ナノチューブを含まない外側層を含む;および、センサ組が、空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報ならびにVOC、露点または二酸化炭素のレベルの測定値のうちの1つを測定する、という特徴をさらに含むことができる。
【0008】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、センサ組と、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および一連の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの一連の終端ポイントから得られ、この一連の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とを含み、この管の少なくとも一部がカーボンナノチューブを有する導電層を含む。このシステムは、1つまたは複数の以下のこと、すなわち、管が、外側層を含まずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを含む;内側層が、カーボンナノチューブが約1重量%と約6重量%の間で装填されるホスト材料を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む;この管が実質的な量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む;内側層が、約0.005インチ(127μm)から約0.03インチ(762μm)までの範囲の厚さを有する;およびセンサ組が、空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報、ならびにVOC、露点温度(または、他の湿度特性)または二酸化炭素のレベルの測定値のうちの1つを測定する、ことをさらに含むことができる。
【0009】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、2つ以上の空気パラメータを測定するためのセンサ組を含み;それらのパラメータのうちの1つは、粒子とすることができると共に、別の空気サンプルのパラメータは、例えばVOC、湿度、二酸化炭素、オゾン、一酸化炭素の空気のペーハー(carbon monoxide air PH)、アンモニア、冷媒、ホルムアルデヒド、亜酸化窒素(N2O)、NO、NO2、SO、SO2、カビ胞子、または別の空気パラメータとすることができる。このシステムには、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および一連の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの一連の終端ポイントから得られ、この一連の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とがやはり含まれており、少なくとも一部の管が、例えば炭素の単層ナノチューブ、炭素の多層ナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、グラファイトまたはカーボンブラックなどの炭素ベースの材料を含む導電層を含む。このシステムは、1つまたは複数の以下のこと、すなわち管が、外側層を含まずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを含む;内側層が、炭素ベースの材料で装填されるホスト材料を含む;この管が、実質的な量の炭素ベースの材料を含まない非伝導性外側層を含む;ホスト材料が、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、ことをさらに含むことができる。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、空気サンプルを輸送する方法は、第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、空気サンプルを、基板に接着された導電性金属ライナーを含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、センサを使用して空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップとを含む。この方法は、1つまたは複数の以下のこと、すなわち、金属ライナーが、ステンレス鋼を用いて金属化される;管が、外側ジャケットを含む;金属ライナーが、ステンレス鋼箔を含む;金属ライナーが、アルミニウム箔を含む;アルミニウム箔が、無水酸化アルミニウムの表面を含む;金属ライナーが、金属化層を含む;金属ライナーが、ニッケルめっきした銅箔を含む;金属ライナーが、基板の上へ直接堆積された箔層を含む;および基板が(Kapton(登録商標)などの)ポリアミドフィルムからなる、ことをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の別な態様によれば、空気サンプリングシステムは、センサ組と、空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、空気取入弁および複数の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルがこの複数の終端ポイントから得られ、この複数の終端ポイントから管を介してセンサ組まで輸送される管とを含み、この管が基板に接着された導電性金属ライナーを含む。このシステムは、1つまたは複数の上述の特徴を含むことができる。
【0012】
本発明は、添付図面と共に取り上げられる後続の詳細な説明からより十分に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、空気サンプルの最適な輸送を行うための本発明による管を有する典型的な空気監視システム100を示す。概して、システム100は、空気サンプルまたは空気パケットを部屋などの第1の位置から1つまたは複数のセンサが配置される第2の位置まで輸送する。センサは、CO、CO2、TVOC、露点温度および/または露点湿度、オゾン、空気のペーハーなどの空気の様々な特性、亜酸化窒素、SO2、SO、NO2、NO、アンモニア、メタン、硫化水素、冷媒およびホルムアルデヒドなどの1つまたは複数の他の気体または蒸気の様々な特性を測定する。加えて、光オブスキュレーションセンサは、所与の粒径範囲内の微粒子状物質の量を測定するために使用されることができ、または粒子計数センサは、約0.3uMから約2.5uMまでの範囲の小粒子の単位サンプル体積当りの個数、2.5uMから10uMまでの範囲の大粒子の単位サンプル体積当りの個数、他の所望の粒径範囲の粒子の単位サンプル体積当りの個数、および約0.02uMから1uMまでの範囲の超微小粒子の単位サンプル体積当りの個数などの情報を与えるために使用されることができる。本発明の管は、金属性内側層および適宜のジャケット層を含む。ステンレス鋼から形成されることができる金属性内側層は、正確な空気質監視のために比較的に低い吸収および気体排出で空気サンプル中の微粒子状物質の効率的な輸送を行う。
【0014】
本発明の複合管を詳細に説明する前に、この管が中で使用されることができる、米国特許第6,125,710号に記載された典型的な空気サンプリングシステムを簡潔に述べる。図1のシステム100は、複合管のネットワーク105を通って複数の空気取入弁103a〜103dに接続される中央感知および制御システム101を含む。管のネットワーク105は、幹線区間105eと、各空気取入弁103a〜103dに対応および接続される支線105a〜105dとを有する。中央感知および制御システム101は、管幹線区間105eの端部に接続されるセンサ組107と、システムを通じて空気を引き込むためにセンサ組107に接続される空気ポンプ109と、センサ組107、空気取入弁103a〜103d、および空気ポンプ109の動作を制御するための、ならびにセンサ組107および外部機器と通信するための制御および通信のユニット111とを含む。制御および通信のユニット111は、入出力機能用のネットワーク装置アダプタ115(図1A)を含むと共に、制御ネットワーク内で通信を制御するためのいくつかの制御ネットワークルータ117を適宜含む様々な構成部品を光ファイバー、電子式または空気式の制御ネットワーク113を通じて制御可能である。
【0015】
代替としては、図1Aのネットワーク装置アダプタ115および制御ネットワークルータ117は、装置アダプタ115と直接通信する、または弁103などの制御される構成部品と直接通信する制御および通信のユニット111を用いて省略可能である。デジタル式通信ネットワークは、制御ネットワーク113の一部として用いられることができる。
【0016】
制御および通信のユニット111は、空気ポンプ109がシステムを通じて空気を引き込む間に他の弁(例えば、弁103b〜103d)が閉じられている間の期間にそれぞれの弁(例えば、弁103a)が開放するように空気取入弁103a〜103dを順次操作し、このようにして開放している弁(例えば、弁103a)が配置されているサンプルの箇所からシステムの中に空気サンプルを引き込む。図1の構成では、複数の弁(例えば、103a〜103d)からの空気サンプルは、ただ1本の幹線区間105eを通って制御感知および制御システム101の中に引き込まれる。したがって、センサ組107は、管105eの幹線区間が接続される1つの入口孔だけを有する。
【0017】
センサ組107は、センサ組を通過する空気サンプルの様々なパラメータを測定する。センサ組107内の個々のセンサは、流量の要件、圧力の要件、および化学的性質または他の特性に基づくセンサの影響に応じて、直列または並列に入口から空気を受取るように配列されてよい。直列接続では、空気サンプルは直列接続された各センサを順々に通過し、一方並列接続では、空気サンプルは並列接続された各センサを一度に通過する。制御および通信のユニット111は、センサ組107によって生成される測定値を読取り、読取値を建物の空気流制御、ドラフトコントローラ等などの外部機器(図示せず)に伝達する。制御および通信のユニット111または外部機器は、受動的データ収集を含むがそれに限定されない様々な手段で収集されたデータを使用でき、特定条件下で警報機構を起動させ、特定条件下で安全機構を起動させ、および空気流制御機器に対して命令を発行することによって局部または全部の空気流パラメータを変化させる。
【0018】
第1の技術によれば、各空気取入弁103a〜103dは、103d→103c→103b→103aで順次開放され、4つの対応するサンプルD、C、BおよびAをセンサユニット107の中に引き込む。各弁を開放することについての時間および継続時間は、内部サンプルの境界面の量(inter−sample 境界面の量)より大きい安定したサンプルが空気取入弁103a〜103dを通って得られるように十分に長くなるように選択され、このようにして順に開放される次の上流の空気取入弁103a〜103dがあるかどうかに関わらず、良好なサンプルがセンサユニット107に到達することを確実にする。サンプルAが空気取入弁103aからセンサユニット107まで移動するための時間TAは、例えば事前の測定によって知られていると仮定される。空気取入弁103aの開放から時間TAが経過し、サンプルAと隣接する前のサンプルの間の任意の境界面の量を超えてセンサユニット107の中のサンプルAの部分を動かすのに必要な追加の時間を加えると、次いで、測定のために装備されるセンサユニット107は、測定を行う。
【0019】
第2の技術によれば、各空気取入弁103a〜103dは、103a→103b→103c→103dで順次開放され、4つの対応するサンプルA、B、CおよびDをセンサユニット107の中に引き込む。やはり上述のように、各弁は、安定したサンプルが引き込まれるのに十分な時間にわたって開放が維持され、その後、次の下流の空気取入弁が順に開放され、または弁103dの場合のように、安定したサンプルがセンサユニット107に引渡されるのに十分な時間にわたって開放が保持され、その後に103dは閉じられることになり、弁103aが開かれてその順序をさらに繰返して開始することになる。その時間は、内部サンプルの境界面の量より大きい安定したサンプルが空気取入弁103a〜103dを通って得られるのに十分となるようにやはり選択され、このようにして順に開放される次の下流の空気取入弁103a〜103dがあるかどうかに関わらず、良好なサンプルがセンサユニット107に到達することを確実にする。上述のように、測定は、各弁103a〜103dが開放された後の既知の移動時間TA〜TDおよびセンサユニット107を通る境界面の量の通過時間によって定められる時間で行われるようにタイミングが決められてよい。
【0020】
タイミングの代わりに、第3の技術は、数ミリ秒から数秒までの範囲の実質的な期間にわたって安定した測定値を生成するのに十分に大きさであるサンプルA〜Dを測定することに依存する。センサユニット107は、絶え間なく操作および監視されてその中に含まれるセンサを通り過ぎて流れる空気の流れの動特性を測定する。測定値が変化しているときの時間の間は、内部サンプルの境界面は、センサユニット107を通過している。測定値が実質的に安定しているときの時間の間は、サンプルの役立つ安定した部分が、センサユニット107を通過している。センサユニット107は、各将来のサンプルがいつ有効になるのかを推定するために過去の測定データを使用する制御システム111に接続されてよい。
【0021】
図1Aは、図1のシステム100などの空気監視システムのさらなる態様を示す。システム100は、次に述べられるように管ネットワーク105を通って複数の空気取入弁103に接続される上で述べたような中央感知および制御ユニット101を含む。いくつかの下位のネットワークは、管ネットワーク105の部分105e〜105nを含む主幹線にルータ201を通ってそれぞれ接続される幹線区間105f〜105kによって定められる。ルータ201は、例えば中央感知および制御ユニット101の制御および通信のユニット111によって電子的または空気式に制御される空気流スイッチである。
【0022】
