説明

空気再活性化方法およびシステム

洗浄ガス材料を領域内に導入すること、および、1つまたは複数の光触媒で領域を処理することを含む、空気を再活性化し、建物内部または車両内部などの閉囲領域を洗浄または浄化するシステムが提供される。本発明のシステムは、微生物とガス化学汚染物質の両方についての有効な除去および分解を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、対象領域からガス材料および固体材料を除去するか、または、分解する方法およびシステムに関する。より詳細には、i)オゾンまたは他の洗浄ガス材料を領域内に導入する工程と、および、ii)領域を1つまたは複数の光触媒で処理する工程とを含む、建物または車両内部などの閉囲領域を洗浄または浄化するためのシステムが提供される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その全体が本願に引用して援用される、2004年3月31日に出願された仮出願第60/558,393号の利益を主張する。
【0003】
室内汚染が、深刻な健康問題として認識されている。実際に、環境に関連する病状を呈する個人は、より典型的には、室外ではなく室内で発生する物質(substance)に曝露されてきたと報告されている。Indoor Air Pollution,U.S.Government Printing Office Publication No.1944−523−217/81322 1994を参照されたい。米国医師会(American Medical Association)が報告したところによれば、米国国民の健康に関する請求書(U.S.national health bill)の3分の1は、かび、細菌、ウィルスなどのような種々の病原体を含む場合がある室内汚染に直接起因する原因に関するものである。とりわけ、こうした病原体を含む多くの汚染物質の集中は、室外環境と比べて室内では著しく高い可能性がある。上記のIndoor Air Pollutionを参照されたい。
【0004】
種々の車両の内部環境は、特に問題となる。排出物質などの汚染物質、換気システム内に存在する場合がある、かびおよび菌類などの病原体などを洗い落とすか、または、その他の方法で除去する種々の努力が報告されている。従来の手法は、やっかいな、しばしば、非効果的な洗浄システムを含んでいた。たとえば、米国特許第5,221,292号および第5,954,577号を参照されたい。日本特許出願公開2003−3994号、2002−253662号、2000−157621号、および平11−299470号も参照されたい。
【0005】
航空機内部などの取り囲まれた環境からの再循環空気、すなわち、処理され(たとえば、加熱され)、次に、取り囲まれた環境に再分配される空気を利用する環境において、病原体および他の汚染物質の伝播は、特に心配である。重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome;SARS)、結核、およびシックハウス症候群(Sick Building Syndrome)を引き起こす病原体を含む、航空機および他の取り囲まれた環境内における病原体の存在に関してかなりの懸念が存在する。
【0006】
従来手法は、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタを含むろ過システムを採用してきた。特に、HEPAフィルタは、再循環空気システムからの病原菌除去のために採用されてきた。しかし、こうしたフィルタは、病原体を捕捉するだけであり、有害な病原体は、それによって、フィルタシステム内に蓄積する可能性がある。フィルタ層上に蓄積された病原体は、その環境にとって汚染源および病原菌の増殖基地として働く可能性がある。HEPAフィルタはまた、フィルタマトリクスによって捕捉されるのに不十分なサイズである病原体に対して全く効果がない場合がある。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,221,292号明細書
【特許文献2】米国特許第5,954,577号明細書
【特許文献3】特開2003−3994号公報
【特許文献4】特開2002−253662号公報
【特許文献5】特開2000−157621号公報
【特許文献6】特開平11−299470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、新しい洗浄システムおよび浄化システムを有することが望ましいはずである。建物または車両内部などの閉囲領域にとって有用であることになる新しい浄化システムを有することは、特に望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、ここで、建物または車両の内部などの閉囲領域を洗浄する新しい方法およびシステムを提供する。本発明の方法およびシステムは、閉囲環境から種々の望ましくないガス化学薬品および病原体を効果的に除去するか、または、その他の方法で、分解することができる。
【0010】
