説明

空気調和装置の運転制御装置

【目的】応急運転時に所定のリレーのみが作動するようにして、ファンモータの焼損等を防止する。
【構成】空調運転を制御する空調制御手段(AC)と、該空調制御手段(AC)の制御信号によってファンモータを駆動させるリレー回路(52)とを備えている。上記空調制御手段(AC)には、リセット回路(28)が接続されている。更に、上記リレー回路(52)は、4つのリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が並列に接続されて構成され、該励磁コイル(R11a,〜,R14a)の一端が電源ライン(51)に、他端が空調制御手段(AC)に接続されている。加えて、応急運転時に駆動させるリレー(Ry13,Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間には、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部を空調制御手段(AC)に直結する通常運転状態と、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部及び上記リセットポート(P1)をグランドに接続する応急運転状態とに切換自在な切換手段(7a)が介設されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の運転制御装置に関し、特に、応急運転の制御対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気調和装置には、特開平1−147269号公報に開示されているように、容量調節用のアンロード機構及びインバータを備えた圧縮機が設けられた室外ユニットに室内ユニットが接続されてたものがあり、温度センサが蒸発温度などの冷媒温度を検出して、該冷媒温度が所定温度になると、上記圧縮機の容量を増減制御して空調能力を負荷に対応させるようにしている。
【0003】そして、上記インバータの故障時などにおいて、応急運転を行う応急運転手段を設け、応急運転時に最低限の運転を行えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置において、応急運転手段は、コネクタなどで構成され、電気回路を切換えて圧縮機や熱交ファンを駆動するようにしている。つまり、例えば、上記熱交ファンは、マイコンからの制御信号によって作動するドライバが4つのファンリレーを制御し、高速と中速と低速と微速とに切換えられるように構成されており、上記応急運転手段は、2つのファンリレーの励磁コイルを励磁して熱交ファンを所定風速で駆動するようにしている。
【0005】しかしながら、上記応急運転手段においては、マイコンが正常である場合、複数のファンリレーが作動してファンモータを焼損させるという問題があった。つまり、応急運転時に作動させるファンリレーの励磁コイルの一端を接地させるのみであるため、他のファンリレーの励磁コイルはマイコンからの制御信号によって励磁され、ファンリレーが作動することになる。一方、上記応急運転手段は、単に異常時のみならず、試運転時や検査時にも使用されるので、該応急運転手段によって2つのファンリレーが作動すると同時に、他のファンリレーがマイコンからの制御信号によって作動する場合があり、その際、ファンモータが焼損するという問題があった。
【0006】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、応急運転時に所定のリレーのみが作動するようにして、各種モータの焼損等を防止することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明が講じた手段は、応急運転時に所定のリレーのみに電力供給されるようにしたものである。
【0008】具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、空調運転を制御する空調制御手段(AC)と、該空調制御手段(AC)の制御信号によってアクチュエータ(2a)を駆動させるリレー回路(52)とを備えた空気調和装置の運転制御装置を前提としている。そして、上記空調制御手段(AC)には、リセットポート(P1)をグランドに接続してリセットさせるリセット回路(28)が接続されている。更に、上記リレー回路(52)は、複数のリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が並列に接続されて構成され、該励磁コイル(R11a,〜,R14a)の一端が電源ライン(51)に、他端が空調制御手段(AC)に接続されている。加えて、応急運転時に駆動させるリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間には、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部を空調制御手段(AC)に直結する通常運転状態と、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部及び上記リセットポート(P1)をグランドに接続する応急運転状態とに切換自在な切換手段(7a)が介設された構成としている。
