説明

空調機用リモコン

【課題】空調機用リモコンの利便性を向上させる。
【解決手段】空調機用リモコン(1)は、リモコン本体部(2)と、就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定する睡眠判定部(34b)と、睡眠判定部(34b)の判定結果に基づいて空調機(14)に運転状態を制御する信号を送信する送信部(9)とを備えている。そして、リモコン本体部(2)には、睡眠判定部(34b)が覚醒と判定している間は発光し睡眠と判定している間は消光する発光部(10b)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機用リモコンに関し、特に、利便性の向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空調機を遠隔操作するための空調機用リモコンが知られている。例えば、特許文献1には、この種の空調機用リモコンが開示されている。この空調機用リモコンは、載置型であり、就寝者が操作し易いように寝具の近くに置かれている。また、この空調機用リモコンには、就寝者の体動によって内圧が変化するチューブ状の感圧部が接続されている。感圧部によって就寝者の体動が検出されると、空調機用リモコンでは、その検出値によって就寝者が睡眠しているか覚醒しているかが判定される。そして、その判定結果に応じて、空調機の運転状態を制御する信号が、空調機用リモコンから空調機へ送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−85076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の空調機用リモコンは、主に消灯された暗い寝室内で操作される。そのため、空調機用リモコンの位置が確認しにくく、空調機用リモコンを探す手間を就寝者に掛けることになっていた。
【0005】
そこで、このような問題を解消するため、空調機用リモコンに位置確認用のライトを設けることが考えられる。しかし、空調機が運転する間ライトを常時発光させると、消費電力の増大を招き、電池の寿命が大幅に短くなってしまう。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、空調機用リモコンの消費電力を増大させることなく、暗い寝室内において空調機用リモコンの位置を確認し易くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、リモコン本体部(2)と、就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定する睡眠判定部(34b)と、睡眠判定部(34b)の判定結果に基づいて、空調機(14)に運転状態を制御する信号を送信する送信部(9)とを備えた空調機用リモコンを前提としている。そして、この空調機用リモコンは、リモコン本体部(2)に設けられ、睡眠判定部(34b)が覚醒と判定している間は発光し、睡眠と判定している間は消光する発光部(10b)を備えているものである。
【0008】
上記第1の発明では、リモコン本体部(2)に発光部(10b)が設けられているため、暗い寝室内でも、発光部(10b)を発光させてリモコン本体部(2)の位置を確認し易くできる。そして、発光部(10b)は、就寝者が覚醒している間は発光し、睡眠している間は消光するようになっている。リモコン操作は、就寝者が覚醒している時に行われる。よって、発光部(10b)は、リモコン操作する可能性のある間だけ発光する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、発光部(10b)は、リモコン本体部(2)の側面に設けられているものである。
【0010】
上記第2の発明では、リモコン本体部(2)の側面に発光部(10b)が設けられているため、リモコン本体部(2)を寝具(16)の横に載置した場合に、発光部(10b)を寝具(16)上の就寝者の方に向けることができる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、一端側が前記リモコン本体部(2)に差し込まれると共に他端側が寝具(16)に設置され、就寝者の体動によって内圧が変化するチューブ状の感圧部(20)と、感圧部(20)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(31)とを備え、睡眠判定部(34b)は、前記受圧部(31)の圧力信号に基づいて就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定するように構成され、リモコン本体部(2)には、感圧部(20)が差し込まれる差込部(10)が側面に設けられ、発光部(10b)は差込部(10)に設けられているものである。
