説明

空気調和装置の室外機

【課題】熱交換器から滴下する結露水を速やかに外部へ排出することができる室外機を提供する。
【解決手段】室外機2の底フレーム26における熱交換器13の下方に排水口42,44が形成され、底フレーム26の基礎脚40は、底フレーム26の下面に当接する上板51b,52b、設置面Gに固定される下板51a,52a、及び上板51b,52bと下板51a,52aとを接続する立板51c,52cから断面コの字形状に形成され、基礎脚40は、長さ方向に関して第1の部分51と第2の部分とを含み、第1の部分51は、水平方向の外側に開放する断面コの字形状に形成されかつその下板51aが設置面Gに対して固定され、第2の部分52は、少なくとも基礎脚40の長さ方向に関して前記排水口42,44に対応する位置に設けられるとともに水平方向の内側に開放する断面コの字形状に形成され、かつその上板52bが排水口42,44の下方領域を回避した構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、空気調和装置の室外機が開示されている。この室外機の底フレームには、熱交換器や圧縮器などの冷媒回路を構成する機器が搭載され、熱交換器の下方であって底フレームの前縁及び後縁の下面には、設置面に固定される基礎脚が設けられている。この基礎脚は、地面に接する下板と、底フレームの下面に接する上板と、上板から下板へ垂直に延びる立板とから断面コの字形状に形成されている。底フレームの前縁に設けられた基礎脚は、前方に開放したコの字形状とされ、底フレームの後縁に設けられた基礎脚は、後方に開放したコの字形状とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−147250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記室外機の底フレームは、暖房運転の際に熱交換器で発生した結露水を受けるドレンパンとしての機能も有しており、底フレームの適所には結露水を排出するためのドレン孔が形成されている。
一方、寒冷地等で使用される室外機の場合、結露水が熱交換器に付着したまま凍結してしまうことがあるため、この凍結した結露水を溶かし、熱交換器から滴下させるデフロスト運転が行われる。しかし、従来の室外機は、熱交換器から滴下した結露水がドレン孔から排出されるまでに底フレーム上を流れるため、速やかに外部へ排出されず、底フレーム上で再度凍結してしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑み、熱交換器から滴下する結露水を速やかに外部へ排出することができる空気調和装置の室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、底フレームと、この底フレーム上に搭載された熱交換器と、この熱交換器の下方であって前記底フレームの下面に設けられた基礎脚と、を備えている空気調和装置の室外機であって、
前記底フレームにおける前記熱交換器の下方に排水口が形成され、
前記基礎脚は、前記底フレームの下面に当接する上板と、設置面に載置される下板と、前記上板と下板とを接続する立板とから断面コの字形状に形成され、
さらに、前記基礎脚は、長さ方向の一部である第1の部分と、長さ方向の他の一部である第2の部分とを含み、
前記第1の部分は、水平方向の外側に開放する断面コの字形状に形成されるとともに、その下板が前記設置面に対して固定され、
前記第2の部分は、前記基礎脚の長さ方向に関して少なくとも前記排水口に対応する位置に設けられるとともに、水平方向の内側に開放する断面コの字形状に形成され、その上板が前記排水口の下方領域を回避した構造を有していることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、底フレームにおける熱交換器の下方に排水口が形成されているので、熱交換器から滴下した結露水を速やかに排水口から排出することができる。したがって、デフロスト運転等によって溶けた結露水が底フレーム上で再凍結してしまうことはほとんど無い。また、基礎脚の第2の部分の上板が、排水口の下方領域を回避した構造を有しているので、当該上板が邪魔になることなく排水口から室外機の外部へ適切に水を排出することができる。また、第2の部分は、水平方向の内側に開放したコの字状に形成されているので、排水口から流れ落ちる水や基礎脚を伝った水の跡等が外部に露出せず、見栄えを損なうこともほとんど無い。さらに、基礎脚の第1の部分は、水平方向の外側に開放するコの字形状に形成されているので、設置面に対して基礎脚を固定する際に作業性が損なわれることもない。
【0008】
(2)前記第2の部分の上板は、少なくとも前記排水口の付近において当該排水口よりも水平方向の外側へ後退した退避部を有していることが好ましい。
このような構成によって、第2の部分の上板を簡素な構造としつつ、排水口から室外機の外部へ適切に水を排出することができる。