【0009】また、請求項2に係る発明が講じた手段は、上記請求項1の発明と同様に空調制御手段(AC)とリレー回路(52)とを備えた空気調和装置の運転制御装置を前提としている。そして、上記リレー回路(52)は、複数のリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が並列に接続されて構成され、通常運転時に励磁させる励磁コイル(R11a, R12a)の一端は第1電源ライン(55)に、他端は上記空調制御手段(AC)にそれぞれ接続される一方、通常運転時と応急運転時とに励磁させる励磁コイル(R13a, R14a)の一端は第2電源ライン(56)に、他端は上記空調制御手段(AC)にそれぞれ接続されている。加えて、応急運転時に駆動させるリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間及び上記第1電源ライン(55)には、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部を空調制御手段(AC)に直結する通常運転状態と、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御端部をグランドに接続すると共に、上記第1電源ライン(55)を遮断する応急運転状態とに切換自在な切換手段(7b)が介設された構成としている。
【0010】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、通常の空調運転時において、リレー回路(52)の切換手段(7a)は、リレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)を空調制御手段(AC)に直結している。この結果、各リレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が全て空調制御手段(AC)に接続され、該空調制御手段(AC)からの制御信号によってリレー(Ry11,〜,Ry14)が駆動し、各励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁又は消磁してアクチュエータ(2a)を制御している。
【0011】一方、信号伝送の異常時などにおいて、応急運転を行う場合、上記切換手段(7a)を切換え、この切換えにより、応急運転時に駆動するリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)における制御側端部がグランドに接続されると共に、空調制御手段(AC)のリセットポート(P1)がグランドに接続されることになる。この結果、所定のリレー(Ry13, Ry14)のみが駆動し、他のリレー(Ry11, Ry12)は、空調制御手段(AC)がリセット状態に保持されるので、駆動することが防止される。
【0012】また、請求項2に係る発明では、通常の空調運転時において、リレー回路(52)の切換手段(7b)は、リレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)を空調制御手段(AC)に直結すると共に、第1電源ライン(55)を導通させている。この結果、各リレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が全て電源ライン(55, 56)に接続されると共に、空調制御手段(AC)に接続され、該空調制御手段(AC)からの制御信号によってリレー(Ry11,〜,Ry14)が駆動し、各励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁又は消磁してアクチュエータ(2a)を制御している。
【0013】一方、信号伝送の異常時などにおいて、応急運転を行う場合、上記切換手段(7b)を切換え、この切換えにより、応急運転時に駆動するリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)における制御側端部がグランドに接続されると共に、第1電源ライン(55)が遮断されることになる。この結果、所定のリレー(Ry13, Ry14)のみが電力供給されて駆動することになる。
【0014】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によれば、応急運転時に駆動するリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間に切換手段(7a)を設け、該応急運転時に励磁コイル(R13a, R14a)の一端をグランドに接続すると共に、空調制御手段(AC)をリセット状態にするようにしたために、応急運転時に所定のリレー(Ry13, Ry14)のみを駆動することができる。この結果、試運転時などのようにマイコンが正常な場合において、他のリレー(Ry11, Ry12)が駆動することがなく、モータ等に過電流が流れることを確実に防止することができるので、応急運転の信頼性を向上させることができる。
【0015】また、請求項2に係る発明によれば、応急運転時に駆動するリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)のみに電力供給するようにしたために、請求項1に係る発明と同様に応急運転時に所定リレー(Ry13, Ry14)のみを駆動することができると共に、リセット処理を要しないので、より確実な応急運転を行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図2に示すように、 (1)空気調和装置の室外制御ユニットであって、室内制御ユニット(2) に2本の電源線(3a, 3b)と1本の信号線(3c)とを介して接続されている。そして、該室外制御ユニット(1) は室外ユニットを、室内制御ユニット(2) は室内ユニットをそれぞれ制御しており、図示しないが、該室外ユニットは、圧縮機、室外ファンを有する室外熱交換器及び室外電動膨脹弁等を備える一方、上記室内ユニットは室内ファンを有する室内熱交換器等を備え、該室外ユニット及び室内ユニットにより空調運転を行っている。
