説明

空調装置

【課題】凝縮器や蒸発器での熱交換効率を向上させて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図ることができる空調装置を提供すること。
【解決手段】冷媒圧縮機11で圧縮した冷媒を凝縮器12で凝縮させ、凝縮させた冷媒を断熱膨張させた後に蒸発器14で蒸発させて冷媒圧縮機11に送出する冷媒回路10を有し、蒸発器14で冷媒を蒸発させることにより該冷媒と熱交換を行って冷却された空気により対象となる室1〜3,nの雰囲気を調整する空調装置において、蒸発器14に対し空気を圧縮して送出する給気用圧縮機31を備え、蒸発器14は、給気用圧縮機31により圧縮されて加圧された状態にある空気と冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室1〜3,nに向けて送出するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置に関し、より詳細には、例えばエアコン等のように対象となる室の雰囲気を調整する空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばエアコン等のように対象となる室の雰囲気を調整する空調装置は、冷媒回路と、ファンと、ダクトとを備えて構成されている。
【0003】
冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器が冷媒配管で順次接続して構成され、内部に冷媒が封入されている。圧縮機は、冷媒を吸引し、圧縮するものである。凝縮器は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構は、凝縮器で凝縮した冷媒を断熱膨張させるものである。蒸発器は、膨張機構で断熱膨張された冷媒を蒸発させるものである。
【0004】
ファンは、凝縮器や蒸発器の近傍にそれぞれ付設されており、凝縮器や蒸発器に対して空気を送出するものである。蒸発器に向けて送出された空気は、冷媒と熱交換を行う結果、冷却される。ダクトは、蒸発器にて冷却された空気を対象となる室に供給するための通風路である。
【0005】
このような空調装置では、ファンの駆動(回転)により空気が蒸発器に送出され、冷媒と熱交換を行って冷却される。冷却された空気は、かかるファンの駆動によりダクトを通過して対象となる室に供給され、該室の内部温度を低下させて室の雰囲気を調整する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−11208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、空調装置の小型化の要請がある。かかる要請に応じて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図る場合、凝縮器や蒸発器での熱交換効率を向上させる必要がある。
【0008】
上述したような空調装置において、凝縮器や蒸発器での熱交換効率の向上を図るには、ファンによる凝縮器や蒸発器に対する空気の送風量を増大させる必要がある。ところが、凝縮器や蒸発器に対する送風量を増大させるには、ファン自体にもそれなりの大きさを必要とし、結果的に装置全体の小型化を図ることは困難である。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、凝縮器や蒸発器での熱交換効率を向上させて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図ることができる空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る空調装置は、圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮器で凝縮させ、凝縮させた冷媒を断熱膨張させた後に蒸発器で蒸発させて前記圧縮機に送出する冷媒回路を有し、前記蒸発器で冷媒を蒸発させることにより該冷媒と熱交換を行って冷却された空気、あるいは前記凝縮器で冷媒を凝縮させることにより該冷媒と熱交換を行って加熱された空気により対象となる室の雰囲気を調整する空調装置において、前記凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方に対し、空気を圧縮して送出する圧縮空気送出手段を備え、前記凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方は、前記圧縮空気送出手段により圧縮されて加圧された状態にある空気と前記冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室に向けて送出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る空調装置は、上述した請求項1において、