【0012】
上記第3の発明では、チューブ状の感圧部(20)の一端側がリモコン本体部(2)の側面の差込部(10)に差し込まれ、他端側が寝具(16)に設置されている。そのため、リモコン本体部(2)を寝具(16)の横に載置した場合、差込部(10)が寝具(16)の方を向くことが多くなる。そして、発光部(10b)は差込部(10)に設けられているため、発光部(10b)が寝具(16)上の就寝者の方を向くことが多くなる。
【0013】
第4の発明は、上記第1の発明において、一端側が前記リモコン本体部(2)に差し込まれると共に他端側が寝具(16)に設置され、就寝者の体動によって内圧が変化するチューブ状の感圧部(20)と、感圧部(20)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(31)とを備え、睡眠判定部(34b)は、前記受圧部(31)の圧力信号に基づいて就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定するように構成され、リモコン本体部(2)には、感圧部(20)を抜き差し自在に構成された差込部(10)が設けられ、発光部(10b)は、感圧部(20)が差込部(10)に差し込まれていない間は、睡眠判定部(34b)が覚醒と判定する間の発光と異なる発光状態で発光するように構成されているものである。
【0014】
上記第4の発明では、感圧部(20)が差込部(10)に差し込まれていない間、発光部(10b)は発光する。その発光状態は、感圧部(20)が差込部(10)に差し込まれ、且つ就寝者が覚醒している間の発光状態と異なっている。そのため、就寝者は、感圧部(20)が差込部(10)に差し込まれているか否かを、発光部(10b)の発光状態によって確認することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リモコン本体部(2)に発光部(10b)を設けるようにした。これにより、暗い寝室内でも、発光部(10b)を発光させてリモコン本体部(2)の位置を容易に確認することができ、空調機用リモコン(1)の利便性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明によれば、睡眠判定部(34b)が覚醒と判定している間は発光部(10b)を発光し、睡眠と判定している間は発光部(10b)を消光するようにした。リモコン操作は、就寝者が覚醒している時に行われる。よって、発光部(10b)は、リモコン操作する可能性のある間だけ発光することとなる。従って、リモコン操作されない間は、発光部(10b)を消光させることができ、発光部(10b)の発光による消費電力の増大を抑制できる。
【0017】
第2の発明によれば、リモコン本体部(2)の側面に発光部(10b)を設けるようにした。これにより、リモコン本体部(2)を寝具(16)の横に載置した場合に、発光部(10b)を寝具(16)上の就寝者に向けることができ、発光部(10b)の発光を一層確認し易くできる。
【0018】
第3の発明によれば、リモコン本体部(2)の側面に差込部(10)を設け、その差込部(10)に発光部(10b)を設けるようにした。そして、チューブ状の感圧部(20)の一端側を差込部(10)に差し込み、他端側を寝具(16)に設置するようにした。そのため、リモコン本体部(2)を寝具(16)の横に載置した場合に、差込部(10)が寝具(16)方を向くことが多くなり、発光部(10b)が就寝者の方を向くことが多くなる。従って、発光部(10b)の発光を一層確認し易くできる。
【0019】
第4の発明によれば、感圧部(20)が差込部(10)に差し込まれていない間、発光部(10b)を発光するようにした。そして、その間の発光状態を他の発光状態と異なるようにした。よって、就寝者は、差込部(10)に感圧部(20)が差し込まれているか否かを、発光部(10b)の発光状態によって確認することができる。つまり、発光部(10b)は、リモコン本体部(2)の位置を確認し易くする機能と感圧部(20)の差し込み状態を確認する機能とを兼ねている。これにより、発光部を複数設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本実施形態に係る空調機用リモコンの使用状態の図である。
【図2】図2は、空調機用リモコンの正面図、上面図、下面図、及び側面図である。
