説明

空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム、並びに、該原反フィルムを用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法及び空洞含有樹脂成形体

【課題】結晶化によるヘイズ値の上昇がなく巻取りや延伸といった次工程を行うのに極めて好適な原反フィルムを効率的に得ることができる空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続原反フィルムの製造装置、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム、並びに、該原反フィルムを用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法及び空洞含有樹脂成形体の提供。
【解決手段】空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法は、結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物205を冷却して未延伸ポリマー成形体206を成形する押出成形工程と、前記未延伸ポリマー成形体206のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除工程とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム、並びに、該原反フィルムを用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法及び空洞含有樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶性ポリマーであるポリブチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、電気的性質等に優れているため、従来からエンジニアリング用プラスチックとして注目され、自動車部品、電気・電子部品等の射出成形品用途として使用されている。
また、各種包装材として好適な、膜厚の均一性及び耐熱収縮性に優れたポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1では、溶融ポリブチレンテレフタレート樹脂をTダイからフィルム状に押出し、得られたフィルムを実質的に未延伸の状態で徐冷して前記ポリブチレンテレフタレート樹脂を結晶化させ、得られたフィルムを延伸している。
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に記載の製造方法で得られた未延伸のフィルムは、結晶化させているため全部乃至一部が硬くなっており、そのままの状態で巻取りや延伸といった次工程の作業に供すると、作業が困難となるという問題がある。特に結晶化によりヘイズ値が上がった部分は、硬化が進んで硬く、脆くなるため、ハンドリングが困難になる。
即ち、硬化した状態のフィルムを巻取るには、大きな捲回力が必要となるため、巻取りが非常に困難で、また、フィルムの一部が結晶化してヘイズ値が上がっていると、その部分だけが硬化するため、巻取りの際に皺を生じ、巻取り不良を生じさせるという問題がある。
また、ハンドリングの際にフィルムをロール上を通過させたりして曲げて力を加えると、特に結晶化してヘイズ値が上がっている部分に細かいクラックが入りやすく、特に端部のヘイズ値が上がっていると、ここに細かいクラックが入り、この部分からフィルムが破断するという問題がある。
更に、該硬化した状態のフィルムを延伸させるには、大きな延伸力が必要となるため、延伸が困難であり、また、部分的に結晶化してヘイズ値が上がったフィルムに延伸力をかけると、均一に延伸できず、フィルムが裂けてしまったり、裂けた部分で張力が不均一になるためにフィルムの大きな面積に渡って、皺を生じさせるという問題がある。
【0004】
また、前記フィルムを用いて、空洞含有樹脂成形体を得るためには、所望の延伸温度でフィルムを延伸することが好ましいが、該延伸しようとするフィルムに、例えば、25%以上のヘイズ値を示す結晶化部分があると、この結晶化部分からフィルムが裂けやすいという問題があり、結晶化してヘイズ値の上がった部分への対応が特に重要である。
また、横延伸装置内においても、フィルム端部をクリップで把持した際に、クリップの把持圧力や張力により、フィルムにひびが入り、ここが起点となってフィルムが破断し、そのフィルムの破断部分が装置内の遮風板などに引っかかって装置を損傷する大きなトラブルになることもある。
【0005】
また、フィルムの不良部分をトリミングにより切除する方法が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、この方法は非結晶性樹脂を成形することについての問題を解決する方法であり、結晶性ポリマーについての前記問題を解決するもの、特に空洞含有樹脂成形体の製造に関して、前記問題を解決するものは、皆無であるというのが現状である。
【0006】
【特許文献1】国際公開第04/048071号パンフレット
【特許文献2】特開2007−276273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、結晶化によるヘイズ値の上昇がなく巻取りや延伸といった次工程を行うのに極めて好適な原反フィルムを効率的に得ることができる空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続原反フィルムの製造装置、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム、並びに、該原反フィルムを用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法及び空洞含有樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する押出成形工程と、
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除工程と
を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法である。
<2> 未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出するヘイズ値検出工程をさらに含む前記<1>に記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法である。
<3> ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された原反フィルムを巻取る巻取工程をさらに含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法である。
<4> 原反フィルムが、アモルファス状である前記<1>から<3>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法である。
<5> 結晶性を有するポリマーが、ポリブチレンテレフタレートを含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法である。
<6> 結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する押出成形手段と、
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除手段と
を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置である。
<7> 未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出するヘイズ値検出手段をさらに含む前記<6>に記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置である。
<8> ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された原反フィルムを巻取る巻取手段をさらに含む前記<6>から<7>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置である。
<9> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の原反フィルムの連続製造方法により製造されたことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムである。
<10> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法により製造された原反フィルムを延伸する延伸工程を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体の製造方法である。
<11> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法により製造された原反フィルムを延伸して得られることを特徴とする空洞含有樹脂成形体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、結晶化によるヘイズ値の上昇がなく巻取りや延伸といった次工程を行うのに極めて好適な原反フィルムを効率的に得ることができる空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続原反フィルムの製造装置、空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム、並びに、該原反フィルムを用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法及び空洞含有樹脂成形体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの製造方法)
