説明

空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法

【課題】再始動時に速やかな応答性で再始動状態に切り換え可能であり、始動安定性を大きく高めることができる空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法を提供する
【解決手段】空気通路3に金属材質を重ねて当てたプラスチック材質のハウジングユニット1と、空気通路を開閉するフラップバルブ9と、運転者による始動開始時、制御器を通して駆動され、フラップバルブを開放するための回転動力を発生させるモータ11と、モータの回転動力を受けてフラップバルブを完全閉鎖状態から完全開放状態に切り換え、運転者による始動停止とは異なる異常な始動停止時、空気通路を通して空気供給が行われるように、モータの駆動なしにフラップバルブの完全開放状態を維持させる電子減速器20,30,40と、運転者による始動停止時、モータの駆動がない状態で弾性復元力でフラップバルブを完全閉鎖状態に戻す復帰ユニット50とを含んで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気遮断バルブに係り、特に、運転者の意図せぬエンジンの始動停止時にも、空気供給のためのフラップバルブの開放状態が維持されることにより、迅速な再始動性を確保し、同時に構成要素にプラスチック(Plastic)材質を適用することにより、成形工程の縮小および生産性の向上とともに、コストも低減することができる空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、燃料電池車両は、燃料電池スタック内の水素反応のために空気が必ず供給されなければならず、また、水素反応時に必要な空気量が調整されなければならない。
【0003】
通常、空気を吸入して供給するようにモータ駆動されるブロワが用いられ、空気量調整のために、空気遮断バルブであるACV(Air Cut Off Valve)が用いられる。
【0004】
図9は、通常の燃料電池車両の空気系統ラインを示す。
【0005】
図示のように、空気系統ラインは、吸入した空気が燃料電池スタック200に供給されるように流入ライン300が連結され、燃料電池スタック200を出た空気が抜ける排出ライン400が連結され、前記流入ライン300および排出ライン400には、空気を加湿するための加湿器500がさらに設けられる。(例えば特許文献1参照。)
【0006】
通常、ブロワ600は、吸入空気をろ過するためのフィルタ610の後段で前記流入ライン300に設けられ、ACV700は、前記流入ライン300および前記排出ライン400において少なくとも1ヶ所以上の位置に設けられることにより、燃料電池スタック200の耐久性も保護することができる。
【0007】
前述したように、ACV700は、水素反応時に必要な空気量調整のための機構であって、空気流れのための所定の空気通路を有するハウジングボディ701と、制御器の制御信号で動力を発生するドライバを具備したモータ710と、モータ710の駆動時、回転軸721とともに回転するフラップボディ722を用いてハウジングボディ701の空気通路に対する開度量を可変させるフラップバルブ720と、モータ710の回転力を受けて前記フラップバルブ720の動きを制御する電磁バルブ730とから構成される。
【0008】
通常、車両の状態は、運転者の意図に応じた正常なキーオフによるエンジンの始動停止やキーオンによるエンジンの始動開始だけでなく、運転者の意図に合わない異常な始動停止も発生し、異常な始動停止時の速やかな始動開始は再始動性を大きく高め、商品性および信頼性を向上する。
【0009】
エンジンの再始動は、初期始動時と同様に、ACV700を通した空気供給を要求するため、燃料電池車両の始動安定性の面で、空気を供給するACV700は始動開始を決定づける最も根本的な性能因子である。
【0010】
しかし、前記のようなACV700は、エンジンの再始動性の面でやや脆弱さがある。
【0011】
これは、ACV700の作動方式に起因するもので、通常、ACV700は、キーオフ(Key Off)時、正常または異常な条件に関係なくフラップバルブ720が完全閉鎖(Full Close)に切り換えられ、他方、キーオン(Key On)時、フラップバルブ720が完全開放(Full Open)に切り換えられる方式で作動する。
【0012】
そのため、もし、運転者の意図に合わない異常な始動停止が発生しても、ACV700の作動状態は完全開放(Full Open)−>完全閉鎖(Full Close)に切り換えられることを意味し、これは、運転者が迅速に再始動しても、初期始動時と同様に、完全閉鎖(Full Close)−>完全開放(Full Open)に切り換えられる作動手順を経なければならないことを意味する。
【0013】
このように、運転者の迅速な再始動要求に応えない応答性を有するACV700は迅速な再始動を不能にすることにより、予期せぬ始動停止による停止状態の車両を迅速に移動させることができず、これにより、運転者は車両の移動不能による不安感をつのらせ、深刻な場合、車両に対する信頼性に悪影響を及ぼさざるを得なくなる。
【0014】
一方、ACV700には、モータ710を一方の側面部位で収容し、電磁バルブ730をモータ710およびフラップバルブ720に連係して他方の側面部位で収容するように一体化された形状からなるハウジングボディ701が適用されるが、このようなハウジングボディ701は、ACV700製造の面において不利な面が多い。
【0015】
一例として、ハウジングボディ701は、その製作方式が、通常、アルミニウム(Aluminium)材質をダイキャスティング(Die Casting)で射出成形した後、必要な各種の穴(Hole)を加工し、その表面も加工した後、ハウジングボディ701に各種部品とともにベアリングを押し込み設置し、冷却水循環のための冷却水チューブを押し込み設置することにより、ACV700が製造される。
【0016】
前記のようなACV700の製造時、アルミニウム材質を適用したハウジングボディ701による重量増加が避けられず、特に、アルミニウム材質の有する熱膨脹特性によってACV700の熱的耐久性を大きく低下させてしまう。
【0017】
特に、ACV700の熱敏感度は、冷却性能の低下時、作動異常をもたらす一因として作用することにより、ACV700はもちろん、これを適用した燃料電池車両の品質と信頼性にも悪影響を及ぼさざるを得なくなる。
【0018】
また、ACV700の製造にアルミニウム材質を適用することにより、ハウジングボディ701の成形がダイキャスティング方式に限られるという不都合があり、これは、成形方式の不都合だけでなく、成形後の組立工程においてもさらに不都合になる。
【0019】
一例として、アルミニウム材質をダイキャスティングしてハウジングボディ701の全体的な形状を射出し−>これに穴および表面加工し−>次に、関連部品および機器組立のような過程を経て完成することにより、全体的に成形および組立工程が複雑になり、ACV700の生産性を低下させる一因となる。
【0020】
しかし、何よりも、アルミニウム材質のハウジングボディ701を適用したACV700は、水分の発生が相対的に多い燃料電池車両において防錆性が大きく不利になる。
【0021】
このような現象は、特に、始動停止時、ACV700もともに閉鎖されることにより、燃料電池スタック200で発生した水が外部に排出できずにACV700に溜まることによってさらに深刻になる。
【0022】
また、前記のように、ACV700に溜まった水は、氷点以下の外部温度条件で水分氷結による冷始動性の低下をもたらし、また、水分によるアルミニウムの腐食をもたらしてしまう。
【0023】
通常、ACV700の水分氷結によるフラップバルブ720の固着はヒータを用いて簡単に解消できるのに対し、腐食現象は水分を完全に除去しない限り防止することができないという限界がある。
【0024】