【図3】図3は、空調機用リモコンの背面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る空調機用リモコンの制御フロー図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る発光部の発光動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】図6は、本実施形態に係る発光部の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
本発明の実施形態に係る空調機用リモコン(1)は、寝室(15)内に設置された空調機(14)を無線で遠隔操作するものである。
【0023】
図1に示すように、上記空調機(14)は、例えば壁掛け式のエアコンで構成されている。空調機(14)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えており、熱交換器(図示省略)内の冷媒により冷却または加熱した空気を寝室(15)内へ供給する。つまり、空調機(14)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されている。
【0024】
又、上記空調機用リモコン(1)は、通常、就寝者が利用する寝具(16)の側方に載置されて使用されるものである。この空調機用リモコン(1)は、リモコン本体部(2)と感圧チューブ(20)とを備えている。
【0025】
−リモコン本体部−
図2及び図3に示すように、リモコン本体部(2)は、扁平状のケーシング(3)を有している。このケーシング(3)は、平面視が楕円状に形成されている。ケーシング(3)の表面は、外周縁から中央に向かって緩やかに膨らんだ外周部(4a)と、楕円状に区画された平面状の中央部(4b)とを有している。また、ケーシング(3)の裏面は、外周縁から中央へ向かって緩やかに膨らんだ形状である。上記リモコン本体部(2)は、表示パネル(5)、設定スイッチ(6)、主運転スイッチ(7)、副運転スイッチ(8)、送信部(9)及び差込部(10)を有している。
【0026】
表示パネル(5)、設定スイッチ(6)及び主運転スイッチ(7)は、ケーシング(3)の表面の中央部(4b)に設けられている。表示パネル(5)は、ケーシング(3)の表面の中央部(4b)の中央に設けられ、設定スイッチ(6)の設定内容や空調機(14)の運転状態が表示されるようになっている。設定スイッチ(6)及び主運転スイッチ(7)は、表示パネル(5)の周囲に設けられている。設定スイッチ(6)は、設定温度や起床時刻等を設定するものであり、主運転スイッチ(7)は、空調機(14)の運転を開始または終了させるものである。
【0027】
副運転スイッチ(8)は、ケーシング(3)の裏面に設けられている。この副運転スイッチ(8)は、ケーシング(3)の裏面を上にしてリモコン本体部(2)を載置した場合に、使用されるものである。副運転スイッチ(8)は、ケーシング(3)の表面を上にして設定スイッチ(6)を操作する際に、リモコン本体部(2)の両側を両手で持っても、指が副運転スイッチ(8)に触れることがない位置に設けられている。つまり、副運転スイッチ(8)は、表示パネル(5)の上部中央に対応する部分に設けられている。
【0028】
送信部(9)は、ケーシング(3)の表面及び裏面の外周縁で構成される外周面、つまりケーシング(3)の側面に、全周に亘って略等間隔に4つ配置されている。各送信部(9)は、赤外線信号を発信する2つの送信素子と、赤外線信号を広角化するレンズ機能を有したカバー部材とを備えている。
【0029】
差込部(10)は、感圧チューブ(20)をリモコン本体部(2)に差し込むためのものであり、上記ケーシング(3)の側面において、隣り合う2つの送信部(9)の間に設けられている。差込部(10)は、差込口(10a)と発光部(10b)とを備えている。差込口(10a)は、ケーシング(3)の外周面に貫通形成され、感圧チューブ(20)の一端が差し込まれている。差込口(10a)は、感圧チューブ(20)が抜き差し自在になるように構成されている。発光部(10b)は、差込口(10a)の外側端部の周囲にリング状に形成されている。発光部(10b)は、LED素子とLED素子を保護するためのカバー部材とを備えている。LED素子は、後述する制御ユニット(32)の判定部(34)において、覚醒と判定されている間は発光し、睡眠と判定されている間は消光するように構成されている。
【0030】
−感圧チューブ−