本発明の好ましい方法は、(i)洗浄ガス材料を閉囲領域内に導入する工程と、および、(ii)半導体材料などの1つまたは複数の光触媒、たとえば、酸化チタンで領域を処理する工程とを含む。特定の好ましい処理ガス材料はオゾンであるが、ハロゲン化ガスなどの他の材料が採用されてもよい。
【0011】
本発明のガスと光触媒の直列式処理は、閉囲領域の周囲空気内に浮遊するか、または、空気調和システムの表面、家具の表面などのような領域内の表面上に存在する微生物または他の病原体についての効果的な処理メカニズムを実現する。本発明のシステムおよび方法は、対象となる環境に存在する場合がある有害な病原体を破壊するか、または、不活性にさせることができ、それによって、フィルタ表面上への活性病原体の蓄積および小さいサイズの病原菌の除去の失敗などの、ろ過ベースの手法に伴う問題が回避される。
【0012】
実際に、本発明の方法およびシステムは、HEPAフィルタまたは他のタイプのろ過システムを使用することなく、有効な洗浄および浄化を実現する。
【0013】
本発明の典型的な方法およびシステムにおいて、たとえば、閉囲領域内にガスを導入する供給源、または、閉囲領域内に存在し、洗浄ガスを生成するか、または、洗浄ガスを領域内にその他の方法で放出する装置によって、陽圧下で閉囲領域内にオゾンが導入される。洗浄ガス処理は、長い期間にわたって適用されてもよい(たとえば、実質的に連続する長い曝露)が、有効な結果は、断続的な洗浄ガス処理のみによって達成されることができる。
【0014】
本発明の方法およびシステムは、さらに、半導体材料などの1つまたは複数の光触媒による、閉囲領域の内部空気の処理を含む。光触媒処理は、洗浄ガス処理と連携し、好ましくは、領域が洗浄ガス処理に曝露された後に行われるが、光触媒処理は、好適には、洗浄ガスに対する領域の曝露の前または曝露中に起こってもよい。たとえば、1)光触媒の1つまたは複数の、浄化用の有効量を含む充填層と、2)紫外放射源などの活性化放射源と、3)閉囲領域内に存在する空気を、光触媒層を通って、または、その他の方法で近接して流す手段とを収容する装置を含む、様々な構成の装置が、光触媒処理を行うのに採用されてもよい。1つまたは複数の光触媒の流動層もまた、有効である可能性がある。
【0015】
上述したように、建物または車両の内部を含む、種々の閉囲環境は、本発明のシステムによって処理されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシステムは、航空機内部の洗浄に特に有用である。たとえば、飛行の終了後に、空の航空機内部は、内部空気および内部表面から病原体を確実に除去するために、本発明の複数回の処理に曝露されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の他の態様は以下に開示される。
【0018】
先に説明したように、本発明のシステムおよび方法は、室内空気環境および表面の再活性化に特に有用であろう。化学剤または生物剤が浸潤した閉囲領域は、本発明に従って効果的に処理されることができる。
【0019】
重要なことには、本発明のガスと光触媒の直列式洗浄処理は、病原体および/または化学薬品で汚染された領域の効果的な再活性化を実現して、調和生成物が得られる。たとえば、オゾン処理を採用する本発明のシステムは、二酸化炭素、酸素、および水などの生成物をもたらすことができる。
【0020】
より詳細には、オゾンなどの洗浄ガスによる処理は、病原体、ならびに、有毒なまたは他の形で望ましくない化学薬品を除去することができる。オゾン処理は、不飽和成分を含有する化学薬品の除去に特に有効である。
【0021】
こうした洗浄ガスに対する曝露に続いて、水蒸気の存在下での好ましい光触媒処理は、ヒドロキシルラジカル(・OH)を生成することができ、ヒドロキシルラジカル(・OH)は、有機化学薬品および多種多様な病原体と反応し、また、それらを分解して、水および二酸化炭素などの比較的不活性な材料を生み出す。光触媒処理はまた、前に行った曝露から得られる残留洗浄ガスを分解して、より不活性な材料にすることができる。たとえば、光触媒処理は、残留オゾンを分解して、酸素分子(O)にすることができる。
【0022】
ここで図を参照すると、図1において、本発明の好ましいプロセスが概略的に示される。処理されるべき領域または材料10は、オゾンなどのガス洗浄材料20に曝露される。オゾン以外に、他の有用な洗浄材料は、たとえば、ハロゲン化材料、特に、二酸化塩素などの塩素化材料を含む。
【0023】
処理されるべき領域または材料は、たとえば、商業用建物または住宅用建物などの閉囲空間内に存在する空気、地上原動機付き車両(自動車、トラック、列車など)、航空機、船の格納区画または乗客区画、潜水艦または他の船舶、戦車などの軍用車両などのような車両内に存在する空気など、および、こうした閉囲領域内の固い表面を含む種々の材料であってよい。本発明のシステムおよび方法は、特に、病院などの医療施設、ならびに、病原体の導入のおそれがあるか、または、導入が実際に意図的に行われることが起こる可能性がある政府の施設の閉囲空間内の空気を処理するためのものである。
【0024】
