説明

空間イメージ次元縮小システム及び方法

【課題】複数の空間ピクセル(PX)を有するハイパースペクトルイメージ(HSI)データの次元縮小。
【解決手段】HSIデータの各PXに関連した係数のセット(A)、前記係数のセットを生成するために使用される基底ベクトル(BV)のセット(B)、及び最大エラー値(C)の受取、前記Bに関連する各PXのための第一セットのエラー(D)と、前記Bのサブセットと関連する各PXのための更なるセットのエラー(E)との計算、前記各D及びEに関する、前記最大エラー値を超えるエラーを有する空間ピクセルの数の%(F)の計算、前記各D及びEに関連する複数の縮小因子(G)の計算(前記Gは、前記Fと、前記HSIデータに関連するスペクトル次元数の両方に基づいて計算)、前記Fからの最大縮小因子と、及びこれらに関連した前記BVのセット又は前記BVのサブセットの最適サイズとの選択、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は以下の出願に関連する:米国特許出願番号13/085,883(発明の名称「ハイパースペクトルイメージの次元縮小のための最適化正規直交システム及び方法」、出願日2011年4月13日);
米国特許出願番号12/475,145(発明の名称「ハイパースペクトルイメージの次元縮小のためのシステム及び方法」、出願日2009年5月29日);及び米国特許出願番号11/856,588(「ハイパースペクトルイメージ次元縮小システム及び方法」、出願日2007年9月17日)。これらの各開示内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本開示は、基底ベクトルの最適化されたセットに基づいたハイパースペクトルイメージデータの次元縮小に関する。圧縮によりデータセットのサイズを減少させることができるが、通常は、情報コンテンツに対するアクセス性を失う結果となる。一方で、次元縮小技術は、減少したサイズのデータセットから情報を抽出する能力を有する圧縮を提供する。従って、全ての次元縮小技術では圧縮を提供するものの、全ての圧縮技術が次元縮小を可能にするわけではない。
【0003】
ハイパースペクトルなセンサーは、分光学及びリモート・イメージングに関連した技術に組合せにより、多くのスペクトル・バンドに渡ってイメージ・データを集めることができる。従って、こうしたセンサーは、イメージ中の各ピクセルのためのスペクトルの近似値を生じさせるための充分な情報を捕らえることができる。色値を有することのほか、イメージ中の各ピクセルは、更にベクトルのための3次元を持ち、該ベクトルは、波長の巨大スペクトルに渡ってピクセルのための特有の情報を提供する。この連続したスペクトルは、分析して、異なる波長を分離及び評価することができる。そして、細かい解像度と、イメージ中に含まれる情報の更なる認識とを可能にすることができる。こうしたデータから、ハイパースペクトルなイメージング・システムは、ターゲットと、材料と、及びイメージに対する変化とを特性分析することができ、ある検出粒状性を提供する。そして、イメージ中のピクセルの実際の分解能、及びピクセル・レベルの記録を必要としない変化特定能力を超える可能性があり、多くの実際の応用において多くの利点をもたらす可能性がある。
【0004】
各ピクセルは、波長の幅広いスペクトルに渡って情報を有するため、ハイパースペクトルなデータセットのサイズは、ハイパースペクトルなセンサーによって記録されるデータ・サイズの観点から、すぐにかさばるようになってしまうことが多くなる可能性がある。一例を挙げると、ハイパースペクトルなセンサーは、1時間あたり500km×500kmを超えるエリアをイメージングことができる衛星又は航空機上に、離れて位置することが多い。そして、結果として、どんな場所であっても、ハイパースペクトルなセンサーが3〜15ギガビットのデータを1秒あたりで生じさせる可能性がある。ハイパースペクトルなデータを、ほぼリアルタイムで処理する必要がある場合には、該巨大サイズのデータは、遅延問題を引き起こす可能性がある。ある場合には、処理又は他の分析の為に遠隔地にデータを伝送することが望まれる可能性があり、データ・サイズの縮小が再度望まれることとなるだろう。
【0005】
ハイパースペクトルイメージのための伝送速度は、既存の非可逆及び/又は可逆圧縮技術を用いて上昇させることができるが、こうした技術には、様々な欠点にも悩まされてきた。例えば、非可逆圧縮方法は、カジュアルな写真又は人間が視認できる他のイメージには良好となる可能性ある(ここで、除去されるデータは、肉眼の分解能を超えるものであってもよい)が、ハイパースペクトルなデータセットに対してこうした非可逆圧縮方法を適用すれば、更なるコンピュータ処理又は数学的処理に有用且つ必要な情報を除去する可能性がある。こうしたデータの除去は、ハイパースペクトルイメージで捕らえられたターゲット、材料、又はシーンの変化についての特性分析を行う能力を損なう可能性がある。可逆データ圧縮は、こうした有用な情報を除去することはなく、なぜならば、可逆アルゴリズムにより、その後解凍して元々のデータセットを抽出する新たなデータセットを生成するからである。汎用目的の可逆圧縮アルゴリズムは理論的には任意のタイプのデータ上で用いることができるものの、通常、既存の可逆圧縮アルゴリズムは、アルゴリズムが圧縮するように設計された種類とは異なる種類のデータに対しては、有効な圧縮を達成することができない。従って、既存の可逆圧縮アルゴリズムは、ハイパースペクトルイメージについて、適切に保証された圧縮要素を提供せず、特定の場合には、解凍されたデータセットが、元々のデータセットよりも大きくなってしまう可能性さえある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
次元縮小技術は、非可逆圧縮から生じるデータのロスと、ロスの無い(lossless)技術の処理要求の高まりとの間のバランスを取るものである。例えば、次元縮小技術は、特に重要な情報を特定することができ、該情報が減ることのないように隔離することができ、一方で、価値のない残った情報を減少させる。従って、ハイパースペクトルなデータ・セットに対して次元縮小を使用することにより、ハイパースペクトルイメージを、殆どの関連情報を殆ど〜全く失うことなく、更にコンパクトな形態に変換することが可能となる。同時に、縮小したハイパースペクトルイメージ・データ・セットを迅速に処理することを次元縮小技術が促進することは、有用である。これは、一般的に、ハイパースペクトルなイメージングデータの場合、ターゲット検出、異常検出、材料特定、分類マッピング等々の目的で、次元縮小データを活用することができることを意味する。ハイパースペクトルイメージの次元縮小に関して典型的ではあるが、関数のファミリー又はベクトルのセットが見出され、これらの数学的な組合せは、3次元(3D)データセットにおける全てのデータを表すことができる。ハイパースペクトルイメージ・データは、一般的に分離しており、従って、ハイパースペクトルイメージ中の各X/Y座標において、スペクトル・データは、ベクトルの要素を形成することができる。これらベクトルの特性に依存して、データは、端成分又は基底ベクトルのいずれかとして、特性分析される。基底ベクトルは、イメージから得られたデータをつなぎ、データのための数学的な基礎を形成する一方で、端成分は、イメージ化したシーンからのピクセル(又はシーンの中のピクセルの外挿(extrapolation))であり、前記シーン中に見出される純粋な材料のスペクトルを表す。ある場合には、端成分は、該端成分がデータセットを封入し又結びつけるように生じる(ハイパーボリューム又はシンプレックス中(hypervolume or a simplex))。
