空気調和装置の室外機
【課題】 グリルによる圧力損失を低減すると共に、静音化を可能にし、且つ十分な上吹き流になるようにする。
【解決手段】 ケーシング(20)内の空気通路(2A)には、吹出口(22)に近接してクロスフローファン(30)を上下方向に配置している。クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)を回転軸心方向に複数個配置して構成している。各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気の吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成している。
【解決手段】 ケーシング(20)内の空気通路(2A)には、吹出口(22)に近接してクロスフローファン(30)を上下方向に配置している。クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)を回転軸心方向に複数個配置して構成している。各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気の吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成している。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の室外機に関し、特に、吹出空気の風向対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置の室外機には、特開平1−212832号公報に開示されているように、ケーシング内に圧縮機等が収納されると共に、ケーシング内の空気通路に、熱交換器及びファンが収納されて縦置型に構成されているものがある。
【0003】上記室外機におけるファンは、図13に示すように、クロスフローファン(a)が用いられている。この従来のクロスフローファン(a)は、上下方向に延びる複数枚の翼(b,b,…)を周方向に配列して成るファン体(c,c,…)が上下方向に複数個配置されて構成され、各翼(b,b,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。
【0004】上記クロスフローファン(a)は、上下方向に真直に設置され、ケーシング(d)の吹出口(e)に対して平行に配置されている。そして、該クロスフローファン(a)からの空気吹出方向AFは、吹出口(e)に対して真直前方になるので、この吹出口(e)には、グリル(e)を設けて、空気吹出方向AFが斜め上方になるようにしている。つまり、空気吹出方向AFを斜め上方にし、吹出空気が吸込口に回り込むショートサーキットを防止すると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにし、更に、吹出口(e)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置の室外機においては、グリル(e)によって空気吹出方向AFを偏向しているので、吹出空気がグリル(e)に直接当ることになり、圧力損失が大きいという問題があった。
【0006】また、上記グリル(e)の表面で空気流れが乱れることになり、騒音の発生源となり、静音化を図ることができないという問題があった。その上、上記グリル(e)のみによって空気を偏向させるので、十分な上吹き流にならず、ショートサーキット等を完全に防止することができないという問題があった。
【0007】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、グリルによる圧力損失を低減すると共に、静音化を可能にし、且つ十分な上吹き流になるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−本発明は、クロスフローファンを捩じれ翼等で形成することによって、クロスフローファン自体からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成したものである。
【0009】−発明の特定事項−具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、室外空気の吸込口(21)及び吹出口(22)が形成されたケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に吸込口(21)から吹出口(22)に亘って形成された空気通路(2A)に設けられ、吸込口(21)に近接して配置された熱交換器(11)と、上記ケーシング(20)内の空気通路(2A)に設けられ、吹出口(22)に近接して上下方向に配置されたクロスフローファン(30)とを少なくとも備えた空気調和装置の室外機を前提としている。そして、上記クロスフローファン(30)は、該クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成されている。
【0010】また、請求項2に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成され、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。更に、上記クロスフローファン(30)は、空気吹出方向が斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置された構成としている。
【0011】また、請求項3に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成されている。一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心Oに直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成された構成としている。
【0012】また、請求項4に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成されている。一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成された構成としている。
【0013】また、請求項5に係る発明が講じた手段は、上記請求項4記載の発明において、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)は、回転軸心と直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状となるように捩れた捩れ形状に形成された構成としている。
【0014】また、請求項6に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)は、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成された構成としている。
【0015】−作用−上記の発明特定事項により、請求項1に係る発明では、クロスフローファン(30)を回転駆動すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換した後、空気通路(2A)を流れ、その後、上記室外空気はクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)よりケーシング(20)の外部に吹き出される。
【0016】その際、上記クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向が斜め上方になる。具体的に、請求項2に係る発明では、クロスフローファン(30)を通り抜ける空気は、回転軸心に直交する方向に流れる一方、該クロスフローファン(30)は、回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されているので、クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向が斜め上方になる。更に、この吹出空気は、例えば、グリル等によって空気吹出方向が偏向され、より斜め上方になってケーシング(20)の外部に吹き出すことになる。
【0017】また、請求項3に係る発明では、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)が傾斜しているので、該クロスフローファン(30)自体の吹出空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すことになる。よって、上記クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に上下方向に真直に設置されている。