本発明の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの製造方法は、押出成形工程、切除工程を少なくとも含み、必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0011】
<押出成形工程>
前記押出成形工程は、結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する工程である。
【0012】
−ポリマー組成物−
前記ポリマー組成物は、結晶性を有するポリマーを含み、必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
前記原反フィルムを後述する本発明の空洞含有樹脂成形体に用いる場合には、前記ポリマー組成物は、前記その他の成分として空洞の発現に寄与する成分を含んでいないことが好ましく、前記その他の成分を含んでいないことが特に好ましい。
【0013】
−−結晶性を有するポリマー−−
一般に、ポリマーは、結晶性を有するポリマーと非晶性(アモルファス)ポリマーとに分けられるが、結晶性を有するポリマーといえども100%結晶ということはなく、お互いの分子構造の中に分子の主鎖や側鎖が規則的に並んだ結晶性領域と、規則的に並んでいない非結晶(アモルファス)領域とを含んでいる。
したがって、未延伸ポリマー成形体における前記結晶性を有するポリマーとしては、分子構造の中に少なくとも前記結晶性領域を含んでいればよく、結晶性領域と非結晶領域とが混在していてもよい。
【0014】
前記結晶性を有するポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1など)、ポリアミド類(PA)(例えば、ナイロン−6など)、ポリアセタール類(POM)、ポリエステル類(例えば、PET、PEN、PTT、PBT、PPT、PHT、PBN、PES、PBSなど)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド類(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン類(PEEK)、液晶ポリマー類(LCP)、フッ素樹脂、などが挙げられる。その中でも、力学強度や製造しやすさの観点から、ポリエステル類、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、液晶ポリマー類(LCP)が好ましく、ポリエステル類がより好ましく、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。また、これらのうちの2種以上のポリマーをブレンドしたり、共重合させたりして使用してもよい。
【0015】
前記結晶性を有するポリマーの溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、後述する成形工程でTダイから押し出されたポリマー組成物の膜の形状が安定し、均一に製膜(成形)しやすくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、後述する成形工程における粘度が適切になって押出ししやすくなったり、製膜時のポリマー組成物の膜がレベリングされて凹凸を低減できたりする点で好ましい。
ここで、前記溶融粘度は、プレートタイプやコーンタイプのレオメーターやキャピラリーレオメーターにより測定することができる。
【0016】
前記結晶性を有するポリマーの極限粘度(IV)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4〜1.4が好ましく、0.6〜1.2がより好ましく、0.7〜1.0が特に好ましい。前記IVが0.4〜1.4であると、製膜されたフィルム(未延伸ポリマー成形体)の強度が高くなり、効率よく延伸することができる点で好ましい。
ここで、前記IVは、ウベローデ型粘度計により測定することができる。
【0017】
前記結晶性を有するポリマーの融点(Tm)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜350℃が好ましく、100℃〜300℃がより好ましく、100℃〜260℃が特に好ましい。前記融点が40℃〜350℃であると、通常の使用で予想される温度範囲で形を保ちやすくなる点で好ましく、高温での加工に必要とされる特殊な技術を特に用いなくても、均一な製膜ができる点で好ましい。
ここで、前記融点は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
【0018】
−−−ポリエステル樹脂−−−
前記ポリエステル類(以下、「ポリエステル樹脂」と称することがある。)は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物の総称を意味する。したがって、前記結晶性を有するポリマーとして好適な前記ポリエステル樹脂としては、前記例示したPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPT(ポリペンタメチレンテレフタレート)、PHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PES(ポリエチレンサクシネート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)だけでなく、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合反応によって得られる高分子化合物が全て含まれる。
【0019】
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、多官能酸などが挙げられ、中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0020】
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。
【0021】
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。前記脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。前記オキシカルボン酸としては、例えば、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。前記多官能酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸の中では、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸がより好ましい。
【0022】
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールなどが挙げられ、中でも、脂肪族ジオールが好ましい。
【0023】
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられ、中でも、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが特に好ましい。前記脂環族ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。前記芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどが挙げられる。
【0024】
前記ポリエステル樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが後述する延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時に押出しやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、後述する延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
【0025】
前記ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4〜1.2が好ましく、0.6〜1.0がより好ましく、0.7〜0.9が特に好ましい。前記IVが大きいほうが後述する延伸時にボイドを発現しやすいが、前記IVが0.4〜1.2であると、製膜時に押出しやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。さらに、前記IVが0.4〜1.2であると、後述する延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、装置に負荷がかかりにくい点で好ましい。加えて、前記IVが0.4〜1.2であると、製品が破損しにくくなって、物性が高まる点で好ましい。
【0026】
前記ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性や製膜性などの観点から、150℃〜300℃が好ましく、160℃〜270℃がより好ましい。
【0027】
なお、前記ポリエステル樹脂として、前記ジカルボン酸成分と前記ジオール成分とが、それぞれ1種で重合してポリマーを形成していてもよく、前記ジカルボン酸成分及び前記ジオール成分の少なくともいずれかが、2種以上で共重合してポリマーを形成していてもよい。また、前記ポリエステル樹脂として、2種以上のポリマーをブレンドして使用してもよい。
【0028】
前記2種以上でのポリマーのブレンドにおいて、主たるポリマーに対して添加されるポリマーは、前記主たるポリマーに対して、溶融粘度及び極限粘度が近く、添加量が少量であるほうが、製膜時や溶融押出し時に物性が高まり、押出ししやすくなる点で好ましい。
【0029】
また、前記ポリエステル樹脂の流動特性の改良、光線透過性の制御、塗布液との密着性の向上などを目的として、前記ポリエステル樹脂に対してポリエステル系以外の樹脂を添加しても良い。
【0030】
−−−ポリオレフィン樹脂−−−
