説明

空気清浄装置

【課題】本発明は空気清浄装置に関するもので、複数のフィルターの装着感を向上すると共に、装着順序を分り易くすることができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口2と排気口3を有する本体ケース4と、この吸気口2に設けたフィルター装着部5と、このフィルター装着部5に着脱可能に設けられた集塵フィルター部6および脱臭フィルター部7と、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7とをフィルター装着部5に固定するフィルター固定部8と、送風手段9とを備え、集塵フィルター部6を脱臭フィルター部7より外方に装着し、フィルター固定部8によって固定すると、フィルター固定部8がフィルター装着部5の送風方向における風上側に位置し、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7をフィルター装着部5に固定できることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を浄化することのできる空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の空気清浄装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この吸気口に設けたフィルター装着部と、このフィルター装着部に着脱可能に設けられたフィルター部と、前記フィルター部を前記フィルター装着部に固定するフィルター固定部と、前記吸気口から室内の空気を前記本体ケース内に吸気し、フィルター部を介して、前記排気口より室内に排気する風路に送風手段とを備えた構成となっていた。
【0004】
例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−311571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、複数のフィルターを装着する場合に、装着感が悪く、装着順序が分り難いということであった。
【0007】
すなわち、従来の物においては、フィルターがフィルター装着部に嵌る構成であるが、製造のばらつきでフィルターの寸法が大きい物と、小さい物があるので、フィルターとフィルター装着部との間の隙間が小さい場合と大きい場合が発生し、装着感にばらつきがあった。
【0008】
そこで、フィルター固定部を設け、このフィルター固定部によってフィルターをフィルター装着部に固定するものである。しかし、複数のフィルターを装着する場合に、取り扱い説明書等を見ないと装着順序が分り難いものであった。
【0009】
そこで本発明は、複数のフィルターの装着感を向上すると共に、装着順序を分り易くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この吸気口に設けたフィルター装着部と、このフィルター装着部に着脱可能に設けられた集塵フィルター部および脱臭フィルター部と、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部とを前記フィルター装着部に固定するフィルター固定部と、前記吸気口から室内の空気を前記本体ケース内に吸気し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を介して、前記排気口より室内に排気する風路に送風手段とを備え、前記集塵フィルター部を前記脱臭フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部によって固定すると、前記フィルター固定部が前記フィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を前記フィルター装着部に固定できることを特徴とした。
【0011】
これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この吸気口に設けたフィルター装着部と、このフィルター装着部に着脱可能に設けられた集塵フィルター部および脱臭フィルター部と、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部とを前記フィルター装着部に固定するフィルター固定部と、前記吸気口から室内の空気を前記本体ケース内に吸気し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を介して、前記排気口より室内に排気する風路に送風手段とを備え、前記集塵フィルター部を前記脱臭フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部によって固定すると、前記フィルター固定部が前記フィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を前記フィルター装着部に固定できることを特徴としたものである。
【0013】
すなわち、集塵フィルター部を脱臭フィルター部より外方に装着し、フィルター固定部によって固定すると、フィルター固定部がフィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、集塵フィルター部と脱臭フィルター部をフィルター装着部に固定できる。
【0014】
これにより、集塵フィルター部と脱臭フィルター部が、製造のばらつきで寸法が大きい物と、小さい物が出来ても、フィルター装着部に固定できると共に、集塵フィルター部を脱臭フィルター部より外方に装着すると、フィルター固定部によって集塵フィルター部と脱臭フィルター部をフィルター装着部に固定できるので、集塵フィルター部と脱臭フィルター部の装着順序が分り易いものとなる。
【0015】
これらの結果により、複数のフィルターの装着感を向上すると共に、装着順序を分り易くすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1の空気清浄装置の正面図
【図2】同空気清浄装置の概略図
【図3】同空気清浄装置の概略断面図
【図4】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略断面図
【図5】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略図
【図6】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略断面図
【図7】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略図
【図8】本発明の実施の形態2の空気清浄装置の概略断面図
【図9】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略断面図