前記凝縮器で熱交換されて加熱された加圧空気を分配して、加熱対象となる各室に供給する加熱空気供給手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る空調装置は、上述した請求項1又は請求項2において、前記蒸発器で熱交換された冷却された加圧空気を分配して、冷却対象となる各室に供給する冷却空気供給手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の空調装置によれば、圧縮空気送出手段が凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方に対し、空気を圧縮して送出し、凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方は、圧縮空気送出手段により圧縮されて加圧された状態にある空気と冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室に向けて送出するので、後述する伝熱の基礎理論により、凝縮器、あるいは蒸発器自体の大きさが非常に小型なものであっても十分に空気と熱交換することができ、しかも熱交換された空気は加圧された状態であるので、かかる空気の通路となる配管の径も非常に小さい小型なものとすることができる。従って、凝縮器や蒸発器での熱交換効率を向上させて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る空調装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態である空調装置を模式的に示す模式図である。ここで例示する空調装置は、冷媒回路10を備えている。
【0016】
冷媒回路10は、冷媒を循環させる回路であり、冷媒圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14を冷媒配管15で順次接続して構成してある。
【0017】
冷媒圧縮機11は、冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものである。本実施の形態における冷媒圧縮機11としては、レシプロ圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、あるいはこれらの圧縮能力を調整可能なインバータ圧縮機等を適用することができ、冷媒回路10を配設する対象、環境、あるいは装置全体に要するコスト等に見合うものを適宜適用すれば良い。
【0018】
凝縮器12は、冷媒圧縮機11で高温高圧の状態に圧縮された冷媒を、排気用圧縮機21にて圧縮された空気と熱交換させて凝縮させるものである。この排気用圧縮機21は、凝縮器12と排気送出配管22を通じて連通してあり、取り込んだ空気を圧縮し、圧縮空気として排気送出配管22を通じて送出するものである。
【0019】
ここで凝縮器12の構造について説明する。図2は、凝縮器12の構造を上方から見た平面図であり、内部を透過して示している。この図2に示すように、凝縮器12は、耐圧性を有する圧力容器である筐体120の内部に配設して構成した小型なものである。かかる筐体120には、前後面、左右面に冷媒配管15等の配管と連結可能な連結部材121〜124が設けてあり、それぞれの連結部材121〜124には開口121a〜124aが形成してある。前面に設けてある第1連結部材121は、冷媒圧縮機11に接続された冷媒配管15と連結するものであり、この第1連結部材121の開口121aは冷媒入口となる。後面に設けてある第2連結部材122は、膨張機構13に接続された冷媒配管15と連結するものであり、この第2連結部材122の開口122aは冷媒出口となる。右面に設けてある第3連結部材123は、上記排気送出配管22と連結するものであり、この第3連結部材123の開口123aは排気入口となる。左面に設けてある第4連結部材124は、排気吐出配管23と連結するものであり、この第4連結部材124の開口124aは排気出口となる。ここで排気吐出配管23は、一端が第4連結部材124に連結され、他端が開放されて外気と連通しており、凝縮器12を通過した排気を外部に吐出するためのものである。
【0020】
このような筐体120の内部に配設された凝縮器12は、図3及び図4に示すように直方状の積層構造を成すものである。図3は、凝縮器12の外観を示す斜視図であり、図4は、凝縮器12の外観を示す平面図である。この凝縮器12においては、図3及び図4において前後方向に沿って延在する流路(以下、冷媒流路ともいう)12aと、左右方向に沿って延在する流路(以下、排気流路ともいう)12bとを有している。
【0021】
