説明

空調用レジスタ

【課題】リテーナを大きくすることなく指向性を向上させることのできる空調用レジスタを簡単な構造で実現する。
【解決手段】リテーナ20の開口24の短辺Aに沿う方向に延び、かつ端フィン41,42における支軸46,47の同方向への移動を許容する長孔51,52を移動許容部として、同リテーナ20の第1壁部26に設ける。上記支軸46,47に対し中間フィン43側から当接するカム部材53を、同中間フィン43の支軸45に一体傾動可能に設ける。カム部材53の当接された上記支軸46,47が、その当接位置よりもリテーナ20の第2壁部28,29側へ移動するのを規制する規制部を設ける。そして、カム部材53の傾動に伴い、支軸46,47に対するカム部材53の当接箇所を変化させることにより、長孔51,52における支軸46,47の位置を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置等の空気の吹出口として用いられ、室内に吹き出す空気の向きを調整する空調用レジスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室内において、前席の前方にはインストルメントパネルが配設されている。インストルメントパネルの車幅方向についての両端部、中央部等には、空気の吹出口が開口されている。これらの吹出口には、空調装置等からの空気の吹き出し方向を変更等するための空調用レジスタが組込まれている。
【0003】
この空調用レジスタとしては、リテーナ、フィン群及び連結ロッドを備えるものが一般的である。リテーナは、内部空間を通風路とし、かつ矩形の開口を下流端に有する筒状体からなる。フィン群は、リテーナ内で例えば車幅方向に延び、かつ上下方向に互いに離間した状態で配列される複数枚のフィンからなる。各フィンは、車幅方向についての両側部に設けられた支軸において、リテーナの左右の壁部に傾動可能に支持される。連結ロッドは、各フィンの支軸とは異なる箇所に設けられた連結軸を連結し、いずれかのフィンの傾動を他のフィンに伝達する。この伝達により、複数枚のフィンが同期した状態で傾動する。
【0004】
ところで、空調用レジスタについては、インストルメントパネル内に配置される他の機器の設置スペースを確保するために、リテーナの開口が横長の長方形状をなすものが求められる傾向にある。この空調用レジスタでは、リテーナについて通風路周りの4つの壁部のうち開口の短辺を含むものが第1壁部とされ、長辺を含むものが第2壁部とされる。フィン群は、配列方向の両端に位置する一対の端フィンと、両端フィン間に位置する中間フィンとからなる。両端フィン及び中間フィンの各々は、上記長辺に沿う方向についての両側部に支軸を有しており、これらの支軸において第1壁部に傾動可能に支持される。
【0005】
ここで、リテーナの下流端の開口から吹き出される空気の指向性を向上させるためには、端フィンと中間フィンとを平行の関係を保ちながら傾動させることが望ましい。
一方で、隣り合うフィン間に空気の流路を確保するために、端フィンは、リテーナの第2壁部に接近した箇所で傾動されることが望ましい。
【0006】
このような観点から、リテーナの下流端の開口については横長の長方形状としつつも、その開口の直上流についてはリテーナを、短辺に沿う方向(略上下方向)へ開口よりも大きくして、端フィンの傾動領域を確保するようにした空調用レジスタもある。しかし、この空調用レジスタでは、意匠性が高められるものの、インストルメントパネル内の他の機器の設置スペースを充分確保することが難しい。
【0007】
そこで、中間フィンの傾動を両端フィンに伝達する機構について工夫することで、リテーナを大きくすることなく指向性の向上を図ろうとする試みが種々なされている。
その1つとして、特許文献1に記載された空調用レジスタがある。
【0008】
図13(A)〜(C)は、この空調用レジスタにおいて、中間フィン83及びその上下の端フィン81,82が第2壁部85,86に対し平行にされた状態を示している。この状態では、図13(B)に示すように、第2ストレートリンク89が端フィン82の両端面と重なる。図13(C)に示すように、第1ストレートリンク87が端フィン81の両端面と重なる。さらに、U字リンク91が端フィン82の両端面と重なる。図13(B)に示すように、中間フィン83の上流側軸83Aは、第2連結ロッド92の穴部92Pの下端に位置する。また、図13(C)に示すように、中間フィン83の軸83Dは、第1連結ロッド88の穴部88Pの上端に位置する。
【0009】
図14(A)〜(C)は、上記の状態から、中間フィン83が、その上流側の端部がリテーナ84の第2壁部85から遠ざかる側(下側)へ傾動させられた状態を示している。この傾動に伴い、中間フィン83の上流側軸83Aが同方向へ移動すると、第2連結ロッド92も同方向へ押されて移動する。すると、図14(B)に示すように、第2連結ロッド92の軸受部92Aと連結する端フィン81の上流側軸81Aが、同方向(下方)に引っ張られる。端フィン81は、その下流側軸81Bを中心に同方向(下方)に傾動する。すなわち、端フィン81の上流側の端部は、リテーナ84の第2壁部85から遠ざかる側(下側)へ傾動する。
【0010】
また、図14(B)に示すように、第2連結ロッド92の軸受部92Bと連結する第2ストレートリンク89の軸89Aも、同様に同方向(下方)に押されて移動する。この移動は、第2ストレートリンク89の軸受部89B及び同軸受部89Bと連結する下流側軸82Bを介して端フィン82にも伝達される。この伝達により、同端フィン82の下流側の端部は、同端フィン82の上流側軸82Aを中心にリテーナ84の下側の第2壁部86から遠ざかる側(上側)へ傾動する。このように、中間フィン83が、その上流側端部がリテーナ84の上側の第2壁部85から遠ざかる側(下側)へ傾動すると、端フィン81,82も同期して、中間フィン83に対し平行な状態を保ちながら、同中間フィン83と同じ側へ傾動する。
【0011】
また、上述のように中間フィン83が傾動する際、図14(C)に示すように、アーム83Cの先端の軸83Dも同方向(下方)に移動する。この移動に伴い、中間フィン83の軸83Dは、第1連結ロッド88の穴部88Pに沿って移動する。すなわち、中間フィン83の上記傾動が完了するまで、第1連結ロッド88と、同第1連結ロッド88に連結する第1ストレートリンク87及びU字リンク91とには、上記中間フィン83の軸83Dの移動による駆動力が伝達されない。従って、図14(C)に示すように、上記傾動の際の第1連結ロッド88、第1ストレートリンク87及びU字リンク91は、先の図13(C)と同様の状態、すなわち、第2壁部85,86に平行となっている状態に維持される。
【0012】
