説明

空気調和機

【課題】塵埃によるフィルターの目詰まりを防止し、優れた熱交換効率を長期に渡って維持できる空気調和機を提供する。
【解決手段】ネットフィルター13とその外周囲を保持する枠体12より成るプレフィルター5と、ネットフィルター13を除塵する除塵体18と、プレフィルター5の下流側に配された熱交換器7で熱交換された空気を排気口(図示せず)より吹き出させる送風機(図示せず)と、除塵体18を移動させる駆動体(図示せず)を設け、ネットフィルター13の細径穴より小さな捕集穴を多数有する後フィルター29とその外周囲を保持する後枠体30で形成したメインフィルター6を、プレフィルター5と熱交換器7との間に設けたもので、プレフィルター5で捕集された粗塵は、確実に除塵体18で除去され、プレフィルター5を通過した細塵は、後フィルター29で確実に捕集される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関するもので、特に、フィルターに付着した塵埃を除去する除塵体を有する空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機に使用される塵埃捕集用のフィルターには、多数の細径穴が設けられているが、この細径穴を大きくすると、フィルター部分での圧力損失が減少するので、空気がスムーズに通るようになり、熱交換器での熱交換効率が向上するが、これでは、外気に含まれる径の小さな浮遊粉塵が、フィルターを容易に通過し、空気調和機内の熱交換器や送風機等に付着して、それらの機能を著しく低下させ、故障等の原因となる。逆に、フィルターの細径穴を小さくすると、径の小さな浮遊粉塵も確実に捕集できるが、フィルターの細径穴が塵埃で塞がれやすくなって、外気が通過しにくくなり、フィルターでの圧力損失が増加し、逆に、熱交換器での熱交換効率が低下する。
【0003】
この問題を解決する方策として、図9に示すように、多数の細径穴を有するフィルター70の上流側の表面に摺接する除塵体71と、除塵体71を上下に移動させる駆動体72を設け、駆動体72を駆動して除塵体71をフィルター70の上流側の表面に沿って上下動させて、フィルター70の表面に付着した塵埃を除去するようにして、フィルター70の目詰まりを防止して、フィルター70での圧力損失増加を防ぐようにした空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
又、図10に示すように、熱交換器(図示せず)の風上側に配された回転式のロールフィルター73と、ロールフィルター73の外側の表面に摺接してロールフィルター73に付着した塵埃を除去する除塵体74と、ロールフィルター73を回転駆動する回転駆動体75と、除塵体74で除去された塵埃を収納する塵埃収納室76を備え、回転駆動体75でロールフィルター53を回転させながら、塵埃体74で、ロールフィルター73に付着した塵埃を除去するようにした空気調和機もある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−170430号公報
【特許文献2】特開平6−114224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の空気調和機に構成によれば、除塵体71がフィルター70の表面に所定の圧力で接触しながらフィルター70の表面を擦る為、図11に示すように、フィルター70の細径穴70aに刺さった状態で捕集されているような塵埃77は、除塵体71の接触圧力により、通過が促進され、結局細径穴70aを通り抜けて、フィルター70の下流側に収納されている熱交換器78や送風機(図示せず)に、付着、堆積して、それぞれの機能低下、例えば、熱交換器78の場合は、放熱フィン(図示せず)に塵埃が付着することで、エネルギー交換効率が一気に低下して、それに伴う維持費の拡大、又、送風機の場合は、塵埃が羽根(図示せず)に付着することにより、回転のアンバランスが生じて、高騒音や高振動等を引き起こすなどの課題があった。さらには、フィルター70を通り抜けた塵埃が、空気調和機の吹き出し口(図示せず)から室内に吹き出されるなどの課題があった。
【0006】
又、特許文献2に記載されたような従来の空気調和機の構成では、ロールフィルター73はベルト状で、同一フィルターが所定間隔をおいて前後に対向して配置された構成になっており、しかも塵埃捕集用の細径穴(図示せず)は、前側も後側も同一のため、万一、塵埃(図示せず)が、前側のロールフィルター73を通過した場合、その塵埃は、後側のロールフィルター73の上流面で捕捉され、その後、ロールフィルター73が回転して前側に移動すると、今度は、塵埃を捕捉したロールフィルター73の面が下流面となり、そこに捕捉されていた塵埃が、送風機(図示せず)の吸引力で、今度は後側のロールフィルター73の上流面に移動し捕捉される。
【0007】