【0009】
(3)前記第2の部分には、前記退避部よりも水平方向の内側へ突出して前記底フレームの下面を支持する支持部が設けられていることが好ましい。
上記のように第2の部分の上板が水平方向の外側へ後退した退避部を有していると、当該上板に当接する底フレームの面積が小さくなり、支持強度が低下する可能性があるが、退避部よりも水平方向の内側へ突出する支持部を設けることで底フレームの支持強度を十分に確保することができる。
【0010】
(4)前記支持部は、前記排水口を避けた位置に配置されていることが好ましい。
このような構成により、支持部によって排水口からの排水性が損なわれてしまうのを防止することができる。
【0011】
(5)前記底フレームには、前記熱交換器を載置するための載置部が上方へ膨出して形成されており、この載置部に前記排水口が形成されていてもよい。
このように熱交換器に直接的に接する載置部に排水口を形成することで、熱交換器から滴下する水の排水性をより高めることができる。
【0012】
(6)前記第1の部分の下板と前記第2の部分の下板との境界部、又は前記第2の部分の下板には、当該第2の部分の下板から前記第1の部分の下板への水の流出を防止する水流出防止構造が設けられていてもよい。
このような構成によって、排水口から排出された結露水が第2の部分の下板上へ滴下しても、第1の部分の下板へ流出するのを防止することができ、結露水の流れやその跡が外部に露出するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、熱交換器から滴下する結露水を速やかに外部へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
【図2】室外機の外観を示す斜視図である。
【図3】室外機の側面パネル及び天板を取り外した状態を示す概略的な斜視図である。
【図4】室外機の内部の平面図である。
【図5】後側の基礎脚と底フレームの一部を斜め下方からみた斜視図である。
【図6】前側の基礎脚を斜め上方から見た斜視図である。
【図7】基礎脚の第1の部分の断面図である。
【図8】基礎脚の第2の部分の断面図である。
【図9】基礎脚の端部と支柱との連結部を示す平面図である。
【図10】(a)は、支柱と梁部材との連結構造を分解して示す斜視図、(b)は、ボルト挿通孔とボルトとの寸法差を示す説明図である。
【図11】支柱と梁部材との連結構造を示す正面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る室外機の基礎脚の一部を斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
空気調和装置1は、例えばビル用のマルチタイプの空気調和装置であり、1つ又は複数の室外機2に対して複数の室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、冷媒回路10が形成されている。
【0016】
室外機2には、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁14、アキュムレータ20、オイルセパレータ21等が設けられ、これらは冷媒配管によって接続されている。また、室外機2には、送風ファン23が設けられている。室内機3には、室内膨張弁15および室内熱交換器16等が設けられている。四路切換弁12と室内熱交換器16とはガス側冷媒連絡配管17aにより接続され、室外膨張弁14と室内膨張弁15とは液側冷媒連絡配管17bにより接続されている。室外機2の内部冷媒回路の端末部には、ガス側閉鎖弁18と液側閉鎖弁19とが設けられている。ガス側閉鎖弁18は四路切換弁12側に配置されており、液側閉鎖弁19は室外膨張弁14側に配置されている。ガス側閉鎖弁18にはガス側冷媒連絡配管17aが接続され、液側閉鎖弁19には液側冷媒連絡配管17bが接続される。
【0017】
上記構成の空気調和装置1において、冷房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、オイルセパレータ21及び四路切換弁12を経て室外熱交換器13に流入し、送風ファン23の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の室外膨張弁14を通過し、液側冷媒連絡配管17bを通って各室内機3に流入する。室内機3において、冷媒は、室内膨張弁15で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器16で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、図示しない室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。また、室内熱交換器16で蒸発して気化した冷媒は、ガス側冷媒連絡配管17aを通って室外機2に戻り、四路切換弁12及びアキュムレータ20を経て圧縮機11に吸い込まれる。
