説明

空気層形成フィルムの空気給・排気システム

【課題】空気層形成フィルムを巻き軸で巻き取る場合には急速に空気を逃がして巻き取りを容易にし、巻き軸を巻き戻して展張する場合、又は展張し終えた後にはフィルムの展張動作の進展と共に、又は展張し終えた後に空気を吹き込み空気層を形成できる空気層形成フィルムの空気給・排気システムを提供する。
【解決手段】空気層形成フィルム2の自由端側は巻き軸16に巻き込まれ、固定端側はシート止着具3、4にて開口部Bをあけて固定されている。開口部Bに沿った位置、若しくは開口部Bよりも空気層Aの内部へ寄った位置に給気用チューブ5が設置され、給気用チューブ5の奥部側に給気孔50が設けられている。給気用チューブ5へ空気を吹き込む電動ファン6が設置されている。空気層形成フィルム2を展開する際、又は展開した際には給気を行って空気層Aを膨らませ、空気層形成フィルム2を巻き取る際には給気用チューブ5を萎ませ開口部Bから排気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薄い軟質フィルムで被覆された、所謂ビニルハウスと通称される簡易構造の温室(以下、フィルムハウスという。)の側面や谷部或いは妻部などを覆うフィルムを、換気や温度調節の目的で巻き上げて開口を生じさせ、又は巻き下ろして前記開口を閉じる換気システム、或いは主に断熱効果を目的としてフィルムハウス内部の天井部分や側面部などに沿ってフィルムをカーテン状に展張し又は同フィルムを収納するカーテンシステムの技術分野に属し、更に言えば、前記換気システム又はカーテンシステムのフィルムを、気密な袋構造で断熱・保温効果の高い空気層形成フィルムに構成すると共に、同空気層形成フィルムを自由端側から巻き軸で巻き取る場合には急速に空気を逃がして巻き取りを容易にし、逆に前記巻き軸を巻き戻して展張する場合、又は展張し終えた後には同フィルムの展張動作の進展と共に、又は展張し終えた後に空気を吹き込み空気層を形成できる空気層形成フィルムの空気給・排気システムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルムハウスには、上記の巻き軸により被覆フィルムを巻き上げ又は巻き下ろす方式の換気システム、或いはカーテンとしてフィルムをやはり巻き軸により巻き上げ又は巻き下ろす方式のカーテンシステムが既に実施されており、それぞれ期待した機能および効果を発揮している。
しかし、最近では、世を挙げてのエコブームにより、また、景気の悪化に伴う暖房費のコストカット意識が高まって、フィルムハウスを断熱・保温構造化することが指向されている。具体的には下記の特許文献1に開示されたように、フィルムハウスの被覆フィルムを2枚重ね合わせ周縁を気密にシールした袋構造の空気層形成フィルムとして構成し、その空気層内へ空気を強制的に吹き込み膨張させた空気層膜構造の所謂「エアハウス」の実施に期待感が高まっている。前記空気層形成フィルムで保温性を高めたエアハウスを実施すると、現状の重油を燃やす暖房費を約30%節減できると試算されている。
また、通常のフィルムハウスでも天井部分や側面部分に内張りカーテンを設置すると断熱保温の効果が上がることが知られている。更に、その内張カーテンを空気層形成フィルムで構成すると、やはり暖房費を約20%節減できると試算されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−33065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のとおり、フィルムハウスの被覆フィルムを空気層形成フィルムとして構成し、その空気層内へ空気を強制的に吹き込み膨張させた「エアハウス」の断熱保温性能の向上に期待するところはすこぶる大きい。しかし、「エアハウス」を実施する場合でも、その被覆フィルムを巻き軸で巻き上げ又は巻き下ろす方式で換気口を開閉する換気システムの設置は不可欠である。その場合に、換気システムの被覆フィルムだけを一枚のフィルムで構成したのでは、ハウス全体の断熱保温性能の向上にあまり多くは望めない。したがって、同換気システムにも空気層形成フィルムの採用が望ましいことは明らかである。
同様に、フィルムハウスの天井部分や側面部分に内張りカーテンを設置するカーテンシステムにも空気層形成フィルムを採用すると、それだけで「エアハウス」に近い断熱保温の効果を期待できることは明らかである。
