説明

空気圧式作動機構、及び空気圧式作動弁

【課題】流通回路の変更に伴う予備品を必要とせずに、簡易な作業で弁機構内の弁体に対する作動方向の異なる構成にすることのできる空気圧式作動機構を提供する。
【解決手段】作動体200が内装された作動手段20と、作動体を付勢する付勢手段30と、流体の流通制御を行う弁機構1と作動手段とを連結する連結手段40を備えた空気圧式作動機構2で,付勢手段がコイルバネで構成され、連結手段は軸体400が内挿された筒状のハウジング410と、ハウジングの両端部に対して回転自在に取り付けられ弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部13,及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部206の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材412a,412bと、ハウジング内部の一端側に固定される第一バネ受体420とハウジングの他端側に位置する軸体の一端側に固定される第二バネ受体430とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流通制御を行う弁機構を圧縮空気の供給と排気で作動させる空気圧式作動機構、及び空気圧式作動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体の流量や圧力等の流通制御を行う弁機構を作動させる作動機構として、所定の軸線方向に移動可能な作動体、及び該作動体を内装する空間を形成したケーシングを有し、作動体が前記空間を軸線方向で二分するように設けられた作動手段と、軸線方向の何れか一方向に作動体を付勢する付勢手段と、流体の流通制御を行う弁機構と作動手段とを連結する連結手段と、を備えた空気圧式作動機構が知られている。
【0003】
かかる空気圧式作動機構は、前記連結手段が前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構の弁体と前記作動体とを連結する軸体を備えている。そして、この種の空気圧式作動機構は、付勢手段としてコイルバネが採用され、作動体を直接的に付勢するように前記コイルバネが作動手段に内装されたものや、軸体を介して作動体を間接的に付勢するように前記コイルバネが連結手段に内装されたものがあるが、何れも作動体によって二分されたケーシング内の空間の何れか一方に圧縮空気を供給することで、軸体を介して作動体に連結された弁体を軸線方向の何れか他方向(コイルバネの付勢方向とは反対方向)に向けて移動させる一方、作動手段(空間)から圧縮空気を排気することでコイルバネによる付勢で弁体及び作動体を軸線方向の何れか一方向に向けて移動させて元の位置に復帰させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上記構成の空気圧式作動機構は、圧縮空気の供給で作動体及び弁体を軸線方向の一方向に移動させ、コイルバネによる付勢で作動体及び弁体を軸線方向の他方向に移動させるもの(例えば、圧縮空気の供給で弁機構内の流路を開く一方でコイルバネの付勢で弁機構内の流路を閉じるもの等)や、これとは反対に、圧縮空気の供給で作動体及び弁体を軸線方向の他方向に移動させ、コイルバネの付勢で作動体及び弁体の軸線方向の一方側に移動させるもの(例えば、コイルバネの付勢で弁機構内の流路を開く一方で圧縮空気の供給で弁機構内の流路を閉じるもの等)があるが、これらは、コイルバネによる付勢方向が真逆であるため、空気圧式作動機構自体が弁機構の作動態様に対応する専用品とされる場合や、コイルバネの付勢方向が反対方向になるように軸体やバネを受けるバネ受体等の部品(専用部品)を組み換え可能に構成される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−39879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如く、コイルバネの付勢方向を反対にするのに、空気圧式作動機構自体が専用品とされたり、各部品(軸体やバネ受体等)が組み換え可能な専用部品とされたりすると、空気圧式作動機構自体や専用部品を予備品として所有しなければ、弁機構の作動態様を変更することができないといった問題がある。また、コイルバネの付勢方向を反対にするのに専用部品(軸体やバネ受体等)を組み換えるようにすると、作動手段や連結手段を構成する複数の部品を分解して再度組み立てる必要があり、弁機構の作動態様を変更する作業が非常に煩雑になるといった問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、専用部品等の予備品を必要としない上に、簡単な作業で弁機構の作動態様を変更することができる空気圧式作動機構、及び空気圧式作動弁を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空気圧式作動機構は、所定の軸線方向に移動可能な作動体、及び該作動体を内装する空間を形成したケーシングを有し、作動体が前記空間を軸線方向で二分するように設けられた作動手段と、軸線方向の何れか一方向に作動体を付勢する付勢手段と、流体の流通制御を行う弁機構と作動手段とを連結する連結手段と、を備え、前記連結手段は、前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構の弁体と前記作動体とを連結する軸体を備え、作動体に二分された何れか一方の空間に圧縮空気を供給することで作動体が前記軸線方向の何れか他方向に移動する一方、前記空間内の圧縮空気を排気することで付勢手段による付勢で作動体が前記軸線方向の何れか一方向に移動して元の位置に復帰するように構成された空気圧式作動機構であって、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されていることを特徴とする。ここで、軸線方向の何れか一方向とは、軸線の延びる方向であって、その方向の一方向又は他方向の何れか一方の方向を意味し、軸線方向の何れか他方向とは、軸線の延びる方向であって、その方向の一方向又は他方向の何れか他方の方向、すなわち、前記一方の方向とは反対向きの方向を意味する。
【0009】
上記構成の空気圧式作動機構によれば、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されているので、ハウジングの一端側をケーシングに連結するとともに軸体の他端側を作動体に直接的又は間接的に連結する一方、ハウジングの他端側を弁機構に連結するとともに軸体の一端側を弁機構の弁体に直接的又は間接的に連結することで、第一バネ受体と第二バネ受体との間に介設されたコイルバネの付勢力が第二バネ受体を弁機構側に押すように作用する結果、常態において、該第二バネ受体の固定された軸体が軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に変位し、該軸体に連結された弁体及び作動体が同方向に変位した状態となる。
【0010】