システム100は、管105の少なくとも数本の支線(例えば、105a〜105c)に接続される分散型電源/感知完成品203を含むことができる。分散型電源/感知完成品203は、1つまたは複数のセンサと、管105の支線からセンサを通って空気を引き込むために接続される空気ポンプとを含んでよい。
【0023】
システム100は、重要な融通性および冗長性を与える。各ルータ201によってなされる接続を選択的に設定することよって、および空気取入弁103のうちの1つを選択的に開放することによって、空気サンプルは、任意の空気取入弁103の箇所から任意のセンサ101または203まで経路設定されることができる。
【0024】
本発明は、上述のシステムなどの空気サンプリングシステムおよび他の用途に役立つ最適な空気輸送のために、例えばステンレス鋼の内側金属層を有する管構造と、少なくとも一部が例えばPVCの非金属材料で構成される外側ジャケットとを与える。非金属材料は、合成材料または非合成材料を含んでよい。本発明の管は、遠隔地で空気のパラメータを測定するための、管を通じて空気を吸込む空気サンプリングシステムによく適している。概して、この管は、内側ステンレス鋼ライナーと、適宜の外側プラスチックジャケットとを含む。
【0025】
一実施形態では、この管は、従来のプラスチック管に類似し得るある機械的特性を有する。例えば、本発明の管は、この管が引っ張られ、曲げられ、切断され、接合され、また他の操作がなされることができるので、構造全体にわたって比較的容易に取付けられることができる。本発明の管の取付け費用は、硬質ステンレス鋼管区間および巻状ステンレス鋼管よりも少ない。加えて、固い304ステンレス鋼の管に対して管の比較的に小さい質量および管のより大きな可撓性によって、より軽いデューティ継手が、取付けの間に共に区間を継ぐために使用されることができる。したがって、John GuestのSuper Speedfit(登録商標)などのより廉価な速接続継手が使用されることができる。これは、確実な接続を行うために固いステンレス鋼パイプを接続することが典型的に必要とされる、比較的高価なSwagelok(登録商標)型の継手、現場のねじ結合および溶接の使用よりも望ましい。
【0026】
図2は、適当な材料のジャケット204によって覆われた金属性ライナー202を含み、ジャケット204はライナーの上に押出成形されることができるものである、典型的な複合管構成200を示す。典型的な実施形態では、ライナー202は、管状の形態に折込まれたステンレス鋼のリボンで構成され、ジャケットは、ポリエチレンからなる。プラスチックジャケットに対するステンレス鋼の接着力を向上させるために、エチレン共重合体または類似の好ましい加熱硬化材料などの適宜の接着材料が、接着材料がライナーの内側表面上に少しも存在しないように金属性ライナー202の外側表面上に使用されてよい。
【0027】
ある具体的な実施形態では、内側ライナー202は、室内の空気質および他のものの監視の目的で関心の濃度の(VOCを含む)大部分の気体状成分および微粒子状物質を輸送するために最適な特性を与えるように304ステンレス鋼から形成される。例えば、本発明の管は、数10億分の1(PPB)という低さの濃度を有する建物環境内でありふれた様々な気体のサンプルを輸送するのに適している。これは特に、ベンゼン、アルシン、二酸化塩素、および例えばOSHA規則Standard 29 CFRの下で列挙される大部分の他の物質などの低い許容曝露限界(PEL)を有する物質を監視するのに役立つものであり、それらは参照により本明細書に組み込まれる。これらなどの空気汚染物測定のさらなる詳細は、建物内の複数の位置から再循環される空気を断続的に監視および確認するためのマルチポイントサンプリングシステムの使用を説明する米国特許第6,609,967号に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。本発明の管は、あらゆる様々な潜在的な汚染物が存在する可能性の湿った化学実験室などの実験室環境に特によく適している。
【0028】
当技術分野で知られるように、304ステンレス鋼は、ステンレス鋼系中の最もよく知られており、しばしば使用される合金のうちの1つである具体的なクロムニッケルオーステナイト合金を指す。金属性ライナー202は、内側表面上の静電荷の蓄積を防ぐように導電性であり、それは空気質監視の目的の管を通じた微粒子状物質の効率的な輸送を促進する助けとなる。金属性ライナー202は、比較的に低い吸収特性および気体排出特性を有する内部表面を与えもする。
【0029】
ライナー202用に使用される金属材料は、特定の用途のために管を通ってサンプルされる材料に関連するその特性に基づいて選択されることができるということが理解されよう。典型的なライナー材料は、析出硬化鋼と共に、様々なオーステナイト、マルテンサイトおよびフェライトの等級を含む様々なステンレス鋼を含む。ある具体的な実施形態では、304ステンレス鋼は、幅広い温度範囲にわたるその耐食性および耐熱性ならびにその良好な機械的特性のために使用される。加えて、(ライナーを形成するために使用される工程に応じた)他の適当な金属は、青銅、金、ニッケル、ニッケル合金、チタン合金およびクロメート被膜しているアルミニウムなどの導電性転化被膜された金属を含むがそれに限定されない。
【0030】
典型的な実施形態では、ジャケット204は、金属ライナーに卓越した破砕抵抗を与えるその能力によってポリエチレンとして設けられる。しかし、他の適当な材料は、PVC(特にプレナム環境での使用に適当であるものであり、ここではそれが要件であるもの)、Teflon(登録商標)、Mylar(登録商標)および様々なフッ素プラスチック(FEP、PFA、CTFE、ECTFE、ETFE)を含むがそれに限定されない。より一般的には、幅広い様々なプラスチックが、加工性、重さ、耐摩性、剛性および所望される煙および火災の等級に基づいてジャケット材料として使用されることができる。
【0031】
金属性ライナー202およびプラスチックジャケット204を有する複合管は、適当な材料を使用して様々な手段で製造されることができる。図2の典型的な管200の実施形態では、ステンレス鋼のリボンは、いかなる溶接もせずに第1の領域208でリボンの縁部が重ねられた状態で管に形成される。次いで、ポリエチレンから形成されることができる外側ジャケット204は、ステンレス鋼の管の上に押出成形される。
【0032】
代替としては、ステンレス鋼のリボンまたはテープは、縁部が共に突き合わされ、重ならない状態で管に形成される。ステンレス鋼のリボンの継ぎ目は、断続的に溶接され、ポリエチレンの外側ジャケットは、ステンレス鋼のリボンの上に押出成形される。
【0033】
ある具体的な実施形態では、ライナー202は、厚さ.002インチ(50.8μm)および幅1.0インチ(2.54cm)を有する304ステンレス鋼のリボンから形成される。ステンレス鋼ライナーの上に外側ジャケットを形成することに必要とする押出成形工程のパラメータに応じて、ステンレス鋼は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.004インチ(102μm)の範囲の、それに限定されるものではないが、任意の実際的な厚さであってよい。例示の実施形態では、管200の外径が約3/8インチ(9.53mm)であり、内径が1/4インチ(6.35mm)から5/16インチ(7.94mm)である。
【0034】
ライナー材料およびジャケット材料の様々な組合せは、特定の用途の要求を満たすように使用されることができるということが理解されよう。例えば、ステンレス鋼は、(二塩化エチレン、塩化ビニルおよび二臭化エチレンなどの)ハロゲン化炭化水素および他のハロゲン化VOCをサンプルするのに最適ではないかもしれない。これらの化合物は、殺虫剤(例えば、クロルデンおよびヘプタクロル)、洗浄液(例えば、四塩化炭素)、脱脂剤および塗料用溶剤においてとてもありふれたものであった。これらの化合物の使用は、それらの毒性のためにアメリカ合衆国内では禁止または抑制されており、したがってそれらの化合物は以前ほど頻繁には室内の空気中で見つからない。しかし、それらの化合物は、売れ残り品が未だに市販されているかもしれず、それらの化合物は外国で未だに使用中である可能性もあるので、未だに存在している可能性がある。そこでこの種類のVOCの測定することには特別の関心があり、金がこれらの気体状成分に対して比較的に化学的に不活性であるので、例えば、金属性ライナー202は金からなってよい。このライナーは、別の材料の上に金被膜を含むことができるということが理解されよう。
【0035】
本発明の管は、最適な空気輸送特性および建物内での取付けを容易にする可撓性のための金属性内側層を提供する。この管の可撓性のために、本発明の管を取付ける費用は、硬質ステンレス鋼管などの従来技術の管の取付け費用より実質的に少ないものとすることができる。管構造の可撓性に影響を及ぼす一因は、管を製作する材料の曲げ弾性率である。所与の形状について、管などの構造は、低い曲げ弾性率を有する材料で製作されるとより可撓性のあるものになるということがよく知られている。本明細書では、可撓性は、管が曲げ力を受ける際に管が撓むことになる量を指す。
【0036】
図2Aは、本発明の管が、距離Lだけ隔てられた2点の間で吊るされ、力Fが外径Dおよび内径dを有する管に対して印加されたときにどのように曲がることになるのかを示す。所与の形状(L、Dおよびdは固定値)および予め定められた力Fの印加に対して、管材料の曲げ弾性率が減少されるにつれてたわみの量Z(管の可撓性)は増大する。304ステンレス鋼についての曲げ弾性率は、比較的に高い(管ジャケットに使用され得る比較的に固いPVC材料についての約0.5×106PSI(3.45×109pa)とは対照的に、約28×106PSI(1.93×1011pa))ので、例えば、ステンレス鋼管へのいくらかの予め定められた量の力Fの印加では、プラスチック材料からなる同じ管の構成より実質的に少なく撓むことになる。曲げ弾性率の違いのために、金属化ライナーの厚さに応じて、非金属性外側ジャケットを含む本発明の管は、304ステンレス鋼の管よりも50から100倍(より上)可撓性であることになる。すなわち、複合管(内側金属層および外側ジャケット)の実際上の曲げ弾性率は、304ステンレス鋼の管の曲げ弾性率より約50から100倍少ない。304ステンレス鋼の管と比べてこのより少ない曲げ弾性率は、本明細書で示され説明される様々な典型的な発明の管の実施形態に適当であることが理解されよう。
【0037】
図3は、金属材料302が管材料基板304の内側表面に施された、本発明による複合管300の典型的な実施形態を示す。管300についてのライナーを形成する金属材料302は、金属塗料、堆積された金属(様々な既知の金属堆積技術のうちの任意の1つを利用するもの)あるいは基板304の中に滑り込まされた金属性挿入物または金属管であってよい。
【0038】
一実施形態では、基板304の内側表面上の被膜302は、既成の長さの(例えばポリエチレンの)管をある半径に沿って細長く切り、管を開けて内側表面を露出し、(ステンレス鋼などの)薄い金属性フィルムを真空蒸着技術によって施すことによって施されることができる。次いで、管300は超音波溶接よって再封止され、これにより例えばポリエチレンまたはPVC管に薄膜のステンレス鋼ライナーを与える。
【0039】
この管の製造工程は、内側表面被膜302を与え、これは図2のライナー表面よりも均質であり、粒子輸送効率に影響を及ぼし得る継ぎ目を無くす。
【0040】
別の実施形態では、既成の長さの管である基板304の代わりに、基板304は、ジャケット材料の押出成形されるリボンであってよく、このリボンは金属化されて被膜302を形成する。次いで金属化基板は、管300を形成するように巻かれ、管300の継ぎ目は、超音波溶接技術を使用して封止される。
【0041】
別の実施形態では、複合管は、ポリエチレンまたはPVC管が押出成形される際に金属フィルムを施すことによって製造される。比較的に小さな金属気化プローブが、押出ダイの近くに配置され、作業区域内の真空を維持している間に複合管が成形ガイドを通過する際に管の内側表面にステンレス鋼などの気化された金属を施す。
【0042】
図3Aに示される別の実施形態では、管300は、Mylar(登録商標)、Teflon(登録商標)、Kapton(登録商標)またはいくつかの他の適当なフィルムなどの材料から形成されるライナー302を含み、ライナー302は、金属を用いて被膜され、ライナー302と外側ジャケット304の間に設置される共重合体の接着剤によって外側ジャケット304に接着される。
【0043】
図3Bは、基板306を含む図3Aの複合ライナー302の誇張された断面の展開図を示しており、基板306は、蒸着、スパッタリングまたは当業者に知られた金属堆積の他の類似の技術を使用してステンレス鋼を含む金属層305で堆積される。代替としては、金属層は、金、黄銅、または比較的に良好な化学的不活性および低い吸収性および吸着性の特質を与える他の適当な伝導性材料などの他の材料からなってよい。ライナー302は、押出成形工程の間にライナーを外側ジャケット304(図3A)に接着するために使用される(熱硬化性接着剤などの)共重合体接着剤307を含むこともできる。
【0044】
図3Bの中に示されるライナー302を使用することの1つの利点は、管が、図2の組立体を生成するための工程に類似し得る比較的に簡単な製造工程を使用して並べられることができることであり、その工程の中で金属性ライナーは、成形型の上の管に形成され、ポリエチレンまたはPVCなどの適当なプラスチック材料が管の上に押出成形される。本発明に記載された複合管が、National Electrical Code(米国電気工事規程)によって記載されるプレナムおよび上昇管の環境などの厳しい煙および火炎の等級が要求される環境での使用のためのものである場合には、ほとんどの種類のポリエチレン材料によってそれらが燃焼するときに発生される法外な煙により、外側ジャケット(204および304)にポリエチレンを使用することは望ましくない。代替として、任意のいくつかの難燃剤PVC材料のうちの1つの難燃剤PVC材料が、この目的のために使用されることができ、その際にこの組立体は、プレナム環境で使用するケーブルに適格性を付与するために用いられるNFPA262またはUL910などの最も厳しい検査の下で証明されることができる。PVCを使用することによっても、より少ない堅さまたはより可撓性の管構成となり、より少ない堅さまたはより可撓性であることは、このことがそのような管を建物環境中での取付けをより容易にさせるので、特に図6に表されるものなどの構造化ケーブルを形成するために組み込まれる際に、望ましい特性である。