感圧チューブ(20)は、就寝者の体動を検知するためのものであって、本発明に係る感圧部を構成している。図1に示すように、感圧チューブ(20)は、チューブ本体(21)と、該チューブ本体(21)よりもやや小径の連絡チューブ(22)とが連結されて構成されている。チューブ本体(21)は、一端が閉塞し他端が開口した細長のチューブである。チューブ本体(21)は、寝室(15)の寝具(16)に設置されている。連絡チューブ(22)は、両端が開口する細長のチューブである。連絡チューブ(22)は、一端がチューブ本体(21)の開口部(23)に接続され、他端がリモコン本体部(2)の差込部(10)に差し込まれて、後述する受圧部(31)に接続されている。感圧チューブ(20)は、寝具(16)上の就寝者の体動によって、内圧が変化するようになっている。
【0031】
−受圧部−
受圧部(31)は、図3に示すように、リモコン本体部(2)の差込部(10)側に内蔵されている。この受圧部(31)は、マイクロフォンや圧力センサ等によって構成されている。就寝者の体動によって感圧チューブ(20)の内圧が変化すると、受圧部(31)はこの内圧の変化を検知して圧力信号を出力する。受圧部(31)から出力される圧力信号は、後述する制御ユニット(32)に入力される。
【0032】
−制御ユニット−
制御ユニット(32)はリモコン本体部(2)に内蔵されている。図4に示すように、この制御ユニット(32)は、信号処理部(33)と判定部(34)とを備えている。
【0033】
信号処理部(33)には、受圧部(31)からの圧力信号(以下、体動信号という。)が入力される。信号処理部(33)では、体動信号が所定の周波数帯域の体動信号に変調され、判定部(34)へ出力される。
【0034】
判定部(34)では、信号処理部(33)で変調された体動信号に基づいて、就寝者の在床状態及び睡眠状態が判定される。判定部(34)は、在床判定部(34a)と睡眠判定部(34b)とを備えている。
【0035】
在床判定部(34a)は、就寝者が寝具(16)に在床しているか、寝具(16)から離床しているかを判定するものである。この在床判定部(34a)による判定は、信号処理部(33)で変調した体動信号と、予め設定された判定閾値(在床判定閾値)との大小比較によって行われる。具体的には、在床判定部(34a)では、体動信号が在床判定閾値を下回る場合、就寝者から体動が生起していないとみなされるので、この場合には「離床」と判定される。一方、在床判定部(34a)では、体動信号が所定時間以上継続して在床判定閾値を上回る場合、就寝者から体動が生起しているとみなされるので、この場合には「在床」と判定される。
【0036】
睡眠判定部(34b)は、在床判定部(34a)により「在床」と判定された後、体動信号に基づいて就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定するものである。この睡眠判定部(34b)による判定は、信号処理部(33)で変調した体動信号と、予め設定された判定閾値(睡眠判定閾値)との大小比較によって行われる。具体的には、睡眠判定部(34b)では、初めて体動信号が所定時間以上継続して睡眠判定閾値を下回る場合、在床中の就寝者から体動がさほど生起していないとみなされるので、この場合には「睡眠」と判定される。また、睡眠判定部(34b)では、「睡眠」と判定された後において、体動信号が所定時間以上継続して睡眠判定閾値を上回る場合、就寝者から体動が生起しているとみなされるので、「覚醒」と判定される。睡眠判定部(34b)の判定結果は、送信部(9)及び発光部(10b)へ出力される。
【0037】
送信部(9)では、睡眠判定部(34b)の判定結果に基づいて、空調機(14)の運転状態を制御する信号が空調機(14)に送信される。例えば、送信部(9)では、「睡眠」と判定されてから所定時間が経過した後に、ウルトラディアンリズムの周期に対応して空調機(14)の設定温度を増減する増減信号が送信されるようになっている。
【0038】
発光部(10b)では、「覚醒」と判定されている間に出力される信号(以下、覚醒信号という。)が睡眠判定部(34b)から入力されると共に、空調機(14)の運転信号が運転スイッチ(7,8)から入力される。そして、図5に示すように、発光部(10b)では、空調機(14)の運転信号がONの区間(運転中)に、覚醒信号がONになると発光し、覚醒信号がOFFになると消光する。
【0039】
−空調機用リモコンの動作−
次に、空調機用リモコン(1)の動作について説明する。
【0040】
先ず、ユーザが就寝前に設定スイッチ(6)を操作し、「冷房運転」又は「暖房運転」が選択される。設定スイッチ(6)では、就寝者の安眠を促すための空調機(14)の運転モードとして「おやすみ制御」の運転が選択可能となっている。ユーザが「おやすみ制御」を選択して空調機(14)を運転開始することで、下記制御が行われる。