【0007】
次元縮小データ(dimensionality reduced data、DIMREDデータ)上で、後処理(post−processing)技術は稼動し、該DIMREDデータは、ハイパースペクトルイメージデータ(HSIデータ)から生じ、該HSIデータは、1以上の種々の分析技術を用いて処理され、また、後処理(post−processing)技術は、元々のHSIデータ上で稼動するDIMREDデータの生成結果を活用できるという点を理解されたい。例えば、後処理技術は、ある技術(例えば、幾何学的な基底ベクトルをコンピューティング(コンピューテーション)している上記関連出願(参照により本明細書に組み込まれる)等に開示された技術)の次元縮小出力に応用できる。また、後処理技術は、他のハイパースペクトルイメージ処理機構(以下の物が含まれるがこれらに限定されない:主要成分分析(Principal Components Analysis)、最適の平均平方センス(mean−square sense)中のシーンにわたる「統計的に生じた」基底ベクトルをコンピューティングする)の次元縮小出力に応用することもできる。上記に関わらず、他のなかで、以下の事を行うことが有利となる点を理解されたい:ハイパースペクトルイメージの次元を減らした状態でスピードを増加させること;及び/又はデータ・ボリューム・サイズの縮小をさらに促進すること;どのデータを縮小の為に分離すべきか否かについての特定を改善すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
一実施形態によれば、複数の空間ピクセル(spatial pixels)を有するハイパースペクトルイメージデータの次元縮小のための方法であって、各ピクセルは複数のスペクトル次元と関連しており、前記方法は、以下のステップを含む:前記ハイパースペクトルイメージデータの各ピクセルに関連した係数のセット、前記係数のセットを生成するために使用される基底ベクトルのセット、及び最大エラー値を受け取るステップ。また、前記方法は以下のステップも含む:前記基底ベクトルのセットに関連する各ピクセルのための第一セットのエラーと、前記基底ベクトルのセットの1以上のサブセットと関連する各ピクセルのための1以上の更なるセットのエラーとをプロセッサを用いて計算するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記第一セットのエラー、及び前記1以上の更なるセットのエラーそれぞれに関して、前記最大エラー値を超えるエラーを有する空間ピクセルの数のパーセントを、前記プロセッサを用いて計算するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記第一セットのエラー、及び前記1以上の更なるセットのエラーそれぞれに関連する複数の縮小因子(reduction factor)を前記プロセッサを用いて計算するステップであって、前記複数の縮小因子は、前記最大エラー値を超えるエラーを有する空間ピクセルの数のパーセントと、前記ハイパースペクトルイメージデータに関連するスペクトル次元数の両方に基づいて計算される該ステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記複数の縮小因子からの最大縮小因子と、及びこれらに関連した前記基底ベクトルのセット又は前記基底ベクトルのサブセットの最適サイズとを、前記プロセッサを用いて選択するステップ。
【0009】
別の実施形態によれば、複数の空間ピクセルを有するハイパースペクトルイメージデータの次元縮小のための方法であって、各ピクセルは複数のスペクトル次元と関連しており、前記方法は、以下のステップを含む:前記ハイパースペクトルイメージデータの各ピクセルに関連した係数のセット、前記係数のセットを生成するために使用される基底ベクトルのセット、及び最大データサイズ値を受け取るステップ。また、前記方法は以下のステップも含む:前記最大データサイズ値及び空間ピクセル数に基づいて、前記基底ベクトルのセットにおけるメンバーの最大数を、プロセッサを用いて計算し、そして、前記最大データサイズに関連する前記基底ベクトルのセットの最大のサブセットを確立するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記基底ベクトルの前記最大のサブセットに関連する各ピクセルのための第一セットのエラーと、前記基底ベクトルの前記最大のサブセットの1以上のサブセットと関連する各ピクセルのための1以上の更なるセットのエラーとをプロセッサを用いて計算するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記基底ベクトルの最大サブセット及び前記基底ベクトルの1以上の更なるサブセットそれぞれのために、保存することができる空間ピクセルの数のパーセントを、前記最大データサイズに基づいて、前記プロセッサを用いて計算するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記基底ベクトルの最大サブセット及び前記基底ベクトルの1以上の更なるサブセットそれぞれに関連して、保存することができる空間ピクセルの数のパーセントそれぞれに関連する複数の最大エラー値を、前記プロセッサを用いて計算するステップ。また、前記方法は更に以下のステップも含む:前記複数の最大エラー値から最小エラー値と、及びこれらに関連した前記基底ベクトルの最大サブセット又は前記基底ベクトルの最大サブセットの前記1以上の更なるサブセットの最適サイズとを、前記プロセッサを用いて選択するステップ。
【0010】
本明細書で記載する本開示及び本発明の概念に関する他の特徴については、以降の図面及び詳細な説明に基づいて当業者に明らかなものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ハイパースペクトルイメージに関連する次元縮小データの次元性を更に減らす(最大エラー・レベルに基づいてデータ・サイズを最小化する)ための方法の実施形態を表す。
【図2】相補累積分布関数の実施形態を表す。
【図3】ハイパースペクトルイメージに関連する次元縮小データの次元性を更に減らす(最大データサイズに基づいてエラー・レベルを最小化する)ための方法の実施形態を表す。
【図4】図1の実施形態に類似した別の方法の実施形態(ただし、シーケンシャル比較技術を用いている)を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