【0018】
他方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、オイルセパレータ21及び四路切換弁12を経て各室内機3の室内熱交換器16に流入し、室内空気と熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器16において液化した冷媒は、全開状態の室内膨張弁15から液側冷媒連絡配管17bを通って室外機2に戻る。室外機2に戻った冷媒は、室外膨張弁14で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器13で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器13で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁12及びアキュムレータ20を経て圧縮機11に吸い込まれる。
【0019】
図2は、室外機の外観を示す斜視図、図3は、室外機の側面パネル及び天板を取り外した状態を示す概略的な斜視図である。
本実施の形態の室外機2は、上吹き出しタイプであり、室外機本体(ケーシング)5と、この室外機本体5に内蔵された室外熱交換器13、圧縮機11、四路切換弁12、アキュムレータ20、オイルセパレータ21等の冷媒回路10(図1参照)を構成する機器と、電装品ユニット38と、室外機本体5の上部に設けられた送風ファン23等を備えている。
【0020】
そして、室外機2は、送風ファン23の駆動によって室外機本体5の側面から空気を吸い込み、室外熱交換器13との間で熱交換を行った後に室外機本体5の上部から上方へ空気を吹き出すように構成されている。
【0021】
図2及び図3に示されるように、室外機本体5は、略直方体形状に形成されており、底フレーム26、支柱27、梁部材28、下側面パネル29、上側面パネル25、天板24等を有している。底フレーム26は、平面視で四角形状に形成されている。また、底フレーム26の前後に対向する2辺には、地面に接地する基礎脚40が設けられている。支柱27は、上下方向に長い長尺部材からなり、底フレーム26の4隅にボルト等によって取り付けられている。
【0022】
図2に示されるように、天板24は、底フレーム26と略同一の平面視で四角形状に形成され、底フレーム26の上方に間隔をあけて配置されている。天板24の四隅には、各支柱27の上端がボルト等の連結具によって連結されている。天板24には、略四角形状の通風口24aが形成されており、この通風口24aには異物の侵入を防止するための網体24bが設けられている。
【0023】
図3に示されるように、梁部材28は、支柱27の上部側であって、天板24から下方に所定の間隔をあけた位置に配置され、前後左右に隣接する支柱27の間に架設されている。そして、室外機本体5は、底フレーム26、天板24、支柱27、梁部材28等からなる構造部材によって骨格が形成されている。
【0024】
4本の梁部材28には、ベルマウス30が取り付けられている。このベルマウス30は、送風ファン23の外周部を囲う通風ガイド(通風部材)30aを有しており、通風ガイド30aは、室外機本体5からの空気の吹き出し口を形成している。また、前後の梁部材28には図示しない支持台が架設されており、この支持台に送風ファン23が取り付けられている。したがって、梁部材28は、送風ファン23を取り付けるための取付部材としても機能している。
【0025】
図4は、室外機の内部の平面図である。
図4に示されるように、室外機本体5の底フレーム26の上面には、室外熱交換器13、圧縮機11、アキュムレータ20、オイルセパレータ21、四路切換弁12等の機器が搭載されている。室外熱交換器13は、クロスフィンコイル式であり、アルミニウム製の多数のフィンを伝熱管が水平に貫通し、伝熱管を流れる冷媒と室外熱交換器13を流通する空気との間で熱交換を行うように構成されている。
【0026】
室外熱交換器13は、室外機本体5の1つの角部(左前側の角部)5Aを除く範囲で4つの側面に対向(対応)し、かつ4つの側面に沿って略四角形状に屈曲されている。具体的に、室外熱交換器13は、室外機本体5の前側の側面(前面)に沿う前熱交換部32と、右側の側面に沿う右熱交換部33と、後側の側面(後面)に沿う後熱交換部34と、左側の側面に沿う左熱交換部35とを有している。そして、前熱交換部32と右熱交換部33との間、右熱交換部33と後熱交換部34との間、及び後熱交換部34と左熱交換部35との間が略90度に屈曲されている。
【0027】
また、室外機本体5は、前熱交換部32の左端部32aと左前側の支柱27との間に形成される開口部36(前開口部36A)、及びこの支柱27と左熱交換部35の前端部35aとの間に形成される開口部36(左開口部36B)を閉鎖する下側面パネル29を着脱可能に備えている(図2参照)。