【0045】
ポリエチレンの上のPVCなどのより柔軟なより可撓性の材料の使用で1つ考慮すべきことは、この組立体が破砕または過度の曲げを受けた場合に、内側ライナー202(図2)または302(図3A、3B)が永久的に変形することを防ぐための保持能力がより小さいことである。これらの状況を受けるときに内側ライナーの永久的な変形をもたらす一要因は、ライナーの金属層の厚さにある。したがって、PVCの外側ジャケットを構成するときは金属層をできる限り薄くさせることが望ましく、これは、蒸着または類似の技術を使用してこの金属化層が非常に薄く製作されることができるときに図3Bの複合ライナー302を非常に適当にさせる。例えば、蒸着技術による通常最大堆積厚は、2000Åであり、その堆積厚は、ライナー202用に使用され得るものなどの市販のステンレス鋼箔より約250倍薄いものである。結果として、図3Bに表される複合ライナーを利用する複合管は、非常に可撓性のある、および非常に圧縮抵抗のあるものとなる。加えて、堆積厚5000Å以上が、もっと様々な技術を使用して可能である。この大きさの厚さの表面被膜を有することは、よりよい伝導性および耐摩性を促進するために望ましい可能性がある。逆に言えば、使用されるスパッタリング工程に応じて、堆積厚200Å以下は、空気サンプル内の構成成分の吸着および吸収に対して十分な性能を与えるために十分であり、一方で良好な粒子輸送効率を促進するための許容できるレベルの伝導性を与えもする可能性がある。
【0046】
例えば、図3Bのライナー302が利用されるところでは、基板306は、厚さ.001インチ(25.4μm)のMylar(登録商標)からなり、および1000Åのステンレス鋼が基板306の表面上に堆積される。Mylarは、強くおよび引裂抵抗性があるので、Mylarは基板306用に好ましい材料であり、そのことは、基板が押出頭部を通じて引っ張られるときに基板が大きな力を受けることになる押出成形工程に対して有利である。加えて、この構成では、薄い金属化表面305が非常に良好にその原形に弾性で戻るので、管は、比較的に大きな内径(ID)で製作されることができ、一方で未だに非常に圧縮抵抗性があると共に、よじれおよび永久的な変形の他の源に対する抵抗性がある。例えば、典型的な実施形態では、外径(OD)が9.53mm(1インチの3/8(3/8 of an inch))であるところでは、図3Bの内側ライナーを使用して、管はID7.87mm(.310インチ)で構成されることができる。そのような大きなIDは、空気サンプルがシステムによって引き込まれる際により小さなIDのものと比べて、それにより気流に対するより少ない制限がもたらされるので望ましいものであり、したがって所与の流量に対するシステム中の圧力低下を低減する。これは、ポンプの最大流出(pump capacity issues)を低減させると共に、このシステムによって取込まれる空気サンプルに関するよりよい粒子輸送効率を促進する助けとなる。後者についての理由は、米国特許第6,125,710号に記載されたものなどの空気サンプリングシステムは、比較的に大きい流量(典型的には1分当り20リットル以上)で操作される傾向にあるということである。これらの流量においては、主として管の長手方向に摩擦損により数10kPa(数PSI)の圧力低下がシステム中で起こる可能性がある。この大きさの圧力低下は、流れる気体(空気)の密度に大きな影響を有し、それにより気体が管の長手方向に移動する際に気体速度のばらつきとなる。この速度または加速度の変化は、粒子を気流の流れから脱落させる傾向を有し、したがって粒子質量による慣性の影響の結果として、それらの粒子はサンプルから失われる。
【0047】
図4は、内部に適当なホスト材料402が金属材料404で含浸される、典型的な複合管400を示す。管400は、管の断面にわたって金属材料の均質および非均質の分散を有する様々な実施形態で与えられることができる。
【0048】
ある具体的な実施形態では、管400は、押出成形工程の直前に混合される微粉化したステンレス鋼片をポリエチレンと共に含む。ステンレス鋼の量は、露出された表面上の任意の有意の量のポリエチレンに対して管の内側表面の吸蔵を行うために十分なものとすべきである。ステンレス鋼片は、大きさ数10マイクロメートルから大きさ1マイクロメートルの何分の1かに至るまでの範囲とすることができる。この変形例は、ステンレス鋼管とほとんど同じ化学的不活性を有するポリエチレン管の作業性を有し、一方で効率的な粒子輸送を促進するように空気サンプルが引き込まれるように電荷が内側表面上で集まることを阻止する導電性内側表面を与えもする。
【0049】
別の実施形態では、ホスト材料402はTeflon(登録商標)であり、金属材料404は微粉化したステンレス鋼である。この組合せは、ステンレス鋼を含浸したポリエチレンより低い吸収および気体排出の特性を有する内側表面を与えることができる。Teflon(登録商標)は、本質的に低い吸収および気体排出の特性を有し、それにより金属材料のパッキング密度を制御する能力に依存の少ない工程を使用した管の形成を可能にする。金属材料のパッキング密度のばらつきにより、管の内側表面区域がパッキング密度の比較的に低いポリエチレンの望ましくない特性を取る可能性がある。
【0050】
図5Aおよび図5Bは、部分的に非金属材料504から形成され、部分的に金属材料506から形成される内側表面502を有する本発明による複合管500の別の典型的な実施形態を示す。管500は、非金属材料504の表面に埋込まれる金属ストリップ506を含む。
【0051】
ある具体的な実施形態では、管500の内側表面を形成する金属材料506は、非金属材料504の表面と実質的に同じ高さである。金属材料506は、管を通る気流の結果として輸送される電荷を逃すための伝導性経路を与え、空気サンプルの目的で管を通る微粒子状物質の効率的な輸送を促進する。
【0052】
伝導性金属材料506の間の間隔508は、所与のサンプル用途のために管を通って加えられる空気流量の結果として導体間でごくわずかな電場だけが確立されることができることを確実にするように十分に小さいものとすべきである。一実施形態では、金属材料506はステンレス鋼を含み、非金属材料504はTeflon(登録商標)を含む。
【0053】
図6Aは、構造化組立体600の典型的な実施形態の断面図であり、構造化組立体600は、複合管650と様々な集団の導体とを含み、それらは組立体が取付けられることができる空気サンプリングシステム内で使用されることができる。図6Bは、図6Aの構造化組立体600の等角図である。管650の周りに螺旋に巻付けられることができる導体の集団は、電力、通信および様々な信号を供給することができ、それらはシステム内で監視されることができる。構造化組立体600は、そのようなシステムで与えられる電力および通信のケーブル(および管)の取付けを簡単化し、その取付けの費用を下げる。
【0054】
典型的な構造化組立体600は、図7の例示の空気サンプリングシステム700などの空気サンプリングシステムでの使用によく適している。システム700は、建物内に取付けられることができ、1つの共通のネットワーク上で通信する、建物全体にわたって分散されたコントローラを有する建物制御システムの一部を形成することができる。システム700は、センサ組およびコントローラ702を含むことができ、それらは遠隔配置されることができ、1つまたは複数のノードコントローラ構成部分704a、bに結合される。終端ポイント706は、ノードコントローラ704aを介してセンサ組702まで送られる空気サンプルを取込むために様々な部屋に配置されることができる。ノードコントローラ704a、bは、中央コントローラ702によってネットワーク上で共にネットワーク化され制御されることができる。各ノードコントローラ704は、空気サンプルが取り出される各部屋専用である弁を制御する。例えば終端ポイント706、ノードコントローラ704およびセンサ組702は、図6の構造化組立体600を介して接続されることができる。
【0055】
空気サンプルは、多重方式でシステム中の各部屋から取込まれ、センサ組702まで戻るように運ばれる。加えて、(温度用および相対湿度用などの)個別のセンサは、部屋ごとに示される終端ポイントの位置の内で配設されてよく、それぞれに関連したデータは、各終端ポイントまで直列接続によって、あるいは終端ポイントとノードコントローラの間でアナログ信号および/またはデジタル信号を接続することによって、各ノードコントローラによってサンプルされてよい。典型的な空気サンプリングシステムのさらなる詳細は、米国特許第6,125,710号に述べられている。
【0056】
図6を再び参照すると、組立体600は、金属層652および管ジャケット654を有する複合管650を含む。ケーブルジャケット604と管ジャケット654の間の領域602では、様々なケーブルおよびワイヤが配設される。典型的な実施形態では、組立体600は、第1、第2、第3および第4のケーブル構造606、607、608および609を含む。ケーブル構造606、607および608は、システムについての電力、信号および通信の接続の組合せを与えるために使用される。
【0057】
第4のケーブル構造609は、システム700の性能を最適化することを助ける専用の感知機能を与えるために使用されることができる。加えて、組立体600は、ケーブルの取付けの間に外側ジャケット604の除去を補助するリップコード610を含む。リップコードは、構造化ケーブル組立体にありふれた特徴である。例えば、主要なワイヤおよびケーブルの製造業者、Belden CDT Inc.によって提供される複合ケーブルの系列(例えば、Belden 7876A 複合データ、オーディオ、画像、保安および制御のケーブル)における多くのケーブルは、リップコードを含む。
【0058】
ある具体的な実施形態では、第1のケーブル構造606は、信号を搬送するための22AWG撚線対を含み、第3のケーブル構造608は、いくつかの接続のための通信を行うと共に他のための信号を与えるためのドレイン線608aおよび箔遮蔽608bを有する22AWG TSPを含む。第2のケーブル構造607は、システム構成要素用に電力を搬送するための18AWG3つ組型の撚ケーブルを含む。
【0059】
ケーブル構造606、607および608によって供される機能は、システム700(図7)のどの部分でケーブル600が使用されるのかに応じて変動する。例えば、ノードコントローラ704a、bまたは702(図7)の間で接続を行うときは、第2のケーブル構造607は、典型的には(センサ組702内または近傍に存在する)電力供給部からシステム中の様々なノードコントローラへ電力を供給するために使用されることになる。システム700については、この電力供給部は、典型的には交流24V電力および接地であることになるが、このシステムの異なる実施形態は、ケーブル構造607を通ってさらに供給されることになる他の電源(例えば直流+/−15Vおよび接地)から動作するようになされることができる。ノードコントローラ704間、またはノードコントローラ704とセンサ組702の間で接続するときは、第3のケーブル構造608は、ネットワークケーブルとして機能し、その上でノードコントローラ704ならびにセンサ組および中央コントローラ702が通信する。これらの接続については、システム700の典型的な実施形態では、第3のケーブル構造608は、EIA485(または同等物)物理層を有するデータ通信ネットワークの幹線を形成する。この種類のネットワークは、ケーブルの特性インピーダンスを制約するためのみならず、ネットワークにある程度の雑音余裕を与えるために、第3のケーブル構造608についての仕様とされた通りに、接地線と共に導体からなる遮蔽用撚対をしばしば利用することはデータネットワーク設計の当業者には明らかであろう。さらに、構造化ケーブル600が、ノードコントローラ間704間、またはノードコントローラ704aとセンサ組702の間の接続を行うために使用されるときは、第1のケーブル構造606は、典型的には利用されることはなく、またはいくつかの補助的なもの、およびシステム700の顧客の用途において生じる可能性のある予め定められていない目的に仕えてよい。
【0060】
ノードコントローラ704と終端ポイント706の間で接続を行うときは、典型的には第2のケーブル構造607が使用されて電力および信号用接地を終端ポイント706で存在する個々のセンサ装置および計装に与えることになる。加えて、終端ポイント706に接続するときは、第1および第2のケーブル構造606、608は、706内で配置される様々なセンサからの信号出力をノードコントローラ704まで接続するために使用されてよく、ノードコントローラ704は、これらの信号を標本化し、中央コントローラ702まで戻るように通信する。706で存在する可能性のあるセンサの種類の例は、温度センサ、相対湿度センサおよびオゾンセンサを含む。
【0061】
第4のケーブル構造609は、感知ラインを与えて空気サンプルについてのタイミング順序を最適化する。ある具体的な実施形態では、感知ラインは26AWG撚線対ワイヤとして与えられる。感知ライン609は、各位置からセンサ組までの各空気サンプルの輸送時間を推定するために、図7のセンサ組702とシステム内の各終端ポイント706の間の距離を測定するために使用される。流量およびしたがって輸送速度は、通常はセンサ組702で調整されることになる。したがって、各感知される位置についてのサンプル輸送時間は、推定距離を同じ速度で除算することによって計算されることができる。より大きなシステムでは、輸送距離が数百フィート(数10メートル)になる可能性があり、それにより評価できる輸送時間となるので、これはシステムのサンプル速度を最適化するのに役立つ。例えば、流速1秒当り20フィート(1秒当り6.1メートル)で、400フィート(122メートル)にわたって取込まれるサンプルは、輸送時間20秒である。
【0062】
輸送時間を推定することに加えて、輸送距離を測定することは、センサ組702が粒子測定を行うために使用されるときに有利となり得る。微粒子の輸送効率は、本発明の管を通じて良好であるけれども、大粒子(例えばここではより大きな1uM)についての粒子の損失は、特に管が数10から数百フィート(数100メートル)の距離にわたって取込まれるときには輸送距離によって有意に変動する可能性がある。しかし、損失割合は、所与の流量での距離を用いて相当に予測可能であり、したがって輸送距離を知ることにより、この損失を補償する方法を与える。