【0005】
しかし、上記の換気システムやカーテンシステムに空気層形成フィルムを採用する場合には、次のような問題点がある。
巻き軸により空気層形成フィルムを巻き上げ又は巻き下ろす場合に、空気層内に空気が残存していると、同フィルムの巻き取りに抵抗を生じ巻き取り操作を困難にする。そこで巻き軸によるフィルムの巻き取り速度に先んじて空気層内の空気を追い出すこと、つまり排気性能に優れた構成にすることが前提条件として要求されるのである。
しかし、巻き軸によるフィルムの巻き取り速度に負けない早さで空気層内の空気を排除するためには、それなりに大きな排気口を空気層に用意して開放するか、或いは容量、能力の大きい排気ファンを採用して強制排気することになる。ところが、前記大きな排気口を用意する方式の場合には、巻き軸でフィルムを巻き上げる作業に先行して排気口を開き、逆に空気層へ空気を吹き込み充満させる際には、それに先立ち排気口を閉じる操作が必要となるから、煩に耐えない。しかも、そのように軽便に開閉できる排気口を開発する必要がある。また、排気口は、当然に空気層形成フィルムの固定端側、つまり巻き軸で巻き上げて行く上方側、通例はハウスの屋根側位置に設置することになるが、そのような高所の排気口をどのような手段で軽便に開閉できるかの問題点もある。
一方、巻き軸によるフィルムの巻き取り速度に負けない早さで空気層内の空気を排出できる容量、能力の大きい排気ファンを使用する場合には、当然、その設備費用が高価になる。また、そのような排気ファンをハウス内外のいずれの場所へどのように設置するかの問題もある。しかも排気ファンは当然、ハウスの高い位置に設置することになるから、重く、大きい排気ファンを脆弱なハウスフレームのいずれの部分でどのように支持させるかの構造上の解決課題もある。
【0006】
本発明の目的は、巻き軸によるフィルムの巻き取り速度に負けない早さで空気層内の空気を一気に排出できるが、排気口を開閉操作する必要は一切無く、しかも脆弱なハウスフレームの高所にも格別に高価な設備費用を要することなく設置でき、上記の換気システムやカーテンシステムに空気層形成フィルムを採用して、優れた断熱保温の効果を期待できる空気層形成フィルムの空気給・排気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る空気層形成フィルムの空気給・排気システムは、
温室の空気層形成フィルム2を巻き軸16で巻き取り可能にする空気の給・排気システムであって、
フィルムを気密な袋構造に構成して断熱空気層を形成した空気層形成フィルム2の自由端側は巻き軸16に巻き込まれ、同空気層形成フィルム2の固定端側である二つの扁平な開口縁部20a、21aは並列に配置された別異のシート止着具3、4にて一定幅の開口部Bをあけて固定され、
前記空気層形成フィルム2の開口部Bに沿った位置、若しくは同開口部Bよりも空気層Aの内部へ寄った位置に、同開口部Bを形成する両側のフィルム20、21の最大開口幅を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ5が、前記開口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ5の奥部側に前記空気層Aと連通する給気孔50が任意の間隔をあけて設けられており、
更に前記給気用チューブ5に向かって空気を吹き込む電動ファン6が設置されており、
巻き軸16を回転して空気層形成フィルム2を展開する際、又は展開した際には前記電動ファン6による給気を行って空気層Aを膨らませ、巻き軸16を逆に回転して空気層形成フィルム2を巻き取る際には前記電動ファン6を停止して給気用チューブ5を萎ませ前記開口部Bから排気することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した空気層形成フィルムの空気給・排気システムにおいて、