なお、室外熱交換器13の各熱交換部32〜35は、室外機本体5の側面に対して必ずしも平行に対向していなくてもよく、傾斜した状態で対向していてもよい。
【0028】
図3に示されるように、電装品ユニット38は、室外機2全体を制御するための制御基板、圧縮機11や送風ファン23を駆動するための駆動基板(インバータ基板)、リアクタ、端子台等の電気部品と、これら電気部品を収容する電装品箱50とを備えている。また、電装品ユニット38は、室外機本体5における1つの角部5A、すなわち、室外熱交換器13が配置されていない室外機本体5の角部5Aに対応して配置されている。電装品ユニット38は、角部5Aに配置された支柱27や、この支柱27に連結される梁部材28等にボルト等によって取り付けられ、支持されている。
【0029】
図4に示されるように、閉鎖弁18,19は、室外機本体5の前開口部36Aに向くように取付台37を介して支持されている。また、圧縮機11は、前開口部36Aの右側寄りに配置され、前開口部36Aを介して前方から略全体を視認できる位置に配置される。また、底フレーム26上のアキュムレータ20やオイルセパレータ21は室外機本体5内の後部側に配置されている。
【0030】
底フレーム26における室外熱交換器13の下方には、上方へやや膨出する載置部41が複数箇所に形成され、室外熱交換器13は、この載置部41上に搭載されている。本実施の形態の載置部41は、平面視で略楕円形状又は略長円形状に形成されている。また、各載置部41には上下方向に貫通する排水口42が形成されている。室外熱交換器13の下方であって、隣接する載置部41の間には、凹状の排水路43が形成されており、この排水路43にも排水口44が形成されている。
【0031】
そのため、暖房運転を行っているときに室外熱交換器13に発生した結露水は、載置部41及び排水路43に形成された排水口42,44から底フレーム26の下方へ排出される。また、室外熱交換器13において凍結した結露水がデフロスト運転等によって溶かされた場合にも、排水口42,44から底フレーム26の下方へ排出される。これら排出口42,44は、室外熱交換器13の下方に位置しているため、結露水を速やかに排出することができ、特に、デフロスト運転によって溶けた結露水が底フレーム26上等で再度凍結してしまうのを好適に防止することができる。
【0032】
図2〜図4に示されるように、底フレーム26の前縁及び後縁には基礎脚40が設けられており、この基礎脚40が室外機2を設置するための設置面(基礎面)G(図7及び図8参照)に固定されている。
図5は、後側の基礎脚と底フレームの一部を斜め下方からみた斜視図、図6は、前側の基礎脚を斜め上方から見た斜視図である。また、図7は、基礎脚の第1の部分の断面図、図8は、基礎脚の第2の部分の断面図である。
本実施の形態の基礎脚40は、長さ方向に関して第1の部分51と、第2の部分52とを備えている。第1の部分51は、基礎脚40の長さ方向両端部に相当する部分であり、第2の部分52は、長さ方向両端部の第1の部分51の間に相当する部分である。
【0033】
第1の部分51及び第2の部分52は、いずれも設置面Gに載置される下板51a,52aと、底フレーム26の下面に当接する上板51b,52bと、下板51a,52aと上板51b,52bとを接続する立板51c,52cとからなり、断面コの字形状に形成されている。しかしながら、第1の部分51は、前後方向の外側に開放した断面コの字形状に形成され、第2の部分52は、前後方向の内側に開放した断面コの字形状に形成されている。つまり、図5に示されるように、後側の基礎脚40においては、第1の部分51が後方に開放し、第2の部分52が前方に開放している。また、図6に示されるように、前側の基礎脚40は、第1の部分51が前方に開放し、第2の部分52が後方に開放している。第1の部分51及び第2の部分52の下板51a,52aは、基礎脚40の長さ方向全体にわたって連続して形成されている。基礎脚40は、板材の折曲加工によって形成されている。
【0034】
図7に示されるように、第1の部分51の下板51aには、ボルト挿通孔51a1が形成されている。そして、この下板51aを設置面G上に載置し、この設置面Gに植設されたアンカーボルト55をボルト挿通孔51a1に挿通し、アンカーボルト55にナット56を螺合することにより基礎脚40が設置面に固定されている。また、第1の部分51の上板51bには、雌ねじ孔51b1が形成されている。そして、上板51b上に底フレーム26を載置し、底フレーム26のコーナー部に形成されたボルト挿通孔26aにボルト57を挿通して雌ねじ孔51b1に螺合することで、基礎脚40に底フレーム26が固定されている。
【0035】
上記のように、第1の部分51は、前後方向の外側に開放した断面コの字形状に形成されているので、ボルト挿通孔51a1にアンカーボルト55を挿通する作業を外部から視認しつつ行うことができ、また、アンカーボルト55にナット56を螺合する作業も室外機2の外側から容易に行うことができる。
