説明

空気調和機の室内機

【課題】前面パネルが長手方向中間部において過度に浮いてしまうことを防止可能な空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】室内機1は、本体10の前面に取り付けられる開閉可能な前面パネル20と、前面パネル20の裏面に係合して固定されるとともに、前面パネル20が閉の際に本体の10の前面に係合する中間取付部31、32L、32Rと、を備える。本体10は、長手方向における中間部に設けられた本体側係合部10e、10fを有する。中間取付部31は、本体側係合部10e、10fと係合して本体10の前面から離れる方向への中間取付部31の移動を規制する中間係合部33bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の前面に表示部が設けられ、当該本体の前面が前面パネルで覆われている空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体の前面が前面パネルで覆われている空気調和機の室内機として、特許文献1に記載のものが知られている。
この室内機においては、前面パネルは、不透明パネルと、透明パネルと、支持部とからなり、前記透明パネルは前記不透明パネルに対して本体側から取り付けられ、前記支持部は前記不透明パネルを本体に回動自在に軸支するよう前記不透明パネルに設けられている。当該支持部の支軸は、前記前面パネルにおける上部の両端部に配置されており、室内機の本体の上部両端部に設けられた軸受けに回動可能に軸支されている。
また、本体の前面における下部には、発光素子が設置されており、前面パネルを閉じた状態で前面パネルの下部に形成された発光窓から当該発光素子の光が見えるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−225253
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の室内機の構成では、前面パネルは長手方向両端部において支持部を介して本体に取り付けられているにすぎないため、長手方向の中間部において、前面パネルと本体前面との間隔を適宜位置に確実に保持することが困難である。例えば、前面パネルに作用する応力や経年劣化等により撓みが発生しやすく、前面パネルの長手方向の中間部が、本体の前面から過度に浮いてしまうおそれがある。この場合、室内機の意匠性を損なうなど、問題となる。
【0005】
そこで、この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、前面パネルが長手方向中間部において過度に浮いてしまうことを防止可能な空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の空気調和機の室内機は、本体の前面に取り付けられる開閉可能な前面パネルと、前記前面パネルの裏面に係合して固定されるとともに、当該前面パネルが閉の際に前記本体の前面に係合する中間取付部と、を備え、前記本体は、長手方向における中間部に設けられた本体側係合部を有し、前記中間取付部は、前記本体側係合部と係合して前記本体の前面から離れる方向への当該中間取付部の移動を規制する中間係合部を有することを特徴とする。
【0007】
この構成によると、前面パネルは中間取付部を介して室内機の本体に取り付けられる。そのため、前面パネルを前記本体に取り付けるための係合部等を、当該前面パネルに設ける必要はなく、設計の自由度が増す。
また、中間取付部が前面パネルに係合されているため、例えば、両面テープ等の粘着手段のみを用いて中間取付部を前面パネルに固定する場合に比べ、固定力が向上する。また、粘着力の低下により前面パネルが落下するおそれもない。
更に、本体の長手方向の中間部において当該本体と中間取付部とが係合されるため、両端部のみで前面パネルを本体に係合させる場合に比べて、長手方向の中間部における前面パネルの浮きが防止される。
【0008】
第2の発明の空気調和機の室内機は、前記本体の前面における長手方向の中間部に設けられた表示部を備え、前記本体側係合部は、前記長手方向における両端部よりも前記表示部に近い位置に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本願発明者は、上述したように前面パネルの長手方向の中間部が、本体の前面から浮いてしまい、室内機の意匠性を損なうという課題を知見するとともに、表示部を本体の前面に備える室内機においては、前面パネルが、本体の前面から過度に浮いてしまうと、表示部による表示が外部から見えにくくなり特に問題となることを知見した。
この点、第2の発明によれば、本体の長手方向における両端部よりも表示部に近い位置において当該本体と中間取付部とが係合されるため、両端部のみで前面パネルを本体に係合させる場合に比べ、表示部からの前面パネルの浮きが防止される。これにより、表示部による表示が見にくくなることを防止できる。
【0010】
第3の発明の空気調和機の室内機は、前記中間取付部の前記前面パネルに対する係合部は、前記前面パネルが閉の際に、前方、側方および下方から視認できない位置で前記前面パネルに係合していることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、前面パネルが閉のときは、使用者から中間取付部と前面パネルとの間の係合部が視認できないので、当該係合部により意匠性が損なわれることはない。
【0012】
第4の発明の空気調和機の室内機は、前記前面パネルは、透明部材で構成され、当該前面パネルの裏面に、前記中間取付部が前面から見えなくなる色彩が付された意匠層が設けられており、前記意匠層は、前記表示部からの光が通過可能な層であることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、前面パネルが透明部材で構成されることにより、視覚を通じて透明部材特有の美感を起こさせることができる。