【0018】また、請求項4及び請求項5に係る発明では、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)が回転軸心を中心に捩れているので、該クロスフローファン(30)自体の吹出空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すことになる。よって、請求項3に係る発明と同様にクロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に上下方向に真直に設置されている。
【0019】また、請求項6に係る発明では、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)が、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成されているので、クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部壁(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになる。
【0020】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように該クロスフローファン(30)を構成するようにしたために、クロスフローファン(30)によって空気吹出方向が偏向さるので、グリルによる偏向分を少なくすることができる。この結果、上記グリルによる吹出空気の圧力損失を低減することができるので、ファン効率の向上等を図ることができる。
【0021】また、上記グリルの表面における空気流れの乱れを低減することができるので、騒音の発生源を抑制することができ、静音化を図ることができる。
【0022】また、上記クロスフローファン(30)とグリルとによって空気吹出方向を偏向させるので、十分な上吹き流にすることができる。この結果、吹出空気が吸込口(21)に回り込むショートサーキットを確実に防止することができると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにすることができ、しかも、吹出口(22)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにすることができる。
【0023】また、請求項3に係る発明によれば、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向を確実に斜め上方にすることができる一方、クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0024】また、請求項4に係る発明によれば、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向を確実に斜め上方にすることができる一方、クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0025】また、上記クロスフローファン(30)を捩れ翼(50,50,…)で構成しているので、干渉音が翼(50,50,…)のピッチを周期とする正弦波として発生することになるが、各翼(50,50,…)で干渉音の位相がずれるので、各干渉音が打ち消し合い、NZ音を低減することができ、騒音の音圧レベルを低減することができる。
【0026】また、上記翼(50,50,…)が捩れていない場合(捩れ角が零)に比して、翼(50,50,…)を捩り形状にしたために、翼弦長さを増加させることができるので、回転数当りの風量を増加せることができることから、性能の向上を図ることができる。
【0027】また、上記翼(50,50,…)は、外側縁及び内側縁が円弧状になるので、傾斜翼(50,50,…)では中央での外径が小さくなるのに対し、ファン体(40,40,…)の外径が両側端に亘って等しくすることができる。この結果、ファン体(40,40,…)の中央部の周速度を速くすることができ、性能の向上を図ることができる。
【0028】また、請求項5に係る発明によれば、各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を、翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状になるように形成したため、空気の流入角及び流出角が何れの断面位置でも同一にすることができるので、最適な流入角及び流出角を保つことができ、性能の低下を確実に防止することができる。
【0029】特に、クロスフローファン(30)が捩れ翼(50,50,…)であるので、捩れ角を大きくすることによって空気吹出方向の偏向角を大きくすることができることから、グリルを省略することができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0030】また、請求項6に係る発明によれば、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)を斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成したため、クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部壁(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】図1及び図2に示すように、本実施形態1における空気調和装置の室外機(10)は、縦置型の室外機であって、ケーシング(20)の上段に空気通路(2A)が、下段に機器の収納空間(2B)が形成されて構成されている。
【0033】上記ケーシング(20)の上段には、1側面から隣り合う側面に亘って上下方向に延びる平面視ほぼL字状の吸込口(21)が形成されると共に、他側面の隅角部には上下方向に延びる吹出口(22)が形成され、上記空気通路(2A)が吸込口(21)から吹出口(22)に亘ってケーシング(20)内に形成されている。
【0034】上記空気通路(2A)には、吸込口(21)に近接して上下方向に延びる平面視ほぼL字状の熱交換器(11)が配置されると共に、吹出口(22)に近接してクロスフローファン(30)が配置される一方、上記ケーシング(20)の内部には、該ケーシング(20)の内部を低圧側と高圧側とに仕切る舌部(23)がクロスフローファン(30)に近接して形成されている。
【0035】また、上記吹出口(22)には、複数枚のグリル(24,24,…)が上下方向に所定間隔を存して平行に配列されている。該グリル(24,24,…)は、内側から外側に向って上方に傾斜して空気吹出方向AFが上向きになるようにしている。つまり、上記グリル(24,24,…)は、吹出空気が上吹き流になるように構成されている。
【0036】そして、上記クロスフローファン(30)を回転すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換し後、室外空気がクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)より外部に吹き出されることになる。
【0037】また、上記収納空間(2B)には圧縮機(12)が設置される一方、該圧縮機(12)は、アキュムレータ(13)が接続されると共に、図示しないが、冷媒回路が接続されており、該冷媒回路が上記熱交換器(11)に接続されている。尚、上記収納空間(2B)には、圧縮機(12)の制御等を行う電装品(14)が収納されている。
【0038】上記クロスフローファン(30)は、図3に示すように、いわゆる連を構成するファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数連結されて構成され、上下方向に配置されている。この各ファン体(40,40,…)は、両側の仕切板(31,31)の間に翼列を構成する複数の翼(50,50,…)が周方向に配列されて構成されている。
【0039】上記ファン体(40,40,…)は、例えば、6連が接続されて本体(31)を構成し、該本体(31)の両側に位置する仕切板(41,41)に回転軸(32)が取り付けられており、該回転軸(32)の上端にモータ(33)が接続されている。また、上記ファン体(40,40,…)は、複数枚の翼(50,50,…)が周方向に配列された円形翼列に形成されている。該翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。