水分によってACV700の腐食が深刻になると、フラップバルブ720を制御する電磁バルブ730やモータのような電子部品に対する漏水の可能性を大きく高めることにより、ACV700の故障(Fail)をもたらす一因になるしかない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2011−49131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、運転者の意図に応じたエンジンの正常な始動開始状態で運転者の意図に応じた正常な始動停止に反するエンジンの異常な始動停止が起こっても、フラップバルブの開放状態をそのまま維持することにより、再始動時に速やかな応答性で再始動状態に切り換え可能であり、始動安定性を大きく高めることができる空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、電子部品を収容するハウジングボディをプラスチック(Plastic)材質で適用することにより、アルミニウム(Aluminium)材質の適用による重量増加の防止とダイキャスティング(Die Casting)射出による成形と組立工程の増加およびコストの上昇を防止し、特に、溜まった水分による腐食による故障(Fail)状況も防止することができる空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法を提供することを目的とする。
【0028】
さらに、本発明は、プラスチック材質のハウジングボディに結合され、モータで開閉されるフラップバルブの水分氷結による固着現象をヒータで解消することにより、冬季における氷点以下の温度で水分氷結による始動不能を予防することができる空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
このような目的を達成するための本発明の空気遮断バルブは、空気通路に金属材質を重ねて当てたプラスチック(Plastic)材質のハウジングユニットと、前記空気通路を開閉するフラップバルブと、運転者による始動開始時、制御器を通して駆動され、前記フラップバルブを開放するための回転動力を発生させるモータと、前記モータの回転動力を受けて前記フラップバルブを完全閉鎖状態から完全開放状態に切り換え、運転者による始動停止とは異なる異常な始動停止時、前記空気通路を通して空気供給が行われるように、前記モータの駆動なしに前記フラップバルブの完全開放状態を維持させる電子減速器と、運転者による始動停止時、前記モータの駆動がない状態で弾性復元力で前記フラップバルブを完全閉鎖状態に戻す復帰ユニットとを含んで構成されていることを特徴とする。
【0030】
前記ハウジングユニットは、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質のボアとともに、前記空気通路の両側に具備された金属材質の一対のベアリングがモールディング成形されたハウジングボディと、前記ハウジングボディの一方の側面部位で一体に形成され、前記モータを収容するモータボディと、前記ハウジングボディの他方の側面部位で一体に形成され、前記電子減速器を収容するギヤボディとを備えることを特徴とする。
【0031】
前記電子減速器は、前記モータの回転動力を減速しトルクを増大することによって前記フラップバルブを回転させ、前記フラップバルブを完全開放状態に切り換える時に前記復帰ユニットに加えられる弾性復元力を形成させるギヤユニットと、前記ギヤユニットの回転位置の変化で前記フラップバルブの完全閉鎖信号と完全開放信号をそれぞれ発生させて前記制御器に伝送するセンシングユニットと、前記フラップバルブの完全開放を認知した前記制御器を通して作動して前記フラップバルブの完全開放状態を固定させ、運転者による始動停止を認知した前記制御器を通して作動して前記フラップバルブの完全開放状態を固定解除するホールディングユニットとから構成されていることを特徴とする。
【0032】
前記ギヤユニットは、前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合されるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転減速とトルクが 増大することにより、互いに締結された状態で前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとから構成されることを特徴とする。
【0033】
前記シャフトギヤは、前記フラップバルブを開放するために回転する時に前記復帰ユニットをなす捻じスプリングを弾性変形させ、前記捻じスプリングから加えられる弾性復帰力は前記シャフトギヤに持続的に加えられることを特徴とする。
【0034】
前記スーパーギヤと、これに噛み合った前記減速ギヤと、前記減速ギヤの前記インターギヤに噛み合った前記シャフトギヤとは、一直線上に配列されることを特徴とする。
【0035】
前記センシングユニットは、前記ギヤユニットの回転位置の変化に応じてともに位置変化するマグネットと、前記マグネットの位置変化を互いに異なる2ヶ所の位置でそれぞれ検出して前記制御器に伝送される検出信号を発生するホールセンサとから構成されることを特徴とする。
【0036】
前記ホールセンサは、前記制御器に送受信する回路を具備した回路基板に備えられ、前記マグネットの1ヶ所の位置を検出する第1ホールセンサと、前記第1ホールセンサに間隔を置いて前記回路基板に備えられ、前記マグネットの位置変化に応じた他の1ヶ所の位置を検出する第2ホールセンサとから構成されることを特徴とする。
【0037】
前記第1ホールセンサと第2ホールセンサは、最大90度の間隔を有し、前記第1ホールセンサの検出信号は、前記フラップバルブの完全開放位置であり、前記第2ホールセンサの検出信号は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置に設定されることを特徴とする。
【0038】
前記ホールディングユニットは、電源通電時にロッドを引っ張って内部のリターンスプリングを圧縮する一方、電源遮断時に前記リターンスプリングの弾性復元力で前記ロッドを押し出すソレノイドと、前記ロッドの引き込み時に反時計方向に回転する一方、引き出し時に時計方向に回転する回転中心点を有するラチェットと、前記ラチェットの反時計方向への回転時に離隔する一方、時計方向への回転時に噛み合って前記ギヤユニットを拘束するラチェット突起とから構成されることを特徴とする。
【0039】
前記ギヤユニットは、前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合されるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転減速とトルクが 増大することにより、互いに締結された状態で前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとから構成され、前記ラチェット突起は、前記シャフトギヤに一体に形成されることを特徴とする。
【0040】
前記制御器は、前記フラップバルブの水分氷結による固着時に熱を発生させるヒータの制御をさらに含み、前記ヒータは、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質部位を加熱することを特徴とする。
【0041】
