説明

空気調和装置の電装品ユニットならびに空気調和装置の室外機

【課題】端子台に結露水等の水が接触しにくい電装品ユニット、ならびにこれを備えた空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置の電装品ユニット5は、第1制御基板51と、水防止用部材56とを備える。第1制御基板51は、電装品が片面に実装されており、略鉛直方向に延びている。水防止用部材56は、第1制御基板51のうち電装品の実装面の裏側に配置され、第1制御基板51に沿って略鉛直方向に延びている。水防止用部材56は、水防止用部材56の下部かつ第1制御基板51の下方において第1制御基板51側に突出した第1部分58と、第1部分58の先端部分から下方に延びる第2部分59とで構成される突出部57bを有する。突出部57bの第2部分59のうち、第1制御基板51における電装品の実装面と同じ側には、端子台60が取り付けられており、この端子台60の上面は、突出部57bの第1部分58よりも高くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の電装品ユニット、ならびにこれを備えた空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気調和装置の室外機には、特許文献1に開示されているように、略直方体の形状を有するケーシングが、鉛直方向に延びる仕切板によって機械室と送風室とに分けられているものがある。送風室には、2つのファンが上下方向に並んで配置され、機械室には、圧縮機及び電装品ユニットが設置される。特に、機械室における電装品ユニットは、圧縮機の上方に設置される。そして、この電装品ユニットは、各種制御回路を構成する電装品が実装された制御基板や、各種配線が接続される端子台を有している。
【特許文献1】特開2008−138941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年の室外機には、電装品ユニットの上方に、低圧冷媒用の冷媒配管が配置されているものがある。この室外機では、冷媒配管内の冷媒によって冷媒配管の周りの空気が凝縮されて結露が生じ、結露水が電装品ユニットに落下する恐れがある。この結露水が例えば電装品ユニットの端子台等の電装品に接触すると、配線の腐食による接触不良が生じ、各種配線を通じて伝送される信号が正常に送信されないといった不具合が生じてしまう。
【0004】
そこで、本発明は、結露水等の水が電装品ユニットの端子台に接触するのを防ぐことができる空気調和装置の電装品ユニット、ならびにこれを備えた空気調和装置の室外機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明1に係る空気調和装置の電装品ユニットは、第1板状部材と、第2板状部材とを備える。第1板状部材は、第1電装品が片面に実装されており、略鉛直方向に延びている。第2板状部材は、第1板状部材のうち第1電装品の実装面の裏側に配置され、第1板状部材に沿って略鉛直方向に延びている。第2板状部材は、第1部分と第2部分とで構成され、第2電装品を支持するための支持部を有している。第1部分は、第2板状部材の下部かつ第1板状部材の下方において第1板状部材側に突出した部分である。第2部分は、第1部分の先端部分から下方に延びている。第2電装品は、配線が接続される端子部を含む。支持部の第2部分のうち、第1板状部材における電装品の実装面と同じ側には、第2電装品が取り付けられている。そして、第2電装品は、その上面が支持部の第1部分よりも高くなるように、第2部分に取り付けられている。
【0006】
この電装品ユニットによると、端子部を含む第2電装品の上面と支持部の第1部分との間には段差が生じるように、第2電装品は支持部の第2部分に取り付けられている。これにより、第2板状部材の側面のうち、第1電装品の実装面側である側面(以下、表面という)や、第1板状部材上を伝ってきた水が第1部分に到達したとしても、第2電装品と第1部分との間の段差によって水はせき止められ、第2電装品には水が到達しにくくなる。従って、第2電装品に水が接触するのを防ぐことができる。
【0007】
発明2に係る空気調和装置の電装品ユニットは、発明1に係る空気調和装置の電装品ユニットであって、第1部分は、第1板状部材側に略水平に延びている。
【0008】
この電装品ユニットによると、支持部の第1部分は略水平に延びているため、第2板状部材の本体部分及び支持部が比較的肉薄の金属で一体成型されているとしても、支持部の強度を保つことができる。
【0009】
発明3に係る空気調和装置の電装品ユニットは、発明1に係る空気調和装置の電装品ユニットであって、第1部分は、第2部分側が高くなるように傾斜している。
【0010】
この電装品ユニットによると、第1部分は、端子部を含む第2電装品が取り付けられる第2部分側が高くなるように傾斜している。これにより、第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝ってきた水が第1部分に到達したとしても、この水は、第1部分から第2部分へは流れにくくなるため、第2電装品には水が到達しにくくなる。
【0011】
発明4に係る空気調和装置の電装品ユニットは、発明1〜3のいずれかに係る空気調和装置の電装品ユニットであって、第1部分には、第1貫通孔が形成されている。
【0012】
この電装品ユニットによると、支持部の第1部分には第1貫通孔が形成されているため、第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝って第1部分に到達した水は、第1貫通孔から下方へ落下するようになる。また、仮に、支持部の第1部分が第2部分側に向かって低くなるように傾斜している場合、第2部分に取り付けられる第2電装品には水が行きやすくなるが、例えば第1貫通孔を第1部分の第2部分側に形成することで、第1部分に形成された第1貫通孔から水が落下するため、第2電装品には水が到達しにくくなる。
【0013】
発明5に係る空気調和装置の電装品ユニットは、発明1〜4のいずれかに係る空気調和装置の電装品ユニットであって、第1部分には、第2板状部材を伝ってきた水を所定方向に導くための溝が形成されている。
【0014】
この電装品ユニットによると、支持部の第1部分には溝が形成されている。そのため、第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝って第1部分に到達した水は、第1部分上の溝を伝って流れるようになる。所定方向を、端子部を含む第2電装品に水が流れないような方向とすることで、第2電装品に水が到達しないようにすることができる。特に、溝を凸部状に形成することで、支持部の強度をより確保することができる。
【0015】
発明6に係る空気調和装置の電装品ユニットは、発明1〜5のいずれかに係る空気調和装置の電装品ユニットであって、第1板状部材及び第2板状部材それぞれは、第1板状部材及び第2板状部材を連結するスペーサ部材が貫通するための第2貫通孔を有している。
【0016】