なお、上記図13(A)〜(C)の状態から、中間フィン83が、その上流側の端部がリテーナ84の下側の第2壁部86から遠ざかる側(上側)に傾動させられると、空調用レジスタの各部は上記とは逆の動作を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−241637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記特許文献1に記載された空調用レジスタによれば、たしかにリテーナ84を短辺に沿う方向(略上下方向)に大きくすることなく指向性の向上を図ることができるものの、部品点数が多く、構造が複雑となってしまう。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、リテーナを大きくすることなく指向性を向上させることのできる空調用レジスタを簡単な構造で実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内部空間を通風路とし、かつ長方形状の開口を下流端に有する筒状体からなり、同筒状体について前記通風路周りの4つの壁部のうち前記開口の短辺を含むものが第1壁部とされ、長辺を含むものが第2壁部とされるリテーナと、前記リテーナ内で前記長辺に沿う方向に延び、かつ前記短辺に沿う方向に互いに離間した状態で配列される3枚以上のフィンからなり、配列方向の両端に位置するフィンが端フィンとされ、前記両端フィン間に位置するフィンが中間フィンとされ、前記中間フィン及び前記端フィンが、前記長辺に沿う方向についての両側に設けられた支軸においてそれぞれ前記第1壁部に傾動可能に支持されるフィン群と、前記中間フィン及び前記端フィンにそれぞれ設けられた連結軸を連結し、前記中間フィンの前記支軸を支点とする傾動を前記端フィンに伝達する連結ロッドとを備える空調用レジスタであって、前記第1壁部において前記短辺に沿う方向に延び、前記端フィンにおける前記支軸の同方向への移動を許容する移動許容部と、前記中間フィンの前記支軸に一体傾動可能に設けられ、前記端フィンの前記支軸に対し前記中間フィン側から当接するカム部材と、前記カム部材の当接された前記支軸が、その当接位置よりも前記第2壁部側へ移動するのを規制する規制部とをさらに備え、前記カム部材の傾動に伴い、前記端フィンの前記支軸に対する前記カム部材の当接箇所が変化することにより、前記移動許容部における前記支軸の位置を変化させるようにしたことを要旨とする。
【0017】
上記の構成によれば、空調用レジスタでは、中間フィン及び端フィンの各々が支軸を支点として傾動可能である。これに加え、端フィンの支軸は、開口の短辺に沿う方向へ移動することを、第1壁部に設けられた移動許容部によって許容される。
【0018】
ここで、中間フィン及び端フィンの各々に設けられた連結軸は、連結ロッドによって連結されている。また、端フィンの支軸に対しては、中間フィンの支軸に一体傾動可能に設けられたカム部材が、同中間フィン側から当接している。さらに、カム部材の当接された支軸が、その当接位置よりも第2壁部側へ移動することを規制部によって規制される。
【0019】
そのため、上記連結ロッドを用いた連結、カム部材の当接、及び規制部の規制により、端フィンの支軸の移動許容部内での位置と端フィンの傾きとが決定される。中間フィンが傾動させられない限り、端フィンの支軸が、その決定された位置に保持され、また端フィンが、その決定された傾きに保持される。
【0020】
従って、通風路を流れる空気は、隣り合うフィン間の流路を通過した後、開口から吹き出す。空気は、上記流路を通過する際にフィンによって向きを決定される。フィンが第2壁部に平行である場合には、空気は隣り合うフィン間でも第2壁部に平行に流れる。すなわち、空気は、フィン群よりも上流側での向きを維持しながら隣り合うフィン間を流れ、開口から第2壁部に平行に吹き出す。
【0021】
中間フィンが支軸を支点として傾動させられると、その傾動は、連結軸及び連結ロッドを介して他の端フィンに伝達される。また、端フィンの支軸に対するカム部材の当接及び規制部の規制は、中間フィンの傾動に拘らず行なわれる。端フィンは、上記のように位置を決定された支軸を支点として、中間フィンに連動して中間フィンと同じ方向へ傾動させられる。そのため、通風路を流れる空気は、上記のように傾動させられたフィン間の流路を流れる過程で向きを変えられる。そして、空気は開口から上記の変えられた方向へ吹き出す。上記のように端フィンが中間フィンに連動して同中間フィンと同じ方向へ傾動させられることから、空気を狙いとする方向へ的確に吹き出させる(良好な指向性を確保する)ことが可能である。
【0022】
また、上記のように、端フィンの支軸が、短辺に沿う方向へ延びる移動許容部内で移動可能であることから、同支軸を第2壁部に対し近付けたり遠ざけたりすることで、端フィンと第2壁部との間に同端フィンの作動領域を確保することが可能となり、リテーナを短辺に沿う方向へ大きくしなくてもすむ。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フィン群は、一対の前記端フィン及び1枚の前記中間フィンのみからなることを要旨とする。
リテーナの下流端の開口が長方形状をなしていて、フィンの配列される空間がその配列方向に狭い。しかし、上記の構成によれば、フィンの数を風向き調整のために採り得る最小枚数である3枚としたことで、風向き調整機能を確保しつつ、隣り合うフィン間の間隔(流路)を効率よく大きくすることが可能である。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記中間フィンが前記第2壁部に平行にされたとき、前記カム部材は、下流側の端部が前記第2壁部に近付いた前記端フィンの前記支軸に対し、前記移動許容部について前記第2壁部に近付いた箇所で当接することで、前記端フィンを前記第2壁部に対し平行にするものであることを要旨とする。
【0025】
中間フィンが第2壁部に平行にされると、端フィンの下流側の端部が第2壁部に接近させられるとともに、同端フィンの支軸に対し、カム部材が移動許容部について第2壁部に近付いた箇所で当接する。そのため、中間フィンに加え、端フィンが第2壁部に対し平行又はそれに近い状態となる。空気は隣り合うフィン間の流路を、それらのフィンに沿って流れることで、第2壁部に対し平行に流れる。すなわち、空気は、フィン群よりも上流側での向きを維持しながら隣り合うフィン間の流路を流れる。そして、空気は、リテーナの下流端の開口から第2壁部に平行に吹き出す。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記端フィンの前記支軸は、同端フィンの上流側の端部に設けられており、前記カム部材は、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるとき、前記移動許容部について前記第2壁部から遠ざかった位置で前記支軸に当接し、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部から遠ざかる側へ同端フィンが傾動させられるとき、前記移動許容部について前記第2壁部に近付いた箇所で前記支軸に当接することを要旨とする。
【0027】
上記の構成によれば、各端フィンは、その上流側の端部に設けられた支軸を支点として傾動する。また、その支軸は、移動許容部に沿って移動可能である。
そして、端フィンの下流側の端部が第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるときには、カム部材が移動許容部について第2壁部から遠ざかった位置で支軸に当接する。そのため、端フィンは、その下流側の端部と上流側の支軸とが短辺に沿う方向へ大きく離れるような傾斜状態、この場合、下流側の端部が第2壁部に近付き、上流側の端部が同第2壁部から遠ざかった傾斜状態となる。
【0028】
また、端フィンの下流側の端部が第2壁部から遠ざかる側へ同端フィンが傾動させられるときには、カム部材が移動許容部について第2壁部に近付いた位置で支軸に当接する。そのため、端フィンは、その下流側の端部と上流側の支軸とが短辺に沿う方向へ大きく離れるような傾斜状態、この場合、下流側の端部が第2壁部から遠ざかり、上流側の端部が第2壁部に近付いた傾斜状態となる。
