説明

空転停止用交通信号情報処理装置および方法

【課題】停車中である車両の進行する方向に符合する赤信号待ち時間を提供し、自然な空転停止制御がなされるようにした空転停止用交通信号情報処理装置および方法を提供する。
【解決手段】現示の方向情報と赤信号待ち時間を共に提供し、待機中である車両が自身の車両に該当する現示情報であるかを方向情報で区分して認識が可能であり、エンジンの空転停止のための赤信号待ち時間を共に受けるため、エンジンの空転停止制御が極めて容易になる。運転が未熟な運転初心者またはせっかちな運転手であっても、信号待ちする時間を知らせる赤信号待ち時間によってより自然な出発が可能となり、既存に比べて排出ガスを低減させることができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空転停止用交通信号情報処理装置および方法に関し、より詳しくは、方向性と赤信号周期を有する交通現示情報を提供する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自動車の急増による排出ガスの増大によって公害問題が一層深刻化しており、社会的に大きな問題となっている。
これにより、車両の排出ガスを減らすために、市街地の走行時に信号待ちなどで車両が停車すれば空転中のエンジンを自動で停止させ、所定の時間後に車両が発進しようとすればエンジンを再始動させる空転停止制御装置(他の言葉では、エンジン自動停止/再始動装置、エンジン・アイドル・ストップ&ゴー(engine idle stop & go)装置などと呼ばれる)が車両に搭載されている。
【0003】
通常、信号待ちなどによって停車した車両に対して空転停止制御を行うためには、イグニッションスィッチ(ignition switch)がオン(ON)になっている状況下で次の条件を満たさなければならない。車速センサの出力信号が車速「0(Zero)」を示し、さらに加速センサ(accelerator sensor)の出力信号がアクセルペダルが踏まれていないことを示し、ブレーキセンサの出力信号がブレーキ(brake)が踏まれていることを示さなければならない。もちろん、運転手がブレーキから足を離してアクセルペダルを踏むようになれば、停止していたエンジンを再始動させる条件となる。
【0004】
ところが、車両が信号待ちなどによって停車している間に空転停止制御を行うためには、現在自身の車両がどの程度の時間だけ赤信号を待たなければならないのかが正確に分からなければならない。
【0005】
このような赤信号待ち時間が分からない状態では、運転が未熟な運転初心者またはせっかちな運転手は、信号機の信号が青色に変わればアクセルペダルを急に強く踏むようになる。これにより、むしろ排出ガスの量が多くなるという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-028096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するために提案されたものであって、停車中の車両の進行する方向に符合する赤信号待ち時間を提供し、自然な空転停止制御がなされるようにした空転停止用交通信号情報処理装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理装置は、信号待ちのために停車した車両の現在交通信号の現示を区分し、現在現示の進行程度をカウントして出力する現周期カウンタ;現周期カウンタからの情報に基づいて各現示の赤信号待ち時間を計算する赤信号待ち時間計算部;計算された各現示の赤信号待ち時間を含む現示情報をそれぞれ生成する現示情報生成部;および現示情報生成部からの現示情報を信号待機中である車両側に送信する出力部を備える。
【0009】
現周期カウンタは、交通信号の各現示の運営時間と運営順序、および各現示の運営時間の合計に基づいて現示区分およびカウント動作を行う。
【0010】
赤信号待ち時間計算部は、各現示の赤信号待ち時間を計算するとき、交通信号の各現示の運営時間と運営順序、および各現示の運営時間の合計を現周期カウンタからの情報と共に活用する。
【0011】
赤信号待ち時間計算部は、現在運営されている現示の残余時間とその次の現示から目的とする現示の以前現示までの運営時間を合わせた値を赤信号待ち時間とする。
【0012】
現示情報生成部によって生成される現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含む。
【0013】
本発明の他の実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理装置は、外部からの赤信号待ち時間が含まれた現示情報を受信する受信部;および受信された現示情報のうちから該当車両が目的とする方向の現示情報を選択し、選択された現示情報内の赤信号待ち時間に基づいて該当車両のエンジンを空転停止および再始動する空転停止制御部を備える。