この電装品ユニットでは、第1板状部材及び第2板状部材それぞれにスペーサ部材用の第2貫通孔が形成されている。しかしながら、スペーサ部材が各部材の第2貫通孔を貫通して第1板状部材と第2板状部材とを連結しているとしても、各第2貫通孔には多少の隙間がある状態となってしまう。すると、例えば第2板状部材の裏面を流れてきた水は、この隙間を介して第2板状部材の表面や第1板状部材51上に到達してしまう恐れがある。しかし、本発明の電装品ユニットでは、第2電装品の上面と支持部の第1部分との間には段差が生じており、更には支持部の第1部分には第1貫通孔や溝が形成されている。そのため、例えば水が第2貫通孔の隙間を介して第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝って流れ、第1部分に到達したとしても、この水は第2電装品側には流れにくくなる。
【0017】
発明7に係る空気調和装置の室外機は、ケーシングと、仕切板と、電装品ユニットとを備える。ケーシングは、略直方体の形状を有する。仕切板は、ケーシングの内部を送風室と機械室とに分割するように、略鉛直に延びている。電装品ユニットは、機械室に配置された発明1〜6のいずれかに係る空気調和装置の電装品ユニットである。
【0018】
この空気調和装置の室外機によると、発明1〜6と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0019】
発明1に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、端子部を含む第2電装品と第1部分との間の段差によって水はせき止められ、第2電装品には水が到達しにくくなる。従って、第2電装品に水が接触するのを防ぐことができる。
【0020】
発明2に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、第2板状部材の本体部分及び支持部が比較的肉薄の金属で一体成型されているとしても、支持部の強度を保つことができる。
【0021】
発明3に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝ってきた水が第1部分に到達したとしても、この水は、第1部分から第2部分へは流れにくくなるため、第2電装品には水が到達しにくくなる。
【0022】
発明4に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝って第1部分に到達した水は、第1貫通孔から下方へ落下するようになる。また、仮に、支持部の第1部分が第2部分側に向かって低くなるように傾斜している場合、第2部分に取り付けられる第2電装品には水が行きやすくなるが、例えば第1貫通孔を第1部分の第2部分側に形成することで、第1部分に形成された第1貫通孔から水が落下するため、第2電装品には水が到達しにくくなる。
【0023】
発明5に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、所定方向を、第2電装品に水が流れないような方向とすることで、第2電装品に水が到達しないようにすることができる。特に、溝を凸部状に形成することで、支持部の強度をより確保することができる。
【0024】
発明6に係る空気調和装置の電装品ユニットによると、例えば水が第2貫通孔の隙間を介して第2板状部材の表面や第1板状部材上を伝って流れ、第1部分に到達したとしても、この水は第2電装品側には流れにくくなる。
【0025】
発明7に係る空気調和装置の室外機によると、発明1〜6と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る空気調和装置の電装品ユニットならび空気調和装置の室外機について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
(1)空気調和装置の室外機の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置の室外機1の外観斜視図である。図2は、図1の室外機1の分解斜視図である。図3は、室外機1におけるケーシング2の右前板22、右側板23、背面グリル24及び天板25が取り除かれた状態の、室外機1の斜視図である。この室外機1は、室外に設置されており、室内の壁面等に取り付けられている室内機(図示せず)と冷媒連絡配管(図示せず)を介して接続されている。尚、以下の説明においては、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは、室外機1が図1の状態で設置された状態での各方向を表す。また、室外機1について「正面」は、ファングリル21a,21bが配置されている面を表し、「背面」は、「正面」に対向する面を表すものとする。
【0028】
室外機1は、図1〜図3に示すように、主として、ケーシング2、仕切板26、板状部材3、室外熱交換器41、四路切換弁42、圧縮機43、IHヒータユニット45、送風ファン46a,46b、電装品ユニット5、及び放熱フィン7を備える。
【0029】
(1−1)ケーシング
ケーシング2は、図1に示されるように、略直方体の形状を有しており、板金及び樹脂によって形成されている。そして、ケーシング2は、図2に示すように、底板20、左前側板21、右前板22、右側板23、背面グリル24、及び天板25で構成される。
【0030】
底板20は、ケーシング2の下面部分を構成する略直方形状の金属製の板状部材である。底板20の周縁部は、上向きに折り曲げられている。底板20の上面には、圧縮機43から吐出されたガス冷媒が流れるためのガス冷媒用配管20aが配置されている。また、底板20の下面には、現地据付面に固定される2つの固定脚20b,20cが設けられている。
【0031】
左前側板21は、主にケーシング2の左側部分を構成する金属製の板状部材である。左前側板21は、上面視において略L字形状に形成されており、室外機1の左側面から正面の左側部分にかけて配置され、底板20から天板25まで延びている。左前側板21のうち、室外機1の正面を構成する部分には、円の形状を有する吹き出し口(図示せず)が上下方向に並んで2つ形成され、各吹き出し口を覆うようにしてファングリル21a,21bがそれぞれ取り付けられている。尚、吹き出し口は、送風ファン46a,46bによってケーシング2の背面側及び左側面側から内部に取り込まれた空気を外部に排出するための開口である。
【0032】
右前板22は、主にケーシング2の正面右側を構成する金属製の板状部材である。より具体的には、右前板22は、上面視において略L字形状に形成されており、室外機1の右側面の一部分から正面の右側部分にかけて配置され、底板20から天板25まで延びている。つまり、左前側板21と右前板22とで、ケーシング2の正面が構成される。
【0033】
特に、本実施形態に係る右前板22には、2つの開口22a,22bが形成されている。2つの開口22a,22bのうち、上側に位置する開口22aは、外気をケーシング2内部に取り込むための開口であって、後述する放熱フィン7によって決定された位置に設けられている。以下、この開口22aを、外気取り込み用開口という。尚、外気取り込み用開口22aの位置関係については、「(1−10)放熱フィン」で説明する。そして、外気取り込み用開口22aよりも下方に位置する開口22bは、室外機1と室内機(図示せず)とを繋ぐ冷媒連絡配管が通るための開口である。以下、この開口22bを、配管用開口という。配管用開口22bは、右前板22の前端付近かつ側端付近であって、底板20付近に形成されている。
