説明

空調システム及び建物

【課題】蓄熱装置を別途設置せずに極力経済的な電力エネルギーの消費を行うことができる建物の床下空間に空調装置を設置した空調システムを提供する。
【解決手段】建物1の床上空間5に床下空間4と連通する給気口9が設けられ、床下空間4にはエアコンディショナの屋内機3が設置され、床上空間5と連通して床上空間5へ空調空気を吹き出すダクト82が床上用吹出部32に接続され、さらにエアコンディショナの屋内機3は、インターネットNに接続された制御部3aを有しており、制御部3aは、インターネットNを介して取得した翌日の予想気温データに基づいて、深夜時間帯の電力を利用して床下用吹出部33からの空調空気の吹き出しによる床下空間4での蓄熱又は蓄冷の制御を行う構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システム、及びこの空調システムを備えた建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の床下空間に空調装置を設置することがなされている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
一方で、従来から、インターネットなどの情報ネットワークから予想気温データを取得して、蓄熱装置の蓄熱量を決定し制御し、消費量が少ないため比較的安価な深夜時間帯の電力を利用することにより、極力経済的な電力エネルギーの消費を行うこともなされている(例えば、特許文献2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−085272号公報
【特許文献2】特開2011−101553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来技術に、単純に特許文献2のような従来技術を組み合わせて実施しようとしても、蓄熱装置を別途設置するスペースは結局のところ必要となり、必ずしもこのようなスペースを確保できない場合もあるし、このようなスペースを確保できるとしても、別のスペースとして利用したい場合もある。
【0006】
そこで、本発明は、蓄熱装置を別途設置せずに極力経済的な電力エネルギーの消費を行うことができる建物の床下空間に空調装置を設置した空調システム、及びこの空調システムを備えた建物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の空調システムは、建物の床上空間に床下空間と連通する給気口が設けられており、前記床下空間には、床下用吹出部と床上用吹出部と吸込部とを有する吹出型の空調装置が設置され、当該空調装置には、前記床上空間と連通して当該床上空間へ空調空気を吹き出すダクトが前記床上用吹出部に接続されているとともに、前記空調装置は、情報ネットワークに接続された制御部を有しており、前記制御部は、前記情報ネットワークを介して取得した翌日の予想気温データに基づいて、深夜時間帯の電力を利用して前記空調装置の前記床下用吹出部からの空調空気の吹き出しによる前記床下空間での蓄熱又は蓄冷の制御を行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記制御部は、翌日の予想気温が所定値以下で暖房を行う場合に、前記蓄熱をする制御を行うとよい。
【0009】
さらに、前記制御部は、翌日の予想気温が前記所定値より低いほど、前記蓄熱の蓄熱量を大きくする制御を行うとよい。
【0010】
また、前記制御部は、翌日の予想気温が所定値以上で冷房を行う場合に、前記蓄冷をする制御を行うとよい。
【0011】
さらに、前記制御部は、翌日の予想気温が前記所定値より高いほど、前記蓄冷の蓄冷量を大きくする制御を行うとよい。
【0012】
また、前記床上空間に面する排気口が設けられており、当該排気口は、前記空調装置の前記吸込部とダクトで接続されているとよい。
【0013】
さらに、前記床下空間は、断熱構造とされているとよい。
【0014】
また、前記空調装置は、除湿機能を有するとよい。
【0015】
さらに、前記空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されているとよい。
【0016】
本発明の建物は、上記した空調システムを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このような本発明の空調システムは、建物の床上空間に床下空間と連通する給気口が設けられており、床下空間には、床下用吹出部と床上用吹出部と吸込部とを有する吹出型の空調装置が設置されている。
【0018】
そして、空調装置には、床上空間と連通して床上空間へ空調空気を吹き出すダクトが床上用吹出部に接続されている。
【0019】
そのうえで、空調装置は、情報ネットワークに接続された制御部を有しており、制御部は、情報ネットワークを介して取得した翌日の予想気温データに基づいて、深夜時間帯の電力を利用して空調装置の床下用吹出部からの空調空気の吹き出しによる床下空間での蓄熱又は蓄冷の制御を行う構成とされている。