【0063】
図8は、感知ライン801によって生成される電気回路の概略図800であり、感知ライン801が、図7に表されるシステム700全体にわたって構造化ケーブル600によって分配されるときのものである。したがって、終端ポイント806は、システム700中の706と対応し、ノードコントローラ804は、ノードコントローラ704と相関する。ライン長測定装置802は、典型的にはセンサ組および中央コントローラ702内、または702のごく近傍(典型的には40フィート(12.2メートル)以内)に収容される。図8に示されると共に図6に例示されたように、感知ラインは、好ましくは一対のワイヤ導体801a、bである。この対の導体は、対の導体が様々なノードコントローラ804、終端ポイント806およびライン長測定装置802に接続される場合にシステム700/800を通って分配される。各ノードコントローラ804は、いくつかの対の電気スイッチ803を含み、対の電気スイッチ803は、終端ポイント806とライン長測定装置802の間の距離を測定するためにライン長測定装置802と個々の終端ポイント806の間で選択的に回路を完成するために使用される。距離測定を行うための技術は、導体長に伴って変動する対の導体801a、bの物理的特性に依存する。例えば一実施形態では、距離測定は、802aと802bの間で測定される際のライン長測定装置と所与の終端ポイント806との間の対の導体801a、bの全オーム抵抗の測定に基づく。そのような測定を行うために設計され得る多様な回路が存在することは電子機器の当業者には明らかであろう。例えば一実施形態では、電流源は、ライン長測定装置802内の電子回路構成要素として与えられることができ、ポイント802aから感知ライン801aを通って継がれた接続805まで至り802bを通って戻って流れるように生成されることができる正確な電流を発生させる。組継ぎされた接続805は、終端ポイント806で対の導体801a、bの端部を共に拠り合せることによって、またはツイストオンワイヤ接続器を使用して801a、bを共に接続することによって、あるいは2つの電気導体を共に接合するために使用される他の適当な手段によって製作されることができる。点802aと802bの間の結果として得られる電圧は、802内の別個の回路によって同時に測定され、その信号は802aと802bの間の抵抗に比例し、その抵抗は終端ポイントまでの距離に比例する。これらの方法を使用するときに、感知ライン801a、bは、各終端ポイント806で継ぎ接続805を形成するように共に接続され、(801aおよび801b、閉じたスイッチ803ならびに組継された接続805の中の導体によって形成される)回路の全抵抗は、測定装置802によって測定される。
【0064】
さらなる例のように、終端ポイント806aとライン長測定装置802の間の距離を測定するためにこの抵抗測定方法を使用する際には、ノードコントローラ804a中の対のスイッチ803aは閉じられることになり、一方でシステム800中の他の全てのスイッチ803は開いたままであり、802aと802bの間の結果として得られる回路の抵抗が測定される。回路の実際の長さは、導体802aと802bの両方の合わせた長さのために、測定される実際の距離の2倍であることに留意されたい。これは、そのような測定システムの分解能の強化を助ける一方、ライン測定装置802に由来する電流の大きさを最小化する。
【0065】
典型的な実施形態では、感知ライン801は、銅ワイヤの26AWG単線撚線対であり、この撚線対は、例えば1000フィート当り40.81オーム(1メートル当り0.1339オーム)の抵抗仕様を有するBeldon Equivalent 9976とすることができる。代替としては、より細いまたはより粗い太さのワイヤ、および撚線などの異なる構成を使用するワイヤ、およびアルミニウムまたは他の材料などの異なる材料からなるワイヤが使用されることができる。しかし、選択の材料は、ケーブル組立体600が中を通って取付けられる所与の建物全体にわたって温度が劇的に変動する可能性があるので、測定精度が比較的に温度の影響を受けないことを確実にするために、比較的に低い抵抗率の温度係数を有するべきである。
【0066】
抵抗は、以下の式1に従って温度に伴って変動する。
RT=R20[1+α(T−20)] (式1)
ここで、
RT=実際の温度におけるオーム単位の抵抗
R20=20℃におけるオーム単位の抵抗
α=抵抗率の温度係数
T=実際の温度℃
である。
【0067】
共通区域、部屋、隙間空間および塔屋を含む典型的な商業建物の環境では、ケーブル組立体600が露出されることになる典型的な動作温度範囲は、0から40℃である。前に述べた通り本発明の好ましい実施形態では、感知ライン801は、銅からなることになる。銅に関しては、α=.00393℃−1であり、それは、式1に基づいて、銅を用いた抵抗に基づく距離測定の温度により許容範囲は、標準の温度が20℃および動作温度範囲が0から40℃であると仮定すると約+/−8%であることを意味する。この精度レベルは、輸送距離が152.4メートル以下(500フィート以下)である大部分のシステム800に対しては十分である。
【0068】
別の実施形態では、ライン長測定装置802は、終端ポイント806と装置802の間の距離を測定するために時間領域反射率計(TDR)を組み込んでよい。そのような手法は、差動方式またはシングルエンデッド方式で高帯域電気パルスを系統801aおよび801bに印加すること、およびパルスが系統801を下って選択されたスイッチ803を通って終端ポイント806へ至り再び戻って伝搬するのにかかる経過時間を測定することに基づく。ケーブルの長さを測定するためにTDRを使用することは、十分に確立した方法である。
【0069】
感知ラインを使用して行われる距離測定が、実際の管の長さを合理的に表すものであるということを確実にするために、これらの導体の長さと管の長さの比は、制御されるべきであるということに留意されたい。それは空気輸送管の性能を助けるので、これは構造化ケーブル組立体の1つの特徴である。
【0070】
金属ラインの管を有する本明細書で開示される典型的な実施形態は、非常に非伝導性である材料を用いて製作される既知の管と比べて強化された粒子輸送効率性能を与える。これは金属化ライナーの伝導性によるものであり、この金属化ライナーは、述べたように静電効果による堆積を最小化する傾向にある。しかし、粒子損失の別な根源、熱泳動として知られる機構も、輸送効率に対して顕著な影響を有する可能性がある。熱泳動は、温度勾配による力に起因した粒子の移動を指し、ここで粒子に対する正味の力は、より低い温度の領域に向いている。これは、構造化組立体600が建物内で取付けられた場合に、終端ポイント706と組立体600が引き回される建物内の様々な区域の間で存在する大きな温度勾配のところで、粒子輸送に影響を及ぼす要因となり得る。例えば、ケーブル組立体600は、塔屋または隙間空間を通って引き回されることができ、そこは空気サンプルが取り出される部屋(終端ポイント706)の温度より実質的に低い温度であることが時々(例えば冬季)あり得る。例えば、表面上の0.5um粒子の堆積速度は、堆積面と、粒子が浮遊している空気の間で温度差10℃を維持することによって10分の1になり得るということが知られている。熱泳動力は、粒径に対して反比例する傾向にあり、大きさ1umおよびそれより小さい粒子で最も顕著となるものである。
【0071】
本発明の別な態様によれば、構造化組立体600は、熱泳動力を補償すると共に、粒子輸送に影響を及ぼす重力の影響およびクーロン力(静電効果)などの他の堆積力に対するある程度の対抗策を与える。これは、複合管650の長手方向に熱源を配設することによって成し遂げられることができ、それは、管650を規則正しく通過する空気サンプルの温度より上で内側ライナー652の平均温度を維持するのに十分である。
【0072】
加えて、管を熱することについての別の理由は、空気から凝結され得る水を含むあるVOCまたは他の気体が、管を通ってセンサ組まで輸送されている間に、そのVOCまたは他の気体が凝結することを防ぐことにある。
【0073】
図9に示されるある具体的な実施形態では、図6の組立体600は、1つまたは複数の加熱器要素901を構造化ケーブル組立体に加えることによって組立体900を形成するように変更される。加熱器要素901は、ニクロム、タングステン、ニッケル、ステンレス鋼などの材料、または加熱器の機能を与えるための適当な他の材料からなる1つまたは複数の抵抗性発熱体であってよく、その抵抗性発熱体を通って電流が流れることができ、その結果、導体の長手方向に電力が消費され温度が上昇する。この導体は、導体がリボン形であるように円形または平坦である断面を有してよい。
【0074】
例示の実施形態では、加熱器要素901は、28AWGタングステンワイヤからなる。この電流源は、センサ組702(図7)の一部である別個の電子式構成部分として含まれ、そこから加熱器要素901の平均温度は、ケーブル900の全長に応じて予め定められた電流を媒体に加えることによって制御されることができ、あるいはタングステンまたはニッケルが有する温度係数など材料の温度係数が比較的に大きい場合は、代替の実施形態のように、加熱器要素901の温度は、例えば熱線風速計の温度を制御するために開発された技術など温度依存性抵抗材料の温度を制御するための十分に確立した方法を使用して正確に制御されることができる。例えば、米国特許第4,523,461号を参照されたい。
【0075】
しかし、タングステンが使用される場合のある具体的な実施形態では、低電流がこの媒体に印加される。概して、加熱器要素は、最も典型的には組立体600/900が図7で示されるノードコントローラ704の間(例えば704aと704bの間)で接続する際に組立体600/900内で利用されることになり、組立体600/900の接続は典型的には最も長い長さの組立体600を含み、組立体600/900は建物の構造を通って数100フィート(数10から数100メートル)の距離にわたって引き回される場合もある。しかし、加熱器要素は、大きな温度勾配が建物内のこれらの接続点の間でしばしば起こり得、これが粒子損失に有意に寄与することになり得る際には、組立体600/900内ならびにノードコントローラ704とそれらの各終端ポイント706の間で有利に適用され得る多くの場合がある。
【0076】
管を通っての粒子輸送に影響を与える別の要因は、管媒体の内側表面が帯電を確立する能力にある。表面上に帯電が確立されることになる際には、その表面上で浮遊した微粒子状物質は、表面上が帯電し、粒子の電荷が逆の極性である場合、その表面に引寄せられる傾向を有することになる。本明細書に記載された伝導性ライナー652の利点の1つは、電荷を消散させる伝導性ライナーの能力であり、したがってその結果、不良導体の表面の帯電と比べて単位面積当り比較的に低い帯電となる。しかし、一部の場合は、電荷が伝導性ライナー652からいくつかの他の導電性媒体まで内部を流れることができる追加の伝導性経路を設けて、電荷が伝導性ライナー652の表面上に発達できる量を実質的に低減することが利点となる可能性がある。一例としては、伝導性ライナーは建物内の電気的接地に電気的に接続されることができ、あるいは伝導性ライナーは建物の骨組みまたはいくつかの他の建物の構成要素に接続されることができ、それによって接地への低インピーダンス経路または内部で電荷が十分に消散されることができる別の媒体を提供する。電荷がライナー652から流れる伝導性経路は、システム全体にわたる接地へのただ1つの接続または接地への複数の接続を与えることを含む任意のいくつかの技術を使用して確立されることができる。
【0077】
図10Aは、図7によって表されるシステム700全体にわたって構造化ケーブル600によって分散される管650の分散の概略図1000である。(図10Aで1001としても名付けられる)管650は、システム700/1000を通って分散されており、管650はノードコントローラ1004内で含まれる様々な弁1003に接続され、管650は弁1003と終端ポイント1006の間で接続される。適宜の接地接続1010も示されており、適宜の接地接続1010は、内側ライナー652を建物内の接地に電気的に接続するために利用されることができ、そこでシステム1000は取付けられ、したがって電荷がシステム1000から流れる経路を与える。
【0078】
一実施形態では、システム700/1000で示される管650の様々な区間の伝導性内側ライナー652は、共に電気的に接続され、その結果、任意の管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iに加えられる任意の量の電荷は、管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、i全体にわたって等しく消散させられる。これらの電気的接続は、例えば弁1003で導電性バーブ継手を使用することによってなされることができ、弁1003の一方の側の継手を弁1003の他方の側の継手に電気的に接続する手段を与える。
【0079】
図10Bは、管がこの方法を使用してノードコントローラ1004内の弁1003に接合される方法を表し、弁1003は、弁1003のそれぞれの側に接続されるバーブ継手1007a、bを含む。空気圧システムに関する当業者によく知られているバーブ継手は、大部分の種類の可撓性管と共に一般に使用されており、管を継手のバーブ区間上に押圧することによって接続を行うように使用される。(バーブ継手の一般的な例は、NewAge Industries,Inc.による製品系列Thermobarb(登録商標)のものを含む)そのような管1001との接続を行うことによって、各継手は、管1001の伝導性内側ライナー652と接触する。本発明の目的では、継手1007は、(例えば、黄銅、青銅、鉄、鋼、ステンレス鋼およびアルミニウムなどの)金属、伝導性プラスチック、伝導性複合材、または伝導性塗料などの任意の種類の伝導性材料からなることができ、または任意の種類の伝導性材料で被膜されることができる。さらに、一実施形態では、弁1003は、それ自体、例えばステンレス鋼またはいくつかの他の金属などの伝導性材料からなることができ、およびしたがって示されるように継手1007と管1001に接続されると、管区間1001aと1001bの間で電荷が流れる電気的に連続な経路を与える。
