説明

空調機のドレン配管汚れ検出装置

【課題】空調機のドレン配管汚れ検出装置において、空調機から室内への水漏れを有効に防止することである。
【解決手段】空調機のドレン配管38の長さ複数個所に透明材料製の透明配管部54を設ける。各透明配管部54に対応する複数個所に、透明配管部54内の光透過率を検出する光センサ56を設ける。光センサ56からの検出信号を制御ユニットに出力する。制御ユニットは、光センサ56からの検出信号に基づいて透明配管部54内の光透過率異常の有無を判定する異常判定手段を有する。制御ユニットは、異常判定手段で光透過率の異常があると判定された場合に、空調機の化粧板28下側に設けた第2警告ランプを点灯または点滅させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機のドレン配管に設けた透明材料製の透明配管部と、透明配管部内の光透過率を検出する光センサとを備える空調機のドレン配管汚れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の各階に設けられる空調機として、例えば天井設置型空調機がある。天井設置型としては、天井カセット型と呼ばれる天井の下側から上側に、吸い込み部と吹き出し部とを有する化粧板およびその上側の箱体をはめ込んで設置する構造、天井埋め込み型と呼ばれる天井内に室内機本体部を埋め込む構造、天井ビルトイン型と呼ばれる吸い込み部を有する室内機本体部と、室内機本体部に接続した吹き出し部を有するダクトとを天井内にそれぞれ設置する構造等がある。いずれにしても、従来は、冷房運転時に発生する結露水、すなわち熱交換器を通過する水蒸気の凝縮により生成されるドレン水を排水受け皿であるドレンパンで捕集し、ドレンパンからドレン配管の傾斜を利用して自然排水するか、またはドレンパンからドレンポンプにより強制的にドレン水を吸い上げてドレン配管を通じて屋外等に排出することが考えられている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−83758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から知られている天井設置型空調機の場合、長期間の使用に伴ってドレン配管内で水が溜まると、水に空気中の菌類、水アカ、ほこり等が混入されること等により、水が粘り気のあるスライム状となり、ドレン配管につまりを生じてドレン水の排出を阻害する可能性がある。そして、ドレン水の排出の阻害が著しくなると、ドレンパンからドレン水が吸い込み口側に漏れ出して室内に水漏れを生じる可能性がないとはいえない。これに対して、ドレン配管のつまりを点検により確認することも考えられているが、天井裏に設置されたドレン配管を点検する作業は手間を要し、点検作業を頻繁に行えない場合には、室内への水漏れを有効に防止できない可能性がある。また、ドレン配管は、従来から塩化ビニル等により造られており、不透明であるため、ドレン配管を外側から見ただけでは内部のつまり状態を判断できないという問題もある。また、点検作業以外で、ドレン配管のつまりを判断する手段としては、ドレンポンプのつまりを検出するドレンセンサを設けて、ドレンセンサからの検出信号によりドレンポンプ内のドレン水が所定量以上であると判定された場合にドレンポンプを作動停止させることも考えられる。ただし、この場合には、ドレンポンプはドレン配管のつまり以外でも作動停止する可能性があるため、ドレンポンプの作動状態だけでドレン配管のつまり状態を有効に判定することは難しい。
【0005】
また、特許文献1には、被測定流体の濃度を測定する手段として、光を用いて透過光減衰率や散乱光増加率を測定して濃度を求める光学式濃度計を用いることが記載されている。ただし、特許文献1には、空調機のドレン配管の光透過率の変化を検出するとともに、検出されたドレン配管内の光透過率異常の有無を判定する手段は開示されていない。このような特許文献1に記載された光学式濃度計の場合、空調機のドレン配管の汚れを検出して、空調機から室内への水漏れを有効に防止することはできない。
【0006】
本発明の目的は、空調機のドレン配管汚れ検出装置において、空調機から室内への水漏れを有効に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空調機のドレン配管汚れ検出装置は、空調機のドレン配管に設けた透明材料製の透明配管部と、透明配管部内の光透過率を検出する光センサと、光センサからの検出信号に基づいて透明配管部内の光透過率異常の有無を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置である。