【0020】
こうした構成なので、床下空間を蓄熱手段又は蓄冷手段として利用するため、蓄熱装置又は蓄冷装置を別途設置する必要がなく、蓄熱装置又は蓄冷装置の設置スペースを確保しないで済む。
【0021】
そのうえ、比較的安価な深夜時間帯の電力を利用して蓄熱又は蓄冷をする空調を行うため、極力経済的な電力エネルギーの消費を行うことができる。
【0022】
また、制御部は、翌日の予想気温が所定値以下で暖房を行う場合に、蓄熱をする制御を行う場合は、簡易な制御で蓄熱を行うことができる。
【0023】
さらに、制御部は、翌日の予想気温が所定値より低いほど、蓄熱の蓄熱量を大きくする制御を行う場合は、簡易な制御で必要な蓄熱量を確保することができる。
【0024】
また、制御部は、翌日の予想気温が所定値以上で冷房を行う場合に、蓄冷をする制御を行う場合は、簡易な制御で蓄冷を行うことができる。
【0025】
さらに、制御部は、翌日の予想気温が所定値より高いほど、蓄冷の蓄冷量を大きくする制御を行う場合は、簡易な制御で必要な蓄冷量を確保することができる。
【0026】
また、床上空間に面する排気口が設けられており、排気口は、空調装置の吸込部とダクトで接続されている場合は、床上空間から空調装置の吸込部へ容易に空調空気が吸い込まれるので、床上空間内で空調空気がスムーズに循環する効率の良い空調を行うことができる。
【0027】
さらに、床下空間は、断熱構造とされている場合は、床下空間内の暖気又は冷気の熱を屋外に極力漏らすことなく、エネルギー効率のよい床下暖冷房を行える。
【0028】
また、空調装置は、除湿機能を有する場合は、床上空間に別途除湿機を設置する必要がなく、日本の湿度の高い夏期の冷房運転時における除湿を行うことができるうえに、床下空間に冷気を蓄冷する際や床下冷房を行う際には、床下空間内に結露を生じ難くすることができ、カビなどが発生する弊害を低減することができる。
【0029】
さらに、空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されている場合は、ヒートポンプを用いるため、省エネルギー性能に優れたものとすることができる。
【0030】
このような本発明の建物は、本発明の空調システムを備えた構成とされている。
【0031】
こうした構成なので、上記した本発明の空調システムの効果を奏する建物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例の空調システムを備えた建物の概略構成を説明する説明図である。
【図2】実施例の空調システムの概略構成を説明する説明図である。
【図3】実施例の空調システムの暖房運転時における制御の一例を示す図である。
【図4】実施例の空調システムの冷房運転時における制御の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0034】
先ず、実施例の構成について説明する。
【0035】
図1は、実施例の空調システムを備えた建物1の概略構成を示している。
【0036】
まず、この建物1は、基礎断熱として構築された基礎底盤コンクリート1bと、その側縁に立設された基礎側壁コンクリート1cと、さらにその上に立設された外壁部1dと、その外壁部1dの上端開口を塞ぐ天井部1eとから主に構成されている。
【0037】
そして、この天井部1eと外壁部1dとに囲まれる空間は、床部1aによって床下空間4と床上空間5とに区切られている。
【0038】
さらに、基礎側壁コンクリート1cの床下空間4側には、基礎断熱材10が貼り付けられており、床下空間4内の空気の熱が屋外に極力漏れない断熱構造となっている。
【0039】
なお、この基礎断熱材10としては、グラスウールなどが好適に用いられる。
【0040】
そして、実施例の空調システムは、床下空間4に空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3が設置されている。
【0041】
ここで、この空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3は、ヒートポンプ式であり、屋外に設置された屋外機2と接続されている。
【0042】
また、エアコンディショナの屋内機3の内部には、屋外機2に繋がっている熱媒循環管路21が接続されている。
【0043】
さらに、このエアコンディショナの屋内機3には、除湿機能を有するものが用いられており、床下空間4から屋外へ貫通する排水用のドレイン11が設けられている。
【0044】
また、このエアコンディショナの屋内機3は、吸込部31と床上用吹出部32と床下用吹出部33とを有している。
【0045】
さらに、このエアコンディショナの屋内機3には、床上用吹出部32及び床下用吹出部33から空気を様々な強さで吹き出させることが可能なファン(図示せず)が内蔵されている。
【0046】
また、床上用吹出部32と床下用吹出部33とには、電動ダンパーなどから成る開閉弁32a,33aがそれぞれ設けられている。
【0047】