このような凝縮器12は、同一平面内に並設された多数の微細な冷媒流路12aから成る冷媒流路群と、同一平面内に並設された多数の微細な排気流路12bから成る排気流路群とが上下方向に交互に拡散接合により複数積層された構造となっている。つまり、それぞれの冷媒流路群では、前後方向に延在する多数の微細な冷媒流路12aが左右方向に一定の間隔をおいて並設されており、それぞれの排気流路群では、左右方向に延在する多数の微細な排気流路12bが前後方向に一定の間隔をおいて並設されており、冷媒流路12aと排気流路12bとは互いに交わって連通しないよう、上下方向に位置をずらして積層配置されている。
【0022】
膨張機構13は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブのようなものであり、凝縮器12から吐出された冷媒を断熱膨張させる、すなわち該冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するものである。
【0023】
蒸発器14は、膨張機構13で断熱膨張された冷媒を、給気用圧縮機31にて圧縮された空気と熱交換させて蒸発させるものである。この給気用圧縮機31は、蒸発器14と給気送出配管32を通じて連通してあり、取り込んだ空気を圧縮し、圧縮空気として給気送出配管32を通じて送出する圧縮空気送出手段である。
【0024】
ここで蒸発器14の構造について説明する。図5は、蒸発器14の構造を上方から見た平面図であり、内部を透過して示している。この図5に示すように、蒸発器14は、上記凝縮器12と同様の構成を有し、耐圧性を有する圧力容器である筐体140の内部に配設して構成した小型なものである。かかる筐体140には、前後面、左右面に冷媒配管15等の配管と連結可能な連結部材141〜144が設けてあり、それぞれの連結部材141〜144には開口141a〜144aが形成してある。前面に設けてある第1連結部材141は、冷媒圧縮機11に接続された冷媒配管15と連結するものであり、この第1連結部材141の開口141aは冷媒出口となる。後面に設けてある第2連結部材142は、膨張機構13に接続された冷媒配管15と連結するものであり、この第2連結部材142の開口142aは冷媒入口となる。左面に設けてある第3連結部材143は、上記給気送出配管32と連結するものであり、この第3連結部材143の開口143aは給気入口となる。右面に設けてある第4連結部材144は、給気分配配管33と連結するものであり、この第4連結部材144の開口144aは給気出口となる。
【0025】
ここで給気分配配管33は、一端が第4連結部材144に連結され、途中で複数に分岐してそれぞれの他端が冷却対象となる室1〜3,nに開放されて連通しており、蒸発器14を通過した空気(冷気)を分配して、冷却対象となる各室1〜3,nに供給する冷却空気供給手段である。このような給気分配配管33のそれぞれの他端の近傍には調整弁34が設けてある。調整弁34は、開閉可能な弁体であり、開成することにより空気の通過を許容する一方、閉成することにより空気の通過を規制するものである。また、この調整弁34の開度は、種々の方法によって適当な大きさに調整されている。
【0026】
このような筐体140の内部に配設された蒸発器14は、図6及び図7に示すように、上記凝縮器12と同様に直方状の積層構造を成すものである。図6は、蒸発器14の外観を示す斜視図であり、図7は、蒸発器14の外観を示す平面図である。この蒸発器14においては、図6及び図7において前後方向に沿って延在する流路(以下、冷媒流路ともいう)14aと、左右方向に沿って延在する流路(以下、給気流路ともいう)14bとを有している。
【0027】
このような蒸発器14は、同一平面内に並設された多数の微細な冷媒流路14aから成る冷媒流路群と、同一平面内に並設された多数の微細な給気流路14bから成る給気流路群とが上下方向に交互に拡散接合により複数積層された構造となっている。つまり、それぞれの冷媒流路群では、前後方向に延在する多数の微細な冷媒流路14aが左右方向に一定の間隔をおいて並設されており、それぞれの給気流路群では、左右方向に延在する多数の微細な給気流路14bが前後方向に一定の間隔をおいて並設されており、冷媒流路14aと給気流路14bとは互いに交わって連通しないよう、上下方向に位置をずらして積層配置されている。
【0028】
以上のような構成を有する空調装置においては、次のようにして冷却対象となる室1〜3,nを冷却して雰囲気を調整することができる。説明の前提として、排気用圧縮機21は、取り込んだ空気を圧縮し、圧縮空気として排気送出配管22を通じて凝縮器12に送出しており、給気用圧縮機31は、取り込んだ空気を圧縮し、圧縮空気として給気送出配管32を通じて蒸発器14に送出しているものとする。
【0029】
冷媒圧縮機11により吸引された冷媒は、次のようにして冷媒回路10を循環する。すなわち冷媒圧縮機11で圧縮された冷媒は、冷媒配管15を通じて凝縮器12に供給される。より詳細には、圧縮された冷媒は、第1連結部材121の冷媒入口を通じて筐体120内に進入し、前面に形成された微細な冷媒流路12aを後方に向けて流れる。ところで、排気用圧縮機21で圧縮された空気は、排気送出配管22を通過した後に第3連結部材123の排気入口を通じて筐体120内に進入し、右面に形成された微細な排気流路12bを加圧された状態のままで左方に向けて流れている。