また、前面パネルの裏面には意匠層が設けられているので、中間取付部が前面から前面パネル越しに見えてしまうことはなく、意匠性が損なわれることはない。
ここで、本体に係合させるための係合部を前面パネルに一体成型することも考えられるが、前面パネルを透明部材により構成し、裏面に意匠層を設ける構成においては、上記係合部に対向する表側の部分と他の平面状部分との視覚的効果に差がでることが多い。そして、この視覚的効果の差があまりにも大きいと、前面パネル全体としての意匠性が損なわれるおそれがある。
この点、第4の発明に係る室内機においては、中間取付部を前面パネルと別体として設けることにより、一体成型する場合の上記課題を解決している。
【0014】
第5の発明の空気調和機の室内機は、前記中間係合部は、前記表示部に前記意匠層が当接した状態で、前記本体の前面から離れる方向への前記中間取付部の移動を規制することを特徴とする。
【0015】
この構成によると、表示部と意匠層との間に隙間が空くことにより、意匠層の表面で表示部から発せられる光が反射して、表示部の表示が外部から見えにくくなることを防止できる。
【0016】
第6の発明の空気調和機の室内機は、前記本体側係合部および前記中間係合部は、前記長手方向における前記表示部の両側に設けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、前面パネルの表示部近傍部分における本体の前面からの浮きをより確実に防ぐことができる。
【0018】
第7の発明の空気調和機の室内機は、前記中間取付部は、前記中間係合部を有する第1取付板と、一対の第2取付板とを有して構成され、前記第1取付板は、前記長手方向における略中央部に配置されて当該前面パネルの上部に係合する本体板部と、当該本体板部から前記長手方向の両側に向かってそれぞれ延びる一対の延設部と、を有し、前記第2取付板は、前記前面パネルの裏面との間に前記延設部を挟んで前記前面パネルに係合することを特徴とする。
【0019】
この構成によると、中間取付部が、第1取付板と一対の第2取付板とを有する複数の部材により構成されるので、一部材として中間取付部を構成する場合に比べて、設計の自由度が増し、製造が容易になる。
【0020】
第8の発明の空気調和機の室内機は、前記前面パネルは、前面板部と、前記前面板部における上部において前記本体側に屈曲する上面板部と、前記長手方向の両端部において前記本体側に屈曲する一対の側面板部と、前記側面板部の下部において当該側面板部の裏面側に折り返された折り返し部と、を有し、前記中間取付部は、前記上面板部に設けられた係合部および前記折り返し部に設けられた係合部に対して係合することで前記前面パネルに固定されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によると、前記中間取付部は、上面板部と一対の側面板部の下部に設けられた折り返し部とに係合するので、例えば、上面板部にのみ係合する場合に比べて、前面パネルへの固定力が増す。
また、前面パネルの側面板部の裏側に位置する折り返し部に係合部が位置するため、側方から当該係合部が視認されることを確実に防止することができる。したがって、当該係合部により意匠性が損なわれることはない。
【発明の効果】
【0022】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0023】
第1の発明では、前面パネルは中間取付部を介して室内機の本体に取り付けられる。そのため、前面パネルを前記本体に取り付けるための係合部等を、当該前面パネルに設ける必要はなく、設計の自由度が増す。
また、中間取付部が前面パネルに係合されているため、例えば、両面テープ等の粘着手段のみを用いて中間取付部を前面パネルに固定する場合に比べ、固定力が向上する。また、粘着力の低下により前面パネルが落下するおそれもない。
更に、本体の長手方向の中間部において当該本体と中間取付部とが係合されるため、両端部のみで前面パネルを本体に係合させる場合に比べて、長手方向の中間部における前面パネルの浮きが防止される。
【0024】
第2の発明では、本体の長手方向における両端部よりも表示部に近い位置において当該本体と中間取付部とが係合されるため、両端部のみで前面パネルを本体に係合させる場合に比べ、表示部からの前面パネルの浮きが防止される。これにより、表示部による表示が見にくくなることを防止できる。
【0025】
第3の発明では、前面パネルが閉のときは、使用者から中間取付部と前面パネルとの間の係合部が視認できないので、当該係合部により意匠性が損なわれることはない。
【0026】
第4の発明では、前面パネルが透明部材で構成されることにより、視覚を通じて透明部材特有の美感を起こさせることができる。
また、前面パネルの裏面には意匠層が設けられているので、中間取付部が前面から前面パネル越しに見えてしまうことはなく、意匠性が損なわれることはない。
【0027】
第5の発明では、表示部と意匠層との間に隙間が空くことにより、意匠層の表面で表示部から発せられる光が反射して、表示部の表示が外部から見えにくくなることを防止できる。
【0028】
第6の発明では、前面パネルの表示部近傍部分における本体の前面からの浮きをより確実に防ぐことができる。
【0029】
第7の発明では、中間取付部が、第1取付板と一対の第2取付板とを有する複数の部材により構成されるので、一部材として中間取付部を構成する場合に比べて、設計の自由度が増し、製造が容易になる。
【0030】