対象となる材料または領域は、種々の方法で、洗浄ガス材料によって処理されてもよい。たとえば、洗浄ガス材料は、陽圧下で、処理されるべき領域内に導入されてもよい。そのため、たとえば、ガス状のオゾンは、供給ラインによって、建物の部屋または車両の内部などの閉囲領域内に導入され、閉囲領域内に存在する空気を追い出し、閉囲領域内に存在する空気と混合する。先に説明したように、オゾンは、それによって、ウィルス、細菌、菌類などのような空中浮遊の病原体、ならびに、家具、壁、床、天井などのような領域内の種々の表面上に存在する可能性がある病原体を効果的に不活性にさせることができる。
【0025】
処理ガス剤は、一般に、種々の条件下で、対象領域内に導入され、良好な洗浄/浄化結果を達成することができる。任意の特定の環境についての最適条件は、経験的に容易に決定することができ、たとえば、選択された量および曝露時間の1つまたは複数のガス剤が、対象領域内に導入され、導入の前と後の病原体の減少が測定され、それによって、最適処理条件が決定される。導入される洗浄ガスの好ましい量は、処理される閉囲領域のサイズ、処理される領域を通る空気流量または交換量などのような、いくつかの因子によって変わる場合がある。多くの応用例について、閉囲領域の少なくとも0.1〜1容積%の量で、ある量の洗浄ガス剤を閉囲領域に導入することが好ましい場合があるが、好適には、より多いか、または、少ない量の洗浄ガス剤が導入されてもよい。0.1容積%以上の量のガス材料が領域内に導入された後、少なくとも5分の有効曝露時間(すなわち、洗浄ガス剤が閉囲領域内に導入されている時間)を設けることが好ましい場合もある。先に説明したように、オゾンまたは他の洗浄ガスによって実質的に連続する処理を行うために、より長い曝露時間が採用されてもよい。多くの応用例について、少なくとも約10〜15ppmの閉囲領域内のオゾンガス濃度は、約20〜30分の曝露時間について適切であることになる。
【0026】
洗浄ガスは、種々の方法で領域内に導入されてもよい。たとえば、洗浄ガスとしてオゾンが使用される場合、オゾン発生デバイスが、処理される領域内か、または、そうでなければ処理される領域に近接して設置されてもよい。こうしたデバイスは、周知であり、通常、電気放電または比較的短い波長の放射(たとえば、約254nm未満の波長を有する紫外放射)を使用して空気を処理することによってオゾンを生成する。
【0027】
図1に示すように、洗浄ガス剤で処理した後、対象材料または領域(図1の10A参照)は、装置30内に収容される1つまたは複数の光触媒でさらに処理され、1つまたは複数の光触媒は、さらなる洗浄作用を及ぼし、処理された材料10Bをもたらすことができる。
【0028】
先に説明したように、種々の光触媒が採用されてもよい。酸化チタン(TiO)、ZnO、Fe、およびこれらの材料の混合物などの、半導体材料が、一般に好ましい。特に好ましい光触媒は、酸化チタンを含み、たとえば、酸化チタンが、シリカ基板上か、または、シリカマトリクス内に存在する酸化チタン−シリカベースの触媒が、さらに一層好ましい。酸化チタン−シリカペレットは、ゾル−ゲル技法によって生成され、特に有効であることがわかっている。米国特許公開2002/0187082は、本発明のシステムにおいて有用である場合があるさらなる光触媒を開示する。
【0029】
より具体的には、好ましいSiO−TiO複合ゲル光触媒を形成するために、好適には、1つまたは複数の酸、水、シリカアルコキシド(シリカ前駆体)、および共溶剤が採用される。これらの材料の比は、たとえば、シリカ前駆体の容積の0.11:1から1.4:1の範囲にあってよい。ゲル化中、シリカは、二酸化チタンなどの市販の光触媒でドープされることができる。酸化チタンの割合は、好適には重量/重量ベースで0.5%から40%まで変わることができる。TiOのより均一な分布を有するSiOとTiOの複合ゲルを形成するために、混合アルコキシド合成を使用することができる。種々の合成および時効硬化処理(aging)工程は、所望するように、孔サイズが微小孔性(<10オングストローム平均孔サイズ)からマクロ孔性(>50nm平均孔サイズ)の範囲にある複合物を生成することができる。触媒ペレットは、好適には成形プロセスによって調製されることができる。たとえば、本発明の方法およびシステムで使用するための好ましいSiO−TiO光触媒の調製を詳述する、以下の実施例1の手順を参照されたい。
【0030】
図2は、適した光触媒処理装置を、ある程度詳細に概略的に示す。示すように、処理される材料(10A参照)は、好適には放射源(34参照)および光触媒層(32参照)を収容する光触媒装置(30参照)内に流れる。たとえば、紫外放射源を含む、種々の放射源が採用されてもよい。許容される材料(たとえば、閉囲領域内に存在する空気)が、光触媒装置を通過するときに、光触媒層は、放射源によって活性化され、特に、先に説明した、生成されたヒドロキシルラジカルによって、対象材料と反応して、材料内に存在する汚染物質が分解されることができ、次に、浄化された材料が、装置から流れる。
【0031】