【0041】
空調機(14)の運転が開始された後、ユーザが寝具(16)に横たわって就寝すると、感圧チューブ(20)及び受圧部(31)によって使用者の体動が検出され、その体動信号が制御ユニット(32)の信号処理部(33)に出力される。信号処理部(33)では、体動信号が所定の周波数帯域に変調され、判定部(34)に出力される。判定部(34)では、まず、在床判定部(34a)によって就寝者の在床/離床判定が行われ、「在床」と判定されると睡眠判定部(34b)によって就寝者の睡眠/覚醒判定が行われる。送信部(9)では、睡眠判定部(34b)の判定結果に基づいて、空調機(14)の設定温度を増減する増減信号が空調機(14)に送信される。例えば、送信部(9)では、「睡眠」と判定されて所定時間が経過した後に、ウルトラディアンリズムの周期に対応して空調機(14)の設定温度を増減する増減信号が送信される。ウルトラディアンリズムとは、睡眠中のレム期とノンレム期のサイクルに代表される人体の生体リズムのことであり、その周期に合わせて体温が上昇及び低下する。よって、ウルトラディアンリズムの周期に対応して寝室内の温度を上昇及び低下させることで、就寝者の体温上昇及び体温低下を促進できる。これにより、就寝者は、それほど身体に負担を掛けることなく、深い睡眠を得ることができる。
【0042】
本実施形態では、図6に示すように、発光部(10b)において発光制御が行われる。
【0043】
先ず、ステップST1では、空調機(14)の運転が開始しているか否かが判定される。運転スイッチ(7,8)が押されて空調機(14)の運転が開始する場合は、運転スイッチ(7,8)から運転信号が出力され、ステップST2へ進む。一方、空調機(14)が停止中の場合は、ステップST4へ進む。
【0044】
ステップST2では、睡眠判定部(34b)において、就寝者の睡眠状態が判定される。「覚醒」と判定された場合は、睡眠判定部(34b)から覚醒信号が出力され、ステップST3へ進む。一方、「睡眠」と判定された場合は、ステップST4へ進む。
【0045】
ステップST3では、運転信号と覚醒信号が発光部(10b)に入力されて、発光部(10b)は発光状態となる。つまり、空調機(14)の運転中に睡眠判定部(34b)において「覚醒」と判定されると、発光部(10b)は発光する。
【0046】
ステップST4では、発光部(10b)は消光状態となる。つまり、空調機(14)が停止中であるか、または、空調機(14)の運転中に睡眠判定部(34b)において「睡眠」と判定されると、発光部(10b)は消光する。そして、ステップST3及びステップST4からステップST1へと戻り、この制御が繰り返される。
【0047】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、リモコン本体部(2)に発光部(10b)を設けるようにした。そのため、暗い寝室内でも、発光部(10b)を発光させてリモコン本体部(2)の位置を確認し易くでき、空調機用リモコン(1)の利便性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、睡眠判定部(34b)において覚醒と判定している間は発光部(10b)を発光し、睡眠と判定している間は発光部(10b)を消光するようにした。リモコン操作は、就寝者が覚醒している時に行われる。よって、発光部(10b)は、リモコン操作する可能性のある間だけ発光することとなる。従って、リモコン操作されない間は、発光部(10b)を消光させることができ、発光部(10b)の発光による消費電力の増大を抑制できる。
【0049】
また、本実施形態では、空調機(14)が運転中であり、且つ、就寝者が覚醒している間だけ、発光部(10b)は発光する。換言すれば、空調機(14)が停止中であり、且つ、就寝者が覚醒している間は、発光部(10b)は消光している。そのため、就寝者は、覚醒中に発光部(10b)の発光の有無を見て、空調機(14)が運転中であるか停止中であるかを把握することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、リモコン本体部(2)の側面に感圧チューブ(20)の差込部(10)を設け、その差込部(10)に発光部(10b)を設けるようにした。感圧チューブ(20)は、一端側が差込部(10)に差し込まれ、他端側が寝具(16)に設置されているため、差込部(10)が寝具(16)方を向くことが多くなる。よって、発光部(10b)が就寝者の方を向くことが多くなり、発光部(10b)の発光を一層確認し易くできる。