すなわち、ロールフィルター73の前側と後側で構成される空間に塵埃が留まり、外気の通風を阻害し、熱交換器(図示せず)の熱交換効率の低下や送風機の吸引力低下となり、それらの機能を大幅に低下させるという課題を有する。また、特に、熱交換器を構成する放熱フィン(図示せず)は、ロールフィルター73に近接して配置されているので、放熱フィン間に塵埃が付着すると、その塵埃除去作業が非常に困難になる、という課題を有していた。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、熱交換器や送風機への塵埃の付着を確実に防止すると共に、塵埃によるフィルターの目詰まりを防止し、優れた熱交換効率を長期に渡って維持できる空気調和機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、吸込み口と排気口を有する本体に、前記吸込み口と前記排気口を連通する通過風路を形成し、前記通過風路内に、多数の細径穴を有するシート状のフィルターと該フィルターの外周囲を保持する枠体より成るプレフィルターと、前記フィルターの上流面に接触して除塵する除塵体と、前記プレフィルターの下流側に配された熱交換器と、室内の空気を前記吸込み口から吸引し、前記熱交換器で熱交換された空気を前記排気口より吹き出させる送風機を配し、さらに、前記除塵体乃至前記プレフィルターを移動させる駆動体を設けると共に、前記フィルターの細径穴より小さな捕集穴を多数有するシート状の後フィルターと前記後フィルターの外周囲を保持する後枠体で形成したメインフィルターを、前記プレフィルターと前記熱交換器との間に設けたもので、プレフィルターの上流面に接触する除塵体を設けることで、プレフィルターに捕集された塵埃は、確実に除塵され、フィルターの細径穴が塵埃で目詰まりすることが無く常に新鮮となる。また、除塵体の接触力により、細径穴を通過したごく一部の塵埃は、プレフィルターとメインフィルターとの間に形成された所定空間で、すなわち急激に増大する通過面積のために失速してメインフィルターの上流側に落下したり、プレフィルターのフィルターの細径穴より小さな捕集穴を有するメインフィルターの後フィルターで確実に捕集されるので、塵埃が、メインフィルターの下流側に収納されている熱交換器や送風機に付着することを防止できる。この時、プレフィルターを構成するフィルターは、枠体の上流面で、メインフィルターを構成する後フィルターも後枠体の上流面で、それぞれ保持されているため、それぞれ捕集された塵埃は、枠体と後枠体に堆積することがなく、所定箇所に収納されるので、その清掃作業を容易に行うことが出来る。さらに、万一プレフィルターが破れて塵埃が通過しても、メインフィルターで捕獲されるので、熱交換器や送風機は、塵埃付着に伴う性能低下や故障等が発生することがない。
【0010】
また、プレフィルターでほとんどの塵埃が除去されるので、メインフィルターで捕捉される細塵の量が少くなり、メインフィルターに付着した細塵の除去作業は、従来、年に数回のメンテナンス作業が必要であったが、10年に一度と、作業頻度を極めて低くする事ができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の空気調和機は、熱交換器や送風機への塵埃の付着を確実に防止すると共に、塵埃によるフィルターの目詰まりを防止し、優れた熱交換効率を長期に渡って維持できる。。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、吸込み口と排気口を有する本体に、前記吸込み口と前記排気口を連通する通過風路を形成し、前記通過風路内に、多数の細径穴を有するシート状のフィルターと該フィルターの外周囲を保持する枠体より成るプレフィルターと、前記フィルターの上流面に接触して除塵する除塵体と、前記プレフィルターの下流側に配された熱交換器と、室内の空気を前記吸込み口から吸引し、前記熱交換器で熱交換された空気を前記排気口より吹き出させる送風機を配し、さらに、前記除塵体乃至前記プレフィルターを移動させる駆動体を設けると共に、前記フィルターの細径穴より小さな捕集穴を多数有するシート状の後フィルターと前記後フィルターの外周囲を保持する後枠体で形成したメインフィルターを、前記プレフィルターと前記熱交換器との間に設けたもので、プレフィルターの上流面に接触する除塵体を設けることで、プレフィルターに捕集された塵埃は、確実に除塵され、フィルターの細径穴が塵埃で目詰まりすることが無く常に新鮮となる。また、除塵体の接触力により、細径穴を通過したごく一部の塵埃は、プレフィルターとメインフィルターとの間に形成された所定空間で、すなわち急激に増大する通過面積のために失速してメインフィルターの上流側に落下したり、プレフィルターのフィルターの細径穴より小さな捕集穴を有するメインフィルターの後フィルターで確実に捕集されるので、塵埃が、メインフィルターの下流側に収納されている熱交換器や送風機に付着することを防止できる。この時、プレフィルターを構成するフィルターは、枠体の上流面で、メインフィルターを構成する後フィルターも後枠体の上流面で、それぞれ保持されているため、それぞれ捕集された塵埃は、枠体と後枠体に堆積することがなく、所定箇所に収納されるので、その清掃作業を容易に行うことが出来る。さらに、万一プレフィルターが破れて塵埃が通過しても、メインフィルターで捕獲されるので、熱交換器や送風機は、塵埃付着に伴う性能低下や故障等が発生することがない。
【0013】