前記ポリオレフィン類(以下、「ポリオレフィン樹脂」と称する。)は、エチレンを基本とするαオレフィンを重合して得られるポリマーを意味する。前記結晶性を有するポリマーとして好適な前記ポリオレフィン樹脂としては、前記したように、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
【0031】
前記ポリオレフィン樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが後述する延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時に押出しやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、後述する延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
【0032】
また、前記ポリオレフィン樹脂として、異なる種類の樹脂により共重合されたものを使用してもよく、2種以上のポリマーをブレンドして使用してもよい。
前記2種以上でのポリマーのブレンドにおいて、主たるポリマーに対して添加されるポリマーは、前記主たるポリマーに対して、溶融粘度及び極限粘度が近く、添加量が少量であるほうが、製膜時や溶融押出し時に物性が高まり、押出ししやすくなる点で好ましい。
また、前記ポリオレフィン樹脂の流動特性の改良、光線透過性の制御、塗布液との密着性の向上などを目的として、前記ポリオレフィン樹脂に対してポリオレフィン系以外の樹脂を添加しても良い。
【0033】
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記未延伸ポリマー成形体を後述する本発明の空洞含有樹脂成形体に用いる場合には、前記その他の成分は、空洞の発現に寄与しない成分であることが好ましい。
【0034】
前記空洞の発現に寄与しない成分としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、有機の易滑剤、核剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤及び蛍光増白剤などが挙げられる。前記その他の成分が空洞の発現に寄与したかどうかは、空洞内又は空洞の界面部分に、結晶性を有するポリマー以外の成分(例えば、後記する各成分など)が検出されるかどうかで判別できる。
【0035】
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒンダードフェノール類などが挙げられる。前記ヒンダードフェノール類としては、例えば、イルガノックス1010、同スミライザーBHT、同スミライザーGA−80などの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
また、前記酸化防止剤を一次酸化防止剤として利用し、更に二次酸化防止剤を組み合わせて適用することもできる。前記二次酸化防止剤としては、例えば、スミライザーTPL−R、同スミライザーTPM、同スミライザーTP−Dなどの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
【0036】
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばユビテック、OB−1、TBO、ケイコール、カヤライト、リューコプア、EGMなどの商品名で市販されているものを用いることができる。なお、前記蛍光増白剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。このように蛍光増白剤を添加することで、より鮮明で青味のある白色性を与え、高級感を持たせることができる。
【0037】
−溶融混練(熱溶融)−
前記結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を得る方法として、2種類以上のポリマーを溶融混練する方法がある。溶融混練する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二軸押出機中で溶融混練する方法、単軸押出機中で溶融混練する方法などが挙げられる。前記押出機中で溶融混練を行う場合、混練時の発熱によってポリマーが劣化しないように、適切に温度を調整する必要があり。必要以上に混練しないようなスクリュー構造を有するもの、又は適当な冷却装置を有するものを使用することが好ましい。
前記溶融混練の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶性を有するポリマーの融点+10℃〜前記結晶性を有するポリマーの融点+50℃が好ましく、前記結晶性を有するポリマーの融点+20℃〜前記結晶性を有するポリマーの融点+40℃がより好ましく、前記結晶性を有するポリマーの融点+15℃〜前記結晶性を有するポリマーの融点+25℃が特に好ましい。
前記溶融混練の温度が、前記結晶性を有するポリマーの融点+10℃未満であると、混練が不充分となり、押出量が不安定となることがあり、前記結晶性を有するポリマーの融点+50℃を超えると、結晶性を有するポリマーの熱劣化が進行することがある。一方、前記溶融混練の温度が前記特に好ましい範囲内であると、充分混練が行われると同時にポリマーの熱劣化が抑制される点で有利である。
前記結晶性を有するポリマーとして、例えば、ホモポリマーのポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を用いる場合、前記樹脂の融点は約225℃であるので、前記溶融混練の温度は、240℃〜250℃が好ましい。なお、前記融点は、ASTM D4591などの試験法にて測定することができる。
【0038】
−押し出し−
前記押し出しの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記溶融混練したポリマー組成物を押出機から直接に又は別の押出機を介してダイから押し出す方法、一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してダイから押し出す方法が挙げられる。
【0039】
前記ダイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フラットダイとしては、澤田慶司著「プラスチックの押出成形とその応用」((株)誠文堂新光社)に記載されているような、Tダイ、フィッシュテールダイ、コートハンガダイなどが挙げられる。中でも、Tダイが好ましい。
前記ダイのギャップとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3mm以下とすることができる。また、溶融押し出しされるフィルム状またはシート状の成形体の厚さを調整するためにギャップの幅を、ダイの長手方向に沿って随時調整する機構を具備することが好ましい。
前記ダイから押し出す前記ポリマー組成物の量としては、特に制限はなく、目的とする未延伸ポリマー成形体の厚さに応じて適宜選択することができる。
【0040】
前記ダイから押し出す前記ポリマー組成物の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶性を有するポリマーの融点から前記結晶性を有するポリマーの融点+50℃が好ましく、前記結晶性を有するポリマーの融点から前記結晶性を有するポリマーの融点+40℃がより好ましく、前記結晶性を有するポリマーの融点+10℃から前記結晶性を有するポリマーの融点+30℃が特に好ましい。
前記ダイから押し出す前記ポリマー組成物の温度が、前記結晶性を有するポリマーの融点未満であると、ポリマーが充分溶融できず、混練が不充分になったり、押し出しが不安定になることがあり、前記結晶性を有するポリマーの融点+50℃を超えると、ポリマーの熱劣化が進行し、分子量の低下やゲルの発生、着色がおこることがある。一方、前記ダイから押し出す前記ポリマー組成物の温度が前記特に好ましい範囲内であると、安定した押し出しが行われると同時にポリマーの劣化が抑制される点で有利である。
【0041】
−成形工程−
前記成形工程は、前記押し出されたポリマー組成物を冷却、好ましくは急冷して、未延伸ポリマー成形体を成形する工程である。
【0042】
−−冷却−−
前記冷却は、前記押し出されたポリマー組成物を実質的に未延伸の状態で行う。これにより、前記押し出されたポリマー組成物を結晶化させることなく、未延伸ポリマー成形体を成形することができる。
なお、本発明において、実質的に未延伸とは、延伸工程でフィルムが延伸処理されていないことをいう。
【0043】
前記冷却の冷却速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200℃/秒以上とすることが好ましく、100℃/秒以上とすることがより好ましく、40℃/秒以上とすることが特に好ましい。
前記冷却の冷却速度が、40℃/秒未満であると、冷却時に結晶化が進んで脆くなることがある。一方、前記冷却の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、ヘイズ値が小さく、結晶化度の低い原反を作製することが出来、延伸に供した際に、安定して、空洞が形成できる点で有利である。
【0044】
前記冷却の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記押し出されたポリマー組成物をキャスティングドラム(キャスティングロール)で受け、前記キャスティングドラムで急冷する方法が挙げられる。
前記キャスティングドラムの温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、−30℃〜70℃が好ましく、0℃〜50℃がより好ましく、10℃〜40℃が特に好ましい。
前記キャスティングドラムの温度が、−30℃未満であると、キャスティングドラムの結露を防止することが難しく、原反フィルムの平面性が損なわれることがあり、70℃を超えると、充分な冷却が出来ず、均一な原反フィルムが出来ないことがある。一方、前記キャスティングドラムの温度が前記特に好ましい範囲内であると、結晶化がコントロールされたヘイズ値の小さい、延伸工程で安定して空洞が発現しやすい原反フィルムが作製できる点で有利である。
【0045】