多くの種類のハイパースペクトルイメージ処理の間、一セットの基底ベクトルを生成し、該セットは、分離(unmixing)によって、ハイパースペクトルイメージデータの次元性を減らすために使用することができる。分離は、アンコンストレインド(unconstrained)な分離であってもよく、コンストレインド(constrained)な分離であってもよい。その結果、分離係数は、ノン・ネガティブ(non−negative)及び/又はサムトゥユニティ(sum to unity)である。好ましい実施形態において、一般的には、他の分離技術と比べると更に早く及びシンプルであるため、そして、前記生じた基底ベクトルは、端成分であることを意図するものでないため、アンコンストレインド分離を用いることができる。前記ハイパースペクトルイメージデータを正確に表す必要がある基底ベクトルの数については、処理技術に依存して変化することができる点を理解されたい。幾つかの処理技術(例えば、主要成分分析)では、ハイパースペクトルなデータの全ての色に関する基底ベクトルをコンピューティングする(全てのデータが必ずしも保持されるとは限らないが)が、他の処理技術においては、例えば、米国特許出願番号13/085,883に記述されているように、コンピューティングされる基底ベクトルの数は、ユーザーが選択可能な変数である。所与のエラーレベルに関する保持データの量(即ち、縮小データのボリューム)を最小限にするか、所与の保持されるデータ量に関する任意のピクセルに関してコンピューティングされる前記エラーレベル(即ち、非縮小のピクセルと該ピクセルの縮小されたものとの間の最悪の場合のエラー又は二乗平均平方根「RMS」エラー)を最小限にするかのいずれかを行うために、どれだけ多くの基底ベクトルがコンピューティングされるかに関わらず、この数は、最終的には減らすことができる点を理解されたい。保持される基底ベクトルがより少ないと、縮小/圧縮が大きくなり、しかし、エラーも大きくなる(特に、データの末部において)点を理解されたい。しかし、縮小されていないピクセルのフルセットにおいては、データボリュームがかなり大きいことは明らかである。
【0013】
更に縮小されたデータとして、DIMREDデータ又はHSIデータを縮小されるための方法を本明細書にて説明する。幾つかの実施形態において、HSIデータ及び/又はDIMREDデータに関連する基底ベクトルのセットを生成させる1以上の処理技術後、すぐに前記方法を実行することができるが、他の実施形態では、前記方法は、分離したプロセス(更に後の時間又は別のコンピューティングシステム上で)として実行することができる。一実施形態において、前記1以上の処理技術は、ピクセル毎を基本として実行される(即ち、前記HSI又はDIMREDデータに関する各X,Yの空間配置)。元々のHSIデータは、各空間配置において色Cを有するであろう。DIMREDデータは、各X,Y空間配置において要素Cよりも少ないピクセル、及び色Cを保持するピクセルであって選択された非縮小のピクセルから構成されるであろう。縮小されたシーンにおける全てのピクセルは、以下に記述するように、N基底ベクトルを用いて元々のピクセルを分離することによって縮小される。結果として、分離係数は、DIMREDデータの要素を形成し、また、各ピクセルにおいて、元々のHSIデータの近似を形成するためにN基底ベクトルとともに使用することができる。
【0014】
一実施形態において、1以上の方法を実行する前に、最大値を、更に縮小されたデータボリュームについて確立すべきか、又は更に縮小されたエラーレベルについて確立すべきかについて設計することによって、ユーザーはどの方法を実行すべきか選択することができる。こうした選択は、任意の適切な機構によって行うことができ、該機構としては、以下の物が含まれるがこれらに限定されない:前記方法を実行するシステムに関連するグラフィカル・ユーザー・インターフェース上で、ユーザーによる選択入力を受け取ること。他の実施形態では、システムは、更に縮小されたデータボリューム、又は更に縮小されたデータエラーレベルのいずれかを固定する方法の1つと関連してもよい。
【0015】
図1は、方法(100)の一実施形態を表す。更に縮小されたデータをHSIデータ又はDIMREDデータから生成するべく設計されている。ここで、前記更に縮小されたデータは、選択された量の最悪のケースのエラーを有している。明確にするために、ユーザーが最大エラーレベルを選択した場合、HSIデータ又はDIMREDデータの各ピクセルに関連するスペクトル次元の数を減らすことによって、更に小さいサイズの更に縮小したデータを形成できるように、方法(100)は、HSIデータ又はDIMREDデータのボリュームを最小限にするべく設計される。従って、一実施形態において、方法(100)は、110において、以下のものを受け取ることによって開始することができる:ユーザーが選択した最大エラーmxe、HSIデータ、並びにHSIデータに関連する1セットのN基底ベクトル。前記セットのN基底ベクトルは、HSIデータに関する処理技術の出力を含むことができ、また、複数の空間ピクセル及び縮小された次元のスペクトル・データを有することができる点を理解されたい。幾つかの別の実施形態では、一般的に110’で表されているが、HSIデータから生じる(即ち、前記セットのN基底ベクトルを確立するプロセスを用いて生成された)DIMREDデータを受け取ることができる。以下で更に詳細に記述するが、DIMREDデータは、各空間ピクセルに関連する1セットの係数を含むことができる。更に以下に表すが、HSIデータの代わりにDIMREDデータを受け取った場合、縮小されていないHSIデータの各ピクセルに関連する複数の色Cは、DIMREDデータとともに伝送することができ、結果として、次元縮小の有用な比較を続いて行うことができる。更に以下に表すが、HSIデータの代わりにDIMREDデータを受け取った場合、縮小されていないHSIデータの各ピクセルの大きさpは、DIMREDデータとともに伝送することができ、その結果、異なるセットの係数に関する残りのエラーについて、続いて計算することができる。110においてDIMREDデータを受け取った場合、HSIデータは、方法(100)で行われる最適化に基づいて、追加的保存(set−aside)ピクセルを提供するために利用することができる点を理解されたい。幾つかの実施形態において、DIMREDデータは、次元が縮小されていないハイパースペクトルイメージから残りの/非圧縮データを内部に含むことができる。幾つかの実施形態において、110又は110’で受け取った要素は、個別データファイル又はユーザー入力として受け取ることができるが、他の実施形態では、幾つかの要素は、共に纏めることができる。例えば、一実施形態において、単一のファイルは、HSI又はDIMREDデータ及びN基底ベクトルの両方を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、110で受け取ったデータが、DIMREDデータ、並びにDIMREDデータを生成するために使用される(即ち、元々のハイパースペクトルなデータの次元をDIMREDデータへと縮小させるために使用される)N基底ベクトルのセットを含む場合、DIMREDデータは、これらに関連してN次元を有する。その結果、DIMREDデータの各空間ピクセルは、N次元のベクトル
【数1】