また、上記の目的を達成するための本発明の空気遮断バルブは、フラップバルブで開閉される空気通路に金属材質を重ねて当てたプラスチック(Plastic)材質のハウジングユニットと、運転者による始動開始時、前記フラップバルブを開放するための回転動力を発生させるモータと、前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合され、トルクを減らし回転を増加させるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転することにより、互いに締結された前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとからなるギヤユニットと、前記シャフトギヤに固定されたマグネットの位置変化を互いに異なる2ヶ所の位置でそれぞれ検出し、1ヶ所の検出信号を前記フラップバルブの完全閉鎖位置として、他の1ヶ所の検出信号を前記フラップバルブの完全開放位置として用いるセンシングユニットと、電源通電時に内部のリターンスプリングを圧縮しながら引き込まれる一方、電源遮断時に前記リターンスプリングの弾性復元力で引き出されるロッドを具備したソレノイドと、前記ロッドの引き込み時に反時計方向に回転し、前記シャフトギヤに形成されたラチェット突起から離隔する一方、引き出し時に時計方向に回転し、前記ラチェット突起に噛み合って前記シャフトギヤを拘束するラチェットとからなるホールディングユニットと、運転者による始動停止時、前記モータの駆動がない状態で前記シャフトギヤに弾性復元力を加えて前記フラップバルブを完全閉鎖状態に戻す捻じスプリングと、前記フラップバルブの水分氷結による固着時に熱を発生させ、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質部位を加熱するヒータと、運転者による始動開始時、前記モータを駆動して前記フラップバルブを完全開放状態に切り換え、前記ソレノイドをオン(On)からオフ(Off)に切り換えて前記フラップバルブの完全開放状態を維持させ、運転者による始動停止時、前記モータを駆動せずに前記ソレノイドをオン(On)からオフ(Off)に切り換え、運転者による始動停止とは異なる異常な始動停止時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに始動開始を行い、水分氷結をもたらす外部温度条件で前記ヒータに電源を供給する制御ロジッグを具備した制御器とを含んで構成されていることを特徴とする。
【0042】
さらに、上記の目的を達成するための本発明の空気遮断バルブを用いた再始動安定化方法は、エンジンの始動オン(On)時、氷点以下の外部温度の時にヒータを稼働して空気通路を開閉するフラップバルブの結氷状態を解消する結氷解消ステップと、引き込まれるロッドを通してラチェットを反時計方向に回転させるようにソレノイドをオンにした後、モータを駆動し、モータの動力を回転減速およびトルク増大の過程を経て伝達されたシャフトギヤの回転により、これに締結された前記フラップバルブが開放されるフラップバルブ開度開放ステップと、前記フラップバルブの完全開放後、前記ソレノイドをオフにし、引き出される前記ロッドを通して時計方向に回転する前記ラチェットを前記シャフトギヤに噛み合って前記フラップバルブの閉鎖傾向を抑制するフラップバルブ開度維持ステップと、運行中において、運転者による前記エンジンの始動停止とは異なる異常な前記エンジンの始動停止後運転者の再始動時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに前記エンジンの始動開始を行う再始動実現ステップと、運転者による前記エンジンの始動停止時、前記モータを駆動せずに、引き込まれるロッドを通したラチェットの反時計方向への回転で前記シャフトギヤに対する拘束を解除するように前記ソレノイドをオン(On)にし、前記フラップバルブの完全開放時、弾性変形していた捻じスプリングの弾性復元力で前記フラップバルブが完全閉鎖状態に戻った後、前記ソレノイドをオフ(Off)にし、車両の運行中において、運転者による前記エンジンの始動停止とは異なる異常な前記エンジンの始動停止時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに、前記エンジンの再始動開始時にフラップバルブの完全開放状態を維持するように行う前記エンジンの始動停止時のフラップバルブ措置ステップとを含んで行われることを特徴とする。
【0043】
前記フラップバルブ開度維持ステップにおいて、前記モータの駆動は1秒間持続され、前記ソレノイドをオフ(Off)にする前記フラップバルブの完全開放状態は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置に固定され、マグネットの磁力に反応する第2ホールセンサの検出信号を基準とし、前記フラップバルブの完全開放位置に固定され、移動した前記マグネットの磁力に反応する第1ホールセンサの検出信号で判断されることを特徴とする。
【0044】
前記第1ホールセンサの検出信号と前記第2ホールセンサの検出信号は、30秒間持続的に繰り返し検出され、繰り返し検出の過程中において、前記第2ホールセンサの検出信号が発生した時に中断され、前記ソレノイドをオフ(Off)にすることを特徴とする。
【0045】
前記始動停止実現ステップにおいて、前記ソレノイドのオン(On)時間は2秒間持続され、前記ソレノイドをオフ(Off)にする前記フラップバルブの完全閉鎖状態は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置に固定され、マグネットの磁力に反応する第2ホールセンサの検出信号で判断されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0046】
このような本発明の空気遮断バルブは、正常な車両の運転状態で運転者の意図に応じエンジンの正常な始動停止に反する異常な始動停止が起こっても、フラップバルブの開放状態をそのまま維持することにより、エンジンの再始動時に直ちに反応する速やかな応答性で再始動安定性を大きく高める効果を奏する。
【0047】
また、本発明は、空気遮断バルブの速やかで迅速なエンジンの再始動応答性による迅やな車両の移動が可能になることにより、運転者の不安感を解消し、商品性を大きく高める効果も奏する。
【0048】
さらに、本発明の空気遮断バルブには、モールディング(Molding)成形可能なプラスチック(Plastic)材質で作られ、電子部品とフラップバルブなどを組立てたハウジングボディが適用されることにより、アルミニウム(Aluminium)材質に比べて重量が減少し、プラスチック物性による成形の容易性とそれによる成形工程および組立工程がより短縮され、特に、製造コストが低減する効果を奏する。
【0049】
また、本発明の空気遮断バルブには、電子部品とフラップバルブなどを組立てたプラスチック材質のハウジングボディが適用されることにより、腐食による故障(Fail)の発生を根絶する効果も奏する。
【0050】
なお、本発明の空気遮断バルブには、ヒータが適用され、氷点以下の外部温度時に氷結状態を溶かすことにより、水分氷結による始動不能も防止する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る空気遮断バルブの構成図である。
【図2】本発明に係るハウジングボディの構成図である。
【図3】本発明に係る電子減速器の詳細構成図である。
【図4】本発明に係る電子減速器の詳細構成図である。
【図5】本発明に係る空気遮断バルブおよびこれを用いた再始動安定化方法を実現するための制御ブロックである。
【図6】本発明に係るヒータの作動状態である。
【図7】本発明に係る空気遮断バルブの開放時における電子減速器の作動状態である。
【図8】本発明に係る空気遮断バルブの閉鎖時における電子減速器の作動状態である。
【図9】通常の燃料電池車両の空気系統ラインの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施形態を添付した例示図面を参照して詳細に説明する。このような実施形態は一例であって、本発明の属する技術分野における当業者が種々の異なる形態で実現可能であるため、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0053】
図1は、本実施形態に係る空気遮断バルブの構成を示す。
【0054】
図示のように、空気遮断バルブであるACV(Air Cut Off Valve)は、プラスチック(Plastic)材質でモールディング(Molding)成形され、開口した空気通路3を形成したハウジングユニット1と、空気通路3に設けられ、空気通路3を開閉させるフラップバルブ9と、制御器の制御によって駆動され、回転動力を発生させる動力ユニット10と、伝達された動力ユニット10の回転を減速しトルクを増大してフラップバルブ9を開閉し、キーオフ(Key Off)前までフラップバルブ9の開放状態を維持するように制御器で制御される電子減速器と、水分氷結によるフラップバルブ9の固着状態を解消するように制御器で制御されて熱を発生するヒータ60とから構成される。