さらに、床部1aには、グリル付きの排気口6と2種類の給気口7,9とが設けられている。
【0048】
ここで、給気口7は、ダクト82によりエアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32と接続されており、給気口9は、ダクトを介さず、床下空間4と直接連通している。
【0049】
そして、エアコンディショナの屋内機3の吸込部31と排気口6との間もダクト81で接続されている。
【0050】
さらに、エアコンディショナの屋内機3には、このエアコンディショナの屋内機3を運転制御する制御部3aが内蔵されている。
【0051】
そして、この制御部3aは、図2に示したように、情報ネットワークとしてのインターネットNに接続されており、気象庁などの気象予報提供サービス機関のサーバSから予想気温データを取得可能とされている。
【0052】
なお、床上空間5には、所望の運転パターンに設定するためのコントローラ12が設けられている。
【0053】
次に、実施例の空調システムの運転パターンについて説明する。
【0054】
まず、暖房運転時のパターンについて説明する。
【0055】
初期設定として、コントローラ12に制御部3aが蓄熱をする制御を行う所定値(例えば5℃)を入力して予め設定しておく。
【0056】
一例として、床上空間5を、特に、翌日の起床する頃の時間帯(例えば午前7時頃)を心地良く暖めたいときは、コントローラ12に起床予定時間(例えば午前7時)を入力して設定する。
【0057】
これに応じて、制御部3aは、インターネットNを介して、サーバSから翌日の予想気温データを取得する。
【0058】
まず、こうして取得した翌日の予想気温データで分かった翌日の予想気温(例えば午前7時から午前12時までの平均気温)が所定値(例えば5℃)以下の場合、制御部3aは、以下の図3に示したような制御を行う。
【0059】
深夜電力として電力単価が比較的安価になる当日の午後11時から開閉弁33aを開状態とし、床下用吹出部33から大風量の暖気を吹き出し、床下空間4における蓄熱を開始し、並行して床上用吹出部32から小風量の暖気を吹き出す。
【0060】
そして、翌日の午前5時から午前7時まで、床下用吹出部33からの暖気の吹き出しを小風量とし、床上用吹出部32からの暖気の吹き出しは大風量とする。
【0061】
これにより、設定された起床予定時間の翌日の午前7時頃には、床上空間5が十分暖められ、心地良い状態となっている。
【0062】
また、翌日の午前7時以降も、床下空間4に蓄熱された温熱が床部1aを介して伝わるので、しばらくの間は暖房を不要ないし僅かにできる。
【0063】
なお、こうして取得した翌日の予想気温データで分かった翌日の予想気温(例えば午前7時から午前12時までの平均気温)が所定値(例えば5℃)を超える場合は、蓄熱は行わず、制御部3aは、翌日の午前5から午前7時まで床上用吹出部32から中風量の暖気を吹き出す制御を行うだけでよい。
【0064】
また、通常時の床下暖房や即効性を有する暖房も、床下用吹出部33の開閉弁33aを開状態としたり、床上用吹出部32の開閉弁32aを開状態としたりして、これらから暖気を吹き出すことにより行うことができる。
【0065】
次に、冷房運転時のパターンについて説明する。
【0066】
初期設定として、コントローラ12に制御部3aが蓄熱をする制御を行う所定値(例えば30℃)を入力して予め設定しておく。
【0067】
一例として、床上空間5を、特に、翌日の起床する頃の時間帯(例えば午前7時頃)を心地良く冷やしたいときは、コントローラ12に起床予定時間(例えば午前7時)を入力して設定する。
【0068】
これに応じて、制御部3aは、インターネットNを介して、サーバSから翌日の予想気温データを取得する。
【0069】
まず、こうして取得した翌日の予想気温データで分かった翌日の予想気温(例えば午前7時から午前12時までの平均気温)が所定値(例えば30℃)以上の場合、制御部3aは、以下の図4に示したような制御を行う。
【0070】
深夜電力として電力単価が比較的安価になる当日の午後11時から開閉弁33aを開状態とし、床下用吹出部33からエアコンディショナの屋内機3の除湿機能により極力乾燥した大風量の冷気を吹き出し、床下空間4における蓄冷を開始する。そして、翌日の予想気温(例えば午前0時から午前5時までの平均気温)が25℃以上の場合(熱帯夜)には、並行して床上用吹出部32からも小風量の冷気を吹き出す。
【0071】
そして、翌日の午前5時から午前7時まで、床下用吹出部33からの冷気の吹き出しを小風量とし、床上用吹出部32からの冷気の吹き出しも小風量とする。
【0072】
これにより、設定された起床予定時間の翌日の午前7時頃には、床上空間5が適度に冷やされ、心地良い状態となっている。
【0073】
また、翌日の午前7時以降も、床下空間4に蓄冷された冷熱が床部1aを介して伝わるので、しばらくの間は冷房を不要ないし僅かにできる。
【0074】