【0036】
図8に示されるように、第2の部分52の下板52aは、設置面G上に載置されるが、第1の部分51の下板51aのようにアンカーボルト55によって直接的に固定されていない。また、底フレーム26の下面は、第2の部分52の上板52bに当接し、直接的に支持されている。
この第2の部分52における上板52bは、第1の部分51の上板51b(図7参照)よりも前後方向の幅が小さく、底フレーム26に形成された排水口42や排水口44(図6参照)の下方領域から前後方向の外側へ後退するように形成されている。そのため、室外熱交換器13から流下した結露水が排水口42,44から排出されたときに上板52bが邪魔になることはなく、設置面G側へ適切に結露水を排出することができる。
【0037】
また、第2の部分52は、前後方向の内側に開放したコの字形状に形成されているので、排水口42から排水された結露水やこの結露水が伝った跡等が、立板52cによって遮られ、外部に露出していない。そのため、室外機2の見栄えを損なうこともほとんどない。
【0038】
なお、本実施の形態の上板52bは、その長さ方向の全体において前後幅が小さく形成されている。換言すると、上板52bの全体には、排水口42の下方領域から退避する退避部52b1が形成されている。しかしながら、このような退避部52b1は、排水口42の下方領域に対応する部分のみに形成することも可能である。
また、第2の部分52は、排水口42,44に対応する部分のみに形成されていてもよい。すなわち、本実施の形態では、基礎脚40の長さ方向の両端部に第1の部分51が形成され、その間全体が第2の部分52とされているが、基礎脚40の両端部の第1の部分51の間のうち、排水口42,44に対応する部分のみを前後方向の内側に開放する第2の部分52とし、その他の排水口42,44に対応しない部分は第1の部分51と同様に前後方向の外側に開放する構造としてもよい。
【0039】
上記のように第2の部分52の上板52bには退避部52b1が形成されているので、底フレーム26に対する接触面積が小さくなり、その分、底フレーム26の支持強度が低下するという弊害がある。そのため、本実施の形態の基礎脚40には、上板52bとともに底フレーム26を支持する支持部60が設けられている。図6に示されるように、支持部60は、基礎脚40とは別体で形成された略矩形状の板材からなり、第2の部分52の立板52cから前後方向の内方へ向けて突出するように取り付けられている。支持部60には、底フレーム26を固定するためのボルトが螺合する雌ねじ孔60aが形成されている。また、支持部60は、底フレーム26に形成された排水口42,44を避けた位置、具体的には、隣接する排水口42,44の間に位置するように設けられている。このような支持部60を備えることによって、第2の部分52の上板52bに退避部52b1を形成したとしても、底フレーム26の支持強度を十分に確保することができる。なお、図6に示す例では、支持部60は一つのみであるが、排水口42,44を避けた複数箇所に支持部60を設けてもよい。
【0040】
図6に示されるように、基礎脚40の第2の部分52の立板52cには、長さ方向に離れた2箇所に、運搬用のロープやフォークリフトの爪を挿入するために用いられる開口部40cが形成されている。
また、基礎脚40の第1の部分51の下板51aと第2の部分52の下板52aとの境界には、前後方向に延びるリブ53が突設されている。このリブ53は、排水口42,44から滴下した結露水が第2の部分52の下板52aから第1の部分51の下板51a側へ流出するのを防止する機能(水流出防止機能)を有している。したがって、前後方向の外側に開放した第1の部分51から結露水が流出し、外部に露出するのを防止することができる。
【0041】
なお、水流出防止機能を有するリブ53は、下板51aと下板52aとの境界に限らず、下板52aの長さ方向の途中の適宜箇所に形成してもよい。下板52aのいずれの箇所に形成されていても、第1の部分51の下板51aから流出する結露水を少なくする効果を奏することができる。また、リブ53は、下板52aを部分的に上方へ突出させることによって構成してもよいし、別の部材を下板52aに固定することによって構成してもよい。
また、第1の部分51の上板51bと、第2の部分52の上板52bとは、互いに左右方向に関してオーバーラップしないように形成されている。そのため、第1の部分51及び第2の部分52を一枚の板材から折曲加工する際にその加工を容易に行うことが可能となっている。
【0042】
図9は、基礎脚の端部と支柱との連結部を示す平面図である。
図6及び図9に示されるように、基礎脚40の端部には、支柱27の下端部に嵌合される嵌合部40aが設けられている。この嵌合部40aは、基礎脚40の第1の部分51の上板51bの端部に一体的に形成されており、平面視で略正方形に形成されている。また、第1の部分51の立板51cの端部には、前後方向に屈曲する支持板40bが設けられている。この支持板40bには雌ねじ孔40b1が形成されている。