フィルムを気密な袋構造に構成して断熱空気層を形成した空気層形成フィルム2は、温室の換気口22を開閉するフィルム、又は温室の室内の天井部分若しくは側面に沿って設置されたカーテンとして構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る空気層形成フィルムの空気給・排気システムによれば、空気層形成フィルム2の開口部Bに沿った位置、若しくは開口部Bよりも空気層Aの内部へ寄った位置に、同開口部Bを形成する両側のフィルム20、21の最大開口幅Rを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ5を設置して、巻き軸16を回転して空気層形成フィルム2を展開する際、又は展開した後には電動ファン6による給気を行って給気用チューブ5を先ず膨張させて空気層Aを膨らませることができる。また、巻き軸16を逆に回転して空気層形成フィルム2を巻き取る際には、その事前に前記電動ファン6を停止して給気用チューブ5を萎ませ前記開口部Bから排気する構成なので、必要十分な大きさの排気口を形成して巻き軸16によるフィルム20、21の巻き取り速度に負けない早さで空気層A内の空気を一気に排出できる。また、排気口を開閉操作する必要は一切無い。しかも脆弱なハウスフレームの高所にも格別に高価な設備費用を要することなく設置でき、上記の換気システムやカーテンシステムに空気層形成フィルム2を採用して、優れた断熱保温の効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】フィルムハウスの一例を示す斜視図である。
【図2】空気層形成フィルム内へ空気を送り込む状態を示す、図1のII−II矢視拡大断面図である。
【図3】空気層形成フィルム内の空気を排気させる状態を示す、図1のII−II矢視拡大断面図である。
【図4】電動ファンの設置例を示す拡大図である。
【図5】フィルムハウスの内部に設置したカーテンシステムの一例を概念的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の空気層形成フィルムの空気給・排気システムは、フィルムを気密な袋構造に構成して断熱空気層を形成した空気層形成フィルム2の自由端側は巻き軸16に巻き込まれ、同空気層形成フィルム2の固定端側である二つの扁平な開口縁部20a、21aは並列に配置された別異のシート止着具3、4にて一定幅の開口部Bをあけて固定されている。空気層形成フィルム2の開口部Bに沿った位置、若しくは同開口部Bよりも空気層Aの内部へ寄った位置に、同開口部Bを形成する両側のフィルム20、21の最大開口幅Rを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ5が、前記開口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブ5の奥部側に前記空気層Aと連通する給気孔50が任意の間隔をあけて設けられている。更に前記給気用チューブ5に向かって空気を吹き込む電動ファン6が設置されている。巻き軸16を回転して空気層形成フィルム2を展開する際には前記電動ファン6による給気を行って空気層Aを膨らませ、巻き軸16を逆に回転して空気層形成フィルム2を巻き取る際には前記電動ファン6を停止して給気用チューブ5を萎ませ前記開口部Bから排気する。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、温室の空気層形成フィルム2を巻き軸16で巻き取り可能とした換気システムに本発明による空気の給・排気システムを適用したフィルムハウス1を示している。このフィルムハウス1のフレームを構成するアーチパイプ14と、同アーチパイプ14へ連結して棟方向へ配置したシート止着具11、11並びに破風のシート止着具12、妻面のシート止着具13等々は、従来一般のフィルムハウス1に実施するフレーム資材とほぼ同様である。こうして構築したフレームの外周をフィルムで覆い、要所がシート止着具11、11で止着され、更にフィルム押えひも15でフィルムを締め付けて安定化している。また、フィルムハウス1の換気口22を開閉するべく、巻き軸16の巻き上げ又は巻き下ろし手段に用いる回転伝達装置10も、例えば特開2007−92973号公報や特開2005−221072号公報等に開示されて既に実用に供されている。符号18は回転伝達装置10のガイド支柱である。巻き軸16もその外側へフィルム押えひも15を配置して押さえ付けている。
【0013】