好ましいシステムにおいて、1つまたは複数の光触媒の充填層が、装置内に収容される。こうした触媒層を提供するために、離散的なペレットまたは粒子(すなわち、個別で、かつ、全く異なる粒子またはペレット)として、または、他の充填可能な構成として形成される光触媒が好ましい。さらに、多孔性ペレットまたは粒子、たとえば、約20オングストローム〜約500オングストロームの平均孔サイズ、より典型的には、約30オングストローム〜約140オングストロームの平均孔サイズを有する触媒ペレットまたは粒子が、特に有効である可能性がある。
【0032】
充填層ではなく、流動光触媒システムが、採用されることができ、活性化放射(たとえば、UV放射源)に対する大容積の触媒の曝露を含む、いくつかの利点を提供することができる。光触媒は、機械的撹拌、および、磁性成分を含有する光触媒の使用と、次に、撹拌が起こるために、磁界に対する光触媒の曝露を含む種々の方法で流動化されることができる。磁界撹拌に適する磁性コーティングを有する光触媒は、米国特許公開2002/0187082に開示される。
【0033】
処理される材料(やはり、たとえば、閉囲領域内に存在する空気)は、ファンシステムまたはポンプシステムを含む種々の手段によって装置を通って引き出されることができる。光触媒装置を通る材料の適した流量は、かなり広い範囲で変わる可能性がある。最適流量は、光触媒装置内の1つまたは複数の光触媒の濃度およびタイプ、装置を通過する空気の温度および湿度などを含むいくつかの因子で変わるであろう。好ましい流量は、経験的に容易に決定することができる。
【0034】
対象とする閉囲領域を処理するために、単一のまたは複数の光触媒装置が採用されてもよい。建物の大きな部屋または複数の部屋などの大きな容積の領域を処理するために、複数の光触媒装置が好ましい場合がある。
【0035】
図3および図4は、本発明のシステムによって、閉囲領域を処理するための適した手法を示す。そのため、図3は、先に説明したように、建物の1つまたは複数の部屋、車両の内部などであってよい閉囲領域(40参照)を示す。オゾンまたは塩素化ガスなどの洗浄ガス(20参照)は、閉囲領域内に進んで、内部空気ならびに露出表面が処理される。対象領域を所望期間処理した後、対象領域内への洗浄ガスの導入を終了することができる。洗浄ガスによる処理が終了する前、終了したと同時に、または、終了した後に、閉囲領域内の空気は、たとえば、処理された空気を、光触媒装置を通して流すことによる、示す装置によって、1つまたは複数の光触媒で処理されることができる。
【0036】
図4は、ガスと光触媒の処理が、それぞれ、単一構造(50参照)内に収容される、本発明の別法として構成されたシステムを示す。閉囲領域40内に存在する空気(10B参照)は、連続する、オゾンまたは他の洗浄ガスの処理および光触媒処理の後に、光触媒装置30を出る。
【0037】
本明細書で述べる全ての文書は、その全体が本願に引用して援用される。
【実施例】
【0038】
以下の非制限的な実施例は、本発明を例示する。
【0039】
<実施例1:本発明のシステムで使用するための好ましい光触媒の調製>
好ましいSi0−Ti0複合ゲル光触媒が、ゾル−ゲル法を使用して形成される。フッ化水素酸および硝酸の酸、水、テトラエチルオルソシリケートのシリカアルコキシド(シリカ前駆体)、およびエタノールの共溶剤が混合され、ゲル化誘導される。ゲル化中に、シリカは、二酸化チタンなどの市販の光触媒でドープされる。酸化チタンの割合は、重量/重量ベースで0.5%から40%まで変わることができる。溶液が、粘性があるようになると、溶液は、ピペットで型に移されて、あるサイズのペレットが作られる。ゲル化後、複合物は、室温で2日間、次に、65℃で2日間、時効硬化処理される。時効硬化処理後、ペレットは、型から取り外され、水ですすがれ、次に、さらなる加熱処理のために、別の容器内に設置される。ペレットは、炉内に設置され、温度は、室温から103℃まで上昇させられ、18時間の間、一定に維持され、多孔性シリカマトリクス内の液体の蒸発がもたらされて、キセロゲルが形成される。次に、温度は、180℃まで上昇させられ、6時間の間、一定に維持される。ゲルの強化のために、より高温(最高600℃)でのさらなる硬化が達成されることができる。ゲルの得られる平均孔サイズは、初期の処方に応じて、30オングストロームの孔サイズから100〜200オングストロームの孔サイズの範囲であることができる。ペレットは、充填カラム内で使用されることができる。
【0040】
<実施例2:本発明のシステムの動作>
図3に示す構成に相当する本発明のシステムは、乗客を立ち退かせた乗客航空機の内部内に配置される市販のコロナ放電オゾン発生器の使用によって設けられる。発生器は、航空機内で、少なくとも20分間に、約10〜15ppmの濃度までオゾンを生成する。20分後に、オゾン発生が終了し、図2に示すシステム30に相当する光触媒装置が動作して、航空機内に存在する空気が、装置を通して、また、上記実施例1で述べるように生成された酸化チタン−シリカ触媒ペレットの充填層に近接して引き出される。触媒ペレットは、紫外放射源に対する曝露によって活性化される。内部空気は、少なくとも約30分間、光触媒室を通過する。
【0041】
本発明は、本発明の特定の実施形態を参照して詳細に述べられた。しかし、本開示を検討すると、本発明の精神および範囲内で、当業者が、変形および改善を行ってもよいことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の好ましいプロセスの略図である。