そして、圧縮空気の圧力が作動体に対して軸線方向の他方向(コイルバネによる付勢方向とは反対方向)に押圧作用を生じさせるように、ケーシング内の空間(二分された空間のうちの一方の空間)に対して圧縮空気を供給すると、その圧縮空気の圧力で作動体がコイルバネの付勢力に抗して軸線方向の他方向に向けて押されて変位する結果、軸体を介して作動体に連結された弁体についても軸体と同方向に変位する。この状態からケーシング内の空間(作動手段)から圧縮空気を排気すると、作動体が圧縮空気の圧力から開放される結果、該作動体及び弁体がコイルバネの付勢力によって軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に変位して元の位置に復帰する(戻る)ことになる。
【0011】
そして、連結手段を弁体及び作動手段から取り外し、ハウジングの他端側をケーシングに連結するとともに軸体の一端側を作動体に連結する一方、ハウジングの一端側を弁機構に連結するとともに軸体の他端側を弁機構の弁体に直接的又は間接的に連結する。この場合においても、第一バネ受体と第二バネ受体との間に介設されたコイルバネの付勢力が作用するが、ハウジングに固定された第一バネ受体が弁機構側に位置する一方で軸線方向に移動可能な軸体に固定された第二バネ受体が作動手段側に位置するため、第二バネ受体がコイルバネの付勢力によって作動手段側に押される結果、常態において、該第二バネ受体の固定された軸体が軸線方向の他方向に向けて(作動手段側:弁機構とは真反対側)に変位し、該軸体に連結された弁体及び作動体が同方向に変位した状態となる。
【0012】
そして、圧縮空気の圧力が作動体に対して軸線方向の一方向(コイルバネによる付勢方向とは反対方向)に押圧作用を生じさせるように、ケーシング内の空間(二分された空間のうちの他方の空間)に対して圧縮空気を供給すると、その圧縮空気の圧力で作動体がコイルバネの付勢力に抗して軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に押されて変位する結果、軸体を介して作動体に連結された弁体についても軸体と同方向に変位する。この状態からケーシング内の空間(作動手段)から圧縮空気を排気すると、作動体が圧縮空気の圧力から開放される結果、該作動体及び弁体がコイルバネの付勢力によって軸線方向の他方向に向けて(弁機構側とは真反対側)に変位して元の位置に復帰する(戻る)ことになる。
【0013】
従って、本発明に係る空気圧式作動機構によれば、単一の連結手段を180°反転させるようにして該連結手段で作動手段と弁機構とを連結するだけで、弁機構の作動態様を異なる態様にすることができる。
【0014】
本発明に係る空気圧式作動弁は、流体の流通制御を行う弁機構と、圧縮空気の供給で前記弁機構を作動させる空気圧作動機構とを備え、該空気圧式作動機構は、所定の軸線方向に移動可能な作動体、及び該作動体を内装する空間を形成したケーシングを有し、作動体が前記空間を軸線方向で二分するように設けられた作動手段と、軸線方向の何れか一方向に作動体を付勢する付勢手段と、流体の流通制御を行う弁機構と作動手段とを連結する連結手段と、を備え、前記連結手段は、前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構の弁体と前記作動体とを連結する軸体を備え、作動体に二分された何れか一方の空間に圧縮空気を供給することで作動体が前記軸線方向の何れか他方向に移動する一方、前記空間内の圧縮空気を排気することで付勢手段による付勢で作動体が前記軸線方向の何れか一方向に移動して元の位置に復帰するように構成された空気圧式作動弁であって、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されていることを特徴とする。ここで、軸線方向の何れか一方向とは、軸線の延びる方向であって、その方向の一方向又は他方向の何れか一方の方向を意味し、軸線方向の何れか他方向とは、軸線の延びる方向であって、その方向の一方向又は他方向の何れか他方の方向、すなわち、前記一方の方向とは反対向きの方向を意味する。
【0015】
上記構成の空気圧式作動弁によれば、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されているので、ハウジングの一端側をケーシングに連結するとともに軸体の他端側を作動体に直接的又は間接的に連結する一方、ハウジングの他端側を弁機構に連結するとともに軸体の一端側を弁機構の弁体に直接的又は間接的に連結することで、第一バネ受体と第二バネ受体との間に介設されたコイルバネの付勢力が第二バネ受体を弁機構側に押すように作用する結果、常態において、該第二バネ受体の固定された軸体が軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に変位し、該軸体に連結された弁体及び作動体が同方向に変位した状態となる。
【0016】
そして、圧縮空気の圧力が作動体に対して軸線方向の他方向(コイルバネによる付勢方向とは反対方向)に押圧作用を生じさせるように、ケーシング内の空間(二分された空間のうちの一方の空間)に対して圧縮空気を供給すると、その圧縮空気の圧力で作動体がコイルバネの付勢力に抗して軸線方向の他方向に向けて押されて変位する結果、軸体を介して作動体に連結された弁体についても軸体と同方向に変位する。この状態からケーシング内の空間(作動手段)から圧縮空気を排気すると、作動体が圧縮空気の圧力から開放される結果、該作動体及び弁体がコイルバネの付勢力によって軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に変位して元の位置に復帰する(戻る)ことになる。
【0017】
そして、連結手段を弁体及び作動手段から取り外し、ハウジングの他端側をケーシングに連結するとともに軸体の一端側を作動体に連結する一方、ハウジングの一端側を弁機構に連結するとともに軸体の他端側を弁機構の弁体に直接的又は間接的に連結する。この場合においても、第一バネ受体と第二バネ受体との間に介設されたコイルバネの付勢力が作用するが、ハウジングに固定された第一バネ受体が弁機構側に位置する一方で軸線方向に移動可能な軸体に固定された第二バネ受体が作動手段側に位置するため、第二バネ受体がコイルバネの付勢力によって作動手段側に押される結果、常態において、該第二バネ受体の固定された軸体が軸線方向の他方向に向けて(作動手段側:弁機構とは真反対側)に変位し、該軸体に連結された弁体及び作動体が同方向に変位した状態となる。
【0018】
そして、圧縮空気の圧力が作動体に対して軸線方向の一方向(コイルバネによる付勢方向とは反対方向)に押圧作用を生じさせるように、ケーシング内の空間(二分された空間のうちの他方の空間)に対して圧縮空気を供給すると、その圧縮空気の圧力で作動体がコイルバネの付勢力に抗して軸線方向の一方向に向けて(弁機構側)に押されて変位する結果、軸体を介して作動体に連結された弁体についても軸体と同方向に変位する。この状態からケーシング内の空間(作動手段)から圧縮空気を排気すると、作動体が圧縮空気の圧力から開放される結果、該作動体及び弁体がコイルバネの付勢力によって軸線方向の他方向に向けて(弁機構側とは真反対側)に変位して元の位置に復帰する(戻る)ことになる。
【0019】