【0055】
前記ハウジングユニット1は、プラスチック(Plastic)材質からなり、前記フラップバルブ9は、回転軸9aに結合されてともに回転することにより、空気通路3を開閉するフラップボディ9bから構成され、前記動力ユニット10は、制御器の信号を受けるモータドライブで駆動制御されて動力を発生し、モータ軸12を有するモータ11から構成される。
【0056】
また、前記電子減速器は、モータ11の回転力を減速しトルクを増大してフラップバルブ9を開放するギヤユニット20と、フラップバルブ9の位置を検出して制御器に伝送するセンシングユニット30と、運転者の意図に応じたキーオフ(Key Off)を除外しフラップバルブ9の開放状態を固定するように制御器で制御されるホールディングユニット40と、運転者の意図に応じたキーオフ(Key Off)時、弾性復元力でフラップバルブ9を閉鎖する復帰ユニット50とから構成される。
【0057】
前記のように、本実施形態に係る電子減速器には、ホールディングユニット40がさらに備えられることにより、走行中の時、運転者の意図せぬ始動停止後再始動時に直ちに始動される再始動安定性が大きく強化される。
【0058】
再始動安定性とは、運転者の意図に応じた正常なキーオフによる始動停止時、フラップバルブ9が閉鎖して空気供給が遮断され、運転者の意図に応じた正常なキーオンによる始動開始時、フラップバルブ9が開放して空気供給が形成される場合を越えた運転者の意図に合わない異常な始動停止時、運転者の再始動要求に直ちに応答することができる応答性を意味する。
【0059】
通常、再始動安定性に優れるとは、フラップバルブ9の開放状態から空気供給が直ちに開始されることを表し、これを通じてACVの性能が左右される。
前述したように、前記ホールディングユニット40がフラップバルブ9の開放状態を維持することにより、再始動時にACVを通して空気供給が迅速に行われることが可能になる。
【0060】
図2は、本実施形態に係るACVに適用されたハウジングユニットを示す。
【0061】
図示のように、ハウジングユニット1は、開口した空気通路3を形成したハウジングボディ2と、空気通路3に重ねて当てられたボア4と、両側に180度対向した位置で空気通路3に具備された一対のベアリング5a、5bと、空気通路3の一方の側面部位でハウジングボディ2と一体に形成されたモータボディ6と、モータボディ6に対して90度折れてハウジングボディ2と一体に形成されたギヤボディ7と、空気通路3の他方の側面部位でハウジングボディ2と一体に形成されたヒータボディ8とを備える。
【0062】
前記ギヤボディ7は、ハウジングボディ2に一体に形成できるが、好ましくは、ハウジングボディ2とは別物として成形され、スクリューやボルトなどで締結される構造をなすことが好ましい。
【0063】
前記ボア4およびベアリング5a、5bは、金属材質からなり、特に、前記ボア4は、ヒータ60から熱を受けて加熱されることにより、水分氷結によるフラップバルブ9の固着状態を解消することができる。
【0064】
ここで、前記ボア4は、通常アルミニウム(Aluminium)材質を適用する。
【0065】
しかし、本実施形態では、前記ハウジングユニット1がプラスチック(Plastic)材質からなることにより、アルミニウム(Aluminium)材質対比の低重量による利点とともに、プラスチック物性による多様な利点も実現することができる。
【0066】
何より、プラスチック物性によってハウジングユニット1をモールディング(Molding)成形することにより、ダイキャスティング(Die Casting)に比べて製造工程と組立工程がより短縮できる。
【0067】
一例として、プラスチックを用いる場合、ハウジングユニット1をモールディング成形することにより、金属材質であるボア4およびベアリング5a、5bをインサート金型内に予め位置させた状態でともに成形可能であり、このような成形方式によってハウジングユニット1が成形された後、金属材質であるボア4およびベアリング5a、5bを押し込むための組立工程が要求されず、それだけ組立工程を縮小することができる。
【0068】
また、ハウジングユニット1がアルミニウムに比べて固有の熱膨脹特性が低いプラスチックで製造され、熱に鈍感になることにより、ACVが相対的に高い熱的耐久性を有し、品質と信頼性も大きく高めることができる。
【0069】
さらに、ハウジングユニット1がプラスチックで製造され、アルミニウムに比べて腐食が発生しないことにより、水分が溜まった場合でも、電子部品を腐食の危険性から安全に維持する。
【0070】
図3は、本実施形態に係るACVに適用された電子減速器を構成するギヤユニット20とセンシングユニット30およびホールディングユニット40と復帰ユニット50を示す。
【0071】
図示のように、前記ギヤユニット20は、モータ11のモータ軸12に固定されて回転するスーパーギヤ21と、スーパーギヤ21の回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤ22と、減速ギヤ22のギヤ軸22aに結合されるインターギヤ23と、インターギヤ23に噛み合って回転減速とトルクが増大することにより、互いに締結された状態でフラップバルブ9を開閉するシャフトギヤ24とから構成される。
【0072】
前記スーパーギヤ21対比の前記減速ギヤ22のギヤ歯数と、前記インターギヤ23対比のシャフトギヤ24のギヤ歯数は、フラップバルブ9の開度仕様に応じた割合で設定される。
【0073】
前記シャフトギヤ24のギヤ歯24aは、枠全体のうちの一部区間にのみ形成されるが、これは、フラップバルブ9の開度角[完全閉鎖(Full Close)−>完全開放(Full Open)]によって設定される。
【0074】
また、前記シャフトギヤ24には、ラチェット突起45がシャフトギヤ24のギヤ歯24aを越えた特定区間で形成されるが、前記ラチェット突起45は、フラップバルブ9の開度角を安定的に維持するように、後述するホールディングユニット40と連係して作動する。
【0075】
これとともに、前記シャフトギヤ24の中心には、一方の側面に突出した軸ボス24dが形成され、フラップバルブ9の回転軸9aと締結され、前記軸ボス24dの周囲にスプリングボス24b、24cがさらに形成され、後述する復帰ユニット50の組立位置を定めるようになる。
【0076】
本実施形態において、前記スーパーギヤ21とこれに噛み合った減速ギヤ22および減速ギヤ22のインターギヤ23に噛み合ったシャフトギヤ24は、一直線上に配列される。
【0077】
一方、前記センシングユニット30は、電気信号を増幅および変換して制御器に送受信する回路を具備した回路基板31と、フラップバルブ9の開度角の変化に応じて位置がともに変化するマグネット32と、マグネット32の位置変化を感知して電気信号を発生する少なくとも1個以上のホールセンサ33とから構成される。
【0078】
前記回路基板31は、ハウジングユニット1のギヤボディ7に組立てられる。
【0079】
前記マグネット32は、永久磁石であり、ギヤユニット20のシャフトギヤ24に取り付けられることにより、シャフトギヤ24の回転に応じた位置変化を発生させる。
【0080】
前記ホールセンサ33は、互いに間隔を置いて回路基板31に備えられた第1ホールセンサ33aと第2ホールセンサ33bとから構成され、特定位置にあるマグネット32の検出時、前記第1ホールセンサ33aで発生する検出信号がACVの完全開放を判断するのに用いられ、変化した位置にあるマグネット32の検出時、前記第2ホールセンサ33bで発生する検出信号でACVの完全閉鎖を判断するのに用いられる。
【0081】