【0017】上記室内制御ユニット(2) は、本体マイコン(21)及び該本体マイコン(21)にハンドシェイクラインを介して接続された伝送マイコン(22)を備えると共に、送信部(23)及び受信部(24)を備えており、該送信部(23)及び受信部(24)は、上記電源線(3a, 3b)の間に接続されており、該送信部(23)と受信部(24)との間に信号線(3c)が接続されている。そして、図示しないが、上記送信部(23)はフォトトライアックを、上記受信部(24)はフォトカプラを備え、上記本体マイコン(21)からの制御情報を送信部(23)が送信する一方、受信部(24)が受信した制御情報を上記本体マイコン(21)が取込むように構成されている。
【0018】更に、上記両電源線(3a, 3b)には、室内ファンのファンモータ(2a)がファンリレー(Ry11,〜,Ry14)を介して接続されると共に、補助空気ヒータ(2b)、ドレンポンプのポンプモータ(2c)、スイングフラップのフラップモータ(2d)及び露付防止ヒータ(2e)がリレー(Ry2, Ry3, Ry4, Ry5)を介して接続されている。また、上記両電源線(3a, 3b)には、トランス(25)が接続され、該トランス(25)を介して上記本体マイコン(21)などに電力供給されている。そして、上記本体マイコン(21)には、EEPROM(26)が接続され、該EEPROM(26)は、各種の制御情報が記憶されるように構成されている。
【0019】一方、上記伝送マイコン(22)には、インターフェイス(27)を介してリモコン(4) が接続され、該リモコン(4) より設定温度などの運転情報が入力されて室内制御ユニット(2) に伝送されている。
【0020】また、本発明の特徴として、上記本体マイコン(21)には、リレードライブ回路(5a)が接続されると共に、該リレードライブ回路(5a)にはエマージェンシ回路(6a)が接続されている。該リレードライブ回路(5a)は、図3に示すように、電源ライン(51)にリレー回路(52)が接続されると共に、該リレー回路(52)にドライバ(53)が接続されて構成され、上記電源ライン(51)には電源(54)が接続されている。
【0021】上記リレー回路(52)は、ファンモータ(2a)を制御する4つの第1〜第4ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)が並列に接続されて構成されており、該各ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁又は消磁して室内ファンの風速を制御するようになっている。そして、上記ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)の一端は、電源ライン(51)に接続され、他端はドライバ(53)に接続されている。
【0022】また、上記ドライバ(53)は、本体マイコン(21)に接続され、該本体マイコン(21)の制御信号によって上記ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁及び消磁するように構成され、該本体マイコン(21)とドライバ(53)によって空調制御手段(AC)を構成している。更に、上記本体マイコン(21)のリセットポート(P1)には、該リセットポート(P1)をグランドに接続して本体マイコン(21)をリセットするリセット回路(28)が接続されている。
【0023】上記ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)のうち応急運転時に駆動する2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)とドライバ(53)との間には、切換手段であるコネクタ(7a)が設けられ、該コネクタ(7a)は、1つの雄型コネクタ(71)と第1雌型コネクタ(72)及び第2雌型コネクタ(73)とよりなり、それぞれ3つの接続端子を有している。
【0024】該雄型コネクタ(71)の各接続端子は、2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13,Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と本体マイコン(21)のリセットポート(P1)に接続され、上記第1雌型コネクタ(72)の2つの端子は、ドライバ(53)に接続されると共に、1つの端子は、開放され、上記第2雌型コネクタ(73)の各接続端子は、グランドに接続されたアースライン(74)が接続され、上記雄型コネクタ(71)と第2雌型コネクタ(73)とアースライン(74)とで上記エマージェンシ回路(6a)を構成している。そして、上記コネクタ(7a)は、上記2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)における励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部をドライバ(53)に直結する通常運転状態と、該2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)における励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部及び上記リセットポート(P1)をグランドに接続する応急運転状態とに切換自在に構成されている。
【0025】次に、上記空気調和装置の動作について説明する。先ず、室外制御ユニット(1) と室内制御ユニット(2) とは、信号線(3c)を介して制御情報を送受信しており、該室内制御ユニット(2) は送信部(23)より制御情報を室外制御ユニット(1) に送信する一方、受信部(24)で制御情報を受信している。そして、上記室外制御ユニット(1) は圧縮機などの室外アクチュエータを制御する一方、室内制御ユニット(2) の本体マイコン(21)は室内ファンのファンモータ(2a)などの室内アクチュエータを制御して、空調運転を制御している。