【0034】
右側板23は、主に、ケーシング2の右側面のうち、右前板22により構成される部分を除く残りの部分と、背面の一部とを構成する金属性の板状部材である。右側板23は、底板20から天板25まで延びており、上面視において略L字形状に形成されている。
【0035】
背面グリル24は、主にケーシング2の背面を構成している。具体的に、背面グリル24は、右側板23で構成される部分を除く残りの部分(具体的には、ケーシング2の背面の左寄りの部分)を構成しており、底板20から天板25まで延びている。背面グリル24は、格子状に組まれた金属製のワイヤにポリプロピレン樹脂製の枠を取り付けた構造となっている。
【0036】
天板25は、ケーシング2の上面を構成する略直方形状の金属製の板状部材である。天板25の周縁部分は、左前側板21、右前板22、右側板23及び背面グリル24の各上端部と係合可能な形状を有している。
【0037】
(1−2)仕切板
仕切板26は、ケーシング2の底板20から天板25に至るまで略鉛直に延びており、上面視において弧状の形状を有している。仕切板26は、図3に示すように、ケーシング2内部を機械室Sq1と送風室Sq2とに分割するようにしてケーシング2内に設けられている。機械室Sq1には、四路切換弁42、圧縮機43、IHヒータユニット45、電装品ユニット5及び放熱フィン7が設置され、送風室Sq2には、室外熱交換器41及び送風ファン46a,46bが設置されている。
【0038】
そして、仕切板26の上部には、2つの通気口26a,26bが上下方向に並んで形成されている。通気口26a,26bは、機械室Sq1から送風室Sq2へと流れる空気が通過するための開口である。尚、通気口26a,26bを通過する空気の流れについては、「(1−10)放熱フィン」の“〔外気の経路〕”で説明する。更に、仕切板26には、図4に示されるように、電装品ユニット5及び板状部材3の一部が送風室Sq2側に露出されるための電装品ユニット用開口26cが形成されている。本実施形態では、電装品ユニット用開口26cは、仕切板26の約半分の高さ位置よりも上部であって、かつ通気口26a,26bよりも下部に形成されている(図3)。
【0039】
更に、仕切板26には、図4及び図6に示されるように、ファンモータ用の電源配線L1,L2が通るための配線用開口26dが形成されている。配線用開口26dは、電装品ユニット用開口26cよりも下部に位置している。この配線用開口26dにより、ファンモータ用の電源配線L1,L2は、送風室Sq2側から機械室Sq1側へと延びることができる。
【0040】
(1−3)板状部材
板状部材3は、仕切板26に電装品ユニット5を支持させるためのものであって、図2〜図4及び図6に示されるように、仕切板26と電装品ユニット5との間に仕切板26に沿って略鉛直に延びている。この板状部材3は、ファングリル21aの約半分の高さ位置から仕切板26の約半分の高さ位置まで至る程度の長さを有している(図2及び図3)。即ち、板状部材3は、装着される電装品ユニット5の高さとほぼ同程度の高さを有している(図4)。このような板状部材3は、図4及び図5に示されるように、板状部材本体部31と2つの配線支持部32a,32bとを有する。ここで、図5は、図3の室外機1のV−V断面を、上から見た場合の図である。
【0041】
板状部材本体部31は、金属製の板状部材である。板状部材本体部31は、上面視において上方向から第1所定位置P1までは(即ち、板状部材本体部31の部分31a)、仕切板26に沿って延びており、第1所定位置P1から第2所定位置P2までは(即ち、板状部材本体部31の部分31b)、仕切板26から離れる方向に延びている。つまり、板状部材本体部31の部分31aは、上面視において仕切板26に沿って略弧状の形状を有しており、板状部材本体部31の部分31bは、上面視において仕切板26と交差する方向(図5の矢印X方向)に延びている。
【0042】
2つの配線支持部32a,32bは、図6に示されるように、配線用開口26dを介して送風室Sq2から延びるファンモータ用の電源配線L1,L2を支持するためのものであって、図3〜図4及び図6に示されるように、正面視において上下方向に互いに離反した箇所に位置している。各配線支持部32a,32bは、図5に示されるように、仕切板26との間に押し込まれた電源配線L1,L2を支持可能なように、仕切板26と所定距離隔てて設けられている。更に、配線支持部32a,32bは、板状部材本体部31の第2所定位置P2から仕切板26側(即ち、図5の矢印Y方向)に向かって延びており、その先端部分は電源配線L1,L2の支持される側とは逆側、即ちケーシング2の正面側に向かって折り返されている。つまり、この配線支持部32a,3bは、折り返し点P3から一番近い仕切板26まで、所定距離Dだけ離れている。所定距離Dは、支持される電源配線L1,L2の直径に応じて決定され、本実施形態では、略6mmとなっている。このような構成を有する配線支持部32a,32bにより、電源配線L1,L2は、配線支持部32a,32bの先端部分によって損傷することなく配線支持部32a,32bと仕切板26との間に押し込まれ、配線支持部32a,32bにより支持される。
【0043】
また、上記配線支持部32a,32bは、弾性変形可能な材質として、肉薄の金属によって形成されている。特に、本実施形態に係る配線支持部32a,32bは、肉薄の金属によって、板状部材本体部31と一体形成されている(図7(a))。具体的には、図7(a)の点線部分A1,A2,A3で折り曲げられることで、2つの部分31a,31bからなる板状部材本体部31と配線支持部32a,32bとが形成される(図7(b))。尚、点線部分A1及び点線部分A2では同じ側に折り曲げられ、点線部分A3では、点線部分A1,A2とは逆方向に折り曲げられる。これにより、図7(a)の部分A0〜A2は、板状部材本体部31のうち仕切板26に沿った部分31a(即ち、図5及び図7(b)の部分31a)となり、部分A2〜A3は、板状部材本体部31のうち仕切板26から離れた部分(即ち、図5及び図7(b)の部分31b)となる。図7(a)の部分A3〜A5は、配線支持部32a,32bとなるが、更に図7(a)の点線部分A4が点線部分A3とは逆方向(即ち、点線部分A1,A2と同じ方向)に折り曲げられることで、部分A4〜A5は、配線支持部32a,32bの折り返し部分となる。このようにして配線支持部32a,32bが板状部材本体部31と一体形成されることで、各配線支持部32a,32bは、板状部材本体部31に対し、第1所定位置P1から第2所定位置P2まで延びている板状部材本体部31の部分31bを介して繋がっているようになる。
【0044】
尚、本実施形態では、板状部材3は、厚さ略0.8mmの金属で形成されている。板状部材本体部31の部分31aは、上面視において図7(b)のB1方向への長さが略24.6cm、部分31bは、B2方向への長さが略4.7cmとなっている。そして、配線支持部32a,32bは、板状部材本体部31の部分31bに対し略30度傾斜しており、約1,7cmの長さを有している。
【0045】
このような板状部材3は、電装品ユニット5が装着されると(図4)、仕切板26の電装品ユニット用開口26cの位置に合わせて仕切板26に取り付けられる。