前記第1ホールセンサ33aと前記第2ホールセンサ33bの間隔は、最大90度をなすが、これは、フラップバルブ9の完全閉鎖(Full Close)時を0度にして基準値として定め、これを基準としてフラップバルブ9の完全開放(Full Open)時を90度に定めたことによる。
【0082】
前記第1ホールセンサ33aおよび前記第2ホールセンサ33bの検出信号は、ホールディングユニット40を作動させる制御器に入力されるか、またはホールディングユニット40を作動させるための制御信号として直接入力できる。
【0083】
一方、前記ホールディングユニット40は、抜け(引き出され)たり入る(引き込まれる)ストロークを有するロッド41aが具備されたソレノイド41と、ソレノイド41のロッド41aの動きに連係して回転中心を介して反時計方向への回転(ロッドの引き込み時)や時計方向への回転(ロッドの引き出し時)が行われるラチェット42と、ラチェット42の回転方向に応じてラチェット42と噛み合ったり噛み合い解除されるラチェット突起45とから構成される。
【0084】
前記ソレノイド41は、オン時、ロッド41aが引っ張られてソレノイド41に入り、他方、オフ時、ロッド41aが押し出されてソレノイド41から抜ける方式で作動する。
【0085】
このために、前記ソレノイド41には、ロッド41aを弾撥支持して引っ張られるロッド41aによって圧縮変形した後、ロッド41aの引っ張り解除時に弾性復帰力でロッド41aを押し出すリターンスプリングが内蔵される。
【0086】
前記ラチェット42は、一方の部位がヒンジピン43を介してソレノイド41のロッド41aに固定され、その中間部位が他のヒンジピン44を介して固定され、他方の部位が自由状態を有することにより、前記他のヒンジピン44を中心としたシーソー(Seesaw)の動きを実現することができる。
【0087】
前記ラチェット42において自由状態を有する他方の部位は、ラチェット突起45と噛み合うことにより、ラチェット突起45を有するシャフトギヤ24を拘束することができる。
【0088】
前記ラチェット突起45は、ギヤユニット20のシャフトギヤ24に形成され、これは、前述したように、シャフトギヤ24のギヤ歯24aを越えた特定区間で少なくとも1個以上の突起から構成される。
【0089】
図4は、本実施形態に係るフラップバルブ9とシャフトギヤ24およびホールセンサ33と復帰ユニット50の構成を示す。
【0090】
図示のように、シャフトギヤ24は、中心に突出した軸ボス24dが形成され、フラップバルブ9の回転軸9aと締結されることにより、直接的にフラップバルブ9の動きを作るようになる。
【0091】
また、ホールセンサ33は、第1ホールセンサ33aと第2ホールセンサ33bが回路基板31に互いに間隔を置いて位置することにより、第1ホールセンサ33aは、シャフトギヤ24に固定されたマグネット32の特定位置を検出する一方、第2ホールセンサ33bは、シャフトギヤ24の回転に応じて変化したマグネット32の他の特定位置を検出することができる。
【0092】
そして、復帰ユニット50は、シャフトギヤ24の軸ボス24dと締結されたフラップバルブ9の回転軸9a部位に巻線され、巻線されていない両側を、軸ボス24dの周囲に形成された一対のスプリングボス24b、24cを用いて拘束させる。
【0093】
前記復帰ユニット50は、捻じスプリングタイプを適用し、弾性率は、フラップバルブ9を動かすトルクを考慮して設定される。
【0094】
一方、本実施形態に係る制御器は、燃料電池車両の運行を総体的に制御するコントローラを意味し、ACVに対する制御信号とバッテリの電力を供給する機能はもちろん、水分氷結を解消するためのヒータ制御とともに、ACVの制御を通じた再始動安定性強化のための制御ロジッグもともに含まれる。
【0095】
前記のように、制御ロジッグにヒータ制御が含まれることにより、冬季における氷点以下の温度で水分氷結によるACVの固着を解消し、燃料電池車両の始動安定性を大きく向上させる。
【0096】
特に、前記のような再始動安定性強化のための制御ロジックがさらに具備されることにより、運転者の意図に応じた正常な始動開始状態で運転者の意図に応じた正常な始動停止に反する異常な始動停止が起こっても、ACVの開放状態の維持で直ちに再始動状態に切り換え可能であり、このような特徴により、燃料電池車両では、再始動応答性が速やかで、かつ、再始動安定性も大きく向上することができる。
【0097】
図5は、本実施形態に係る始動時に関連する空気遮断バルブの制御ブロックであって、前記制御ブロックは、車両始動開始制御S10と、空気遮断バルブの開度制御S20、空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30、車両再始動制御S40および車両始動停止制御S50によって順次に実現されることを示す。
【0098】
車両始動開始制御S10が実行されると、燃料電池車両の始動オン(On)時、ACVの解氷が要求されるかを先にチェックする。
【0099】
ACVの解氷に対する要求条件は、氷点以下の外部温度で判断され、要求条件の充足時には、ヒータ60を稼働することにより、図6のように、金属材質のボア4部位に対する加熱Wで結氷状態が解消できる。
【0100】
これにより、冬季における氷点以下の温度による水分氷結でフラップバルブ9が固着されても、ACVの作動不能で始動がかからない状況を防止する。
【0101】
次に、ヒータ60が稼働されていないかまたは稼働された後には、空気遮断バルブの開度制御S20に移ってACVを開放し、連続的に空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30に移ってACVを完全開放(Full Open)時まで開放した後、開放された状態を維持する。
【0102】
前記のように、空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30を行うことにより、本実施形態に係るACVは、異常な始動停止後再始動される時に空気供給を直ちに開始することができ、燃料電池車両の再始動応答性を速やかにし、始動安定性も高めることができる。
【0103】
図7(イ)、(ロ)は、空気遮断バルブの開度制御S20と、次の空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30による詳細ロジッグが行われた後、それによるACVの完全開放(Full Open)作動を示す。
【0104】
空気遮断バルブの開度制御S20時には、ホールディングユニット40を先に作動させるが、これは、モータ11が駆動される前にフラップバルブ9を作動させるギヤユニット20の作動がラチェット42によって拘束されないようにするためである。
【0105】
このような作動時には、本実施形態に係るソレノイド41は、電源の供給がなければ、内部のリターンスプリングによってロッド41aが引き出され、これにより、ラチェット42がシャフトギヤ24側に下降することに起因する。
【0106】
図7(イ)は、ホールディングユニット40の作動状態であって、図示のように、電源が印加されてオン(On)状態に切り換えられたソレノイド41は、ロッド41aを引っ張り、引っ張られたロッド41aは、ヒンジピン43で締結されたラチェット42を下降させることにより、他のヒンジピン44を回転中心としてラチェット42が反時計方向に回転する。
【0107】
この時、ソレノイド41に具備されたリターンスプリングは、ロッド41aによって圧縮されて弾性力を保存し、これを通じて、ソレノイド41のオフ(Off)時、ロッド41aは、ラチェット42が時計方向に回転するように押し出して力を受けることができるようになる。
【0108】
前記のように、ラチェット42の自由端がギヤユニット20のシャフトギヤ24から離れることにより、シャフトギヤ24は、ラチェット42から自由な状態に切り換えられる。
【0109】
次に、シャフトギヤ24がラチェット42から自由な状態でモータ11を駆動してフラップバルブ9を開放し、これは約1秒程度の時間の間持続されるが、このような1秒の持続時間は、ACVの設計仕様に応じて異なって設定可能である。
【0110】