【0029】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記端フィン毎の前記規制部は、前記リテーナの内壁面に設けられ、かつ前記端フィンの下流側の端部が当接される下流端被当接部と、前記移動許容部の前記第2壁部側の端部に設けられ、かつ前記端フィンの前記支軸が当接される支軸被当接部とを備え、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部から離れる側へ同端フィンが傾動させられるときには、前記支軸被当接部にて前記支軸の移動を規制する一方、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるときには、前記下流端被当接部にて前記支軸の移動を規制するものであることを要旨とする。
【0030】
上記の構成によれば、端フィンの下流側の端部が第2壁部から離れる側へ同端フィンが傾動させられるときには、同端部がリテーナの内壁面に設けられた下流端被当接部から離れるが、移動許容部の第2壁部側の端部に設けられた支軸被当接部に対し、端フィンの支軸が当接する。この当接により、端フィンの支軸がそれ以上第2壁部側へ移動することを規制される。
【0031】
また、端フィンの下流側の端部が第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるときには、支軸が移動許容部の第2壁部側の端部の支軸被当接部から離れるが、同下流側の端部が上記下流端被当接部に当接する。この当接により、端フィンの支軸がそれ以上第2壁部側へ移動することを規制される。
【0032】
このように、下流側の端部が第2壁部から遠ざかる側へ端フィンが傾動する場合と、同端部が第2壁部に近付く側へ端フィンが傾動する場合とで、すなわち、端フィンの傾動方向に応じて、下流端被当接部及び支軸被当接部について、支軸の移動を規制する規制部(被当接部)の種類が切替えられる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記カム部材には、前記各端フィンの前記支軸が挿通されるガイド孔が設けられており、前記カム部材は、前記ガイド孔のうち前記第2壁部から遠い側の内壁面において、前記端フィンの前記支軸に対し前記中間フィン側から当接し、前記カム部材は、前記ガイド孔のうち前記第2壁部に近い側の内壁面を前記規制部とし、前記第2壁部から遠い側の前記内壁面の当接された前記支軸が、その当接位置よりも前記第2壁部側へ移動するのを規制するものであることを要旨とする。
【0034】
上記の構成によれば、カム部材のガイド孔に挿通されている支軸に対しては、そのガイド孔のうち第2壁部から遠い側の内壁面が中間フィン側から当接される。また、このように第2壁部から遠い側の内壁面が当接された支軸は、その当接位置よりも第2壁部側へ移動することを、ガイド孔のうち第2壁部に近い側の内壁面(規制部)によって規制される。
【0035】
そのため、端フィンの支軸に対するカム部材(ガイド孔のうち第2壁部から遠い側の内壁面)の当接と、規制部(ガイド孔のうち第2壁部に近い側の内壁面)による規制と、上記連結ロッドを用いた連結とにより、端フィンの支軸の移動許容部内での位置と端フィンの傾きとが決定される。
【発明の効果】
【0036】
本発明の空調用レジスタによれば、簡単な構造で、リテーナを大きくすることなく指向性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を具体化した一実施形態における空調用レジスタが組込まれたセンタークラスタ及びその周辺箇所を示す部分正面図。
【図2】図1における一方の空調用レジスタを拡大して示す正面図。
【図3】空調用レジスタの側部の分解斜視図。
【図4】図3における下流側フィン群、傾動伝達機構等を拡大して示す分解斜視図。
【図5】中間フィン及び両端フィンの各支軸を通る面での空調用レジスタの側断面図。
【図6】中間フィンが第2壁部に対し平行にされた状態の空調用レジスタの側面図。
【図7】図6の空調用レジスタの内部構造を示す側断面図。
【図8】中間フィンが下流側ほど高くなるように傾斜させられた状態の空調用レジスタの側面図。
【図9】図8の空調用レジスタの内部構造を示す側断面図。
【図10】中間フィンが下流側ほど低くなるように傾斜させられた状態の空調用レジスタの側面図。
【図11】図10の空調用レジスタの内部構造を示す側断面図。
【図12】空調用レジスタの変形例を示す側面図。
【図13】背景技術に係る空調用レジスタを説明する図であり、(A)は要部の斜視図、(B)はリテーナの第1壁部、第1連結ロッド等を割愛して示す空調用レジスタの側面図、(C)はリテーナの第1壁部を割愛して示す空調用レジスタの側面図。
【図14】図13の状態から中間フィンが下流側ほど高くなるように傾斜させられた空調用レジスタを説明する図であり、(A)は要部の斜視図、(B)はリテーナの第1壁部、第1連結ロッド等を割愛して示す空調用レジスタの側面図、(C)はリテーナの第1壁部を割愛して示す空調用レジスタの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を車両用の空調用レジスタに具体化した一実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車両を後方から見た場合を基準として左、右を規定する。
【0039】
図1に示すように、車室内において、車両の運転席及び助手席の前方にはインストルメントパネル11が設けられ、その車幅方向(図1の左右方向)中央部にはセンタークラスタ12が設けられている。センタークラスタ12の上部には、ナビゲーションシステムにおけるディスプレイ装置の表示部13が組込まれている。表示部13は、操舵装置のハンドル(ステアリングホイール)14の斜め左前方に位置している。
【0040】
センタークラスタ12の上部であって、表示部13の直上には、一対の空調用レジスタ15が車幅方向に並べられた状態で組込まれている。これらの空調用レジスタ15の機能の1つに、空調装置から送られてきて車室内に吹き出される空気の向き(風向き)を調整することがある。
【0041】
両空調用レジスタ15を上記箇所に配置したのは、仮に表示部13の両脇(車幅方向についての両側)に配置すると、次の現象が生ずるからである。(i)ハンドル14を握る運転者の腕に右側の空調用レジスタ15から吹き出された空気が直接当たり、運転者に煩わしさを感じさせる。(ii)運転者の腕によって空気の流れが妨げられると、右側の空調用レジスタ15から吹き出される空気が車室内を循環しにくくなる。
【0042】
一方、図1において二点鎖線で示すように、空調用レジスタ15として高さの高いものが用いられると、それに伴い、同図1において二点鎖線で示すようにインストルメントパネル11の高さが高くなり、開放感が得られにくくなり、圧迫感や閉塞感を乗員に感じさせるおそれがある。
【0043】
そこで、本実施形態では、図1において実線で示すように、空調用レジスタ15として高さの低い薄型のものが用いられている。これに伴い、同図1において実線で示すように、センタークラスタ12を含むインストルメントパネル11の高さが低く抑えられている。
【0044】
両空調用レジスタ15は互いに略同一の構成を有している。図2及び図3に示すように、各空調用レジスタ15は、リテーナ20、下流側フィン群40、傾動伝達機構50及び上流側フィン群70を備えている。次に、これら各部の構成について説明する。
【0045】
<リテーナ20>
リテーナ20は、空調装置の通風ダクト(図示略)と、センタークラスタ12に設けられた開口(図示略)とを繋ぐためのものであり、上流側部材21及び下流側部材22に分割されている。上流側部材21及び下流側部材22は、いずれも両端を開口してなる略方形の筒状体からなり、直列に配置されて、連結手段(図示略)により相互に連結されている。これらの上流側部材21及び下流側部材22の内部空間は空気の流路(以下「通風路23」という)とされている。
