説明

空気吹出し用ダクトおよびそれを備えたシステム

【課題】
空調用システムに用いるダクトにおいて、ダクトからの吹出し流の流速の均一化と流動抵抗の低減を図る。
【解決手段】
空調用または換気用のシステムは、室内の上部に配置され間隔を置いて複数の孔が形成された空気吹出し用ダクト20と、この空気吹出し用ダクトに空気を送風する送風手段とを備える。空気吹出し用ダクトは、長手方向に間隔をおいて上記複数の孔25が形成された多孔管と、この多孔管の内部に配置され平板を折り曲げた後に捩った形状の三角螺旋板20と、前記多孔管の内部であって長手方向端部に配置された錐状の多孔吹出し管120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気吹出し用ダクトおよびそれを備えたシステムに係り、特に塵埃等が発生する環境下で使用する空気吹出し用ダクトおよびそれを備えたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空調用の空気吹出用ダクトの例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の吹出用ダクトでは、簡単な設備構成で空気の吹出し量の均一化と高い清浄度の室内空間とを得るために、空気吹出用ダクトの内面に、空気の流れる上流側から下流側に向かって流路断面積を徐々に減少する流路調整体を設けている。そして、空気吹出用ダクトの空気入り口部分に、水平方向と鉛直方向の流れ方向を調整可能な流路調整板も設けている。あるいは、空気吹出用ダクトが、空気の流れる上流側から下流側に向かって徐々に減少する流路断面積としている。
【0003】
パンチングダクトを備えた空気調和システムの例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載のパンチングダクトでは、室内に面する側に開口が形成されており、ダクトの下面側には多数のパンチング孔が形成されている。また、開口部には開閉自在の開放扉が取り付けられており、空調運転時には開放扉を閉鎖し、ダクトの下面に設けた多数のパンチング孔を介して低温空調空気が吹出され、最近や微生物を含む塵埃の舞い上がりを防止している。
【0004】
さらに従来の空気調和システムに用いるダクトの他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載の空調システムでは、送風抵抗をできるだけ少なくし、しかも簡単な構造のダクトを提供するために、円筒のダクトを水平に配置し、下面側はパンチングメタル等の多孔板とした構成が開示されている。そして、円筒内に間隔をおいて穴が形成された平板または間隔をおいて切り起しが形成された平板を挿入し、円筒の一端側から空調空気を流すことにより、広い範囲に空調空気を室内に吹出すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−187704号公報
【特許文献2】特開平11−9430号公報
【特許文献3】特開2004−361029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の空調システムに用いるダクトにおいては、複数の吹出し口から流出する空気の流速を均一化するために、ダクト内の流動抵抗を変化させることで対応している。例えば、特許文献1に記載のダクトでは、吹出しダクトの流入口に近い上流側を大口径に、下流側を小口径にしたり、羽根状の流路調整板をダクト内に複数配置している。これらにより、吹出しダクトからの吹出し流の流速の均一化は図られるが、規格のダクトを使用できなかったり、複数の羽根を製作するなど施工の工数が増加する。また流路調整板の形状によっては、流動抵抗が増加する。
【0007】
また、特許文献2に記載の空気調和システムでは、複数の吹出し口に開放扉を設けこの開放扉を回動させることにより流速の平均化を図っているが、開放扉を全開状態にしたとき以外では、開放扉が流動抵抗になる。流動抵抗が大きいと、低温空調空気を流動させるのに余分な動力を必要とする。
【0008】
さらに特許文献3では、パンチングメタルでダクトを形成し、そのダクト内に仕切り板を設けて流速の均一化を測っているが、この場合も仕切り板の流動抵抗を無視できず、その結果、大容量の送風手段を必要とする。
【0009】
すなわち、上記いずれの方法においても、ダクト吹出し口からの流速の均一化という課題は解決できるものの、その解決手段において製作の容易化や流動抵抗の低減についてまでは、十分に考慮されていない。
【0010】