前記のようなフラップバルブ9の開放過程を、図7(ロ)を用いて説明すると、モータ11の動力は、モータ軸12に固定されたスーパーギヤ21に伝達され、スーパーギヤ21の回転は、減速ギヤ22を通して減速ギヤ22のギヤ軸22aに結合されたインターギヤ23に伝達された後、インターギヤ23に噛み合ったギヤ歯24aを通してシャフトギヤ24の回転に切り換えられる。
【0111】
前記シャフトギヤ24の回転は、軸ボス24dに締結されたフラップバルブ9の回転軸9aを回転させることにより、フラップボディ9bを開放する。
【0112】
この時、フラップバルブ9とシャフトギヤ24との間に具備された復帰ユニット50は、シャフトギヤ24の回転に応じてスプリングボス24b、24cの間に拘束された状態に弾性変形することにより、フラップバルブ9の閉鎖時にシャフトギヤ24に復元力を提供する。
【0113】
前記のような復帰ユニット50の弾性復元力により、ACVは、モータ11のオフ(Off)後、別途の動力源なしにも完全閉鎖(Full Close)に切り換え可能である。
【0114】
一方、モータ11の駆動から約1秒の時間経過後、フラップバルブ9が完全開放(Full Open)状態に切り換えられたか否かは、センシングユニット30をなすマグネット32と、これに反応する一対の第1ホールセンサ33aおよび第2ホールセンサ33bによって判断される。
【0115】
つまり、シャフトギヤ24に取り付けられたマグネット32は、シャフトギヤ24の回転でその位置も変換され、このようなマグネット32の位置変化は、互いに間隔を有して回路基板31に固定された第1ホールセンサ33aおよび第2ホールセンサ33bを通してそれぞれ検出されることにより、フラップバルブ9の完全開放(Full Open)の可否が判断される。
【0116】
これは、第1ホールセンサ33aで検出されたマグネット32の位置をフラップバルブ9の完全開放(Full Open)に設定して90度に規定し、他方、第2ホールセンサ33bで検出されたマグネット32の位置をフラップバルブ9の完全閉鎖(Full Close)に設定して0度に規定することにより、簡単に実現可能である。
【0117】
一方、第1ホールセンサ33aがマグネット32の位置を検出する前であれば、これは、フラップバルブ9がまだ完全開放(Full Open)に切り換えられていないことを意味する。
【0118】
この場合、第1ホールセンサ33aの信号が検出される前まで約30秒間カウントする方式が適用されるが、カウントする間にフィードバック(Feedback)され、第1ホールセンサ33aの信号が検出されるか否かを持続的に繰り返す。
【0119】
この時、前記30秒の持続時間は、ACVの設計仕様に応じて異なって設定可能である。
【0120】
次に、第1ホールセンサ33aの信号が検出されるかまたはカウントされる間にフィードバックを通じて第1ホールセンサ33aの信号が検出されると、フラップバルブ9が完全開放(Full Open)に切り換えられたと判断し、モータ11とソレノイド41をすべてオフ(Off)に切り換える。
【0121】
これは、空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30を通じて実現される。
【0122】
これにより、シャフトギヤ24は、モータ11から回転力を受けられずに止まった状態になり、同時に、ソレノイド41のロッド41aは、圧縮されていたリターンスプリングから力を受けて抜けるようになる。
【0123】
このような作用は、30秒のカウント経過時にも同様に行われる。
【0124】
図7(ロ)には、前記のような状態が示されているが、図示のように、ソレノイド41のロッド41aが抜けることにより、ヒンジピン43で締結されたラチェット42を上に上昇させる。
【0125】
一方の部位が上に上昇したラチェット42は、他のヒンジピン44を回転中心として反対側の自由端部位を下に下降させてシャフトギヤ24のラチェット突起45と係合することにより、結局、シャフトギヤ24は、ラチェット突起45に係合したラチェット42を介して拘束状態Haに切り換えられる。
【0126】
そのため、シャフトギヤ24は、完全開放(Full Open)状態から閉鎖状態に行こうとするフラップバルブ9のいかなる回転の動きも、ラチェット突起45に係合したラチェット42を介して阻止することができ、特に、シャフトギヤ24に加えられる復帰ユニット50の弾性復元力もともに阻止することができる。
【0127】
これにより、走行中において、予期せずに運転者の意図とは無関係な異常な始動停止が発生しても、フラップバルブ9は、完全開放(Full Open)状態が維持されることにより、再始動時に迅速に始動をかけることができる。
【0128】
前記のように、フラップバルブ9が完全開放(Full Open)状態で、かつ、完全開放(Full Open)状態に維持されてから、運転中の状態では、運転者の意図せぬ異常な始動停止であるかを判断する。
【0129】
このようなチェック過程において、判断の結果、異常な始動停止ではない、正常な停止であれば、後述する車両始動停止制御S50に移るが、判断の結果、異常な始動停止であれば、車両再始動制御S40に移って運転者の再始動要求があるかを判断する。
【0130】
つまり、運転者の再始動要求がなければ、後述する車両始動停止制御S50に移り、他方、運転者の再始動要求があれば、車両再始動制御S40に移り、車両は直ちに再始動状態に切り換えられる。
【0131】
前記のような運転者の再始動要求は直ちに反映され、車両が直ちに再始動状態に切り換え可能であるが、これは、完全開放(Full Open)状態を維持しているACVによって実現される機能である。
【0132】
つまり、始動が停止しても、ACVは、始動停止前の完全開放(Full Open)状態が維持されるが、これは、前述したように、本実施形態では、シャフトギヤ24を拘束状態Haとするラチェット42がソレノイド41のオフ(Off)状態で作動し、このようなソレノイド41のオフ(Off)状態は、運転者の意図した始動停止(Key Off)または運転者の意図せぬ異常な始動停止時にも同様に実現されることに起因する。
【0133】
そのため、本実施形態では、ACVが完全開放(Full Open)状態に常に維持されることにより、運転者の意図せぬ異常な始動停止時に再始動すると、完全開放(Full Open)状態であるACVは、直ちに空気供給を開始することにより、運転者の再始動要求に迅速に応答することができ、向上した再始動性を実現する。
【0134】
一方、運転者の意図に応じた始動停止(Key Off)が検出され、車両始動停止制御S50に移ると、ACVは、完全閉鎖(Full Close)のための制御が行われる。
【0135】
この場合、本実施形態は、他の特徴であるモータ11の駆動なしにACVを完全閉鎖(Full Close)状態に切り換え可能であるが、これは、ACVが完全開放(Full Open)に切り換えられる時、弾性変形していた復帰ユニット50がシャフトギヤ24に復元力を提供することにより、フラップバルブ9を閉鎖することに起因する。
【0136】
図8(イ)、(ロ)は、車両始動停止制御S50による詳細ロジッグによるACVの完全閉鎖(Full Close)作動過程を示す。
【0137】
車両始動停止制御S50は、図8(イ)のように、完全開放(Full Open)状態でラチェット42によって拘束状態Haであるシャフトギヤ24を先に解除する過程であって、このために、ソレノイド41は、電源の通電でオン(On)状態に切り換えられ、前述したように、モータ11は、オフ(Off)状態が維持される。
【0138】
前記のように、オン(On)状態に切り換えられたソレノイド41は、ロッド41aを引っ張ってヒンジピン43で締結されたラチェット42を下降させることにより、他のヒンジピン44を回転中心としてラチェット42が反時計方向に回転する。
【0139】
この時、ソレノイド41に具備されたリターンスプリングは、ロッド41aによって圧縮されて弾性力を保存し、これを通じて、ソレノイド41のオフ(Off)時、ロッド41aは、ラチェット42が時計方向に回転するように押し出して力を受けることができるようになる。