第8の発明では、前記中間取付部は、上面板部と一対の側面板部の下部に設けられた折り返し部とに係合するので、例えば、上面板部にのみ係合する場合に比べて、前面パネルへの固定力が増す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる空気調和機の室内機について説明する。尚、この室内機は壁掛け型のものであり、室外に設置される室外機に接続されて空気調和機を構成する。
【0032】
〔基本構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る室内機1を前方斜め上から見た模式的斜視図。
図2は、図1に示す室内機1を前方から見た模式図である。
図3は、図2に示す室内機1のA−A断面模式図である。
図4は、図2に示す室内機1の前面パネル20を取り外した模式図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の室内機1は、全体として一方向に細長い形状を有しており、その長手方向が水平となるように室内の壁面に取り付けられるものである。尚、以下の説明において、室内機1の長手方向を単に「長手方向」と称する。また、室内機1が取り付けられる壁から突出する方向を「前方」と称し、その反対の方向を「後方」と称する。
【0034】
この室内機1は、本体ユニット10(本体)と、本体ユニット10の前面に取り付けられる前面パネル20と、を有して構成される。後述するように、前面パネル20は、第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32Rとからなる中間取付部を介して、本体ユニット10の前面に開閉可能に取り付けられている。
【0035】
〔本体ユニット〕
図3に示すように、本体ユニット10は、本体ケーシング11と、室内熱交換器12と、クロスフローファン13と、電装品ユニット14と、フィルタユニット15と、清掃ユニット16と、前面グリル17とを有して構成される。
【0036】
室内熱交換器12、クロスフローファン13、電装品ユニット14、及びフィルタユニット15は、本体ケーシング11に取り付けられている。
【0037】
電装品ユニット14は、商用電源(交流100V又は交流200V)に接続される電源入力部としての端子盤、交流回路部、直流高圧回路部、直流低圧回路部、CPU制御部等の電装品と、当該電装品を内部に収容する電装品箱41と、当該電装品箱41の前面に取り付けられた発光表示部42(図4参照)と、を有して構成される。
【0038】
電装品箱41は、本体ユニット10の長手方向に細長く延びる略直方体状の外形を有しており、内部に収容された電装品の周囲を覆うケースである。当該電装品箱41は、ドレンパン11cの前方の位置において、本体ユニット10の長手方向に延びるドレンパン11cと略平行に並んだ状態で、発光表示部42を前方に向けて配置されている。
【0039】
発光表示部42は、複数並べて設置されたLEDを有し、これらのLEDが発光して所定の文字等を表示することが可能な表示部である。当該発光表示部42の前方は前面パネル20により覆われることになるが、当該前面パネル20を透過する光を発することで、外部から発光表示部42の表示を視認することが可能である。
【0040】
尚、この発光表示部42は、電装品箱41の前面よりも前方に突出するように設けられている。即ち、発光表示部42の表示面が電装品箱41の前面よりも前方に配置される。これにより、前面パネル20の裏面を当該発光表示部42の表示面に確実に密着させることができ、結果として発光表示部42の表示が外部から視認しやすくなる。
【0041】
前面グリル17は、室内熱交換器12、クロスフローファン13、電装品ユニット14、及びフィルタユニット15等の構成部材を覆うように本体ケーシング11の前面に取り付けられている。
【0042】
室内熱交換器12は、本体ケーシング11に対して、前側熱交換器12aと後側熱交換器12bとを逆V字状に配置して構成されたプレートフィン形の熱交換器である。尚、本実施形態の室内機1においては、前側熱交換器12aの前面に補助熱交換器12cが取り付けられている。また、後側熱交換器12bの後面に補助熱交換器12dが取り付けられている。補助熱交換器12c及び補助熱交換器12dは、冷媒と空気との熱交換を助長するためのものである。
【0043】
図1に示すように、前面グリル17には、天井部分に天面吸込口17aが形成されている。当該天面吸込口17aは前面グリル17の天井部分を格子状にして形成されている。
また、図4に示すように、前面グリル17の前側上部には、前側開口17b、17cが形成されている。前側開口17b、17cは、それぞれ一の開口として形成されている。
また、前面グリル17には、これらの前側開口17b、17cの下方に室内機1の長手方向と平行に延びる開口部17dが形成されている。この開口部17dには、清掃ユニット16が嵌め込まれている。
また、前面グリル17には、長手方向中央部において、開口部17dの下方に、発光表示部42を前方に露出させるための開口部17eが形成されている。当該開口部17eは、発光表示部42の前面形状と略対応する形状で形成され、当該発光表示部42が、前面グリル17の内側から外側に向かって挿入されている。
【0044】
図1に示すように、前面パネル20を閉じた状態で、前面グリル17の天面吸込口17a、及び、前面パネル20の上部に位置する前側吸込口20aから、外部の空気が当該前面グリル17の内部へ吸い込まれる。
【0045】
図3に示すように、室内熱交換器12の逆V字状の内側には、クロスフローファン13が設けられている。このクロスフローファン13は軸流ファンと呼ばれているもので、その軸方向が室内機1の長手方向に沿うように配置されている。本体ケーシング11には、クロスフローファン13の背後において、湾曲した壁面を有して構成されるスクロール部11aが形成されている。当該スクロール部11aにより、クロスフローファン13から前面グリル17の前面側下部に開口する吹出口17fへ空気を滑らかに導くことができる。
【0046】