【0026】そして、通常の空調運転時において、リレー回路(52)のコネクタ(7a)は、雄型コネクタ(71)を第1雌型コネクタ(72)に接続して第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)をドライバ(53)に直結している。この結果、各ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が全てドライバ(53)に接続され、本体マイコン(21)からの制御信号によってドライバ(53)が駆動し、各励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁又は消磁してファンモータ(2a)を制御し、室内ファンを所定の風速に設定している。
【0027】尚、リセット回路(28)は、イニシャライズ時などに本体マイコン(21)のリセットポート(P1)をグランドに接続して該本体マイコン(21)をリセットする。
【0028】一方、信号伝送の異常時などにおいて、応急運転を行う場合、上記コネクタ(7a)の雄型コネクタ(71)を第2雌型コネクタ(73)に切換え接続する。この切換えにより、第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部がグランドに接続されると共に、本体マイコン(21)のリセットポート(P1)がグランドに接続されることになる。この結果、2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)のみが駆動して室内ファンが所定の風速で駆動することになる。その際、他の2つの第1及び第2ファンリレー(Ry11, Ry12)は、本体マイコン(21)がリセット状態に保持されるので、駆動することがなく、上記ファンモータ(2a)に過電流が流れることはない。
【0029】従って、本実施例によれば、応急運転時に駆動する第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)とドライバ(53)との間にコネクタ(7a)を設け、該応急運転時に励磁コイル(R13a, R14a)の一端をグランドに接続すると共に、本体マイコン(21)をリセット状態にするようにしたために、応急運転時に第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)のみを駆動することができる。この結果、試運転時などのように本体マイコン(21)が正常な場合において、他の第1及び第2ファンリレー(Ry11, Ry12)が駆動することがなく、ファンモータ(2a)に過電流が流れることを確実に防止することができるので、応急運転の信頼性を向上させることができる。
【0030】図4及び5は、請求項2に係る発明の実施例を示しており、リレードライブ回路(5b)におけるファンリレー(Ry11,〜,Ry14)に電力供給する電源ラインを2系統にしたものである。具体的に、電源ラインは、第1電源ライン(55)と第2電源ライン(56)とに分岐されている。
【0031】一方、第1ファンリレー(Ry11)と第2ファンリレー(Ry12)との励磁コイル(R11a, R12a)は、一端が第1電源ライン(55)に、他端がドライバ(53)にそれぞれ接続され、第3ファンリレー(Ry13)と第4ファンリレー(Ry14)との励磁コイル(R13a,R14a)は、一端が第2電源ライン(56)に、他端がドライバ(53)にそれぞれ接続されている。
【0032】また、切換手段であるコネクタ(7b)は、応急運転時に駆動する第3ファンリレー(Ry13)及び第4ファンリレー(Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)とドライバ(53)との間及び第1電源ライン(55)に設けられている。更に、上記コネクタ(7b)のうち雄型コネクタ(71)と第1雌型コネクタ(72)との各接続端子は、2つの励磁コイル(R13a, R14a)と第1電源ライン(55)とに接続され、第2雌型コネクタ(73)の各接続端子は、グランドに接続されたアースライン(74)が接続され、上記雄型コネクタ(71)と第2雌型コネクタ(73)とアースライン(74)とで上記エマージェンシ回路(6b)を構成している。そして、上記コネクタ(7b)は、上記2つの第3ファンリレー(Ry13)と第4ファンリレー(Ry14)との励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部をドライバ(53)に直結する通常運転状態と、該2つの第3ファンリレー(Ry13)と第4ファンリレー(Ry14)との励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部をグランドに接続すると共に、第1電源ライン(55)を遮断する応急運転状態とに切換自在に構成されている。
【0033】従って、通常の空調運転時において、リレー回路(52)のコネクタ(7b)は、雄型コネクタ(71)を第1雌型コネクタ(72)に接続して2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)をドライバ(53)に直結すると共に、第1電源ライン(55)を導通させている。この結果、各ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が全て電源ライン(55, 56)に接続されると共に、ドライバ(53)に接続され、本体マイコン(21)からの制御信号によってドライバ(53)が駆動し、各励磁コイル(R11a,〜,R14a)を励磁又は消磁してファンモータ(2a)を制御し、室内ファンを所定の風速に設定している。