【0014】
受信部に受信された現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含む。
【0015】
空転停止制御部は、受信された現示情報内の車道IDおよび方向情報が、該当車両が進入した車道のIDおよび走行しようと目的とする方向と一致すれば、該当現示情報が該当車両で用いられなければならない現示情報であると判断する。
【0016】
赤信号待ち時間を表示する表示部をさらに備えても良い。この場合、表示部は、音声または文字で前記赤信号待ち時間を表示する。
【0017】
一方、本発明の好ましい実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理方法は、信号待ちのために停車した車両の現在交通信号の現示を区分し、現在現示の進行程度をカウントして出力する現周期カウントステップ;現周期カウントステップによる情報に基づいて各現示の赤信号待ち時間を計算する赤信号待ち時間計算ステップ;計算された各現示の赤信号待ち時間を含む現示情報をそれぞれ生成する現示情報生成ステップ;および現示情報生成ステップにおける現示情報を信号待機中である車両側に送信する出力ステップを含む。
【0018】
現周期カウントステップは、交通信号の各現示の運営時間と運営順序、および各現示の運営時間の合計に基づいて現示区分およびカウント動作を行う。
【0019】
赤信号待ち時間計算ステップは、各現示の赤信号待ち時間を計算するとき、交通信号の各現示の運営時間と運営順序、および各現示の運営時間の合計を現周期カウンタからの情報と共に活用する。
【0020】
赤信号待ち時間計算ステップは、現在運営されている現示の残余時間とその次の現示から目的とする現示の以前現示までの運営時間を合わせた値を赤信号待ち時間とする。
【0021】
現示情報生成ステップによる現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含む。
【0022】
本発明の他の実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理方法は、外部からの赤信号待ち時間が含まれた現示情報を受信する現示情報受信ステップ;および受信された現示情報のうちから該当車両が目的とする方向の現示情報を選択し、選択された現示情報内の赤信号待ち時間に基づいて該当車両のエンジンを空転停止および再始動する空転停止制御ステップを含む。
【0023】
現示情報受信ステップで受信された現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含む。
【0024】
空転停止制御ステップは、受信された現示情報内の車道IDおよび方向情報が、該当車両が進入した車道のIDおよび走行しようと目的とする方向と一致すれば、該当現示情報が該当車両で用いられなければならない現示情報であると判断する。
【0025】
赤信号待ち時間を表示する表示ステップをさらに含んでも良い。この場合、表示ステップは、音声または文字で前記赤信号待ち時間を表示する。
【発明の効果】
【0026】
このような構成の本発明によれば、現示の方向情報と赤信号待ち時間を共に提供し、待機中である車両が自分の車両に該当する現示情報であるかを方向情報で区分して認識が可能であり、エンジンの空転停止のための赤信号待ち時間を共に受けるため、エンジンの空転停止制御が極めて容易になる。
特に、運転が未熟な運転初心者またはせっかちな運転手であっても、信号待ちをする時間を知らせてくれる赤信号待ち時間によってより自然な出発が可能となり、既存に比べて排出ガスを低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用可能な場所を例示的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理装置の構成図である。
【図3】本発明における赤信号待ち時間を計算する方法の一例を説明するために採用した図である。
【図4】信号における交通信号情報処理過程を説明するためのフローチャートである。
【図5】車両側が受信を受けた現示情報を用いて空転停止制御を行う動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理装置および方法について説明する。
図1は、本発明が適用可能な場所を例示的に示す図である。図1では、信号待ちによる車両の停車が多発する十字路を例示した。図1では、真北を基準とし、信号機10が真東、真西、真南、真北にそれぞれ1つずつ設置されたものと仮定する。本発明は、図1の十字路だけではなく、信号機10が設置されていて信号機10の交通信号に応じて車両12の停車および出発がなされる道路であれば、どこでも適用が可能である。もちろん、本発明では、車両に空転停止制御装置が搭載されたものと仮定する。本発明の特許請求の範囲に記載された車道は、車両が走行可能な道路を意味するものであり、交差点を含むものとする。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係る空転停止用交通信号情報処理装置の構成図であり、図3は、本発明における赤信号待ち時間を計算する方法の一例を説明するために採用した図である。