本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、空調用または換気用システムに用いるダクトからの吹出し流の流速の均一化と流動抵抗の低減を図ることにある。本発明の他の目的は、流速の均一化とともに構成の簡素化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の特徴は、室内の上部に配置され間隔を置いて複数の孔が形成された空気吹出し用ダクトと、この空気吹出し用ダクトに空気を送風する送風手段とを備えた空調用または換気用のシステムにおいて、前記空気吹出し用ダクトは、長手方向に間隔をおいて前記複数の孔が形成された多孔管と、この多孔管の内部に配置され平板を折り曲げた後に捩った形状の三角螺旋板と、前記多孔管の内部であって長手方向端部に配置された錐状の多孔吹出し管とを備えることにある。
【0012】
そしてこの特徴において、前記多孔吹出し管は網状物を円錐状または多角錐状にして形成されているのが好ましく、前記三角螺旋板は、平板から、頂角θの2等辺三角形を中央で分けた直角三角形の連続として折り曲げた形状に形成し、この折り曲げ形状を捩って形成するのがよい。
【0013】
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、空調用または換気用システムに用いる空気吹出し用ダクトが、長手方向に間隔をおいて複数の孔が形成された多孔管と、この多孔管の内部に配置され平板を折り曲げた形状の素材を捩った形状にした三角螺旋板と、前記多孔管の内部であって長手方向端部に配置された錐形の網状多孔吹出し管とを備えることにある。
【0014】
そしてこの特徴において、前記三角螺旋板は、二等辺三角形を中央で分割して形成される直角三角形が連続した形に折り曲げた形状に形成されているのがよく、前記三角螺旋板の端部にこの三角螺旋板を捩るための捩り手段を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パンチングダクト内に螺旋を近似した多折形の平板と錘状の多孔吹出し管を挿入しているので、空調用または換気用システムに用いるダクトからの吹出し流の流速の均一化と流動抵抗の低減を実現できる。また、ダクト内に挿入する板が平板を多数回折り曲げた形状であり、多孔吹出し管は網を円錐や角錐状に丸めるだけなので、流速の均一化とともに構成の簡素化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るシステムの一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示したシステムが備える空気吹出し用ダクトの斜視図および断面図である。
【図3】図2に示した空気吹出し用ダクトの端末多孔吹出し管の斜視図である。
【図4】図2に示した空気吹出し用ダクトの三角螺旋板の例であり、展開図および斜視図である。
【図5】本発明に係る空気吹出し用ダクトの効果を説明する図である。
【図6】本発明に係る三角螺旋板の他の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る空調システムのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。なお、以下の実施例は空調システムについてであるが、換気システムでも本発明を同様に適用できることは、言うまでもない。また、以下の実施例では加工機が研削装置等の塵埃を多く発生する装置を例にしたが、加工機は研削装置に限らず、旋削装置や切断装置、溶接装置等の全ての加工機に適用できる。また、加工機の代わりに組立装置等であっても本発明を適用できる。
【0018】
図1に、空調システム300に本発明を適用した例について説明する。図1(a)は、空調システム300の斜視図であり、図1(b)は空調システム300の断面図である。空調300システムでは、図示しないダクトまたは空調機から空調空気が空調室10に導入されており、これによりほぼ気密に構成した空調室10を所定温度や所定湿度に保持している。空調室10内には、いくつかの加工機80が配置されており、例えば研削作業が実行されている。
【0019】
空調室10の天井部には、空調室10の長手方向に延びる空気吹出し用ダクト20が1または複数本配置されている。加工機80での加工(研削作業)により発生する塵埃が、空調室10内で舞い上がるのを防止するために、空気吹出し用ダクト20の周囲部には、ダウンフローを形成するよう多数の孔25が形成されている。空気吹出し用ダクト20は円柱状であり、長手方向中間部にこの空気吹出し用ダクト20に外部空気を導くためのダクト30が接続されている。ダクト30にはフレキシブルダクト40が接続されており、流量制御弁55を介して送風ファン60と接続されている。