【0008】
また、好ましくは、異常判定手段で異常が判定された場合に異常を報知する報知手段を備える。
【0009】
また、より好ましくは、異常判定手段で異常が判定された場合に、空調機の作動を停止させる空調機運転制御手段を備える。
【0010】
また、より好ましくは、ドレン配管の吸入側からドレン水を吸引し、ドレン配管の排出側に送り出すドレンポンプを備え、空調機運転制御手段は、異常判定手段で異常が判定された場合に、少なくとも空調機のファンの作動を停止させる一方、ドレンポンプを作動させ続ける。
【0011】
また、より好ましくは、ドレン配管の長さ方向複数個所に対応する位置に透明配管部および光センサをそれぞれ設ける。
【0012】
また、より好ましくは、ドレン配管のドレン水上流側に設けられたドレンポンプを備え、ドレン配管は、ドレンポンプよりも下流側の立ち上がり排水部と、立ち上がり排水部から下流側に連続して水平方向に配置した水平排水部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る空調機のドレン配管汚れ検出装置によれば、異常判定手段によりドレン配管に設けた透明配管部内の光透過率が異常であると判定されることにより、ドレン配管に不透明の液体であるドレン水が存在し、ドレン配管に汚れがあると判断できる。すなわち、ドレン水は、空気中の菌類、水アカ、ほこり等の混入により粘性が高い有色の不透明になるため、光透過率が小さくなることでこの不透明のドレン水がドレン配管内に過度に存在し、ドレン配管に汚れがあると判断できる。このため、例えば、異常判定手段で異常が判定された場合に異常を報知する報知手段を備える構成を採用することにより、ユーザーが、異常があることを認識し、空調機の作動を停止することで、空調機から室内に水漏れが生じるのを有効に防止できる。また、異常判定手段で異常が判定された場合に、空調機の作動を停止させる空調機運転制御手段を備える構成を採用することによっても、空調機から室内への水漏れを有効に防止できる。また、空調機が天井裏に設置される等、ドレン配管等の空調機の構成部品の点検作業が困難な場所に設置される場合でも、点検作業を行わずに、ドレン配管内部の汚れを検出できる。
【0014】
また、異常判定手段で異常が判定された場合に、空調機の作動を停止させる空調機運転制御手段を備える構成において、ドレン配管の吸入側からドレン水を吸引し、ドレン配管の排出側に送り出すドレンポンプを備え、空調機運転制御手段は、異常判定手段で異常が判定された場合に、少なくとも空調機のファンの作動を停止させる一方、ドレンポンプを作動させ続ける構成によれば、ファンの作動停止により、室内への水漏れがファンにより促進されるのを防止しつつ、ドレンポンプの作動によりドレンパン内のドレン水を吸い出して、空調機から室内への水漏れをより有効に防止できる。
【0015】
また、ドレン配管の長さ方向複数個所に対応する位置に透明配管部および光センサをそれぞれ設けた構成によれば、ドレン配管の一部のみに汚れがある場合でも汚れをより見つけやすくでき、空調機から室内への水漏れをより有効に防止できる。
【0016】
また、ドレン配管のドレン水上流側に設けられたドレンポンプを備え、ドレン配管は、ドレンポンプよりも下流側の立ち上がり排水部と、立ち上がり排水部から下流側に連続して水平方向に配置した水平排水部とを備える構成によれば、水平排水部の方向が水平方向に対し傾斜しないか、または傾斜していてもその傾斜がわずかである場合に、水平排水部においてドレン水のつまりが生じやすくなり、空調機から室内への水漏れを生じやすくなる傾向となる。このため、上記の透明配管部と光センサと異常判定手段とを備える本発明の構成を採用することにより、空調機から室内への水漏れを有効に防止できるという本発明により得られる効果が顕著になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図7は、本発明の実施の形態の1例を示している。図1は、ドレン配管汚れ検出装置によりドレン配管の汚れを検出する空調機を示す構成図である。図2は、図1において、主に空調機の室内機部分を詳しく示す構成図である。図3は、天井裏に設置した室内機を、一部を省略して示す略斜視図である。図4は、図3の吸い込み口およびドレンパンを斜め上方から見た斜視図である。図5は、室内機およびドレン配管と光センサとを示す略斜視図である。図6は、図5のA−A断面と光センサからの信号を入力する制御ユニットおよび警告ランプの構成とを示す図である。図7は、光センサと警告ランプとを含む回路図である。なお、以下の説明においては、空調機が天井カセット型である場合を説明するが、本発明では、ドレン配管の汚れを検出する空調機を天井カセット型とする場合に限定するものではない。例えば、天井埋め込み型と呼ばれる、天井内に熱交換器と吹き出し部とを有する室内機本体部を埋め込む構造、天井ビルトイン型と呼ばれる、吸い込み部を有する室内機本体部と、室内機本体部に接続した吹き出し部を有するダクトとを天井内にそれぞれ設置する構造等の種々の空調機のドレン配管の汚れを検出する構成に本発明を適用することもできる。