また、プレフィルターでほとんどの塵埃が除去されるので、メインフィルターで捕捉される細塵の量が少くなり、メインフィルターに付着した細塵の除去作業は、従来、年に数回のメンテナンス作業が必要であったが、10年に一度と、作業頻度を極めて低くする事ができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明のメインフィルターの断面形状を、山部と谷部等を有する略ノコギリ刃状に形成し、後フィルターの塵埃捕集有効面積を、フィルターの塵埃捕集有効面積と略同一又はそれ以上としたもので、一般的にフィルターの面積は、大きいほうが、細径穴をより多数確保でき、送風機への外気通過圧力損失を小さくすることが出来るが、平面状に形成されたフィルターだと収納空間が大きくなり、製品本体も大きくなるが、そのフィルターの断面形状を山部と谷部を有する略ノコギリ刃状とすることで、収納空間の大型化を解消でき、当然、多量の塵埃を捕集できるので、特に、プレフィルターを通過した微細塵を捕獲する後フィルターにおいては、特に除塵体を設けなくてもその機能を発揮することができる。また、断面形状が略ノコギリ刃状のために、その強度は飛躍的に向上し、万一、後フィルターに目詰まり等が生じても、送風機の吸引力に耐え、熱交換器側への変形が防止できる。さらに、後フィルターの谷部とプレフィルターとの間に、所定空間が確保されるので、プレフィルターを通過した塵埃は、通過面積の増大に伴い失速し、メインフィルターに捕集される前に落下し、メインフィルターの目詰まりを防止することができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明のプレフィルターを、メインフィルターに対し着脱自在としたもので、空気調和機本体に、プレフィルターとメインフィルターを取り付ける際に、プレフィルターとメインフィルターを事前に一体化しておくことが出来るので、組み立て作業が容易で、かつ、メンテナンス時等においても、プレフィルターを単独で取り外すことが可能となり、作業効率が向上する。また、メインフィルターで捕集された塵埃は、除塵体乃至プレフィルターを駆動する駆動体の振動で、塵埃を落下させて除塵することが出来るので、清掃作業の改善が可能で便利である。
【0016】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明のプレフィルターを、後フィルターの外周囲を覆うよう後枠体に取り付け、前記プレフィルターの下端部に、メインフィルターからの塵埃を収納する収納空間を形成したもので、外気は、確実にプレフィルターを通過するので、所定の大きさの塵埃を確実にプレフィルターで捕獲することができる。また、プレフィルターを通過した細塵は、メインフィルターで捕獲された後、除塵体の振動により、落下し、プレフィルターの下端部に配された収納空間に確実に収納されるので、その塵埃の廃棄処理が容易になる。なお、後フィルターの外周囲に形成されるプレフィルター取り付け枠の前記収納空間に収納される部分に欠き部を設けるようにすれば、後フィルターからの落下塵埃がプレフィルター取り付け枠に堆積することなく、確実に収納空間に収納することができるので、塵埃処理が容易である。
【0017】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明のメインフィルターの上流側の一部を、プレフィルターに当接させたもので、メインフィルターの上流側の一部を、プレフィルターの下流側に接触させることで、除塵体の振動が、メインフィルターの後フィルターに直接伝わり、メインフィルターで捕獲された塵埃が、その振動により確実に除塵されるので、メインフィルターの目詰まりをより確実に防止できると共に、送風機の温度を低く抑えられる為、長寿命化できる。さらに、プレフィルターの目詰まり等により発生する送風機の吸引力での変形や、除塵体の接触圧力による変形をも防止するので、除塵体の除塵効果が低下するのを防止することができる。なお、後フィルターの山部の一部をプレフィルターに当接させるようにしても、振動は伝達されるので、除塵効果は期待できるものである。
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
【0020】
図1は、本発明の第1の実施例における空気調和機の縦断面図、図2は、同空気調和機の各フィルターと除塵体の取付け状態を示す縦断面図、図3は、図2の横断面図、図4は、同空気調和機の各フィルターと除塵体の取付け構成を示す分解斜視図である。
【0021】
1は、前面に室内の塵埃を含む空気が吸引される吸込み口2と、下方に、吸引された空気を清浄空気として室内に放出する排気口3を有する空気調和機の本体で、内部に、吸込み口2と排気口3を連通する通過風路4が形成されている。この通過風路4には、その上流側から下流側に向かい、粗塵、すなわち比較的粗い浮遊粉塵を捕獲するプレフィルター5と、該プレフィルター5を通過した細塵を捕獲するメインフィルター6と、冷熱エネルギ−等を放出する多数の放熱フィン(図示せず)を有する熱交換器7と、吸込み口2から室内の空気を吸引し、プレフィルター5と、メインフィルター6を通過させ、熱交換器7で熱交換された空気を排気口3から吹き出させるための送風機8がそれぞれ収納されている。
【0022】
プレフィルター5は、後述する後フィルター29の下方に、塵埃を収納するための収納空間11を確保しながら、後フィルター29全体を覆う共に、一端に開口12aを有する箱状の枠体12と、該枠体12の他端の上流面12bに固着された化学繊維でシート状に形成され塵埃を捕集する多数の細径穴を有するネットフィルター13と、該ネットフィルター13を中央にして左右に対向して、枠体12の上端から下端付近まで立設され、長穴状に形成されたガイド溝14を有するガイド15と、一方のガイド15の外側に、該ガイド15と並列に立設された減速受けギア16がそれぞれ設けられている。