【0046】
図7に示すように、上流側部材21における上流側の開口21Aは、通風ダクトからの空気の導入口を構成している。この開口21Aは、通風路23に直交する断面と同一の形状を有しており、横長の長方形状をなしている。
【0047】
下流側部材22は、その下流端にベゼル22Aを有している。ベゼル22Aは、空調用レジスタ15の意匠面を構成するものであり、上側ほど運転席及び助手席から遠ざかるように傾斜しており、横長の開口24を有している。図2に示すように、この開口24は、空調用レジスタ15の実質的な吹き出し口を構成するものである。ここで、開口24の各辺を区別するために、上下方向に延びる辺を「短辺A」といい、左右方向に延びる辺を「長辺B」というものとする。
【0048】
通風路23は、リテーナ20の4つの壁部によって取り囲まれている。これらの4つの壁部を区別するために、図6及び図7に示すように、開口24の短辺Aに対応するものを第1壁部26,27といい、長辺Bに対応するものを第2壁部28,29というものとする。通風路23に直交する断面が横長の長方形状をなす本実施形態では、車幅方向(左右方向)に相対向する壁部が第1壁部26,27となり、上下方向に相対向する壁部が第2壁部28,29となる。
【0049】
上流側部材21と下流側部材22とが連結された状態では、その上流側部材21の下流端面と下流側部材22の上流端面とが接合されている。各第1壁部26,27の上記接合部分であって、上下方向についての中央部には軸受部31が設けられている(図5参照)。また、各第1壁部26,27には、上下一対の長孔51,52がそれぞれ設けられている。これらの長孔51,52については後述する。
【0050】
<下流側フィン群40>
下流側フィン群40は、リテーナ20内であって開口24の上流側近傍で長辺Bに沿う方向(車幅方向)に延びる3枚の下流側フィンからなる。下流側フィン群40及び下流側フィンは、特許請求の範囲におけるフィン群及びフィンにそれぞれ該当する。これらの下流側フィンは、いずれも通風路23に沿う方向に所定の幅を有する偏平細長状に形成されており、短辺Aに沿う方向(略上下方向)に互いに離間した状態で配列されている。
【0051】
ここで、上記3枚の下流側フィンを区別するために、配列方向の上端に位置するものを端フィン41といい、下端に位置するものを端フィン42という。また、両端フィン41,42間に位置するものを中間フィン43というものとする。上側の端フィン41は、上側の第2壁部28に接近した箇所に配置されている。また、下側の端フィン42は、下側の第2壁部29に接近した箇所に配置されている。
【0052】
図4に示すように、中間フィン43に関し、長辺Bに沿う方向についての両端面には支軸45が設けられている。両支軸45は、通風路23に沿う方向については、上記端面の中間部分に設けられている。そして、各支軸45は、前記軸受部31により第1壁部26,27に対し回動可能に支持されている(図5〜図7参照)。中間フィン43は、両支軸45を支点として、短辺Aに沿う方向(略上下方向)への傾動可能である。
【0053】
また、上側の端フィン41に関し、その長辺Bに沿う方向についての両端面には支軸46が設けられている。両支軸46は、通風路23に沿う方向については、端フィン41の上流側の端部に設けられていて、上述した長孔51に係合されている。そのため、端フィン41は、両支軸46を支点として、短辺Aに沿う方向(略上下方向)への傾動可能である。
【0054】
同様に、下側の端フィン42に関し、その長辺Bに沿う方向についての両端面には支軸47が設けられている。両支軸47は、通風路23に沿う方向については、端フィン42の上流側の端部に設けられていて、上述した長孔52に係合されている。そのため、端フィン42は、両支軸47を支点として、短辺Aに沿う方向(略上下方向)への傾動可能である。
【0055】
<傾動伝達機構50>
図4及び図5に示すように、傾動伝達機構50は、中間フィン43の傾動を両端フィン41,42に伝達して、中間フィン43に同期させて両端フィン41,42を中間フィン43と同じ方向へ傾動させるためのものであり、長辺Bに沿う方向についての両側に設けられている。
【0056】
各傾動伝達機構50は、上述した第1壁部26,27毎の長孔51,52を移動許容部として含んでいる。第1壁部26,27毎の長孔51,52は、上流側部材21及び下流側部材22の上記接合部分であって、上下の各第2壁部28,29に接近した箇所に設けられている。第1壁部26,27毎の上下両長孔51,52は、いずれも短辺Aに沿う方向に延びている。ここで、「短辺Aに沿う方向」には、短辺Aと同一の方向にとどまらず、短辺Aに対し多少傾めに交差する方向も含まれる。本実施形態では、上側の長孔51は、短辺Aと略同一の方向に延びているのに対し、下側の長孔52は上下方向に延びていて、短辺Aに対し僅かに傾斜している。このため、端フィン41,42毎の両支軸46,47は、長孔51,52内で回動可能であるほか、同長孔51,52の延びる方向へ移動可能である。
【0057】
中間フィン43の両支軸45は、最寄りの第1壁部26,27よりも外側方(長辺Bに沿う方向のうち、リテーナ20から遠ざかる方向)へ突出している。各支軸45の突出部分には、上記端フィン41の支軸46に対し、下側(中間フィン43側)から当接するとともに、端フィン42の支軸47に対し上側(中間フィン43側)から当接するカム部材53が一体傾動可能に設けられている。カム部材53は、中間フィン43の支軸45の上流側となる箇所から外側方へ突出する連結軸54を有している。これらの中間フィン43、支軸45、カム部材53及び連結軸54は、射出成形により一体的に形成されている。
【0058】
また、上側の端フィン41の両支軸46は、最寄りの第1壁部26,27よりも外側方へ突出している。各支軸46の突出部分には、その支軸46を起点として上流側へ延びるアーム55が形成されている。アーム55の上流側端部(延出端部)からは、連結軸56が外側方へ突出している。これらの端フィン41、支軸46、アーム55及び連結軸56は、射出成形により一体的に形成されている。
【0059】
同様に、下側の端フィン42の両支軸47は、最寄りの第1壁部26,27よりも外側方へ突出している。各支軸47の突出部分には、その支軸47を起点として上流側へ延びるアーム57が形成されている。アーム57の上流側端部(延出端部)からは、連結軸58が外側方へ突出している。これらの端フィン42、支軸47、アーム57及び連結軸58は、射出成形により一体的に形成されている。
【0060】
上記連結軸54及び上記連結軸56,58は、開口24の短辺Aに沿う方向に延びる連結ロッド61によって連結されている。より詳しくは、連結ロッド61の長さ方向についての3箇所には孔62があけられており、これらの孔62に連結軸54,56,58が回動可能に係合されている。そして、上述したアーム55,57、カム部材53、連結軸54,56,58、連結ロッド61等により、両端フィン41,42及び中間フィン43を機械的に連結するリンク機構が構成されている。
【0061】
上記カム部材53は、その上縁部及び下縁部に、プロファイル63,64を有している。上側のプロファイル63は次の条件を満たしている。
(i)図6及び図7に示すように、中間フィン43が第2壁部28,29に平行にされて、端フィン41の下流側の端部が第2壁部28に近付けられるとき、プロファイル63の中間部は、長孔51において第2壁部28に近付いた箇所(上端部)で支軸46に当接する。
【0062】