従って、本発明に係る空気圧式作動弁によれば、単一の連結手段を180°反転させるようにして該連結手段で作動手段と弁機構とを連結するだけで、弁機構の作動態様を異なる態様にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係る空気圧式作動機構及び空気圧式作動弁によれば、専用部品等の予備品を必要としない上に、簡易な作業で弁機構の作動態様を変更することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の全体正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の縦断面図であり、(a)は、連結手段の一端側を作動手段に連結するとともに該連結手段の他端側を弁機構側に連結した状態を示し、(b)は、連結手段の一端側を弁機構に連結するとともに該連結手段の他端側を作動手段側に連結した状態((a)の状態から連結手段を反転させた状態))を示す。
【図3】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の連結手段を図2(a)の取り付け態様とした際の作動説明図であって、(a)は、圧縮空気を供給した状態を示し、(b)は、圧縮空気を排気した状態を示す。
【図4】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の連結手段を図2(b)の取り付け態様とした際の作動説明図であって、(a)は、圧縮空気を供給した状態を示し、(b)は、圧縮空気を排気した状態を示す。
【図5】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)からコイルバネを取り外した状態であって、(a)は、連結手段の一端側(第一バネ受体)を作動手段側に配置した状態を示し、(b)は、連結手段の一端側(第一バネ受体)を弁機構側に配置した状態を示す。
【図6】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の連結手段を図5(a)の取り付け態様とした際の作動説明図であって、(a)は、第一ケーシング部材側に圧縮空気を供給した状態を示し、(b)は、第二ケーシング部材側に圧縮空気を供給した状態を示す。
【図7】同実施形態に係る空気圧式作動弁(作動機構)の連結手段を図5(b)の取り付け態様とした際の作動説明図であって、(a)は、第一ケーシング部材側に圧縮空気を供給した状態を示し、(b)は、第二ケーシング部材側に圧縮空気を供給した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る空気圧式作動弁について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態に係る空気圧式作動弁は、図1、図2(a)及び図2(b)に示す如く、流体の流通制御を行う弁機構1と、圧縮空気の供給と排気とにより、前記弁機構1を作動させる空気圧式作動機構(以下、単に作動機構という)2とを備えている。
【0024】
前記弁機構1には、流体の流量調整を行うコントロール弁や流体の圧力調整を行う圧力調整弁等の種々タイプのものを採用することができ、基本構成として、所定の軸線方向(以下、単に軸線方向という)で往復動可能又は変位可能に設けられた弁体10と、該弁体10が収容された弁機構本体11とを備えたものが採用される。前記弁機構本体11は、上流側及び下流側の配管(採番しない)を接続できるように構成されており、前記弁体10の収容される内部空間(弁体10の移動を許容する空間)を介して両配管を連通させるようになっている。そして、前記弁体10は、流体の流路を開閉や圧力を逃がすための逃路の開閉等を行うよう機能するもので、弁機構1の用途やタイプによってそれぞれ態様が異なるが、例えば、軸線方向に移動するものとしてゲート弁やニードル弁等が採用され、軸線方向に変形するものとしてダイヤフラム等が採用される。なお、図2には、軸線方向で往復動することで流路を開閉するタイプの弁体10を示している。
【0025】
そして、弁体10には、前記弁機構本体11を貫通した作動軸12が連結されている。該作動軸12は、軸線が前記軸線方向に対して平行に延びるように設けられており、該軸線方向に移動可能に設けられている。また、弁機構本体11から外側に突出した作動軸12の端部には、前記作動機構2の後述する連結手段40の軸体400を連結するためのネジ部(本実施形態においては雄ネジ)N1が形成されている。これにより、弁体10は軸体400の軸線方向の移動に伴って同方向に移動又は変形できるようになっている。該弁機構1は、作動軸12と弁機構本体11との間にシール部材Sが介設されており、作動軸12の移動を許容しつつも流体のリークを防止するようになっている。
【0026】
前記弁機構本体11は、連結手段40を連結するための連結部(以下、弁機構側連結部という)13が設けられている。該弁機構側連結部13は、弁機構本体11を貫通した作動軸12を包囲するように設けられている。本実施形態において、弁機構側連結部13は、作動軸12(作動軸12を挿通する穴)と略同心をなして弁機構本体11から外側に突出するように筒状に形成されており、外周に後述するネジ部材412a,412bを螺合させるためのネジ溝が設けられている。
【0027】
さらに、本実施形態においては、該筒状を呈する弁機構側連結部13の内部には、弁機構1(弁機構本体11)に対して連結手段40を位置決めするための位置決部14が設けられている。該位置決部14は、弁機構側連結部13の内周面に連設されて略円板状を呈しており、中央部に前記作動軸12が遊挿される穴(採番しない)が穿設されている。そして、該位置決部14には、連結手段40の後述するハウジング410(端面)を当接させることで該ハウジング410を位置決めする位置決面(以下、第一位置決面14’という)が前記軸線方向と直交(又は略直交)して外側に向くように形成されている。なお、本実施形態に係る弁機構側連結部13は、ハウジング410を内嵌させるように構成されており、該ハウジング410の外周の全周が内周に略接触する内径に設定されており、第一位置決面14’で軸線方向の位置決めがなされたハウジング410の軸線方向を基準にした倒れ(傾き)を制限できるように構成されている。
【0028】
前記作動機構2は、所定の軸線方向に移動可能な作動体200、及び該作動体200を内装する空間(密閉空間)Aを形成したケーシング201を有し、前記作動体200が前記空間Aを前記軸線方向で二分するように設けられた作動手段20と、作動体200を軸線方向の何れか一方向に付勢する付勢手段30と、前記弁機構1と作動手段20とを連結する連結手段40と、を備え、作動体200に二分された何れか一方の空間A1,A2に圧縮空気を供給することで作動体200が前記軸線方向の何れか他方向に移動する一方、前記空間A1,A2内の圧縮空気を排気することで付勢手段30による付勢で作動体200が前記軸線方向の何れか一方向に移動して元の位置に復帰するように構成されている。
【0029】
前記作動手段20は、上述の如く、前記作動体200とケーシング201とを備えており、前記作動体200は、ケーシング201内の密閉空間Aを二分するように配設されたダイヤフラム202と、該ダイヤフラム202に対して直交状態で連結されたシャフト203とを備えている。
【0030】
本実施形態に係るダイヤフラム202は、略中央にシャフト203を挿通する挿通穴204が形成されている。具体的に説明すると、本実施形態に係るダイヤフラム202は、略円板状を呈するプレート部202aと、該プレート部202aの外周から外方に向けて延出し、ケーシング201の内周に接続される可撓部202bとを備えている。前記プレート部202aは、中央部に前記シャフト203を挿通するための挿通穴204aが穿設されている。本実施形態に係るプレート部202aは、円板状をなす二枚の金属プレート202a’,202a’で構成されており、該金属プレート202a’,202a’は、可撓部202bを形成するためのシート状の弾性材料202b’を挟み込むようにして設けられている。