【0046】
(1−4)室外熱交換器
室外熱交換器41は、ケーシング2の背面側及び左側面側からケーシング2内に吸い込まれてきた空気と熱交換を行うためのものである。室外熱交換器41は、図2に示すように略L字状の形状を有しており、図3に示すように、ケーシング2の左側面から背面に沿うように配置されている。このような室外熱交換器41は、長手方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管(図示せず)と、伝熱管が挿通される複数のフィンを含むフィン部分(図示せず)とを有する。伝熱管は、配管(図示せず)と接続されており、伝熱管の内部には、該配管内を流れる冷媒が流れている。
【0047】
(1−5)四路切換弁
四路切換弁42は、冷媒の流れ方向を切り換えるためのものである。四路切換弁42は、IHヒータユニット45の上方かつ電装品ユニット5における水防止用天板53の上方に位置している。四路切換弁42は、冷房運転時には、室外熱交換器41を圧縮機43により圧縮された冷媒の冷却器として機能させるべく、圧縮機43の吐出側と室外熱交換器41の一端とを接続すると共に、圧縮機43の吸入側と冷媒連絡配管(図示せず)とを接続する。また、四路切換弁42は、暖房運転時には、室外熱交換器41を室内熱交換器(図示せず)において冷却された冷媒の加熱器として機能させるべく、圧縮機43の吐出側と冷媒連絡配管(図示せず)とを接続すると共に、圧縮機43の吸入側と室外熱交換器41の一端とを接続する。
【0048】
このような四路切換弁42は、図3及び図8に示されるように、低圧冷媒が流れる低圧配管42aを有している。低圧配管42aに低圧冷媒が流れると、低圧配管42aの周囲における空気中の水蒸気が凝縮されて結露が生じ、結露水が下方に落下し易くなる。
【0049】
また、四路切換弁42のうち吐出系の配管42bは、比較的ケーシング2に近い箇所に位置している。そのため、配管42bは、ケーシング2の右前板22及び右側板23に接触し易い。しかし、本実施形態では、ケーシング2に近い配管42bの部分には、断熱材42cが巻かれているため、配管42bが直接ケーシング2の右前板22及び右側板23に接触することはない。
【0050】
(1−6)圧縮機
圧縮機43は、冷媒を圧縮するためのものであって、図示しない圧縮機用モータによって駆動される。圧縮機43は、図3に示すように、機械室Sq1内に配置されている。より具体的には、圧縮機43は、機械室Sq1内のうち、仕切板26の近傍であって、かつ電装品ユニット5の下側に配置されている。また、圧縮機43の横には、アキュムレータ44が位置している。
【0051】
(1−7)IHヒータユニット
IHヒータユニット45は、主として電磁誘導コイルで構成されており、機械室Sq1におけるアキュムレータ44の上部に位置している。IHヒータユニット45は、配管を介してアキュムレータ44及び四路切換弁42と接続されている。IHヒータユニット45は、冷媒を素早く加熱する運転時にのみオンする。ここで、冷媒を素早く加熱する運転時としては、運転開始時や、室外熱交換器41に付着した霜を取り除くデフロスト運転時が挙げられる。
【0052】
(1−8)送風ファン
送風ファン46a,46bは、送風室Sq2内の空気を室外機1の外部に送るためのものである。送風ファン46a,46bは、図2に示されるように、上下方向に並ぶにようにして2基設けられている。より具体的には、各送風ファン46a,46bは、3枚の翼を有するプロペラファンであって、ケーシング2の左前側板21に上下方向に並んで形成された各吹き出し口に対応するようにして配置されている。各送風ファン46a,46bの回転軸には、各送風ファン46a,46bの回転駆動源として機能するファンモータ(図示せず)の出力軸がそれぞれ連結されている。そのため、各ファンモータが回転すると、各送風ファン46a,46bは、各ファンモータの回転が回転軸に伝達されることにより回転することができる。
【0053】
(1−9)電装品ユニット
電装品ユニット5は、機械室Sq1内の、圧縮機43の上側に配置されており、複数の電装品を収納している。電装品ユニット5は、例えば図4に示されるように、主として、第1制御基板51(第1板状部材に相当)、第2制御基板52、水防止用天板53、及び水防止用部材56(第2板状部材に相当)を有する。
【0054】
〔第1制御基板〕
第1制御基板51は、図3、図6及び図9に示されるように、ケーシング2の略正面(具体的には、ケーシング2の右前板22の正面側部分)に沿って略鉛直方向に延びるようにして設けられている。第1制御基板51は、IHヒータユニット45、即ち電磁誘導コイルの制御用基板であって、IHヒータユニット45のオン及びオフ等を制御する制御回路の他、該制御回路に供給される電源生成用の電源回路等を構成する複数の電装品(第1電装品に相当)が実装されている。特に、電源回路を構成する電装品には、パワートランジスタ等の発熱部品が含まれており、第1制御基板51には、電装品全てがケーシング2の正面側の面(以下、第1制御基板51の表面という)のみに実装されている。つまり、第1制御基板51には、第1制御基板51の片面にのみ電装品が実装されている。そして、第1制御基板51には、図11に示されるように、第1スペーサ用貫通孔ho1(第2貫通孔に相当)が形成されている。第1スペーサ用貫通孔ho1は、スペーサ部材SPが貫通するための孔である。
【0055】
〔第2制御基板〕
第2制御基板52は、図3〜図4、図6及び図8に示されるように、仕切板26及び板状部材3に沿うようにして略鉛直に延びて配置されている。つまり、第2制御基板52は、上面視において第1制御基板51に対し所定の角度傾斜するようにして配置されている。この第2制御基板52には、IHヒータユニット45以外の機器、具体的には圧縮機用モータ、四路切換弁42、ファンモータ等の制御回路を構成する複数の電装品が実装されている。複数の電装品は、第2制御基板52のうち、仕切板26側の面とは反対側の面、即ち第1制御基板51側の面に実装されている。つまり、第1制御基板51と同様、第2制御基板52には、第2制御基板52の片面にのみ電装品が実装されている。
【0056】
更に、上記第2制御基板52には、図4及び図6に示されるように、2つのコネクタ52a,52bが取り付けられている。コネクタ52a,52bは、送風室Sq2から延びるファンモータ用の電源配線L1,L2の接続用コネクタである。このコネクタ52a,52bは、第2制御基板52において電装品が実装されている面の左側端部付近かつ上部に、上下方向に2つ並んで位置している。このコネクタ52a,52bには、図6に示されるように、仕切板26の配線用開口26dから板状部材3に沿って上方へと延びる電源配線L1,L2の先端部分が接続される。尚、該電源配線L1,L2は、その途中が板状部材3の配線支持部32a,32bによって支持された状態となっている。
【0057】
〔水防止用天板〕
水防止用天板53は、図3〜図4,図6及び図9に示されるように、第1制御基板51の上方において略鉛直方向に対し交差する方向に延びており、金属で形成されている。本実施形態では、水防止用天板53は、厚さ略0.8mmの金属で形成されている。水防止用天板53は、図4,図6及び図8に示されるように、第1天板54と第2天板55とで構成されている。