なお、こうして取得した翌日の予想気温データで分かった翌日の予想気温(例えば午前7時から午前12時までの平均気温)が所定値(例えば30℃)未満の場合は、蓄冷は行わない。
【0075】
なお、通常時の床下冷房や即効性を有する冷房も、床下用吹出部33の開閉弁33aを開状態としたり、床上用吹出部32の開閉弁32aを開状態としたりして、これらから冷気を吹き出すことにより行うことができる。
【0076】
次に、実施例の作用効果について説明する。
【0077】
このような実施例の空調システムは、建物1の床上空間5に床下空間4と連通する給気口9が設けられており、床下空間4には、床下用吹出部33と床上用吹出部32と吸込部31とを有する吹出型の空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3が設置されている。
【0078】
そして、エアコンディショナの屋内機3には、床上空間5と連通して床上空間5へ空調空気を吹き出すダクト82が床上用吹出部32に接続されている。
【0079】
そのうえで、エアコンディショナの屋内機3は、情報ネットワークとしてのインターネットNに接続された制御部3aを有しており、制御部3aは、インターネットNを介して取得した翌日の予想気温データに基づいて、深夜時間帯の電力を利用してエアコンディショナの屋内機3の床下用吹出部33からの空調空気の吹き出しによる床下空間4での蓄熱又は蓄冷の制御を行う構成とされている。
【0080】
こうした構成なので、床下空間4を蓄熱手段として利用するため、蓄熱装置を別途設置する必要がなく、蓄熱装置の設置スペースを確保しないで済む。
【0081】
また、床下空間4を蓄冷手段としても利用するため、蓄冷装置を別途設置する必要がなく、蓄冷装置の設置スペースを確保しないで済む。
【0082】
そのうえ、比較的安価な深夜時間帯の電力を利用して蓄熱又は蓄冷をする空調を行うため、極力経済的な電力エネルギーの消費を行うことができる。
【0083】
また、制御部3aは、翌日の予想気温が所定値以下で暖房を行う場合に、蓄熱をする制御を行う。
【0084】
このため、簡易な制御で蓄熱を行うことができる。
【0085】
さらに、制御部3aは、翌日の予想気温が所定値より低いほど、蓄熱の蓄熱量を大きくする制御を行う。
【0086】
このため、簡易な制御で必要な蓄熱量を確保することができる。
【0087】
また、制御部3aは、翌日の予想気温が所定値以上で冷房を行う場合に、蓄冷をする制御を行う。
【0088】
このため、簡易な制御で蓄冷を行うことができる。
【0089】
さらに、制御部3aは、翌日の予想気温が所定値より高いほど、蓄冷の蓄冷量を大きくする制御を行う。
【0090】
このため、簡易な制御で必要な蓄冷量を確保することができる。
【0091】
また、床部1aに排気口6が設けられており、排気口6は、エアコンディショナの屋内機3の吸込部31とダクト81で接続されている。
【0092】
このため、床上空間5からエアコンディショナの屋内機3の吸込部31へ容易に空調空気が吸い込まれるので、床上空間5内で空調空気がスムーズに循環する効率の良い空調を行うことができる。
【0093】
さらに、床下空間4は、基礎側壁コンクリート1cに基礎断熱材10が貼り付けられた断熱構造とされている。
【0094】
このため、床下空間4内の暖気又は冷気の熱を屋外に極力漏らすことなく、エネルギー効率のよい床下暖冷房を行うことができる。
【0095】
また、エアコンディショナの屋内機3は、除湿機能を有する。
【0096】
このため、床上空間5に別途除湿機を設置する必要がなく、日本の湿度の高い夏期の冷房運転時における除湿を行うことができる。
【0097】
そのうえ、床下空間4に冷気を蓄冷する際や床下冷房を行う際には、床下空間4内に結露を生じ難くすることができ、カビなどが発生する弊害を低減することができる。
【0098】
さらに、エアコンディショナの屋内機3は、ヒートポンプ式であり、屋外に設置された屋外機2と接続されている。
【0099】
このため、ヒートポンプを用いるので、省エネルギー性能に優れたものとすることができる。
【0100】
このような実施例の建物1は、上記した実施例の空調システムを備えた構成とされている。
【0101】
こうした構成なので、上記した実施例の空調システムの作用効果を奏する建物とすることができる。
【0102】
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0103】
例えば、上記した実施例では、本発明の空調システムの説明を簡単に行えるように、建物1の構造などを単純化したが、これに限定されず、2階以上の階から成る複数の部屋を有する建物において、各部屋に対して、本発明の空調システムを適用するなどして実施してもよい。
【0104】
また、上記した実施例では、空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3を床下空間4に1台設置して実施したが、これに限定されず、必要に応じ、複数台設置し実施してもよい。
【0105】