上記空気形成層フィルム2は、温室の換気口22を開閉するフィルムであって、図2及び3に拡大して示すように、フィルムハウス1の外郭を覆う透光性の合成樹脂フィルムを2枚重ね合わせ、そのフィルム周縁を公知のシート止着具で気密にシールして袋構造とした二重フィルム20、21の空気層内へ空気を強制的に吹き込み膨張させて断熱空気層Aが形成される構成である。前記空気層形成フィルム2の自由端側(下端部側)は、回転伝達装置10で正逆方向へ回転される巻き軸16に巻き付けられている。即ち、前記回転伝達装置10の手動ハンドル17を一方へ回転させると、巻き軸16により空気層形成フィルム2が自由端側から巻き上げられて換気口22が形成される。前記手動ハンドル17を逆方向へ回転させると巻き軸16で空気層形成フィルム2を巻き戻し、前記空気層形成フィルム2は展張されて換気口22を閉じることができる。
【0014】
上記空気層形成フィルム2の固定端側(上端部側)である上下の二つの扁平な開口縁部20a、21aは、フィルムハウス1のアーチパイプ14の軒肩部へ上下に間隔をあけて棟方向へ並列に配置された2本のシート止着具3、4にて一定幅(例えば2cm程度)の開口部(排気口)Bをあけて固定されている。具体的には、室内側のフィルム20は、前記二つのシート止着具3、4のうち、下位のシート止着具3によって固定され、室外側のフィルム21は二つのシート止着具3、4のうち上位のシート止着具4によって固定されている。
因みに、前記シート止着具3、4は、当業技術分野では既に周知の技術である。具体的には、横断面方向に見ると底壁の両側に立ち上がる両側壁を内方へ略ハの字形状に傾斜させて開口が狭幅のフィルム止着溝が形成された構成である。前記フィルム止着溝の開口部上にフィルム20(21)を拡げ、その上から波形状をなす弾性なフィルム止め線材30(40)をフィルム止着溝の中へ押し入れて止着するものである。
【0015】
上記空気層形成フィルム2の開口部Bに沿った位置に、同開口部Bを形成する内外両側のフィルム20、21の最大開口幅Rを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ5が、その開口部B側を下方のシート止着具3で室内側のフィルム20と共に止着され、前記開口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置されている。
前記給気用チューブ5は、柔軟性のある合成樹脂性又はゴムシート等であり、その奥部側に前記空気層Aと連通する複数の給気孔50…が任意の間隔(例えば1mmピッチ)をあけて設けられている。前記給気孔50…は、給気用チューブ5が膨張して内外のフィルム20、21と密接し、且つ空気を空気層Aの送り込むことが可能な形状と大きさに形成されている。
なお、空気層形成フィルム2の開口部Bよりも空気層A内部へ寄った位置に、開口部Bを形成する両側のフィルムの最大開口幅Rを塞ぐ膨張径を有する給気用チューブ5が、前記開口部Bの長手方向に沿って全長にわたり設置された構成で実施することもできる。
【0016】
更に、図4に拡大して示すように、上記二重のフィルム20、21のうち室内側のフィルム20へ、フィルムハウス1の室内側から前記給気用チューブ5に向かって空気を吹き込む小型軽量の電動ファン6が直接取り付けられて設置され、前記電動ファン6の空気吹き出し口が前記給気用チューブ5に向かって直接開口されている。
なお、前記電動ファン6の具体的な構成および取り付け構造の詳細に関しては、上記特許文献1に開示されて詳しいが、一例として出力25W程度のものである。この電動ファン6は、給気用チューブ5の長手方向に1個ないし複数個を設置する。
【0017】
次に、上記空気層形成フィルム2へ空気を給・排気させる手順を説明する。
先ず、空気層形成フィルム2へ空気を給気させる手順であるが、図2に示すように、回転伝達装置10のハンドル17(図1を参照)を回転させることにより巻き軸16を巻き戻して空気層形成フィルム1を展開する際(途中)、又は展開した際(展開後)に、前記電動ファン6をスイッチオンして給気を行い空気層Aを膨らませる。電動ファン6から給気用チューブ5へ送り込まれて、先ずはこの給気用チューブ5を膨らませて、開口部Bを閉止する。続いて、空気は前記給気用チューブ5の給気孔50から抜け出て、空気層形成フィルム2内へ順次に効率よく送り込まれる。こうして、膨張した給気用チューブ5は、空気層形成フィルム2の開口部Bを形成する内外2枚のフィルム20、21へ密接して開口部Bを完全に塞いだ状態になるから、空気が空気層形成フィルム2の外部へ漏れることがなく、空気層形成フィルム2は空気層Aを形成することができる。
