説明

空気清浄機、及び空気清浄機に用いられるフィルタ

【課題】空気清浄機1台で広い範囲へ清浄空気を供給することが難しい。
【解決手段】ファンと、前記ファンを回転駆動するモータと、前記モータを支持する筐体と前記ファンからの空気を清浄化するフィルタとを備え、前記フィルタを通して清浄化された空気を供給する空気清浄機において、前記フィルタが前記筐体によって支持され、前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、前記ファンからの空気が前記フィルタを通して清浄化され、前記筐体の高さ方向に供給され、また、前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向の前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気清浄機、空気清浄装置については、例えば、特許文献1に開示がある。
【0003】
特許文献1には、「本発明は、半導体や液晶を製造するためのクリーンルームの天井面等に配置する空気清浄装置に関し、特に、製造装置の上面やクリーンルーム内の搬送路の上面等、設置スペースが狭い(低い)場所に設置するのに適した改良された空気清浄装置に関する。」として、空気清浄装置についての説明などが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−205621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気清浄機、空気清浄装置は、前述のように半導体や液晶パネル等の製造を行うクリーンルームの天井部に用いられる。
【0006】
空気清浄機の構成例を、図6及び図7に例示する。
【0007】
図6において、10はファン、20はファン10を回転駆動するモータ、30はケース、40はファンの空気吸込み部を形成するベルマウス、50はフィルタである。また、A1はフィルタ50から出た空気またはその流れ状態を示す。
【0008】
上記構成において、ベルマウス40から吸込まれた空気はファン10の部分を通過し、フィルタ50で塵埃等を除去され、清浄空気A1として作業空間などに供給される。
【0009】
図7において、10はファン、20はファン10を回転駆動するモータ、30はケース、40はファンの空気吸込み部を形成するベルマウス、50はフィルタ、60は作業空間などへ送りだす空気を拡散する山形パンチング板である。また、Aはフィルタ50から出た空気またはその流れ状態を示す。
【0010】
上記構成において、ベルマウス40から吸込まれた空気はファン10の部分を通過し、フィルタ50で塵埃等を除去され、山形パンチング板60により拡散され、Aとして作業空間などに供給される。
【0011】
ところで、クリーンルーム天井部等に設置される空気清浄機において一台の空気清浄機から一方向に清浄空気が供給されることが一般である。しかし、空気清浄機の設置台数を少なくするために、一台の空気清浄機から広い範囲に清浄空気が供給されることが望まれることがある。
【0012】
この一台の空気清浄機から清浄空気を広い範囲に供給する場合、例えば、図7の山形パンチング板60を空気清浄機のフィルタ2次側に取付け、清浄空気を拡散し、広い範囲に清浄空気を供給することができる。しかし、山形パンチング板60を使用した場合でも吹出し範囲は限られる。
【0013】
また、ケースが剛体で構成されているため、空気清浄機内でファン10から送り出された空気がケース30にあたり、騒音が増大したり、空気清浄機内の機内抵抗が発生し、ファン10の回転駆動用電力が増大したりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明はファンで吸込んだ空気をフィルタで清浄化し、作業空間に供給する空気清浄機として、フィルタで清浄空気が広い範囲に供給する構成とする。
【0015】
ここで、前記構成について、他の表現にて、以下に説明をする。
【0016】
ファンと、前記ファンを回転駆動するモータと、前記モータを支持する筐体と前記ファンからの空気を清浄化するフィルタとを備え、前記フィルタを通して清浄化された空気を供給する空気清浄機において、前記フィルタが前記筐体によって支持され、前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、前記ファンからの空気が前記フィルタを通して清浄化され、前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向に供給され、また、前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向の前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給されるようにする。
【0017】
前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタ面が位置するように配置されるようにする。
【0018】
前記ファンの回転による軌跡の円形図形の半径方向の延長線上に前記フィルタ面が位置するように配置されるようにする。
【0019】
前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向に前記フィルタを通して清浄化された空気が供給され、また、前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給され、また、前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向と前記空気清浄機、または前記筐体の側面方向との間の方向にも前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給されるようにする。
【0020】
前記フィルタを前記空気清浄機、または前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、前記筐体に支持される側を上底として、前記下底の長さが前記上底の長さと等しいか、または短いようにする。
【0021】