前記Tダイと前記キャスティングドラムの間の距離〔エアギャップと称する〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10cm〜1cmが好ましく、5cm〜1cmがより好ましく、3cm〜2cmが特に好ましい。
前記Tダイと前記キャスティングドラムの間の距離が、1cm未満であると、ダイから吐出する溶融ポリマーがダイリップのエッジに巻きつくように流れることがあり、これによって溶融ポリマーがキャスティングドラムに着地する位置が不安定になり、均一な膜〔フィルム〕が得られないことがあり、10cmを超えると、ダイリップからキャスティングドラムまでの間の溶融ポリマーの膜〔垂れ膜と称す〕がダイ周囲の気流や、装置自身の振動の影響を受けやすくなり、均一な膜が得られないことがある。特に溶融粘度が低いポリマーを溶融押し出しする場合、垂れ膜が不安定になって、すだれ状に幾筋かに分かれたり、それらの筋状の垂れ膜がリップの一方の端から、他方へ移動する〔左右に振れる〕など、均一なフィルムが得られないことがある。更に、溶融ポリマーがダイリップから下方に吐出される場合に、垂れ幕の自重により、フィルムが流れ方向に伸長され、意図しない分子配向が進んで結晶化が促進されることがある。一方、前記Tダイと前記キャスティングドラムの間の距離が前記特に好ましい範囲内であると、垂れ膜が安定して、その結果、得られるフィルムが均一になりやすい点で有利である。
【0046】
前記キャスティングドラムの周速としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1m/分〜200m/分が好ましく、5m/分〜100m/分がより好ましく、10m/分〜50m/分が特に好ましい。
前記キャスティングドラムの周速が、1m/分未満であると、キャスティングドラムの駆動装置に起因する、ドラムの回転ムラが顕著に現れ、その結果、キャスティングドラム上で固化するポリマーにダイリップと平行に厚みムラ(段ムラと称す)が発生することがあり、200m/分を超えると、キャスティングドラム上での溶融ポリマーの冷却が不充分になり、キャスティングドラムからフィルムがうまく剥がれなくなることがある。また、同様にキャスティングドラムでの冷却が不充分になることから、フィルムの結晶化が制御できなくなることがある。一方、前記キャスティングドラムの周速が前記特に好ましい範囲内であると、膜厚の均一な結晶化が充分制御されたフィルムが製造できる点で有利である。
また、前記キャスティングドラム径(直径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25cm〜300cmが好ましく、100cm〜200cmがより好ましく、100cm〜150cmが特に好ましい。
前記キャスティングドラムの直径が、25cm未満であると、キャスティングドラム上で固化したフィルムに小径の巻き癖がつき、張力をかけてもフィルムが平面にならず、キャスティングドラム以降の工程で、フィルムがガイドロール等をスムーズに通過できなくなり、装置内でフィルムの引っ掛りが発生したり、フィルムの巻き癖によってラインの張力が不安定になり、均一なフィルムが成形できないことがあり、300cmを超えると、キャスティングドラムのキャスト面を均一に冷却することが困難になり、安定した冷却が行われ難くなる事から、キャストしたフィルムにムラが発生することがある。一方、前記キャスティングドラムの直径が前記特に好ましい範囲内であると、均一なキャスティングフィルムが成形でき、かつ、キャスティング以降の延伸工程でもハンドリングしやすいほか、均一な延伸ができる点で有利である。
なお、前記キャスティングドラムは、単独で設けてもよいし、複数設けてもよい。複数設ける場合には、各キャスティングドラムの周速は同じとするが、各キャスティングドラムの温度は異なっていてもよい。
【0047】
−未延伸ポリマー成形体−
上述の工程で得られる前記未延伸ポリマー成形体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、シート状などが挙げられる。
【0048】
前記未延伸ポリマー成形体の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80μm〜2mmが好ましく、150μm〜1mmがより好ましく150μm〜500μmが特に好ましい。
前記未延伸ポリマー成形体の厚さが、80μm未満であると後工程での延伸で、ボイドが発生し難くなることがあり、2mmを超えると未延伸ポリマー成形体が剛直になって、巻取りなどハンドリングが困難になることがあるほか、キャスティングドラム上での冷却が不充分となり、予想外にヘイズ値が上昇することがある。一方、前記未延伸ポリマー成形体の厚さが前記特に好ましい範囲内であると、ハンドリングしやすく、後工程でのボイド発生が安定して行われる点で有利である。
なお、前記未延伸ポリマー成形体の厚さは、キーエンス社製、ロングレンジ接触式変位計AF030(測定部)、AF350(指示部)を用いて測定することができる。
【0049】
<切除工程>
前記切除工程は、前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する工程であり、後述する切除手段により切除する工程である。
【0050】
−ヘイズ値−
前記切除工程では前記未延伸ポリマー成形体からヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する。
前記切除される部分としては、ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヘイズ値が20%以上の部分が切除されることが好ましく、ヘイズ値が10%以上の部分が切除されることがより好ましい。
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が、25%以上まで不透明になっていると、巻取りが困難であるとともに、巻取りの際に皺を生じ、巻取り不良を生じさせるおそれがある。また、延伸が困難で、延伸の際に裂けてしまったり、皺を生じさせるおそれがある。また、均一かつ連続的な空洞発生(ボイドの発生)が困難となる。
【0051】
−切除手段−
前記切除手段としては、前記未延伸ポリマー成形体(押出成形されたフィルム)のヘイズ値が25%以上である部分(以下、「白化部分」という)を少なくとも切除できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長尺状に押出成形される前記未延伸ポリマー成形体を長手方向に切除する長手方向切除手段と、該ポリマー成形体の短手方向を切除する短手方向切除手段を用いることができる。
また、該切除手段は、長手方向切除手段を単独で用いてもよく、更に、短手方向切除手段を併用してもよい。
【0052】
前記長手方向切除手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超硬板ナイフ、ロータリー型のカッタ〔ゲーベル型スリッターナイフ、スコアカッター、ディスクナイフなど〕、超音波カッター、レーザーカッターなどが挙げられる。
前記切除では、切断面にクラックが入ったりしないことが望ましい。また、切断部を溶融切断する場合には、切断部の厚みが5%以上厚くなったりしないことが好ましい。
長手方向切除手段を用いると、白化部分を含む領域を長手方向(図4におけるX方向)に沿って切除することができる。前記未延伸ポリマー成形体は、短手方向(図4におけるY方向)の両端部側(図4における30)が白化しやすい傾向にあり、該領域を切除するのには、長手方向切除手段を好適に用いることができる。また、前記未延伸ポリマー成形体の短手方向の中央部に白化を生じる場合には、図5や図6Aから図6Eに例示されているような切除手段によって白化部分を切除することができる。
【0053】
図5は、走行型フィルム切断装置の一例の説明図である。原反213の搬送方向(長尺方向)と平行なX軸方向にスライドレール(X軸方向レール215)を設け、該スライドレール上を原反213の流れ方向と、逆流れ方向に移動できるY軸方向レール214が設置されている。Y軸方向レール214には、該レール上を、原反213の一方の端から他方の端に移動できるレーザーヘッド217を搭載しており、該ヘッドから照射するレーザーによって原反213を切断することが出来る。
レーザーヘッド217は、原反上流側の原反213のいずれかの端を待機位置とし、この位置から原反213の流れに沿って、原反下流に進みながら、同時に、原反の他方の端に移動することによって、原反213を流れ方向と直角の方向に切断することが出来る。
この方式で、レーザーヘッド217の待機位置を原反213のどちらか片側に定めて、該ヘッドの原反面に対する上下機構(回避機構)を設けると、レーザーヘッド217に代えて超音波カッターもしくは超硬刃カッターなども使用することが出来る。
【0054】
図6Aから図6Eは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。カッター刃92が埋め込まれた金属ローラ91が、原反213から離れた位置で待機している(図6B参照)。欠陥位置が接近してくると、該金属ローラ91が回転を始め(図6C参照)、原反213を押えローラ93と挟み込む形で押し切る(図6D参照)。該金属ローラ91はそのまま待機位置まで回転して(図6E参照)、停止する。
前記切断された原反(ベース)の接合には、例えば、特開2006−88147号公報「超音波接合用ホーンおよび超音波溶接接合方法」(出願人 富士フイルム株式会社)などの技術を応用して用いることが出来る。
【0055】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヘイズ値検出工程、及び巻取り工程を含むことが好ましい。
【0056】
−ヘイズ値検出工程−
前記ヘイズ値検出工程は、未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出する工程である。該ヘイズ値を検出する工程に用いられるヘイズ値検出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、NIRECO社製 オンライン分光透過率計や、カール・ツアイス社製 インライン膜厚透過率分光測定装置などを用いることができる。また、測定器の光源から発する光と該未延伸ポリマー成形体を透過した光の強さを比較することによって、ヘイズ値を求めることが出来る。