【0018】
図1に示すように、空調機10は、室内機12と室外機14とを備え、室内機12は、蒸発器である第1熱交換器16と、送風ファン18とを備える。また、室外機14は、圧縮機20と凝縮機である第2熱交換器22とを備える。第1熱交換器16と圧縮機20と第2熱交換器22とは、冷媒配管24で接続している。また、冷媒の流れる経路において、第1熱交換器16よりも冷媒の流れ方向上流側に、図示しない膨張弁を設けている。
【0019】
室内機12は、建物の天井に下から上にはめ込むカセット型で、箱体26と、箱体26の下側に設けた化粧板28とを備える。化粧板28は、図3に示すように、中央部に吸い込み口30を、吸い込み口30の周囲の複数個所(図示の例の場合は4個所)に吹き出し口32を、それぞれ設けている。また、化粧板28の上側に鋼板等により造られたドレンパン34を設置している。ドレンパン34は、図4に示すように、吸い込み口30の周囲に枠状に設けている。図3、図4で図示を省略する第1熱交換器16(図1)は、ドレンパン34に下面を設置する状態で環状に立設している。第1熱交換器16で発生したドレン水は、ドレンパン34に捕集されてから、ドレンポンプ36によりドレン配管38を通じて外部に排出可能としている。すなわち、ドレンポンプ36は、ドレン配管38のドレン水上流側に設けている。ドレンポンプ36は、図示しないモータにより駆動される。ドレンポンプ36は、モータの駆動により、ドレン配管38の吸入側、すなわち上流側からドレン水を吸引し、ドレン配管38の排出側、すなわち下流側に送り出す。ドレン配管38の内径は、例えば、20mmから25mm等である。
【0020】
図1、図2に戻り、箱体26の内側で、第1熱交換器16の内側に送風ファン18を設けている。送風ファン18は、図示しないモータにより駆動される遠心ファンで、図3、図4に図示する吸い込み口30から吸い上げた室内の空気を、周囲の第1熱交換器16に吹き出すようにしている。これにより、第1熱交換器16を通過する空気は第1熱交換器16で冷却された後、吹き出し口32(図3)を通じて室内に吹き出される。
【0021】
図1、図2に示すように、送風ファン18を駆動するモータは、制御部40に接続されている。制御部40は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータである。制御部40は、送風ファン18の作動を制御する空調機運転制御手段を有する。空調機運転制御手段は、圧縮機20およびドレンポンプ36(図3)のそれぞれを駆動するモータの作動も制御する。また、制御部40は、室内に設けられるリモコン42(図2)に対して、有線または無線で信号の入力および出力を可能としている。
【0022】
図2に示すように、化粧板28の下側に第1警告ランプ44および第2警告ランプ46を設けている。また、室内機12に、ドレンポンプ36(図3)につまりが生じた場合や、ドレンパン34(図3、図4)のドレン水の水位が所定以上である場合に異常を表す信号、すなわち異常信号を出力するドレンセンサ48を設け、ドレンセンサ48を制御部40に接続している。制御部40は、ドレンセンサ48から異常信号を受け取ると、第1警告ランプ44を点灯または点滅させる。第1警告ランプ44および第2警告ランプ46は、室内で人が見上げた場合に見える位置に設けている。また、第2警告ランプ46は、ドレン配管汚れ検出装置50を構成し、請求項に記載した報知手段に対応する。ドレン配管汚れ検出装置50は、第2警告ランプ46と、それぞれ後述する制御ユニット52と、透明配管部54(図5、図6)と、光センサ56とを備える。
【0023】