本体ケーシング11は、吹出口17fの上側に位置するように上側壁面11bを有する。当該上側壁面11bは、前側熱交換器12aの下方に位置するドレンパン11cと一体に成形されている。
【0047】
ドレンパン11cと前面パネル20との間の位置には、電装品ユニット14が配置されている。また、後側熱交換器12bの下方には、後側ドレンパン11dが配置されている。
【0048】
本体ケーシング11、前面グリル17、及び前面パネル20は、横長のものである。また、吹出口17fは、前面グリル17の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0049】
室内機1においては、上面の天面吸込口17a及び前側吸込口20aからクロスフローファン13によって吸い込まれた室内空気を室内熱交換器12に通過させ冷媒との間で熱交換させることにより、当該空気の冷却又は加熱が行われる。熱交換後の当該空気は、下面の吹出口17fから室内へと吹出される。
【0050】
フィルタユニット15は長手方向に並んで設けられた一対のエアフィルタ51(図3において2点鎖線で模式的に示す。図1、図4においては省略。)と、当該エアフィルタ51を移動させるためのピニオン52と、を備えている。当該一対のエアフィルタ51は、天面吸込口17a及び前側開口17b、17cに対向する位置に配置されており、天面吸込口17a又は前側開口17b、17cを通過する空気に混在する埃等を取り除くことができる。
【0051】
清掃ユニット16は、室内機1の長手方向に延びるとともに、当該長手方向に延びる軸周りに回転するブラシ61と、ブラシ61についた埃を掻き出すための櫛62と、当該櫛62の前方に近接して設けられ室内機1の長手方向に延びて回転する圧縮ローラ63と、圧縮ローラ63と櫛62との間で圧縮された埃が収納されるダストボックス64と、を備えている。
尚、当該清掃ユニット16は、ブラシ61がフィルタユニット15のエアフィルタ51に当接した状態で保持されるように、前面グリル17の外側から、当該前面グリル17の前面に嵌め込まれている。
【0052】
エアフィルタ51には、ピニオン52外周と噛み合う柔軟性のあるラック(図示せず)が設けられている。当該ピニオン52の回転により、エアフィルタ51は、ブラシ61に表面を当接させながら裏面側に巻き込まれるように移動される。このときエアフィルタ51に付着した埃等は、ブラシ61により取り除かれるとともに、当該埃等は圧縮ローラ63により圧縮されてダストボックス64に収納される。
【0053】
〔前面パネル〕
以下、前面パネル20、第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32Rの構成について詳しく説明する。
【0054】
図5は、前面パネル20および第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32Rを示す斜視模式図である。
図6は、図5に示す前面パネル20等を、裏側から見た斜視模式図である。
図7は、図6に示す前面パネル20の長手方向端部の拡大図である。
図8は、図6に示す第2取付板32Rの拡大図である。
図9及び図10は、それぞれ、図6に示す第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32Rを前面パネル20に固定した状態を示す斜視模式図及び裏面側平面図である。
【0055】
図5及び図6に示すように、前面パネル20は、前面板部21と、上面板部22と、側面板部23と、折り返し部24とが一体成型されたものである。また、この前面パネル20は、透明の樹脂材料から成型された透明なパネルの裏面(本体ユニット10側に対向する面)に塗装が施されたものである。この透明な樹脂材料としては、例えば、透明なABSやポリスチレンなどが挙げられる。また、塗装されてできる塗装層(意匠層)は、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rが前面パネル20越しに見えなくなるような色彩を有する層である。また、当該塗装層は電装品箱41に設けられた発光表示部42の光を透過可能な層である。
【0056】
前面板部21は、前方から見て略長方形状に形成され、本体ユニット10の前面に沿って配置されるように、上半面に対して下半面がやや本体側に傾斜した形状となっている。
【0057】
上面板部22は、前面板部21の上端から本体ユニット10側に向かって、当該前面板部21に対して略垂直に延出している。上面板部22は、前面板部21の長手方向全域に設けられ、側面板部23の上端にも連続している。また、上面板部22には、8つの係合穴22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22hが設けられている。
【0058】
尚、これらの係合穴22a〜22hは、上面板部22を貫通するものであり、係合穴22a、22b、22c、22dと、係合穴22h、22g、22f、22e、とは、それぞれ上面板部22の長手方向中央に対して対称的に設けられている。
【0059】
係合穴22a及び係合穴22hは、前面板部21と側面板部23との角部に近接する位置に設けられている。
また、係合穴22b及び係合穴22gは、前面板部21と側面板部23との角部から長手方向中央側に向かってわずかに離れた位置に設けられている。
また、係合穴22c及び係合穴22fは、前面板部21と側面板部23との角部から長手方向中央側に向かって、上面板部22の長手方向における長さの約1/8に相当する距離だけ離れた位置に形成されている。
また、係合穴22d及び係合穴22eは、他の係合穴よりも上面板部22の長手方向中央に近い位置に配置されており、それぞれ長手方向中央から、当該上面板部22の長手方向における長さの約1/8に相当する距離だけ離れた位置に形成されている。つまり、当該係合穴22dと係合穴22eの間隔は、上面板部22の長手方向における長さの約1/4となっている。