【0140】
前記のように、ラチェット42の自由端がギヤユニット20のシャフトギヤ24から離れることにより、図8(ロ)のように、シャフトギヤ24は、ラチェット42から自由状態Hbに切り換えられる。
【0141】
この時、ラチェット42の自由端がシャフトギヤ24から自由状態Hbに切り換えられるためのソレノイド41の電流通電時間が必要になり、これは約2秒程度の時間の間持続されるが、ACVの設計仕様に応じて異なって設定可能である。
【0142】
ラチェット42の自由端がシャフトギヤ24から自由状態Hbに切り換えられた後、モータ11の動力なしに復帰ユニット50自体の弾性復元力だけでシャフトギヤ24が回転し、これを通じてフラップバルブ9が完全閉鎖(Full Close)に切り換えられる過程である。
【0143】
図8(ロ)に示しているように、マグネット32は、復帰ユニット50自体の弾性復元力を受けて回転するシャフトギヤ24を通して完全開放(Full Open)位置を検出する第1ホールセンサ33aから、完全閉鎖(Full Close)位置を検出する第2ホールセンサ33bに移動する。
【0144】
次に、マグネット32の位置が第2ホールセンサ33bを通して検出されることにより、フラップバルブ9が完全閉鎖(Full Close)に切り換えられたACVのオフ状態を意味し、これは、制御ロジッグの実行中においていかなる異常状態でも同様に実現される。
【0145】
このような手順によってフラップバルブ9が完全閉鎖(Full Close)に切り換えられると、車両の始動が停止し、ACVは、初期化状態に再び始動がかかるまで待機状態を維持し、始動が再びかかると、ACVは、車両始動開始制御S10と、空気遮断バルブの開度制御S20、空気遮断バルブの開度ホールディング制御S30、車両再始動制御S40および車両始動停止制御S50による順次の過程によって制御される。
【0146】
前記のように、本実施形態に係る空気遮断バルブであるACV(Air Cut Off Valve)は、ソレノイド41のオン(On)およびオフ(Off)で作動するラチェット42を用いてフラップバルブ9の完全開放(Full Open)状態が維持されることにより、運転者の意図せぬ異常な始動停止時、ACVの迅速な空気供給によって再始動性が大きく向上し、また、ACVにプラスチック(Plastic)材質を適用することにより、モールディング(Molding)成形による組立工程が単純化され、コストの低減はもちろん、水分による腐食現象も完全に防止され、作動信頼性も大きく向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は車両における空気遮断バルブの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0148】
1 ハウジングユニット
2 ハウジングボディ
3 空気通路
4 ボア
5a、5b ベアリング
6 モータボディ
7 ギヤボディ
8 ヒータボディ
9 フラップバルブ
9a 回転軸
9b フラップボディ
10 動力ユニット
11 モータ
12 モータ軸
20 ギヤユニット
21 スーパーギヤ
22 減速ギヤ
22a ギヤ軸
23 インターギヤ
24 シャフトギヤ
24a ギヤ歯
24b、24c スプリングボス
24d 軸ボス
30 センシングユニット
31 回路基板
32 マグネット
33 ホールセンサ
33a 第1ホールセンサ
33b 第2ホールセンサ
40 ホールディングユニット
41 ソレノイド
41a ロッド
42 ラチェット
43、44 ヒンジピン
45 ラチェット突起
50 復帰ユニット
60 ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気通路に金属材質を重ねて当てたプラスチック(Plastic)材質のハウジングユニットと、
前記空気通路を開閉するフラップバルブと、
エンジンの始動停止時、制御器を通して駆動され、前記フラップバルブを開放するための回転動力を発生させるモータと、
前記モータの回転動力を受けて前記フラップバルブを完全閉鎖状態から完全開放状態に切り換え、運転者による前記エンジンの始動停止とは異なる異常な始動停止時、前記空気通路を通して空気供給が行われるように、前記モータの駆動なしに前記フラップバルブの完全開放状態を維持させる電子減速器と、
運転者による前記エンジンの始動停止時、前記モータの駆動がない状態で弾性復元力で前記フラップバルブを完全閉鎖状態に戻す復帰ユニットとを含んで構成されていることを特徴とする空気遮断バルブ。
【請求項2】
前記ハウジングユニットは、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質のボアとともに、前記空気通路の両側に具備された金属材質の一対のベアリングがモールディング成形されたハウジングボディと、前記ハウジングボディの一方の側面部位で一体に形成され、前記モータを収容するモータボディと、前記ハウジングボディの他方の側面部位で一体に形成され、前記電子減速器を収容するギヤボディとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の空気遮断バルブ。
【請求項3】
前記電子減速器は、前記モータの回転動力を減速しトルクを増大することによって前記フラップバルブを回転させ、前記フラップバルブを完全開放状態に切り換える時に前記復帰ユニットに加えられる弾性復元力を形成させるギヤユニットと、
前記ギヤユニットの回転位置の変化で前記フラップバルブの完全閉鎖信号と完全開放信号をそれぞれ発生させて前記制御器に伝送するセンシングユニットと、
前記フラップバルブの完全開放を認知した前記制御器を通して作動して前記フラップバルブの完全開放状態を固定させ、運転者による前記エンジンの始動停止を認知した前記制御器を通して作動して前記フラップバルブの完全開放状態を固定解除するホールディングユニットとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気遮断バルブ。
【請求項4】
前記ギヤユニットは、前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合されるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転減速とトルクが増大することにより、互いに締結された状態で前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気遮断バルブ。
【請求項5】
前記シャフトギヤは、前記フラップバルブを開放するために回転する時に前記復帰ユニットをなす捻じスプリングを弾性変形させ、前記捻じスプリングから加えられる弾性復帰力は前記シャフトギヤに持続的に加えられることを特徴とする請求項4に記載の空気遮断バルブ。
【請求項6】
前記スーパーギヤと、これに噛み合った前記減速ギヤと、前記減速ギヤの前記インターギヤに噛み合った前記シャフトギヤとは、一直線上に配列されていることを特徴とする請求項4に記載の空気遮断バルブ。
【請求項7】
前記センシングユニットは、前記ギヤユニットの回転位置の変化に応じてともに位置変化するマグネットと、
前記マグネットの位置変化を互いに異なる2ヶ所の位置でそれぞれ検出して前記制御器に伝送される検出信号を発生するホールセンサとから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気遮断バルブ。
【請求項8】
前記ホールセンサは、前記制御器に送受信する回路を具備した回路基板に備えられ、前記マグネットの1ヶ所の位置を検出する第1ホールセンサと、
前記第1ホールセンサに間隔を置いて前記回路基板に備えられ、前記マグネットの位置変化に応じた他の1ヶ所の位置を検出する第2ホールセンサとから構成されていることを特徴とする請求項7に記載の空気遮断バルブ。
【請求項9】
前記第1ホールセンサと第2ホールセンサは、最大90度の間隔を有することを特徴とする請求項8に記載の空気遮断バルブ。
【請求項10】