【0040】上記クロスフローファン(30)は、本発明の特徴として、空気吹出方向AFが斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されている。つまり、該クロスフローファン(30)は、下端部が吹出口(22)に最も近接する位置に保持される一方、上端部が吹出口(22)より離れた位置に保持され、クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に直交する方向に流れてケーシング(20)の外部に斜め上方に吹き出すようにしている。
【0041】−室外機の動作−次に、上記室外機(10)の動作について説明する。
【0042】上記クロスフローファン(30)を回転駆動すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換した後、空気通路(2A)を流れ、その後、上記室外空気はクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)よりケーシング(20)の外部に吹き出される。
【0043】その際、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気は、回転軸心に直交する方向に流れる一方、該クロスフローファン(30)は、回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されているので、クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向AFが斜め上方になる。更に、この吹出空気は、グリル(24,24,…)によって空気吹出方向AFが偏向され、より斜め上方になってケーシング(20)の外部に吹き出すことになる。
【0044】−実施形態1の効果−以上のように、本実施形態1によれば、上記クロスフローファン(30)を直線翼(40,40,…)で構成する一方、吹出口(22)に対して傾斜して設置するようにしたために、クロスフローファン(30)によって空気吹出方向AFが偏向さるので、グリル(24,24,…)による偏向分を少なくすることができる。この結果、上記グリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができるので、ファン効率の向上等を図ることができる。
【0045】また、上記グリル(24,24,…)の表面における空気流れの乱れを低減することができるので、騒音の発生源を抑制することができ、静音化を図ることができる。
【0046】また、上記クロスフローファン(30)とグリル(24,24,…)とによって空気吹出方向AFを偏向させるので、十分な上吹き流にすることができる。この結果、吹出空気が吸込口(21)に回り込むショートサーキットを確実に防止することができると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにすることができ、しかも、吹出口(22)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態2】本実施形態2は、図4及び図5に示すように、上記実施形態1のクロスフローファン(30)に代えて、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)にしたものである。
【0048】具体的に、上記クロスフローファン(30)におけるファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心に直交する真直前方に対して空気の流出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の下端面から他方の上端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成されている。
【0049】そして、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すので、該クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に設置され、つまり、上下方向に真直に設置されている。
【0050】したがって、本実施形態2によれば、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向AFを確実に斜め上方にすることができ、実施形態1と同様にグリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができると共に、静音化を図ることができ、しかも、十分な上吹き流にすることができる。
【0051】また、上記クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態1と同様である。
【0052】
【発明の実施の形態3】本実施形態3は、図6に示すように、上記実施形態2のクロスフローファン(30)を備える一方、ディフューザ部(27,27)を傾斜させるようにしたものである。
【0053】具体的に、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁及び下部壁であるディフューザ部(27,27)は、図4に示す実施形態2では前方に向って水平に形成したが、本実施形態3では、前方の外側に向って上方に傾斜した形状に形成されている。つまり、上記ディフューザ部(27,27)は、空気吹出方向AFに沿う形状に形成されている。
【0054】したがって、上記クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部のディフューザ部(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態2と同様である。
【0055】
【発明の実施の形態4】本実施形態4は、図7及び図8に示すように、上記実施形態1のクロスフローファン(30)に代えて、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)にしたものである。
【0056】具体的に、上記クロスフローファン(30)におけるファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心に直交する真直前方に対して空気の吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成されている。
【0057】つまり、上記ファン体(40,40,…)は、35枚の翼(50,50,…)が周方向に配列された円形翼列に形成されており、図9に示すように、各翼(50,50,…)のピッチPが異なる不等ピッチに配列されている。例えば、上記翼(50,50,…)のピッチPは、9.4°から11.1°の範囲で適宜設定されている。
【0058】上記翼(50,50,…)は、図10に示すように、外側縁(51)から内側縁(52)に亘って所定の反りを有する翼形翼に形成され、該外側縁(51)及び内側縁(52)は、所定の円弧の丸み形状に形成されている。
【0059】上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、図9に示すように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心Oを中心に捩れた捩れ形状に形成され、回転軸心Oと直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心Oに対して同一形状となるように形成されている。つまり、上記翼(50,50,…)は、回転軸心Oを中心にしたスパイラル状に捩れていると共に、空気の流入角と流出角とが何れの断面位置においても等しくなるように捩れている。
【0060】また、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、隣り合うファン体(40,40)の翼(50,50,…)が連続になるように形成されると共に、翼(50,50,…)の捩れ方向が同一方向に形成され、例えば、時計回り方向に形成されている。
【0061】そして、上記翼(50,50,…)の捩れ角は、本体(31)の全長における1側端から他側端まで延長された状態で捩れ角が、例えば、50°以上で360°以下になるように翼形状が形成されている。例えば、本体(31)の左端から右端各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を繋ぐと、この連続線が一回転するように翼(50,50,…)が捩れている。