【0020】
空調室10の1個の側壁の下部には、空気取り入れ手段(吸込み口)70が設けられており、空気吹出し用ダクト20から吹出した空気の量に応じた量を空調室10から吸込む。空調室10から吸込まれた空気には、加工機80の作業や作業者の移動等により発生した塵埃が含まれている。そこで、空気取り入れ手段70から取り入れられた空気は、HEPAフィルターボックス50を経ることにより塵埃成分が除去され、送風ファン60により空気吹出し用ダクト20から空調室10へ戻される。以下、この空気の循環が繰り返される。なお、本実施例では空気取り入れ手段70として空調室10の側壁下部に形成した吸込み口としたが、空調室10の床面にグレーティングを配し、このグレーティングを経た空気をHEPAフィルターボックス50へ導き、再循環させるようにしてもよい。
【0021】
次に、空調室10の天井面に配置される空気吹出し用ダクト20の詳細を、図2を用いて説明する。図2(a)は、空気吹出し用ダクト20の斜視図であり、図2(b)は空気吹出し用ダクト20の縦断面図である。空気吹出し用ダクト20は、空調室10の大きさに応じてその配置個数や口径が変化するが、標準的には口径φ200程度であり、空調室10の長手方向に空調室10の長手方向長さより僅かに短い程度の長さを有している。そして、空調室の奥行きが広い場合には2〜3本、それほど奥行きがない場合には1本だけ配置される。
【0022】
上述したように、空気吹出し用ダクト20の一般的な形状は円筒形であり、中央部にダウンフローのためのダクト30が配置されており、その中央部のダクト30の両側に、円筒の全周または円筒の上面(通常全周の1/3の部分)を除いて、多数の貫通孔25が形成されている。この貫通孔の形状は、円形でもよいし四角形でもよい。後に示すように、貫通孔25の形状を四角形にすると、ダウンフローの際の吹出し流れの流れ方向を制御することも可能になる。
【0023】
多数の貫通孔25は、空気吹出し用ダクト20の全周を螺旋を描くように形成されており、周方向にほぼ等ピッチとなることが望ましい。そのため、本実施例では、空気吹出し用ダクト20として、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を原料として、網目状に形成された円管(ネトロン:登録商標)を用いている。円管自体が網目状に形成されているので、新たな貫通孔25の加工が不要であり、また、周方向必要位置だけに貫通孔25を予め形成しておくことも可能となっている。さらに、各種産業用資材として利用されており経済的でもあるのに加え、樹脂製品であるのでさび等の発生が無く耐薬品性にも富み、クリーン環境を要求される空調室10での利用に最適である。さらにまた軽量であるので、空調室10の天井面に配置する際にも、落下のおそれを低減できる。
このように形成した空気吹出し用ダクト20の外管の両端部には、フランジ板110が取り付けられており、空気吹出し用ダクト20に導かれた清浄空気が、貫通孔25以外に漏れるのを防止している。
【0024】
ここで本発明に特徴的な構成として用いた端末多孔吹出し管120を、図3を用いて説明する。この図3では、端末多孔吹出し管120を使用状態に近い状態の斜視図で示している。フランジ板110に近接する空気吹出し用ダクト20の内部に、円錐状に形成した多孔吹出し管120を、円錐の底部側をフランジ板110側にし、空気吹出し用ダクト20の管軸方向とこの多孔吹出し管120の管軸方向が、一緒になるように配置している。多孔吹出し管120は、ポリエステルフィラメント糸をメッシュ状に製織し、塩化ビニル樹脂で被膜したメッシュシート124を、円錐状に形成したものであり、多数の貫通孔122が、円錐面に形成されている。なお、円錐の底部は開口となっている。
【0025】
多孔吹出し管120が樹脂製であるので軽量であり、また耐薬品性や耐食性等に優れており、クリーン環境が要求される空調室に用いるのに好適である。また、本実施例では、多孔吹出し管120の形状を円錐形状としたが、空気吹出し用ダクト20が角管の場合には、四角錐や三角錐を使用しても同様の効果が得られる。この端末多孔吹出し管120は、空気吹出し用ダクト30の周囲部に形成した貫通孔25からの空気の吹出し量を、空気噴出し用ダクト30の長手方向に一様化するために設けたものであり、さらに、この端末多孔吹出し管120での吹出し空気の流動抵抗を抑制することも目的としている。
【0026】