【0023】
さらに、枠体12の側壁12cには、枠体12をメインフィルター6に着脱自在に取り付けるための取付穴12dが複数形成され、枠体12の下端には、枠体12をメインフィルター6に着脱するための取っ手12eが形成されている。また、ネットフィルター13の後面側には、該ネットフィルター13のたるみ等の変形を防止する枠体格子12fが略十文字状に枠体12に一体的に形成されている。
【0024】
18は、プレフィルター5の上流面に所定圧力で当接して、回転しながら、プレフィルター5に付着した粗塵を除去する回転ブラシ19と軸体20を有する除塵体18で、軸体20の両端部は、ガイド15に設けたガイド溝14にそれぞれ回転かつ可動自在に支持されている。
【0025】
21は、モーターからなり、回転ブラシ19を回転させながら、ガイド溝14内を上下に移動させる駆動体で、軸体20の一端に連結されている。軸体20の他端には、減速受けギア16に噛み合う減速ギア22が固着されており、駆動体21を駆動して、減速ギア22を正転、反転させることにより、除塵体18を、所定速度で上下動させることが出来るようになっている。
【0026】
23は、ガイド15を両側から狭持する回転ガイド体で、除塵体18の軸体20がガイド溝14内を上下に移動する際に、回転ブラシ19が左右にぶれるのを防止するためのものである。
【0027】
26は、回転ブラシ19でプレフィルター5から除去された塵埃を収納すると共に上面開口部26aを有する塵埃収納室26bより形成された塵埃収納体で、上面開口部26aには、回転ブラシ19の全幅の下方部を収納するように、上面開口部26aに対向して形成され軸体20を保持する一対の軸受け穴26cが設けられている。
【0028】
27は、回転ブラシ19で除去された塵埃を、塵埃収納室26bに剥離落下させるための除塵子で、上面開口部26aに設けられている。
【0029】
メインフィルター6は、プレフィルター5のネットフィルター13の細径穴より小径の捕集穴を多数有するとともに、プレフィルター5より広い塵埃捕集有効面積を有するシート部材を、山部29aと谷部29b及び傾斜面29cより成る横断面形状が略ノコギリ刃状に形成して構成された後フィルター29と、その外周囲を、谷部29bが上流面30aより上流側に位置するように固着する後枠体30から構成されている。
【0030】
該後枠体30の外周囲は、本体1にシール部材31を介して、取り付けられている。30bは、後枠体30の上流面30aで、後フィルター29の外周囲に立設して形成されたプレフィルター取付け枠で、プレフィルター5を着脱自在に支持するための取り付け突起30cが、枠体12に設けた取付け穴12dに嵌合するように形成されている。
【0031】
プレフィルター取付け枠30bの下方には、切り欠かれた切り欠き部30dがあり、後フィルター29から落下した塵埃が、切り欠き部30dに堆積せず、収納空間11に確実に堆積するように構成されている。
【0032】
また、後枠体30の一部に、かつ上部から下部にかけてブリッジ状に複数のストレート部30eが形成され、そのストレート部30eのそれぞれが、後フィルター29の各谷部29bに配されているので、後フィルター29全体の強度が向上するとともに、谷部29bに堆積する塵埃が、落下しやすくなるように配慮されている。
【0033】
33は、熱交換器7を、本体1に弾性支持するための弾性体である。34は、多数の電子部品より構成された制御体で、例えば温度や湿度あるいは塵埃等を検知するための各種のセンサー25の検知データに基づき、送風機8や、圧縮機(図示せず)の出力等を所定値に制御するものである。
【0034】
また、この制御体34は、送風機8が停止後乃至運転前に、必ず駆動体21を制御して除塵体18を、ガイド溝14に沿って少なくとも一往復させるようにしている。したがって、駆動体21の動作時に送風機8が停止しているので、プレフィルター5に吸引捕集された塵埃は、回転ブラシ19により容易に除塵される。
【0035】
又、本実施例では、プレフィルター5のネットフィルター13と、メインフィルター6の後フィルター29との間には、所定間隔Gをおき、所定空間を確保するようにしている。
【0036】
以上のように構成された本実施例における空気調和機の動作、作用は、以下の通りである。
【0037】
本実施例では、空気調和機の運転が停止しているときは、除塵体18は、図2に示すように、プレフィルター5の上端(初期位置)に位置している。そして、使用者が図示しないリモコンを操作して、例えば、冷房運転を開始すると、圧縮機(図示せず)と、送風機8が駆動し、室内の空気が吸込み口2から吸引され、プレフィルター5のネットフィルター13、メインフィルター6の後フィルター29を通過し、熱交換器7で冷やされ、冷えた空気が、排気口3より室内に吹き出される。
【0038】
塵埃を含んだ空気がプレフィルター5のネットフィルター13を通過する際に、比較的大きな粗塵が捕獲されネットフィルター13の上流側の表面に付着して残り、ネットフィルター13を通り抜けた細塵は、メインフィルター6の後フィルター29で捕獲され、きれいになった空気のみが、熱交換器7に流入するようになっている。