【0062】一方、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すので、該クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に設置され、つまり、上下方向に真直に設置されている。
【0063】したがって、本実施形態4によれば、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向AFを確実に斜め上方にすることができ、実施形態1と同様にグリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができると共に、静音化を図ることができ、しかも、十分な上吹き流にすることができる。
【0064】また、上記クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0065】また、上記クロスフローファン(30)を捩れ翼(50,50,…)で構成しているので、干渉音が翼(50,50,…)のピッチを周期とする正弦波として発生することになるが、各翼(50,50,…)で干渉音の位相がずれるので、各干渉音が打ち消し合い、NZ音を低減することができ、騒音の音圧レベルを低減することができる。
【0066】また、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を、翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心Oに対して同一形状になるように形成したため、空気の流入角及び流出角が何れの断面位置でも同一にすることができるので、最適な流入角及び流出角を保つことができ、性能の低下を確実に防止することができる。
【0067】また、上記翼(50,50,…)が捩れていない場合(捩れ角が零)に比して、翼(50,50,…)を捩り形状にしたために、翼弦長さを増加させることができるので、回転数当りの風量を増加せることができることから、性能の向上を図ることができる。
【0068】また、上記翼(50,50,…)は、外側縁(51)及び内側縁(52)が円弧状になるので、図5に示す実施形態2の傾斜翼(50,50,…)では、図示しないが、ファン体(40,40,…)が鼓状となって中央での外径が小さくなるのに対し、ファン体(40,40,…)の外径が両側端に亘って等しくすることができる。この結果、ファン体(40,40,…)の中央部の周速度を従来に比して速くすることができ、性能の向上を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態1と同様である。
【0069】
【発明の実施の形態5】本実施形態5は、図11に示すように、上記実施形態4のクロスフローファン(30)を備える一方、グリル(24,24,…)に代えてメッシュ状の保護網(28)を吹出口(22)に設けるようにしたものである。
【0070】つまり、クロスフローファン(30)自体によって空気吹出方向AFを上向きに変更することができるので、グリル(24,24,…)を省略するようにしたものである。特に、捩れ翼(50,50,…)であるので、捩れ角を大きくすることによって空気吹出方向AFの偏向角を大きくすることができることから、グリル(24,24,…)を省略して保護網(28)を設けるようにしたものである。この結果、構造の簡素化を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態4と同様である。
【0071】
【発明の実施の形態6】本実施形態6は、図12に示すように、上記実施形態4のクロスフローファン(30)を備える一方、実施形態3と同様にディフューザ部(27,27)を傾斜させるようにしたものである。
【0072】具体的に、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁及び下部壁であるディフューザ部(27,27)は、前方の外側に向って上方に傾斜した形状に形成され、つまり、空気吹出方向AFに沿う形状に形成されている。
【0073】したがって、上記クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部のディフューザ部(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態4と同様である。
【0074】
【発明の他の実施の形態】上記実施形態4〜実施形態6は、翼(50,50,…)の捩れ方向を時計回り方向に設定したが、本発明は、翼(50,50,…)の捩れ方向を反時計回り方向に設定してもよい。
【0075】また、実施形態4〜実施形態6における各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を等ピッチにしてもよい。
【0076】また、本発明の室外機(10)における熱交換器(11)等の構造は、各実施形態に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気調和装置の室外機を示す概略構成図である。
【図2】室外機の水平断面図である。
【図3】室外機の要部を示す縦断面図である。
【図4】実施形態2における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図5】実施形態2のファン体を示す正面図である。
【図6】実施形態3における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図7】実施形態4における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図8】実施形態4のファン体を示す正面図である。
【図9】実施形態4のファン体を示す一部省略側面図である。
【図10】実施形態4の翼を示す斜視図である。
【図11】実施形態5における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図12】実施形態6における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図13】従来の室外機の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 室外機
20 ケーシング
2A 空気通路
21 吸込口
22 吹出口
24 グリル
27 ディフューザ部
28 保護網
30 クロスフローファン
32 回転軸
40 ファン体
50 翼
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の室外機に関し、特に、吹出空気の風向対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置の室外機には、特開平1−212832号公報に開示されているように、ケーシング内に圧縮機等が収納されると共に、ケーシング内の空気通路に、熱交換器及びファンが収納されて縦置型に構成されているものがある。
【0003】上記室外機におけるファンは、図13に示すように、クロスフローファン(a)が用いられている。この従来のクロスフローファン(a)は、上下方向に延びる複数枚の翼(b,b,…)を周方向に配列して成るファン体(c,c,…)が上下方向に複数個配置されて構成され、各翼(b,b,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。
【0004】上記クロスフローファン(a)は、上下方向に真直に設置され、ケーシング(d)の吹出口(e)に対して平行に配置されている。そして、該クロスフローファン(a)からの空気吹出方向AFは、吹出口(e)に対して真直前方になるので、この吹出口(e)には、グリル(e)を設けて、空気吹出方向AFが斜め上方になるようにしている。つまり、空気吹出方向AFを斜め上方にし、吹出空気が吸込口に回り込むショートサーキットを防止すると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにし、更に、吹出口(e)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置の室外機においては、グリル(e)によって空気吹出方向AFを偏向しているので、吹出空気がグリル(e)に直接当ることになり、圧力損失が大きいという問題があった。
【0006】また、上記グリル(e)の表面で空気流れが乱れることになり、騒音の発生源となり、静音化を図ることができないという問題があった。その上、上記グリル(e)のみによって空気を偏向させるので、十分な上吹き流にならず、ショートサーキット等を完全に防止することができないという問題があった。