【0060】
側面板部23は、前面板部21の長手方向両端から屈曲し、本体ユニット10側に向かって、前面板部21と略垂直に延びている。
【0061】
折り返し部24は、側面板部23の下端において当該側面板部23の裏面側に折り返された部分であり、図7に示すように、下側の面を形成する折り返し底部25と側面板部23と略平行に並ぶ折り返し側面部26とを有する。つまり、側面板部23と、折り返し底部25と、折り返し側面部26とにより、上方が開放された溝Dが形成される。
また、折り返し側面部26には、係合穴26aが貫通している。
【0062】
次に、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rについて説明する。尚、第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32Rとにより、前面パネル20を本体ユニット10に取り付けるための中間取付部が構成される。
【0063】
図5及び図6に示すように、第1取付板31は、本体板部33と一対の延設部34とが一体的に設けられた板状部材である。
【0064】
本体板部33は、前面パネル20の長手方向中央部に取り付けられる部分であって、下側において前面パネル20の長手方向と略平行に延びる略長方形状の開口33aが形成されている。尚、当該開口33aは、発光表示部42の前面形状と略対応するように、当該発光表示部42を挿入可能な大きさで形成されている。
本体板部33は、前面パネル20の長手方向における両側に、長手方向中間部よりも上方に長く延びる部分を有し、一対の当該部分の先端には、それぞれ、上方に向かって突出する突部33d、33eが形成されている。
本体板部33は、一対の突部33d、33eの間隔が、前面パネル20に形成された係合穴22dと係合穴22eとの間隔に等しくなるように構成されている。
また、本体板部33裏面の開口33aを挟んだ両側には、本体ユニット10側に突出する一対の中間係合部33bが設けられている。当該中間係合部33bは、先端側が、突出方向に対して垂直な方向(本実施形態においては、本体ユニット10の長手方向)に膨らんだ形状となっている。
【0065】
一対の延設部34は、本体板部33から両側に延びる部分である。当該一対の延設部34は、本体板部33の一対の突部33d、33eが、それぞれ、前面パネル20の係合穴22d、22eに差し込まれた状態で、前面パネル20の側面板部23の近傍までそれぞれ延びるように形成されている。また、延設部34は、先端において本体ユニット10側(裏面側)に屈曲した屈曲部34aを有している。
【0066】
次に一対の第2取付板32L・32Rについて説明する。尚、一対の第2取付板32は互いに略対称形状であるため、室内機の前面から見て右側の第2取付板32Rについて説明し、左側の第2取付板32Lについては異なる部分のみ説明する。
【0067】
図5、図6及び図8に示すように、第2取付板32Rは、平面視略L字状に形成された板状部材であり、上面板部22に沿って配置される第1板部35と、側面板部23に沿って配置される第2板部36と、を有している。第2取付板32のL字状の板状部分の角部近傍に本体ユニット10側に突出する係合部38が設けられている。
【0068】
係合部38は、第1板部35の長手方向と略垂直な板状となるように形成されている。そして、当該係合部38は、第1板部35の長手方向内側に向かって突出する突部38aと、突部38aを中心とする円弧状に延びる溝38bとを有している。
【0069】
第1板部35の上端には、上方に向かって突出する突部35f、35g、35hが設けられている。突部当該突部35f、35g、35hは、それぞれ、前面パネル20の上面板部22に設けられた係合穴22f、22g、22hに嵌め込むことが可能な形状となっている。尚、もう一方の第2取付板32Lにおける対応する位置にはそれぞれ突部35c、35b、35aが設けられている。
【0070】
第2板部36の下部近傍には、前面パネル20に対向する面に、凹部36aが形成されている。当該凹部36aは、当該第2板部36の短手方向の全域に亘って設けられており、側面板部23側に向かって深くなるように段部が形成されている。当該凹部36aは前述の延設部34の屈曲部34aを嵌め込むことができる形状となっている。
【0071】
第2板部36の長手方向中間部には、裏面側に突出するように係合部39rが設けられている。当該係合部39rは、突出方向先端にて下方に凸となる部分を有している。第2取付板32Rにおいては、当該係合部39rは、凹部36aよりも上方に位置するように設けられている。一方、第2取付板32Lにおいては、凹部36aよりも下方に位置するように、当該係合部39rと略同形状の係合部39lが設けられている。
【0072】
また、第2板部36の下端には、本体ユニット10側に突出するように板状部分37が設けられている。図8に示すように、板状部分37は、第1板部35の長手方向と略垂直に設けられている。当該板状部分37は、前面パネル20の側面板部23と折り返し部24とで形成される溝Dに嵌め込むことができる程度の厚さを有する。この板状部分37における側面板部23に対向する面とは逆側の面には突部37aが設けられている。
【0073】
<取付板の前面パネルへの取り付け方法>
次に、第1取付板31と一対の第2取付板32の前面パネル20への取り付け方について説明する。
【0074】
まず、図6(取付前)、図9及び図10(取付後)に示すように、第1取付板31の上端に形成された一対の突部33d、33eを、前面パネル20の上面板部22に形成された係合穴22d、22eにそれぞれ挿入し、第1取付板31の前面(中間係合部33bが突出する側の面とは逆側の面)が、前面パネル20の裏面に密着するように配置される。前面パネル20の前面板部21は下端において本体ユニット10側に湾曲しており、第1取付板31は、当該湾曲した部分21aと上面板部22とにより挟まれた状態で保持される。尚、両面テープ等を更に用いて第1取付板31を前面パネル20に固定してもよい。