【0030】
そのため、かかる凝縮器12では、冷媒流路12aを流れる冷媒と、排気流路12bを流れる空気との間で熱交換が行われ、冷媒は凝縮する一方、空気は加熱される。加熱された空気は、第4連結部材124の排気出口を通じて排気吐出配管23に至り、かかる排気吐出配管23から外部に吐出される。
【0031】
凝縮した冷媒は、第2連結部材122の冷媒出口を通じて冷媒配管15に進入し、膨張機構13に供給される。膨張機構13に供給された冷媒は、かかる膨張機構13にて断熱膨張され、冷媒配管15を通じて蒸発器14に供給される。
【0032】
より詳細には、断熱膨張された冷媒は、第2連結部材142の冷媒入口を通じて筐体140内に進入し、後面に形成された微細な冷媒流路14aを前方に向けて流れる。ところで、給気用圧縮機31で圧縮された空気は、給気送出配管32を通過した後に第3連結部材143の給気入口を通じて筐体140内に進入し、左面に形成された微細な給気流路14bを加圧された状態のままで右方に向けて流れている。
【0033】
そのため、かかる蒸発器14では、冷媒流路14aを流れる冷媒と、給気流路14bを流れる空気との間で熱交換が行われ、冷媒は蒸発する一方、空気は冷却される。冷却された空気は、加圧された状態のまま第4連結部材144の給気出口を通じて給気分配配管33に至る。
【0034】
ところで、この給気分配配管33では、冷却対象となる室1〜3,nに開放された他端の上流側の調整弁34は、予め適当な開度に開成されている。これにより、給気出口を通じて給気分配配管33に至った空気は、開成された調整弁34を介して他端に至り、該他端から室1〜3,n内に放出されて該室1〜3,nの室内温度を低下させて雰囲気を調整する。
【0035】
つまり、蒸発器14は、給気用圧縮機31により圧縮されて加圧された状態にある空気と冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換により冷却された空気を加圧された状態のまま対象となる室1〜3,nに向けて送出するものである。
【0036】
一方、蒸発した冷媒は、第1連結部材141の冷媒出口を通じて冷媒配管15に進入し、冷媒圧縮機11に吸引されて再び圧縮され、上述した循環を繰り返す。
【0037】
以上のような構成を有する空調装置においては、蒸発器14において、冷媒流路14aを流れる冷媒と、給気流路14bを加圧された状態で通過する空気との間で熱交換を行わせ、冷却された加圧空気を加圧された蒸発器14のままで対象室1〜3,nに向けて送出している。そのため、次のようなことがいえる。
【0038】
一般に伝熱の基礎理論として、流路を小さくするほど均質に加熱・冷却(伝熱)することができ、熱交換器における伝熱に寄与する流路が短いものであっても微細な流路を多数設ければ、熱交換器として十分な熱通過率を得ることができる。また、熱交換を大量に行うには、大流量の流体(冷媒・空気)を流す必要があり、流路において高流速で流体を流すことが必要とされる。
【0039】
その点、蒸発器14は、微細流路(冷媒流路14a及び給気流路14b)を多数有する積層構造であり、空気を圧縮して圧縮された状態のまま(加圧された状態のまま)給気流路14bを通過させている。これにより、蒸発器14が非常に小さいものであっても、良好に熱交換を行わせることができる。このことは、蒸発器14と同様の構成を有する凝縮器12について同様のことがいえる。
【0040】
また、給気分配配管33では、蒸発器14で冷却された圧縮空気を加圧された状態のままで他端に向けて送出する。そのため、給気分配配管33の径を十分に小さいものにすることができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施の形態である空調装置によれば、給気用圧縮機31が取り込んだ空気を圧縮して蒸発器14に送出し、かかる蒸発器14は、圧縮されて加圧された状態にある空気と冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室1〜3,nに向けて送出するので、蒸発器14自体の大きさが非常に小型なものであっても十分に空気を冷却することができ、しかも冷却された空気は加圧された状態であるので、かかる空気の通路となる給気分配配管33の径も非常に小さい小型なものとすることができる。また、凝縮器12も蒸発器14と同様の構成を有することにより、凝縮器12自体の大きさが非常に小型なものであっても冷媒と空気との熱交換を良好に行わせることができる。また給気分配配管33による送出した空気は、その後減圧させて各室1〜3,nに供給すれば良く、冷却した空気を効率良く運搬することができる。従って、凝縮器12や蒸発器14での熱交換効率を向上させて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図ることができる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、図8に示すように、空調装置は、冷媒回路10′を備えてものであってもよい。冷媒回路10′は、上述した冷媒回路10と同様に、冷媒圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14を冷媒配管にて順次接続して構成したものであるが、凝縮器12に給気送出配管32及び給気分配配管33が接続してあり、蒸発器14に排気送出配管22及び排気吐出配管23を接続してある点で相違する。