(ii)図8及び図9に示すように、中間フィン43が下流側ほど高くなるように上方へ傾動させられて、端フィン41の下流側の端部が第2壁部28に近付く側へ同端フィン41が傾動させられるとき、プロファイル63の下流側部は、長孔51において第2壁部28から遠ざかった箇所(下端部)で支軸46に当接する。
【0063】
(iii )図10及び図11に示すように、中間フィン43が下流側ほど低くなるように下方へ傾動させられて、端フィン41の下流側の端部が第2壁部28から遠ざかる側へ同端フィン41が傾動させられるとき、プロファイル63の上流側部は、長孔51において第2壁部28に近付いた箇所(上端部)で支軸46に当接する。
【0064】
これに対し、下側のプロファイル64は次の条件を満たしている。
(iv)図6及び図7に示すように、中間フィン43が第2壁部28,29に平行にされて、端フィン42の下流側の端部が第2壁部29に近付けられるとき、プロファイル64の中間部は、長孔52において第2壁部29に近付いた箇所(下端部)で支軸47に当接する。
【0065】
(v)図8及び図9に示すように、中間フィン43が下流側ほど高くなるように上方へ傾動させられて、端フィン42の下流側の端部が第2壁部29から遠ざかる側へ同端フィン42が傾動させられるとき、プロファイル64の上流側部は、長孔52において第2壁部29に近付いた箇所(下端部)で支軸47に当接する。
【0066】
(vi)図10及び図11に示すように、中間フィン43が下流側ほど低くなるように下方へ傾動させられて、端フィン42の下流側の端部が第2壁部29に近付く側へ同端フィン42が傾動させられるとき、プロファイル64の下流側部は、長孔52において第2壁部29から遠ざかった箇所(上端部)で支軸47に当接する。
【0067】
さらに、上側のプロファイル63においてカム部材53の当接された支軸46が、その当接位置よりも第2壁部28側へ移動するのを規制する規制部が設けられている。この規制部は、下流端被当接部65及び支軸被当接部66からなる。下流端被当接部65は、上側の第2壁部28の内壁面において、端フィン41の下流側の端部が当接される箇所である。支軸被当接部66は、長孔51の第2壁部28側の端部(上端部)であって、支軸46が当接される箇所である。
【0068】
そして、下流端被当接部65及び支軸被当接部66のいずれか一方によって支軸46の移動が規制される。本実施形態では、端フィン41の傾動方向によって、支軸46の移動を規制する規制部(被当接部)の種類が次のように切替えられる。
【0069】
(I)図6及び図7に示すように、端フィン41の下流側の端部及び支軸46がともに第2壁部28に近付けられるとき(端フィン41が第2壁部28に対し平行にされるとき)には、支軸被当接部66によって支軸46の移動が規制される。
【0070】
(II)図8及び図9に示すように、端フィン41の下流側の端部が第2壁部28に近付く側へ同端フィン41が傾動させられるときには、下流端被当接部65によって支軸46の移動が規制される。
【0071】
(III )図10及び図11に示すように、端フィン41の下流側の端部が第2壁部28から離れる側へ同端フィン41が傾動させられるときには、支軸被当接部66によって支軸46の移動が規制される。
【0072】
また、下側のプロファイル64においてカム部材53の当接された支軸47が、その当接位置よりも第2壁部29側へ移動するのを規制する規制部が設けられている。この規制部は、下流端被当接部67及び支軸被当接部68からなる。下流端被当接部67は、下側の第2壁部29の内壁面において、端フィン42の下流側の端部が当接される箇所である。支軸被当接部68は、長孔52の第2壁部29側の端部(下端部)であって、支軸47が当接される箇所である。
【0073】
そして、下流端被当接部67及び支軸被当接部68のいずれか一方によって支軸47の移動が規制される。本実施形態では、端フィン42の傾動方向によって、支軸47の移動を規制する規制部(被当接部)の種類が次のように切替えられる。
【0074】
(IV)図6及び図7に示すように、端フィン42の下流側の端部及び支軸47がともに第2壁部29に近付けられるとき(端フィン42が第2壁部29に対し平行にされるとき)には、支軸被当接部68によって支軸47の移動が規制される。
【0075】
(V)図8及び図9に示すように、端フィン42の下流側の端部が第2壁部29から離れる側へ同端フィン42が傾動させられるときには、支軸被当接部68によって支軸47の移動が規制される。
【0076】
(VI)図10及び図11に示すように、端フィン42の下流側の端部が第2壁部29に近付く側へ同端フィン42が傾動させられるときには、下流端被当接部67によって支軸47の移動が規制される。
【0077】
<上流側フィン群70>
図2に示すように、上流側フィン群70は、リテーナ20内の上記下流側フィン群40の上流近傍であって、開口24の短辺Aに沿う方向(略上下方向)に延びる複数枚の上流側フィン71からなる。これらの上流側フィン71は、いずれも通風路23に沿う方向に所定の幅を有する偏平細長状に形成されており、長辺Bに沿う方向(車幅方向)に互いに離間した状態で配列されている。
【0078】
各上流側フィン71の短辺Aに沿う方向についての両端面には、支軸(図示略)がそれぞれ設けられている。そして、各上流側フィン71は、両支軸において第2壁部28,29に回動可能に支持されている。そのため、各上流側フィン71は、これらの支軸を支点として開口24の長辺Bに沿う方向(車幅方向)へ傾動可能である。
【0079】
次に、上記のように構成された本実施形態の空調用レジスタ15の作用について説明する。
この空調用レジスタ15では、リテーナ20の下流端の開口24が長方形状をなしていて、下流側フィン(中間フィン43、端フィン41,42)の配列される空間がその配列方向に狭い。しかし、本実施形態では、下流側フィンの数が風向き調整のために採り得る最小枚数である3枚とされている。そのため、風向き調整機能が確保されつつ、隣り合う下流側フィン間(中間フィン43及び端フィン41,42間)の間隔(流路)は、充分大きくなっている。
【0080】
この空調用レジスタ15では、中間フィン43及び端フィン41,42の各々が支軸45〜47を支点として第1壁部26,27に対し傾動可能である。これに加え、図5に示すように、端フィン41の支軸46は、各第1壁部26,27の上流側部材21及び下流側部材22間に設けられた長孔51に沿って、短辺Aに沿う方向へ移動可能である。また、端フィン42の支軸47は、各第1壁部26,27の上流側部材21及び下流側部材22間に設けられた長孔52に沿って、短辺Aに沿う方向へ移動可能である。
【0081】
ここで、図4に示すように、カム部材53及び支軸45を介して中間フィン43に設けられた連結軸54と、アーム55及び支軸46を介して端フィン41に設けられた連結軸56と、アーム57及び支軸47を介して端フィン42に設けられた連結軸58とは、連結ロッド61によって連結されている。
【0082】
また、端フィン41の支軸46に対しては、支軸45を介して中間フィン43と一体傾動するカム部材53が、同中間フィン43側(下側)から当接している。同様に、端フィン42の支軸47に対しては、上記カム部材53が、中間フィン43側(上側)から当接している。
【0083】
さらに、カム部材53の当接された支軸46が、その当接位置よりも第2壁部28側へ移動することが規制部(下流端被当接部65及び支軸被当接部66)によって規制される。同様に、カム部材53の当接された支軸47が、その当接位置よりも第2壁部29側へ移動することが規制部(下流端被当接部67及び支軸被当接部68)によって規制される。
【0084】