【0030】
図2の空転停止用交通信号情報処理装置は、交通信号情報提供モジュール100および交通信号情報受信モジュール200を備える。
【0031】
交通信号情報提供モジュール100は、それぞれの信号機10または信号機制御器(図示せず)に設置される。これとは異なり、交通信号情報提供モジュール100は、信号機または信号機制御器とは個別に独立するように設置されても良い。交通信号情報提供モジュール100は、前方に停車中である車に対して方向性および赤信号情報などが付与された現示情報を提供する。ここで、現示情報は、車道・交差点ID、方向情報、および赤信号待ち時間を含む。車道・交差点ID、方向情報、および赤信号待ち時間に関する詳細な説明は後述する。例えば、それぞれの信号機10に設置された交通信号情報提供モジュール100は、該当車道・交差点に進入した車両のうち、直進走行車道に停止している車両に現示情報を提供できるように指向性を有しても良い。言い替えれば、交通信号情報提供モジュール100は、現示情報を信号機10が向いている方向別に送信されるようにしたり、該当車道・交差点全体方向に送信されるようにしても良い。
【0032】
交通信号情報提供モジュール100は、現示運営時間格納部20、周期カウンタ22、現周期カウンタ24、赤信号待ち時間計算部26、メモリ28、現示情報生成部30、および出力部32を備える。
【0033】
現示運営時間格納部20は、各現示の運営時間が格納されている。赤信号周期は、車道・交差点(十字路;図1を参照)を中心として回っている現示のすべての合計となる。各現示ごとに運営時間がある。現示は信号機の点滅を意味するものであり、順序どおりに運営される。現示の運営時間は青信号周期となる。
【0034】
周期カウンタ22は、車道・交差点に割り当てられている赤信号周期(各現示の運営時間の合計)をカウントする。
【0035】
現周期カウンタ24は、現示運営時間格納部20および周期カウンタ22からの情報に基づいて、現在交差点に進入した車両に対してどの現示が運営されているか、および赤信号周期(すなわち、各現示の運営時間の合計)における現在の周期がどのようになるかをカウントする。現周期カウンタ24は、赤信号周期、各現示の運営時間、および各現示の運営順序に基づいて、現在車道・交差点に進入した車両に対してどの現示が運営されているかをチェックすると共に、現在交差点に進入した車両に対する現在の周期値をカウントする。現周期カウンタ24は、車両が交差点に進入するか否かを確認(認識)することができる装置(例えば、カメラおよびカメラ情報読取手段)(図示せず)を別途で備えたものと見ることができる。
【0036】
赤信号待ち時間計算部26は、車道・交差点に進入して信号待ちによって停車中である現在車両に対して、該当車両がどの程度待機しなければならないかを知らせる時間を計算する。赤信号待ち時間計算部26は、現示運営時間格納部20と周期カウンタ22と現周期カウンタ24からの情報および方向情報に基づいて、赤信号待ち時間を計算する。例えば、現在、真南方向から真北方向に走行しようとしており、車道・交差点の停止線に停止している場合、現示点で真北方向に位置した信号機10の赤色がいつ青色に変わるかをリアルタイムで知らせる情報が赤信号待ち時間である。赤信号待ち時間は、エンジンの空転停止時間と関連がある。赤信号待ち時間を計算する方法ついては、図3を参照しながら説明する。
【0037】
図3において、110、120、130、140は、現示の運営順序番号である。115、125、135、145は、各現示の運営時間である。510、520、530、540は、各現示の方向情報を示す。図3に例示された方向情報は、便宜のために角度を用い、方向は真北を基準としている十字路を例示したものである。すなわち、信号機10が真東方向、真南方向、真西方向、真北方向に1つずつ設置された状況である。真北直進方向を有する1現示の運営時間は45秒であり、正南直進方向を有する2現示の運営時間は50秒であり、正東直進方向を有する3現示の運営時間は45秒であり、真西直進方向を有する4現示の運営時間は60秒である。このような十字路に真西直進方向を有する車両401が進入し、現周期カウンタ24の値は55秒410であると仮定しよう。ここで、現周期カウンタ24の値が55秒であるということは、全体周期(すなわち、各現示の運営時間の合計;200秒)を0(zero)から「+1」の方法でカウントし、55秒となる時点で交差点に該当車両401の進入がなされたことを意味する。