説明

空調装置

【課題】望ましい吐出口温度分布を得ることができる空調装置を提供することを目的とする。
【解決手段】空調装置は、送風機13と、エバポレータ14と、ヒータコア15と、それらを収容すると共にダクトを形成するケーシング12と、ヒータコア15の下流側の側方に設けられた吐出口11とを具備し、ヒータコア15を通過した空気流は吐出口11に向けて曲げられる。空調装置は、ヒータコア15の下流側の通風空間に設けられた少なくとも一つの空気流誘導板16、17を更に具備し、ヒータコア15の空気通過面において、吐出口11に近いヒータコア15の一端側がより高温で、吐出口11に遠いヒータコア15の他端側がより低温の温度分布が形成されたとき、吐出口11における空気流の温度分布が、ヒータコア15通過時の空気流の方向を基準として後側がより低温で前側がより高温であるように、空気流誘導板が空気流を吐出口11へ誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機、エバポレータ、ヒータコア及びそれらを収容するケーシングを具備する空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルカー等の建設機械用のキャビンの空調は、特に夏季及び冬季においては運転者にとって欠かせないものである。キャビンの空調を行うために、キャビン内には、送風機、エバポレータ、ヒータコアを収容した空調装置が搭載される。キャビンは比較的狭いために、空調装置は出来る限りコンパクトであることが必要である。また、その配置場所として、運転者のシートの下に納めることはメリットが大きい。
【0003】
シート下搭載の空調装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この空調装置は、送風機、エバポレータ、ヒータコア、及びそれらを収容するケーシングを具備しており、ヒータコアを通過した空気は真直ぐにケーシングに設けられた吐出口に向かう構造となっている。吐出口から吐出された空調空気は、ダクトによって前後に分けられて、前方へは運転者の前方の足元及び顔に、後方へは運転者の頭部後方の空間に向けて吹出される。また、この空調装置は、ケーシング内にエアミックス用の空間が不要なリヒート方式が採用されている。
【0004】
別のシート下搭載の空調装置をその模式的平面図である図8に示す。図8の空調装置も送風機113、エバポレータ114、ヒータコア115及びケーシング112を具備している。但し、ヒータコア115を通過した空気はヒータコアの斜め前方に設けられた吐出口111に向けて屈曲して流れ、そこから図示しないダクトによって引用文献1の空調装置と同様に運転者の前方と後方へ振り分けられる。また、この空調装置もリヒート方式のものであり、温水入口118がヒータコア115の右端部に設けられている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−192997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リヒート方式の空調装置は、ヒータコア内を循環する温水の流量を制御することにより空調空気の温度を制御するものであるが、前記温水の流量が少量のときヒータコアの温水入口に近い部分が高温になり遠い部分が低温になる温度分布が生じる。このようにヒータコアに温度分布が生じると、空調装置の吐出口にも温度分布が生じる。特許文献1の空調装置では、ヒータコアへの温水配管は図示されないがヒータコアからスペースのある運転席後方へ延びると考えられるので、温水流量が少量のときヒータコアにはその車両後方側が高温で前方側が低温の温度分布が生じ、同様の温度分布が吐出口にも生じる。その結果車両後方の運転者頭部後方の空間に比較的高温の空気が送られ、車両前方の運転者の足元へ比較的低温の空気が送られることにより、運転者にとって不快な「頭熱足寒」の温度分布が生じる。
【0007】
一方、図8に示される空調装置では、ヒータコア115を通過した空気流は吐出口111へ向かうため屈曲するが、温水入口113が設けられたヒータコア115の右側を通過した高温の空気流は、矢印Hfで示されるように最短ルートに沿って吐出口内の後側へ、また矢印Lfで示されるヒータコア115の左側を通過した比較的低温の空気流は吐出口内の前側へ流入する。その結果、やはり運転者にとって不快な「頭熱足寒」をもたらすこととなる。