そのため、上記連結ロッド61を用いた連結、カム部材53の当接、及び規制部の規制により、支軸46,47の長孔51,52内での位置と端フィン41,42の傾きとが決定される。中間フィン43が傾動させられない限り、支軸46,47が、その決定された位置に保持され、また端フィン41,42が、その決定された傾きに保持される。
【0085】
従って、通風路23を流れる空気は、中間フィン43及び端フィン41間の流路や、中間フィン43及び端フィン42間の流路を通過した後、開口24から吹き出す。空気は、上記流路を通過する際に中間フィン43及び端フィン41,42によって向きを調整される。
【0086】
図6及び図7は、中間フィン43が通風方向(第2壁部28,29)に対し平行にされた状態を示している。この状態では、上側の端フィン41の下流側の端部が第2壁部28に接近させられるとともに、同端フィン41の支軸46に対し、カム部材53のプロファイル63の中間部が長孔51において第2壁部28に近付いた箇所で当接する。また、下側の端フィン42の下流側の端部が第2壁部29に接近させられるとともに、同端フィン42の支軸47に対し、カム部材53のプロファイル64の中間部が長孔52において第2壁部29に近付いた箇所で当接する。
【0087】
そのため、端フィン41,42も中間フィン43と同様、第2壁部28,29に対し平行な状態となる。空気は、中間フィン43及び端フィン41間の流路や、中間フィン43及び端フィン42間の流路を、それらの下流側フィンに沿って流れることで、第2壁部28,29に対し平行に流れる。すなわち、空気は、下流側フィン群40よりも上流側での向きを維持しながら隣り合う下流側フィン間の流路を流れる。そして、空気は、リテーナ20の下流端の開口24から第2壁部28,29に平行に吹き出す。
【0088】
上記図6及び図7の状態から、中間フィン43が図8及び図9に示すように、支軸45を支点として上方(図中反時計回り方向)へ傾動されると、中間フィン43は、下流側ほど高くなるように傾斜する。
【0089】
中間フィン43の上記傾動は、連結軸54,56,58、連結ロッド61等を介して両端フィン41,42に伝達される。また、各端フィン41,42の支軸46,47に対するカム部材53の当接及び規制部の規制は、中間フィン43の上記傾動に拘らず行なわれる。端フィン41,42は、上記のように位置を決定された支軸46,47を支点として、中間フィン43に連動して中間フィン43と同じ方向へ傾動させられる。
【0090】
すなわち、上側の端フィン41については、中間フィン43の上記傾動に伴い、同端フィン41の下流側の端部が上側の第2壁部28に近付いて下流端被当接部65に当接する。また、カム部材53のプロファイル63の下流側部が、上側の長孔51について上側の第2壁部28から下方へ遠ざかった位置で支軸46に下側から当接する。そのため、端フィン41の上流側の支軸46が上側の第2壁部28から下方へ遠ざかる。従って、上側の端フィン41の下流側の端部と、上流側の支軸46とが短辺Aに沿う方向(略上下方向)へ大きく離れる。その結果、上側の端フィン41は、上流側の端部が上側の第2壁部28から下方へ遠ざかり、かつ下流側の端部が同第2壁部28に近付いた傾斜状態、すなわち、中間フィン43と同様、下流側ほど高くなる傾斜状態となる。
【0091】
なお、このとき、カム部材53のプロファイル63の下流側部の当接された支軸46が、その当接位置よりも上側の第2壁部28側へ移動しようとしても、その移動は、端フィン41の下流側の端部の当接した上側の下流端被当接部65によって規制される。
【0092】
また、下側の端フィン42については、中間フィン43の上記傾動に伴い、同端フィン42の下流側の端部が下側の第2壁部29から上方へ遠ざかる。このときには、カム部材53のプロファイル64の上流側部が、下側の長孔52について第2壁部29に近付いた位置で支軸47に上側から当接する。そのため、端フィン42の上流側の支軸47が下側の第2壁部29に近付いて、長孔52の支軸被当接部68に当接する。従って、下側の端フィン42の下流側の端部と、上流側の支軸47とが短辺Aに沿う方向(略上下方向)へ大きく離れる。その結果、下側の端フィン42は、上流側の端部が下側の第2壁部29に近付き、かつ下流側の端部が同第2壁部29から上方へ遠ざかった傾斜状態、すなわち、中間フィン43と同様、下流側ほど高くなる傾斜状態となる。
【0093】
なお、このとき、カム部材53のプロファイル64の上流側部の当接された支軸47が、その当接位置よりも下側の第2壁部29側へ移動しようとしても、その移動は、支軸47の当接した支軸被当接部68によって規制される。
【0094】
そのため、通風路23を流れる空気は、上記のように傾動させられた中間フィン43及び端フィン41,42間の流路を、それらの下流側フィンに沿って流れる過程で向きを変えられて開口24から吹き出す。上記のように、端フィン41,42が中間フィン43と同様に、下流側ほど高くなるよう傾斜した状態となることから、空気は狙いとする方向である斜め上方へ的確に吹き出す。
【0095】
上記とは逆に、上記図6及び図7の状態から、中間フィン43が図10及び図11に示すように、支軸45を支点として下方(図中時計回り方向)へ傾動されると、中間フィン43は、下流側ほど低くなるように傾斜する。
【0096】
中間フィン43の上記傾動は、連結軸54,56,58、連結ロッド61等を介して各端フィン41,42に伝達される。また、端フィン41,42の支軸46,47に対するカム部材53の当接及び規制部の規制は、中間フィン43の上記傾動に拘らず行なわれる。端フィン41,42は、上記のように位置を決定された支軸46,47を支点として、中間フィン43に連動して中間フィン43と同じ方向へ傾動させられる。
【0097】
すなわち、上側の端フィン41については、中間フィン43の上記傾動に伴い、同端フィン41の下流側の端部が上側の第2壁部28から下方へ遠ざかる。このときには、カム部材53の上側のプロファイル63の上流側部が上側の長孔51について上側の第2壁部28に近付いた位置で支軸46に当接する。そのため、端フィン41の上流側の支軸46が上側の第2壁部28に近付いて、長孔51の支軸被当接部66に当接する。従って、上側の端フィン41の下流側の端部と、上流側の支軸46とが短辺Aに沿う方向(略上下方向)へ大きく離れる。その結果、上側の端フィン41は、上流側の端部が上側の第2壁部28に近付き、かつ下流側の端部が同第2壁部28から下方へ遠ざかった傾斜状態、すなわち、中間フィン43と同様、下流側ほど低くなる傾斜状態となる。
【0098】
なお、このとき、カム部材53のプロファイル63の上流側部の当接された支軸46が、その当接位置よりも上側の第2壁部28側へ移動しようとしても、その移動は、支軸46の当接した支軸被当接部66によって規制される。
【0099】
また、下側の端フィン42については、中間フィン43の上記傾動に伴い、同端フィン42の下流側の端部が下側の第2壁部29に近付いて下流端被当接部67に当接する。また、カム部材53のプロファイル64の下流側部が下側の長孔52について下側の第2壁部29から上方へ遠ざかった位置で支軸47に上側から当接する。そのため、端フィン42の上流側の支軸47が下側の第2壁部29から上方へ遠ざかる。従って、下側の端フィン42の下流側の端部と、上流側の支軸47とが短辺Aに沿う方向(略上下方向)へ大きく離れる。その結果、下側の端フィン42は、上流側の端部が下側の第2壁部29から上方へ遠ざかり、かつ下流側の端部が同第2壁部29に近付いた傾斜状態、すなわち、中間フィン43と同様、下流側ほど低くなる傾斜状態となる。
【0100】