赤信号待ち時間計算部26は、車両401が待つ信号が4現示であるため、3現示終了までの時間を計算する。赤信号待ち時間計算部26は、現周期カウンタ24からの値に基づいて、現在現示の残余時間を計算する。1現示運営時間(45秒)+2現示運営時間(50秒)−現周期カウンタ24の値(55秒)=40秒である。すなわち、2現示終了時間が40秒420残ったことになる。赤信号待ち時間計算部26は、4現示の赤信号待ち時間(すなわち、現在時点で4現示となるまで待ち、該当車両が出発できるようになるまでの時間)を求めるために、2現示終了残余時間(40秒420)と3現示の運営時間45を加える。これにより、赤信号待ち時間計算部26は、85秒を赤信号待ち時間430とする。すなわち、赤信号待ち時間計算部26は、「現在運営されている現示の残余時間+目的とする現示の以前現示までの運営時間」を赤信号待ち時間とする。ここで、赤信号待ち時間430は、時間が経つほど現周期カウンタ24の値が増加し続けるはずであるため、これに相応して少なくなる。図3では、車両401が待つ信号を4現示であるとして説明したが、もし車両401が待つ信号が1現示である場合には、赤信号待ち時間が145秒(40+45+60)となるはずである。
【0038】
図2では、現示運営時間格納部20と周期カウンタ22、および現周期カウンタ24をそれぞれ別個に構成したが、必要によっては、これら20、22、24が赤信号待ち時間計算部26に含まれたものと構成しても良い。あるいは、現示運営時間格納部20および周期カウンタ22が赤信号待ち時間計算部26に含まれたものと構成しても良い。
【0039】
図2において、メモリ28は、車道・交差点IDおよび方向情報を格納している。車道・交差点IDは、信号機10または信号機制御器がある車道・交差点の情報であり、唯一の値である。車道・交差点IDは、該当車道・交差点の現示情報が車道・交差点方向に進入する車両が認識しなければならない情報であるかを確認するのに必要な情報である。
【0040】
1つの車道・交差点に複数の信号機がある場合があるため、それぞれの信号機に対しても固有のIDがあっても良い。このように、信号機IDまたは信号機制御器IDをさらに含ませる場合には、該当車道・交差点に進入した車両が自身の車両で用いなければならない現示情報をより正確かつ迅速に認識できるようになる。
【0041】
方向情報は、便宜のために角度を用いる。方向情報は、進行方向情報および目的方向情報を含む。図1のように、車両が見る信号機10が真北にあり、車両が真南方向から正北方向に直進する場合として仮定して説明する。このように、真北方向にある直進現示の場合を例示して説明すれば、この現示の進行方向は信号機10がある方向、すなわち、車両が進行する方向のFrom情報0(zero)度となる。そして、信号機10を基準として目的方向が直進であるため、目的方向であるTo情報は0(zero)度となる。したがって、真北方向に設置された信号機10または信号機制御器が真北方向に直進しようとする真南方向の車両に送信する方向情報は、「0(zero)、0(zero)」となる。方向情報は、GPS情報(緯度、経度を含む)とすることもでき、隣接する車道・交差点ごとにIDがあり、車道・交差点IDを方向情報として用いることができる。さらに、信号機10または信号機制御器にIDがある場合には、信号機10または信号機制御器のIDを方向情報として用いることが可能である。
【0042】
現示情報生成部30は、赤信号待ち時間計算部26からの赤信号待ち時間およびメモリ28に格納された車道・交差点IDおよび方向情報に基づいて、パケット形態の現示情報を生成する。現示情報生成部30は、車道・交差点ID、方向情報および赤信号待ち時間が含まれたパケット形態の現示情報をエンコードする。ここで、図3のように、真西直進方向の現示情報をエンコードすれば、方向情報は進行方向情報が270度であり、目的方向は直進であるため「270、0」となる。
現示情報生成部30は、方向情報(特に、目的方向情報)に応じて、それに相応する赤信号待ち時間をマッチングさせる。
【0043】
図2では、メモリ28と現示情報生成部30を別個に構成したが、メモリ28が現示情報生成部30の内部に含まれるものと構成しても良い。
【0044】
出力部32は、現示情報生成部30からのエンコードされた現示情報を信号待ちによって停止中である車両に送信する。出力部32と車両のアンテナ40は、無線で送受信する。
【0045】
上述した図2では、車道・交差点ID、方向情報(進行方向情報、目的方向情報)、および赤信号待ち時間を含む現示情報を車両側に送信するものとしたが、運営方案に応じて、方向情報に対しては目的方向情報のみが含まれるようにしても良い。さらに、車両側に送信される現示情報は、盗用防止のために暗号化されて送信されても良い。
【0046】