【0051】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、発光部(10b)の発光時に、LED素子を常時点灯させているが、これに限らず、例えば、LED素子を連続的に点滅させても構わない。
【0053】
また、上記実施形態では、感圧チューブ(20)が差込部(10)に差し込まれ、且つ、睡眠判定部(34b)において覚醒と判定された間だけ、発光部(10b)を発光するようにした。しかし、これに加えて、例えば、感圧チューブ(20)が差込部(10)に差し込まれていない間に、異なる色や点滅状態等、異なる発光状態で発光部(10b)を発光させても構わない。その場合、就寝者は、差込部(10)に感圧チューブ(20)が差し込まれているか否かを、発光部(10b)の発光状態によって確認することができる。つまり、発光部(10b)は、リモコン本体部(2)の位置を確認し易くする機能と感圧チューブ(20)の差し込み状態を確認する機能とを兼ねている。これにより、発光部を複数設ける必要がなくなる。
【0054】
また、上記実施形態では、発光部(10b)をリモコン本体部(2)の側面の差込部(10)に設けているが、これに限らず、差込部(10)以外の側面、または側面以外の箇所に設けても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上説明したように、本発明は、空調機を遠隔操作するために用いられる空調機用リモコンとして有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 空調機用リモコン
2 リモコン本体部
9 送信部
10 差込部
10b 発光部
14 空調機
16 寝具
20 感圧チューブ(感圧部)
31 受圧部
34b 睡眠判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコン本体部(2)と、
就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定する睡眠判定部(34b)と、
前記睡眠判定部(34b)の判定結果に基づいて、空調機(14)に運転状態を制御する信号を送信する送信部(9)とを備えた空調機用リモコンであって、
前記リモコン本体部(2)に設けられ、前記睡眠判定部(34b)が覚醒と判定している間は発光し、睡眠と判定している間は消光する発光部(10b)を備えている
ことを特徴とする空調機用リモコン。
【請求項2】
請求項1において、
前記発光部(10b)は、前記リモコン本体部(2)の側面に設けられている
ことを特徴とする空調機用リモコン。
【請求項3】
請求項2において、
一端側が前記リモコン本体部(2)に差し込まれると共に他端側が寝具(16)に設置され、就寝者の体動によって内圧が変化するチューブ状の感圧部(20)と、
前記感圧部(20)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(31)とを備え、
前記睡眠判定部(34b)は、前記受圧部(31)の圧力信号に基づいて就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定するように構成され、
前記リモコン本体部(2)には、前記感圧部(20)が差し込まれる差込部(10)が側面に設けられ、
前記発光部(10b)は、前記差込部(10)に設けられている
ことを特徴とする空調機用リモコン。
【請求項4】
請求項1において、
一端側が前記リモコン本体部(2)に差し込まれると共に他端側が寝具(16)に設置され、就寝者の体動によって内圧が変化するチューブ状の感圧部(20)と、
前記感圧部(20)の内圧を受けて圧力信号を出力する受圧部(31)とを備え、
前記睡眠判定部(34b)は、前記受圧部(31)の圧力信号に基づいて就寝者が睡眠しているか覚醒しているかを判定するように構成され、
前記リモコン本体部(2)には、前記感圧部(20)を抜き差し自在に構成された差込部(10)が設けられ、
前記発光部(10b)は、前記感圧部(20)が前記差込部(10)に差し込まれていない間は、前記睡眠判定部(34b)が覚醒と判定する間の発光と異なる発光状態で発光するように構成されている
ことを特徴とする空調機用リモコン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−245310(P2012−245310A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121481(P2011−121481)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】