であってもよい。ここで、複数の要素akを有する。また、kの範囲は、1〜Nである。また、各々のN基底ベクトル(個別には、
【数2】

であるが)、全ての空間ピクセルに関して使用されており、色Cを有するスペクトルであってもよく、ここでkは、1〜Nの範囲である。また、以下の点を理解されたい:即ち、HSIデータの各ピクセルベクトル
【数3】

は、DIMREDデータの係数akを用いて、N基底ベクトルの線形結合として近似することができる。その結果、各ピクセルベクトル
【数4】

は、一般的には、以下の式に従う:
【数5】

ここで、akは、各ピクセルに関する縮小次元係数であり、そして、N基底ベクトル
【数6】

は、全てのシーンに共通する。更に言えば、
【数7】

は、残差ベクトル又はエラーベクトルとして解釈される。
【0017】
幾つかの実施形態において、N基底ベクトルは、DIMREDデータを生成させる際に使用されるあらゆる基底ベクトルであってもよく、もしそうでなければ、HSIデータに関連したものであり、一方で、他の実施形態では、N基底ベクトルは、DIMREDデータを生成させる際に使用される基底ベクトルのサブセットであってもよく、もしそうでなければ、HSIデータに関連したものであるという点を理解されたい。幾つかの実施形態において、N基底ベクトルが、DIMREDデータを生成するために使用される基底ベクトルのサブセットである場合、或いは、HSIデータに関連する場合、基底ベクトルの数Nは、ユーザー入力として選択することができる。一実施形態において、110又は110’で受け取ったN基底ベクトルのセットは、DIMREDデータ生成の間、又はHSIデータの処理の間(即ち、N基底ベクトルのセットが連続して生成される)に確立された順序であってもよい。例えば、N基底ベクトルのセットは、米国特許出願番号13/085,883(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたプロセスで生成されてもよい。別の実施形態では、基底ベクトルのセットが主要成分分析を用いて生成される場合、N基底ベクトルのセットは、最も大きい関連固有値から最も小さい関連固有値までの順序であってもよい(ここで、前記固有値は、全体の空間シーンに対して、関連する固有ベクトルがどれだけ寄与しているかを表している)。こうした一実施形態において、N基底ベクトルのセットは、最も大きい関連固有値を有するものであってもよい。
【0018】
幾つかの実施形態(例えば、N基底ベクトルのセットを処理後技術として生成する処理技術のすぐ後での方法(100))において、110又は110’で受け取ったデータは、システムに関連するランダム・アクセス・メモリから得ることができ、HSIデータを処理するため、又はそうでない場合にはDIMREDデータを生成するために使用することができる。その一方で、他の実施形態(例えば、方法(100)が後で行われる)では、110又は110’で受け取ったデータは、記憶媒体(例えば、以下のものであってもよいがこれらに限定されない:1以上のハード・ドライブ又はSSD(Solid State Drives))中に保存される1以上のデータファイル中に保存してもよい。幾つかの実施形態において(例えば、方法(100)が後処理ステップとして実行され、該ステップでは、ハイパースペクトルイメージデータの次元をDIMREDデータへと縮小させる際に用いられるデータにアクセスし、又はN基底ベクトルのセットを生成させるためにHSIデータを処理する際に用いられるデータにアクセスする)、110又は110’で受け取ったデータは、N基底ベクトルを計算したコンピューテーションの結果を含むことができる。幾つかのこうした実施形態において、これらのコンピューテーション及び結果は、方法(100)に係る更なる縮小を実行するために利用可能である。しかし、もし利用可能でない場合には、他の実施形態では、1以上のコンピューテーションを再計算する必要が生じる可能性がある。例えば、幾つかの実施形態において、HSIデータを110’で受け取った場合、方法(100)は、120’へと進み、DIMREDデータの係数akを生成するためのHSIデータの各ピクセルからN基底ベクトルの最大数を分離することができる。本明細書で記載する分離は、更に限定(修飾)することなく、アンコンストレインド分離の幅広い概念を一般的に意味するものとして理解される。以下に記載するが、各ピクセル
【数8】