【0080】
代替の実施形態では、図10Cに示すように、弁1003が非伝導性材料からなる場合には、継手1007aの端子1008aおよび継手1007bの1008bに接続される短絡用ストラップ1009は、管1001a、bの内側ライナー652を共に電気的に接続するために設けられることができる。そのような伝導性ストラップ1009は、銅ワイヤまたはこの目的ために適当であるいくつかの他の伝導性材料からなるワイヤでよい。端子1008a、bは、ストラップ1009などのワイヤを継手1007に固着することができるねじ締め型締付具でよく、それは適宜の接地接続1010を留めるために使用されることもできる。加えて、適宜の接地1010は、システム1000全体にわたって1つまたは複数の位置で設けられることができる。
【0081】
さらなる実施形態では、バーブ継手1008の使用に代わり、伝導性経路は、伝導性である材料を使用してジャケット654を構成することによって電荷を伝導性内側ライナー652から管650のジャケット654を通って輸送するために設けられる。例えば、ジャケット654は、管400で使用されるものなどの微粉化した金属片で含浸された複合のプラスチックからなることができる。ジャケット654は、カーボンの粉末またはファイバーあるいは任意のいくつかの他の伝導性充填化合物で埋込まれたプラスチック樹脂からなることもできる。
【0082】
図11は、管650が、伝導性遮蔽1101で追加的に被包され、伝導性ドレイン線1102が、伝導性遮蔽1101と伝導性管ジャケット654の間で配設されてこれら3つの構成部品(654、1101および1102)の間で低インピーダンス接続を形成する。典型的な実施形態を表す。伝導性遮蔽1101は、(大部分の市販の遮蔽されたケーブルに共通であるものなどの)アルミニウム箔、アルミニウム・ポリエステル・アルミニウム薄層などの金属性箔、または任意の他の適当な伝導性材料から構成されてよい。同様に、ドレイン線1102は、遮蔽されたケーブルで典型的に見られる銅ドレイン線などの導線であってよい。しかし、ドレイン線1102は、同様に他の適当な伝導性材料から構成されてよい。
【0083】
ドレイン線1102は、電荷が伝導性内側ライナー652から管ジャケット654へ伝導性外側材料または遮蔽1101へ次いで最後にドレイン線1102を通って接地まで流れるように伝導性経路を設けるために、システム1000の接地接続1010に接続されてよい。ケーブル組立体1100をシステム1000の管に適用し1つの接地接続だけを設けるときは、区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iの間の伝導性内側ライナー652は、共に各区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからのドレイン線1102を継ぐことによって共に電気的に接続されてよい。バーブ継手を備えた実施形態の場合のように、ケーブル組立体1100を使用する実施形態は、システム1000全体にわたって複数の位置で接地されてもよい。そのようにする際には概して、各区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからのドレイン線1102を共に継ぐ必要はない。
【0084】
管区間1001a、b、c、d、e、f、g、h、iからの伝導性内側ライナー652の相互接続、および電荷が流れるための接地接続1010などの追加の電気経路を設けることは、システム内での電荷蓄積を制限するための受動的方法である。しかし、代替として、能動的方法が、空気サンプルがシステム1000全体にわたって様々な終端ポイント1006から取込まれる際に粒子の輸送を助けるために、内側ライナー652上の静電荷蓄積を制御するように、または粒子が表面652上の静電荷と相互作用する方法を制御するように使用されてよい。
【0085】
一実施形態では、システム1000の管650を通って引き込まれる空気サンプルは、終端ポイント1006から取込まれた各空気サンプルから引き込まれる微粒子状物質を能動的または受動的に充電するイオン化源に露出されてよい。本実施形態では、電圧は、伝導性ライナー652の表面から帯電した微粒子状物質をはじくために管650の伝導性内側ライナー652に印加されることになり、したがって、システム1000を通じての微粒子状物質の輸送効率を改善する。イオン化可能な流体媒体のための典型的なイオン源は、例えば米国特許第6,693,788号、米国特許第4,689,715号、米国特許第3,711,743号および米国特許第3,613,993号に記載されており、それら全ては参照により本明細書に組み込まれる。しかし、より詳細には、イオン化装置は、(空気などの)イオン化可能な流体媒体に露出される任意のいくつかの電極を利用することができ、(典型的には5キロボルト以上である)高電圧源に結合される。
【0086】
図12は、管650と共に気流の流れに適用されるイオン源1201の応用例の典型的な実施形態1200を例示する。本実施形態では、伝導性バーブ継手1205は、電気的接続を伝導性内側ライナー652に与えるために使用されており、伝導性内側ライナー652に対して電圧ポテンシャルは、ネジ締め締付具1202を使用して電圧源1203の出力部をバーブ継手1205に電気的に接続することによって印加されてよい。しかし、伝導性内側ライナー652を接続する他の適当な方法が使用されてもよい。本明細書では、イオン化電源と同じ参照1209に接続される電圧源1203は、直流電圧または直流成分を有する時間変動性電圧であってよい。この電圧の大きさは、数ボルトから数1000ボルトまでの範囲の任意の値でよい。電圧源1203は、能動的装置であるとみなされることができる。伝導性内側ライナー652に印加される可能性のある潜在的に大きな電圧の結果としてもたらされる可能性のある潜在的な危険のために、電圧源1203は、その電流源能力を実質的に制限することによるエネルギー制限特徴を備えて設計されることができる。イオン源1201に流入する空気流の流れ1207は、イオン化電源1206からの電圧間で大きな電圧ポテンシャルを印加させる電極1204によってイオン化されることになる。結果として生じるイオン化された気流の流れ1208は、バーブ継手1205を通って管650に流入し、伝導性内側ライナー652上で電圧源1203を介して確立された電荷によって、気流の流れ1208内のイオン化された粒子は、伝導性内側ライナー652の表面からはじかれる傾向を有することになり、その結果、管650全体にわたる粒子輸送の強化となる。本発明の目的のために、イオン源1201は、システム1000全体にわたる多数の位置で設けられてよい。
【0087】
本発明の複合管は、システム700での使用によく適しているが、上述のように本発明の複合管は、空気サンプルを輸送するためにおよび任意のいくつかのセンサを用いて空気の様々な特性の遠隔測定を行うために設計された他の種類の空気監視システムでの使用にもよく適している。例えば、この管は、米国特許第6,241,950号によって記載されるもの(それは参照により本明細書に組み込まれる)などのマルチポイント空気サンプリングシステムでの使用によく適している。本発明の管からやはり利益を受けることができる他の種類の類似したシステムは、冷媒漏出を検出するための監視機能を与えるために使用されるシステム、および他の有毒性気体監視の応用例を含む。これらは、1つまたはいくつかの共用のセンサを使用して建物(特に冷水設備、空気処理装置および他の冷却システムの付近)内の1つまたは複数の位置で気体の形態にある冷媒漏出の存在を監視するためにしばしば使用される市販のシステムである。そのようなシステムは、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)および他の有毒性気体、ならびに建物の汚染物質または駐車場などの他の狭い空間内の汚染物質を監視するために使用されることもできる。
【0088】
例えば米国特許第6,241,950号に記載されたもの(それは参照により本明細書に組み込まれる)などのシステム、および冷媒および他の(有毒性)気体を監視するために使用される前述のシステムでは、空気パラメータの測定を行うためのセンサとシステムによって監視された位置からのサンプルを切替えるための空気取入弁は共に、建物内の共通の位置で配置されており、それらは、典型的には共通の容器内で配置される。図13は、そのようなシステムの一般化された図であり、このシステムは、管1301を介して関心の各部屋の終端ポイント1308に接続された複数の入力口を有する。終端ポイント1308は、単純に管1301の各部分の端部が配置される位置であってよく、または終端ポイント1308は、システム700の場合と同じように他のセンサおよび機器を組み込んでもよい。本サンプリングシステム用のほとんどの構成要素は、容器1307内に含まれ、容器1307は、内部を通ってサンプルが取込まれる空気取入弁1302と、1つの共通の多岐管1303を介して弁と相互接続するための手段と、1つまたは複数のセンサを含むセンサ組1304と、中央真空ポンプシステム1306と、コントローラ1305とを収容する。
【0089】
システムは、空気取入弁1302を通じて空気サンプルを順序付けることによって作動するものであり、空気サンプルは、それによってポンプ1306によって確立される負圧によってセンサ組1304を通って引き込まれる。所与の部屋または位置からの空気サンプルが、センサ組1304を通過する際に、1304によって感知される空気パラメータは、コントローラ1305によって監視され、典型的には記録される。コントローラ1305は、空気取入弁1302を順序付ける役割も果たす。多くの種類の管1301は、1300のようなシステムで使用されてきたものであり、ポリエチレン、Plexco(登録商標)、Teflon、硬質ステンレス鋼パイプおよび他の材料からなる管を含む。しかし、発明の管、例えば200、300、400、500を使用することによりシステム700によって実現される利益は、1300などのシステムおよび他のマルチポイント空気サンプル方式に等しく当てはまる。
【0090】
システム1300中の例えば200、300、400、500の本発明の管は、例えば良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。例えば200、300、400、500の管は、内部にシステム1300が取付けられる建物全体にわたる位置で、システム1300が低レベル濃度の揮発性有機化合物を遠隔監視することを可能にし、一方、同時に微粒子を遠隔監視する能力も与える。システム1300中の本発明の管を使用することにより、例えばセンサ組1304内での(ppbレベルのVOC監視用)光イオン化検出器および粒子計数器の使用を可能にすることになる。
【0091】
加えて、システム1300などの空気監視システムは、電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するための構造化組立体600、900および1100から利益を得ることもできる。これは、1300のようなシステムの能力を拡張するための簡便な方法を手供し、一方で取付け費用を最小化する。そのような組立体600、900および1100を使用することは、システム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置からの空気サンプルの順序付けを最適化するために感知ライン609を使用して距離測定が行われることを可能にもする。システム1300は、加熱器要素901を利用して粒子輸送効率を改善すると共に、VOCの気体または他の気体がシステム1300中の部屋および他の位置からセンサ組1304まで輸送されている間に空気から凝結され得る水を含むあるVOCの気体または他の気体の凝結を防ぐことを助けることもできる。また、空気サンプル中の粒子輸送を促進するためにシステム700/1000中の管の内側ライナー652上の電荷を能動的または受動的に制御するための説明済みの原理は、1300のなどのシステムに同様に適用する。
【0092】
本発明は、空気サンプリングシステム中で空気の「パケット」を輸送するのによく適する管構造を提供する。この管は、管を通じての微粒子状物質の効率的な輸送および関心の多くの空気の成分について比較的少ない吸収および気体排出を与える、金属性内側層および適宜の外側ジャケットを含む。
【0093】
図14Aは、金属箔が上に接着された基板を利用する金属ライナーされた管を含む誇張された断面で組立体1400の典型的な実施形態を示す。図14Bは、図14Aの管組立体1400の誇張された断面の展開図を示す。組立体1400は、316ステンレス鋼などの適当な材料を用いて金属化された金属ライナー1402を含む。一実施形態では、金属ライナー1402は、接着剤1403によって適当な基板1404に接着され、次いで基板1404は、適当なさらなる接着剤1405によって外側ジャケット1406に接着される。
【0094】
典型的な実施形態では、ライナー1402は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.005インチ(127μm)までの範囲の厚さを有するアルミニウム箔を含む。ある具体的な実施形態では、厚さが約25.4μm(.001インチ)である。典型的な実施形態では、金属化層1401が、厚さ約100から1000オングストロームまでの範囲の316ステンレス鋼であり、および一実施形態では、厚さが約200オングストロームである。接着剤層1403は、厚さが0.0001インチ(2.54μm)から0.002インチ(50.8μm)までであり、1402および1404用に使用される材料と接着相性のよいものであるように選択される硬化型永久接着剤とすることができる。例示の実施形態では、基板層1404は、約0.0005インチ(12.7μm)から約0.003インチ(76.2μm)までの範囲の(Kapton(登録商標)などの)ポリアミドフィルムであり、一実施形態では厚さ約0.001インチ(25.4μm)であり、それは基板1404をPVCからなってよい押出成形される外側ジャケット1406に接着するために使用される熱活性化接着剤でグラビア塗工される。
【0095】