図5に示すように、ドレン配管38は箱体26の外部に位置する部分に、第1水平排水部58と第2水平排水部60と、第1水平排水部58および第2水平排水部60の間に連結した立ち上がり排水部62とを備える。すなわち、ドレン配管38は、ドレンポンプ36よりも下流側のほぼ直立する立ち上がり排水部62と、立ち上がり排水部62から連続してほぼ水平方向に配置した第2水平排水部60とを備える。各水平排水部58,60は、水平方向に対し全く傾斜しない状態で配置することも、水平方向に対しわずかに傾斜した状態で配置することもできる。本明細書および特許請求の範囲全体において、水平排水部とは、水平方向に対しわずかに傾斜した実質的に水平であるように配置された配管部も含む。そして、立ち上がり排水部62と、第2水平排水部60の2個所位置との、ドレン配管38の長さ方向複数個所(図示の例の場合は3個所)に、透明配管部54を設けている。透明配管部54は、透明なプラスチック材または透明ガラス等の透明材料により、管状に造っている。なお、透明配管部54は、後述する光センサ56と対向する長さ方向一部を透明材料製としていればよく、例えば、ドレン配管38の他の部分との接続部を透明材料以外により構成することもできる。このような透明配管部54を設けた立ち上がり排水部62および第2水平排水部60は、室内の光および外光がほとんど届かない天井裏に配置している。
【0024】
また、ドレン配管38において、透明配管部54に対応する複数個所(図示の例の場合は3個所)位置に、光センサ56を設けている。なお、光センサ56および透明配管部54の数は、1個または2個または4個以上とすることもできる。
【0025】
図6に示すように、光センサ56は、例えば赤外線式センサで、発光部64と受光部66とを備える。発光部64と受光部66とは、透明配管部54の外周面に互いに透明配管部54の直径方向に対向するように取り付けている。発光部64から照射した光は受光部66で受けるようにしている。発光部64と受光部66とは、第2制御部である制御ユニット52に接続している。制御ユニット52は、CPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータであり、制御部40とは別に後に設置することを可能としている。制御ユニット52は、室内機12に設けている。光センサ56は、制御ユニット52から発光部64に出力される信号と、受光部66から入力される信号とから、透明配管部54内の光透過率を検出する。光センサ56の光透過率の検出値を表す信号は制御ユニット52に出力される。
【0026】
制御ユニット52は、光センサ56の検出信号に基づいて透明配管部54内の光透過率の異常の有無を判定する異常判定手段を有する。また、制御ユニット52は、異常判定手段で光透過率の異常があると判定された場合、すなわち、透明配管部54内に不透明なドレン水等に起因する汚れが過度にあることにより、透明配管部54を通過する赤外線等の光透過率の減衰が過度であると判定された場合に、異常を報知する。すなわち、この場合には、化粧板28の下側に設けた第2警告ランプ46(図2、図6)を点灯または点滅させる。
【0027】
例えば、図7に示すように、制御ユニット52は、直流電源70と、論理否定素子(NOT素子)72と、トランジスタ等のスイッチング素子74とを備えるものとする。直流電源70は、光センサ56を構成する発光部64と受光部66とにそれぞれ接続している。発光部64は、赤外線LED等の発光素子により構成している。受光部66は、フォトトランジスタ、フォトダイオード等の受光素子により構成している。発光部64から照射した光が受光部66で不透明のドレン水により過度にさえぎられることなく受け取られると、ドレン配管38(図3、図5)内のつまりが過度にはないと判定されて、論理否定素子72からの出力信号がLOとなり、第2警告ランプ46は消灯する。第2警告ランプ46は、外部の交流電源76に接続している。また、発光部64から照射した光が受光部66で不透明のドレン水により過度にさえぎられることにより、受光部66で受け取る光が過度に減衰すると、ドレン配管38(図3、図5)内のつまりが過度にあると判定されて、論理否定素子72からの出力信号がHighとなり、第2警告ランプ46が点灯する。これにより、ドレン配管38の汚れが検出可能となる。なお、第2警告ランプ46に直流電源により電力を供給することもできる。また、異常判定手段は、論理否定素子72とスイッチング素子74とを備えるものとする。
【0028】
また、図2に示すように、制御ユニット52の異常判定手段で、透明配管部54(図5、図6)内の光透過率の異常があると判定された場合に、光透過率の異常があることを表す信号を制御部40に出力して、制御部40が有する空調機運転制御手段により、空調機10の作動を停止させる、例えば、送風ファン18の作動を停止させるようにすることもできる。また、この場合、空調機運転制御手段により、送風ファン18だけでなく、室外機14の圧縮機20(図1)とドレンポンプ36(図3)との作動を停止させることもできる。また、異常判定手段で光透過率の異常があると判定された場合に、空調機運転制御手段により、送風ファン18のみの作動を停止させたり、または送風ファン18と圧縮機20との作動を停止させる一方、ドレンポンプ36(図3)を作動させ続けるようにすることもできる。