【0018】
次に、空気層形成フィルム1から空気を抜く排気手順としては、図3に示すように、スイッチをオフにして電動ファン6を停止させ、給気用チューブ5を萎ませる。すると、給気用チューブ5と、空気層形成フィルム2の開口部Bを形成する内外2枚のフィルム20、21との密接状態が解除され開口部Bが大きく開放されるので、空気は開口部Bから一気に大量に放出可能である。よって、上記回転伝達装置10のハンドル17を回転させて巻き軸16で空気層形成フィルム2を巻き取る際の、巻き軸16によるフィルム20、21の巻き上げ速度(空気層形成フィルム2の絞り効果)に負けない早さで空気層A内の空気を一気に排出できる。
【0019】
本発明の空気層形成フィルムの空気給・排気システムは、上記構成であるから、排気口を開閉操作する必要は一切無く、しかも脆弱なハウスフレームの高所にも格別に高価な設備費用を要することなく設置して実施でき、上記の換気システムやカーテンシステムに空気層形成フィルムを採用して、優れた断熱保温の効果を期待できる。
【0020】
なお、図5に共通する構成要素に共通の符号をつけて実施例を概念的に示したように、主に断熱、保温効果を目的としてフィルムハウス内部の天井部分や側面部に沿ってフィルムを上下方向のカーテン状に展張し又は同フィルムを収納するカーテンシステムにおいても、同カーテンシステムのフィルムを、上述した気密な袋構造で断熱・保温の効果の高い空気層形成フィルム2として、上記回転伝達装置10で回転する巻き軸16でカーテンを巻き上げて収納し、又は巻き下ろして展張する場合の空気給・排気システムとしても全く同様に実施することができる。符号19は、フィルムの図示を省略したアーチパイプを示している。
【0021】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は実施例の構成に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて行うであろう設計変更その他の応用、改変の範囲まで含むことを念のため申し添える。
【符号の説明】
【0022】
1 フィルムハウス
2 空気層形成フィルム
3、4 シート止着具
5 給気用チューブ
6 電動ファン
16 巻き軸
A 空気層
B 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室の空気層形成フィルムを巻き軸で巻き取り可能にする空気の給・排気システムであって、
フィルムを気密な袋構造に構成して断熱空気層を形成した空気層形成フィルムの自由端側は巻き軸に巻き込まれ、同空気層形成フィルムの固定端側である二つの扁平な開口縁部は並列に配置された別異のシート止着具にて一定幅の開口部をあけて固定され、
前記空気層形成フィルムの開口部に沿った位置、若しくは同開口部よりも空気層内部へ寄った位置に、同開口部を形成する両側のフィルムの最大開口幅を塞ぐ膨張径を有する給気用チューブが、前記開口部の長手方向に沿って全長にわたり設置され、この給気用チューブの奥部側に前記空気層と連通する給気孔が任意の間隔をあけて設けられており、
更に前記給気用チューブに向かって空気を吹き込む電動ファンが設置されており、
巻き軸を回転して空気層形成フィルムを展開する際、又は展開した際には前記電動ファンによる給気を行って空気層を膨らませ、巻き軸を逆に回転して空気層形成フィルムを巻き取る際には前記電動ファンを停止して給気用チューブを萎ませ前記開口部から排気することを特徴とする、空気層形成フィルムの空気給・排気システム。
【請求項2】
フィルムを気密な袋構造に構成して断熱空気層を形成した空気層形成フィルムは、温室の換気口を開閉するフィルム、又は温室の室内の天井部分若しくは側面に沿って設置されたカーテンとして構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した空気層形成フィルムの空気給・排気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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