【0039】
使用者が、冷房運転を停止すると、圧縮機と、送風機8の運転が停止すると共に、駆動体21の駆動が開始し、除塵体18の回転ブラシ19が反時計方向に回転する。このとき除塵体18の軸体20の端部に設けた減速ギア22が、枠体12に設けた減速受けギア16と噛み合っているので、除塵体18が下降を開始する。このようにして、除塵体18が下方に移動しながら回転ブラシ19が回転することにより、プレフィルター5のネットフィルター13の全域に付着した粗塵が、除去され、塵埃収納室26bに落下し、そこに堆積する。除塵体18の回転ブラシ19で除去された塵埃が落下せず回転ブラシ19に付着したまま残ることがあるが、本実施例では、塵埃収納体26の上面開口部26aに設けた除塵子27で回転ブラシ19に付着した塵埃を剥離するので、塵埃を確実に塵埃収納室26b内に落下させることが出来る。
【0040】
除塵体18が、プレフィルター5の下端に達すると、制御体34は、駆動体21を逆転させ、除塵体18を上方に移動させ、プレフィルター5の上端、すなわち初期位置に到達すると、駆動体21の運転を停止する。
【0041】
このように、空気調和機の冷房運転、暖房運転或いは除湿運転の終了の都度、プレ除塵体18でプレフィルター5を清掃するので、冷房運転、暖房運転或いは除湿運転の各運転開始時には、プレフィルター5に塵埃が残っておらず、外気は、プレフィルター5をスムーズに通過し、熱交換器7による外気の熱交換効率も低下することがない。
【0042】
何度かこのようなプレフィルター5の清掃運転を行うと、塵埃収納体26の塵埃収納室26bが塵埃で一杯になってくるが、そのときは、塵埃収納体26を空気調和機の本体1から取り外し、中の塵埃を廃棄すれば良い。
【0043】
又、プレフィルター5のネットフィルター13を通過した細塵は、メインフィルター6の後フィルター29で捕捉され、その上流側表面に付着するが、本実施例では、フィルター29の断面形状が略ノコギリ刃状に形成され、濾過面積が大きいので、細塵が後フィルター29に付着してもさほど、空気調和機の熱交換効率に悪影響を与えることが無い。また、細塵がフィルター29の表面にある程度堆積してくると、送風機8や圧縮機の停止時の大きな振動で振るい落とされ、下方に設けた収納空間11に落下し、そこに貯められる。しかしこの収納空間11には、細塵しかたまらないので、定期的に掃除する必要は無く、10年に一度位の頻度で、掃除するようにしても十分である。
【0044】
尚、上記実施例では、冷房運転、暖房運転或いは除湿運転の各運転終了時にプレフィルター5を清掃するようにしたが、冷房運転、暖房運転或いは除湿運転の各運転の開始時に行うようにしても良い。
【0045】
以上のように、従来のプレフィルターは、圧損を低減するために、細径穴を大きくしていたため細塵が通り抜けていたが、本実施例では、圧損を従来と略同一にする為、プレフィルター5の細径穴を従来より大きくし、メインフィルター6の細径穴を従来より細かくすると共に、波形にする事により、メインフィルター6の面積を増やして、メンテナンス頻度を従来よりも大幅に少なくしたものである。
【0046】
又、プレフィルター5の上流面に接触する除塵体18を設けることで、プレフィルター5で捕集された塵埃は、確実に除塵され、プレフィルター5のネットフィルター13の細径穴が塵埃で目詰まりすることが無く常に新鮮となる。また、除塵体18の接触力により、細径穴を通過したごく一部の塵埃は、プレフィルター5とメインフィルター6との間に形成された所定空間で、すなわち急激に増大する通過面積のために失速してメインフィルター6の上流側に落下したり、プレフィルター5のネットフィルター13の細径穴より小さな捕集穴を有するメインフィルター6の後フィルター29で確実に捕集されるので、塵埃が、メインフィルター6の下流側に収納されている熱交換器7や送風機8に付着することを防止できる。
【0047】
この時、プレフィルター5を構成するネットフィルター13は、枠体12の上流面12bに、メインフィルター6を構成する後フィルター29も後枠体30の上流面30aに、それぞれ設けられているため、それぞれ捕集された塵埃は、枠体12と後枠体30に堆積することがなく、所定箇所に収納されるので、それらの清掃作業も容易に行うことが出来る。
【0048】
さらに、万一プレフィルター5が破れて塵埃が通過しても、メインフィルター6で捕獲されるので、熱交換器7や送風機8は、塵埃付着に伴う性能低下や故障等が発生することがない。
【0049】
また、メインフィルター6に付着した塵埃の除去作業は、従来、年に数回のメンテナンス作業が必要であったが、上記構成により、作業頻度を極めて低くする事ができ、10年に1度程で済むようになる。
【0050】
一般的にフィルターの面積は、大きいほうが、細径穴をより多数確保でき、送風機8への外気通過圧力損失を小さくすることが出来るが、平面状に形成されたフィルターだと収納空間が大きくなり、製品本体も大きくなるが、本実施例では、後フィルター29の断面形状を山部29aと谷部29bを有する略ノコギリ刃状としているので、収納空間の大型化を解消でき、当然、多量の塵埃を捕集できるので、特に、プレフィルター5を通過した細塵を捕獲する後フィルター29においては、特に専用の除塵体を設けなくてもその機能を発揮することができる。また、断面形状が略ノコギリ刃状のために、その強度は飛躍的に向上し、万一、後フィルター29に目詰まり等が生じても、送風機8の吸引力に耐え、熱交換器7側への変形が防止できる。さらに、後フィルター29の谷部29aとプレフィルター5との間に、所定空間が確保されることにより、プレフィルター5を通過した塵埃は、通過面積の増大に伴い失速し、メインフィルター6に捕集される前に落下し、メインフィルター6の目詰まりを防止することができる。