交通信号情報受信モジュール200は、車両に設置される。交通信号情報受信モジュール200は、信号機10または信号機制御器から送信される現示情報のうち、自身の車両に適合した現示情報を抽出した後、該当現示情報内の赤信号待ち時間内にエンジン60を停止させた後に再始動する。
【0047】
交通信号情報受信モジュール200は、アンテナ40、受信部42、ナビゲーション部44、空転停止制御部46、および表示部48を備える。
【0048】
受信部42は、車両に設置されたアンテナ40を介して、信号機10または信号機制御器からの現示情報を受信する。
【0049】
ナビゲーション部44は、道案内地図(デジタルマップ)を格納しており、運転手の要求に応じて道案内地図を表示する。ナビゲーション部44は、各車道・交差点の位置情報(車道・交差点IDを含む)および各車道・交差点ごとの信号機10の位置情報を空転停止制御部46に知らせる。ナビゲーション部44は、進行する車両の方向情報を空転停止制御部46に提供する。もちろん、上述したナビゲーション部44のような機能を実行する構成要素がなければ、ナビゲーション部44とは別途の端末を介して車両が進行しようとする目的方向情報を入力できるようにしても良い。図2のナビゲーション部44を入力部とすることもできる。
【0050】
空転停止制御部46は、受信部42からの現示情報に対してナビゲーション部44からの情報(すなわち、車道・交差点位置情報、信号機位置情報、車両の方向情報など)に基づいて、該当車両で用いなければならない現示情報であるかを判断する。空転停止制御部46は、該当車両で用いなければならない現示情報であれば、その現示情報内の赤信号待ち時間を抽出し、赤信号待ち時間内にエンジン60を空転停止させた後に再始動する。すなわち、空転停止制御部46は、受信部42を介して現示情報が入力されるようになる。この場合、空転停止制御部46は、方向情報に基づいて、自身の車両で用いなければならない現示情報であるかをチェックした後、その現示情報内の赤信号待ち時間内にエンジン60を空転停止させた後に再始動する。
【0051】
表示部48は、空転停止制御部46から赤信号待ち時間が提供されて表示する。表示部48は、音声または文字で赤信号待ち時間を表示する。音声および文字を共に用いても良い。表示部48は、ナビゲーション部44の表示画面またはスピーカとなることもでき、ナビゲーション部44とは別途の音声出力装置または別途の文字表示装置(例えば、LCDパネル)となることもできる。
【0052】
図4は、信号機または信号機制御器における交通信号情報処理過程を説明するためのフローチャートである。
まず、現示情報生成部30は、現示情報生成に必要な車道・交差点ID、方向情報(進行方向情報、目的方向情報)を設定する(S12)。
【0053】
赤信号待ち時間計算部26は、図3を参照して上述したような方式で赤信号待ち時間を計算し、現示情報生成部30に提供する(S14)。
【0054】
現示情報生成部30は、赤信号待ち時間計算部26からの赤信号待ち時間およびメモリ28に格納された車道・交差点IDおよび方向情報に基づいてパケット形態の現示情報を生成した後、エンコードする(S16)。
【0055】
最後に、出力部32は、現示情報生成部30からのエンコードされた現示情報を信号待ちによって停止中である前方の車両に送信する(S18)。
【0056】
図5は、車両側が受信した現示情報を用いて空転停止制御を行う動作を説明するためのフローチャートである。
車道・交差点に進入して停止した車両が見る信号機が真北にあり、車両が真南方向から真北方向に直進しようとする場合(図1を参照)であると仮定する。さらに、現示情報は、車道・交差点に設置された信号機から送信するものと仮定する。
【0057】
このとき、車両が信号待ちしながら認識しなければならない現示情報は、車両が進行する方向のFrom情報(進行方向情報)が0(zero)度であり、直進するために目的方向情報であるTo情報が0(zero)度である方向情報を有するものでなければならない。このような現示情報(車道・交差点ID、方向情報、赤信号待ち信号を含む)を該当車両が受信する(S10)。
【0058】
該当車両の受信部42に受信された現示情報は、空転停止制御部46に送信され、空転停止制御部46は、入力された信号機10からの現示情報をデコードする。
【0059】
その後、空転停止制御部46は、デコードされた現示情報内の車道・交差点IDを現在車両が進入している車道・交差点IDと比較する(S20)。現在車両が進入している車道・交差点IDは、ナビゲーション部44から入手することができる。この車道・交差点IDが同じであれば、現在進入している車道・交差点における信号機の現示情報が該当車両で認識しなければならない現示情報であると判断する。この車道・交差点IDが相違すれば、他の車道・交差点の情報であるため無視する。
【0060】