【0034】一方、信号伝送の異常時などにおいて、応急運転を行う場合、上記コネクタ(7b)の雄型コネクタ(71)を第2雌型コネクタ(73)に切換え接続する。この切換えにより、2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部がグランドに接続されると共に、第1電源ライン(55)が遮断されることになる。この結果、2つの第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)のみに電力供給されて駆動し、室内ファンが所定の風速で駆動することになり、ファンモータ(2a)に過電流が流れることはない。
【0035】よって、本実施例によれば、応急運転時に駆動する第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)のみに電力供給するようにしたために、前実施例と同様に応急運転時に第3及び第4ファンリレー(Ry13, Ry14)のみを駆動することができ、ファンモータ(2a)に過電流が流れることを確実に防止することができると共に、リセット処理を要しないので、より確実な応急運転を行うことができる。その他の構成及び作用効果は前実施例と同様である。
【0036】尚、本実施例においては、ファンリレー(Ry11,〜,Ry14)のリレー回路(52)について説明したが、本発明は他のリレー回路に適用してもよい。また、空気調和装置は、本各実施例に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例を示す制御系統のブロック図である。
【図3】第1の実施例のリレー回路及びエマージェンシ回路を示す回路図である。
【図4】第2の実施例を示す制御系統のブロック図である。
【図5】第2の実施例のリレー回路及びエマージェンシ回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 室外制御ユニット
2 室内制御ユニット
5a,5b リレードライブ回路
6a,6b エマージェンシ回路
7a,7b コネクタ(切換手段)
21 本体マイコン
28 リセット回路
51 電源ライン
52 リレー回路
55 第1電源ライン
56 第2電源ライン
AC 空調制御手段
P1 リセットポート
Ry11〜Ry14 ファンリレー
R11a〜R14a 励磁コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 空調運転を制御する空調制御手段(AC)と、該空調制御手段(AC)の制御信号によってアクチュエータ(2a)を駆動させるリレー回路(52)とを備えた空気調和装置の運転制御装置において、上記空調制御手段(AC)には、リセットポート(P1)をグランドに接続してリセットさせるリセット回路(28)が接続され、上記リレー回路(52)は、複数のリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が並列に接続されて構成され、該励磁コイル(R11a,〜,R14a)の一端が電源ライン(51)に、他端が空調制御手段(AC)に接続され、応急運転時に駆動させるリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間には、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部を空調制御手段(AC)に直結する通常運転状態と、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部及び上記リセットポート(P1)をグランドに接続する応急運転状態とに切換自在な切換手段(7a)が介設されていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
【請求項2】 空調運転を制御する空調制御手段(AC)と、該空調制御手段(AC)の制御信号によってアクチュエータ(2a)を駆動させるリレー回路(52)とを備えた空気調和装置の運転制御装置において、上記リレー回路(52)は、複数のリレー(Ry11,〜,Ry14)の励磁コイル(R11a,〜,R14a)が並列に接続されて構成され、通常運転時に励磁させる励磁コイル(R11a, R12a)の一端は第1電源ライン(55)に、他端は上記空調制御手段(AC)にそれぞれ接続される一方、通常運転時と応急運転時とに励磁させる励磁コイル(R13a, R14a)の一端は第2電源ライン(56)に、他端は上記空調制御手段(AC)にそれぞれ接続され、応急運転時に駆動させるリレー(Ry13, Ry14)の励磁コイル(R13a, R14a)と空調制御手段(AC)との間及び上記第1電源ライン(55)には、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御側端部を空調制御手段(AC)に直結する通常運転状態と、該励磁コイル(R13a, R14a)の制御端部をグランドに接続すると共に、上記第1電源ライン(55)を遮断する応急運転状態とに切換自在な切換手段(7b)が介設されていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図4】
image rotate


【公開番号】特開平5−296545
【公開日】平成5年(1993)11月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−97812
【出願日】平成4年(1992)4月17日
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)