説明

空気入りタイヤ

【課題】溝下部における加硫時の過加硫と走行時の発熱を抑制して高速耐久性の低下を抑えると共に、高速走行時における操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】周方向溝10の溝下に環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物からなる溝下ゴム層23を配置すると共に、この溝下ゴム層23を周方向溝10の溝底からタイヤ径方向内側に向かってベースゴム層22まで達するように延在させてトレッドゴム層21をタイヤ幅方向に分断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、高速耐久性を高度に維持すると共に、ドライ路面における操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の高性能化を受けて、空気入りタイヤには、これまで以上の高いレベルでの高速走行時における操縦安定性が求められている。従来、高速走行時における操縦安定性を向上するための手法として、タイヤのトレッド剛性を高めることが行われている(例えば、特許文献1参照)。例えば、トレッドを構成するゴムを薄くすることで、トレッド剛性を高めることが考えられるが、その場合、トレッド表面に設けられた溝の溝下ゴムゲージが非常に薄くなり、加硫時に溝下部に熱が集まる傾向がある。そのため、加硫時に溝下部のみが局所的に過加硫になり、結果的にその部位の破断物性、モジュラス、耐疲労性等のゴム物性が悪化するという問題がある。
【0003】
一方で、タイヤ走行時におけるタイヤの部位による発熱の違いを検討すると、溝下部において熱が発生し易いという傾向がある。そのため、上述のように、操縦安定性を向上するためにゴムゲージを薄くしてトレッド剛性を高めたタイヤの溝下部では、上述の過加硫の問題に加えて、走行時の発熱が影響してタイヤの高速耐久性が悪化すると言う問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−278413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、溝下部における加硫時の過加硫と走行時の発熱を抑制して高速耐久性の低下を抑えると共に、高速走行時における操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部がトレッドゴム層とベースゴム層との積層構造からなり、トレッド表面に少なくとも1列の周方向溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝の溝下に下記(1)式で表わされる環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物からなる溝下ゴム層を配置すると共に、該溝下ゴム層を前記周方向溝の溝底からタイヤ径方向内側に向かって前記ベースゴム層まで達するように延在させて前記トレッドゴム層をタイヤ幅方向に分断したことを特徴とする。
【0007】
【化1】

(式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
【発明の効果】
【0008】
本発明は、周方向溝の溝下に配置される溝下ゴム層を上記式(1)で示される環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物から構成したので、環状ポリスルフィドの耐屈曲疲労性及び耐熱性が高く、加硫速度を低下することが出来る特性によって、溝下ゲージが薄くなっても溝下部分における局所的な過加硫を回避すると共に、当該箇所の耐屈曲疲労性及び耐熱性を向上して、タイヤの高速耐久性を向上することが出来る。
【0009】
本発明においては、式(1)におけるR基が−CH2 −CH2 −O−CH2 −O−CH2 −CH2 −であることが好ましい。
【0010】
本発明においては、トレッドゴム層を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδが溝下ゴム層を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδよりも大きいことが好ましい。このように走行時に路面に接地するトレッドゴム層を発熱性の高いゴムとすることでグリップレベルを確保することが出来、操縦安定性を向上することが出来る。一方、走行時に熱エネルギーが集中する溝下ゴム層を発熱性の低いゴムとすることで高速耐久性を向上することが出来る。
【0011】
本発明においては、溝下ゴム層が、硫黄加硫可能なゴム100重量部に対して環状ポリスルフィドを0.2〜5重量部配合したゴム組成物から構成されることが好ましい。このように配合される環状ポリスルフィドの量を特定することで、溝下ゴム層の加硫速度を最適にし、溝下部分における局所的な過加硫を抑制することが出来る。
【0012】
本発明においては、溝下ゴム層のタイヤ子午線断面での幅Wbをそれに対応する周方向溝のトレッド表面での溝幅Waの0.5〜2.0倍にすることが好ましい。これにより、溝下ゴム層の量を最適化し、低コスト性及び生産性を維持しながら操縦安定性及び高速耐久性を最適なバランスで両立することが出来る。
【0013】
