説明

空気調和機

【課題】従来の塵埃の掻き取り性能を維持しながら、本体が薄型で、フィルタの清掃が容易な空気調和機を提供する。
【解決手段】吸込み口3と吹出し口4を有する本体ケース1に、吸込み口3と吹出し口4との間に通気風路7を形成し、該通気風路7内の上流側にフィルタ13と枠体14で形成された塵埃捕集体8と下流側に送風機12、及び塵埃捕集体8の上流面に接触して塵埃を捕集する捕獲ブラシ22と集塵室24より成る集塵体21とを備え、本体ケース1内に対向して設けられた一対の屈曲部28とストレート部29、30を有し略L字型に形成された案内通路体9に、塵埃捕集体8はその両側の側面部に有する支持部26を可動自在に支持され、さらにその一部が駆動体18に接合されており集塵体21は屈曲部28に当接するようにしたもので、塵埃捕集体8は屈曲部28を通過する際に反力で塵埃を上流側に浮かび上がらせ、塵埃を容易に捕獲ブラシ22で除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に取付けられたフィルタの清掃を行う清掃装置を備えた、空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の空気調和機用清掃装置として、下記に示すようなものがあった。
【0003】
従来の空気調和機用清掃装置を搭載した空気調和機は、円弧状移動径路に沿って筐体内を往復運動する断面円弧状のフィルタと、フィルタに形成されたフィルタ従動歯車に噛み合うフィルタ駆動歯車と、フィルタの外面に当接して捕捉された塵埃を除去するロール状ブラシと、ロール状ブラシに当接して捕捉された塵埃を掻き落とす掻き落とし板と、掻き落とされた塵埃を溜める集塵箱と、を有している。
【0004】
上記従来の空気調和機に係るフィルタ清掃装置は、フィルタが筐体内を円弧状移動径路に沿って移動するため、筐体の外部にフィルタが突出することがないままフィルタを清掃することができ、かつ、フィルタが筐体の外部から視認されることがないから、意匠性が向上するとともに、装置の清潔感が増すという特徴を有している。
【特許文献1】特開2007−292399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の空気調和機用清掃装置では、断面円弧状に形成されているフィルタが筐体内を往復移動する構造のため、吸込み口から流入する空気に含まれる塵埃を捕捉する時も、捕捉された塵埃をロール状ブラシでフィルタから除去する時も、フィルタは断面が一定の円弧状に保形されているので、フィルタの網目は変形する事が無く、ロール状ブラシを網目に接触させる力のみにて塵埃は除去されていた。その為、フィルタの網目に入り込んだ塵埃は除去が充分にできないという課題を有していた。
【0006】
さらに、上記従来の空気調和機用清掃装置には、フィルタが円弧状のため、カバーの後ろ側に円弧状のスペースが必要になり、空気調和機の筐体が大型化するという課題があった。
壁掛け式のエアコンは、部屋の美観から薄型化が、また壁の強度保護の観点から軽量化が求められ、かつ最近は、塵埃捕集体(フィルタ)に捕獲された塵埃を自動的に捕集することで、使用者の使い勝手の向上がより期待されている。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、良好な塵埃の掻き取り性能を持ったフィルタ清掃装置を有し、かつ本体が薄型の空気調和機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、吸込み口と吹き出し口を有する本体ケースに、前記吸込み口と吹き出し口との間に通気風路を形成し、該通気風路内の上流側にフィルタと枠体で形成された塵埃捕集体と下流側に送風機、及び前記塵埃捕集体の上流面に接触して塵埃を捕集する捕獲ブラシと集塵室より成る集塵体とをそれぞれ備え、前記本体ケース内に対抗して設けられた一対の屈曲部とストレート部を有し略L字型に形成された案内通路体に、前記塵埃捕集体はその両側の側面部に有する支持部を可動自在に支持され、さらにその一部が駆動体に接合されており前記集塵体は前記屈曲部に当接するようにしたもので、空気調和機の運転時、即ち塵埃捕集体の停止時に、塵埃捕集体は直線の状態にて塵埃を捕捉し、清掃時、即ち塵埃捕集体が可動する時には屈曲部を通過する際に塵埃捕集体も屈曲する為、塵埃を上流側に浮かび上がらせるような反力が働き、塵埃が塵埃捕集体から離別し易い状態になる。屈曲部に当接するように設けられた集塵体は、この離別し易くなった状態の塵埃を確実に効率よく除去することができる。また、本体ケースの形状に塵埃捕集体を沿わせて配置することで、無駄な空間を無くして、本体の薄型化が可能となる。