【0057】
−巻取り工程(ロールストック工程)−
前記巻取り工程(ロールストック工程)は、ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除されたフィルムを、一旦、巻取る工程である。
該巻取り工程に用いられる巻取手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小林製作所製のワインダーや、東芝機械製の巻き取り装置などが挙げられる。
【0058】
(空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム)
空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムは、前記各工程に基づき製造された長尺状のフィルムであり、前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された状態のフィルムである。
空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの形態としては、上記部分が切除された状態のフィルムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択して用いることができるが、前記巻取りロールへの巻取りやすさ、及び、後述の空洞含有樹脂成形体の製造しやすさの観点から、製膜されたシート状物であることが好ましい。
該原反フィルムは、後述する空洞含有樹脂成形体の製造に好ましく用いることができるよう、白化していないことが好ましい。
【0059】
(空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの製造装置)
空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの製造装置は、上記原反フィルムの製造方法に好適に用いられ、結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する押出成形手段と、前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除手段と、を少なくとも含み、その他の手段として、前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出するヘイズ値検出手段と、前記検出されたヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された原反フィルムを巻取る巻取手段を含む。
【0060】
前記押出成形手段、切除手段、ヘイズ値検出手段、巻取手段の各手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記押出成形工程、切除工程、ヘイズ値検出工程、巻取工程で説明した手段を適用することができる。
【0061】
図1は、上述した本発明の未延伸ポリマー成形体を製造する装置の一例を示す。溶融混練した結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物をTダイ207から押し出す。前記押し出されたポリマー組成物205は、キャスティングドラム201上で急冷することにより、結晶化することなく、未延伸ポリマー成形体206を形成する。得られた未延伸ポリマー成形体は、ガイドロール209を経て巻き取りリール(図示せず)により巻き取る。
【0062】
図7は、本発明の未延伸ポリマー成形体を製造する装置の一例の概要の説明図である。溶融押出装置で所定の温度に加熱され溶融されたポリマーは、溶融押出装置に接続されているダイヘッド(図示せず)から膜状に、冷却されたキャスティングドラム(図示せず)上に吐出されて、キャストフィルム(原反またはシートとも称する)に成形される。
このベース(キャストフィルム)はヘイズ検出装置を通過する際に、連続的にヘイズが測定され、ヘイズのデータはベースの搬送位置とセットで、コンピュータ(図示せず)に記憶される。
このデータに基づき、切断送り出し装置でベースの切断が行われる。
切断部分がベースの長手方向に対して、その両端部である場合には、ベースを連続的に搬送できるため、ロールストック装置(巻き取り工程)を介することなく、引き取り接合装置を経て、ベースをアキュムレーター以降の工程に搬送することが出来る。
切断部分が、ベースの中央にスポット的に発生する場合は、ベースを一旦カットしなければ、欠陥部分を除去できないため、切断した前端(欠陥が始まる部分の少し手前のベース)はロールストック装置の後の、引き取り接合装置部分で待機し、切断した後端(欠陥が終わった部分の少し後のベース)は、ロールストック装置側に、ロール形状に巻き取られる。
引き取り接合装置で待機していた、切断した前端は、ロールストック装置にストックされていた、ロールからベース先端が引き出されて、接合される。
ベースの切断には、図5または図6Aから図6Eのような切断装置を組み合わせて、使用することが出来る。
【0063】
本発明の前記原反フィルムは、様々な用途に用いることができるが、特に、以下に説明する空洞含有樹脂成形体からなるポリマー樹脂成形フィルムに好適に用いることができる。
【0064】
(空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び空洞含有樹脂成形体)
<空洞含有樹脂成形体の製造方法>
本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法は、上述した本発明の原反フィルムを延伸する工程(延伸工程)を含み、更に必要に応じて製膜工程などのその他の工程を含んでなる。
なお、前記空洞含有樹脂成形体の製造は、上述した本発明の原反フィルムの製造と独立に行ってもよく、連続的に行ってもよい。
【0065】
−延伸工程−
前記延伸工程では、前記原反フィルムが少なくとも1軸に延伸される。そして、前記延伸工程により、原反フィルムが延伸されるとともに、その内部に第一の延伸方向に沿って配向した空洞が形成されることで、空洞含有樹脂成形体が得られる。
【0066】
延伸により空洞が形成される理由としては、前記未延伸ポリマー成形体を構成する少なくとも1種類の結晶性を有するポリマーが、溶融押出後のキャスティングで微小な結晶領域又は分子のあるレベルでの規則性を持った微小な領域を形成する。この原反をガラス転移温度(Tg)前後で延伸すると、伸張し難い結晶又は微細構造領域を含む相間の樹脂が引きちぎられるような形で、剥離延伸されることにより、これが空洞形成源となって、空洞が形成されるものと考えられる。
なお、このような延伸による空洞形成は、結晶性を有するポリマーが1種類の場合だけではなく、2種類以上の結晶性を有するポリマーが、ブレンド又は共重合されている場合であっても可能である。
【0067】
前記延伸の方法としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸が挙げられるが、いずれの延伸方法においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われることが好ましい。
【0068】
一般に、縦延伸においては、ロールの組合せやロール間の速度差により、縦延伸の段数や延伸速度を調節することができる。
前記縦延伸の段数としては、1段以上であれば特に制限はないが、より安定して高速に延伸することができる点及び製造の歩留まりや機械の制約の点から、2段以上に縦延伸することが好ましい。また、2段以上に縦延伸することは、1段目の延伸によりネッキングの発生を確認したうえで、2段目の延伸により空洞を形成させることができる点においても、有利である。
なお、2段目以降の延伸における延伸条件(例えば、延伸速度、延伸温度など)は、1段目の延伸条件と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0069】
−−延伸速度−−
前記縦延伸の延伸速度としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mm/min〜36,000mm/minが好ましく、800mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜12,000mm/minが特に好ましい。前記延伸速度が、10mm/min以上であると、充分なネッキングを発現させやすい点で好ましい。また、前記延伸速度が、36,000mm/min以下であると、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。したがって、前記延伸速度が、10mm/min〜36,000mm/minであると、充分なネッキングを発現させやすく、かつ、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。
【0070】
より具体的には、1段延伸の場合の延伸速度としては、1,000mm/min〜36,000mm/minが好ましく、1,100mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜12,000mm/minが特に好ましい。
【0071】
2段延伸の場合には、1段目の延伸を、ネッキングを発現させることを主なる目的とした予備的な延伸とすることが好ましい。前記予備的な延伸の延伸速度としては、10mm/min〜300mm/minが好ましく、40mm/min〜220mm/minがより好ましく、70mm/min〜150mm/minが特に好ましい。
【0072】
そして、2段延伸における、前記予備的な延伸(1段目の延伸)によりネッキングを発現させた後の2段目の延伸速度は、前記予備的な延伸の延伸速度と変えることが好ましい。前記予備的延伸によりネッキングを発現させた後の、2段目の延伸速度としては、600mm/min〜36,000mm/minが好ましく、800mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜15,000mm/minが特に好ましい。