【0043】
一方、支柱27は、平面視で1つの角部が開放した略四角筒形状に屈曲された本体部27aと、本体部27aの開放部分の両端から前後方向及び左右方向に延びる一対の取付板27bとを有している。そして、支柱27の本体部27aを嵌合部40aに嵌合させるとともに、一方の取付板27bに形成されたボルト挿通孔(図示略)に挿通したボルト58を支持板40bに形成された雌ねじ孔40b1に螺合することによって、支柱27が基礎脚40に固定される。また、支柱27は、その取付板27bが底フレーム26の縁部に対してもボルト(図示省略)によって固定される。
【0044】
図3のA部に示されるように、支柱27と梁部材28とは所定の連結構造70により連結されている。図10は、支柱と梁部材との連結構造を示す分解斜視図、図11は、支柱と梁部材との連結構造を示す正面図である。
本実施の形態の連結構造70は、梁部材28の端部に形成された係合フック71と、支柱27に形成された係合孔72とを有している。係合フック71は、梁部材28の一部を前側へL字状に張り出して屈曲させることにより形成されている。この係合フック71は、基端部(上端部)の幅a1よりも先端部(下端部)の幅a2の方が小さく、略台形状に形成されている。また、係合フック71の下方には、雌ねじ孔73が形成されている。
【0045】
これに対して、支柱27に形成された係合孔72は、係合フック71よりも大きい寸法に形成されている。具体的に、係合孔72は、上端縁の幅b1よりも下端縁の幅b2の方が小さい略台形状に形成されている。また、係合孔72の上下方向の高さb3は、係合フック71の上下方向の高さa3よりも大きい寸法に形成されている。また、係合孔72の下端縁の幅b2は、係合フック71の基端部の幅a1と同寸法か、僅かに大きい寸法とされており、両者の寸法差(b2−a1)は、図10(b)に示される寸法αよりも小さく設定されている。寸法αは、係合孔72の下方に形成されたボルト挿通孔74の直径dと、雌ねじ孔73の直径c(ボルト75のねじ径)cとの差である。
【0046】
梁部材28は、係合フック71を係合孔72に係合させることによって支柱27に仮止めされ、ボルト挿通孔74に挿通したボルト75を雌ねじ孔73に螺合させることによって固定される。より具体的には、係合フック71を係合孔72内に挿入し下方に移動させることによって、係合フック71の基端部を係合孔72の下縁に係合させる。このとき、雌ねじ孔73とボルト挿通孔74とが位置合わせされるので、このボルト挿通孔74にボルト75を挿入するとともに、雌ねじ孔73にボルト75を螺合する。
【0047】
上記のように係合フック71の基端部の幅a1は、係合孔72の下端縁の幅b2と同じか当該幅b2よりも僅かに小さいので、係合フック71の基端部を係合孔72の下縁部に係合させたときの両者の隙間はほとんどない。そのため、支柱27と梁部材28との連結位置のばらつきを小さくすることができる。また、係合フック71の基端部の幅a1と係合孔72の下端縁の幅b2との寸法差は、ボルト挿通孔74と雌ねじ孔73との寸法差αよりも小さいので、係合フック71の基端部を係合孔72の下縁部に係合させることで、ボルト挿通孔74と雌ねじ孔73とを確実に位置合わせすることができ、ボルト75をボルト挿通孔74に挿通し雌ねじ孔73に螺合する作業を容易に行うことができる。
【0048】
また、係合孔72は、その上端縁の幅b1が下端縁の幅b2よりも大きく形成されているので、余裕をもって係合孔72に係合フック71を挿入することができる。さらに、係合フック71は、その基端部の幅a1よりも先端部の幅a2の方が小さいので、これによっても、係合孔72に対して係合フック71を挿入しやすくすることができる。
【0049】
図12は、本発明の第2の実施の形態における基礎脚の一部を示す斜視図である。
本実施の形態の基礎脚40は、第2の部分52に設けられた支持部60が立板52cと一体に形成されている点で上記第1の実施の形態とは異なっている。したがって、基礎脚40とは別に支持部(支持板)60を作製するとともに、支持部60を基礎脚40に取り付ける工程が不要となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0050】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、底フレーム26の前縁部と後縁部の下面に基礎脚40が設けられていたが、底フレーム26の右縁部と左縁部の下面に基礎脚40が設けられていてもよく、底フレーム26の4辺全ての縁部の下面に基礎脚40が設けられていてもよい。
【0051】
基礎脚40において、第2の部分52の上板52bに形成された退避部52b1は、上板52bを前後方向(水平方向)の外側に後退させた形態に限らず、例えば、排水口42,44に対応した形状の孔又は開口によって構成されていてもよい。