【0007】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、グリルによる圧力損失を低減すると共に、静音化を可能にし、且つ十分な上吹き流になるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−本発明は、クロスフローファンを捩じれ翼等で形成することによって、クロスフローファン自体からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成したものである。
【0009】−発明の特定事項−具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、室外空気の吸込口(21)及び吹出口(22)が形成されたケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に吸込口(21)から吹出口(22)に亘って形成された空気通路(2A)に設けられ、吸込口(21)に近接して配置された熱交換器(11)と、上記ケーシング(20)内の空気通路(2A)に設けられ、吹出口(22)に近接して上下方向に配置されたクロスフローファン(30)とを少なくとも備えた空気調和装置の室外機を前提としている。そして、上記クロスフローファン(30)は、該クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成されている。
【0010】また、請求項2に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成され、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。更に、上記クロスフローファン(30)は、空気吹出方向が斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置された構成としている。
【0011】また、請求項3に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成されている。一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心Oに直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成された構成としている。
【0012】また、請求項4に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成されている。一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成された構成としている。
【0013】また、請求項5に係る発明が講じた手段は、上記請求項4記載の発明において、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)は、回転軸心と直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状となるように捩れた捩れ形状に形成された構成としている。
【0014】また、請求項6に係る発明が講じた手段は、上記請求項1記載の発明において、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)は、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成された構成としている。
【0015】−作用−上記の発明特定事項により、請求項1に係る発明では、クロスフローファン(30)を回転駆動すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換した後、空気通路(2A)を流れ、その後、上記室外空気はクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)よりケーシング(20)の外部に吹き出される。
【0016】その際、上記クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向が斜め上方になる。具体的に、請求項2に係る発明では、クロスフローファン(30)を通り抜ける空気は、回転軸心に直交する方向に流れる一方、該クロスフローファン(30)は、回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されているので、クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向が斜め上方になる。更に、この吹出空気は、例えば、グリル等によって空気吹出方向が偏向され、より斜め上方になってケーシング(20)の外部に吹き出すことになる。
【0017】また、請求項3に係る発明では、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)が傾斜しているので、該クロスフローファン(30)自体の吹出空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すことになる。よって、上記クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に上下方向に真直に設置されている。
【0018】また、請求項4及び請求項5に係る発明では、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)が回転軸心を中心に捩れているので、該クロスフローファン(30)自体の吹出空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すことになる。よって、請求項3に係る発明と同様にクロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に上下方向に真直に設置されている。
【0019】また、請求項6に係る発明では、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)が、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成されているので、クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部壁(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになる。
【0020】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように該クロスフローファン(30)を構成するようにしたために、クロスフローファン(30)によって空気吹出方向が偏向さるので、グリルによる偏向分を少なくすることができる。この結果、上記グリルによる吹出空気の圧力損失を低減することができるので、ファン効率の向上等を図ることができる。
【0021】また、上記グリルの表面における空気流れの乱れを低減することができるので、騒音の発生源を抑制することができ、静音化を図ることができる。
【0022】また、上記クロスフローファン(30)とグリルとによって空気吹出方向を偏向させるので、十分な上吹き流にすることができる。この結果、吹出空気が吸込口(21)に回り込むショートサーキットを確実に防止することができると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにすることができ、しかも、吹出口(22)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにすることができる。
【0023】また、請求項3に係る発明によれば、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向を確実に斜め上方にすることができる一方、クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0024】また、請求項4に係る発明によれば、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向を確実に斜め上方にすることができる一方、クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0025】また、上記クロスフローファン(30)を捩れ翼(50,50,…)で構成しているので、干渉音が翼(50,50,…)のピッチを周期とする正弦波として発生することになるが、各翼(50,50,…)で干渉音の位相がずれるので、各干渉音が打ち消し合い、NZ音を低減することができ、騒音の音圧レベルを低減することができる。