尚、60℃におけるtanδとは、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を使用して、温度60℃、周波数20Hz、初期歪10%、動歪±2%の条件で測定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線半断面図である。
【図2】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部分を示す子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間には1層のカーカス層4が装架され、これらカーカス層4の端部がビードコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。ビードコア5の外周側にはゴムからなる断面三角形状のビードフィラー6が配置されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、2層のベルト層7がタイヤ全周に亘って配置されている。これらベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
【0017】
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その具体的な構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
【0018】
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部1の表面に周方向に延在する複数本の周方向溝10が設けられている。この周方向溝10は、少なくとも1本が設けられている。
【0019】
図1,2に示すように、本発明の空気入りタイヤでは、トレッド部1が異なる3種類のゴム層から構成されている。即ち、トレッド部1の接地面側の大部分を占めるトレッドゴム層21、ベルト層7の外周側かつトレッドゴム21の内周側に配置されるベースゴム層22、及び複数本の周方向溝10のそれぞれの溝下部に局部的に設けられた溝下ゴム層23から構成されている。この溝下ゴム層23は、周方向溝10の溝底からタイヤ径方向内側に向かってベースゴム層22まで達するように延在し、トレッドゴム層21をタイヤ幅方向に分断している。また、溝下ゴム層23は、下記(1)式で表わされる環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物から構成されている。
【0020】
【化2】

(式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
【0021】
このように環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物から構成される溝下ゴム層23を設けることで、ゴムゲージが薄くなっている溝下部を補強することが出来る。即ち、環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物は、耐屈曲疲労性及び耐熱性が優れ、更に加硫速度が遅いという特性を有しているため、ゴムゲージが薄く過加硫が懸念される溝下部の加硫速度を遅らせて過加硫が発生することを抑制することが出来る。また、溝下部はゴムゲージが薄いため他の部位に比べて弱くなっているが、上述のように環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物は耐屈曲疲労性及び耐熱性が優れているので、溝下部の耐久性を向上することが出来る。尚、溝下ゴム層23の溝最深部でのゲージは、1.8〜3.0mm程度の範囲を取り得る。
【0022】
溝下ゴム層23を構成するゴム組成物に配合される環状ポリスルフィドとしては、上記式(1)で表わされるものであれば、どのようなものを配合しても構わないが、好ましくは、上記式(1)におけるR基が−CH2 −CH2 −O−CH2 −O−CH2 −CH2 −であることが好ましい。
【0023】
上述のように、環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物は、耐屈曲疲労性及び耐熱性が優れ、更に加硫速度が遅いという特性を有しているので、トレッドゴム層21やベースゴム層22に用いた場合、これら部位に優れた耐屈曲疲労性や耐熱性を付与することが出来るが、その一方でトレッドゴム層21やベースゴム層22は溝下ゴム層23に比べて広い部位に設けられるので、トレッド部1全体の加硫速度が低下し生産性が悪化する。また、環状ポリスルフィドを配合することによるコストが余分にかかるため、製造コストが増大する。
【0024】
本発明においては、トレッドゴム層21を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδが溝下ゴム層23を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδよりも大きいことが好ましい。このように路面に設置するトレッドゴム層21に対してtanδが比較的大きく発熱性が高いゴム組成物を用いることで、操縦安定性に対する寄与の大きいグリップレベルを確保することが出来る。また、高速走行時に熱エネルギーが集中する傾向にある溝下部の溝下ゴム層23にtanδが比較的小さく発熱性の低いゴム組成物を用いることで、高速耐久性を向上することが出来る。