【0043】
このような構成においては、凝縮器12で加熱された空気を加圧された状態のまま対象となる室1〜3,nに供給することができ、該室1〜3,nの室内温度を上昇させて雰囲気を調整することができる。かかる構成によっても、給気用圧縮機31が取り込んだ空気を圧縮して凝縮器12に送出し、かかる凝縮器12は、圧縮されて加圧された状態にある空気と冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室1〜3,nに向けて送出するので、凝縮器12自体の大きさが非常に小型なものであっても十分に空気を加熱することができ、しかも加熱された空気は加圧された状態であるので、かかる空気の通路となる給気分配配管33の径も非常に小さい小型なものとすることができる。また、蒸発器14も凝縮器12と同様の構成を有することにより、蒸発器14自体の大きさが非常に小型なものであっても冷媒と空気との熱交換を良好に行わせることができる。従って、凝縮器12や蒸発器14での熱交換効率を向上させて、空調能力を保持しながら装置全体の小型化を図ることができる。
【0044】
上述した実施の形態では、冷媒流路12aと排気流路12b、並びに冷媒流路12aと給気流路14bとは、互いに直交する方向に延在するものであったが、本発明はこれに限られず、両流路が特定の角度で交差するものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態である空調装置を模式的に示す模式図である。
【図2】凝縮器の構造を上方から見た平面図であり、内部を透過して示している。
【図3】凝縮器の外観を示す斜視図である。
【図4】凝縮器の外観を示す平面図である。
【図5】蒸発器の構造を上方から見た平面図であり、内部を透過して示している。
【図6】蒸発器の外観を示す斜視図である。
【図7】蒸発器の外観を示す平面図である。
【図8】図1に示した空調装置の変形例を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
10 冷媒回路
11 冷媒圧縮機
12 凝縮器
120 筐体
12a 冷媒流路
12b 排気流路
13 膨張機構
14 蒸発器
140 筐体
14a 冷媒流路
14b 給気流路
15 冷媒配管
21 排気用圧縮機
22 排気送出配管
23 排気吐出配管
31 給気用圧縮機
32 給気送出配管
33 給気分配配管
34 調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮器で凝縮させ、凝縮させた冷媒を断熱膨張させた後に蒸発器で蒸発させて前記圧縮機に送出する冷媒回路を有し、前記蒸発器で冷媒を蒸発させることにより該冷媒と熱交換を行って冷却された空気、あるいは前記凝縮器で冷媒を凝縮させることにより該冷媒と熱交換を行って加熱された空気により対象となる室の雰囲気を調整する空調装置において、
前記凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方に対し、空気を圧縮して送出する圧縮空気送出手段を備え、
前記凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方は、前記圧縮空気送出手段により圧縮されて加圧された状態にある空気と前記冷媒との間で熱交換を行わせ、熱交換された空気を加圧された状態のまま対象となる室に向けて送出することを特徴とする空調装置。
【請求項2】
前記凝縮器で熱交換されて加熱された加圧空気を分配して、加熱対象となる各室に供給する加熱空気供給手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記蒸発器で熱交換された冷却された加圧空気を分配して、冷却対象となる各室に供給する冷却空気供給手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−91173(P2010−91173A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260661(P2008−260661)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(307009034)株式会社WELCON (7)