【0026】また、上記翼(50,50,…)が捩れていない場合(捩れ角が零)に比して、翼(50,50,…)を捩り形状にしたために、翼弦長さを増加させることができるので、回転数当りの風量を増加せることができることから、性能の向上を図ることができる。
【0027】また、上記翼(50,50,…)は、外側縁及び内側縁が円弧状になるので、傾斜翼(50,50,…)では中央での外径が小さくなるのに対し、ファン体(40,40,…)の外径が両側端に亘って等しくすることができる。この結果、ファン体(40,40,…)の中央部の周速度を速くすることができ、性能の向上を図ることができる。
【0028】また、請求項5に係る発明によれば、各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を、翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状になるように形成したため、空気の流入角及び流出角が何れの断面位置でも同一にすることができるので、最適な流入角及び流出角を保つことができ、性能の低下を確実に防止することができる。
【0029】特に、クロスフローファン(30)が捩れ翼(50,50,…)であるので、捩れ角を大きくすることによって空気吹出方向の偏向角を大きくすることができることから、グリルを省略することができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0030】また、請求項6に係る発明によれば、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)を斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成したため、クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部壁(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】図1及び図2に示すように、本実施形態1における空気調和装置の室外機(10)は、縦置型の室外機であって、ケーシング(20)の上段に空気通路(2A)が、下段に機器の収納空間(2B)が形成されて構成されている。
【0033】上記ケーシング(20)の上段には、1側面から隣り合う側面に亘って上下方向に延びる平面視ほぼL字状の吸込口(21)が形成されると共に、他側面の隅角部には上下方向に延びる吹出口(22)が形成され、上記空気通路(2A)が吸込口(21)から吹出口(22)に亘ってケーシング(20)内に形成されている。
【0034】上記空気通路(2A)には、吸込口(21)に近接して上下方向に延びる平面視ほぼL字状の熱交換器(11)が配置されると共に、吹出口(22)に近接してクロスフローファン(30)が配置される一方、上記ケーシング(20)の内部には、該ケーシング(20)の内部を低圧側と高圧側とに仕切る舌部(23)がクロスフローファン(30)に近接して形成されている。
【0035】また、上記吹出口(22)には、複数枚のグリル(24,24,…)が上下方向に所定間隔を存して平行に配列されている。該グリル(24,24,…)は、内側から外側に向って上方に傾斜して空気吹出方向AFが上向きになるようにしている。つまり、上記グリル(24,24,…)は、吹出空気が上吹き流になるように構成されている。
【0036】そして、上記クロスフローファン(30)を回転すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換し後、室外空気がクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)より外部に吹き出されることになる。
【0037】また、上記収納空間(2B)には圧縮機(12)が設置される一方、該圧縮機(12)は、アキュムレータ(13)が接続されると共に、図示しないが、冷媒回路が接続されており、該冷媒回路が上記熱交換器(11)に接続されている。尚、上記収納空間(2B)には、圧縮機(12)の制御等を行う電装品(14)が収納されている。
【0038】上記クロスフローファン(30)は、図3に示すように、いわゆる連を構成するファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数連結されて構成され、上下方向に配置されている。この各ファン体(40,40,…)は、両側の仕切板(31,31)の間に翼列を構成する複数の翼(50,50,…)が周方向に配列されて構成されている。
【0039】上記ファン体(40,40,…)は、例えば、6連が接続されて本体(31)を構成し、該本体(31)の両側に位置する仕切板(41,41)に回転軸(32)が取り付けられており、該回転軸(32)の上端にモータ(33)が接続されている。また、上記ファン体(40,40,…)は、複数枚の翼(50,50,…)が周方向に配列された円形翼列に形成されている。該翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成されている。
【0040】上記クロスフローファン(30)は、本発明の特徴として、空気吹出方向AFが斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されている。つまり、該クロスフローファン(30)は、下端部が吹出口(22)に最も近接する位置に保持される一方、上端部が吹出口(22)より離れた位置に保持され、クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に直交する方向に流れてケーシング(20)の外部に斜め上方に吹き出すようにしている。
【0041】−室外機の動作−次に、上記室外機(10)の動作について説明する。
【0042】上記クロスフローファン(30)を回転駆動すると、室外空気が吸込口(21)よりケーシング(20)に吸い込まれ、熱交換器(11)で冷媒と熱交換した後、空気通路(2A)を流れ、その後、上記室外空気はクロスフローファン(30)を通って吹出口(22)よりケーシング(20)の外部に吹き出される。
【0043】その際、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気は、回転軸心に直交する方向に流れる一方、該クロスフローファン(30)は、回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されているので、クロスフローファン(30)の吹出空気は、吹出方向AFが斜め上方になる。更に、この吹出空気は、グリル(24,24,…)によって空気吹出方向AFが偏向され、より斜め上方になってケーシング(20)の外部に吹き出すことになる。
【0044】−実施形態1の効果−以上のように、本実施形態1によれば、上記クロスフローファン(30)を直線翼(40,40,…)で構成する一方、吹出口(22)に対して傾斜して設置するようにしたために、クロスフローファン(30)によって空気吹出方向AFが偏向さるので、グリル(24,24,…)による偏向分を少なくすることができる。この結果、上記グリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができるので、ファン効率の向上等を図ることができる。
【0045】また、上記グリル(24,24,…)の表面における空気流れの乱れを低減することができるので、騒音の発生源を抑制することができ、静音化を図ることができる。
【0046】また、上記クロスフローファン(30)とグリル(24,24,…)とによって空気吹出方向AFを偏向させるので、十分な上吹き流にすることができる。この結果、吹出空気が吸込口(21)に回り込むショートサーキットを確実に防止することができると共に、吹出空気が人に直接に当らないようにすることができ、しかも、吹出口(22)に近接している壁等の障害物の影響を受けないようにすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態2】本実施形態2は、図4及び図5に示すように、上記実施形態1のクロスフローファン(30)に代えて、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)にしたものである。