【0025】
このとき、トレッドゴム層21の60℃におけるtanδを0.20〜0.40の範囲に設定し、溝下ゴム層23の60℃におけるtanδを0.10〜0.20の範囲に設定することが好ましい。トレッドゴム層21の60℃におけるtanδが0.20より小さいと充分な発熱が得られずグリップレベルを確保することが出来ないためタイヤの操縦安定性が低下する。トレッドゴム層21の60℃におけるtanδが0.40より大きいと発熱性が高くなり過ぎるため高速耐久性が低下する。また、溝下ゴム層23の60℃におけるtanδが0.10より小さいと空気入りタイヤの生産性が悪化する。溝下ゴム層23の60℃におけるtanδが0.20より大きいと充分に発熱を抑えることが出来ず高速耐久性が低下する。
【0026】
尚、ベースゴム層22を構成するゴム組成物については、60℃におけるtanδをトレッドゴム層21、溝下ゴム層23のそれぞれのゴム組成物に対して、どのような範囲に設定しても構わないが、好ましくは、ベースゴム層22を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδは0.05〜0.15の範囲にすることが好ましい。ベースゴム層22の60℃におけるtanδが0.05より小さいと空気入りタイヤの生産性が悪化する。ベースゴム層22の60℃におけるtanδが0.15より大きいと発熱性が高くなり過ぎるため高速耐久性が低下する。
【0027】
上述のように、本発明においては、溝下ゴム層23に環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物を用いることで、溝下部に優れた耐屈曲疲労性及び耐熱性を付与し、かつこの部位における加硫速度を遅らせている。溝下ゴム層23を構成するゴム組成物が少なくとも環状ポリスルフィドを含んでいれば上記性能を得ることが出来るが、好ましくは、溝下ゴム層23が硫黄加硫可能なゴム100重量部に対して環状ポリスルフィドを0.2〜5重量部配合したゴム組成物から構成されると良い。
【0028】
このように環状ポリスルフィドの配合量を規定することで、耐屈曲疲労性及び耐熱性を向上すると共に、溝下部の加硫速度を他の部位の加硫速度に対して適切な範囲に落とすことが出来るので、タイヤ全体としての高速耐久性を向上することが出来る。環状ポリスルフィドの配合量が0.2重量部より少ないと、加硫速度遅延の効果が少なく、溝下ゴム層23の物性が低下する。環状ポリスルフィドの配合量が10重量部より多いと、加硫速度が遅くなり過ぎて製造上問題がある。また、環状ポリスルフィドの配合量が増える程、その分のコストが掛かるため製造コストが増加すると言う問題がある。
【0029】
溝下ゴム層23は、トレッド部1の表面に設けられた周方向溝10の溝下部に設けられるが、溝下ゴム層23のタイヤ子午線断面での幅Wbとしては、それに対応する周方向溝10のトレッド部1の表面での溝幅Waの0.5〜2.0倍にすることが好ましい。具体的には、図2に示すように、4本の周方向溝10(11,12,13,14)のそれぞれの溝幅をWa1,Wa2,Wa3,Wa4とし、その各溝の溝下部に設けられる溝下ゴム層23の幅をWb1,Wb2,Wb3,Wb4としたとき、幅Wb1が溝幅Wa1の0.5〜2.0倍、幅Wb2が溝幅Wa2の0.5〜2.0倍、幅Wb3が溝幅Wa3の0.5〜2.0倍、幅Wb4が溝幅Wa4の0.5〜2.0倍であるようにすると良い。
【0030】
上述のように、環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物が多くなると、その部位の加硫速度が遅くなり生産性が悪化したり製造コストが増加すると言う問題があるので、溝下ゴム層23の幅Wbを周方向溝10の溝幅Waに対して特定の範囲に設定することで生産性や製造コストを従来程度に維持したまま、高速耐久性や操縦安定性をバランス良く両立することが出来る。
【0031】
各溝下ゴム層23の幅Wbが周方向溝10の溝幅Waの0.5倍より小さいと、溝下部を充分に補強することが出来ない。各溝下ゴム層23の幅Wbが周方向溝10の溝幅Waの2.0倍より大きいと、溝下ゴム層23の量が増加するため、広い範囲において加硫速度が遅くなり生産性が悪化する。また、環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物の使用量が増加するのでコストが増加する。
【0032】
尚、図2においては4本の周方向溝11,12,13,14を設けているが、周方向溝10の本数は特に限定されない。また、各周方向溝10の溝幅は同じであっても、異なっていても構わない。いずれの場合であっても周方向溝10とその周方向溝10の溝下部に設けられた溝下ゴム層23との間で、溝幅Waと幅Wbとの関係が上記範囲内であれば良い。
【実施例】
【0033】
タイヤサイズ275/45R20 110Yの空気入りタイヤにおいて、図2に示すようにトレッド部の表面に周方向溝を4本設け、トレッド部を構成するトレッドゴム層、ベースゴム層、及び溝下ゴム層について、溝下ゴム層の有無、各ゴム層のtanδ、溝下ゴム層に対する環状ポリスルフィドの配合の有無及びその配合量を設定し、かつ周方向溝の溝幅と溝下ゴム層の幅との比Wb1/Wa1,Wb2/Wa2,Wb3/Wa3,Wb4/Wa4を設定し、それぞれ表1のように異ならせた従来例1,比較例1,実施例1〜4の6種類の試験タイヤを製作した。