なお、このとき、カム部材53のプロファイル64の下流側部の当接された支軸47が、その当接位置よりも下側の第2壁部29側へ移動しようとしても、その移動は、端フィン42の下流側の端部の当接した下側の下流端被当接部67によって規制される。
【0101】
そのため、通風路23を流れる空気は、上記のように傾動させられた中間フィン43及び端フィン41,42間の流路を、それらの下流側フィンに沿って流れる過程で向きを変えられて開口24から吹き出す。上記のように、端フィン41,42が中間フィン43と同様に、下流側ほど低くなるように傾斜した状態となることから、空気は狙いとする方向である斜め下方へ的確に吹き出す。
【0102】
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)開口24の短辺Aに沿う方向に延び、端フィン41,42における支軸46,47の同方向への移動を許容する長孔51,52を移動許容部として第1壁部26,27に設ける。端フィン41,42の支軸46,47に対し中間フィン43側から当接するカム部材53を中間フィン43の支軸45に一体傾動可能に設ける。カム部材53のプロファイル63,64の当接された上記支軸46,47が、その当接位置よりも第2壁部28,29側へ移動するのを規制する規制部(下流端被当接部65,67及び支軸被当接部66,68)を設ける。そして、カム部材53の傾動に伴い、支軸46,47に対するカム部材53のプロファイル63,64の当接箇所を変化させることにより、長孔51,52における支軸46,47の位置を変化させるようにしている。換言すると、空調用レジスタ15を、端フィン41,42が、あたかも複数の支軸46,47を有し、それらの支軸46,47を支点として傾動するような構成にしている。
【0103】
そのため、背景技術(特許文献1に記載されたもの)に比べ、部品点数が少なく簡単な構造でありながら、中間フィン43の傾動に連動して、端フィン41,42を中間フィン43と同じ方向へ傾動させることができ、空気を狙いとする方向へ的確に吹き出させる、すなわち、良好な指向性を確保することができる。
【0104】
また、端フィン41,42の支軸46,47を、短辺Aに沿う方向へ延びる長孔51,52内で移動させることができる。このことから、同支軸46,47を第2壁部28,29に対し近付けたり遠ざけたりすることで、端フィン41,42と第2壁部28,29との間に同端フィン41,42の作動領域を確保することができるようになり、リテーナ20を、短辺Aに沿う方向(略上下方向)に大きくしなくてもすむ。
【0105】
従って、ベゼル22Aの開口24を横長にして空調用レジスタ15の意匠性を高めることができるだけでなく、インストルメントパネル11に占める空調用レジスタ15のスペースを小さくし、インストルメントパネル11内の他の機器の設置スペースを確保することができる。
【0106】
(2)上下一対の端フィン41,42と、それらの間に配置された1枚の中間フィン43といった3枚の下流側フィンのみによって下流側フィン群40を構成している。この枚数(3枚)は、風向き調整のために必要な最小枚数である。
【0107】
そのため、風向き調整機能を確保しつつ隣り合う下流側フィン間(中間フィン43及び端フィン41,42間)の間隔を効率よく大きくすることができる。
(3)中間フィン43が第2壁部28,29に平行にされたとき、下流側の端部が第2壁部28,29に接近した端フィン41,42の支軸46,47に対し、カム部材53のプロファイル63,64を、長孔51,52について第2壁部28,29に近付いた箇所で当接させるようにしている。
【0108】
そのため、中間フィン43に加え、上下両端フィン41,42を、第2壁部28,29に対し平行又はそれに近い状態にし、空気を、リテーナ20の下流端の開口24から第2壁部28,29に平行に吹き出させることができる。
【0109】
(4)端フィン41,42の支軸46,47を、同端フィン41,42の上流側の端部に設ける。端フィン41,42の下流側の端部が第2壁部28,29に近付く側へ同端フィン41,42が傾動させられるときには、カム部材53を、長孔(移動許容部)51,52について第2壁部28,29から遠ざかった位置で支軸46,47に当接させる。また、端フィン41,42の下流側の端部が第2壁部28,29から遠ざかる側へ同端フィン41,42が傾動させられるときには、カム部材53を、長孔(移動許容部)51,52について第2壁部28,29に近付いた箇所で支軸46,47に当接させるようにしている。
【0110】
そのため、端フィン41,42を、その下流側の端部と上流側の支軸46,47とが短辺Aに沿う方向へ大きく離れるような傾斜状態にすることができる。
(5)リテーナ20(第2壁部28,29)の内壁面に設けられ、かつ端フィン41,42の下流側の端部が当接される下流端被当接部65,67と、長孔51,52の第2壁部28,29側の端部に設けられ、かつ端フィン41,42の支軸46,47が当接される支軸被当接部66,68とによって、端フィン41,42毎の規制部を構成する。そして、端フィン41,42の下流側の端部が第2壁部28,29から離れる側へ同端フィン41,42が傾動させられるときには、支軸被当接部66,68によって支軸46,47の移動を規制する。また、端フィン41,42の下流側の端部が第2壁部28,29に近付く側へ同端フィン41,42が傾動させられるときには、下流端被当接部65,67によって支軸46,47の移動を規制するようにしている。
【0111】
そのため、下流側の端部が第2壁部28,29から遠ざかる側へ端フィン41,42が傾動する場合と近付く側へ端フィン41,42が傾動する場合とで、すなわち、端フィン41,42の傾動方向に応じて、下流端被当接部65,67及び支軸被当接部66,68について、支軸46,47の移動を規制する被当接部を適切に切替えることができる。
【0112】
(6)中間フィン43、支軸45、カム部材53及び連結軸54を、射出成形により一体的に形成している。また、端フィン41、支軸46、アーム55及び連結軸56を、射出成形により一体的に形成している。さらに、端フィン42、支軸47、アーム57及び連結軸58を、射出成形により一体的に形成している。
【0113】
このように、傾動伝達機構50の構成部品を射出成形によって一体的に形成しているため、新規な構成を追加することに伴うコストアップを最小に抑えることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
【0114】
・カム部材53の当接された支軸46,47が、その当接位置よりも第2壁部28,29側へ移動するのを規制する規制部の構成を、上記実施形態とは異なるものに変更してもよい。
【0115】
図12はその一例(変形例)を示している。この変形例では、図12に示すように、カム部材53に、上下各端フィン41,42の支軸46,47が挿通される上下一対のガイド孔75が設けられている。このカム部材53は、各ガイド孔75のうち最寄りの第2壁部28,29から遠い側の内壁面75Aにおいて、支軸46,47に対し中間フィン43側から当接する。また、カム部材53は、各ガイド孔75のうち最寄りの第2壁部28,29に近い側の内壁面75Bを規制部とし、上記内壁面75Aの当接された支軸46,47が、その当接位置よりも最寄りの第2壁部28,29側へ移動するのを規制する。
【0116】
なお、図12において、前述した実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号が付されている。