【0009】
また、本発明の空気調和機は、塵埃捕集体は平板状に成形され、かつ少なくとも枠体は、軟質部材で屈曲自在に形成されたもので、塵埃捕集体が直線状から屈曲状態に変化する時に反力が働き易くなり塵埃を離別し易くする効果を有する。また、塵埃捕集体を平板状に形成することで、金型が複雑にならず、屈曲部等が不要のため、塵埃捕集体の輸送や保管のスペースも改善される。また、軟質材で形成することで、本体ケースの形状すなわちデザインが比較的自由に選定できる。
【0010】
また、本発明の空気調和機は、塵埃捕集体は、送風機の運転開始前後のいずれかにおいて、駆動体により案内通路体内を下降と上昇の一往復を少なくとも可動し、その下降時において前記塵埃捕集体の一部が、前記本体ケースの前面に形成した下降溝から露出されたもので、塵埃捕集体は、送風機の運転開始前あるいは運転停止後に駆動体により、吸込み口近傍部から所定位置まで下降し、その後吸込み口近傍まで上昇する可動を、少なくとも一往復させることで、塵埃捕集体の上流側に捕集された塵埃は、集塵体により確実に除去されるために、フィルタの目詰まりはなく、通過空気もスムースに移動し、送風機に負荷を与えることがない。また、処理風量の低下もないので、例えば冷房、暖房能力も維持される。
【0011】
さらに、塵埃捕集体からの集塵体による塵埃捕集作業を、塵埃捕集体の一部を本体の前面に設けた下降溝より露出させることで、使用者に視認させることができるので、使用者も安心できる。なおフィルタの殆どを、露出させた従来例も存在したが、美観上も好ましくないものである。
【0012】
また、本発明の空気調和機は、一対の案内通路体との略中間部に、塵埃捕集体の下流面に当接し、捕獲ブラシと対向するよう配置されたガイド体を設けられたもので、塵埃捕集体は軟質部材で構成されていて、その両側部は案内通路体で支持されているので変形等の問題はないが、中央部は支持されてないために、特に上下に可動の際は変形しやすい。このために、略中央部の下流面側に接触するガイド体を設けることで、捕獲ブラシとの間で、サンドイッチ状に塵埃捕集体は支持され確実に変形を防止すると共に捕獲ブラシに圧接させることができるので、フィルタの上流面に捕集された塵埃は確実に捕獲ブラシに捕集され塵埃捕集効率を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の効果は、空気調和機の運転時、即ち塵埃捕集体の停止時に、塵埃捕集体は直線の状態にて塵埃を捕捉し、清掃時、即ち塵埃捕集体が可動する時には屈曲部を通過する際に塵埃捕集体も屈曲する為、塵埃を上流側に浮かび上がらせるような反力が働き、塵埃が塵埃捕集体から離別し易い状態になる。屈曲部に当接するように設けられた集塵体は、この離別し易くなった状態の塵埃を確実に効率よく除去することができる。
【0014】
さらに、屈曲部を有するような本体ケースの形状に塵埃捕集体を沿わせて配置することで、無駄な空間を無くして、本体の薄型化を可能とした。また、本体ケースの両側面部に一部に屈曲部を有する一対の案内通路体を設け、該案内通路体に平板状で屈曲自在に形成されたフィルタと枠板よりなる塵埃捕集体を、強制的に変形させて可動自在に支持させ、該塵埃捕集体を上下動自在に可動させる駆動体を備え、さらに案内通路体により強制的に屈曲部を形成された塵埃捕集体の上流側で前記屈曲部近傍に集塵体に有する捕獲ブラシを配置することで、塵埃捕集体が案内通路体を下降する際、屈曲部では、案内通路体から離れるよう遠心力が働くが、集塵体が受け止める事によりその力は阻止され、スムースに可動させることができる。
この時、集塵体の捕獲ブラシは塵埃捕集体の上流側面と圧接することで、より塵埃をキャッチでき、その捕集効率は向上する。また。捕獲ブラシは回転自在に形成することで、接触抵抗を軽減できるため、塵埃捕集体の上下動はよりスムースに可動でき、駆動体の小型化、しいては、機器の薄型及び軽量化にも役立つ。
【0015】
請求項2に記載の効果は、塵埃捕集体を平板状に形成することで、金型が複雑にならず、屈曲部等が不要のため、塵埃捕集体の輸送や保管のスペースも改善される。また、塵埃捕集体が直線状から屈曲状態に変化する時に反力が働き易くなり塵埃を離別し易くする効果を有する。また、軟質材で形成することで、本体ケースの形状すなわちデザインが比較的自由に選定できる。