【0034】
尚、従来例1は溝下ゴム層を有さないタイヤである。また、比較例1は溝下ゴム層を有しているが、溝下ゴム層を構成するゴム組成物が環状ポリスルフィドを含んでいない例である。
【0035】
これら6種類の試験タイヤについて、下記の評価方法により操縦安定性、高速耐久性、低コスト性、及び生産性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
【0036】
操縦安定性
試験タイヤをリムサイズ20×9Jのホイールに組み付けて、車両に装着し、全タイヤの空気圧を340kPaとし、テストコースにおいて、ドライ路面における操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。尚、指数値が98以上であれば許容範囲内である。
【0037】
高速耐久性
試験タイヤをリムサイズ20×9Jのホイールに組み付けて、キャンバー角度−2.7°、空気圧340kPa、荷重7.65kNの条件でドラム式高速耐久試験を実施し、高速耐久性を評価した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れていることを意味する。
【0038】
低コスト性
各試験タイヤを製造する際の製造コストを低コスト性として評価した。評価結果は従来例1の値の逆数を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど低コスト性が優れていることを意味する。尚、指数値が95以上であれば許容範囲内である。
【0039】
生産性
未加硫の試験タイヤを加硫する際の、加硫開始から加硫終了までの所要時間を測定し生産性として評価した。評価結果は、従来例1の値の逆数を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど生産性が優れていることを意味する。尚、指数値が95以上であれば許容範囲内である。
【0040】
【表1】

【0041】
表1から判るように、実施例1〜4は、いずれも溝下ゴム層を有さない従来例1に対して、操縦安定性を維持すると共に、高速耐久性を大きく向上した。一方、環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物を使用しない比較例1は、操縦安定性を従来レベルに維持することが出来ず、また高速耐久性を向上する効果が殆んど得られなかった。特に、尚、周方向溝の溝幅に対する溝下ゴム層の幅の比Wb/Waを適切な範囲に設定した実施例4は、操縦安定性を維持しながら高速耐久性を大きく向上する一方で、低コスト性及び生産性を従来レベルに維持した。
【符号の説明】
【0042】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
10 周方向溝
21 トレッドゴム層
22 ベースゴム層
23 溝下ゴム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部がトレッドゴム層とベースゴム層との積層構造からなり、トレッド表面に少なくとも1列の周方向溝を有する空気入りタイヤにおいて、
前記周方向溝の溝下に下記(1)式で表わされる環状ポリスルフィドを配合したゴム組成物からなる溝下ゴム層を配置すると共に、該溝下ゴム層を前記周方向溝の溝底からタイヤ径方向内側に向かって前記ベースゴム層まで達するように延在させて前記トレッドゴム層をタイヤ幅方向に分断したことを特徴とする空気入りタイヤ。
【化1】

(式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
【請求項2】
前記式(1)におけるR基が−CH2 −CH2 −O−CH2 −O−CH2 −CH2 −であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記トレッドゴム層を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδが前記溝下ゴム層を構成するゴム組成物の60℃におけるtanδよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記溝下ゴム層が、硫黄加硫可能なゴム100重量部に対して前記環状ポリスルフィドを0.2〜5重量部配合したゴム組成物から構成されることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記溝下ゴム層のタイヤ子午線断面での幅Wbをそれに対応する前記周方向溝の前記トレッド表面での溝幅Waの0.5〜2.0倍にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−39864(P2013−39864A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176692(P2011−176692)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】