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、望ましい吐出口温度分布を得ることができる空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、空調装置は、上述した目的を達成するために、送風機(13)と、送風機(13)により送風された空気を冷却するエバポレータ(14)と、エバポレータ(14)を通過した空気を加熱するヒータコア(15)と、送風機(13)とエバポレータ(14)とヒータコア(15)とを収容すると共に、送風された空気のためのダクトを形成するケーシング(12)と、ヒータコア(15)の下流側の側方のケーシング(12)の部分に設けられた吐出口(11)と、を具備し、ヒータコア(15)を通過した空気流が吐出口(11)に向けて曲げられる、空調装置において、該空調装置が、ヒータコア(15)の下流側の通風空間に設けられた少なくとも一つの空気流誘導板(16、17)を更に具備し、ヒータコア(15)の空気通過面において、吐出口(11)に近いヒータコア(15)の一端側がより高温で、吐出口(11)に遠いヒータコア(15)の他端側がより低温の温度分布が形成されたとき、吐出口(11)における空気流の温度分布が、ヒータコア(15)通過時の空気流の方向を基準として後側がより低温で前側がより高温であるように、少なくとも一つの空気流誘導板(16,17)が空気流を吐出口(11)へ誘導する。このように、空気流誘導板(16,17)により、吐出口(11)内の温度分布を望ましい温度分布に変えることが可能になる。
【0010】
本発明の第2の態様では、空調装置は、少なくとも一つの空気流誘導板(16,17)として第1空気流誘導板(16)及び第2空気流誘導板(17)を具備し、ケーシング(12)は、ヒータコア(15)の下流側において該ヒータコア(15)に対向する終端面(12f)を有しており、第1空気流誘導板(16)は、該第1空気流誘導板(16)の板面の少なくとも一部が吐出口(11)に対向するように直線状に延びると共に、ヒータコア(15)に近接した位置からケーシング(12)の終端面(12f)に近接するまで延びる長さと、該第1空気流誘導板(16)よりヒータコア(15)の他端側を通過した空気流が吐出口(11)に達することを可能にするように通風空間の高さに対して部分的に延びる高さ(T)とを有し、第2空気流誘導板(17)は、第1空気流誘導板(16)よりも吐出口(11)側に近い位置で、該第2空気流誘導板(17)の板面の少なくとも一部が吐出口(11)に対向するように直線状に延びると共に、ヒータコア(15)に近接した位置から終端面(12f)との間に通風用の隙間(D)を残す位置まで延びる長さと、第1空気流誘導板(16)よりもヒータコア(15)の他端側を通過した空気流が吐出口(11)に達することを可能にするように通風空間の高さに対して部分的に延びる高さ(T)とを有している。これにより、やはり吐出口(11)内に望ましい温度分布を作り出すことが可能になる。
【0011】
本発明の第3の態様では、第2空気流誘導板(17)が、第1空気流誘導板(16)に略平行に延びる基端側部分(17a)と、基端側部分(17a)より第1空気流誘導板(16)に近い位置で第1空気流誘導板(16)に略平行に延びる先端側部分(17b)と、基端側部分(17a)と先端側部分(17b)とを接続する中間部分(17c)とを有している。これにより、第2空気流誘導板(17)の基端の位置をヒータコア(15)の比較的高温の一端側に寄せることが可能になる。
【0012】
本発明の第4の態様では、ヒータコア(15)の通風方向に投影した外形の投影面積がエバポレータ(14)の通風方向に投影した外形の投影面積よりも大きされている。これによりヒータコア(15)の下流側の通風空間の通風断面積が増大して流速が低下することにより通風抵抗を低減することができる。
【0013】
本発明の第5の態様では、空調装置は、ヒータコア(15)を循環する温水量が制御されるリヒートタイプの空調装置である。本発明はリヒートタイプの空調装置に適用されると好適である。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施の形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態の空調装置を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る第1の実施形態の空調装置が搭載された油圧ショベルカーを模式的に表す図であり、図1は車両の左側を見た正面図で、図2は車両の前面側を見た側面図である。図中に示される、前後左右の方向はキャビン2のシート3に着座した運転者から見たときの方向に一致しており、後述する図3以降の図において示される方向も同様である。
【0016】
本発明の実施形態の空調装置10(HVAC)は、図1及び図2に示されるように運転者の座席のシート3の下に搭載されている。図1及び図2に示される油圧ショベルカー1では、キャビン2の左側に乗降口(図示せず)が設けられていることに関係して、空調装置10の図示されない空調空気吐出口(以下吐出口と呼ぶ)はキャビン2の右側に配置されており、吐出口から出た空調空気はキャビン2内の右側に敷設された前ダクト4及び後ダクト5によって前後に振り分けられる。前ダクト4は、それに流れ込んだ空気が運転者の右斜め前方に位置する前ダクト4のフット吹出口6から運転者の足元に向けて吹き出るように形成されている。後ダクト5は、それに流れ込んだ空気が途中で左右に分岐されて、その一方が運転者の頭部後方の右側に位置する右フェイス吹出口7から、及び他方が運転者頭部後方の左側に位置する左フェイス吹出口8から、運転者頭部後方の空間に吹き出るように形成されている。