【図10】同空気清浄装置のフィルター固定部の概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1から図3に示すように、本実施形態の空気清浄装置1の箱形状の本体ケース4の前面には、四角形状の吸気口2を設け、天面には四角形状の排気口3を有する。この吸気口2には、四角筒形状のフィルター装着部5を備えている。このフィルター装着部5には、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7とが着脱可能に設けられている。フィルター装着部5の一端側の開口に、対向するように、フィルター装着部5と所定の距離をおいて着脱自在に前パネル16を設けている。本体ケース4内の風路には、送風手段9を備え、この送風手段9によって、前パネル16と本体ケース4の間から室内の空気を本体ケース4内に吸気し、吸気口2、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7を介して、排気口3より室内に排気するものである。フィルター装着部5の上部には、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7とを固定するフィルター固定部8を備えている。
【0019】
本実施形態における特徴は、集塵フィルター部6を脱臭フィルター部7より外方に装着し、フィルター固定部8によって固定すると、フィルター固定部8がフィルター装着部5の送風方向における風上側に位置し、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7をフィルター装着部5に固定できる点である。
【0020】
具体的には、フィルター装着部5は、四角筒形状で、一端側の開口が本体ケース4における前面側に対向し、フィルター装着部5の他端側の開口面積は、一端側の開口面積より小さいものである。一例としては、他端側の開口に、格子部10を備えたものである。
【0021】
フィルター固定部8は、略平板形状でフィルター装着部5の上部に移動自在に設けられている。図4から図7に示すように、このフィルター固定部8は、横長平板の平板固定部11と、平板固定部11の面に対して垂直方向に伸びた横長平板のつまみ部12とから形成している。平板固定部11の一端側には、回転支持部13を有し、この回転支持部13によって、フィルター固定部8は、長手方向が水平の位置から長手方向が垂直の位置まで回転自在にフィルター装着部5の上部に設けられている。ここで、フィルター固定部8の長手方向が水平の位置にある場合は、フィルター固定部8がフィルター装着部5の外側に位置し、フィルター固定部8の長手方向が垂直の位置にある場合は、フィルター固定部8の一部がフィルター装着部5の内側に位置するものである。すなわち、フィルター固定部8がフィルター装着部5の外側に位置する場合には、フィルター装着部5に集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7が装着可能となる。そして、集塵フィルター部6を脱臭フィルター部7より外方に装着し、フィルター固定部8をフィルター装着部5の内側に移動させると、フィルター固定部8によって集塵フィルター部6の上部を送風方向における風上側から押さえ、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7とをフィルター装着部に固定できる。
【0022】
一方、脱臭フィルター部7を集塵フィルター部6より外方に装着し、フィルター固定部8がフィルター装着部5の内側に移動させても、フィルター固定部8が脱臭フィルター部7を固定できないものである。これは、脱臭フィルター部7の本体ケース4における上下方向の長さが、集塵フィルター部6の本体ケース4における上下方向の長さより短い構成としたものである。これにより、フィルター固定部8をフィルター装着部5の内側に移動させても、脱臭フィルター部7の本体ケース4における上下方向の長さが、集塵フィルター部6の本体ケース4における上下方向の長さより短いので、平板固定部11が脱臭フィルター部7に届かず、フィルター固定部8が脱臭フィルター部7を固定できないものである。
【0023】
これにより、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部が、製造のばらつきで寸法が大きい物と、小さい物が出来ても、フィルター装着部5に固定できると共に、集塵フィルター部6を脱臭フィルター部7より外方に装着すると、フィルター固定部8によって集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7をフィルター装着部5に固定できる。更に、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7の装着順序を誤ると、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7を装着できないので、集塵フィルター部6と脱臭フィルター部7の装着順序が分り易いものとなる。
【0024】
これらの結果により、複数のフィルターの装着感を向上すると共に、装着順序を分り易くすることができるものである。
【0025】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における空気清浄装置について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付してその説明を省略する。図8に示すように、実施の形態1と相違する点は、フィルター装着部5は、脱臭フィルター装着部14と集塵フィルター装着部15とから形成し、脱臭フィルター装着部14は集塵フィルター装着部15より内方に位置するものである。脱臭フィルター装着部14の本体ケース4における上下方向の長さが、集塵フィルター装着部15の本体ケース4における上下方向の長さより短い構成であり、集塵フィルター装着部15には、集塵フィルター部6が嵌まり、脱臭フィルター装着部14には、脱臭フィルター部7は嵌り、集塵フィルター部6が嵌らない点である。
【0026】
これにより、脱臭フィルター部7を集塵フィルター部6より外方に装着し、フィルター固定部8がフィルター装着部5の内側に移動させても、集塵フィルター部6が脱臭フィルター装着部14に嵌らないので、脱臭フィルター部7がフィルター装着部5からはみ出し、フィルター固定部8が脱臭フィルター部7を固定できないものである。
【0027】