この変形例によると、支軸46,47に対しては、ガイド孔75のうち最寄りの第2壁部28,29から遠い側の内壁面75Aが中間フィン43側から当接される。また、このように第2壁部28,29から遠い側の内壁面75Aが当接された支軸46,47は、その当接位置よりも第2壁部28,29側へ移動することを、ガイド孔75のうち最寄りの第2壁部28,29に近い側の内壁面75B(規制部)によって規制される。
【0117】
そのため、支軸46,47に対するカム部材53の当接と、規制部の規制と、連結ロッド61を用いた連結とにより、支軸46,47の長孔51,52内での位置と端フィン41,42の傾きとが決定される。そして、中間フィン43が傾動されない限り、端フィン41,42の支軸46,47が、その決定された位置に保持され、また端フィン41,42が、その決定された傾きに保持される。
【0118】
中間フィン43がその支軸45を支点として傾動されると、その傾動は、連結軸54,56,58、連結ロッド61等を介して各端フィン41,42に伝達される。また、端フィン41,42の支軸46,47に対するカム部材53(ガイド孔75のうち第2壁部28,29から遠い側の内壁面75A)の当接と、規制部(ガイド孔75のうち第2壁部28,29に近い側の内壁面75B)による規制とは、中間フィン43の傾動に拘らず行なわれる。
【0119】
・本発明は、開口24(吹出口)が縦長となるように配置される空調用レジスタにも適用可能である。この場合、リテーナ20において、上下方向に相対向する壁部が第1壁部26,27となり、車幅方向に相対向する壁部が第2壁部28,29となる。下流側フィン(端フィン41,42及び中間フィン43)は車幅方向に配列され、上流側フィン71は上下方向に配列されることとなる。
【0120】
・下流側フィン群40は、一対の端フィン41,42とその間に配置される複数枚の中間フィンからなるものであってもよい。
・上流側フィン71等、本発明の特徴部分とは直接関係のない部材、箇所等については、割愛したり、形状・数等を変更したりする等、適宜に変更してもよい。
【0121】
・中間フィン43及び上下両端フィン41,42の各上流側の端部に代えて下流側の端部に連結軸が設けられ、それらの連結軸において中間フィン43及び上下両端フィン41,42が連結ロッドによって連結されてもよい。
【0122】
・本発明は、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所に配設される空調用レジスタにも適用可能である。
・本発明の空調用レジスタは、空調装置等の空気の吹出口に設けられ、室内に吹き出す空気の向きを調整するものであれば、車両に限らず広く適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
15…空調用レジスタ、20…リテーナ、23…通風路、24…開口、26,27…第1壁部、28,29…第2壁部、40…下流側フィン群(フィン群)、41,42…端フィン、43…中間フィン、45〜47…支軸、51,52…長孔(移動許容部)、53…カム部材、54,56,58…連結軸、61…連結ロッド、65,67…下流端被当接部(規制部)、66,68…支軸被当接部(規制部)、75…ガイド孔、75A,75B…内壁面、A…短辺、B…長辺。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を通風路とし、かつ長方形状の開口を下流端に有する筒状体からなり、同筒状体について前記通風路周りの4つの壁部のうち前記開口の短辺を含むものが第1壁部とされ、長辺を含むものが第2壁部とされるリテーナと、
前記リテーナ内で前記長辺に沿う方向に延び、かつ前記短辺に沿う方向に互いに離間した状態で配列される3枚以上のフィンからなり、配列方向の両端に位置するフィンが端フィンとされ、前記両端フィン間に位置するフィンが中間フィンとされ、前記中間フィン及び前記端フィンが、前記長辺に沿う方向についての両側に設けられた支軸においてそれぞれ前記第1壁部に傾動可能に支持されるフィン群と、
前記中間フィン及び前記端フィンにそれぞれ設けられた連結軸を連結し、前記中間フィンの前記支軸を支点とする傾動を前記端フィンに伝達する連結ロッドと
を備える空調用レジスタであって、
前記第1壁部において前記短辺に沿う方向に延び、前記端フィンにおける前記支軸の同方向への移動を許容する移動許容部と、
前記中間フィンの前記支軸に一体傾動可能に設けられ、前記端フィンの前記支軸に対し前記中間フィン側から当接するカム部材と、
前記カム部材の当接された前記支軸が、その当接位置よりも前記第2壁部側へ移動するのを規制する規制部と
をさらに備え、
前記カム部材の傾動に伴い、前記端フィンの前記支軸に対する前記カム部材の当接箇所が変化することにより、前記移動許容部における前記支軸の位置を変化させるようにしたことを特徴とする空調用レジスタ。
【請求項2】
前記フィン群は、一対の前記端フィン及び1枚の前記中間フィンのみからなる請求項1に記載の空調用レジスタ。
【請求項3】
前記中間フィンが前記第2壁部に平行にされたとき、前記カム部材は、下流側の端部が前記第2壁部に近付いた前記端フィンの前記支軸に対し、前記移動許容部について前記第2壁部に近付いた箇所で当接することで、前記端フィンを前記第2壁部に対し平行にするものである請求項1又は2に記載の空調用レジスタ。
【請求項4】
前記端フィンの前記支軸は、同端フィンの上流側の端部に設けられており、
前記カム部材は、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるとき、前記移動許容部について前記第2壁部から遠ざかった位置で前記支軸に当接し、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部から遠ざかる側へ同端フィンが傾動させられるとき、前記移動許容部について前記第2壁部に近付いた箇所で前記支軸に当接する請求項1〜3のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。
【請求項5】
前記端フィン毎の前記規制部は、
前記リテーナの内壁面に設けられ、かつ前記端フィンの下流側の端部が当接される下流端被当接部と、
前記移動許容部の前記第2壁部側の端部に設けられ、かつ前記端フィンの前記支軸が当接される支軸被当接部と
を備え、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部から離れる側へ同端フィンが傾動させられるときには、前記支軸被当接部にて前記支軸の移動を規制する一方、前記端フィンの下流側の端部が前記第2壁部に近付く側へ同端フィンが傾動させられるときには、前記下流端被当接部にて前記支軸の移動を規制するものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。
【請求項6】
前記カム部材には、前記各端フィンの前記支軸が挿通されるガイド孔が設けられており、
前記カム部材は、前記ガイド孔のうち前記第2壁部から遠い側の内壁面において、前記端フィンの前記支軸に対し前記中間フィン側から当接し、
前記カム部材は、前記ガイド孔のうち前記第2壁部に近い側の内壁面を前記規制部とし、前記第2壁部から遠い側の前記内壁面の当接された前記支軸が、その当接位置よりも前記第2壁部側へ移動するのを規制するものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−6569(P2013−6569A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142144(P2011−142144)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】