【0058】
第1天板54は、第1制御基板51における電装品の実装面の裏側に位置する水防止用部材56の上端部に連結されており、該上端部から該実装面側、つまりケーシング2の正面側へ突出するように延びている。特に、本実施形態に係る第1天板54は、水防止用天板53の上方(具体的には、四路切換弁42の低圧配管42a)から落下してくる結露水を第1所定方向dr1に導くように、水平方向に対し第1所定角度θ1傾斜して配置されている(図9)。具体的に、第1天板54は、水防止用部材56の上端部側から第1実装面側へと突出するに連れて除々に高くなるように傾斜している。つまり、第1天板54は、結露水が、ケーシング2の正面側から第1制御基板51の裏側に位置する水防止用部材56へと導かれるように、水防止用部材56の上端部側が第1制御基板51の電装品の実装面側、即ちケーシング2の正面側よりも低くなるように傾斜している。これにより、水防止用天板53の上方から第1天板54へと落下してきた結露水は、第1制御基板51における電装品の実装面には接触せず、第1天板54を伝って水防止用部材56へと流れる。
【0059】
また、第1天板54の上面には、図4、図6及び図8に示されるように、第1所定方向dr1に沿うようにして4本の第1溝54a,54b,54c,54dが形成されている。各第1溝54a〜54dは、凹状の形状を有しており、上方から落下してきた結露水の流れの拡張を制限する。このような第1溝54a〜54dは、それぞれ第1天板54の上面のうちケーシング2の正面側から水防止用部材56の上端部にかけて延びており、互いに離反して設けられている。本実施形態では、各第1溝54a〜54dの深さは略1.5mm、幅は略3mmとなっている。この第1溝54a〜54dにより、結露水は、その流れが拡張することなく、第1溝54a〜54dに沿ってケーシング2の正面側から水防止用部材56へと流れるようになる。
【0060】
第2天板55は、図4及び図6に示されるように、第2制御基板52の上端部と水防止用部材56の上端部付近とを連結すると共に、図8及び図10に示されるように、四路切換弁42の下方にまで延びている。ここで、図10は、図8の室外機1からケーシング2を除いた機械室Sq1内部を、背面側(図8の矢印V)から見た場合の、囲い部W1付近の図である。図10からも明らかなように、本実施形態に係る第2天板55には、段差stが形成されている。段差stは、上方から落下してくる結露水の第2所定方向dr2への流れを規制するためのものである。より具体的には、第2所定方向dr2、即ち第2制御基板52における電装品の実装面への結露水の流れを規制するべく、段差stは、第2天板55における第2制御基板52に近い側が遠い側よりも高くなるように形成されている。つまり、段差stは、第2天板55において、四路切換弁42側よりも第2制御基板52における電装品の実装面側が高くなるように形成されている。本実施形態では、段差stは、第1天板54上の第1溝54a〜54dに沿うようにして1段形成されており(図8)、四路切換弁42側よりも第2制御基板52側の方が略3mm高くなっている。
【0061】
また、第2天板55の上面のうち、第2制御基板52における電装品の実装面に近い部分には、変圧器として機能するリアクタReが配置されている。更に、第2天板55のうちケーシング2の正面側付近には、開口55aが設けられている(図8)。この開口55aは、室外機1の組み立て工程において、板状部材3に装着された電装品ユニット5を仕切板26に取り付ける作業が行われる際等に、作業者が開口55aを取っ手として用いることで電装品ユニット5を容易に持ち上げられるようにするための開口である(図4)。尚、電装品ユニット5を持ち上げる際には、作業者は、開口55aを一方の手で持つと共に、電装品ユニット5の右側下部を他方の手で支えることで、電装品ユニット5を安定して持ち上げることができる。
【0062】
〔水防止用部材〕
水防止用部材56は、既に述べたように、第1制御基板51における電装品の実装面の裏側に配置され、水防止用天板53と同様、厚さ略0.8mmの金属で形成されている。水防止用部材56は、図11に示されるように、第1制御基板51の第1スペーサ用貫通孔ho1に対応する位置に、第2スペーサ用貫通孔ho2(第2貫通孔に相当)を有している。これにより、第1制御基板51及び水防止用部材56は、スペーサ部材SPが第1及び第2スペーサ用貫通孔ho1,ho2を貫通することで連結されるようになる。
【0063】
そして、水防止用部材56は、例えば図9に示されるように、第1制御基板51に沿って略鉛直方向に延びている。水防止用部材56は、第1制御基板51の鉛直方向の長さよりも若干長く延びている水防止用部材本体57aと、水防止用部材本体57aの下部かつ第1制御基板51の下方において、第1制御基板51側(つまり、ケーシング2の正面側)に突出した突出部57b(支持部に相当)とを有している。突出部57bは、端子台60を支持するためのものであって、第1部分58と第2部分59とで構成される(図11)。
【0064】
第1部分58は、図11に示されるように、第1制御基板51側に延びている。より具体的には、本実施形態に係る第1部分58は、第1制御基板51の下方において、第1制御基板51の裏側に位置する水防止用部材本体57aの下端部からケーシング2の正面側(即ち、右前板22側)に向かって略水平に延びている。第1部分58の先端部分は、第1制御基板51よりもケーシング2の正面側に位置している。そして、第1部分58には、図12に示されるように、2つの水排出用貫通孔58a,58b(第1貫通孔に相当)と3つの第2溝58c,58d,58e(溝に相当)とが形成されている。水排出用貫通孔58a〜58bは、結露水を第1部分58の下方に落下させるための孔である。第2溝58c〜58eは、それぞれ凹状の形状を有しており、水防止用部材本体57a側からケーシング2の正面側に向かって若干低くなるように第2所定角度θ2傾斜している(図13)。このような第2溝58c〜58eは、結露水を、水防止用部材本体57a側からケーシング2の正面側に向かう第3所定方向dr3(所定方向に相当)に導くことができる。
【0065】
第2部分59は、第1部分58の先端部分から下方に向かって略鉛直に延びている。第2部分59のうち、第1制御基板51における電装品の実装面と同じ側には、第1及び第2制御基板51,52から延びる各種配線が接続される端子台60(端子部に相当)が取り付けられている。尚、この端子台60には、主に上面、ケーシング2の正面近傍であってかつ該正面に沿うようにして位置する側面、及び下面にかけて、配線が位置するようになる。そして、この端子台60は、図11〜図13に示されるように、その上面が第1部分58よりも高くなるようにして第2部分59に取り付けられている。つまり、端子台60と第1部分58との間には、第1部分58に比して端子台60の上面が高い段差が生じている。これにより、第1部分58上を流れる結露水は、端子台60の配線接続部分には流れず、端子台60の背面、つまり第2部分59と端子台60との接触部分を伝って下方に流れていく。
【0066】