【0075】
次に、第2取付板32L・32Rを前面パネル20の裏面に取り付ける。
第2取付板32Rは、上端の突部35f、35g、35hを、それぞれ上面板部22の係合穴22f、22g、22hに挿入され、下端の板状部分37を折り返し部24と側面板部23とで形成される溝Dに嵌め込まれ、当該板状部分37の側面から突出する突部37aを、折り返し部24の係合穴26aに嵌め込むことで、前面パネル20に固定される。このとき第2取付板32Rの凹部36aに第1取付板31の延設部34の先端の屈曲部34a及びその近傍部がはまり込んで固定される。
第2取付板32Lについても上端の突部が、係合穴22a、22b、22cに挿入され、第2取付板32Rと同様に前面パネル20に対して固定される。
【0076】
<前面パネルの本体ユニットへの取り付け方法>
次に、前面パネル20の本体ユニット10への取り付け方について説明する。
図9及び図10に示すように、第1取付板31と一対の第2取付板32L・32Rとが固定された前面パネル20は、以下のようにして、本体ユニット10に取り付けられる。
【0077】
ここで、図4に示すように、本体ユニット10の前面には、係合穴10a、10b、10c、10d、10e、10fが設けられている。
係合穴10a、10bは、前面グリル17の前面における長手方向両端の上部に形成されている。
また、係合穴10c、10dは、前面グリル17の前面における長手方向両端の下部に形成されている。尚、前方から見て左側の係合穴10cは、前方から見て右側の係合穴10dよりも低い位置に設けられている。
また、係合穴10e、10fは、前面グリル17の前面における開口部17eの両側に設けられている。
【0078】
まず、前面パネル20を、上端が下端よりも本体ユニット10に近づくように斜めに傾けた状態で、第2取付板32L・32Rのそれぞれの係合部38が、本体ユニット10の前面の係合穴10a、10bに挿入される。このとき第2取付板32L・32Rの突部38a(図8参照)が係合穴10a、10bの内面に形成された凹部に回動自在に係合されるとともに、係合穴10a、10bの内面に形成された凸部が溝38b(図8参照)に対して溝38bに沿って移動可能に係合される。これにより、第2取付板32L・32Rの突部38aを支点として前面パネル20が揺動可能となる。
【0079】
その後、前面パネル20の下端を本体ユニット10の前面に近づけながら、第2取付板32L・32Rの係合部39l、39rを、それぞれ、本体ユニット10の前面の係合穴10c、10dに挿入する。同時に、第1取付板31の一対の中間係合部33bを、それぞれ、本体ユニット10の係合穴10e、10fに挿入する。
【0080】
このように前面パネル20の姿勢を傾斜状態から本体ユニット10の前面に密着した状態まで移行させることで係合部38が、係合穴10a、10bに対して係合し、当該係合部38の前方への移動が規制される。
また、係合部39l、39rは、係合穴10c、10dに押し込まれることで、当該係合穴10c、10dに対して係合し、当該係合部39l、39rの抜出方向への移動が規制される。
同様に、一対の中間係合部33bは、係合穴10e、10fに押し込まれることで、当該係合穴10e、10fに対して係合し、当該一対の中間係合部33bの抜出方向への移動が規制される。
【0081】
尚、前面パネル20の裏面が発光表示部42の前面に当接するまで、一対の中間係合部33bを当該係合穴10e、10fに押し込むことで、一対の中間係合部33bが当該係合穴10e、10fに係合するように構成されている。これにより、前面パネル20の裏面が発光表示部42の前面に当接した状態を保持することができる。
【0082】
また、図2に示すように、前面パネル20が閉じた状態では、室内機1の長手方向両端に位置する一対の折り返し部24の間には、本体ユニット10の下端部が配置される。したがって、折り返し部24における係合穴26aが形成されている面(図7参照)は、本体ユニット10の下端部に覆われ、外部から視認されない。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る室内機1は、本体ユニット10の前面に取り付けられる開閉可能な前面パネル20と、前面パネル20の裏面に係合して固定されるとともに、当該前面パネル20が閉の際に本体ユニット10の前面に係合する第1取付板31及び第2取付板32L・32Rと、を備える。
本体ユニット10は、長手方向における中間部に設けられた係合穴10e、10fを有し、第1取付板31は、係合穴10e、10fと係合して本体ユニット10の前面から離れる方向への当該第1取付板31の移動を規制する一対の中間係合部33bを有する。
【0084】
この構成によると、前面パネル20は第1取付板31及び第2取付板32L・32Rを介して室内機1の本体ユニット10に取り付けられる。そのため、前面パネル20を本体ユニット10に取り付けるための係合部等を、当該前面パネル20に設ける必要はなく、設計の自由度が増す。
また、第1取付板31及び第2取付板32L・32R中が前面パネル20に係合されているため、例えば、両面テープ等の粘着手段のみを用いて第1取付板31及び第2取付板32L・32Rを前面パネル20に固定する場合に比べ、固定力が向上する。また、粘着力の低下により前面パネル20が落下するおそれもない。
更に、本体ユニット10の長手方向の中間部において当該本体ユニット10と第1取付板31とが係合されるため、両端部のみで前面パネル20を本体に係合させる場合に比べて、長手方向の中間部における前面パネル20の浮きが防止される。
【0085】