からの基底ベクトル
【数9】

の分離は、最大エラー量mxe内でのデータの次元を更に縮小させるためにデータサイズを縮小させるときに、各ピクセル
【数10】

と関連するエラーベクトル
【数11】

及び関連する大きさRmagを計算する際に用いられる。更に議論すると、基底ベクトル
【数12】

が正規直交である場合、N基底ベクトルの最も大きなセットに関する分離ステップは、各空間ピクセルを用いて各基底ベクトルのドット積をコンピューティング(計算)することによって完了させることができる。基底ベクトル
【数13】

及びピクセル
【数14】

を用いたドット積の結果は、該ピクセル
【数15】

に関する係数akを一度に全て与える。しかし、N基底ベクトルが正規直交ではない場合には、N基底ベクトルの更に小さいサブセットを用いてエラーを計算するためには、該更に小さい基底ベクトルのサブセットに関する分離ステップを繰り返すことが必要となるであろうという点を理解されたい。更に言えば、幾つかの実施形態において、任意の従来のコンピューティング方法を用いて、N基底ベクトルは、等価ベクトルのサブスペースにわたる正規直交のセットに変換することができる。
【0019】
例示的な実施形態において、基底ベクトルはお互いに正規直交であると仮定することができる。このようにして、110でDIMREDデータにおいて受け取ったものから、又は、HSIデータを110’で受け取った場合には、120’での分離から計算してのいずれかで係数
【数16】

を有すると、方法(100)は、130のステップに進んで、複数の相補累積分布関数(“CCDF”)曲線を生成することができ、使用された基底ベクトルの数に基づく各ピクセルに関連するエラーを比較するヒストグラムとすることができる。一実施形態において、各ピクセルに関連するエラーは、各色におけるエラーを含むことができる。例えば、上述のように、残差ベクトル
【数17】

は、各色におけるエラーを表すが、以下の式に従うことができる。
【数18】

また、端数誤差(fractional error)についても、コンピューティングすることができ、具体的には、エラーベクトル
【数19】

の大きさRmagをピクセルベクトル
【数20】

の大きさpで割ることによってコンピューティングすることができる点を理解されたい。これについては、図2中の例CCDFに示す通りであり、以下で更に詳細に議論する。幾つかの実施形態において、エラーベクトル
【数21】

の大きさRmagを計算する際には、C色は異なった重み付けを行うことができる点を理解されたい。
【0020】
幾つかの実施形態において、基底ベクトルが正規直交である場合、単位となる大きさ(unity magnitude)を有し、また、相互に直交するため、計算はシンプルとなることができる。特に、任意の2つの直交するベクトルのドット積はゼロとなり、それ自身を有する任意の正規直交ベクトルのドット積は、単位となる。正規直交基底ベクトルに関して、任意のピクセル
【数22】

に関する係数akはシンプルなドット積となるであろう:
【数23】

更に、正規直交基底ベクトルに関するエラーベクトル
【数24】

の大きさRmagは、縮小された次元における係数の二乗を合計することによって計算され、基底ベクトルが正規直交ではない場合と比べるとエラーの計算を早めることが可能となる。従って、エラーRmagは、ピクセルベクトル
【数25】

の大きさpと、DIMRED係数
【数26】

の二乗の合計との差の平方根となる。具体的には、エラー計算は以下のように単純化することができる:
【数27】

こうしたコンピューティングは、N基底ベクトルのフルセットのサブセットをコンピューティングする際に、特に早くなる可能性がある。幾つかのこうしたコンピューティングにおける速度が速まることについては、各ピクセル
【数28】

の大きさpが、所与のデータセットに関して一定で一度しか計算する必要がないであろうという事実から生じるという点を理解されたい。更に言えば、係数akに関連する合計は、以前の係数コンピューティングを用いて続きの係数コンピューティングを完了させることを促すことができる。例としては、エラーは、どれだけ多くの基底ベクトルが元々のセットから保持されているかに依存する点を理解されたい。このようにして、エラーの式は以下のように表すことができる:
【数29】

ここで、Dは、使用された基底ベクトルの数を表し、その範囲は、1−Nであってもよい。従って、もしDがNの第一のサブセットである場合には、続きのより大きいNのサブセットまで合計したときに1−Dからの合計を再利用することができる。例えば、もし、コンピューティングで、D=L、D=M、そして、D=Nである場合には(ただし、L<M<N)、L基底ベクトルに係る最も小さなサブセットに関する前記エラーの式は、以下の式に従ってコンピューティングすることができる:
【数30】