尚、図9に示されるように、第1部分58の略水平方向への長さは、水防止用天板53における第1天板54のケーシング2の正面側への長さよりも短い。そして、第2部分59に端子台60が取り付けられた際、第1天板54のケーシング2側端部は、端子台60のケーシング2正面側に沿って位置する側面よりも若干ケーシング2の正面寄りとなっている。つまり、第1天板54は、端子台60の該側面よりもケーシング2側に延びているため、第1天板54は、第1制御基板51だけではなく、端子台60に対しても屋根となる役割を担っている。
【0067】
また、第1制御基板51とケーシング2の正面との間には、図4、図9及び図11〜図12に示されるように、絶縁シート61が設けられている。絶縁シート61は、ケーシング2の正面に沿って略鉛直に延びている。より具体的には、絶縁シート61は、第1天板54のうち、ケーシング2の正面側の端部と連結され、該端部から下方に向かって第1制御基板51を覆うと共に、端子台60の略半分にまで延びている。この絶縁シート61により、第1制御基板51において発生した熱や電流等は、ケーシング2に伝導しにくくなる。尚、絶縁シート61の材質としては、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0068】
〔水の経路〕
ここで、上記構成を有する電装品ユニット5の上方から落下してきた結露水の経路について、図9〜図12を用いて説明する。
【0069】
先ず、四路切換弁42の低圧配管42aに低圧冷媒が流れると、低圧配管42aの周りには結露が生じ、結露水は、電装品ユニット5の水防止用天板53に落下する(図9の矢印S1)。水防止用天板53のうち、第1天板54上に落下した結露水は、第1天板54がケーシング2の正面側から水防止用部材56側に延びるのに伴い低くなるように傾斜していることから、第1天板54上の第1溝54a〜54d上を伝って第1所定方向dr1に流れる。そして、この結露水は、第1天板54上から水防止用部材56の裏面を伝って下方に流れる(図9の矢印S2)。即ち、結露水は、水防止用部材本体57aの裏面から突出部57bの裏面を伝って下方に流れる。つまり、結露水は、突出部57bの第2部分59のうち、端子台60の取り付け面の裏面を流れるため、端子台60に接触することはない。
【0070】
一方、水防止用天板53のうち、第2天板55上に落下した結露水は(図10の矢印S3)、第2天板55上の段差stによってせき止められ、第2制御基板52における電装品の実装面及びリアクタRe側(つまり、第2所定方向dr2)には流れない。
【0071】
また、第1制御基板51及び水防止用部材56は、スペーサ部材SPによって連結されているが、スペーサ部材SPが貫通した状態にある該基板51及び該部材56の各スペーサ用貫通孔ho1,ho2には、多少の隙間がある。すると、水防止用部材56の裏面を伝って下方に流れている結露水は、この隙間及びスペーサ部材SPを伝って水防止用部材本体57aの表面や第1制御基板51の表面(即ち、電装品の実装面)に到達してしまう恐れがある(図11の矢印S4,S5)。このように、やむを得ず第1制御基板51の表面や水防止用部材本体57aの表面に流れてきた結露水は、突出部57bにおける第1部分58上の水排出用貫通孔58a〜58bを通って端子台60と接触することなく突出部57bの下方に流れ落ちるか、または第1部分58上の第2溝58c〜58eを伝って第3所定方向dr3に流れる(図11及び図12)。第3所定方向dr3に流れた結露水は、第2部分59に取り付けられている端子台60と第1部分58との段差により、端子台60の配線接続部分には到達せず、端子台60の裏面及び第2部分59を伝って突出部57bの下方に流れ落ちるようになる(図11の矢印S6)。
【0072】
(1−10)放熱フィン
放熱フィン7は、第1制御基板51上に実装されている発熱部品によって発せられた熱を放熱するためのものであって、該発熱部品に近接して配置されている。放熱フィン7は、例えば図4に示されるように、第1制御基板51における電装品の実装面上に取り付けられている。また、電装品ユニット5及び放熱フィン7がケーシング2内に収納されている際には、放熱フィン7は、図14に示されるように、機械室Sq1においてケーシング2の前端付近かつ側端付近に位置している。つまり、放熱フィン7は、正面視においてケーシング2の右端部付近、更にはアキュムレータ44の上方に位置している(図9)。
【0073】
次に、放熱フィン7とケーシング2の外気取り込み用開口22aとの位置関係について説明する。本実施形態では、外気取り込み用開口22aは、図1及び図14に示されるように、ケーシング2のうち、放熱フィン7に対応する位置よりも下部であって、更には機械室Sq1に対応するケーシング2の部分の前端付近かつ側端付近に形成されている。より具体的には、本実施形態に係る外気取り込み用開口22aは、配管用開口22bの上方かつ配管用開口22b付近に、スリット状に設けられている。つまり、放熱フィン7は、ケーシング2の外気取り込み用開口22aの上方に位置していることになる。
【0074】
〔外気の経路〕
次に、上記構成を有する室外機1の機械室Sq1内部に取り込まれた外気の経路について、図14を用いて説明する。
【0075】
先ず、機械室Sq1に対応するケーシング2の部分(具体的には、右前板22)に形成されている配管用開口22bには、冷媒連絡配管が通っているが、該配管と配管用開口22bとの間には隙間がある。外気は、この隙間を介してケーシング2の内部に取り込まれ、図14の矢印U1に示されるように、機械室Sq1の下方から上方へと流れる。この時、外気は、第1制御基板51に取り付けられた放熱フィン7付近の空気と混ざり、やがて仕切板26の上部に形成された通気口26a,26bを通って送風室Sq2へと送られる。
【0076】
更に、機械室Sq1に対応するケーシング2の部分(具体的には、右前板22)に形成された外気取り込み用開口22aからも、外気が取り込まれる。この外気は、矢印U1と同様、機械室Sq1の上方へと流れる(図14の矢印U2)。そして、この外気は、外気取り込み用開口22aの上方に位置する放熱フィン7付近の空気と混ざり、やがて通気口26a,26bを通って送風室Sq2へと送られる。
【0077】
即ち、発熱部品により発せられ放熱フィン7によって放熱された熱は、配管用開口22b及び外気取り込み用開口22aから取り込まれた外気により、送風室Sq2へと送られる。従って、放熱フィン7が送風室Sq2側に突出していない構成であっても、機械室Sq1内部に熱がこもることを抑制することができる。
【0078】
(2)効果
(A)
本実施形態に係る空気調和装置の電装品ユニット5によると、端子台60は、その上面が水防止用部材56における突出部57bの第1部分58よりも高くなるように、第2部分59に取り付けられている。つまり、端子台690と第1部分58との間には、段差が生じている。これにより、水防止用部材56の表面や第1制御基板51を伝ってきた水が第1部分58に到達したとしても、端子台60と第1部分58との間の段差によって結露水はせき止められ、端子台60には結露水が到達しにくくなる。従って、端子台60に水が接触するのを防ぐことができる。
【0079】
(B)
また、電装品ユニット5によると、突出部57bの第1部分58は略水平に延びているため、水防止用部材本体57a及び突出部57bが比較的肉薄の金属で一体成型されているとしても、突出部57bの強度を保つことができる。
【0080】
(C)