【0016】
請求項3に記載の効果は、塵埃捕集体は、送風機の運転開始前あるいは運転停止後に駆動体により、吸込み口近傍部から所定位置まで下降し、その後吸込み口近傍まで上昇する可動を、少なくとも一往復させることで、塵埃捕集体の上流側に捕集された塵埃は、集塵体により確実に除去されるために、フィルタの目詰まりはなく、通過空気もスムースに移動し、送風機に負荷を与えることがない。また、処理風量の低下もないので、例えば冷房、暖房能力も維持される。さらに、塵埃捕集体からの集塵体による塵埃捕集作業を、塵埃捕集体の一部を本体の前面に設けた下降溝より露出させることで、使用者に視認させることができるので、使用者も安心できる。なおフィルタの殆どを、露出させた従来例も存在したが、美観上も好ましくないものである。また、フィルタを取り外して掃除をする際には、フィルタの露出した部分を持って、簡単に取り外すことができるため、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の効果は、塵埃捕集体は軟質部材で構成されていて、その両側部は案内通路体で支持されているので変形等の問題はないが、中央部は支持されてないために、特に上下に可動の際は変形しやすい。このために、略中央部の下流面側に接触するガイド体を設けることで、捕獲ブラシとの間で、サンドイッチ状に塵埃捕集体は支持され確実に変形を防止すると共に捕獲ブラシに圧接させることができるので、フィルタの上流面に捕集された塵埃は確実に捕獲ブラシに捕集され塵埃捕集効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
本発明の第1の実施例における空気調和機の清掃機構、およびそれを搭載した空気調和機について図1〜10を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施例における空気調和機の外観図であり、図2は、縦断面図であり、図3は、塵埃捕集体の下降時の縦断面図であり、図4は、塵埃捕集体の下流面図であり、図5は、塵埃捕集体の側面図であり、図6は、案内通路体であり、図7は、集塵体詳細図であり、図8は、要部詳細図であり、図9は、要部構成図であり、図10は、ブロック図である。
【0021】
室内の壁等に取付けられた幅広の略直方体状の本体ケース1からなる室内機を有する空気調和機2において、前記本体ケース1には,その上面側に幅広の吸込み口3と下面側にも幅広の吹出し口4及び前面部には、後述する遠隔操作体5からの指示を受光する受光部33や通電ランプ等を有する表示部6が設けられ、正面部と上面部の接合部には屈曲部28が形成されている。
吸込み口3と吹出し口4とは通気風路7で連通され、通気風路7の上流側で吸込み口3に近接する位置に後述する塵埃捕集体8を可動自在に支持する案内通路体9が本体ケース1の両側部にそれぞれ対向して形成されている。案内通路体9は本体ケース1の縦断面形状に沿うように、本体ケース1の上面部から下端部まで延在し、上ストレート部29と下ストレート部30を有し略中央部には屈曲部28が設けられて略L字状に形成されていて、その断面形状はコ字状で可動溝31と支持壁32より形成されている。また、下端部は本体ケース1の前面下部に形成された下降溝10に当接している。
【0022】
塵埃捕集体8の下流には熱交換器11、さらにその下流で吹出し口4近傍には送風機12が収納されている。また、本体ケース1内には、各種電気部品及びセンサー等を制御する制御部27も収納されている。
塵埃捕集体8は、多数の細孔を有するネットより成る極薄のフィルタ13で、枠体14に一体的に成形保持されて平面状に形成されており、いずれも軟質部材で屈曲自在に構成されている。
その両側面には支持部26が形成され、該支持部26が通気風路7の支持壁32と可動溝31に可動自在に支持されている。片方の支持部26の近傍には直線状の駆動ギア15、中央部にも直線状のガイド体接合部16それぞれ形成されている。さらに下端部には、案内通路体9への着脱を容易にする取っ手部17が形成されている。塵埃捕集体8は、軟質部材で屈曲自在に構成することで、屈曲部28を有する案内通路体9にも合致させることができる。
【0023】
駆動体18は、モーター19と減速機構20で構成され、減速機構20は駆動ギア15と嵌合し、案内通路体9内を塵埃捕集体8が少なくとも下降と上昇の可動を一往復するよう、制御体(図示せず)により、正逆回転するよう制御されている。