前記フィルタを前記空気清浄機、または前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、前記筐体に支持される側を上底として、前記下底と前記上底とを結ぶ辺の長さが前記上底の長さと等しいか、または長いようにする。
【0022】
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が自由曲線の形状であるようにする。
【0023】
前記フィルタを前記空気清浄機、または前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が円弧の形状であるようにする。
【0024】
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、前記フィルタが空気を清浄化する濾材を有しており、前記フィルタの形状を支持する部材も濾材であるようにする。
【0025】
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、前記フィルタと前記ファンとの間に前記フィルタと前記ファンとの干渉を防止する干渉防止部材を設けるようにする。
【0026】
ファンと、前記ファンを回転駆動するモータと、前記モータを支持する筐体とを備え、清浄化された空気を供給する空気清浄機に設けられるファイルタにおいて、前記フィルタは前記ファンからの空気の清浄化を行い、前記フィルタが前記筐体によって支持され、前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、前記フィルタが前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向に供給される空気の清浄化を行い、また、前記フィルタが前記空気清浄機、または前記筐体の高さ方向と直交する前記空気清浄機、または前記筐体の側面方向に供給される空気の清浄化を行うようにする。
【0027】
前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタ面が位置するように配置されるようにする。
【0028】
前記ファンの回転による軌跡の円形図形の半径方向の延長線上に前記フィルタ面が位置するように配置されるようにする。
【0029】
前記フィルタが前記筐体の高さ方向に供給される空気の清浄化を行い、
また、前記フィルタが前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に供給される空気の清浄化を行い、
また、前記筐体の高さ方向と前記筐体の側面方向との間の方向に供給される空気の清浄化も前記フィルタが行うようにする。
【0030】
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、前記筐体に支持される側を上底として、前記下底の長さが前記上底の長さと等しいか、または短いようにする。
【0031】
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、前記筐体に支持される側を上底として、前記下底と前記上底とを結ぶ辺の長さが前記上底の長さと等しいか、または長いようにする。
【0032】
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が自由曲線の形状であるようにする。
【0033】
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が円弧の形状であるようにする。
【0034】
前記フィルタが空気を清浄化する濾材を有しており、前記フィルタの形状を支持する部材も濾材であるようにする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、空気清浄機において、従来に比べると広い範囲へ清浄空気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施例の空気清浄機の構成例図である。
【図2】本発明の第2の実施例の空気清浄機の構成例図である。
【図3】本発明の第3の実施例の空気清浄機の構成例図である。
【図4】本発明の第4の実施例の空気清浄機の構成例図である。
【図5】本発明の第5の実施例の空気清浄機の構成例図である。
【図6】空気清浄機の構成例の説明図である。
【図7】空気清浄機の構成例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1の実施例としての空気清浄機の構成例図、図2は、本発明の第2の実施例としての空気清浄機の構成例図、図3は、本発明の第3の実施例としての空気清浄機の構成例図、図4は、本発明の第4の実施例としての空気清浄機の構成例図、図5は、本発明の第5の実施例としての空気清浄機の構成例図である。
【0039】
以下、図面で用いる構成要素の符号は全図について共通のものを用いるとする。
【実施例1】
【0040】
図1に示す第1の実施例は、空気清浄機のケース側面及び下面を台形形状のフィルタで構成した場合の例である。
【0041】
図1において、10はファン、20はファン10を回転駆動するモータ、31はケース(または、筐体と称する)上面、40はファンの空気吸込み部を形成するベルマウス、51は空気を清浄化する台形形状のフィルタである。また、Aはフィルタ51から出た空気またはその流れ
状態を示す。
【0042】
図1に示すように、空気清浄機の側面及び下面がフィルタ51となっていることで、清浄空気は空気清浄機の下面だけでなく、側面からも供給される。図1のAで示すように、フィルタ51から出た清浄空気は、図1の鉛直方向で、下向きに供給されている。
【0043】
次に、前記鉛直方向とは、略90度向きとなる水平方向にも前記清浄空気が供給されている。
【0044】
更には、図1のAで例示されているように、前記鉛直方向から前記水平方向に方向が変化する間の方向についても、前記清浄空気が供給されるようにされている。例えば、鉛直方向と水平方向の間の鉛直方向に対して、約45度変化、傾いた角度の方向へも前記清浄空気が供給されている。
【0045】