一方で、サブセットMに関するエラーの式は、以下の式に従ってコンピューティングすることができる:
【数31】

そして、フルセットNに関するエラーの式は、以下の式に従ってコンピューティングすることができる:
【数32】

本明細書に記載した例示的な計算は、二乗したエラーの大きさ(error magnitude)Rmagを用いるが、これらの平方根をとることにより、エラーの大きさRmagを示すために各々縮小できる点を理解されたい。更に言えば、DIMREDデータは、一般的には、各ピクセルに関する基底ベクトル
【数33】

のセットと係数akを含むことができ、その一方で、ピクセルの大きさp及び/又はエラーの大きさRmagは、上述した式又はこれらの操作に従って、これらから生成することができる。更に、基底ベクトル
【数34】

の数を一度に1つの基底ベクトルごとに減らすとき、各ピクセルに関連するエラーRは、最も大きな値のインデックスを有する係数akだけしか必要とせずに計算することができる。例えば、L=M−1=N−2の場合、RL2=RM2+aM2であり、RM2=RN2+aN2である。複数の基底ベクトルを一度に減らすこともでき、基底ベクトルの最適数を見つけるための異なる検索ストラテジーを実行することができることを理解されたい。
【0021】
一実施形態において、CCDF曲線は、特定の閾値を超えるコンピューティングされたこれらのエラーのフラクションをプロットすることができる。こうしたCCDF曲線に関する1つの非制限的な例を図2に描写する。該図では、種々の基底ベクトルを用いてコンピューティングされたフラクションのエラーに対するCCDFを示している。図2の例においては、フラクションのエラーは(上述したように)、主要成分(PC)を用いてコンピューティングされたN基底ベクトルの幾つかのサブセットに関してプロットされている。また、垂直なエラー線によって特定されるエラーレベルを超えたピクセルのフラクションも図示されている。埋め込まれた表では、基底ベクトルの数(即ち、上述したような変動値D)及びN基底ベクトルのフルセットの特定サブセットに関する特定されたエラーを超えるピクセルの数をレポートしている。また、元々のDIMREDデータからの各ケースでのデータボリュームの全体的な縮小が図示されている。特に、以下の点については理解されたい:即ち、以下に更に詳細に記述するが、全体のデータ縮小は、元々の非縮小ハイパースペクトルイメージデータのスペクトル次元Cの数に対する、基底ベクトルの更に縮小されたセットの次元数の割合としてコンピューティングすることができる。従って、色の数及び色ごとのビットの数が、データ中の各空間ピクセルごとに一定であり、且つ、所与のピクセルに関する係数akの要素が、元々の色の要素と同じビット数を有しているのであれば、元々のデータのボリューム(ピクセル、空間配置、及びC色)と比べた更なる次元縮小の後で、関連する縮小因子は、データのボリュームとしてコンピューティングすることができる。
【0022】
図1に戻って説明を続ける。複数のCCDF曲線は、N基底ベクトルの全体セットに係る各ピクセルに関するエラーを計算する130aで生成されるCCDF曲線を含むことができる点を理解されたい(ここで、N基底ベクトルは、再度、幾つかの実施形態において、DIMREDデータを生成するために使用される基底ベクトルの全て又はサブセットであってもよい)。また、複数のCCDF曲線は、N基底ベクトルのセットのサブセットに関する各ピクセルに関するエラーを計算する1以上のCCDF曲線を含む。例えば、方法(100)に係る例示的な実施形態において、130bで生成されたCCDF曲線は、M基底ベクトル(ここでMはNよりも小さい)のセットに関する各ピクセルに関するエラーを計算する。更に言えば、例示的な実施形態において、L基底ベクトル(ここでLはMよりも小さい)のセットに関する各ピクセルに関するエラーを計算する更に別のCCDF曲線を130cで生成する。上述のように、基底ベクトルは、幾つかの機構によってランク付けされる点を理解されたい。このように、130cでCCDFを生成させる際に使用されるL基底ベクトルのセットは、最も高くランク付けされたL基底ベクトルを含めることができる。一方で、130bで生成されたCCDF曲線は、最も高くランク付けされたM基底ベクトルを含めることができる(ここで、該最も高くランク付けされたM基底ベクトルは、最も高くランク付けされたL基底ベクトルを内部に含む)。例示した実施形態では、130のところで生成した複数のCCDF曲線において3つのCCDF曲線が存在しているが、他の実施形態では、任意の適切な数のCCDF曲線(即ち、2〜N個のCCDF曲線)を生成することができる。
【0023】
一旦、CCDF曲線が130で生成されると、方法(100)は、140において更に継続することができ、ここで、各CCDF曲線に関して、ユーザーが定義した最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルのパーセントを計算する。例えば、例示した実施形態に係る140aでは、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルPNのパーセントは、130aで、N基底ベクトルを用いて生成されたCCDF曲線に基づいて計算される。同様に、例示した実施形態に係る140bでは、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルPMのパーセントは、130bで、M基底ベクトルを用いて生成されたCCDF曲線に基づいて計算される。更に、例示した実施形態に係る140cでは、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルPLのパーセントは、130cで、L基底ベクトルを用いて生成されたCCDF曲線に基づいて計算される。