【0031】
そして、可撓部202bは、ゴム等の弾性材料によって構成されている。本実施形態に係る可撓部202bは、プレート部202aよりも大径(ケーシング201の内径よりも大径)に設定されるとともに中央部にシャフト203を挿通させる挿通穴204bが穿設された前記弾性材料202b’の外周部分で構成されている。すなわち、可撓部202bは、金属プレート202a’,202a’よりも大径に設定されたシート状の弾性材料202b’を二枚の金属プレート202a’,202a’で挟み込むことで、該金属プレート202a’,202a’の外周から径方向に延出する円環状の部分によって構成されている。
【0032】
前記シャフト203は、大径部分203aの両側に小径部分203b,203cが同心で形成された段付き棒状を呈し、一方の小径部分203bが前記ダイヤフラム202の挿通穴204に挿通され、該小径部分203bに設けられたネジ部(採番しない)に螺合されたナット(採番しない)と該シャフト203の大径部分203aとでダイヤフラム202を挟み込むことで該ダイヤフラム202に固定されている。そして、該シャフト203は、前記可撓部202bの許容変形量に対応して軸線方向(前記所定の軸線方向)に移動できるように設けられている。前記シャフト203は、ケーシング201(後述する第一及び第二ケーシング部材201a,201b)を貫通するように設けられている。本実施形態においては、大径部分203aが第一ケーシング部材201aを貫通し、一方の小径部分203bが第二ケーシング部材201bを貫通するように設けられており、連結手段40側に位置する他方の小径部分203cには、連結手段40の軸体400を連結するためのネジ部N2が形成されている。かかるネジ部N2は、弁機構1の作動軸12に形成されたネジ部N1と同一形態(外径、ピッチ等が同一)に形成されている。
【0033】
そして、ケーシング201とシャフト203との間にシール部材Sが介設されており、シャフト203の軸線方向の移動を許容しつつもケーシング201内に供給された圧縮空気が外部に漏れるのを防止するようになっている。
【0034】
前記ケーシング201は、前記連結手段40が連結される第一ケーシング部材201aと、該第一ケーシング部材201aに連結されることで、該第一ケーシング部材201aとともに密閉空間Aを形成する第二ケーシング部材201bとで構成されている。
【0035】
前記第一ケーシング部材201aは、有底筒状に形成された第一ケーシング本体部205と、該第一ケーシング本体部205の外面に連設され、連結手段40を連結させるための連結部(以下、アクチュエータ側連結部という)206が設けられている。
【0036】
前記第一ケーシング本体部205は、円筒状を呈する第一周壁部205aと、該第一周壁部205aの一端開口を閉塞する平面視円形状の第一底部205bとで構成されている。前記第一周壁部205aには、圧縮空気を供給するためのエアーホースHを接続する接続口P1が内外を連通させるように形成されている。前記接続口P1は、エアーホースHを接続するための継手(採番しない)を螺合させるように構成されている。
【0037】
そして、前記第一底部205bは、中央部に前記シャフト203を挿通させる挿通穴207が穿設されている。該挿通穴207の内周には環状溝208が形成されており、該環状溝208には、挿通したシャフト203とのシール性を担保するための前記シール部材(本実施形態においてはOリング)Sが配置されている。
【0038】
該アクチュエータ側連結部206は、第一ケーシング部材201aから外側に延出したシャフト203と同心をなすように第一底部205bの外面に連設されている。すなわち、アクチュエータ側連結部206は、第一底部205bの挿通穴207を包囲するように、該挿通穴207に対して略同心をなす筒状に形成されている。そして、本実施形態に係るアクチュエータ側連結部206の外周には、前記ネジ部材412a,412bを螺合させるためのネジ溝が設けられている。
【0039】
さらに、本実施形態に係るアクチュエータ側連結部206の内部には、作動手段20(ケーシング201)に対して連結手段40を位置決めするための位置決面(以下、第二位置決面という)209が形成されている。該第二位置決面209は、ハウジング410の端面形状に対応する略円形(円環状)の領域であって、真っ直ぐな平面で構成されており、本実施形態においては、ケーシング201(第一ケーシング201a)の外面で構成されている。
【0040】
そして、該第二位置決面209は、前記所定の軸線と直交(又は略直交)して外側に向くように形成されており、ハウジング410の端面を当接させることで該ハウジング410の軸線(中心線)とケーシング201を挿通したシャフト203の軸線とが平行又は略平行(本実施形態においては同心又は略同心)になるようにハウジング410を位置決めできるように構成されている。なお、本実施形態に係るアクチュエータ側連結部206は、ハウジング410を内嵌させるように構成されており、該ハウジング410の外周の全周が内周に略接触する内径に設定されている。これにより、作動手段20(ケーシング201)についても、弁機構1と同様に、位置決面209で軸線方向の位置決めがなされたハウジング410の軸線方向を基準にした倒れ(傾き)を制限できるように構成されている。
【0041】
第二ケーシング部材201bは、有底筒状をなす第二ケーシング本体部211と、該第二ケーシング本体部211の開口端部の全周に亘って連設された筒状連結部212とで構成されている。
【0042】
前記第二ケーシング本体部211は、円筒状を呈する第二周壁部211aと、該第二周壁部211aの一端開口を閉塞する平面視円形状の第二底部211bとで構成されている。第二周壁部211aは、第一周壁部205aと略同径に設定され、第一周壁部205aと同様に、密閉空間A内に圧縮空気を供給、又は、密閉空間A内の空気を排気するためのエアーホースHを接続する接続口P2が内外を連通させるように形成されている。
【0043】
第二底部211bは、中央部に前記シャフト203(本実施形態においては一方の小径部分203b)を挿通させる挿通穴213が穿設されている。該挿通穴213は、第一ケーシング部材201aと第二ケーシング部材201bとで密閉空間Aを形成した状態で、第一ケーシング部材201aの挿通穴207と同心になるように形成されており、該挿通穴213の内周には環状溝214が形成されている。そして、該環状溝214には、挿通したシャフト203とのシール性を担保するための前記シール部材(本実施形態においてはOリング)Sが配置されている。
【0044】
そして、前記筒状連結部212は、第二周壁部211aの開口端側の外周から第二底部211bの反対側に向けて延出するように設けられ、内周面が第一ケーシング部材201aの第一周壁部205aの外周に螺合できるように構成されている。上記構成のケーシング201は、第一ケーシング部材201aと第二ケーシング部材201bとを螺合させる際(密閉空間Aを形成する際)に、第一ケーシング部材201aの第一周壁部205aと第二ケーシング部材201bの第二周壁部211aとの間にダイヤフラム202(弾性材料202b’)の外周縁部を挟み込んでダイヤフラム202の外周が該ケーシング201の内周に接続し、ダイヤフラム202が密閉空間Aを軸線方向に二分した状態(ダイヤフラム202を境に二つの空間A1,A2を形成した状態)になるように構成されている。