【0029】
また、図2に示すように、リモコン42に第3警告ランプ78を設けるとともに、制御ユニット52の異常判定手段で、透明配管部54(図5、図6)内の光透過率の異常があると判定された場合に、制御部40からリモコン42に異常を表す信号を出力して第3警告ランプ78を点灯または点滅させることもできる。本実施の形態では、制御ユニット52および第2警告ランプ46を、空調機10のその他の構成部品を組み付けた後で、取り付けるようにすることもできる。例えば、第2警告ランプ46を取り付ける場合には、化粧板28に第2警告ランプ46を取り付けるための孔部を設ける等により、第2警告ランプ46を容易に取り付けることができる。
【0030】
なお、第1警告ランプ44等、ドレン配管汚れ検出装置50を設けていない空調機に設けている警告ランプに、第2警告ランプ46の機能も持たせて第2警告ランプ46として流用することにより、警告ランプの数を少なくすることもできる。また、制御部40に、制御ユニット52の機能を持たせるようにすることもできる。この場合には、光センサ56からの信号を制御部40に直接出力する。制御部40は、光センサ56からの信号により透明配管部54内の光透過率の異常があると判定された場合に、第2警告ランプ46等の警告ランプを点灯または点滅させたり、送風ファン18の作動を停止させる機能を有するものとすることもできる。
【0031】
このような本実施の形態によれば、透明配管部54と光センサ56と異常判定手段とを備えるので、異常判定手段によりドレン配管38に設けた透明配管部54内の光透過率が異常であると判定されることにより、ドレン配管38に不透明の液体であるドレン水が存在し、ドレン配管38に汚れがあると判断できる。すなわち、ドレン水は、空気中の菌類、水アカ、ほこり等の混入により粘性が高い有色の不透明になるため、光透過率が小さくなることでこの不透明のドレン水がドレン配管38内に過度に存在すると、ドレン配管38に汚れがあると判断できる。このため、本実施の形態のように、異常判定手段で異常が判定された場合に異常を報知する第2警告ランプ46を備える構成を採用することにより、ユーザーが、異常があることを認識し、空調機10の作動を停止することで、空調機10から室内に水漏れが生じるのを有効に防止できる。また、異常判定手段で異常が判定された場合に、空調機10の作動を停止させる空調機運転制御手段を備える構成を採用することによっても、空調機10から室内への水漏れを有効に防止できる。また、本実施の形態のように、空調機10が天井裏に設置され、ドレン配管38等の空調機10の構成部品の点検作業が困難な場所に設置される場合でも、点検作業を行わずに、ドレン配管38内部の汚れを検出でき、ドレン配管38内のつまりによる室内への水漏れを有効に防止できる。
【0032】
また、ドレンポンプ36を備え、空調機運転制御手段は、異常判定手段で異常が判定された場合に、少なくとも空調機10の送風ファン18の作動を停止させる一方、ドレンポンプ36を作動させ続ける構成を採用した場合には、送風ファン18の作動停止により、空調機10から室内への水漏れが送風ファン18により促進されるのを防止しつつ、ドレンポンプ36の作動によりドレンパン34内のドレン水を吸い出して、空調機10から室内への水漏れをより有効に防止できる。
【0033】
また、ドレン配管38の長さ方向複数個所に対応する位置に光センサ56を設けているので、ドレン配管38の一部のみに汚れがある場合でも汚れをより見つけやすくでき、空調機10から室内への水漏れをより有効に防止できる。
【0034】
また、ドレン配管38のドレン水上流側に設けられたドレンポンプ36を備え、ドレン配管38は、ドレンポンプ36よりも下流側の立ち上がり排水部62と、立ち上がり排水部62から下流側に連続して水平方向に配置した第2水平排水部60とを備えるので、第2水平排水部60の方向が水平方向に対し傾斜しないか、または傾斜していてもその傾斜がわずかである場合に、第2水平排水部60においてドレン水のつまりが生じやすくなり、空調機10から室内への水漏れを生じやすくなる傾向となる。このため、透明配管部54と光センサ56と異常判定手段とを備える本実施の形態の構成を採用することにより、空調機10から室内への水漏れを有効に防止できるという本実施の形態により得られる効果が顕著になる。
【0035】