さらに、上記した実施例では、暖冷房が行えるようにして実施したが、これに限定されず、暖房又は冷房のいずれか一方のみを行えるようにして実施してもよい。
【0106】
すなわち、上記した実施例では、蓄熱と蓄冷蓄の両方を行えるようにして実施したが、これに限定されず、蓄熱又は蓄冷のいずれか一方のみを行えるようにして実施してもよい。
【0107】
また、上記した実施例では、空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3に、1つのファンを内蔵し、床上用吹出部32と、床下用吹出部33とに、それぞれ開閉弁32a,33aをそれぞれ設けて実施したが、これに限定されず、例えば、床上用吹出部32と床下用吹出部33とに個別にファンを設けることで、それぞれ独立して制御可能となるようにして実施してもよい。
【0108】
さらに、上記した実施例では、排気口6,給気口7,9などを床部1aに設けて実施したが、これに限定されず、これらを床上空間5の内壁などに設けて実施してもよい。
【0109】
また、上記した実施例では、情報ネットワークとして、インターネットNを用いて実施したが、これに限定されず、専用回線網などを用いて実施してもよい。
【0110】
さらに、上記した実施例では、翌日の予想気温データを取得する手段として、気象庁などの気象予報提供サービス機関のサーバSを利用するようにして実施したが、これに限定されず、例えば、この空調システムの専用サーバなどを利用するようにして実施してもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 建物
1a 床部
1b 基礎底盤コンクリート
1c 基礎側壁コンクリート
1d 外壁部
1e 天井部
2 エアコンディショナの屋外機
21 熱媒循環管路
3 エアコンディショナの屋内機(空調装置)
3a 制御部
31 吸込部
32 床上用吹出部
32a 開閉弁
33 床下用吹出部
33a 開閉弁
4 床下空間
5 床上空間
6 排気口
7 給気口
81 ダクト
82 ダクト
9 給気口
10 基礎断熱材
11 ドレイン
12 コントローラ
N インターネット(情報ネットワーク)
S サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の床上空間に床下空間と連通する給気口が設けられており、
前記床下空間には、床下用吹出部と床上用吹出部と吸込部とを有する吹出型の空調装置が設置され、当該空調装置には、前記床上空間と連通して当該床上空間へ空調空気を吹き出すダクトが前記床上用吹出部に接続されているとともに、
前記空調装置は、情報ネットワークに接続された制御部を有しており、
前記制御部は、前記情報ネットワークを介して取得した翌日の予想気温データに基づいて、深夜時間帯の電力を利用して前記空調装置の前記床下用吹出部からの空調空気の吹き出しによる前記床下空間での蓄熱又は蓄冷の制御を行うことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
前記制御部は、翌日の予想気温が所定値以下で暖房を行う場合に、前記蓄熱をする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記制御部は、翌日の予想気温が前記所定値より低いほど、前記蓄熱の蓄熱量を大きくする制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記制御部は、翌日の予想気温が所定値以上で冷房を行う場合に、前記蓄冷をする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項5】
前記制御部は、翌日の予想気温が前記所定値より高いほど、前記蓄冷の蓄冷量を大きくする制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の空調システム。
【請求項6】
前記床上空間に面する排気口が設けられており、当該排気口は、前記空調装置の前記吸込部とダクトで接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空調システム。
【請求項7】
前記床下空間は、断熱構造とされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空調システム。
【請求項8】
前記空調装置は、除湿機能を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空調システム。
【請求項9】
前記空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の空調システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の空調システムを備えていることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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