【0048】具体的に、上記クロスフローファン(30)におけるファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心に直交する真直前方に対して空気の流出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の下端面から他方の上端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成されている。
【0049】そして、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すので、該クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に設置され、つまり、上下方向に真直に設置されている。
【0050】したがって、本実施形態2によれば、傾斜翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向AFを確実に斜め上方にすることができ、実施形態1と同様にグリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができると共に、静音化を図ることができ、しかも、十分な上吹き流にすることができる。
【0051】また、上記クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態1と同様である。
【0052】
【発明の実施の形態3】本実施形態3は、図6に示すように、上記実施形態2のクロスフローファン(30)を備える一方、ディフューザ部(27,27)を傾斜させるようにしたものである。
【0053】具体的に、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁及び下部壁であるディフューザ部(27,27)は、図4に示す実施形態2では前方に向って水平に形成したが、本実施形態3では、前方の外側に向って上方に傾斜した形状に形成されている。つまり、上記ディフューザ部(27,27)は、空気吹出方向AFに沿う形状に形成されている。
【0054】したがって、上記クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部のディフューザ部(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態2と同様である。
【0055】
【発明の実施の形態4】本実施形態4は、図7及び図8に示すように、上記実施形態1のクロスフローファン(30)に代えて、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)にしたものである。
【0056】具体的に、上記クロスフローファン(30)におけるファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心に直交する真直前方に対して空気の吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成されている。
【0057】つまり、上記ファン体(40,40,…)は、35枚の翼(50,50,…)が周方向に配列された円形翼列に形成されており、図9に示すように、各翼(50,50,…)のピッチPが異なる不等ピッチに配列されている。例えば、上記翼(50,50,…)のピッチPは、9.4°から11.1°の範囲で適宜設定されている。
【0058】上記翼(50,50,…)は、図10に示すように、外側縁(51)から内側縁(52)に亘って所定の反りを有する翼形翼に形成され、該外側縁(51)及び内側縁(52)は、所定の円弧の丸み形状に形成されている。
【0059】上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、図9に示すように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心Oを中心に捩れた捩れ形状に形成され、回転軸心Oと直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心Oに対して同一形状となるように形成されている。つまり、上記翼(50,50,…)は、回転軸心Oを中心にしたスパイラル状に捩れていると共に、空気の流入角と流出角とが何れの断面位置においても等しくなるように捩れている。
【0060】また、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、隣り合うファン体(40,40)の翼(50,50,…)が連続になるように形成されると共に、翼(50,50,…)の捩れ方向が同一方向に形成され、例えば、時計回り方向に形成されている。
【0061】そして、上記翼(50,50,…)の捩れ角は、本体(31)の全長における1側端から他側端まで延長された状態で捩れ角が、例えば、50°以上で360°以下になるように翼形状が形成されている。例えば、本体(31)の左端から右端各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を繋ぐと、この連続線が一回転するように翼(50,50,…)が捩れている。
【0062】一方、上記クロスフローファン(30)を通り抜ける空気が、回転軸心に対して斜め上方に吹き出すので、該クロスフローファン(30)は、吹出口(22)と平行に設置され、つまり、上下方向に真直に設置されている。
【0063】したがって、本実施形態4によれば、捩れ翼(50,50,…)のクロスフローファン(30)を設けるようにしたので、空気吹出方向AFを確実に斜め上方にすることができ、実施形態1と同様にグリル(24,24,…)による吹出空気の圧力損失を低減することができると共に、静音化を図ることができ、しかも、十分な上吹き流にすることができる。
【0064】また、上記クロスフローファン(30)を上下に真直に設置することができるので、設置スペースを小さくすることができ、小型化を図ることができると共に、組み立て作業等の簡略化を図ることができる。
【0065】また、上記クロスフローファン(30)を捩れ翼(50,50,…)で構成しているので、干渉音が翼(50,50,…)のピッチを周期とする正弦波として発生することになるが、各翼(50,50,…)で干渉音の位相がずれるので、各干渉音が打ち消し合い、NZ音を低減することができ、騒音の音圧レベルを低減することができる。
【0066】また、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を、翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心Oに対して同一形状になるように形成したため、空気の流入角及び流出角が何れの断面位置でも同一にすることができるので、最適な流入角及び流出角を保つことができ、性能の低下を確実に防止することができる。
【0067】また、上記翼(50,50,…)が捩れていない場合(捩れ角が零)に比して、翼(50,50,…)を捩り形状にしたために、翼弦長さを増加させることができるので、回転数当りの風量を増加せることができることから、性能の向上を図ることができる。
【0068】また、上記翼(50,50,…)は、外側縁(51)及び内側縁(52)が円弧状になるので、図5に示す実施形態2の傾斜翼(50,50,…)では、図示しないが、ファン体(40,40,…)が鼓状となって中央での外径が小さくなるのに対し、ファン体(40,40,…)の外径が両側端に亘って等しくすることができる。この結果、ファン体(40,40,…)の中央部の周速度を従来に比して速くすることができ、性能の向上を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態1と同様である。
【0069】
【発明の実施の形態5】本実施形態5は、図11に示すように、上記実施形態4のクロスフローファン(30)を備える一方、グリル(24,24,…)に代えてメッシュ状の保護網(28)を吹出口(22)に設けるようにしたものである。
【0070】つまり、クロスフローファン(30)自体によって空気吹出方向AFを上向きに変更することができるので、グリル(24,24,…)を省略するようにしたものである。特に、捩れ翼(50,50,…)であるので、捩れ角を大きくすることによって空気吹出方向AFの偏向角を大きくすることができることから、グリル(24,24,…)を省略して保護網(28)を設けるようにしたものである。この結果、構造の簡素化を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態4と同様である。
【0071】
【発明の実施の形態6】本実施形態6は、図12に示すように、上記実施形態4のクロスフローファン(30)を備える一方、実施形態3と同様にディフューザ部(27,27)を傾斜させるようにしたものである。