信号機10からの現示情報の車道・交差点IDと現在車両が進入している車道・交差点IDが同じであれば(S20で「はい」)、空転停止制御部46は、ナビゲーション部44で進行する車両の方向情報を抽出する(S30)。例えば、車道・交差点に進入する該当車両が注視しなければならない目的信号機がある位置を進行方向情報として抽出すれば良く、車道・交差点で信号待ちをするとき、該当車両が進行しようとする目的方向を目的方向情報として抽出すれば良い。
【0061】
その後、入力された信号機10からの現示情報内の方向情報(進行方向情報、目的方向情報)と抽出した該当車両の方向情報を互いに比較する(S40)。
【0062】
この比較結果が同じであれば(S40で「はい」)、空転停止制御部46は、その一致した方向情報を有する現示情報内の赤信号待ち時間を抽出する(S50)。
【0063】
その後、空転停止制御部46は、赤信号待ち時間内にエンジン60を空転停止させる(S60)。このとき、空転停止制御部46は、表示部48に赤信号待ち時間を表示する。例えば、表示部48に表示される赤信号待ち時間は、大きい数から小さい数に順に小くなる形態(例えば、30、29、28、…、3、2、1、0)であり、文字(数字)で表示される。もちろん、この赤信号待ち時間は、音声、または音声および文字(数字)で表現されても良い。
【0064】
その後、赤信号待ち時間が終了すれば、空転停止制御部46は、エンジン60を再始動する(S70)。
すなわち、運転手は、表示部48に表示される赤信号待ち時間を介していつ出発しなければならないかを知ることができるため、余裕を持って待つことができ、エンジン再始動時に自然な出発(すなわち、急加速をする必要がない)ができるようになる。これにより、既存に比べて排出ガスの発生をより低減できるようになる。
【0065】
一方、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で修正および変形して実施することができ、このような修正および変形が加えられた技術思想も、以下の特許請求の範囲に属するものと見なければならない。
【符号の説明】
【0066】
20:現示運営時間格納部
22:周期カウンタ
24:現周期カウンタ
26:赤信号待ち時間計算部
28:メモリ
30:現示情報生成部
32:出力部
40:アンテナ
42:受信部
44:ナビゲーション部
46:空転停止制御部
48:表示部
60:エンジン
100:交通信号情報提供モジュール
200:交通信号情報受信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号待ちのために停車した車両の現在交通信号の現示を区分し、現在現示の進行程度をカウントして出力する現周期カウンタと、
前記現周期カウンタからの情報に基づいて、各現示の赤信号待ち時間を計算する赤信号待ち時間計算部と、
計算された各現示の赤信号待ち時間を含む現示情報をそれぞれ生成する現示情報生成部と、
前記現示情報生成部からの現示情報を前記信号待機中である車両側に送信する出力部と
を備えることを特徴とする空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項2】
前記現周期カウンタは、前記交通信号の各現示の運営時間と運営順序および各現示の運営時間の合計に基づいて、現示区分およびカウント動作を行うことを特徴とする、請求項1に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項3】
前記赤信号待ち時間計算部は、前記各現示の赤信号待ち時間を計算するとき、前記交通信号の各現示の運営時間と運営順序および各現示の運営時間の合計を前記現周期カウンタからの情報と共に活用することを特徴とする、請求項1に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項4】
前記赤信号待ち時間計算部は、現在運営されている現示の残余時間とその次の現示から目的とする現示の以前現示までの運営時間を合わせた値を赤信号待ち時間とすることを特徴とする、請求項1に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項5】
前記現示情報生成部によって生成される現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項6】
外部からの赤信号待ち時間が含まれた現示情報を受信する受信部と、
受信された現示情報のうちから該当車両が目的とする方向の現示情報を選択し、前記選択された現示情報内の赤信号待ち時間に基づいて、該当車両のエンジンを空転停止および再始動する空転停止制御部と
を備えることを特徴とする空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項7】