【0024】
一旦、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルのパーセンテージが、各CCDF曲線に関して140で計算されると、方法(100)は、150において継続することができ、基底ベクトルの数に基づいて可能な縮小因子を計算し、そして、該基底ベクトルの数で充分に記述できないが、将来的な処理の為に縮小されていない形態で保持しなければならないピクセルのパーセンテージを計算する。一実施形態において、縮小因子は、DIMREDデータ中の次元数(L、M又はN)(即ち、各空間ピクセルに関連するベクトルの次元数)に依存してもよい。一実施形態において、最大エラーmxeを超えるための方法(100)において、除外すべきピクセルのパーセンテージがPPで表され、基底ベクトルの数がBVで表される場合には、縮小因子は次の式に従ってもよい:[BV(1−PP)+PP*C]/C。図1に示すように、PPは、上述したような各対応するN基底ベクトルのサブセットに関するPL、PM又はPNとして示すことができる。縮小因子の式から以下のことが理解できる:即ち、(1−PP)の量は、最大エラーmxe要求を超えることなく更に縮小することができるピクセルのフラクションを表しており、従って、基底ベクトルの数BVで乗じる。一方で、PP自体は、更に縮小することができないピクセルのフラクションを表している。なぜならば、これらのエラーは、最大エラーmxeを超えているからである。従って、色Cの数で乗じる。よって、使用される基底ベクトル数BVが小さくなると、最大エラーmxeを超えるピクセルのパーセンテージは増加する。その結果、更に縮小できるDIMREDデータの割合において大幅な縮小があり、しかし、縮小されず保存する必要のある更に大きな数のピクセルが存在する。
【0025】
一旦、各CCDF曲線に関する縮小因子を150で計算すると、方法(100)は、160へ進んで、最大縮小因子を選択することができる。BVoptimum基底ベクトルのセットは、最大縮小因子に関連しており、ここでBVoptimumは、基底ベクトルの最適数であり(即ち、L、M、N、又は他の任意の1〜Nの数と等しくてもよい)、該数は、最大の追加的次元縮小、並びに更に縮小できず保存される関連ピクセルのパーセンテージを促進する。一実施形態において、最大エラーmxeを超えるコンピューティングエラーを有し、それゆえに保存しなければならないこれら保存ピクセルは、元々のHSIデータから受け取ることができる。最大縮小を促進する基底ベクトル数を知り、従って、データサイズを縮小させることにより、入力された最大エラー未満のエラーレベルを維持しながらも、BVoptimum基底ベクトルのセットを用いることにより、DIMREDデータを更に縮小して更に縮小されたデータを生成することを可能にする。基底ベクトル及びDIMREDデータの要素は、保持のための重要性の順番でソートされることを理解されたい。例えば、係数は、これらを見出した順番又は固有値サイズの順番であってもよい。こうした順番のため、DIMREDデータの各空間ピクセルに関する基底ベクトル及び係数は、データのサイズを更に縮小するために切り捨てることができる。具体的には、前記係数akは、1−Nの範囲の代わりとして1−BVoptimumの範囲で選択することができ、BVoptimumとNとの間の要素については廃棄することができる。一方で、同様の切捨ては、DIMREDデータの全体の空間シーンにおいて対応するデータに適用することができる。一実施形態において、DIMREDデータを更に縮小されたデータとして、更に縮小することにより、更に縮小されたデータは、内部に以下を含むデータセットを含むことができる:シーンを表す空間データ及び縮小された量のスペクトル・データ、BVoptimum基底ベクトルのセット、並びにPPに関連し、保存すべきピクセル。幾つかの実施形態において、DIMREDデータの所与の保存ピクセル、及びBVoptimum基底ベクトルのセットの分離に関連する残差ベクトルは、保存されたピクセルを伴う出力、又は該ピクセルに代わる出力であってもよい。
【0026】
最後に、最大縮小因子及びBVoptimum基底ベクトルのセットを決定すると、幾つかの実施形態において、方法(100)は、170に進み、BVoptimum基底ベクトルのセット、更に縮小されたデータ(DIMREDデータから切り捨てられたデータ)、及びピクセルのパーセンテージPPに関連した保存されたピクセル(これらは非縮小状態での出力であり、元々のHSIデータから受け取ることができる)を出力することができる。
【0027】
図3に移動して、一実施形態において、HSIまたはDIMREDデータについて、選択した最大データサイズを有する更なる縮小データへと縮小するように設計された方法(200)の可能性があることも理解されたい。明確にいうと、ユーザーが最大データサイズを選択すると、方法(200)は、更に縮小されたデータの最大データサイズの範囲内を維持しながら、更に縮小したデータに関する最悪のケースエラーを最小限にするように設計される。方法(100)と同様に、別の実施形態である方法(200)において、HSIデータ又はDIMREDデータのいずれかをN基底ベクトル
【数35】

