説明

空調用防震貫通ダクト

【目的】内部ダクトと外部被覆部材が防振部材を介し遮断されているためダクトの振動が躯体に伝達することを防止でき、ダクト工事を建築間仕切り工事に先行して行うことが可能となる貫通ダクトを提供する。
【構成】両端にダクト連結用フランジを有し、内部に断熱材を充填した内部貫通ダクトに、防振用のゴム部材を装着したうえ、外部被覆部材を具備することを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はビル内の壁や天井などに貫通配設される空調用貫通ダクトに関するものである。
【0002】
両端にダクト連結用フランジを有する貫通ダクトにおいては、遮音、断熱のみならずダクトと躯体間に振動が伝達しないように防振機能を具備することを要する。
さて、従来提供されている貫通ダクトにおいては、かかる防振機能を備えるためにダクト本体に別途緩衝材を取り付けるなどする貫通ダクトが提供されている。すなわち、かかるダクトの貫通処理方法においては、建築壁開口とダクトとの隙間にロックウールを詰める方法が採られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら従来の貫通ダクトにおける貫通処理方法では、建築壁開口とダクトにずれが生じたときに接触又はロックウール詰めに偏りができるため防振が不確実である。
またかかる方法では、建築間仕切り工事完了後にダクト工事をなすことを余儀なくされ、著しく施工能率が鈍化した。
さらに、ロックウールを詰めるのみでは騒音の透過が見られ、遮音機能上問題がある。
【0004】
本考案は、このような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、内部ダクトと外部被覆部材が防振部材を介し遮断されているためダクトの振動が躯体に伝達することを防止でき、ダクト工事を建築間仕切り工事に先行して行うことが可能となる貫通ダクトを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案における貫通ダクトは、両端にダクト連結用フランジFを有し、内部に断熱材Dを充填した内部貫通ダクト1に、防振用のゴム部材2を装着したうえ、外部被覆部材3を具備することを特徴とする。
【0006】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を説明する。
かかる実施例は壁埋め込み型の貫通ダクトを示すものである。
内部貫通ダクト1は、中空四角形に形成され、両端にダクトを連結するためのフランジFを有する。
フランジFはアングル材からなり貫通ダクトの側壁内側にスポット溶接などで取り付けられている。
内部貫通ダクト1本体の空間にはロックウールなどの断熱材Dが充填される。
防振用ゴム部材2が内部貫通ダクト1本体外側部に装着される。具体的には例えば薄状の亜鉛鉄板からなる方形金属プレートに防振ゴム2個を接着し、内部貫通ダクトに内側より板金ビスにて固着することにより装着する。これにより、内部ダクトと外部被覆材3とが該ゴム部材2を介して直接重合することなく遮断され、ダクトの振動が躯体内に伝わることを防止することが可能となる。またこのように防振部材が貫通ダクト内にユニット化されるため、ダクト外側部に緩衝材を取り付ける必要がないため、いきおいダクトの工事を建築間仕切り工事に先行して施工することが可能となる。
外部被覆部材3は例えば亜鉛鉄板からなる。なお、かかる外部被覆部材を一定の厚さとすることにより、騒音の透過を防止することが可能となる。
【0007】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したように構成されるので、以下に記載されるような効果を有する。
内部貫通ダクトと外部被覆材がゴムからなる防振部材を介し遮断されているため、ダクトの振動が躯体に伝わることを防止できる貫通ダクトを提供することが可能となる。
ダクト内部に防振部材が装着されているため、ダクト外側部に緩衝材を取り付ける必要がなく、ダクト工事を建築間仕切り工事に先行して行うことが可能となる。
外部被覆部材を具備するため、騒音の透過を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案における貫通ダクトを示す正面図
【図2】本考案における貫通ダクトの要部を示す拡大図
【図3】本考案における貫通ダクトの要部を示す拡大図
【符号の説明】
1 内部貫通ダクト
2 防振用ゴム部材
3 外部被覆部材
F フランジ
D 断熱材

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 両端にダクト連結用フランジFを有し、内部に断熱材Dを充填した内部貫通ダクト1に、防振用のゴム部材2を装着したうえ、外部被覆部材3を具備する空調用防振貫通ダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3053170号
【登録日】平成10年(1998)8月5日
【発行日】平成10年(1998)10月23日
【考案の名称】空調用防震貫通ダクト
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−1681
【出願日】平成10年(1998)2月16日
【出願人】(595002661)ナイガイ株式会社 (5)