また、図9、および図10に示すように、フィルター装着部5の一端側の開口に対向するように着脱自在に前パネル16を設け、この前パネル16は、フィルター固定部8がフィルター装着部5の内側に位置する場合には、吸気口2に装着可能な構成としたものである。具体的には、前パネル16は、縦長平板で、吸気口2に着脱自在に、フィルター装着部5の一端側の開口に対向し、フィルター装着部5を覆うように設けられている。この前パネル16上部には、本体ケース4の内方へ突出した突出部17を備えている。この突出部17は平板で、本体ケース4における右側面側から見ると、三角形状である。ここで、フィルター固定部8がフィルター装着部5の一部が内側に位置し、フィルター固定部8の長手方向が垂直の位置にある場合には、前パネル16の突出部17がフィルター固定部8の平板固定部11から伸びた横長平板のつまみ部12に当たるので、前パネル16を吸気口2に装着することができない。一方、フィルター固定部8がフィルター装着部5の外側に位置し、フィルター固定部8の長手方向が水平の位置にある場合は、前パネル16の突出部17がフィルター固定部8に当たることがないので、前パネル16を吸気口2に装着することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この吸気口に設けたフィルター装着部と、このフィルター装着部に着脱可能に設けられた集塵フィルター部および脱臭フィルター部と、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部とを前記フィルター装着部に固定するフィルター固定部と、前記吸気口から室内の空気を前記本体ケース内に吸気し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を介して、前記排気口より室内に排気する風路に送風手段とを備え、前記集塵フィルター部を前記脱臭フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部によって固定すると、前記フィルター固定部が前記フィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を前記フィルター装着部に固定できることを特徴としたものである。
【0029】
すなわち、集塵フィルター部を脱臭フィルター部より外方に装着し、フィルター固定部によって固定すると、フィルター固定部がフィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、集塵フィルター部と脱臭フィルター部をフィルター装着部に固定できる。
【0030】
これにより、集塵フィルター部を脱臭フィルター部が、製造のばらつきで寸法が大きい物と、小さい物が出来ても、フィルター装着部に固定できると共に、集塵フィルター部を脱臭フィルター部より外方に装着すると、フィルター固定部によって集塵フィルター部と脱臭フィルター部をフィルター装着部に固定できるので、集塵フィルター部と脱臭フィルター部の装着順序が分り易いものとなる。
【0031】
これらの結果により、複数のフィルターの装着感を向上すると共に、装着順序を分り易くすることができるものである。
【0032】
従って、家庭用や事務所用などの、空気清浄装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0033】
1 空気清浄装置
2 吸気口
3 排気口
4 本体ケース
5 フィルター装着部
6 集塵フィルター部
7 脱臭フィルター部
8 フィルター固定部
9 送風手段
10 格子部
11 平板固定部
12 つまみ部
13 回転支持部
14 脱臭フィルター装着部
15 集塵フィルター装着部
16 前パネル
17 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この吸気口に設けたフィルター装着部と、このフィルター装着部に着脱可能に設けられた集塵フィルター部および脱臭フィルター部と、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部とを前記フィルター装着部に固定するフィルター固定部と、前記吸気口から室内の空気を前記本体ケース内に吸気し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を介して、前記排気口より室内に排気する風路に送風手段とを備え、前記集塵フィルター部を前記脱臭フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部によって固定すると、前記フィルター固定部が前記フィルター装着部の送風方向における風上側に位置し、前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部を前記フィルター装着部に固定できることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】
前記フィルター装着部は四角筒形状で、一端側の開口が前記本体ケースにおける前面側に対向し、前記フィルター装着部の他端側の開口面積は、一端側の開口面積より小さく、前記フィルター固定部は、略平板形状で前記フィルター装着部の上部に移動自在に設けられ、前記フィルター固定部がフィルター装着部の外側に位置する場合には、前記フィルター装着部に集塵フィルター部と脱臭フィルター部が装着可能となり、前記集塵フィルター部を前記脱臭フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部をフィルター装着部の内側に移動させると、前記フィルター固定部によって前記集塵フィルター部の上部を押さえ前記集塵フィルター部と前記脱臭フィルター部とを前記フィルター装着部に固定でき、前記脱臭フィルター部を前記集塵フィルター部より外方に装着し、前記フィルター固定部がフィルター装着部の内側に移動させても、前記フィルター固定部が前記脱臭フィルター部を固定できない構成とした請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記脱臭フィルター部の前記本体ケースにおける上下方向の長さが、前記集塵フィルター部の前記本体ケースにおける上下方向の長さより短い構成とし、前記フィルター固定部が前記脱臭フィルター部に届かないことを特徴とする請求項2に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記フィルター装着部は、脱臭フィルター装着部と集塵フィルター装着部とから形成し、前記脱臭フィルター装着部は前記集塵フィルター装着部より内方に位置すると共に、前記脱臭フィルター装着部の前記本体ケースにおける上下方向の長さが、前記集塵フィルター装着部の前記本体ケースにおける上下方向の長さより短い構成とし、前記集塵フィルター装着部には、前記集塵フィルター部が嵌り、前記脱臭フィルター装着部には、前記脱臭フィルター部は嵌り、前記集塵フィルター部が嵌らない構成とした請求項3に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記フィルター装着部の一端側の開口に対向するように着脱自在に前パネルを設け、この前パネルは、前記フィルター固定部が前記フィルター装着部の内側に位置する場合には、前記吸気口に装着可能な構成とした請求項2から4のいずれかに記載の空気清浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−24428(P2013−24428A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156414(P2011−156414)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】