【0051】
又、プレフィルター5を、メインフィルター6に対し着脱自在としたことにより、空気調和機の本体1に、プレフィルター5とメインフィルター6を取り付ける際に、プレフィルター5とメインフィルター6を事前に一体化しておくことが出来るので、組み立て作業が容易で、かつ、メンテナンス時等においても、プレフィルター5を単独で取り外すことが可能となるので、作業効率が向上する。また、メインフィルター6で捕集された塵埃は、除塵体18乃至プレフィルター5を駆動する駆動体21の振動で、塵埃を落下させて除塵することが出来るので、清掃作業の改善が可能で便利である。
【0052】
また、プレフィルター5を、後フィルター29の外周囲を覆うよう後枠体30に取り付け、プレフィルター5の下端部に、メインフィルター6からの塵埃を収納する収納空間11を形成したことにより、プレフィルター5を通過した細塵は、メインフィルター6で捕獲された後、除塵体18等の振動により、落下し、プレフィルター5の下端部に配された収納空間11に確実に収納されるので、その塵埃の廃棄処理が容易になる。なお、後フィルター29の外周囲に形成されるプレフィルター取り付け枠30bの収納空間11に収納される部分に切り欠き部30dを設けているので、後フィルター29からの落下塵埃がプレフィルター取り付け枠30bに堆積することなく、確実に収納空間11に収納することができるので、塵埃処理が容易である。
【0053】
(実施例2)
【0054】
図5は、本発明の第2の実施例における空気調和機の要部断面図である。尚、上記第1の実施例における空気調和機と同一部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
本実施例は、図5に示すように、メインフィルター6の後フィルター29の山部29aをプレフィルター5の枠体格子12fの下流面12gに当接させたもので、他の構成は上記第1の実施例と同一である。
【0056】
以上のように、本実施例における空気調和機によれば、メインフィルター6の上流側の一部、すなわち後フィルター29の山部29aを、プレフィルター6の下流側に接触させることで、除塵体18の振動が、メインフィルター6の後フィルター29に直接伝わり、メインフィルター6で捕獲された塵埃が、その振動により確実に除塵されるので、メインフィルター6の目詰まりを、より確実に防止できると共に、送風機8の温度を低く抑えられる為、長寿命化できる。
【0057】
また、プレフィルター5の枠体12の後面が、メインフィルター6の後フィルター29の山部29aで支持されるので、プレフィルター6の目詰まり等により発生する送風機8の吸引力での変形や、除塵体18の接触圧力による変形をも防止するので、除塵体18の除塵効果が低下するのを防止することができる。
【0058】
(実施例3)
【0059】
図6は、本発明の第3の実施例における空気調和機の構成の概略を示す断面図である。尚、上記第1の実施例における空気調和機と同一部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
上記第1の実施例では、固定されたプレフィルターの上流側表面に沿って除塵体を移動させて、塵埃を除去するようにしたが、本実施例は、除塵体の位置を固定し、プレフィルターを移動させて塵埃を除去するようにしたものである。
【0061】
図6において、本実施の形態における空気調和機は、上流側から順に、空気に含まれる粗塵を捕獲すると共にベルト状に形成されたプレフィルター39と、プレフィルター39を通過した細塵を捕獲するメインフィルター6と、吸引された空気を熱交換する熱交換器7と、室内の空気を、プレフィルター39と、メインフィルター6を通して吸引し、熱交換器7で熱交換された空気を室内に吹き出すための送風機8を内蔵している。
【0062】
プレフィルター39は、プレフィルター39を回転移動させる回転駆動体40と、回転自在の回転ローラー38間に張架されている。
【0063】
プレフィルター39の下方には、プレフィルター39の表面に付着した粗塵を除去する除塵体41と、除塵体41で除去され落下してくる粗塵を受ける粗塵収納室42aを有すると共に本体1に着脱自在の塵埃収納体42が配されている。
【0064】
除塵体41は、軸体41aと、軸体41aの外周に形成されると共に、プレフィルター39の表面に摺接する回転ブラシ41bから構成され、軸体41aは、図示しない第2の駆動体で回転駆動されるようになっている。
【0065】
43は、回転ブラシ41bに付いた粗塵を梳るための除塵子で、塵埃収納室42aの内壁に設けられている。
【0066】
又、メインフィルター6の下方には、メインフィルター6から落下してくる細塵を受け、貯める細塵収納室44が設けられている。
【0067】
なお、本実施例では、塵埃収納体42に、粗塵収納室42aと細塵収納室44を一体的に形成している。
【0068】