また、電装品ユニット5によると、突出部57bの第1部分58には水排出用貫通孔58a〜58bが形成されているため、水防止用部材56の表面や第1制御基板51上を伝って第1部分58に到達した結露水は、水排出用貫通孔58a〜58bから下方へ落下するようになる。
【0081】
(D)
また、電装品ユニット5によると、突出部57bの第1部分58には第2溝58c〜58eが形成されている。そのため、水防止用部材56の表面や第1制御基板51上を伝って第1部分58に到達した結露水は、第1部分58上の第2溝58c〜58eを伝って流れるようになる。
【0082】
(E)
また、電装品ユニット5では、第1制御基板51及び水防止用部材56それぞれに第1及び第2スペーサ部材用貫通孔ho1,ho2が形成されている。しかしながら、スペーサ部材SPが該基板51及び該部材56の各スペーサ部材用貫通孔ho1,ho2を貫通して該基板51と該部材56とを連結しているとしても、各スペーサ部材用貫通孔ho1,ho2には多少の隙間がある状態となってしまう。すると、水防止用部材56の裏面を流れてきた水は、この隙間を介して水防止用部材56の表面や第1制御基板51上に到達してしまう恐れがある。しかし、本実施形態に係る電装品ユニット5では、端子台60の上面と突出部57bの第1部分58との間には段差が生じており、更には突出部57bの第1部分58には水排出用貫通孔58a〜58bや第2溝58c〜58eが形成されている。そのため、例えば結露水が第1及び第2スペーサ部材用貫通孔ho1,ho2の隙間を介して水防止用部材56の表面や第1制御基板51上を伝って流れ、第1部分58に到達したとしても、この結露水は端子台60側には流れにくくなる。
【0083】
(F)
また、本実施形態に係る電装品ユニット5は、空気調和装置の室外機に適用することができる。
【0084】
<その他の実施形態>
(a)
上記実施形態では、図4や図6に示されるように、板状部材3が2つの配線支持部32a,32bを有すると説明した。しかし、配線支持部の個数は、2つに限定されず、例えば支持する配線の本数や長さ等により適宜決定された個数設けられてもよい。
【0085】
(b)
上記実施形態では、図7(a)に示されるように、板状部材本体部31と配線支持部32a,32bとが金属によって一体形成されると説明した。しかし、複数の配線支持部32a,32bは、板状部材本体部31の部分31bを介して繋がっていればよく、板状部材本体部31と一体形成されていなくともよい。また、配線支持部32a,32bは、弾性変形可能な材質で形成されていればよく、材質は金属に限定されない。
【0086】
(c)
上記実施形態では、電装品ユニット5の水防止用天板53における第1天板54が、第1所定方向dr1に結露水を導くように傾斜していると説明した。しかし、第1天板54は、第1所定方向dr1に結露水を導くことができれば、傾斜して配置される代わりに、複数の段差が形成されていてもよい。即ち、第1天板54には、ケーシング2の正面側に比して水防止用部材56側が低くなるように、複数の段差が形成されていてもよい。これにより、上記実施形態と同様、第1天板54上に落下してきた結露水は、第1制御基板51の電装品には接触しにくくなる。
【0087】
(d)
上記実施形態では、水防止用部材56の突出部57bにおける第1部分58が、略水平に延びている場合について説明した。しかし、第1部分58は、水防止用部材本体57aの下端部から第1制御基板51側(即ち、ケーシング2の正面側)に延びていれば、水平でなくとも良い。
【0088】
図15は、突出部57bの第1部分58が、水防止用部材本体57a側よりも第1制御基板51側(即ち、ケーシングの正面側)の方が高くなるように延びている場合を示している。つまり、第1部分58は、端子台60が取り付けられる第2部分59側が高くなるように傾斜している。即ち、第1部分58の水防止用部材本体57a側端部は、第2部分59側端部よりも低い。尚、第1部分58には、凹状の第2溝58c〜58eが形成されており、各第2溝58c〜58eの水防止用部材本体57a側端部付近には、水排出用貫通孔158a〜158cが1つずつ形成されている。
【0089】
上記構成によると、仮にスペーサ部材用貫通孔の隙間を伝って第1制御基板51の表面や水防止用部材本体57aの表面に結露水が流れてきたとしても、この結露水は、第1部分58の傾斜により、第2部分59側には流れず、水防止用部材本体57a側に流れる(即ち、矢印dr4の方向)。また、各第2溝58c〜58eを伝って矢印dr4の方向に流れてきた結露水は、水排出用貫通孔158a〜158cを通って突出部57bの下方へ落下する。このように、結露水は、第2部分59側へは流れないため、端子台60には結露水が到達しにくくなる。
【0090】
尚、図15では、一例として、第2溝58c〜57eの水防止用部材本体57a側端部それぞれに水排出用貫通孔158a〜158cが設けられている場合を示しているが、水排出用貫通孔158a〜158cの位置は、これに限定されない。例えば、水排出用貫通孔158a〜158cは、第2溝58c〜57eの中央部分等に形成されていてもよい。
【0091】
(e)
次に、第1部分58が略水平でない他の例として、第1部分58が、水防止用部材本体57a側よりも第1制御基板51側(即ち、ケーシング2の正面側)の方が低くなるように延びている場合について、図16を用いて説明する。
【0092】
図16に示されるように、突出部57bの第1部分58は、第2部分59側が低くなるように傾斜している。即ち、第1部分58の水防止用部材本体57a側端部は、端子台60が取り付けられている第2部分59側端部よりも高い。そして、第1部分58には、凹状の第2溝58c〜58eが形成されており、各第2溝58c〜58eの第2部分59側端部には、水排出用貫通孔258a〜258cが1つずつ形成されている。尚、上記実施形態と同様、端子台60は、その上面が第1部分58よりも高くなるように第2部分59に取り付けられている。
【0093】
上記構成によると、仮に第1制御基板51の表面や水防止用部材56の表面を結露水が伝って流れてくると、この結露水は、第2部分59側へと流れる(即ち、矢印dr5の方向)。しかし、第2溝58c〜58eを伝って流れてきた結露水は、水排出用貫通孔258a〜258cを通って突出部57bの下方へ落下する。更には、端子台60の上面と第1部分58との間には段差があるため、結露水は、端子台60には到達しにくくなる。
【0094】
(f)
上記実施形態では、突出部57bにおける第1部分58には、ケーシング2の正面側に向かって傾斜している凹状の第2溝58c〜58eが形成されていると説明した。しかし、第2溝58c〜58eは、傾斜せずともよい。
【0095】
また、第2溝58c〜58eは、凹状ではなく、凸状に形成されていてもよい。これにより、水防止用部材56が比較的肉薄の金属で形成されているとしても、第1部分58の強度をより保つことができる。
【0096】
(g)
上記実施形態では、突出部57bに端子台60が取り付けられる場合について説明した。しかし、本発明に係る突出部57bに取り付けられる部品は、端子台60のみに限定されない。突出部57bには、端子台60に加え、例えばリアクタ等の電装品が更に取り付けられても良い(端子台60及びリアクタ等は、第2電装品に相当)。
【0097】
(h)