また、本実施形態に係る室内機1は、本体ユニット10の前面における長手方向の中間部に設けられた発光表示部42を備え、係合穴10e、10fは、本体ユニット10の長手方向における両端部よりも発光表示部42に近い位置に設けられている。
【0086】
この構成によれば、本体ユニット10の長手方向における両端部よりも発光表示部42に近い位置において本体ユニット10と第1取付板31とが係合されるため、両端部のみで前面パネル20を本体ユニット10に係合させる場合に比べ、発光表示部42からの前面パネル20の浮きが防止される。これにより、発光表示部42による表示が見にくくなることを防止できる。
【0087】
また、本実施形態に係る室内機1は、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rの前面パネル20に対する係合部(突部33d、33e、35a〜35c、35f〜35h、37a)は、前面パネル20が閉の際に、前方、側方および下方から視認できない位置で前面パネル20に係合している。
【0088】
この構成によると、前面パネル20が閉のときは、使用者から第1取付板31及び第2取付板32L・32Rと前面パネル20との間の係合部が視認できないので、当該係合部により意匠性が損なわれることはない。
【0089】
また、本実施形態に係る室内機1は、前面パネル20は、透明部材で構成され、前面パネル20の裏面に、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rが前面から見えなくなる色彩が付された意匠層が設けられている。当該意匠層は、発光表示部42からの光が通過可能な層である。
【0090】
この構成によると、前面パネル20が透明部材で構成されることにより、視覚を通じて透明部材特有の美感を起こさせることができる。
また、前面パネル20の裏面には意匠層が設けられているので、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rが前面から前面パネル20越しに見えてしまうことはなく、意匠性が損なわれることはない。
ここで、本体ユニット10に係合させるための係合部を前面パネル20に一体成型することも考えられるが、前面パネル20を透明部材により構成し、裏面に意匠層を設ける構成においては、上記係合部に対向する表側の部分と他の平面状部分との視覚的効果に差がでることが多い。そして、この視覚的効果の差があまりにも大きいと、前面パネル20全体としての意匠性が損なわれるおそれがある。
この点、本実施形態に係る室内機1においては、本体ユニット10と係合する第1取付板31及び第2取付板32L・32Rを、前面パネル20と別体として設けることにより、一体成型する場合の上記課題を解決している。
【0091】
また、本実施形態に係る室内機1は、第1取付板31及び第2取付板32L・32Rは、発光表示部42に意匠層が当接した状態で、本体ユニット10の前面から離れる方向への第1取付板31及び第2取付板32L・32Rの移動を規制する。
【0092】
この構成によると、発光表示部42と意匠層との間に隙間が空くことにより、意匠層の表面で表示部から発せられる光が反射して、発光表示部42の表示が外部から見えにくくなることを防止できる。
【0093】
また、本実施形態に係る室内機1は、本体ユニット10側係合部および第1取付板31は、前記長手方向における発光表示部42の両側に設けられていることを特徴とする。
【0094】
この構成によると、前面パネル20の発光表示部42近傍部分における本体ユニット10の前面からの浮きをより確実に防ぐことができる。
【0095】
また、本実施形態に係る室内機1は、第1取付板31と、一対の第2取付板32L・32Rとを有して構成され、第1取付板31は、前面パネル20の長手方向における略中央部に配置されて当該前面パネル20の上部に係合する本体板部33と、当該本体板部33から前面パネル20の長手方向の両側に向かってそれぞれ延びる一対の延設部34と、を有する。
第2取付板32L・32Rは、前面パネル20の裏面との間に延設部34の先端を挟んで前面パネル20に係合する。
【0096】
この構成によると、複数の部材(第1取付板31及び一対の第2取付板32L・32R)を介して、前面パネル20が本体ユニット10の前面に取り付けられるため、一つの部材を介して前面パネル20を本体ユニット10に取り付ける構成と比較して、前面パネル20と本体ユニット10との間に介在する中間取付部の設計の自由度が増し、製造が容易になる。
【0097】
また、本実施形態に係る室内機1は、前面パネル20は、前面板部21と、前面板部21における上部において本体ユニット10側(裏面側)に屈曲する上面板部22と、当該前面パネル20の長手方向の両端部において本体ユニット10側に屈曲する一対の側面板部23と、側面板部23の下部において当該側面板部23の裏面側に折り返された折り返し部24と、を有する。
一対の第2取付板32L・32Rは、上面板部22に設けられた係合穴22a〜22c、22f〜22h、および、折り返し部24に設けられた係合穴26aに対して係合することで前面パネル20に固定されている。
当該一対の第2取付板32L・32Rは、第1取付板31の両側部分を押さえている。
【0098】
この構成によると、第2取付板32L・32Rは、上面板部22と一対の側面板部23の下部に設けられた折り返し部24とに係合するので、例えば、上面板部22にのみ係合する場合に比べて、前面パネル20への固定力が増す。
また、前面パネル20の側面板部23の裏側に位置する折り返し部24に係合穴26aが位置し、当該係合穴26aに第2取付板32L・32Rの突部37aが係合するため、側方から当該係合穴26a及び当該突部37aが視認されることを確実に防止することができる。したがって、当該係合穴26a及び当該突部37aにより意匠性が損なわれることはない。