メインフィルター6で捕獲された細塵は、プレフィルター39等の回転力による振動でも落下するが、本実施例では、メインフィルター6の一部に、プレフィルター39に当接する伝達部45を設け、プレフィルター39の駆動時の振動を確実に、且つ強力にメインフィルター6に伝えて細塵の落下を促している。
【0069】
また、伝達部45を、プレフィルター39の全幅に渡って当接させることで、メインフィルター6に付着した細塵を除塵する除塵子の役割りも果す事が出来る。なお、伝達部45は、メインフィルター6の後フィルター29の山部29aで兼ねても良い。
【0070】
又、本実施例では、細塵収納室44の塵埃収納容積を、粗塵収納室42aのそれよりも小さく設定している。
【0071】
以上のように構成された本実施の形態における空気調和機のプレフィルター39の清掃動作は以下の通りである。
【0072】
空気調和機を運転する都度、吸引される空気に含まれる粗塵は、上流側に位置するプレフィルター39で捕獲され、そのプレフィルター39を通り抜けた細塵は、下流側に位置するメインフィルター6で捕獲される。
【0073】
本実施例では、空気調和機の運転(冷房運転、暖房運転又は除湿運転)の終了の都度、除塵体41を第2の駆動体で回転駆動しながら、回転駆動体40を、図6に示すように反時計方向に回転させて、プレフィルター39の半分を移動、すなわち、プレフィルター39の上流側と、下流側を入れ替える。この移動の間に、除塵体41が、プレフィルター39の表面に付着した粗塵を除去し、除去された粗塵は粗塵収納室42aに落下する。
【0074】
また、メインフィルター6で捕獲された細塵は、伝達部45を介してプレフィルター39から伝わってくる振動でふるい落とされ細塵収納室44内に落下する。ここで、塵埃の量或いは堆積具合を検知する塵埃検知センサー(図示せず)を、特に、塵埃量の多い粗塵収納室42aに設けておき、制御体34を介して、塵埃処理時期を告知又は表示させるようにしておけば、その告知或いは表示に従って、塵埃収納体42を本体1から取り外し、中の粗塵を、容易に廃棄することが出来る。
【0075】
又、本実施例では、細塵収納室44が、塵埃収納体42に一体に形成されているので、粗塵収納室42aの粗塵を廃棄処理するときに、細塵収納室44の細塵も同時に処理することができ、細塵の量を検知する細塵量検知センサーを、細塵収納室44に別途設ける必要は無い。
【0076】
尚、本実施例では、除塵体41を回転させて、プレフィルター39の表面に付着した粗塵を除去するようにしたが、本発明は、特にこれに限定されるものではなく、略帯状のブラシ部材で形成された除塵体で、プレフィルター39の表面に付着した粗塵をこそぎ落とすようにしても良い。この場合は、除塵子が不要になることは言うまでも無い。
【0077】
図7は、本発明の第4の実施例における空気調和機のプレフィルターとメイインフィルター及び除塵体の取り付け断面図、図8は、同空気調和機の除塵体とプレフィルターの斜視図である。尚、上記第1の実施例における空気調和機と同一部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
図7、8において、本実施例における空気調和機の粗塵を捕獲するプレフィルター47は、後述のメインフィルター55の後フィルター56全体を覆うと共に箱状の枠体48と、化学繊維でシート状に形成され塵埃を捕集する多数の細径穴を有するネットフィルター49から構成され、枠体48の上流面48aの左端、右端及び略中央部に、枠体48の上端から下端付近にかけて、長穴状に形成されたガイド溝50を有するガイド51が立設されている。枠体48の略中央部に設けたガイド51の左右に形成された開口部48bを覆うように、ネットフィルター49の外周囲が枠体48の上流面48aに固着されている。また、このネットフィルター49の下流面側の一部は、枠体48の開口部48bに形成された枠体格子48cにも固着されている。
【0079】
枠体48の一方の端部に設けたガイド51の外側には、そのガイド51と平行に減速受けギア52が設けられている。また、枠体48には、メインフィルター55に着脱自在に取り付けるための複数の取付け穴48dと、取っ手48eが設けられている。53は、枠体48の下流面側の略中央で下流に向かって、下流面側の左右を2分割するよう立設された補強体で、その先端部は、プレフィルター47を通り抜けた細塵を捕獲するメインフィルター55に当接している。53aは、補強体53に形成され、左右に分割された空間を連通する連通穴である。
【0080】
55は、左右に分割された後フィルター56を有するメインフィルターで、その上流側中央部には、枠体48に設けた補強体53の両面を着脱自在に支持する補強受け57が形成されている。
【0081】
58は、左右に分割されたプレフィルター47のネットフィルター49で捕獲された粗塵を除去する除塵体で、ガイド51に設けたガイド溝50で案内される軸体59と、軸体59に固着されると共に、左右のネットフィルター49のそれぞれに摺接する回転ブラシ60から構成され、軸体59の一方の端部には、枠体48に形成された減速受けギア52と噛み合う減速ギア61が固着され、軸体59の他端には、駆動体21が連結されている。62は、それぞれ円板状で枠体48の左端に設けたガイド51を両側から抱くように、軸体59に取り付けられた回転ガイド体で、軸体59が、左右方向にずれるのを防止するためのものである。