本発明は、室外機本体5の3つの側面に沿ってコの字状に配置された室外熱交換器や、室外機本体5の2つの側面に沿ってL字状に配置された室外熱交換器を備えている室外機2に対しても適用することが可能である。
【0052】
また、本発明は、上吹き出しタイプの室外機2に限らず、横吹き出しタイプの室外機2にも適用することができる。
また、上記実施の形態の室外機2は、1台の圧縮機11及び送風ファン23を備え、底フレーム26が平面視で略正方形状に形成されていたが、本発明は、2台(又はそれ以上)の圧縮機11及び送風ファン23を備え、底フレーム26を平面視で略長方形状に大型化した室外機2にも適用することができる。この場合、基礎脚40は、底フレーム26の長辺及び/又は短辺の縁部に設けることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 空気調和装置
2 室外機
13 室外熱交換器
26 底フレーム
27 支柱
40 基礎脚
41 載置部
42 排水口
43 排水路
44 排水口
51 第1の部分
51a 下板
51b 上板
51c 立板
52 第2の部分
52a 下板
52b 上板
52c 立板
52b1 退避部
53 リブ(水流出防止構造)
60 支持部材(支持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底フレーム(26)と、この底フレーム(26)上に搭載された熱交換器(13)と、この熱交換器(13)の下方であって前記底フレーム(26)の下面に設けられた基礎脚(40)と、を備えている空気調和装置の室外機であって、
前記底フレーム(26)における前記熱交換器(13)の下方に排水口(42,44)が形成され、
前記基礎脚(40)は、前記底フレーム(26)の下面に当接する上板(51b,52b)と、設置面(G)に載置される下板(51a,52a)と、前記上板(51b,52b)と下板(51a,52a)とを接続する立板(51c,52c)とから断面コの字形状に形成され、
さらに、前記基礎脚(2)は、長さ方向の一部である第1の部分(51)と、長さ方向の他の一部である第2の部分(52)とを含み、
前記第1の部分(51)は、水平方向の外側に開放する断面コの字形状に形成されるとともに、その下板(51a)が前記設置面(G)に対して固定され、
前記第2の部分(52)は、少なくとも基礎脚(40)の長さ方向に関して前記排水口(42,44)に対応する位置に設けられるとともに、水平方向の内側に開放する断面コの字形状に形成され、かつその上板(52b)が前記排水口(42,44)の下方領域を回避した構造を有していることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項2】
前記第2の部分(52)の上板(52b)が、少なくとも前記排水口(42,44)の付近において当該排水口(42,44)よりも水平方向の外側へ後退する退避部(52b1)を有している、請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項3】
前記第2の部分(52)には、前記退避部(52b1)よりも水平方向の内側へ突出して前記底フレーム(26)の下面を支持する支持部(60)が設けられている、請求項2に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項4】
前記支持部(60)が、前記排水口(42,44)を避けた位置に配置されている、請求項3に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項5】
前記底フレーム(26)には、前記熱交換器(13)を載置するための載置部(41)が上方へ膨出して形成されており、この載置部(41)に前記排水口(42)が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項6】
前記第1の部分(51)の下板(51a)と前記第2の部分(52)の下板(52a)との境界部、又は前記第2の部分(52)の下板(52a)には、当該第2の部分(52)の下板(52a)から前記第1の部分(51)の下板(51a)への水の流出を防止する水流出防止構造(53)が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置の室外機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−113563(P2013−113563A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262616(P2011−262616)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】