【0045】
前記付勢手段30は、コイルバネ(圧縮コイルバネ)で構成されている。そして、前記連結手段40は、前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構1の弁体10と前記作動体200とを連結する軸体400と、該軸体400が内挿され、弁機構本体11とケーシング201とを連結する筒状のハウジング410と、ハウジング410内部の一端側に固定され、前記コイルバネ30の一端を受ける第一バネ受体420と、ハウジング410の他端側に位置する前記軸体400の一端側に固定され、前記コイルバネ30の他端を受ける第二バネ受体430とを備えている。すなわち、本実施形態に係る連結手段40は、作動体200を付勢する付勢手段としてのコイルバネ30を一構成としており、前記コイルバネ30が第一バネ受体420と第二バネ受体430との間に介装されている。
【0046】
前記軸体400は、筒状のハウジング410に対して同心又は略同心で内挿されている。そして、該軸体400は、両端が作動体200及び弁体10の何れに対しても直接的又は間接的に連結可能に構成されている。本実施形態に係る軸体400は、前記作動体200を構成するシャフト203及び弁体10に連結された作動軸12のネジ部N1,N2(雄ネジ)と螺合できるように両端にネジ部N3,N4(雌ネジ)が形成されている。該ネジ部N3,N4は、軸体400の軸心上を通るように形成されており、螺合させた当該軸体400,シャフト203、及び作動軸12が同心になるようになっている。
【0047】
そして、該軸体400は、一端側で前記第二バネ受体430を固定可能に構成されている。本実施形態においては、軸体400の一端部に第二バネ受体430を螺合させるネジ部(本実施形態においては雄ネジ)402が形成されている。
【0048】
前記ハウジング410は、両端がケーシング201及び弁機構1の何れにも連結可能に構成されている。本実施形態に係るハウジング410は、略真円筒状に形成されており、軸線方向の両端部が弁機構側連結部13、及びアクチュエータ側連結部206に内嵌できるようになっている。そして、該ハウジング410は、軸心方向の両端面が自身の軸線と直交した面になっており、他端部を弁機構側連結部13に内嵌したときに、該ハウジング410の他端面が全周に亘って第一位置決面14’に面接触し、他端部をアクチュエータ側連結部206に内嵌したときに、該ハウジング410の他端面が全周に亘って第二位置決面209(第一ケーシング部材201a)に面接触するように構成されている。
【0049】
なお、ハウジング410の一端面においても、弁機構側連結部13に内嵌したときに全周に亘って第一位置決面14’に面接触し、アクチュエータ側連結部206に内嵌したときに全周に亘って第二位置決面209(第一ケーシング部材201a)に面接触するように構成されてもよいが、本実施形態においては、ハウジング410の一端側に固定される第一バネ受体420の後述する大径部421をハウジング410と弁機構1(弁機構本体11)又は作動手段20(ケーシング201)との間に挟み込むように構成されているため、ハウジング410の一端面は大径部421に対して全周に亘って当接し、該ハウジング410の一端側を弁機構側連結部13に内嵌したときに、該大径部421のハウジング410と当接した面とは反対側の面(以下、当接面という)が全周に亘って第一位置決面14’に面接触し、該ハウジング410の一端側をアクチュエータ側連結部206に内嵌したときに大径部421の当接面が全周に亘って第二位置決面209(第一ケーシング部材201a)に面接触するように構成されている。
【0050】
そして、該ハウジング410の軸線方向の両端部には、径方向外方に延出した鍔部411,411が設けられている。各鍔部411,411は、ハウジング410の端部を弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206に内嵌したときに、弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の環状の端面に当接するように構成されている。そして、各鍔部411,411は、弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の外径と同一、又はこれらよりも小径に設定されており、環状の端面に当接させたときに、弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の外周から径方向外方に延出しないように形成されている。
【0051】
さらに、該ハウジング410には、弁機構側連結部13及びアクチュエータ側連結部206の何れにも螺合可能な前記ネジ部材412a,412bが外嵌されている。該ネジ部材412a,412bは、ハウジング410の一端側用と他端側用との二つが設けられており、それぞれ同一形態をなしている。各ネジ部材412a,412bは、ハウジング410に設けられた鍔部411,411を押さえるための環状押圧部413と、該環状押圧部413の外周に接続された筒状の螺合部414とで構成されている。前記環状押圧部413は、ハウジング410の外径よりもやや大きな穴が形成されて平面視ドーナツ形状に形成されており、ハウジング410に対して軸線方向に移動可能に外嵌されている。そして、螺合部414は内周面に弁機構側連結部13及びアクチュエータ側連結部206の外周に形成されたネジ溝に対応するネジ溝(雌ネジ)が形成されている。
【0052】
二つのネジ部材412a,412bは、互いの環状押圧部413同士を対向させて(背にして)螺合部414をハウジング410の軸線方向の端部側に位置させた状態で、ハウジング410の一対の鍔部411,411間に外嵌されている。これにより、各ネジ部材412a,412b(螺合部)を弁機構側連結部13及びアクチュエータ側連結部206に螺合させたときに、環状押圧部413と弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の端面とによってハウジング410の鍔部411,411が挟み込まれた状態となり、ハウジング410を弁機構1及び作動手段20に対して連結できるようになっている。
【0053】
前記第一バネ受体420は、ハウジング410に対して着脱可能に構成されている。具体的に説明すると、本実施形態に係る第一バネ受体420は、ハウジング410の一端部に内嵌できるように外観円柱状に形成され、軸心方向の一端部がハウジング410の内径よりも大径で且つハウジング410の外径と同一又は該外径よりも小さく設定された大径部421が形成されている。これにより、第一バネ受体420は、他端側をハウジング410に内嵌した状態で、上述の如く、ハウジング410の一端面に大径部421が当接し、他端面がコイルバネ30を受けるバネ受面になり、また、ハウジング410から抜き取ることができることができるようになっている。そして、上述の如く、ネジ部材412a,412bでハウジング410を弁機構1又は作動手段20に連結したときに、第一バネ受体420の大径部421は、ハウジング410の端面と作動手段20のケーシング201(第二位置決面209)又は弁機構1の位置決部14(第一位置決面14’)に挟み込まれた状態になり、当該第一バネ受体420がハウジング410に対して固定されるようになっている。