代替の実施形態では、金属ライナー1402は、少なくとも管の内側表面を形成する表面上において、無水酸化アルミニウムの表面を有するアルミニウムからなり(それにより工業用サファイアと化学的に同じである特性となり)、金属化層1401は省略される。
【0096】
本発明の別の実施形態では、金属ライナー1402は、約0.001インチ(25.4μm)から約0.0005インチ(12.7μm)またはそれより少ない範囲の厚さを有する薄いステンレス鋼箔からなり、金属化層1401は省略される。金属ライナーについて他の厚さが可能であることが理解されよう。
【0097】
本発明の別の実施形態では、金属ライナー1402は、薄くニッケルめっきした銅箔からなる。ニッケルめっきした銅箔の厚さの典型的な範囲は、約0.001インチ(25.4μm)から約0.0005インチ(12.7μm)またはそれより少ない範囲である。例示の実施形態では、金属化層1401は省略される。
【0098】
一実施形態では、箔ライナー1402および接着剤1403は省略され、金属化層1401は、Kapton(登録商標)または他の適当なプラスチック材料からなる基板層1404の上へ直接堆積される。
【0099】
本発明の管1400は、管105としてシステム100(図1)での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300(図13)での使用によく適しており、良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。加えて、発明の管1400は、構造化組立体600(図6A)および900(図9)内に管650として組み込まれてよく、その結果、管1400は、700(図7)、800(図8)および1000(図10A)などのシステムで使用されることができる。加えて、発明の管1400は、電力および通信ならびに信号接続を建物全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、システム1300に適用される構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、管1400/650は、組立体600および900内で適用されて1300内での電気的接続を容易にすることができ、それは、終端ポイント1308で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置をやはり支援するようになされる、例えば冷媒または他の有毒性気体監視システムであってもよい。
【0100】
図15は、炭素ベースの材料1501で含浸される適当なホスト材料1502を有する管組立体1500を示す。一実施形態では、炭素ベースの材料1501は、非晶質の粉末形態の非常に分散した元素状炭素であるカーボンブラックである。10から10000オームセンチメートルの範囲の目標の体積抵抗率を達成するために、15から30重量%の間のカーボンブラックの装填が行われる。一実施形態では、体積抵抗率が約1000オームセンチメートルの所望の機械特性を得るために、約20重量%の装填割合が使用される。
【0101】
カーボンブラックは、火花放電および/または吸塵を発生し得る静電荷を低減させるような伝導特性を有するプラスチック複合材を製作するために幅広い種類のプラスチックの中の充填材として使用される。典型的には、この増大された伝導性は、通常環境またはクリーンルーム環境中の敏感な電子機器について静電遮蔽またはEMI遮蔽用に、ならびに静電放電を低減させるために使用される。この増大された伝導性は、これらの材料が静電放電によって点火する可能性を防ぐために、可燃性または揮発性の液体または気体を輸送するためにも使用される。この種類の導電性管材料の例は、TexLoc Ltd.からのパート番号23478の、カーボンブラックの充填されたPTFE管である。体積抵抗率は、使用されるカーボンブラックの特定の構成と充填材中のカーボンブラックの均等な分散を得ることの難しさの両方によっていくらかの変動を有する可能性があることが知られている。分散能力と呼ばれるこの特性は、伝導性カーボン材料が樹脂で濡らされ続いて脱凝集されることができることの容易性を示す。この目安は、カーボンブラックまたは他の炭素ベースの材料を分散させるために使用されるプラスチックホスト材料から独立している。費用に加えて、カーボンブラックのより高い装填は、ホスト材料の物理的特性を負に変化させ、例えば押出成形または鋳造することをより厄介でより困難にさせる。
【0102】
典型的な実施形態では、充填材として使用される炭素ベースの材料1501は、カーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、高伝導性、高耐久性を示す炭素の同素体であり、化学的に不活性であり、それら全ては、空気サンプル管に対して好ましい特性である。
【0103】
球状フラーレン(「バッキーボール」)から得られるカーボンナノチューブ(「バッキーチューブ」と呼ばれることがある)は、六角形模様の炭素原子の長くて中空の配置である。カーボンナノチューブは、チューブに巻かれた単層のグラファイトに類似する単層ナノチューブ(SWNT)としても知られる形態の単層の炭素原子で製作されることができる。この種類のナノチューブは、典型的には直径が0.7から約2ナノメートルおよび長さが数100マイクロメートルであり、典型的な直径は約1ナノメートルである。ナノチューブの別の形態は、多層ナノチューブ(MWNT)として知られており、この多層ナノチューブは、より厚いナノチューブを形成する炭素原子の複数の同心の層で製作される。これらのナノチューブは、SWNTに類似の長さである直径約3から30ナノメートルまでとすることができ、典型的な直径は約10ナノメートルである。カーボンナノチューブは、銅または金のような純粋な金属の、結果として生じる電子構造を有することもできる。カーボンナノチューブは、例えば、不活性雰囲気中の2つのグラファイト電極の間で典型的にはアーク溶接機から直流アーク放電を加えることによって生成されることができる。多層カーボンナノチューブの一例は、Hyperion Catalysis,Inc.によって製造されるFIBRIL(商標)ナノチューブであり、それは典型的な直径が約10から12ナノメートルを有し、炭素原子の約8つの層または同心の殻を用いる典型的な構造を有する。単層ナノチューブの例は、Carbon Nanotechnologies,Inc.によって製造される単層ナノチューブである。
【0104】
カーボンナノチューブは、電子機器の実装の中で一般に使用される静電気防止および電磁気の遮蔽材料および吸収材料を生成するために重合体ベースのホストに対する伝導性添加物として主に使用されてきた。これらの用途における添加物としてのカーボンナノチューブが有する利点の1つは、重合体ベースのホストの中であるレベルの伝導性を与えるために必要とされるナノチューブの量が、他の伝導性充填材についての量よりもずっと少ないということである。これは、ナノチューブの数1000に相当する極めて高い長さと幅のアスペクト比、さらにナノチューブの高い電気伝導率によるものである。カーボンナノチューブは、必要とされる充填の量をさらに低減させるいっそうより長い伝導性通路を製作するために、数10から数100の整合された管のロープの中にそれ自体組立てることができる。少量の充填材を使用することができることにより、費用が削減され、さらに剛性などの機械的特性は最小限に影響を与えられ、可撓性であり建物内に取付け容易である伝導性管1500を生成する。例えば、10から10000オームセンチメートルの範囲の伝導性を達成するために、ホスト材料1502は、いかによくカーボンナノチューブがホスト重合体材料の中で均等に分散されることができるかによって決定されるいくらかの変動がある状態で、カーボンナノチューブ1501が約1重量%から5重量%の範囲内で装填される。一実施形態では、約3.5重量%のカーボンナノチューブが約10オームセンチメートルのバルク伝導率レベルを達成するために使用される。
【0105】
VOCをサンプルするために使用されることになる伝導性管1500の中の充填材1501として使用することについてカーボンナノチューブの別な利点は、吸着および脱離の可能性が最小限にされることである。これは、ナノチューブが比較的に不活性であることと、ナノチューブが空気の流れの中に剥がれ落ちる、または気流に対して多くの表面積を見せる傾向が少ないという事実との両方によるものである。これは、(ホスト基体1502中の重合体鎖の粒径範囲を接近する)ナノチューブの比較的に小さな直径、ナノチューブの可撓性、および優れた「濡れ性」のため、ならびに重合体混合物を効果的に形成するためにナノチューブをホスト材料1502の長い重合体鎖と絡み合わせることまたは混合するためである。
【0106】
別の実施形態では、充填材として使用される炭素ベースの材料1501は、カーボンナノファイバーを含む。ナノファイバーは、カーボンナノチューブを製作するために使用されるものと類似の工程でしばしば形成される。実際には、カーボンナノファイバーは、多層カーボンナノチューブとして開始でき、しかし多くのより多層または炭素原子殻で成長されて直径約70から300ナノメートルの間であるチューブまたはファイバーを生成し、長さ数100マイクロメートルまでなり得る。ナノファイバーの製造業者は、Pyrograph Products,Inc.であり、同社のPyrograph IIIナノファイバー、それらは、幅約70から200ナノメートル、および長さ約50から100マイクロメートルである。ナノファイバーは、カーボンナノチューブほど高価ではないが、5から15重量%の範囲などで装填するより高い充填を必要とする可能性がある。
【0107】
別の実施形態では、ホスト材料1502の中に使用される充填材1501は、カーボンファイバーを含む。市販の構造的カーボンファイバーは、ポリアクリロニトリル(PAN)ファイバーまたは特殊な石油ピッチ(ピッチファイバー)から得られ、次いで導電性重合体添加物としての使用のためにさらに細断または粉砕されてよい。カーボンファイバーから得られるPANおよびピッチは、構造的応用例に対する連続的な強化材としても使用される。カーボンファイバーは、典型的には幅5または10マイクロメートルの範囲、長さ60から300マイクロメートルの範囲である。
【0108】
前述のように同じ10から10000オームセンチメートルを得るためには、10から20重量%の間の装填を必要とし、カーボンファイバーは、必要とされる装填性能においてカーボンブラックとカーボンナノファイバーの間となる。
【0109】
別の実施形態では、ホスト材料1502で使用される充填材1501は、グラファイト粒子を含む。グラファイトは、伝導特性を有する炭素の同素体である。プラスチック用のグラファイト充填材の一例は、SGL technologiesからのConductographグラファイト粉末である。グラファイトは、粉末形態で使用され、充填の装填割合を低減するようにファイバーの中に製作され、またはWestaim Ambeon(Canada、Alberta州),によって製作されるようなニッケルグラファイト化合物を形成するためにニッケルと化合されることができる。グラファイトは、比較的に化学的不活性でもあり、その不活性は、VOCを測定するために管での使用に有利である。例えば先に述べたように10から10000オームセンチメートルの体積抵抗率を獲得するためにニッケルグラファイト化合物充填を使用することは、約40から50重量%のグラファイト化合物を装填することを必要とし、上述の炭素ベースの材料に対して装填要求の一番高い限度でグラファイト化合物を入れる。
【0110】
ホスト材料1502の望ましい化学的特性は、可撓性および不活性材料であることを含み、不活性材料では気体排出しない、または空気サンプリングシステムを用いて測定されるVOCなどの任意の所望の空気パラメータに対して吸着剤として機能しないことである。低レベルの収着または脱離を有するこの能力は、多くの気体または蒸気の正確な空気サンプルに対して望ましいものである。例えば、空気式の管に対して一般に使用されるDekoron(商標)低密度ポリエチレン(LDPE)プラスチックは、VOCの吸着剤と吸収剤の両方であり、VOCが測定されることになる場合、適当なホスト材料ではない。同様に、湿度が関心である場合は、材料は、疎水性である必要があり、管は、水蒸気を吸着/吸収または脱離しないので、それにより低い湿度または露点の温度測定に関する精度を妥協することになり得る。例えば、低い露点の測定に関しては、いくつかの種類のナイロンは、ナイロンが平衡状態の確立において長い潜在的な遅延により最終的な平衡値に到達するのに潜在的に数日かかるので重大な遅延を測定システムに導入し得るものであるため好ましくない。ホスト材料が、関心のCO2、COおよび他の気体または蒸気のような気体に対して不浸透性であることも役立つ。さらに、あるホスト材料1502は、いくつかの種類の空気パラメータセンサと相性が良くない可能性がある。例えば、VOC、CO、オゾンおよび炭化水素などの化合物の範囲を検出するために使用される混合金属酸化物半導体系のセンサは、シリコーン蒸気との接触によって害されまたは深刻な影響を受ける可能性がある。ある腐食性気体または腐食性作用物で汚染された空気が粒子を放出する可能性のあるサンプル管組立体のライナーに影響を及ぼさないように、あるいは内側壁の表面仕上に影響を及ぼさないように良好な耐食性であることも望ましい。最後に、ホスト材料1502は、カーボンベースの充填材がホスト混合物の中に容易に混合または調合されて良好な表面伝導性のために充填材の均等な分散を有する混合物を生成することができるような特性を有するべきである。
【0111】
Kynar(登録商標)としても知られるフッ素重合体PVDF(ポリフッ化ビニリデン)は、極めて低い吸着/脱離、耐食性、水、蒸気および気体に対する不浸透性、可撓性、耐食性、およびカーボンベースの充填材との相溶性の良好な組合せを有するホスト材料1502の典型的な選択である。それはやはり、類似の特性を有するいくつかの他のホスト材料ほど費用がかからず、フッ素重合体PVDFの適度な融解温度が、押出成形または鋳造することをより容易におよび費用のかからないものにさせる。他の適当なホスト材料は、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどの他のフッ素重合体樹脂プラスチックを含むがそれに限定されない。非フッ素重合体樹脂プラスチックは、所望のレベルの上記の物理的特性、材料特性および化学的特性を有することに基づく適当なホスト材料であってもよい。