上記実施形態では、仕切板26の上部に、2つの通気口26a,26bが形成されていると説明したが、通気口の数は2つに限定されず、例えば1つや3つであってもよい。
【0098】
(i)
上記実施形態では、図14に示されるように、外気取り込み用開口22aが、機械室Sq1に対応するケーシング2の部分の前端付近かつ側端付近に形成されていると説明した。しかし、外気取り込み用開口の位置はこれに限定されない。即ち、外気取り込み用開口は、ケーシング2の正面視において放熱フィン7に対応する位置よりも下部に設けられていれば、ケーシング2の部分の前端付近かつ側端付近でなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明に係る電装品ユニットは、端子台に水が接触するのを防ぐことができるという効果を有し、空気調和装置の室外機に搭載される電装品ユニットとして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施形態に係る空気調和装置の室外機の外観斜視図。
【図2】本実施形態に係る空気調和装置の室外機の分解斜視図。
【図3】ケーシングの右前板、右側板、背面グリル及び天板が取り除かれた状態の、室外機の斜視図。
【図4】仕切板の一部分と、この仕切板の部分に取り付けられる電装品ユニット及び板状部材を示す図。
【図5】図3の室外機1のV−V断面を上側から見た場合の、ケーシングの左前側板、仕切板、板状部材における板状部材本体及び配線支持部を示す図。
【図6】板状部材の配線支持部に電源配線が支持された状態を示す、電装品ユニットの周辺図。
【図7a】板状部材本体と配線支持部とが一体形成された板状部材を説明するための図。
【図7b】図7(a)の点線部分A1〜A4が折り曲げられることによって形成された板状部材の上面図。
【図8】図3の室外機において、機械室の部分を上から見た場合の図。
【図9】図3の室外機における機械室を、右側側面(図3の矢印Z)から見た場合の図。
【図10】図8の室外機からケーシングを除いた機械室の内部を、背面側(図8の矢印V)から見た場合の、囲い部W1付近の図。
【図11】図9の端子台付近(図9の囲い部W2)の拡大図。
【図12】図11の端子台付近の斜視図。
【図13】水防止用部材の突出部付近を、図3の室外機のZ方向から見た場合の図であって、第2溝が第2所定角度傾斜している旨を説明するための図。
【図14】放熱フィン及び外気取り込み用開口の位置と共に、外気の経路を説明するための図。
【図15】その他の実施形態(d)に係る突出部付近を示す図。
【図16】その他の実施形態(e)に係る突出部付近を示す図。
【符号の説明】
【0101】
1 室外機
2 ケーシング
20 底板
21 左前側板
21a,21b ファングリル
22 右前板
22a 外気取り込み用開口
22b 配管用開口
23 右側板
24 背面グリル
25 天板
26 仕切板
26a,26b 通気口
26c 電装品ユニット用開口
26d 配線用開口
3 板状部材
31 板状部材本体部
32a,32b 配線支持部
41 室外熱交換器
42 四路切換弁
42a 低圧配管
42b 吐出系の配管
42c 断熱材
43 圧縮機
44 アキュムレータ
45 IHヒータユニット
46a,46b 送風ファン
5 電装品ユニット
51 第1制御基板 (第1板状部材)
52 第2制御基板
52a,52b 端子用コネクタ
53 水防止用天板
54 第1天板
54a〜54d 第1溝
55 第2天板
55a 開口
56 水防止用部材(第2板状部材)
57a 水防止用部材本体
57b 突出部(支持部)
58 第1部分
58a〜58b 水排出用貫通孔(第1貫通孔)
58c〜58e 第2溝(溝)
59 第2部分
60 端子台(端子部)
61 絶縁シート
7 放熱フィン
ho1,ho2 第1及び第2スペーサ用貫通孔(第2貫通孔)
SP スペーサ部材
Sq1 機械室
Sq2 送風室
Re リアクタ
S1〜S6 水の経路
U1,U2 外気の経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電装品が片面に実装されており、略鉛直方向に延びる第1板状部材(51)と、
前記第1板状部材(51)のうち前記第1電装品の実装面の裏側に配置され、前記第1板状部材(51)に沿って略鉛直方向に延びる第2板状部材(56)と、
を備え、
前記第2板状部材(56)は、その下部かつ前記第1板状部材(51)の下方において前記第1板状部材(51)側に突出した第1部分(58)と、前記第1部分(58)の先端部分から下方に延びる第2部分(59)とで構成され、配線が接続される端子部(60)を含む第2電装品を支持するための支持部(57b)を有しており、
前記支持部(57b)の前記第2部分(59)のうち、前記第1板状部材(51)における前記第1電装品の実装面と同じ側には、前記第2電装品が取り付けられており、
前記第2電装品は、その上面が前記支持部(57b)の前記第1部分(58)よりも高くなるように、前記第2部分(59)に取り付けられている、
空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項2】
前記第1部分(58)は、前記第1板状部材(51)側に略水平に延びている、
請求項1に記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項3】
前記第1部分(58)は、前記第2部分(59)側が高くなるように傾斜している、
請求項1に記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項4】
前記第1部分(58)には、第1貫通孔(58a〜58b)が形成されている、
請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項5】
前記第1部分(58)には、前記第2板状部材(56)を伝ってきた水を所定方向に導くための溝(58c〜58e)が形成されている、
請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項6】
前記第1板状部材(51)及び前記第2板状部材(56)それぞれは、前記第1板状部材(51)及び前記第2板状部材(56)を連結するスペーサ部材(SP)が貫通するための第2貫通孔(ho1,ho2)を有している、
請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)。
【請求項7】
略直方体の形状を有するケーシング(2)と、
前記ケーシング(2)の内部を送風室(Sq2)と機械室(Sq1)とに分割するように、略鉛直に延びる仕切板(26)と、
前記機械室(Sq1)に配置された請求項1〜6のいずれかに記載の空気調和装置の電装品ユニット(5)と、
を備える、空気調和装置の室外機(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−71519(P2010−71519A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237971(P2008−237971)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)