【0054】
該第一バネ受体420は、ハウジング410と略同心になるように前記軸体400を軸心方向に移動可能に挿通させる軸穴422が穿設されている。そして、第一バネ受体420は、一端面に他端面側に向けて小径になる略円錐台状の凹部423が軸穴422と略同心で連通するように形成されている。
【0055】
なお、本実施形態に係る作動機構2は、上述の如く、第一バネ受体420の大径部421がハウジング410とケーシング201(位置決面209)又は弁機構本体11(位置決部14)とに挟み込まれることで第一バネ受体420が固定される構成であるため、ハウジング410に設けた一端側の鍔部411とハウジング410の一端までの軸心方向の長さは、ハウジング410に設けた他端側の鍔部411,411とハウジング410の他端までの軸線方向の長さから大径部421の軸線方向の厚みを差し引いた長さに設定されている。これにより、大径部421の端面からハウジング410における一端側の鍔部411,411までの長さと、ハウジング410の他端から該他端部側にある鍔部411,411の長さが一致し、各鍔部411,411と弁機構側連結部13及びアクチュエータ側連結部206との位置関係とを対応させるようにしている。
【0056】
そして、本実施形態に係る第一バネ受体420には、前記軸体400を挿通させる筒状部425が連設されている。該筒状部425は、外径がコイルバネ30の内径よりも小さく、内穴427の内径が軸体400の外径よりもやや大きめに設定されており、該内穴427が第一バネ受体420の軸穴422と略同心をなすように、該第一バネ受体420の他端面に連設されている。
【0057】
そして、該筒状部425の軸線方向の両端部には軸体400を案内する案内部材としての筒状のブッシュ426,426が内嵌されている。なお、本実施形態においては、筒状部425が第一バネ受体420に連設され、該第一バネ受体420の軸穴422と筒状部425の内穴427とが連通して一体的な穴を構成しているので、第一バネ受体420側のブッシュ426は、筒状部425の内穴427と軸穴422とに跨るように配設されている。このように軸体400を案内するブッシュ426,426が軸線方向に間隔をおいて配設されることで、軸体400が芯ブレすることなく軸線方向に移動できるようになっている。
【0058】
前記第二バネ受体430は、外径がハウジング410の内径よりもやや小さめに設定された略円板状に形成されており、中央部に軸体400の一端部に形成されたネジ部402に螺合させるネジ穴431が貫通して形成されている。これにより、軸体400に螺合させた第二バネ受体430を回転させることで、該第二バネ受体430を該軸体400の軸心方向(前記所定の軸線方向)に位置変更できるようになっている。そして、該第二バネ受体430は、第一バネ受体420と対向する面に前記ネジ穴431を包囲するように円環状をなす環状凸部432が形成されている。該環状凸部432は、穴中心を基準とする外径がコイルバネ30の内径に対応するように形成されており、コイルバネ30の端部の内側に嵌り込むことで、該コイルバネ30を位置決めできるようになっている。
【0059】
前記コイルバネ30は、第一バネ受体420と第二バネ受体430との間で軸体400(本実施形態においては軸体400の挿通された筒状部425)に外嵌されており、一端が第一バネ受体420に受けられ、他端が第二バネ受体430に受けられている。
【0060】
上記構成の空気圧式作動弁は、軸体400を介して作動体200(シャフト203)と弁体10(作動軸12)とを連結し、連結手段40のハウジング410の何れか一方の端部を弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の一方に内嵌するとともに、ハウジング410の何れか他方の端部を弁機構側連結部13又はアクチュエータ側連結部206の他方に内嵌し、各ネジ部材412a,412bを各連結部13,206に螺合することで組み付けが完了する。
【0061】
なお、軸体400の作動手段20側への移動を規制するのに、本実施形態においては、シャフト203及び軸体400よりも大径に設定された環状の規制板440をシャフト203と軸体400との間に挟み込むようしており、該規制板440が作動手段20のケーシング201(作動軸12を挿通する穴の周辺)に当接することで軸体400の作動手段20側への移動を規制するようにしている。
【0062】
そして、図2(a)に示す如く、第一バネ受体420を作動手段20側に位置させるとともに、第二バネ受体430を弁機構1側に位置させるようにして連結手段40で作動手段20と弁機構1とを連結したとき、常態においてコイルバネ30の付勢力が軸線方向の一方向に向けて作用し、作動手段20内の作動体200(ダイヤフラム202)がケーシング201内(密閉空間A内)で軸線方向の一方向側に変位するとともに弁機構1の弁体10も同方向に変移した状態になる。従って、図2に示す弁機構1においては、常態で弁体10が流路を閉塞した状態になっている。なお、本実施形態において軸線方向の一方向とは、軸線の延びる方向であって、連結手段40側から弁機構1側に向く方向を意味し、軸線方向の他方向とは、軸線の延びる方向であって、連結手段40側から作動手段20側に向く方向を意味する。
【0063】
この状態から、図3(a)に示す如く、第一ケーシング部材201aに設けられた接続口P1から圧縮空気を供給すると、ダイヤフラム202が該圧縮空気の圧力Epにより、軸線方向の他方向に変位しつつ、該ダイヤフラム202によって画された第二ケーシング部材201b側の空間A2内の空気が、該第二ケーシング部材201bに設けられた接続口P2から排気される。このようにダイヤフラム202が軸線方向の他方向に変位すると、該ダイヤフラム202に連結されたシャフト203とともに軸体400、作動軸12及び弁体10も軸線方向の他方向に向けて変位する結果、弁機構1が作動することになる。従って、図2に示す弁機構1においては、圧縮空気を供給することで、弁機構1内の流路が開き、流体が流通できる状態になる。
【0064】
そして、図3(b)に示す如く、作動手段20に供給された圧縮空気を第一ケーシング部材201aの接続口P1から排気すると、連結手段40内のコイルバネ30の付勢力Spにより、軸体400、シャフト203、作動軸12が軸線方向の一方向に移動する。その結果、ダイヤフラム202が軸線方向の一方向に変位しつつ、第二ケーシング部材201b側の空間A2内に、該第二ケーシング部材201bに設けられた接続口P2から空気が流入する。これにより、作動手段20のダイヤフラム202及び弁機構1内の弁体10は、軸体400と同方向に移動して元の位置に復帰した状態となる。
【0065】
そして、図2(b)に示す如く、第一バネ受体420を弁機構1側に位置させるとともに、第二バネ受体430を作動手段20側に位置させるようにして連結手段40で作動手段20と弁機構1とを連結したとき、常態においてコイルバネ30の付勢力が軸線方向の他方向(作動手段20側)に向けて作用し、作動手段20内の作動体200(ダイヤフラム202)がケーシング201内(空間A内)で軸線方向の他方向側に変位するとともに弁機構1の弁体10も同方向に変移した状態になる。従って、この場合、図2に示す弁機構1においては、常態で弁機構1内の流路が開き、流体が流通できる状態になっている。