また、空気清浄機の側面及び下面がフィルタとなっていることで、ファン10から送り出された空気がケースにあたった時の騒音が低減でき、機内抵抗も減少し、ファン送風効率を向上させる。
【0046】
これは、図1のフィルタ51の構成にも特徴がある。フィルタは、例えば、空気を清浄化するにあたり、塵埃等を除去する濾材を有している。この濾材が樹脂等の部材によって、所定の形状になるように、支えられ、固定、支持などされているものである。
【0047】
ところで、この支持する部材は、樹脂等としても、通常は、空気を通し難かったり、濾材よりは、空気を通過させる際の抵抗が大きいものである。
【0048】
この場合に、この支持する部材があることで、この支持する部材の近傍を空気が通過する際に、空気に対する抵抗となったり、音が発生して、騒音を生じたり、ファンからの送風の効率を低下させるなどのことが生ずる可能性がある。
【0049】
図1の実施例のフィルタ51では、前記の支持する部材を用いなくともフィルタとしての形状を所定の形状となるように、支えられ、固定、支持などされるようにしている。または、支持する部材を濾材とするようにして、フィルタを構成するようにする。
【0050】
こうすることで、支持する部材での空気を通過させる際の抵抗がフィルタの濾材と等しくなるか、大きな影響を与えない程度になるので、空気に対する抵抗となったり、音が発生して、騒音を生じたり、ファンからの送風の効率を低下させるなどのことが生じ難くなる。
【0051】
従って、フィルタを構成する際の濾材を支持する部材を濾材とすることに限定されない。濾材と同等の空気に対する通過の抵抗である部材を用いたり、形状を工夫することで、前記の騒音の発生、ファンの送風効率の低減を改善するものであっても良い。
【0052】
上記第1の実施例によれば、空気清浄機において、広い範囲への清浄空気の供給、騒音の低減、ファン送風効率の向上を図ることができる。
【0053】
なお、図1のフィルタ51は、図1の側方の方向から見た断面図では、略台形の形状として、示している。前記台形の形状は、台形の下底の方が上底よりも短い形状で、図1の鉛直方向の下の向きで、側面の辺の延長した線分が交差するような形状となっている。
【0054】
但し、前記形状に限定されるものではなく、鉛直方向と略直交する辺(例えば、図1の水平方向)とケース上面31の外郭の輪郭部との間を結んで得られる面(例えば、側面)から供給される空気などを清浄化するフィルタ面を有するものであれば、良いものである。
【0055】
また、形状も台形形状に限定されるものではなく、台形状の形状であっても良い。従って、台形といえば、一般には、四角形の一部とされている。しかしながら、図1の実施例では、台形の形状を例示しているが、長方形、正方形と呼ばれる四角形であっても、上記の機能を実現できるものとする。この意味で、台形状の形状とは、長方形、正方形と呼ばれる四角形も含むものとする。
【0056】
上記において、鉛直方向と記載しているが、「鉛直方向」とは、一般に、重り(錘)を糸で吊り下げたときの糸が示す方向、すなわち、重力の方向であり、水平面に対して垂直の方向として知られているものである。
【0057】
但し、本明細書においては、上記の重力の方向に限定されるものではない。例えば、図1に示される実施例1の空気清浄機において、ケース上面31の高さ方向、もしくは、ケース上面31の厚さ方向とするものであってもよい。
【0058】
この点で、上記「水平方向」は、鉛直方向、重力の方向に対する水平面の方向に限定されるものではない。
【0059】
例えば、前記筐体の高さ、または厚さ方向と直交する方向、
図1に示される実施例1の空気清浄機における側面方向であっても良いものとする。
【0060】
また、上記で、「空気清浄機の下面」は、前記清浄化された空気の供給される側の面と言える。
【0061】
なお、上記にて、「前記筐体の高さ、または厚さ方向」との表現をしているが、筐体との言葉を空気清浄機と置き換えて、「前記空気清浄機の高さ、または厚さ方向」としても、上記で説明していた鉛直方向なども同様の意味とするものとなる。
【0062】
従って、上記での「前記筐体の側面方向」との表現も、「前記空気清浄機の側面方向」としても、上記で説明していた水平方向なども同様の意味とするものとなる。
【実施例2】
【0063】
図2は、本発明の第2の実施例としての空気清浄機の構成例図である。
【0064】
図2において、52は空気を清浄化する半球形状のフィルタである。また、Aはフィルタ52から出た空気またはその流れ状態を示す。他の符号及び構成は、図1に示す第1の実施例の場合と同じである。
【0065】
本第2の実施例は、上記第1の実施例とは、フィルタの形状が異なっている。
【0066】
上記第2の実施例の構成によっても、上記第1の実施例の場合と同様、空気清浄機において、広い範囲への清浄空気の供給、騒音の低減、ファン送風効率の向上を図ることができる。
【0067】
特に、図2に示すように、フィルタ52は、半球形状であり、図2の側方からの断面図で半円であるので、モータ20の駆動によって、ファン10から供給される空気などが、フィルタ52に到達する距離、長さを、略等しく、大きなバラツキ、各部位での距離、長さの差異を従来よりも低減できることとなる。
【0068】
このような、構造上の特徴から、ファン送風効率の改善、前記空気清浄機の内部での、フィルタ52に到達する距離、長さの差異によって、生ずる空気などの乱れ、その乱れによる騒音などを従来よりも改善することを図れるものである。
【0069】
図2のフィルタ52は、半球形状の形状であるとして例示、説明している。ここで、半球形状との表現は、3次元的な、表現となっている。しかしながら、図2の断面図として表現すると、フィルタ52の側面方向から見た断面の形状が半円であるとしても、前記半球形状の形状と同様の形状を説明するものである。
【0070】
なお、側面方向から見た断面の形状として表現すると、図2のフィルタ52の形状は、半円に限定されるものではなく、例えば、半円状、円弧状であっても、図2に示す実施例の機能、作用、効果を得ることが出来るものである。
【0071】
更には、フィルタの断面の形状が、自由曲線状の形状であっても良い。なお、確認的には、この自由曲線状の形状を3次元的な表現とすると、自由曲面状の形状ということが出来る。