【0073】
前記延伸速度の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、以下の方法により測定することができる。
バッチ式の場合には、原反フィルムの端部を把持したクランプが、延伸方向へ移動する際の移動速度、即ち、クランプの移動距離/クランプの移動に要した時間(mm/min)、を延伸速度とする。本実施形態において規定される延伸速度は、特に記載のない限り、前記バッチ式の場合の延伸速度である。
【0074】
また、原反フィルムが2対(又はそれ以上)のニップロールを通過する際の、ニップロールの表面速度の差によって、原反フィルムが延伸される場合(一般に、「Roll to Roll延伸」という。)には、原反フィルムの把持位置がニップロールで固定されており、移動しない。したがって、前記Roll to Roll延伸の場合には、延伸された倍率/延伸に要した時間(%/min)、を延伸速度とする。なお、前記ニップロールは、図2におけるロール15aに相当する。
【0075】
なお、前記バッチ式における延伸速度と、前記Roll to Roll延伸における延伸速度とは、いずれかの延伸方法において、原反フィルムの延伸前の長さ(mm)及び延伸後の長さ(mm)を測定していれば、互いに換算することが可能である。バッチ式における延伸速度から、Roll to Roll延伸における延伸速度に換算した例を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
−−延伸温度−−
延伸時の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
(Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが好ましく、
(Tg−25)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することがより好ましく、
(Tg−20)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが特に好ましい。
【0078】
一般に、延伸温度(℃)が高いほど延伸張力も低めに抑えられて容易に延伸できるが、前記延伸温度(℃)が、{ガラス転移温度(Tg)−30}℃以上、{ガラス転移温度(Tg)+50}℃以下であると、空洞含有率が高くなり、アスペクト比が10以上になりやすく、充分に空洞が発現する点で好ましい。
【0079】
ここで、前記延伸温度T(℃)は、非接触式温度計により測定することができる。また、前記ガラス転移温度Tg(℃)は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
【0080】
なお、前記延伸工程において、空洞の発現の妨げにならない範囲で、横延伸はしてもよく、しなくてもよい。また横延伸をする場合には、横延伸工程を利用してフィルムを緩和させたり、熱処理を行ったりしてもよい。
また、延伸後の空洞含有樹脂成形体は、形状安定化などの目的で、更に熱を加えて熱収縮させたり、張力を加えたりする等の処理をしてもよい。
【0081】
図2は、本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。図2に示す二軸延伸フィルム製造装置は、Roll to Roll延伸を行うフィルム製造装置である。
図2に示すように、原料樹脂(ポリマー組成物)11は、押出機12(原料形状や、製造規模によって、二軸押出機を用いたり、単軸押出し機を用いたりする)内部で熱溶融、混練された後、Tダイ13から柔らかい板状(フィルム又はシート状)に吐出される。
次に、吐出されたフィルム又はシートFは、キャスティングドラム14で冷却固化されて、製膜される。製膜されたフィルム又はシートF(「原反フィルム」に相当する)は、縦延伸機15に送られる。
そして、製膜されたフィルム又はシートFは、縦延伸機15内で再び加熱され、速度の異なるロール15a間で、縦に延伸される。この縦延伸により、フィルム又はシートFの内部に延伸方向に沿って空洞が形成される。そして、空洞が形成されたフィルム又はシートFは、横延伸機16の左右のクリップ16aで両端を把持されて、巻取機側(図示せず)へ送られながら横に延伸されて、空洞含有樹脂成形体1となる。なお、前記工程において、縦延伸のみを行ったフィルム又はシートFを横延伸機16に供さず、空洞形成樹脂成形体1として使用してもよい。前記空洞含有樹脂成形体1は、エキスパンションロール17を経て、ロール巻きされる。
【0082】
<空洞含有樹脂成形体>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、上述した空洞含有樹脂成形体の製造方法によって得ることができる。
前記空洞含有樹脂成形体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状やシート状、繊維状などが挙げられる。
【0083】
−空洞−
本発明の空洞含有樹脂成形体は、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有し、空洞含有率及び前記空洞のアスペクト比に特徴を有している。
前記空洞とは、樹脂成形体内部に存在する、真空状態のドメインもしくは気相のドメインを意味する。
【0084】
前記空洞含有率とは、樹脂成形体の固相部分の総体積と含有される空洞の総体積の和に対する、前記含有される空洞の総体積を意味する。
前記空洞含有率としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、3体積%以上、50体積%以下が好ましく、5体積%〜40体積%がより好ましく、10体積%〜30体積%が特に好ましい。
ここで、前記空洞含有率は、比重を測定し、前記比重に基づいて算出することができる。
具体的には、前記空洞含有率は、下記の(1)式により求めることができる。
空洞含有率(%)={1−(延伸後の空洞含有樹脂成形体の密度)/(延伸前の未延伸ポリマー成形体の密度)} ・・・(1)
【0085】
前記アスペクト比とは、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さをr(μm)として、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さをL(μm)とした際のL/r比を意味する。
前記アスペクト比としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10以上であることが好ましく、15以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。
【0086】
図3A〜3Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図3Aは、空洞含有樹脂成形体の斜視図であり、図3Bは、図3Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図であり、図3Cは、図3Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。
【0087】
前記空洞含有樹脂成形体の製造工程において、前記空洞は、通常、第一の延伸方向に沿って配向する。したがって、前記「空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))」は、空洞含有樹脂成形体1の表面1aに垂直で、かつ、第一の延伸方向に直角な断面(図3AにおけるA−A’断面)における空洞100の平均の厚みr(図3B参照)に相当する。また、「前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))」は、前記空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、前記第一の延伸方向に平行な断面(図3AにおけるB−B’断面)における空洞100の平均の長さL(図3C参照)に相当する。
【0088】
なお、前記第一の延伸方向とは、延伸が1軸のみの場合には、その1軸の延伸方向を示す。通常は、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸を行うため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
また、延伸が2軸以上の場合には、空洞形成を目的とした延伸方向のうち少なくとも1方向を示す。通常は、2軸以上の延伸においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われ、かつ、この縦延伸により空洞を形成することが可能であるため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
【0089】
ここで、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。同様に、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。
【0090】
また、本発明の空洞含有樹脂成形体は、膜厚方向の空洞の平均の個数P、結晶性ポリマー層と空洞層との屈折率差ΔN、及び、前記ΔNと前記Pとの積に、特徴を有している。
前記膜厚方向の空洞の個数とは、空洞含有樹脂成形体1の表面1aに垂直で、かつ、第一の延伸方向に直角な断面(図3AにおけるA−A’断面)において、膜厚方向に含まれる空洞100の個数を意味する。
前記膜厚方向の空洞の平均の個数Pとしては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5個以上が好ましく、10個以上がより好ましく、15個以上が更に好ましい。
ここで、前記膜厚方向の空洞の個数は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。
【0091】
前記結晶性ポリマー層と空洞層との屈折率差ΔNとは、具体的には、結晶性ポリマー層