【0066】
この状態から、図4(a)に示す如く、第二ケーシング部材201bに設けられた接続口P2から圧縮空気を供給すると、ダイヤフラム202が該圧縮空気の圧力Epにより、軸線方向の一方向に変位しつつ、該ダイヤフラム202によって画された第一ケーシング部材201a側の空間A1内の空気が、該第一ケーシング部材201aに設けられた接続口P1から排気される。このようにダイヤフラム202が軸線方向の一方向に変位すると、該ダイヤフラム202に連結されたシャフト203とともに軸体400、作動軸12及び弁体10も軸線方向の一方向に変位する結果、弁機構1が作動することになる。従って、図2(b)に示す弁機構1においては、圧縮空気を供給することで、弁体10が流路を閉塞した状態になる。
【0067】
そして、図4(b)に示す如く、作動手段20に供給された圧縮空気を第二ケーシング部材201bの接続口P2から排気すると、連結手段40内のコイルバネ30の付勢力Spにより、軸体400、シャフト203、作動軸12が軸線方向の他方向に移動する。その結果、ダイヤフラム202が軸線方向の他方向に変位しつつ、第一ケーシング部材201a側の空間A1内に、該第一ケーシング部材201aに設けられた接続口P1から空気が流入する。これにより、作動手段20のダイヤフラム202及び弁機構1内の弁体10が軸体400と同方向に移動して元の位置に復帰した状態となる。
【0068】
そして、本実施形態に係る空気圧式作動弁は、第一バネ受体420がハウジング410から取り外すことができるため、図5(a)及び図5(b)に示す如く、ハウジング410の他端側を開放してコイルバネ30を取り外すことができる。そして、コイルバネ30を取り外して第一バネ受体420をハウジング410に取り付けた上で、該連結手段40で作動手段20及び弁機構1を連結すると、当該空気圧式作動弁は空気圧式復動作動弁となる。なお、図5(a)及び図5(b)において、第一バネ受体420を軸体400に固定しているが、このようにコイルバネ30を取り外す場合には、第一バネ受体420を取り外しておいてもよい。
【0069】
この場合、図5(a)に示す如く、第一バネ受体420を作動手段20側に位置させるとともに、第二バネ受体430を弁機構1側に位置させるようにして連結手段40で作動手段20と弁機構1とを連結しても、常態においてコイルバネ30の付勢力が作用していないため、図6(a)及び図6(b)に示す如く、ケーシング201内の第一ケーシング部材201a側の接続口P1又は第二ケーシング部材201b側の接続口P2の何れかから内部の空間A1,A2に圧縮空気が常時供給される。
【0070】
具体的には、図6(a)に示す如く、第一ケーシング部材201a側の接続口P1から圧縮空気を供給することで、ダイヤフラム202が該圧縮空気の圧力Epにより、軸線方向の他方向に変位しつつ、該ダイヤフラム202によって画された第二ケーシング部材201b側の空間A2内の空気が、該第二ケーシング部材201bに設けられた接続口P2から排気される。このようにダイヤフラム202が軸線方向の他方向に変位すると、該ダイヤフラム202に連結されたシャフト203とともに軸体400、作動軸12及び弁体10も軸線方向の他方向に変位する結果、弁機構1が作動することになる。
【0071】
そして、この状態から、図6(b)に示す如く、第二ケーシング部材201b側の接続口P2から圧縮空気を供給するとともに、第一ケーシング部材201a側の接続口P1から圧縮空気を排気すると、ダイヤフラム202が該圧縮空気の圧力Epにより、軸線方向の一方向に変位する。このようにダイヤフラム202が軸線方向の一方向に変位すると、該ダイヤフラム202に連結されたシャフト203とともに軸体400、作動軸12及び弁体10も軸線方向の一方向に変位する結果、弁機構1が作動することになる。
【0072】
そして、このように連結手段40からコイルバネ30を取り除いた場合であっても、図5(b)に示す如く、第二バネ受体430を作動手段20側に位置させるとともに、第一バネ受体420を弁機構1側に位置させるようにして連結手段40で作動手段20と弁機構1とを連結しても、コイルバネ30の付勢方向に拘束されないため、図7(a)及び図7(b)に示す如く、各接続口P1,P2への圧縮空気の供給と各接続口P1,P2からの圧縮空気の排気とを行うことで、上述の取り付け態様と同様に弁機構1を作動させることができる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る空気圧式作動弁は、作動機構2を構成する単一の連結手段40を反転させるだけで、弁機構1の作動態様の異なったものにすることができる。これにより、該空気圧式作動弁は、弁機構1の作動態様を変更するための専用部品等の予備品を必要としない上に、簡単な作業で弁機構1の作動態様を変更することができるといった優れた効果を奏し得る。
【0074】
また、本実施形態に係る空気圧式作動弁は、コイルバネ30を取り外すこともできるため、圧縮空気の供給で作動体200(弁体10)を軸線方向の一方向及び他方向の両方向に変位させる往復動タイプの作動機構2を備えたものにも変更することができる。
【0075】
そして、前記第二バネ受体430が軸体400の軸心方向で位置調整可能に設けられているので、第二バネ受体430(作動体200)に対する付勢力の調整を行うことができ、弁体10の作動タイミング等の調整を行うことも可能である。
【0076】
さらに、前記第一バネ受体420に連設され、前記軸体400が略同心で挿通される筒状部425を更に備え、該筒状部425の軸線方向の両端部の内周に軸体400を軸線方向に案内するに案内部材(ブッシュ)426が設けられているので、軸体400を軸線方向に移動可能としても該軸体400の芯ブレを押さえることができ、円滑な作動を実現することができる。
【0077】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0078】
上記実施形態において、弁機構1と作動機構2とを備えた空気圧式作動弁について説明したが、例えば、作動機構2を各種弁機構1に接続可能な独立したものに構成しても勿論よい。このようにしても、作動機構2を構成する連結手段40を反転させることで、各種弁機構1の作動方向を逆方向にすることができる。
【0079】
上記実施形態において、作動手段20内の作動体200としてダイヤフラム202と該ダイヤフラム202に連結されたシャフト203とで構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、ケーシング201をシリンダー状に形成し、ケーシング201内と略同心で移動可能なピストンと、該ピストンに連結されたピストンロッド(前記シャフト203に相当)とで作動体200を構成するようにしてもよい。
【0080】
そして、上記実施形態において、シャフト203をケーシング201全体に貫通させる(第一ケーシング部材201a及び第二ケーシング部材201bの両方を貫通する)ように設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、連結手段40に対して連結される第一ケーシング部材201aのみにシャフト203(ピストンロッド)貫通させるようにしてもよい。
【0081】