【実施例3】
【0072】
図3は、本発明の第3の実施例としての空気清浄機の構成例図である。
【0073】
図3において、53は空気を清浄化する縦長形状のフィルタである。Aはフィルタ53から出た空気またはその流れ状態を示す。他の符号及び構成は、図1に示す第1の実施例と同じである。
【0074】
本第3の実施例は、上記第1の実施例及び第2の実施例とは、フィルタの形状が異なっている。
【0075】
上記第3の実施例の構成によっても、上記第1の実施例及び第2の実施例の場合と同様、空気清浄機において、広い範囲への清浄空気の供給、騒音の低減、ファン送風効率の向上を図ることができる。特に本第3の実施例では、フィルタ53が長いため、より広い範囲へ清浄空気の供給を図ることができる。
【0076】
ここで、フィルタ53の長さについては、フィルタ53の形状を台形状の形状とした場合には、空気清浄機の下面を台形の下底とし、フィルタがケース31に支持、接続される部分を上底とし、この台形状の形状の下底と上底とを結ぶ辺の長さが上底の長さと等しいか、または長いようにするとの表現とすることが出来る。
【実施例4】
【0077】
図4は、本発明の第4の実施例としての空気清浄機の構成例図である。
【0078】
図4において、54は空気を清浄化する巾着形状のフィルタである。他の符号及び構成は、図1に示す第1の実施例と同じである。
【0079】
上記第4の実施例の構成によれば、ケース上面31へフィルタ54を取付る際、巾着の袋を閉めることにより安易に取付が可能である。
【0080】
また、フィルタ54を取り外す際には、ケース上面31へのフィルタ54の接続、支持、固定を外して、解除した後に、巾着としての袋を閉めていた紐、線材の部材を更に引っ張り閉めるようにしてフィルタ54を閉じて、閉めながら、フィルタ54を取り外すことが出来る。
【0081】
このようにして、再度巾着の袋を閉めるようにして、フィルタ54を取り外すと、空気の清浄化の過程で、フィルタ54の内部に含まれ、溜まった塵埃などが周囲に飛散することなどを回避可能になるというメリットもある。
【実施例5】
【0082】
図5は、本発明の第5の実施例としての空気清浄機の構成例図である。
【0083】
図5において、52は空気を清浄化する半球形状のフィルタ、70はファン10によるフィルタ52の巻き込み防止用のざるである。他の符号及び構成は、図1に示す第1の実施例と同じである。
【0084】
上記第5の実施例の構成によれば、回転するファン10にフィルタ55が巻き込まれることを防止することができる。
【0085】
上記で、巻き込み防止用のざる70としているが、これは、フィルタ52とファン10との間に設けられるものである。そして、これは、フィルタ52とファン10との干渉を防止する役目、機能を提供するものであり、干渉防止部材と呼ぶことも出来る。
【0086】
この巻き込み防止用のざる70、干渉防止部材を設けることによって、フィルタ52を構成する際に、濾材を支持する部材を、例えば樹脂等の比較的空気を通過させる際に抵抗の大きなものを用いなくても良くすることが期待出来ることとなる。
【0087】
例えば、巻き込み防止用のざる70、干渉防止部材があることで、フィルタとファンとの干渉を回避可能となり、フィルタの形状を所定の形状に固定、支持することによる干渉の回避が不要となる。この点で、フィルタを構成する際の濾材、部材、および、濾材を支持する支持部材の部材、素材の選択肢が増えたり、構成する際の形状の自由度が増すことが期待出来ることとなる。
【符号の説明】
【0088】
10…ファン
20…モータ
30…ケース
31…上面ケース
40…ベルマウス
50〜55…フィルタ
60…パンチング板
70…ざる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンと、
前記ファンを回転駆動するモータと、
前記モータを支持する筐体と
前記ファンからの空気を清浄化するフィルタと
を備え、
前記フィルタを通して清浄化された空気を供給する空気清浄機において、
前記フィルタが前記筐体によって支持され、
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、
前記ファンからの空気が前記フィルタを通して清浄化され、前記筐体の高さ方向に供給され、
また、前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向の前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給されることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタ面が位置するように配置されることを特徴とする空気清浄機。
【請求項3】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記ファンの回転による軌跡の円形図形の半径方向の延長線上に前記フィルタ面が位置するように配置されることを特徴とする空気清浄機。
【請求項4】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記筐体の高さ方向に前記フィルタを通して清浄化された空気が供給され、
また、前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給され、
また、前記筐体の高さ方向と前記筐体の側面方向との間の方向にも前記フィルタを通して前記清浄化された空気が供給される
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項5】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、
前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、
前記筐体に支持される側を上底として、
前記下底の長さが前記上底の長さと等しいか、または短い
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項6】