の屈折率をN1として、空洞層の屈折率をN2とした際に、N1とN2との差であるΔN
(=N1−N2)の値を意味する。
ここで、結晶性ポリマー層や空洞層の屈折率N1、N2は、アッベ屈折計などにより測
定することができる。
前記ΔNと前記Pとの積は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができるが、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7
以上が特に好ましい。
【0092】
このように、前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有していることにより、例えば、反射率や光沢性、熱伝導率などにおいて、様々な優れた特性を有している。言い換えると、前記空洞含有樹脂成形体に含有される空洞の態様を変化させることで、反射率や光沢性、熱伝導率などの特性を調節することができる。
【0093】
−光沢度−
前記空洞含有樹脂成形体の光沢度としては、60以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましく、80以上であることが特に好ましい。
ここで、前記光沢度は、変角光沢計により測定することができる。
【0094】
−光線透過率−
前記空洞含有樹脂成形体の光線透過率としては、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
ここで、前記光線透過率は、分光光度計により測定することができる。
【0095】
−熱伝導率−
前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率としては、0.1(W/mK)以下であることが好ましく、0.09(W/mK)以下であることがより好ましく、0.08(W/mK)以下であることが特に好ましい。
【0096】
また、前記空洞含有樹脂成形体の好適な熱伝導率は、相対的な値として規定することもできる。即ち、前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.15以下であることが特に好ましい。
ここで、前記熱伝導率は、熱拡散率、比熱、密度の測定値の積によって算出することができる。前記熱拡散率は一般的にはレーザーフラッシュ法(例えば、TC−7000((株)真空理工製))により測定できる。前記比熱はDSCによりJIS K7123に記載の方法に従って測定できる。前記密度は一定面積の質量とその厚みを測定することにより、算出することができる。
【0097】
−表面平滑性−
また、本発明の前記空洞含有樹脂成形体が、前記ポリマー組成物の前記その他の成分として、空洞の発現に寄与する成分を含まないで製造された前記原反フィルムを用いて製造されたものである場合には、前記空洞樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、空洞を発現するための無機系微粒子、相溶しない樹脂、不活性ガスなどが添加されていないため、優れた表面平滑性を有している。
前記空洞含有樹脂成形体の表面平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Ra=0.3μm以下が好ましく、Ra=0.25μm以下が更に好ましく、Ra=0.1μm以下が特に好ましい。
【0098】
更に、前記空洞含有樹脂成形体は、成形体表面だけでなく、成形体表面から所定の距離においても空洞が形成されていないことを特徴とする。
即ち、前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たす。
但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。
【0099】
前記「空洞の中心」とは、前記断面における空洞の断面形状が、真円である場合にはその中心を意味し、それ以外の形状の場合には、例えば、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
前記「空洞含有樹脂成形体の表面」とは、厚み方向における、空洞含有樹脂成形体の最外面を意味する。通常、前記空洞含有樹脂成形体を載置したときの上面を意味する。
【0100】
具体的には、空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図3D参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300倍〜3,000倍の適切な倍率で検鏡し、断面写真を撮像する。前記断面写真内において、厚みの算術平均値Tを算出する。厚みの算術平均値Tとして、ロングレンジ接触式変位計などを用いて測定された厚さを用いてもよい。また、厚みの測定には、アンリツ製FILM THICKNESS TESTER KG601Bなども用いることができる。
次に、前記断面写真内において、厚み方向に平行な任意の一の直線を描画し、更に、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線を描画する。
そして、断面写真内の各空洞において、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
そして、前記一の直線と前記他の直線とで挟まれた領域内において、空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の空洞を選択する。なお、前記「空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離」は、前記「空洞の中心」を中心とした円を描画する際に、描画する円の半径を順次大きくし、円弧が最初に空洞含有樹脂成形体の表面に接したときの円の半径とする。
そして、選択した10個の空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)を下記(2)式により算出する。
h(avg)=(Σh(i))/10 ・・・(2)
なお、前記「各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)」は、前記空洞含有樹脂成形体が、湾曲していたり、応力がかかっていたりすると、正確に測定することができないため、測定の際には平面状に載置した状態で測定することが好ましい。
前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、空洞含有樹脂成形体の表面近くに空洞が形成されていないため、優れた表面平滑性を有している。
【0101】
<用途>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しているため、例えば、携帯電話、ポータブルカーナビゲーション等電子機器の照明用部材、一般家庭用照明部材、コンビニエンスストア内照看板などの反射板、昇華転写記録材料又は熱転写記録材料に対応できる受像フィルム素材又は受像シート素材、各種断熱材、感圧記録材料、農業用マルチフィルム、化粧料の成分、塗料の成分、電子レンジ対応食品用包装材、窓用遮光フィルム、遮光性シュリンクフィルムなどとして利用することができる。
【実施例】
【0102】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0103】
(実施例1)
−未延伸ポリマー成形体の製造−
結晶性を有するポリマーとして、PBT1(ポリブチレンテレフタレート100%樹脂、IV=0.72、融点:228℃、ガラス転移温度:39℃、結晶化温度:190℃。)を二軸押出機(スクリュー径:20mm、押出量:50kg/hr)に投入し、255±3℃で溶融混練して、押出機中で溶融PBT1を調製した。
前記溶融PBT1を2軸押出機の先端に配置されたTダイから押し出し、40℃の回転するキャスティングドラム(周速:10m/分、ドラム径:60cm)上に受けた。前記押し出されたPBT1をキャスティングドラム上で、冷却速度50℃/秒で冷却し、平均厚さが50μmでフィルム状の未延伸ポリマー成形体〔空洞含有樹脂成形体の原反〕を得た。
なお、前記未延伸ポリマー成形体の厚さは、キーエンス社製、ロングレンジ接触式変位計AF030(測定部)、AF350(指示部)を用いて測定した。
【0104】
−−未延伸ポリマー成形体のヘイズ値−−
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値は、NIRECO社製オンライン分光透過率計を用いてオンラインで測定した。
【0105】
−−未延伸ポリマー成形体の切除−−
前記未延伸ポリマー成形体のうち、ヘイズ値が20%以上の部分を京セラ製超硬カッターにより切除した。
なお、該部分を含む長手両端領域を原反の長手方向に除去し、原反中央部に断続的に発生する白化領域を未延伸ポリマー成形体の短手方向に沿って切除した。
前記切除されたに延伸ポリマー成形体を原反フィルムとして、後述する原反フィルムの巻き取り及び延伸の対象とした。
【0106】
−−原反フィルムの巻き取り−−
前記原反フィルムは、短手方向に切除した後、巻き取り装置〔ロールストック装置〕で巻き取る必要がある。
前記原反フィルムの巻き取り時の巻き取り性を以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
◎ :良好に巻き取ることができた。
○ :巻き取ることができたが、一部に巻きズレを生じた。
× :巻き取ることができたが、巻きずれにより、フィルムにしわが入ってしまった。
××:巻き取り時に巻きずれとシワが発生すると共に、白化部分にヒビ、割れが発生した〔この部分は送り出し時に高い確率で破断する〕。
【0107】
−−原反フィルムの延伸−−
上記で得られた原反フィルムを1軸延伸(縦延伸)した。前記1軸延伸は、40℃の加温雰囲気下で、100mm/minの速度で1軸延伸し、空洞含有樹脂成形体の製造に適して、ネッキングが発生したことを確認した後、6,000mm/minの速度で、初めと同一方向に更に1軸延伸した。なお、前記延伸は、連続式で行った。
前記未延伸ポリマー成形体の延伸性を以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