【0017】
図3は、第1の実施形態の空調装置10単体の内部を模式的に表す平面図である。空調装置10は、その全体を囲む実質的に気密なケーシング12と、送風機13と、空調空気を冷却するためのエバポレータ14と、空調空気を加熱するためのヒータコア15と、ヒータコア15の右斜め前方のケーシング部分に設けられた吐出口11と、ヒータコア15の下流側の通風空間内に設けられた2枚の空気流誘導板16、17とを具備しており、送風機13はケーシング12の左側に、エバポレータ14とヒータコア15はケーシング12の右側に配置されている。
【0018】
この空調装置10は、ヒータコア15内を循環する温水の量を制御することによって空調空気温度を制御するリヒートタイプのものである。従ってエバポレータ14を通過した空気の全てがヒータコア15を通過するようにケーシング12が形成されている。また、ヒータコア15の右端側に温水入口18及び温水出口19が設けられており、図3からは判別できないが、温水入口18がヒータコア15の下端側に、温水出口19が上端側に配置されている。
【0019】
また、第1の実施形態の空調装置10ではヒータコア15はエバポレータ14より大きな左右方向の幅を有している。つまりヒータコア15の通風方向に投影した外形の投影面積はエバポレータ14の通風方向に投影した外形の投影面積よりも大きい。これは、ヒータコア15の下流側の通風路断面積を比較的大きく確保することにより通風抵抗を低減するためである。
【0020】
ケーシング12には、図示されないが、送風機13の左側及び後側に内気導入口及び外気導入口が設けられている。ケーシング12は、前記内気導入口及び外気導入口と吐出口11で開口しているが、その他の部分は閉じられていて全体として空気のダクトを形成している。また、エバポレータ14の下流側の空間は、ケーシング12の上面板12a、底面板12b、右側面板12c、及び送風機側の第1仕切板12dで区画形成され、ヒータコア15の下流側の空間は、ケーシング12の上面板12a、底面板12b、右側面板12c、及び送風機側の第2仕切板12eと、さらにヒータコア15に対向する終端面板12fによって区画形成され、前記右側面板12cに吐出口11が開口している。したがって空気の全体的な流れは図中の矢印で示され、内気導入口及び/又は外気導入口から送風機13へ吸入された空気は、送風機13をとおってエバポレータ14をとおり、さらにヒータコア15を通過すると右側に屈曲して吐出口11から排出される。
【0021】
次に、空気流誘導板について説明する。第1の実施形態では、第1空気流誘導板16及び第2空気流誘導板17が備えられており、第1空気流誘導板16は、ヒータコア15における空気通過方向にほぼ平行に、ヒータコア15の中心よりやや右側のヒータコア15の下流側の面に近接した位置からケーシング12の終端面板12fに近接するまで延び、また先端側部分の板面が吐出口11と対向している。第1空気流誘導板16は、図3のA−A断面を示す図4の側面部分断面図に示されるように、ケーシング12の底面板12bに固定されており、底面板12bから上方へ通風路断面の高さの1/2程度の高さTを有している。
【0022】
第2空気流誘導板17は、第1空気流誘導板16に平行に、第1空気流誘導板16よりも右側のヒータコア15の下流側の面に近接した位置から延びて、その先端側部分の板面が吐出口11に対向している。第2空気流誘導板17の長さは第1空気流誘導板16より短く、第2空気流誘導板17の先端とケーシング12の終端面板12fとの間には、吐出口11の幅の概ね40%に相当する隙間Dが残される。第2空気流誘導板17は、第1空気流誘導板16と同様にケーシング12の底面板12bから上方へ通風路断面の高さの1/2程度の高さTを有している。
【0023】
次に第1及び第2空気流誘導板16、17の作用について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、図3と同様の模式的平面図であるが、ヒータコア15の下流側の空気の流れをより詳細に示しており、また図6はヒータコア15の下流側の空気の流れを示す模式的斜視図である。第1の実施形態のヒータコア15は、前述したとおりその右下端部に温水入口18、及び右上端部に温水出口19が設けられている。そのため、ヒータコア15を流通する温水流量が少量のとき、図6に模式的に示すように、図中ハッチングを施した高温領域Haが温水入口18の周辺に生じ、ヒータコア15の左端側及び上側では比較的低温の領域が生じている。このような温度分布になっているヒータコア15を空気が通過すると、図5及び図6に示されるように第1及び第2空気流誘導板16、17の作用により、ヒータコア15の高温領域Haを通過した高温空気流Hfが吐出口11の前側、即ちケーシング12の終端面板12fに近い側に流入し、高温領域以外の比較的低温の領域を通過した低温空気流Lfが吐出口11内の後側、即ちヒータコア15に近い側に流入し、その結果吐出口11では前側が高温で後側が低温の温度分布が得られる。