前記受信部に受信された現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含むことを特徴とする、請求項6に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項8】
前記空転停止制御部は、前記受信された現示情報内の車道IDおよび方向情報が該当車両が進入した車道のIDおよび走行しようと目的とする方向と一致すれば、該当現示情報が該当車両で用いなければならない現示情報であると判断することを特徴とする、請求項6に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項9】
前記赤信号待ち時間を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項10】
前記表示部は、音声または文字で前記赤信号待ち時間を表示することを特徴とする、請求項9に記載の空転停止用交通信号情報処理装置。
【請求項11】
現周期カウンタが、信号待ちのために停車した車両の現在交通信号の現示を区分し、現在現示の進行程度をカウントして出力する現周期カウントステップと、
赤信号待ち時間計算部が、前記現周期カウントステップによる情報に基づいて各現示の赤信号待ち時間を計算する赤信号待ち時間計算ステップと、
現示情報生成部が、計算された各現示の赤信号待ち時間を含む現示情報をそれぞれ生成する現示情報生成ステップと、
出力部が、前記現示情報生成ステップにおける現示情報を前記信号待機中である車両側に送信する出力ステップと
を含むことを特徴とする空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項12】
前記現周期カウントステップは、前記交通信号の各現示の運営時間と運営順序および各現示の運営時間の合計に基づいて現示区分およびカウント動作を行うことを特徴とする、請求項11に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項13】
前記赤信号待ち時間計算ステップは、前記各現示の赤信号待ち時間を計算するとき、前記交通信号の各現示の運営時間と運営順序および各現示の運営時間の合計を前記現周期カウンタからの情報と共に活用することを特徴とする、請求項11に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項14】
前記赤信号待ち時間計算ステップは、現在運営されている現示の残余時間とその次の現示から目的とする現示の以前現示までの運営時間を合わせた値を赤信号待ち時間とすることを特徴とする、請求項11に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項15】
前記現示情報生成ステップによる現示情報は、赤信号待ち時間、車道IDおよび、方向情報を含むことを特徴とする、請求項11に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項16】
受信部が、外部からの赤信号待ち時間が含まれた現示情報を受信する現示情報受信ステップと、
空転停止制御部が、受信された現示情報のうちから該当車両が目的とする方向の現示情報を選択し、選択された現示情報内の赤信号待ち時間に基づいて該当車両のエンジンを空転停止および再始動する空転停止制御ステップと
を含むことを特徴とする空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項17】
前記現示情報受信ステップで受信された現示情報は、赤信号待ち時間、車道ID、および方向情報を含むことを特徴とする、請求項16に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項18】
前記空転停止制御ステップは、前記受信された現示情報内の車道IDおよび方向情報が該当車両が進入した車道のIDおよび走行しようと目的とする方向と一致すれば、該当現示情報が該当車両で用いなければならない現示情報であると判断することを特徴とする、請求項16に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項19】
表示部が、前記赤信号待ち時間を表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。
【請求項20】
前記表示ステップは、音声または文字で前記赤信号待ち時間を表示することを特徴とする、請求項19に記載の空転停止用交通信号情報処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−146547(P2010−146547A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238541(P2009−238541)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】