前記第1ホールセンサの検出信号は、前記フラップバルブの完全開放位置であり、前記第2ホールセンサの検出信号は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置であることを特徴とする請求項9に記載の空気遮断バルブ。
【請求項11】
前記ホールディングユニットは、電源通電時にロッドを引っ張って内部のリターンスプリングを圧縮する一方、電源遮断時に前記リターンスプリングの弾性復元力で前記ロッドを押し出すソレノイドと、前記ロッドの引き込み時に反時計方向に回転する一方、引き出し時に時計方向に回転する回転中心点を有するラチェットと、
前記ラチェットの反時計方向への回転時に離隔する一方、時計方向への回転時に噛み合って前記ギヤユニットを拘束するラチェット突起とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気遮断バルブ。
【請求項12】
前記ギヤユニットは、前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合されるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転減速とトルクが増大することにより、互いに締結された状態で前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとから構成され、前記ラチェット突起は、前記シャフトギヤに一体に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の空気遮断バルブ。
【請求項13】
前記制御器は、前記フラップバルブの水分氷結による固着時に熱を発生させるヒータの制御をさらに含み、前記ヒータは、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質部位を加熱することを特徴とする請求項1に記載の空気遮断バルブ。
【請求項14】
フラップバルブで開閉される空気通路に金属材質を重ねて当てたプラスチック(Plastic)材質のハウジングユニットと、
運転者によるエンジンの始動開始時、前記フラップバルブを開放するための回転動力を発生させるモータと、
前記モータを通して回転するスーパーギヤと、前記スーパーギヤの回転を減速しトルクを増大させる減速ギヤと、前記減速ギヤのギヤ軸に結合され、トルクを減らし回転を増加させるインターギヤと、前記インターギヤに噛み合って回転することにより、互いに締結された前記フラップバルブを開閉するシャフトギヤとからなるギヤユニットと、
前記シャフトギヤに固定されたマグネットの位置変化を互いに異なる2ヶ所の位置でそれぞれ検出し、1ヶ所の検出信号を前記フラップバルブの完全閉鎖位置として、他の1ヶ所の検出信号を前記フラップバルブの完全開放位置として用いるセンシングユニットと、
電源通電時に内部のリターンスプリングを圧縮しながら引き込まれる一方、電源遮断時に前記リターンスプリングの弾性復元力で引き出されるロッドを具備したソレノイドと、前記ロッドの引き込み時に反時計方向に回転し、前記シャフトギヤに形成されたラチェット突起から離隔する一方、引き出し時に時計方向に回転し、前記ラチェット突起に噛み合って前記シャフトギヤを拘束するラチェットとからなるホールディングユニットと、
運転者による前記エンジンの始動停止時、前記モータの駆動がない状態で前記シャフトギヤに弾性復元力を加えて前記フラップバルブを完全閉鎖状態に戻す捻じスプリングと、
前記フラップバルブの水分氷結による固着時に熱を発生させ、前記空気通路に重ねて当てられた金属材質部位を加熱するヒータと、
運転者による前記エンジンの始動開始時、前記モータを駆動して前記フラップバルブを完全開放状態に切り換え、前記ソレノイドをオン(On)からオフ(Off)に切り換えて前記フラップバルブの完全開放状態を維持させ、運転者による前記エンジンの始動停止時、前記モータを駆動せずに前記ソレノイドをオン(On)からオフ(Off)に切り換え、運転者による始動停止とは異なる異常な始動停止時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに始動開始を行い、水分氷結をもたらす外部温度条件で前記ヒータに電源を供給する制御ロジッグを具備した制御器とを含んで構成されていることを特徴とする空気遮断バルブ。
【請求項15】
エンジンの始動オン(On)時、氷点以下の外部温度の時にヒータを稼働して空気通路を開閉するフラップバルブの結氷状態を解消する結氷解消ステップと、
引き込まれるロッドを通してラチェットを反時計方向に回転させるようにソレノイドをオン(On)にした後、モータを駆動し、モータの動力を回転減速およびトルク増大の過程を経て伝達されたシャフトギヤの回転により、これに締結された前記フラップバルブが開放されるフラップバルブ開度開放ステップと、
前記フラップバルブの完全開放後、前記ソレノイドをオフ(Off)にし、引き出される前記ロッドを通して時計方向に回転する前記ラチェットを前記シャフトギヤに噛み合って前記フラップバルブの閉鎖傾向を抑制するフラップバルブ開度維持ステップと、
車両の運行中において、運転者による前記エンジンの始動停止とは異なる異常な始動停止後運転者の前記エンジンの再始動時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに始動開始を行う再始動実現ステップと、
運転者による前記エンジンの始動停止時、前記モータを駆動せずに、引き込まれるロッドを通したラチェットの反時計方向への回転で前記シャフトギヤに対する拘束を解除するように前記ソレノイドをオン(On)にし、前記フラップバルブの完全開放時、弾性変形していた捻じスプリングの弾性復元力で前記フラップバルブが完全閉鎖状態に戻った後、前記ソレノイドをオフ(Off)にし、運行中において、運転者による前記エンジンの始動停止とは異なる異常な始動停止時、前記モータと前記ソレノイドを駆動せずに、前記エンジンの再始動停止時にフラップバルブの完全開放状態を維持するように行う始動停止時のフラップバルブ措置ステップとを含んで行われることを特徴とする空気遮断バルブを用いた再始動安定化方法。
【請求項16】
前記フラップバルブ開度維持ステップにおいて、前記モータの駆動は1秒間持続され、
前記ソレノイドをオフ(Off)にする前記フラップバルブの完全開放状態は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置に固定され、マグネットの磁力に反応する第2ホールセンサの検出信号を基準とし、前記フラップバルブの完全開放位置に固定され、移動した前記マグネットの磁力に反応する第1ホールセンサの検出信号で判断されることを特徴とする請求項15に記載の空気遮断バルブを用いた再始動安定化方法。
【請求項17】
前記第1ホールセンサの検出信号と前記第2ホールセンサの検出信号は、30秒間持続的に繰り返し検出され、繰り返し検出の過程中において、前記第2ホールセンサの検出信号が発生した時に中断され、前記ソレノイドをオフ(Off)にすることを特徴とする請求項16に記載の空気遮断バルブを用いた再始動安定化方法。
【請求項18】
前記始動停止実現ステップにおいて、前記ソレノイドのオン(On)時間は2秒間持続され、
前記ソレノイドをオフ(Off)にする前記フラップバルブの完全閉鎖状態は、前記フラップバルブの完全閉鎖位置に固定され、マグネットの磁力に反応する第2ホールセンサの検出信号で判断されることを特徴とする請求項15に記載の空気遮断バルブを用いた再始動安定化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−96579(P2013−96579A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239736(P2012−239736)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(512137946)株式会社 ディーエイチ ホールディングス (2)
【Fターム(参考)】