【0112】
管1500の実施形態は、管105としてシステム100(図1)での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300(図13)での使用によく適しており、それにより良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を有する可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を与えて気体、蒸気または他の空気パラメータの正確な測定を可能にする。加えて、発明の管1500は、構造化組立体600(図6A)および900(図9)内に管650として組み込まれてよく、その結果、管1500は、700(図7)、800(図8)および1000(図10A)などのシステムで使用されることができる。
【0113】
管1500(図15)は比較的に簡単な構成のために、管1500の断面は、カーボンベースの充填材の均質な分散を含むように容易に製作されることができ、管の内側表面1503から管の外側表面1504までの伝導性経路を与える。これにより、管1500は、構造化ケーブル組立体1100(図11)内での使用に非常に適当なものになり、内側表面1503上に発達し得る電荷を外側表面1504に伝導し、この実施形態では外側表面1504はシールド1101に接触しており、シールド1101はドレイン線1102にも電気的に接続され、ドレイン線1102は管からの電荷を伝導するために使用されることを可能にする。それが電気泳動による粒子の脱落を最小化することを助けるので、これは、管650/1500内の良好な粒子輸送特性を促進する。
【0114】
加えて発明の管1500は、電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、 管1500/650は、組立体600および900内で適用されてマルチポイントサンプリングシステム1300内での電気的接続を容易にすることができ、例えば、マルチポイントサンプリングシステム1300は、終端ポイント1308(図13)で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置を支援するようにもなされる冷媒または他の有毒性気体監視システムであってよい。
【0115】
図16は、適当なジャケット層1601を用いて上に押出成形される伝導性複合内側層1602から構成される同時押出成形物である管1600の実施形態の例示である。一実施形態では、内側層1602は、商標名Kynar(登録商標)としても知られるポリフッ化ビニリデン(PVDF)1604からなるホスト材料を含み、このホスト材料は、炭素ベースの材料1605で含浸される。他の適当なホスト材料は、PTFE、FEP、PFA、PEEK、EFTE、CTFE、ECTFE、MFA、THVおよびPEIなどのフッ素重合体樹脂プラスチックを含むがそれに限定されない。
【0116】
外側ジャケット層1601は、内側層1602のホスト材料1604に十分接合されることのできるものに応じて様々なプラスチックから構成されることができる。一実施形態では、外側ジャケット層1601は、満たされていない(炭素ベースの材料でない)PVDFから構成され、内側層1602は、カーボンナノチューブを含浸したPVDFから構成される。他の適当な内側層充填材は、カーボンブラック、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンファイバーなどの他の炭素ベースの材料を含む。図16の管の実施形態1600の利点の1つは、1500の断面と同等の断面を有する管1600に対してはより少ない炭素ベースの材料が必要とされるので、管の材料費用が、図15の管1500の費用より少ないということである。現在のところ、カーボンナノチューブは、大部分のプラスチックより重さではるかにずっと高価であるので、これは望ましいものであり得る。
【0117】
管1600は、特定の用途の要求を満たす任意の実際的な寸法に製作されてよい。しかし、管1600の外径は、John GuestのSuper Speedfit(登録商標)などの市販の速接続式継手によって対応可能とされる標準の大きさであることが好ましいかもしれない。管は、ほとんど任意の大きさに製作されてよいが、管の外径についての2つの標準の大きさは、5/16インチ(7.94mm)および3/8インチ(9.53mm)である。一実施形態では、管1600の外径が約3/8インチ(9.53mm)である場合は、内径が約1インチの1/4(6.35mm)から約1インチの5/16(7.94mm)までの範囲であることになる。典型的な実施形態では、管1600の外径が約1インチの5/16(7.94mm)である場合は、その内径が約1インチの1/4(6.35mm)である。
【0118】
内側層1603の厚さは、特定の実施形態の要求を満たす任意の実際的な値であってよいことが理解されよう。しかし、上述のように、管1600の全体の費用を削減するように内側層1602の厚さ1603を最小化することは有益であり得る。厚さ約0.005インチ(127μm)から約0.030インチ(762μm)までの範囲の他の適当な厚さに対して、内側層1602についての典型的な厚さ1603は、約0.010インチ(254μm)である。標準のバーブ継手(1/4インチ(6.35mm)、5/16インチ(7.94mm)、6ミリメートル)と相性のよい管の内径を製作することは、それはシステム内の管部品を相互接続するための代替手段を与えるので有利である可能性があることが理解されよう。加えて、バーブ継手が導電性、例えば黄銅またはステンレス鋼の継手である場合、システム中の様々な区間と構成要素の間の電気的接続がもたらされることができ、それにより管の長さに沿って電荷蓄積を最小化することを助けることができ、したがってより良い粒子輸送効率を潜在的に促進する。
【0119】
管1600の実施形態は、管105としてシステム100での使用および管1301として星形に構成されたシステム1300での使用に非常に適しており、良好な微粒子輸送特性と共に低吸着および低吸収の特性を備える可撓性の、取付け容易な、および廉価な管を提供する。加えて、発明の管1600は、構造化組立体600および900内に管650として組み込まれてもよく、その結果、管1600は、700、800および1000などのシステム中で使用されることができる。
【0120】
一実施形態では、ジャケット層1601は、ステンレス鋼などの微粉化した金属などの導電性材料、またはカーボンブラックまたは別の炭素ベースの材料などの別の適当な材料などで含浸されるプラスチック材料から構成される。複合の内側層1602とジャケット層1601を共に導電性であるようにさせることによって、管1600は、管1600の断面全体にわたって伝導性であり、管の内側表面上の電荷が管の外側表面へ伝導することを可能にする。管1600の実施形態は、構造化ケーブル組立体1100(図11)に650として適用されてもよい。そのような構成では、管1600/650内側表面上に発達し得る電荷は、管の外側表面まで伝導し、管の外側表面は遮蔽1101と接触し、遮蔽1101もドレイン線1102に電気的に接続され、ドレイン線1102は電荷を管から離れるように伝導するために使用される。上述のように、それが、電気泳動による粒子の脱落を最小化することを助けるので、これは、管650/1600内の良好な粒子輸送特性を促進する。組立体1100内で管1500を使用することの利点を上回るこの手法の利点は、内側層1603に対して要求されるものほど重要な要求を有さないより廉価な伝導性充填材が、ジャケット層1601に対して使用されることができるということである。したがって、所与の管に対して、カーボンナノチューブなどのより高価な伝導性充填材より少ない断面積が、管の断面全体にわたって伝導性である管を製作するために必要とされる。
【0121】
発明の管1600は、加えて電力および通信ならびに信号接続をシステム1300全体にわたって様々な部屋および他の監視位置の内に配置されることのできる個別の装置およびセンサに供給するために、構造化組立体600および900内の管650として使用されることができる。このようにして、管1600/650は、組立体600および900内で適用されてマルチポイントサンプリングシステム1300内の電気的接続を容易にすることができ、例えば、マルチポイントサンプリングシステム1300は、終端ポイント1308で配置される温度および他の個別のセンサおよび装置などの遠隔装置をやはり支援するようになされる冷媒または他の有毒性気体監視システムであってよい。
【0122】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、詳細に示され説明されたものによって限定されない。本明細書で引用される全ての刊行物および参照は、明確に全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明による管を有する空気サンプリングシステムの構成図である。
【図1A】図1のシステムのさらに詳細を示す構成図である。
【図2】本発明による複合管の略図である。
【図2A】曲げ可撓性を有する複合管の概略図である。
【図3A】本発明による複合管のさらなる実施形態の略図である。
【図3B】図3Aの管をライナーするために使用されることができる複合ライナーの実施形態の断面図である。
【図4】本発明による複合管の別の実施形態の略図である。
【図5A】本発明による複合管の別の実施形態の横断面図である。
【図5B】図5Aの管の縦断面図である。
【図6A】本発明による複合管を含む構造化ケーブル組立体の断面図である。
【図6B】図6Aの構造化ケーブル組立体の等角図である。
【図7】本発明による複合管を有する空気サンプリングシステムの構成図である。
【図8】図7のシステムに適用可能であるその性能を最適化するためのサブシステムの実施形態を例示する概略図である。
【図9】抵抗性導体を含む構造化ケーブル組立体の断面図である。
【図10A】空気監視システム中の管の概略図である。
【図10B】ノードコントローラ内の弁に接合された管の概略図である。
【図10C】ノードコントローラ内の短絡用ストラップを含む弁に接合された管の概略図である。
【図11】空気監視システム中で使用されることのできる管の断面図である。
【図12】管と共に気流の流れに適用されるイオン源を示す概略図である。
【図13】マルチポイント空気サンプリングシステムの概略図である。
【図14A】本発明による導電性ライナーを有する管の誇張された縦方向断面図である。
【図14B】図14Aの管の誇張された長手方向部分断面図である。
【図15】本発明による炭素ベースの材料を有する管の実施形態の断面図である。
【図16】ジャケットを有する複合管の実施形態の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、
前記空気サンプルをカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーのうち少なくとも1つを有する導電内側層を含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、
センサを使用して前記空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップと
を含む、
空気サンプルを輸送する方法。
【請求項2】
前記管は、外側層を有さずに前記管の壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管は、実質的な量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記内側層は、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ホスト材料は、1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁および複数の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルは前記複数の終端ポイントから得られ、前記複数の終端ポイントから前記管を介して前記センサ組まで輸送される管とを備え、前記管の少なくとも一部は、カーボンナノチューブを有する導電内側層を含む、
空気サンプリングシステム。
【請求項9】
前記管は、外側層を有さずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記管は、実質的量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記内側層は、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ホスト材料は、1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内側層は、約0.005インチ(127μm)から約0.03インチ(762μm)までの範囲の厚さを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報、ならびに1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記管が、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、
前記空気サンプルを、基板に接着された導電性金属ライナーを含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、
センサを使用して前記空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップと、
を含む、空気サンプルを輸送する方法。