【0024】
吐出口11において上記温度分布が得られる理由としては下記が考えられる。まず、第2空気流誘導板17より右側の温水入口18付近を通過した高温空気流Hfは、コアンダ効果によって第2空気流誘導板17に沿ってその先端部付近まで流れたのち吐出口11側に湾曲する。このとき、第2空気流誘導板17の先端は吐出口11の中心軸線付近(図5では中心軸線より前方)まで達していることが、前記高温空気流Hfの吐出口11の前側への流入を促進するものと考えられる。また、第2空気流誘導板17と第1空気流誘導板16との間のヒータコア15の高温領域Haを通過した高温空気流Hfは、第2空気流誘導板17の先端部まで真直ぐ流れた後、隙間Dを通って吐出口11側に湾曲して吐出口11の前側に流入する。これに対して、第1及び第2空気流誘導板16、17より上方のヒータコア15の比較的低温の領域を通過した低温空気流にはコアンダ効果が作用しないので流路距離が短くなる吐出口11の後側に流入するものと考えられる。また、第1空気流誘導板16よりも左側で且つ低位のヒータコア15の比較的低温の領域を通過した低温空気流Lfは、第1空気流誘導板16を乗り越えてその大部分が吐出口11の後側に流入するものと考えられる。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の空調装置10についてその模式的平面図である図7を参照して説明する。第2の実施形態の空調装置10は、第1の実施形態とは、第2空気流誘導板17の形状に差異があるがそれ以外は同様の構成を有している。第2の実施形態における第2空気流誘導板17は、第1空気流誘導板16に平行に延びる基端側部分17aと、この基端側部分17aより第1空気流誘導板16に近い位置で第1空気流誘導板16に平行に延びる先端側部分17bと、基端側部分17aと先端側部分17bとを接続するように斜めに延びる中間部分17cとから一体に形成されている。また、この第2の実施形態における第2空気流誘導板17の基端側部分17aの左右方向の配置位置は、第1の実施形態における第2空気流誘導板17よりも右側に配置されている。
【0026】
第2の実施形態における第2空気流誘導板17の作用は、第1の実施形態の場合と基本的には同様であるが、ヒータコア15の高温領域Haを通過した高温空気流Hfが第2空気流誘導板17の先端側部分17bで一度吐出口11から左側に離れてから吐出口11に流入する点で異なっている。
【0027】
(その他の実施形態)
前述の第1の実施形態における第2空気流誘導板17は、ヒータコア15通過時の空気流れの方向に平行に配置されていたが、本願発明においては、直線状の第2空気流誘導板17が前記空気流れの方向に非平行に配置されてもよい。そのように非平行に配置されたとき、第2空気流誘導板17の先端が第1空気流誘導板16に近づく配置、及び逆に吐出口11側に近づく配置のどちらも可能である。
【0028】
第2の実施形態における第2空気流誘導板17は先端側部分17bが第1空気流誘導板16に接近していたが、先端側部分17bが吐出口11側に接近してもよい。また、第2空気流誘導板17が全体的に又は部分的に湾曲した形状を有してもよい。
【0029】
前述の各実施形態における第2空気流誘導板17は、その先端位置が吐出口11の中心位置を若干越え、終端面部材との間に隙間Dを残す位置まで延びていたが、この隙間Dは勿論様々な条件に応じて短縮又は拡大してよく、例えば、第2空気流誘導板17の先端位置が吐出口11の中心位置に達しないほどに隙間Dを拡大してもよい。
【0030】
前述の各実施形態では第1空気流誘導板16と第2空気流誘導板17は、通風路断面の高さの1/2程度までの高さを有していたが、第1及び第2空気流誘導板16、17の高さは様々な高さが可能であり、また互いに異なっていてもよい。
【0031】
さらに、前述の各実施形態では、空気流誘導板として第1及び第2空気流誘導板16,17の2枚が設けられていたが、第1及び第2空気流誘導板16、17のいずれか一方又は両方が2枚以上であっても本発明の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態の空調装置が搭載された油圧ショベルカーの正面図である。
【図2】前記油圧ショベルカーの前面から見た側面図である。
【図3】第1の実施形態の空調装置の内部を模式的に表す平面図である。
【図4】図3のA−A断面を示す側面部分断面図である。
【図5】第1の実施形態の空調装置のヒータコア下流側の空気の流れを模式的に示す平面図である。