◎ :接合部以外は安定して延伸することができた。
○ :接合部以外は延伸することができたが、一部に皺を生じ、シワ部分で伸びムラが発生した。
× :シワ部分で伸びムラが発生しただけでなく、シワの強い部分でフィルムが破断して延伸が中断した。
×× :割れが発生して頻繁に破断した。延伸がしばしば中断した。
×××:頻繁に破断。縦延伸装置にフィルムを通した後、延伸用ニップロールに、延伸するために速度差を与えると、途端に破断して、ほとんど製品が取れなかった。
【0108】
(実施例2)
実施例2では、切除する部分をヘイズ値が20%以上の部分に代えて10%以上の部分としたこと以外は、実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。
【0109】
(実施例3)
実施例3では、切除する部分をヘイズ値が20%以上の部分に代えて25%以上の部分としたこと以外は、実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。
【0110】
(比較例1)
比較例1では、ヘイズ値が20%以上の部分を切除することなく、それ以外は実施例1と同様にして原反フィルムを作製したが、表2に記載の通り、良好な巻き取り及び延伸を行うことができなかった。
【0111】
(比較例2)
比較例2では、切除する部分をヘイズ値が20%以上の部分に代えて30%以上の部分としたこと以外は、実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。前記原反フィルムの巻き取り性、延伸性を実施例1と同様にして測定した。
【0112】
(比較例3)
比較例3では、切除する部分をヘイズ値が20%以上の部分に代えて40%以上の部分としたこと以外は、実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。前記原反フィルムの巻き取り性、延伸性を実施例1と同様にして測定した。
【0113】
−−評価方法−−
前記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた原反フィルムについて、上記巻き取り性及び延伸性のほか、得率の測定を行った。得率は、未延伸ポリマー成形体の面積Aとし、該未延伸ポリマー成形体の切除対象部分を切除した後、延伸してボイドを含有したフィルムとして得られた延伸フィルムの面積をaとしたとき、a/Aの値を百分率で表したものである。結果を表2に示す。
【0114】
上記実施例1〜3、並びに、比較例1〜3で作製された原反フィルムについて、表2にまとめて示す。
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明の前記原反フィルムは、様々な用途に用いることができるが、特に、空洞含有樹脂成形体に好適に用いることができる。
本発明の空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しているため、例えば、携帯電話、ポータブルカーナビゲーション等電子機器の照明用部材、一般家庭用照明部材、コンビニエンスストア内照看板などの反射板、昇華転写記録材料又は熱転写記録材料に対応できる受像フィルム素材又は受像シート素材、各種断熱材、感圧記録材料、農業用マルチフィルム、化粧料の成分、塗料の成分、電子レンジ対応食品用包装材、窓用遮光フィルム、遮光性シュリンクフィルムなどとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は、本発明の未延伸ポリマー成形体の製造方法の一例を示す図である。
【図2】図2は、本発明の空洞形成樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。
【図3A】図3Aは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、空洞含有樹脂成形体の斜視図である。
【図3B】図3Bは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図3Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図である。
【図3C】図3Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図3Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。
【図3D】図3Dは、フィルム表面から最も近くに位置する10個の空洞の、フィルム表面からの距離を測定する方法を説明するための図であって、図3AにおけるA−A’断面図である。
【図4】図4は、未延伸ポリマー成形体の切除箇所を示す平面図である。
【図5】図5は、走行型フィルム切断装置の一例の説明図である。
【図6A】図6Aは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。
【図6B】図6Bは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。
【図6C】図6Cは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。
【図6D】図6Dは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。
【図6E】図6Eは、ローラ方式のフィルム切断装置の一例の説明図である。
【図7】図7は、未延伸ポリマー成形体を製造する装置の一例の概要の説明図である。
【符号の説明】
【0117】
201 キャスティングドラム
205 押し出されたポリマー組成物
206 未延伸ポリマー成形体
207 Tダイ
209 ガイドロール
210 ニップロール
11 原料
12 二軸押出機/単軸押出機
13 Tダイ
14 キャスティングドラム
F フィルム又はシート
15 縦延伸機
15a ロール
16 横延伸機
16a クリップ
1 空洞含有樹脂成形体
17 エキスパンションロール
18 ロール巻きされた空洞含有樹脂成形体
1a 表面
100 空洞
r アスペクト比における空洞の厚み
L アスペクト比における空洞の長さ
30 短手方向両端部側
150 切除対象部分
160 長手方向切除ライン
170 短手方向切除ライン
180 未延伸ポリマー成形体
213 原反
215 X軸方向レール
214 Y軸方向レール
217 レーザーヘッド
92 カッター刃
91 金属ローラ
93 押えローラ
94 搬送ローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する押出成形工程と、
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除工程と
を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法。
【請求項2】
未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出するヘイズ値検出工程をさらに含む請求項1に記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法。
【請求項3】
ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された原反フィルムを巻取る巻取工程をさらに含む請求項1から2のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法。
【請求項4】
原反フィルムが、アモルファス状である請求項1から3のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法。
【請求項5】
結晶性を有するポリマーが、ポリブチレンテレフタレートを含む請求項1から4のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法。
【請求項6】
結晶性を有するポリマーを含むポリマー組成物を熱溶融押し出しし、前記押し出されたポリマー組成物を冷却して未延伸ポリマー成形体を成形する押出成形手段と、
前記未延伸ポリマー成形体のヘイズ値が25%以上の部分を少なくとも切除する切除手段と
を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置。
【請求項7】
未延伸ポリマー成形体のヘイズ値を検出するヘイズ値検出手段をさらに含む請求項6に記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置。
【請求項8】
ヘイズ値が25%以上の部分が少なくとも切除された原反フィルムを巻取る巻取手段をさらに含む請求項6から7のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造装置。
【請求項9】
請求項1から5のいずれかに記載の原反フィルムの連続製造方法により製造されたことを特徴とする空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルム。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法により製造された原反フィルムを延伸する延伸工程を含むことを特徴とする空洞含有樹脂成形体の製造方法。
【請求項11】
請求項1から5のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体に供する原反フィルムの連続製造方法により製造された原反フィルムを延伸して得られることを特徴とする空洞含有樹脂成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−83019(P2010−83019A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255096(P2008−255096)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】