上記実施形態において、第一バネ受体420を取り外してコイルバネ30を取り外すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一バネ受体420をハウジング410に対して固定する一方で、第二バネ受体430を軸体400から取り外し可能に構成し、該第二バネ受体430を取り外してコイルバネ30を取り外すようにしてもよい。
【0082】
上記実施形態において、第一バネ受体420に大径部421を設け、該大径部421をハウジング410と弁機構1(位置決部14)又は作動手段20(ケーシング201)とで挟み込むことで、第一バネ受体420を固定するようにしたが、例えば、第一バネ受体420の外周にネジ溝を形成するとともに、ハウジング410の内周にネジ溝を形成し、ハウジング410と第一バネ受体420とを螺合させるようにしてもよい。このようにしてもハウジング410と第一バネ受体420とを相対的に回転させることで第一バネ受体420を取り外してコイルバネ30を取り外しことができる。
【0083】
また、必ずしもコイルバネ30を取り外せる構成にする必要はなく、常時コイルバネ30の付勢力が軸体400を介して作動体200に作用する構成であっても勿論よい。
【0084】
上記実施形態において、第二バネ受体430を軸体400の軸線方向に移動可能に構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、第二バネ受体430を軸体400に対して固定した構成であってもよい。但し、適正な付勢力を与えるには、第二バネ受体430を移動可能にして付勢力を調整できるようにすることが好ましい。
【0085】
さらに、上記実施形態において、第一バネ受体420に筒状部425を連設し、該筒状部425の両端部に案内部材としてのブッシュ426,426を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、筒状部425の軸心方向全長に亘って案内部材(ブッシュ)を設けるようにしてもよい。また、上記実施形態において、第一バネ受部420に筒状部425を連設したが、筒状部425は必ずしも設ける必要がなく、必要に応じて設けるようにすればよい。但し、作動機構2の円滑な作動を担保するには、筒状部425を設けるとともに、該筒状部425の少なくとも両端部に軸体400を案内する案内部材426を設けることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1…弁機構、2…作動機構(空気圧式作動機構)、10…弁体、11…弁機構本体、12…作動軸、13…弁機構側連結部、14…位置決部、14’…第一位置決面(位置決面)、20…作動手段、30…付勢手段(コイルバネ)、40…連結手段、200…作動体、201…ケーシング、201a…第一ケーシング部材、201b…第二ケーシング部材、202…ダイヤフラム、202a…プレート部、202a’…金属プレート、202b…可撓部、202b’…弾性材料、203…シャフト、203a…大径部分、203b,203c…小径部分、204,204a,204b…挿通穴、205…第一ケーシング本体部、205a…第一周壁部、205b…第一底部、206…アクチュエータ側連結部、207…挿通穴、208…環状溝、209…第二位置決面(位置決面)、211…第二ケーシング本体部、211a…第二周壁部、211b…第二底部、212…筒状連結部、213…挿通穴、214…環状溝、400…軸体、402…ネジ部、410…ハウジング、411,411…鍔部、412a,412b…ネジ部材、413…環状押圧部、414…螺合部、420…第一バネ受体、421…大径部、422…軸穴、423…凹部、425…筒状部、426…ブッシュ、427…内穴、430…第二バネ受体、431…ネジ穴、432…環状凸部、440…規制板、A…密閉空間、A1,A2…空間、H…エアーホース、N1,N2…ネジ部(雄ネジ)、N3,N4…ネジ部(雌ネジ)、P1,P2…接続口、S…シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸線方向に移動可能な作動体、及び該作動体を内装する空間を形成したケーシングを有し、作動体が前記空間を軸線方向で二分するように設けられた作動手段と、軸線方向の何れか一方向に作動体を付勢する付勢手段と、流体の流通制御を行う弁機構と作動手段とを連結する連結手段と、を備え、前記連結手段は、前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構の弁体と前記作動体とを連結する軸体を備え、作動体に二分された何れか一方の空間に圧縮空気を供給することで作動体が前記軸線方向の何れか他方向に移動する一方、前記空間内の圧縮空気を排気することで付勢手段による付勢で作動体が前記軸線方向の何れか一方向に移動して元の位置に復帰するように構成された空気圧式作動機構であって、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されていることを特徴とする空気圧式作動機構。
【請求項2】
流体の流通制御を行う弁機構と、圧縮空気の供給で前記弁機構を作動させる空気圧作動機構とを備え、該空気圧式作動機構は、所定の軸線方向に移動可能な作動体、及び該作動体を内装する空間を形成したケーシングを有し、作動体が前記空間を軸線方向で二分するように設けられた作動手段と、軸線方向の何れか一方向に作動体を付勢する付勢手段と、流体の流通制御を行う弁機構と作動手段とを連結する連結手段と、を備え、前記連結手段は、前記軸線方向に移動可能に構成されて弁機構の弁体と前記作動体とを連結する軸体を備え、作動体に二分された何れか一方の空間に圧縮空気を供給することで作動体が前記軸線方向の何れか他方向に移動する一方、前記空間内の圧縮空気を排気することで付勢手段による付勢で作動体が前記軸線方向の何れか一方向に移動して元の位置に復帰するように構成された空気圧式作動弁であって、前記付勢手段は、コイルバネで構成され、前記連結手段は、前記軸体が内挿された筒状のハウジングと、該ハウジングの両端部に対して前記軸線を回転中心にして回転自在に取り付けられ、弁機構に設けられた筒状の弁機構側連結部及び作動手段のケーシングに設けられた筒状のアクチュエータ側連結部の何れに対しても外嵌状態で螺合可能に構成された一対のネジ部材と、前記ハウジング内部の一端側に固定され、前記コイルバネの一端を受ける第一バネ受体と、前記ハウジングの他端側に位置する前記軸体の一端側に固定され、前記コイルバネの他端を受ける第二バネ受体と、を備え、前記軸体は、両端が作動体及び弁体の何れにも連結可能に構成され、前記ハウジングは、前記軸体の両端が作動体及び弁体に連結された状態で、一対のネジ部材のそれぞれが弁機構側連結部及びアクチュエータ側連結部に螺合されて両端部が弁機構及びケーシングに連結されるように構成されていることを特徴とする空気圧式作動弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−216658(P2010−216658A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126656(P2010−126656)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2006−352778(P2006−352778)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】