【0082】
プレフィルター47の枠体48の下流面側に形成された枠体格子48cの一部は、それぞれ後フィルター56に当接している。
【0083】
駆動体21を駆動することにより、除塵体58をプレフィルター47の上端から下端に移動させながら、回転ブラシを60を回転させて、プレフィルター47のネットフィルター49の表面に付着した粗塵を除去する動作は、上記第1の実施例と同一である。
【0084】
粗塵の捕獲量を多量に確保したい場合は、ネットフィルター49の面積を大きくすれば、解決できるが、そうするとネットフィルター49の強度確保が困難となりやすいが、本実施例では、プレフィルター47の略中央部の一部を、補強体53を介してメインフィルター55に当接させているので、プレフィルター47が変形するのを防止でき、このため、回転ブラシ59も確実にネットフィルター49に当接し、除塵効率を向上させることができる。また、プレフィルター47の振動が補強体53を介してメインフィルター55に伝達されやすくなるので、メインフィルター55の除塵が促進される。
【0085】
また、補強受け57は、補強体53を左右から保持するようにしているので、プレフィルター47全体の位置決めの役目も果せ、確実にプレフィルター47をメインフィルター55に取り付けることが出来る。また、枠体48の枠体格子48cの一部を、メインフィルター55の後フィルタ−56に当接させることで、さらに変形防止効果を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、熱交換器や送風機への塵埃の付着を確実に防止すると共に、塵埃によるフィルターの目詰まりを防止し、優れた熱交換効率を長期に渡って維持できるもので、家庭用、業務用の各種空気調和機に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施例における空気調和機の縦断面図
【図2】同空気調和機の各フィルターと除塵体の取付け状態を示す縦断面図
【図3】図2の横断面図
【図4】同空気調和機の各フィルターと除塵体の取付け構成を示す分解斜視図
【図5】本発明の第2の実施例における空気調和機の要部断面図
【図6】本発明の第3の実施例における空気調和機の構成の概略を示す断面図
【図7】本発明の第4の実施例における空気調和機のプレフィルターとメインフィルター及び除塵体の取り付け断面図
【図8】同空気調和機の除塵体とプレフィルターの斜視図
【図9】従来の空気調和機のフィルターの斜視図
【図10】従来の空気調和機の他の例を示す部分斜視図
【図11】同空気調和機の要部拡大断面図
【符号の説明】
【0088】
1 本体
2 吸込み口
3 排気口
4 通風回路
5、39、47 プレフィルター
6、55 メインフィルター
7 熱交換器
8 送風機
12、48 枠体
13、49 ネットフィルター(フィルター)
18、41、58 除塵体
20、59 軸体
29、56 後フィルター
30 後枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込み口と排気口を有する本体に、前記吸込み口と前記排気口を連通する通過風路を形成し、前記通過風路内に、多数の細径穴を有するシート状のフィルターと該フィルターの外周囲を保持する枠体より成るプレフィルターと、前記フィルターの上流面に接触して除塵する除塵体と、前記プレフィルターの下流側に配された熱交換器と、室内の空気を前記吸込み口から吸引し、前記熱交換器で熱交換された空気を前記排気口より吹き出させる送風機を配し、さらに、前記除塵体乃至前記プレフィルターを移動させる駆動体を設けると共に、前記フィルターの細径穴より小さな捕集穴を多数有するシート状の後フィルターと前記後フィルターの外周囲を保持する後枠体で形成したメインフィルターを、前記プレフィルターと前記熱交換器との間に設けたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
メインフィルターの断面形状を、山部と谷部等を有する略ノコギリ刃状に形成し、後フィルターの塵埃捕集有効面積を、フィルターの塵埃捕集有効面積と略同一又はそれ以上としたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
プレフィルターを、メインフィルターに対し着脱自在としたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の空気調和機。
【請求項4】
プレフィルターを、後フィルターの外周囲を覆うよう後枠体に取り付け、前記プレフィルターの下端部に、メインフィルターからの塵埃を収納する収納空間を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
メインフィルターの上流側の一部を、プレフィルターに当接させたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−2070(P2010−2070A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158969(P2008−158969)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】