【図6】第1の実施形態の空調装置のヒータコア下流側の空気の流れを模式的に示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態の空調装置のヒータコア下流側の空気の流れを模式的に示す平面図である。
【図8】関連技術の空調装置の内部を模式的に表す平面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 空調装置
11 吐出口
12 ケーシング
13 送風機
14 エバポレータ
15 ヒータコア
16 第1空気流誘導板
17 第2空気流誘導板
18 温水入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機(13)と、
前記送風機(13)により送風された空気を冷却するエバポレータ(14)と、
前記エバポレータ(14)を通過した空気を加熱するヒータコア(15)と、
前記送風機(13)と前記エバポレータ(14)と前記ヒータコア(15)とを収容すると共に、送風された空気のためのダクトを形成するケーシング(12)と、
前記ヒータコア(15)の下流側の側方のケーシング(12)の部分に設けられた吐出口(11)と、を具備し、
前記ヒータコア(15)を通過した空気流が前記吐出口(11)に向けて曲げられる、空調装置において、
該空調装置が、前記ヒータコア(15)の下流側の通風空間に設けられた少なくとも一つの空気流誘導板(16、17)を更に具備し、
前記ヒータコア(15)の空気通過面において、前記吐出口(11)に近い前記ヒータコア(15)の一端側がより高温で、前記吐出口(11)に遠い前記ヒータコア(15)の他端側がより低温の温度分布が形成されたとき、前記吐出口(11)における空気流の温度分布が、前記ヒータコア(15)通過時の空気流の方向を基準として後側がより低温で前側がより高温であるように、前記少なくとも一つの空気流誘導板(16,17)が空気流を前記吐出口(11)へ誘導することを特徴とする空調装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの空気流誘導板(16,17)として第1空気流誘導板(16)及び第2空気流誘導板(17)を具備する請求項1に記載の空調装置であって、
前記ケーシング(12)は、前記ヒータコア(15)の下流側において該ヒータコア(15)に対向する終端面(12f)を有しており、
前記第1空気流誘導板(16)は、該第1空気流誘導板(16)の板面の少なくとも一部が前記吐出口(11)に対向するように直線状に延びると共に、前記ヒータコア(15)に近接した位置から前記ケーシング(12)の前記終端面(12f)に近接するまで延びる長さと、該第1空気流誘導板(16)より前記ヒータコア(15)の前記他端側を通過した空気流が前記吐出口(11)に達することを可能にするように前記通風空間の高さに対して部分的に延びる高さ(T)とを有し、
前記第2空気流誘導板(17)は、前記第1空気流誘導板(16)よりも前記吐出口(11)側に近い位置で、該第2空気流誘導板(17)の板面の少なくとも一部が前記吐出口(11)に対向するように直線状に延びると共に、前記ヒータコア(15)に近接した位置から前記終端面(12f)との間に通風用の隙間(D)を残す位置まで延びる長さと、前記第1空気流誘導板(16)よりも前記ヒータコア(15)の前記他端側を通過した空気流が前記吐出口(11)に達することを可能にするように前記通風空間の高さに対して部分的に延びる高さ(T)とを有していることを特徴とする、請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記第2空気流誘導板(17)が、前記第1空気流誘導板(16)に略平行に延びる基端側部分(17a)と、前記基端側部分(17a)より前記第1空気流誘導板(16)に近い位置で前記第1空気流誘導板(16)に略平行に延びる先端側部分(17b)と、前記基端側部分(17a)と前記先端側部分(17b)とを接続する中間部分(17c)とを有することを特徴とする、請求項2に記載の空調装置。
【請求項4】
前記ヒータコア(15)の通風方向に投影した外形の投影面積が前記エバポレータ(14)の通風方向に投影した外形の投影面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調装置。
【請求項5】
前記ヒータコア(15)を循環する温水量が制御されるリヒートタイプの空調装置であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−292231(P2009−292231A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146162(P2008−146162)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】