【0024】
集塵体21は、幅広に形成された塵埃捕集体8の上流面の全幅に渡り接触し、塵埃を回転しながら捕集する捕獲ブラシ22と、捕獲した塵埃を集塵室24内に落下させる除去ブラシ23と、塵埃を収塵する捕獲ブラシ22と分離自在に形成された集塵室24より構成されている。なお、集塵室24は本体ケース1の一部に取り出し口(図示せず)から、容易に取り出せるように着脱可能な構造になっている。この時、前記取り出し口は小径の穴で形成し、外部から電気掃除機の吸引パイプを差し込んで、集塵室24に開閉蓋(図示せず)を形成する事により、開閉蓋(図示せず)を開かせて、塵埃を吸引しても良い。
捕獲ブラシ22は、塵埃捕集体8の屈曲部28乃至近傍に位置させることで、塵埃捕集体8は移動時に、本体ケース1の前面側に、遠心力が働き変形するが、捕獲ブラシ22はこの力を受け止め、変形防止すると共に、塵埃捕集体8の外表面に付着する塵埃も捕獲ブラシ22に押し付けられ、塵埃捕集が確実に行われる。
【0025】
ガイド体25は捕獲ブラシ22の幅の中央部に、回転自在に配置され、塵埃捕集体8の下流面側に形成されたガイド体接合部16に接合し、塵埃捕集体8の変形を防止する。特に捕獲ブラシ22と対向した位置に設けられているために塵埃捕集体8をサンドイッチ状に支持でき、変形が確実に防止される。
また、塵埃捕集体8に接触するガイド体25を回転自在とすることで、それらの接触抵抗は軽減され、駆動体18による塵埃捕集体8の上下移動をよりスムースに行うことができると共に、駆動体18の負荷軽減に役立つものである。
遠隔操作体5は、運転の入り切りやタイマー及び送風量の強弱等を操作する操作ボタンがあり、その情報を送信する。
【0026】
本実施例における塵埃の捕獲、及び廃棄作業は以下のようにして行なわれる。
【0027】
遠隔操作体5を本体ケース1前面に設けた表示部6に向けて操作することで、送風機12が回転を開始し、室内の浮遊する塵埃を含んだ外気は吸込み口3より侵入し、塵埃は塵埃捕集体8に捕集され、清浄空気となり、熱交換器11を通過する。この時、冷房あるいは暖房の各モードにより清浄空気は所定の冷房あるいは暖房のエネルギーを蓄えた清浄空気となり、送風機12を通過し、吹出し口4より、室内に吹き出て、快適な室温にする。
【0028】
所定時間経過あるいは意識的に運転を停止させると、あらかじめ制御部27に制御されたプログラムにより、駆動体18は運転を開始する。駆動体18に連結された塵埃捕集体8は案内通路体9内を所定速度で上方から下降を開始する。屈曲部28を有する塵埃捕集体8の支持部26は案内通路体9に支持されているが、中央部はフリーのため、その遠心力や軟質部材のために変形しやすいが、屈曲部28乃至近傍の上流側に捕獲ブラシ22が配置されているので、変形防止はもちろん、塵埃も確実に捕獲される。
【0029】
また、捕獲ブラシ22は回転自在に形成されているので、その接触抵抗は塵埃捕集体8の案内通路体9の可動を大きく妨げるものではない。さらに、塵埃捕集体8の横方向の中央部にはガイド体接合部16が形成され、この接合部と接合する回転自在のガイド体25が設けられており、捕獲ブラシ22とガイド体25にて、サンドイッチ状に支持するために、塵埃捕集体8の変形は確実に防止される。
【0030】
塵埃捕集体8が案内通路体9内を上方から下降を開始するとともに、塵埃捕集体8に当接した捕獲ブラシ22が回転して、塵埃捕集体8の表面に付着していた塵埃は捕獲ブラシ22で掻き取られ、集塵室24内にこぼれ落ちる。同時に、捕獲ブラシ22上に取り残された塵埃も、櫛状の除去ブラシ23により除去され、集塵室24内にこぼれ落ちる。集塵室24は本体ケース1の取り出し口から取り出して、集塵室24の下部を外した後、塵埃をゴミ箱に捨てる。また、この時、外部から電気掃除機の吸引パイプを差し込んで、集塵室24に開閉蓋(図示せず)を形成する事により、開閉蓋を開かせて塵埃を吸引しても良い。
【0031】
なお、捕獲ブラシ22は回転自在に形成されているが、前記に記載の構成以外にも、捕獲ブラシ22の回転駆動体(図示せず)の有無、回転方向等は適時設定できる。たとえば回転駆動体(図示せず)が有り、塵埃捕集体8の下降時には捕獲ブラシ22が回転しないと共に塵埃捕集体8の一部が下降溝10から露出した時に、塵埃捕集体8を一次停止させ、捕獲ブラシ22を回転駆動体(図示せず)にて回転させる事により、捕獲ブラシ22に捕獲された塵埃を除去ブラシ23により除去する構成等も採用できる。