次に、本発明に特徴的な他の構成として用いた三角螺旋板100の一実施例を、図4を用いて説明する。図4(a)は、三角螺旋板100を展開した状態を示す図であり、図4(b)は図4(a)に示した三角螺旋板100を折り曲げた形状に形成した場合の斜視図である。三角螺旋板100はポリプロピレンやポリカーボネート等の樹脂からなるいわゆるプラスチックダンボール製である。すなわち、樹脂製のシートを折り曲げた後に樹脂シートで挟んでダンボール形状に形成したものを、三角螺旋板素材102に使用している。
【0027】
ここで、三角螺旋板100を折り曲げて形成するときは、頂角θの2等辺三角形の連続形にし、本実施例では二等辺三角形の斜辺107、108を山折線に、二等辺三角形の底辺に垂直な線104、105を谷折線にしている。また、頂角θは、小さければ小さいほど、後述する螺旋形の近似に適しているが、加工性等を考慮して本実施例では、90度としている。
【0028】
三角螺旋板素材102の両端部には、折り曲げ加工後に捩って空気吹出し用ダクト20の多孔管23に取り付けるための取り付け板116が備えられている。取り付け板116は、乙字型またはコの字型であって、上下の辺部にビス孔が形成されている。三角螺旋板素材102を捩った後、多孔管23の外部から止めネジ118で所定位置に取り付け板116の上下の辺部を保持する。一方、三角螺旋板素材102の長手方向端部は、取り付け板116と平板状に形成された押え板112とで挟み込まれ、接着または止めネジ118で取り付け板116に保持される。
【0029】
三角螺旋板素材102を捩って三角螺旋板100にするのは、以下の理由による。多孔管23内の流れを抵抗が少なく、かつ多孔管23からの吹き出しを均一とするためには、多孔管23内流路を螺旋形状にするのがよいことが流れのシミュレーションから知られた。しかしながら、金属板等で螺旋形状にするためには、かなりの加工工数を要する。また、プラスティックで成形する場合には螺旋形状を模擬した型材が必要となるが、螺旋形状は1種類ではなく、管径や吹出し流速等に応じて捩り角や口径を変化させる必要があるため、加工費用が増大する。
【0030】
これらの理由により、できるだけ螺旋に近くしかも加工工数が増大しない形状として、平板を三角形の連続に区切り、その区切りで折り曲げた後捩った形状を、本発明では三角螺旋と称している。図4(c)に比較のため、二等辺三角形の頂角θを90度よりも小さな角度とした場合の三角螺旋板100を、斜視図で示す。より螺旋形状に近づいていることが分かる。
【0031】
図5に、本実施例に係る空気吹出し用ダクト20と、従来から使用されている多孔管のみで空気吹出し用ダクトを形成した場合の吹出し流れ方向分布と流速分布を数値シミュレーションした結果を示す。図5(a)は従来ダクトの例であり、図5(b)が本実施例の場合である。従来ダクトでは、ダクトの流入部でエゼクタ効果により多孔からの吸込み流れが見られるとともに、ダクト端部で行き止まりのために大流速の流れが生じている。一方、本実施例の空気吹出し用ダクト20では、流速が均一化されているとともに流れ方向もダクト方向と小さな角度を持った方向にほぼ均一化されている。
【0032】
これは、多孔管23からの吹き出し流れが端部で多孔吹出し管120により整流されることと、三角螺旋板100でガイドされた流れが多孔管23から吹出す場合に三角螺旋板100の螺旋方向に吹出すのに加え、多孔管23に形成された穴25が管の厚み方向にガイドになって流れ方向を維持するように働くためと考えられる(図5(c)参照)。そのため、孔形状は多孔管23の長手方向に長い四角孔の方が、よりガイドとして作用するし、また、多孔管23の管厚さが厚ければよりガイドとして作用すると考えられる。ただし、多孔管23の管厚さが厚いと重量が増すのと流動抵抗が増加するので、円孔を有する市販の管を使用するのが好ましい。
【0033】
上記実施例においては、三角螺旋板100のねじれ量は多孔管23に三角螺旋板100を取り付けた状態で固定されているが、ねじれ量を可変とすることも可能である。これは、作業環境が変化したり、要求される清浄度が変化した場合に適用する。この例を、図6に示す。図6は、可変三角螺旋板装置200の斜視図である。
【0034】
三角螺旋板素材102を頂角θの2等辺三角形の連続とし、その頂角の1/2の頂角を有する直角三角形で折り曲げた形状とするのは上記実施例と同様である。ただし、このように構成した三角螺旋板100の一方の端部の保持部材には軸236を介してウォームホイール230が取り付けられている。一方図示しない多孔管側には、ハンドル234が取り付けられたウォームギヤ232が保持されている。
【0035】
ウォームホイール230とウォームギヤ232とをかみ合わせることにより、ハンドル234操作で三角螺旋板100のねじれ量を変更することができる。すなわち、ハンドル234を回転すると、ウォームホイール230が回転し、それに伴い保持部材220が回転する。これにより三角螺旋板100が捩られる。