なお、報知部は本実施の形態のような第2警告ランプ46等の警告ランプに限定するものではなく、例えば、警告ブザーを報知部とすることもできる。例えば、異常判定手段で透明配管部54内の光透過率の異常があると判定された場合に、第2警告ランプ46の点灯または点滅の代わりに、またはこれとともに、警告ブザーを鳴らすようにすることもできる。
【0036】
また、本実施の形態は、ドレン配管汚れ検出装置50によりドレン配管38の汚れを検出する空調機10が天井設置型である場合を説明した。ただし、本発明はこのような構成に限定するものではなく、例えば、家庭用空調機等として一般的に使用される壁掛け型等の壁設置型の空調機のドレン配管の汚れを検出する構成とすることもできる。例えば、壁設置型の空調機の汚れ検出装置において、透明配管部と光センサと異常判定手段と、報知手段である警告ランプおよび空調機運転制御手段の一方または両方とを備える構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係るドレン配管汚れ検出装置によりドレン配管の汚れを検出する空調機を示す構成図である。
【図2】図1において、主に空調機の室内機部分を詳しく示す構成図である。
【図3】天井裏に設置した室内機を、一部を省略して示す略斜視図である。
【図4】図3の吸い込み口およびドレンパンを斜め上方から見た斜視図である。
【図5】室内機およびドレン配管と光センサとを示す略斜視図である。
【図6】図5のA−A断面と光センサからの信号を入力する制御ユニットおよび警告ランプの構成とを示す図である。
【図7】光センサと警告ランプとを含む回路図である。
【符号の説明】
【0038】
10 空調機、12 室内機、14 室外機、16 第1熱交換器、18 送風ファン、20 圧縮機、22 第2熱交換器、24 冷媒配管、26 箱体、28 化粧板、30 吸い込み口、32 吹き出し口、34 ドレンパン、36 ドレンポンプ、38 ドレン配管、40 制御部、42 リモコン、44 第1警告ランプ、46 第2警告ランプ、48 ドレンセンサ、50 ドレン配管汚れ検出装置、52 制御ユニット、54 透明配管部、56 光センサ、58 第1水平排水部、60 第2水平排水部、62 立ち上がり排水部、64 発光部、66 受光部、70 直流電源、72 論理否定素子、74 スイッチング素子、76 交流電源、78 第3警告ランプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機のドレン配管に設けた透明材料製の透明配管部と、
透明配管部内の光透過率を検出する光センサと、
光センサからの検出信号に基づいて透明配管部内の光透過率異常の有無を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空調機のドレン配管汚れ検出装置において、
異常判定手段で異常が判定された場合に異常を報知する報知手段を備えることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の空調機のドレン配管汚れ検出装置において、
異常判定手段で異常が判定された場合に、空調機の作動を停止させる空調機運転制御手段を備えることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の空調機のドレン配管汚れ検出装置において、
ドレン配管の吸入側からドレン水を吸引し、ドレン配管の排出側に送り出すドレンポンプを備え、
空調機運転制御手段は、異常判定手段で異常が判定された場合に、少なくとも空調機のファンの作動を停止させる一方、ドレンポンプを作動させ続けることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1に記載の空調機のドレン配管汚れ検出装置において、
ドレン配管の長さ方向複数個所に対応する位置に透明配管部および光センサをそれぞれ設けたことを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1に記載の空調機のドレン配管汚れ検出装置において、
ドレン配管のドレン水上流側に設けられたドレンポンプを備え、
ドレン配管は、ドレンポンプよりも下流側の立ち上がり排水部と、立ち上がり排水部から下流側に連続して水平方向に配置した水平排水部とを備えることを特徴とする空調機のドレン配管汚れ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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