【0032】
また、下降した塵埃捕集体8は少なくとも、その上部が捕獲ブラシ22を通過したところで、塵埃捕集体8の下端部を、本体ケース1の前面に形成した下降溝10から露出させることで、使用者に塵埃捕集体8のクリーニングを視認させることができる。塵埃捕集体8が露出されたところで、センサー等(図示せず)により位置認識させることで駆動体18は反転し、塵埃捕集体8は上昇を開始し、所定の位置でその運転を、停止センサー等(図示せず)により停止する。このために、送風機運転時には、塵埃捕集体8は、常に塵埃の付着がなく、クリーンである。なお、これらの動作は、送風機運転開始前に行うよう、制御部27にプログラムしても良い。
また、塵埃捕集体8の枠体14下部に形成された取っ手部17が下降溝10から露出された位置にて停止する様にプログラムを設定する事によりメンテナンス時に取っ手部17を引き抜いて容易に塵埃捕集体8の着脱ができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、従来の塵埃掻き取り性能を維持しながら、本体を薄型で、フィルタの掃除が容易にでき、メンテナンスが容易なもので、家庭用、業務用の各種空気調和機は勿論、空気清浄機、換気装置などフィルタを有する各種機器に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施例における空気調和機の外観図
【図2】同空気調和機の縦断面図
【図3】同空気調和機の塵埃捕集体の下降時の縦断面図
【図4】同空気調和機用の塵埃捕集体の下流面図
【図5】同空気調和機用の塵埃捕集体の側面図
【図6】同空気調和機の案内通路体の断面図
【図7】同空気調和機の集塵体の詳細図
【図8】同空気調和機の要部詳細図
【図9】同空気調和機の要部構成図
【図10】同空気調和機のブロック図
【符号の説明】
【0035】
1本体ケース
2空気調和機
3吸込み口
4吹出し口
5遠隔操作体
6表示部
7通気風路
8塵埃捕集体
9案内通路体
10下降溝
11熱交換器
12送風機
13フィルタ
14枠体
15駆動ギア
16ガイド体接合部
17取っ手部
18駆動体
19モーター
20減速機構
21集塵体
22捕獲ブラシ
23除去ブラシ
24集塵室
25ガイド体
26支持部
27制御部
28屈曲部
29上ストレート部
30下ストレート部
31可動溝
32支持壁
33受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込み口と吹出し口を有する本体ケースに、前記吸込み口と前記吹出し口との間に通気風路を形成し、該通気風路内の上流側にフィルタと枠体で形成された塵埃捕集体と下流側に送風機、及び前記塵埃捕集体の上流面に接触して塵埃を捕集する捕獲ブラシと集塵室より成る集塵体とをそれぞれ備え、前記本体ケース内に対向して設けられた一対の屈曲部とストレート部を有し略L字型に形成された案内通路体に、前記塵埃捕集体はその両側の側面部に有する支持部を可動自在に支持され、さらにその一部が駆動体に接合されており前記集塵体は前記屈曲部に当接したことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
塵埃捕集体は平板状に形成され、かつ少なくとも枠体は、軟質部材で屈曲自在に形成したことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
塵埃捕集体は、送風機の運転開始前後のいずれかにおいて、駆動体により案内通路体内を下降と上昇の一往復を少なくとも可動し、その下降時において前記塵埃捕集体の一部が、前記本体ケースの前面に形成した下降溝から露出することを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。
【請求項4】
一対の案内通路体との略中間部に、塵埃捕集体の下流面に当接し、捕獲ブラシと対向するよう配置されたガイド体を設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−127906(P2009−127906A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301776(P2007−301776)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】