【0099】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0100】
(1)発光表示部42等の表示部を本体ユニット10の前面に有さない室内機に本発明を適用してもよい。
【0101】
(2)前面パネル20が透明パネルである場合に限定されない。例えば、前面パネルが非透明なパネルからなり、表示部が外側から視認できるように前面パネルに開口が設けられた室内機においても、前面パネルの表示部近傍部が浮くことで、室内側から見る角度によっては表示部の表示が見にくくなるおそれがある。この点、上述した本実施形態と同様に本体ユニットと前面パネルの裏面に固定された取付板との係合部を、本体ユニットの長手方向における両端部よりも表示部に近い位置に設けることで、表示部による表示が見にくくなることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明を利用すれば、室内機の前面パネルが長手方向中間部において過度に浮いてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施形態に係る室内機を示す模式的斜視図。
【図2】図1に示す室内機の正面図。
【図3】図2に示す室内機のA−A断面図。
【図4】図2に示す室内機の前面パネルを取り外した図。
【図5】前面パネルおよび取付板を示す斜視模式図。
【図6】図5に示す前面パネル等を、裏側から見た斜視模式図。
【図7】図6に示す前面パネルの長手方向端部の拡大図。
【図8】図6に示す第2取付板の拡大図。
【図9】図6に示す取付板を前面パネルに固定した状態を示す斜視模式図。
【図10】図6に示す取付板を前面パネルに固定した状態を示す裏面側平面図。
【符号の説明】
【0104】
1 室内機
10 本体ユニット(本体)
10e、10f 係合穴(本体側係合部)
20 前面パネル
21 前面板部
22 上面板部
22a〜22h 係合穴(係合部)
23 側面板部
24 折り返し部
26a 係合穴(係合部)
31 第1取付板(中間取付部)
32L、32R 第2取付板(中間取付部)
33 本体板部
33b 中間係合部
34 延設部
42 発光表示部(表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)の前面に取り付けられる開閉可能な前面パネル(20)と、
前記前面パネルの裏面に係合して固定されるとともに、当該前面パネルが閉の際に前記本体の前面に係合する中間取付部(31、32L、32R)と、
を備え、
前記本体は、長手方向における中間部に設けられた本体側係合部(10e、10f)を有し、
前記中間取付部は、前記本体側係合部と係合して前記本体の前面から離れる方向への当該中間取付部の移動を規制する中間係合部(33b)を有する
空気調和機の室内機(1)。
【請求項2】
前記本体の前面における長手方向の中間部に設けられた表示部(42)を備え、
前記本体側係合部は、前記長手方向における両端部よりも前記表示部に近い位置に設けられている
請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記中間取付部の前記前面パネルに対する係合部は、前記前面パネルが閉の際に、前方、側方および下方から視認できない位置で前記前面パネルに係合している
請求項1又は請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記前面パネルは、透明部材で構成され、当該前面パネルの裏面に、前記中間取付部が前面から見えなくなる色彩が付された意匠層が設けられており、
前記意匠層は、前記表示部からの光が通過可能な層である
請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記中間係合部は、前記表示部に前記意匠層が当接した状態で、前記本体の前面から離れる方向への前記中間取付部の移動を規制する
請求項4に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記本体側係合部および前記中間係合部は、前記長手方向における前記表示部の両側に設けられている
請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記中間取付部は、前記中間係合部を有する第1取付板(31)と、一対の第2取付板(32L、32R)とを有して構成され、
前記第1取付板は、前記長手方向における略中央部に配置されて当該前面パネルの上部に係合する本体板部(33)と、当該本体板部から前記長手方向の両側に向かってそれぞれ延びる一対の延設部(34)と、を有し、
前記第2取付板は、前記前面パネルの裏面との間に前記延設部を挟んで前記前面パネルに係合する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
前記前面パネルは、前面板部(21)と、前記前面板部における上部において前記本体側に屈曲する上面板部(22)と、前記長手方向の両端部において前記本体側に屈曲する一対の側面板部(23)と、前記側面板部の下部において当該側面板部の裏面側に折り返された折り返し部(24)と、を有し、
前記中間取付部は、前記上面板部に設けられた係合部(22a〜22h)および前記折り返し部に設けられた係合部(26a)に対して係合することで前記前面パネルに固定されている
請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−65904(P2010−65904A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231514(P2008−231514)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】