【0072】具体的に、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁及び下部壁であるディフューザ部(27,27)は、前方の外側に向って上方に傾斜した形状に形成され、つまり、空気吹出方向AFに沿う形状に形成されている。
【0073】したがって、上記クロスフローファン(30)で偏向された吹出空気が上部のディフューザ部(27)に衝突することがなく、スムーズに流れることになり、圧力損失の低減及び騒音の抑制を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は実施形態4と同様である。
【0074】
【発明の他の実施の形態】上記実施形態4〜実施形態6は、翼(50,50,…)の捩れ方向を時計回り方向に設定したが、本発明は、翼(50,50,…)の捩れ方向を反時計回り方向に設定してもよい。
【0075】また、実施形態4〜実施形態6における各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)を等ピッチにしてもよい。
【0076】また、本発明の室外機(10)における熱交換器(11)等の構造は、各実施形態に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気調和装置の室外機を示す概略構成図である。
【図2】室外機の水平断面図である。
【図3】室外機の要部を示す縦断面図である。
【図4】実施形態2における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図5】実施形態2のファン体を示す正面図である。
【図6】実施形態3における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図7】実施形態4における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図8】実施形態4のファン体を示す正面図である。
【図9】実施形態4のファン体を示す一部省略側面図である。
【図10】実施形態4の翼を示す斜視図である。
【図11】実施形態5における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図12】実施形態6における室外機の要部を示す縦断面図である。
【図13】従来の室外機の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 室外機
20 ケーシング
2A 空気通路
21 吸込口
22 吹出口
24 グリル
27 ディフューザ部
28 保護網
30 クロスフローファン
32 回転軸
40 ファン体
50 翼
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室外空気の吸込口(21)及び吹出口(22)が形成されたケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に吸込口(21)から吹出口(22)に亘って形成された空気通路(2A)に設けられ、吸込口(21)に近接して配置された熱交換器(11)と、上記ケーシング(20)内の空気通路(2A)に設けられ、吹出口(22)に近接して上下方向に配置されたクロスフローファン(30)とを少なくとも備えた空気調和装置の室外機において、上記クロスフローファン(30)は、該クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成され、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成される一方、上記クロスフローファン(30)は、空気吹出方向が斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成される一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項4】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成される一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項5】 請求項4記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)は、回転軸心と直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状となるように捩れた捩れ形状に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項6】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)は、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項1】 室外空気の吸込口(21)及び吹出口(22)が形成されたケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に吸込口(21)から吹出口(22)に亘って形成された空気通路(2A)に設けられ、吸込口(21)に近接して配置された熱交換器(11)と、上記ケーシング(20)内の空気通路(2A)に設けられ、吹出口(22)に近接して上下方向に配置されたクロスフローファン(30)とを少なくとも備えた空気調和装置の室外機において、上記クロスフローファン(30)は、該クロスフローファン(30)からの空気吹出方向が斜め上方になるように構成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成され、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、回転軸心と平行な直線翼に形成される一方、上記クロスフローファン(30)は、空気吹出方向が斜め上方になるように回転軸心が吹出口(22)に対して傾斜して設置されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成される一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心に対して直線状に傾斜した傾斜翼に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項4】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)は、回転軸心方向に延びる複数枚の翼(50,50,…)を周方向に配列して成るファン体(40,40,…)が回転軸心方向に複数個配置されて構成される一方、上記各ファン体(40,40,…)の翼(50,50,…)は、クロスフローファン(30)の回転軸心に直交する真直前方に対して空気吹出方向が斜め上方に傾斜するように、翼(50,50,…)の一方の側端面から他方の側端面にいくに従って回転軸心を中心に捩れた捩れ翼に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項5】 請求項4記載の空気調和装置の室外機において、クロスフローファン(30)の翼(50,50,…)は、回転軸心と直交する横断面の翼形(5S)が何れの断面位置においても回転軸心に対して同一形状となるように捩れた捩れ形状に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項6】 請求項1記載の空気調和装置の室外機において、ケーシング(20)における吹出口(22)の上部壁(27)及び下部壁(27)は、斜め上方の空気吹出方向に沿う形状に形成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開平9−178221
【公開日】平成9年(1997)7月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−343259
【出願日】平成7年(1995)12月28日
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【公開日】平成9年(1997)7月11日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)12月28日
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
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