【図2】本発明の例示的な光触媒処理システムを示す図である。
【図3】本発明の好ましい浄化システムを示す図である。
【図4】本発明の好ましい浄化システムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉囲領域を洗浄する方法であって、
(a)洗浄ガス材料を前記領域内に導入する工程と、および、
(b)1つまたは複数の光触媒で前記領域を処理する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ガス材料はオゾンであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ガス材料は、陽圧下で前記領域に導入されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記閉囲領域内に存在する空気は、前記1つまたは複数の光触媒を含む構造を通って流れることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記閉囲領域内に存在する空気は、前記ガス材料で処理された後に、光触媒によって処理されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記1つまたは複数の光触媒は、放射源と共に使用されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記光触媒の1つまたは複数は、酸化チタンを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記光触媒の1つまたは複数は、酸化チタンを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記光触媒の1つまたは複数は、シリカマトリクス内に酸化チタンを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法であって、前記1つまたは複数の光触媒は、ヒドロキシルラジカルを生成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、前記領域は車両の内部であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11項に記載の方法であって、前記車両は、航空機、地上車両、軍用車両、船、または潜水艦であることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、前記領域は、商業用建物または住宅用建物の部屋であることを特徴とする方法。
【請求項14】
閉囲領域を洗浄するシステムであって、
(a)オゾン源と、
(b)1つまたは複数の光触媒とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記オゾン源および光触媒は、前記閉囲領域内に、または、前記閉囲領域に近接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
閉囲領域を洗浄するシステムであって、
(a)オゾン源と、
(b)活性化用放射源と結合する1つまたは複数の酸化チタン−シリカ光触媒とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記1つまたは複数の光触媒は、ゾル−ゲル酸化チタン−シリカペレットであることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16または17に記載のシステムであって、前記1つまたは複数の光触媒および放射源は、装置内に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記装置は、前記1つまたは複数の光触媒の充填層または流動層を備え、前記閉囲領域内に存在する空気は、前記触媒層を通って、または、前記触媒層に近接して流れることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項に記載のシステムであって、航空機内に配置されることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−531597(P2007−531597A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506552(P2007−506552)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/010888
【国際公開番号】WO2005/094380
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(304006056)ユニバーシティー オブ フロリダ リサーチ ファウンデイション インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】