【請求項18】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼を用いて金属化される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記管は、外側ジャケットを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記金属ライナーは、アルミニウム箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記アルミニウム箔は、無水酸化アルミニウムの表面を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記金属ライナーは、金属化層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記金属ライナーは、ニッケルめっきした銅箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記金属ライナーは、前記基板の上へ直接堆積された箔層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記基板は、ポリアミドフィルムからなる、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁と、空気サンプルが得られ且つ管を介して前記センサ組まで輸送される複数の終端ポイントとに結合され、基板に接着された導電性金属ライナーを含む、管と、
を備えた空気サンプリングシステム。
【請求項30】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼を用いて金属化される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼箔を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記金属ライナーは、アルミニウム箔を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報と共に、1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
空気サンプルの複数の特性を測定するための2つ以上の空気パラメータセンサを含むセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁と、空気サンプルが得られ且つ管を介して前記センサ組まで輸送される複数の終端ポイントとに結合され、少なくとも1種類の炭素ベースの材料で装填されるホスト材料を含む導電内側層を含む、管と、
を備える空気サンプリングシステム。
【請求項36】
前記炭素ベースの材料は、カーボンブラックを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記炭素ベースの材料は、カーボンナノファイバーを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記炭素ベースの材料は、カーボンファイバーを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記炭素ベースの材料は、炭素の単層ナノチューブを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記炭素ベースの材料は、炭素の多層ナノチューブを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項41】
前記炭素ベースの材料は、グラファイトを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記管は、外側層を有さずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項35に記載のシステム。
【請求項43】
前記管は、実質的な量の炭素ベースの材料を含まない非伝導性外側層を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項44】
前記ホスト材料は、フッ素重合体樹脂プラスチックからなる、請求項35に記載のシステム。
【請求項45】
フッ素重合体樹脂プラスチックは、PVDFベースの材料である、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報と共に、1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項47】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着することをさらに含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項48】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項35に記載のシステム。
【請求項1】
第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、
前記空気サンプルをカーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーのうち少なくとも1つを有する導電内側層を含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、
センサを使用して前記空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップと
を含む、
空気サンプルを輸送する方法。
【請求項2】
前記管は、外側層を有さずに前記管の壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管は、実質的な量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記内側層は、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ホスト材料は、1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁および複数の終端ポイントに結合される管であって、空気サンプルは前記複数の終端ポイントから得られ、前記複数の終端ポイントから前記管を介して前記センサ組まで輸送される管とを備え、前記管の少なくとも一部は、カーボンナノチューブを有する導電内側層を含む、
空気サンプリングシステム。
【請求項9】
前記管は、外側層を有さずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記管は、実質的量のカーボンナノチューブを含まない外側層を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記内側層は、カーボンナノチューブが1重量%と6重量%の間で装填されるホスト材料を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ホスト材料は、1つまたは複数のフッ素重合体樹脂プラスチックを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内側層は、約0.005インチ(127μm)から約0.03インチ(762μm)までの範囲の厚さを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報、ならびに1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記管が、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
第1の位置から空気サンプルを取得するステップと、
前記空気サンプルを、基板に接着された導電性金属ライナーを含む管内の第2の位置まで輸送するステップと、
センサを使用して前記空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するステップと、
を含む、空気サンプルを輸送する方法。
【請求項18】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼を用いて金属化される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記管は、外側ジャケットを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記金属ライナーは、アルミニウム箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記アルミニウム箔は、無水酸化アルミニウムの表面を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記金属ライナーは、金属化層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記金属ライナーは、ニッケルめっきした銅箔を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記金属ライナーは、前記基板の上へ直接堆積された箔層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記基板は、ポリアミドフィルムからなる、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
空気サンプルの少なくとも1つの特性を測定するセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁と、空気サンプルが得られ且つ管を介して前記センサ組まで輸送される複数の終端ポイントとに結合され、基板に接着された導電性金属ライナーを含む、管と、
を備えた空気サンプリングシステム。
【請求項30】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼を用いて金属化される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記金属ライナーは、ステンレス鋼箔を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記金属ライナーは、アルミニウム箔を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報と共に、1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
空気サンプルの複数の特性を測定するための2つ以上の空気パラメータセンサを含むセンサ組と、
空気サンプルを切替えるための空気取入弁と、
前記空気取入弁と、空気サンプルが得られ且つ管を介して前記センサ組まで輸送される複数の終端ポイントとに結合され、少なくとも1種類の炭素ベースの材料で装填されるホスト材料を含む導電内側層を含む、管と、
を備える空気サンプリングシステム。
【請求項36】
前記炭素ベースの材料は、カーボンブラックを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記炭素ベースの材料は、カーボンナノファイバーを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記炭素ベースの材料は、カーボンファイバーを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記炭素ベースの材料は、炭素の単層ナノチューブを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記炭素ベースの材料は、炭素の多層ナノチューブを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項41】
前記炭素ベースの材料は、グラファイトを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記管は、外側層を有さずに管壁の厚さ全部を包含する内側層のみを有する、請求項35に記載のシステム。
【請求項43】
前記管は、実質的な量の炭素ベースの材料を含まない非伝導性外側層を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項44】
前記ホスト材料は、フッ素重合体樹脂プラスチックからなる、請求項35に記載のシステム。
【請求項45】
フッ素重合体樹脂プラスチックは、PVDFベースの材料である、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記センサ組は、前記空気サンプル中の粒子の量についてのあるレベルの情報と共に、1つまたは複数のVOC、露点および二酸化炭素のレベルの測定値を測定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項47】
1つまたは複数の信号、電力および通信を与えるように少なくとも1つの導体を前記管に固着することをさらに含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項48】
前記管は、2つ以上の導体を含む構造化ケーブル組立体の一部である、請求項35に記載のシステム。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−545990(P2008−545990A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515761(P2008−515761)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/021218
【国際公開番号】WO2006/135575
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503285623)エアキュイティ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/021218
【国際公開番号】WO2006/135575
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503285623)エアキュイティ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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