請求項5記載の空気清浄機において、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、
前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、
前記筐体に支持される側を上底として、
前記下底と前記上底とを結ぶ辺の長さが前記上底の長さと等しいか、または長い
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項7】
請求項5記載の空気清浄機において、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が自由曲線の形状である
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項8】
請求項5記載の空気清浄機において、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が円弧の形状である
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項9】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、
前記フィルタが空気を清浄化する濾材を有しており、
前記フィルタの形状を支持する部材も濾材である
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項10】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、
前記フィルタと前記ファンとの間に前記フィルタと前記ファンとの干渉を防止する干渉防止部材を設ける
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項11】
ファンと、
前記ファンを回転駆動するモータと、
前記モータを支持する筐体と
を備え、
清浄化された空気を供給する空気清浄機に設けられるファイルタにおいて、
前記フィルタは前記ファンからの空気の清浄化を行い、
前記フィルタが前記筐体によって支持され、
前記清浄化された空気の供給される側から遠ざかる順に、前記筐体の高さ方向について、前記フィルタ、前記ファンの順に、前記フィルタ、前記ファンが位置しており、
前記フィルタが前記筐体の高さ方向に供給される空気の清浄化を行い、
また、前記フィルタが前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に供給される空気の清浄化を行うことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタにおいて、
前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に前記フィルタ面が位置するように配置されることを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項13】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記ファンの回転による軌跡の円形図形の半径方向の延長線上に前記フィルタ面が位置するように配置されることを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項14】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタが前記筐体の高さ方向に供給される空気の清浄化を行い、
また、前記フィルタが前記筐体の高さ方向と直交する前記筐体の側面方向に供給される空気の清浄化を行い、
また、前記筐体の高さ方向と前記筐体の側面方向との間の方向に供給される空気の清浄化も前記フィルタが行う
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項15】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、
前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、
前記筐体に支持される側を上底として、
前記下底の長さが前記上底の長さと等しいか、または短い
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項16】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が台形状の形状であり、
前記清浄化された空気の供給される側を下底とし、
前記筐体に支持される側を上底として、
前記下底と前記上底とを結ぶ辺の長さが前記上底の長さと等しいか、または長い
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項17】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が自由曲線の形状である
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項18】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタを前記筐体の側面方向から見た前記フィルタの断面の形状が円弧の形状である
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。
【請求項19】
請求項11記載の空気清浄機に設けられるフィルタにおいて、
前記フィルタが空気を清浄化する濾材を有しており、
前記フィルタの形状を支持する部材も濾材である
ことを特徴とする空気清浄機に設けられるフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−247147(P2012−247147A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119878(P2011−119878)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)