【0036】
なお、三角螺旋板100の他端側はこの三角螺旋板100を多孔管23内に保持するための固定治具210が取り付けられている。ハンドル234操作で三角螺旋板100のねじれ量が変化すると、三角螺旋板100の他端側の長手方向位置も変化するので、多孔管23または固定治具210のいずれかに長孔を形成して、位置変更を可能にしている。固定治具210は多孔管23の外部から止めネジ212で固定される。
【0037】
上記いずれの実施例でも三角螺旋板100を折り曲げるときの頂角θを一定にしているが、頂角θを三角螺旋板100の長手方向に変化させてもよい。その場合は多孔管23から吹出される空気の流量分布が均一になるように変化させるのが望ましい。また、三角螺旋板100を折り曲げて形成するようにしているが、金型等を用いて折り曲げた形状にしてもよいことは言うまでもない。この方法は、同一の形状を利用する場合には、有効な方法である。
【0038】
さらに、多孔管の孔位置をらせん状にしているが、このらせん状を三角螺旋板の折り曲げピッチや捩れピッチに合わせるようにしてもよい。このようにピッチを合わせれば、流動抵抗を減少させることが可能になる。また多孔管の孔位置を、多孔管を水平配置したときに下面になる側に限定するようにしてもよく、また全周に形成してもよい。これらは、空気吹出し用ダクトを配設する環境に応じて変化させればよい。
【符号の説明】
【0039】
10…空調室、20…空気吹出し用ダクト、23…多孔管、25…(貫通)孔、30…ダクト、40…フレキシブルダクト、50…HEPAフィルターボックス、55…流量制御弁、60…ファン、70…吸込み口、80…加工機、100…流れガイド板(三角螺旋板)、102…流れガイド板(三角螺旋板)素材、104、105…折り曲げ線(谷折)、107、108…折り曲げ線(山折)、110…フランジ板、112…押え板、116…取り付け板、118…止めネジ、120…多孔吹出し管、122…開口、124…メッシュシート、126…取り付け部、200…(可変)三角螺旋板装置、210…固定治具、212…止めネジ、220…保持部材、230…ウォームホイール、232…ウォームギヤ、234…ハンドル、236…軸、300…空調システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の上部に配置され間隔を置いて複数の孔が形成された空気吹出し用ダクトと、この空気吹出し用ダクトに空気を送風する送風手段とを備えた空調用または換気用のシステムにおいて、
前記空気吹出し用ダクトは、長手方向に間隔をおいて前記複数の孔が形成された多孔管と、この多孔管の内部に配置され平板を折り曲げた後に捩った形状の三角螺旋板と、前記多孔管の内部であって長手方向端部に配置された錐状の多孔吹出し管とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記多孔吹出し管は網状物を円錐状または多角錐状にして形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記三角螺旋板は、平板から、頂角θの2等辺三角形を中央で分けた直角三角形の連続として折り曲げた形状に形成し、この折り曲げ形状を捩って形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
空調用または換気用システムに用いる空気吹出し用ダクトであって、長手方向に間隔をおいて複数の孔が形成された多孔管と、この多孔管の内部に配置され平板を折り曲げた形状の素材を捩った形状にした三角螺旋板と、前記多孔管の内部であって長手方向端部に配置された錐形の網状多孔吹出し管とを備えることを特徴とする空気吹出し用ダクト。
【請求項5】
前記三角螺旋板は、二等辺三角形を中央で分割して形成される直角三角形が連続した形に折り曲げた形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空気吹出し用ダクト。
【請求項6】
前記三角螺旋板の端部にこの三角螺旋板を捩るための捩り手段を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の空気吹出し用ダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−24513(P2013−24513A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161764(P2011−161764)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】