のセットとともに受け取ることができる。再度、DIMREDデータを受け取った場合、元々の関連HSIデータにおける色Cの数も受け取ることができる。上述したように、HSIデータの代わりとしてDIMREDデータを受け取った場合、異なる係数のセットに関する残差エラーを続いて計算できるように、縮小されていないHSIデータの各ピクセルの大きさpは、DIMREDデータとともに伝送することができる。しかし、HSIデータを受け取ると、これらの各ピクセル
【数36】

に関連した次元数によって、色Cの数は容易に決定することができる。従って、一実施形態において、方法(200)は、210で開始することができ、ここで、以下のものを受け取る:ユーザーが選択した最大データサイズmds;DIMREDデータ(即ち、各次元縮小されたピクセル
【数37】

に関連する係数akのセット);及びDIMREDデータに関連するN基底ベクトルのセット。こうした幾つかの実施形態において、DIMREDデータ及びN基底ベクトルのセットは、方法(100)に従った上述のものと同様のものであってよい。或いは、方法(200)は210’で開始することができ、ここで、以下のものを受け取る:HSIデータ(即ち、ピクセル
【数38】

のセット);最大データサイズmds;及びN基底ベクトル
【数39】

のセット。もし、DIMREDデータを210で受け取った場合、方法(200)において実行される最適化に基づいて、HSIデータは、追加的保存ピクセルを提供するために利用することができることを理解されたい。
【0028】
一旦、DIMREDデータ又はHSIデータ及び他のインプットを210又は210’で受け取ると、方法(200)は220又は220’それぞれでさらに継続することができ、ここで、DIMREDデータ又はHSIデータにおける最大データサイズmds及び空間ピクセル(spatial pixels)の数に基づいて、基底ベクトルNmaxの新たな最大数をそれぞれ計算する。幾つかの実施形態において、DIMREDデータ(保存されたピクセルは例外として)は、一般的には、各空間ピクセルに関連した同じスペクトル次元数(N)を持つことができることを理解されたい。従って、更に縮小されたデータは、各空間ピクセルにおける同じ次元数を有するであろう。従って、最大データサイズmdsを空間ピクセル(spatial pixels)数で割ることにより、N基底ベクトルの理論的最大値(即ち、Nmax)を計算することができる。幾つかの実施形態において、Nmaxは、N以上であってもよい(即ち、最大データサイズmdsは、充分に大きくデータを現在の形状に維持することを可能にする)。その一方で、多くの実施形態において、Nmaxは、210又は210’において受け取ったN基底ベクトルのサブセットを利用することを可能にするだけであろう。上述のように、210又は210’で受け取ったN基底ベクトルは所定の順序であってもよく、例えば、重要度順、又は識別子順に基づいてもよいことを理解されたい。幾つかの実施形態において、N基底ベクトルの順序は、210又は210’での受け取りに続いて、N基底ベクトルのセットを更に分析することによって、確認することができる。いずれにせよ、一般的に、Nmax基底ベクトルは、N基底ベクトルのサブセットであってもよく、最大データサイズmds並びにN基底ベクトルの順序によって決定されることを理解されたい。
【0029】
上述のように、HSIデータを210’で受け取ると、係数akのセットは、これらに関連するエラーを計算する必要が生じる可能性がある。従って、Nmax基底ベクトルのセットを220’で決定した後、方法(200)は、230’と進むことができ、ここで、Nmax基底ベクトルを、HSIデータの各ピクセルから分離して、係数akのセットを用いてDIMREDデータを生成させる。再度、幾つかの実施形態において、元々の次元縮小からコンピューティングして、N基底ベクトルのセットを生成することについては、HSIデータ(方法(200)においては、210’で受け取る)と共に含まれても良く、方法(200)を実行するシステムにアクセス可能であってもよい。そして、このようにして、230’での分離は、係数akのセットを生成するか、さもなければ受け取る事を含むことができる。再度、本明細書で使用される分離は、更に修飾されることなく、アンコンストレインド分離の幅広い概念を包括的にさすものとして理解されたい。方法(100)と同様に、各ピクセルからの基底ベクトルの分離は、各ピクセルに関連したエラーを計算する際にも用いられる。しかし、方法(200)において、エラーは最小限化され、最大データサイズmdsの範囲内のデータの次元に更に縮小される。再度、基底ベクトルが正規直交である場合には、Nmax基底ベクトルに関する分離ステップは、一度に全て完了することができる。しかし、Nmax基底ベクトルが正規直交ではない場合、更に小さいNmax基底ベクトルのサブセットを用いたエラーの計算は、前記更に小さい基底ベクトルのサブセットに関する分離ステップを繰り返す必要が生じるであろうということを理解されたい。
【0030】
再度、例示した実施形態において、基底ベクトルは互いに正規直交であると仮定することができる。このようにして、一旦、Nmax基底ベクトルが230’で分離されて係数akを形成すると、又は、一旦、Nmax基底ベクトルのセットを220で確立すると、方法(200)は、240へと進み、複数のCCDF曲線を生成することができる。該曲線は、使用された基底ベクトル数に基づいて各ピクセルに関連するエラーを比較した、ヒストグラムとすることができる。方法(100)の130においてCCDF曲線を生成するように、240でのCCDF曲線生成については、Nmax基底ベクトルの少なくとも1つのサブセットに関する各ピクセルに関するエラーを計算することを含むことができる。例示すると、一実施形態において、エラーは、Nmax基底ベクトルのフルセットに関して240aで計算することができる。同様に、エラーは、Nmax基底ベクトルのMのサブセットに関して、240bで計算することができる。一方で、M基底ベクトルのセットのサブセットLに関して、240cで計算することができる。幾つかの実施形態において、Nmax基底ベクトルが互いに正規直交ではない場合、240でエラーを計算してCCDF曲線を生成させるのに、Nmax基底ベクトルの各サブセットに関して(即ち、L基底ベクトルのセット及びM基底ベクトルのセットに関して)230で分離を繰り返す必要が生じる可能性がある。その一方で、基底ベクトルの正規直交性により、こうしたステップを除外することにより、計算の簡略化を促すということを理解されたい。異なる実施形態において、任意の適切な数のCCDF曲線を240で生成することができる(即ち、2〜NmaxのCCDF曲線)。
【0031】
240でCCDF曲線を生成後、方法(200)は継続され、250で、ピクセルのパーセンテージを計算し、基底ベクトルの異なる各セットのために保存することができる。最大データサイズmdsは、一般的に以下のものに依存して計算することができるということを理解されたい:除外するべき、又はさもなければ保存すべきピクセルのパーセント(再度PPとして表される)、及び保存されたピクセルにおける(及びイメージ化されたハイパースペクトルなデータの元々のピクセルにおける)色Cのトータル数。具体的には、一実施形態において、ピクセル数がPnumberで表され、保存できるピクセルのパーセンテージがPPで表され、これらにおける色の数がCで表され、及び基底ベクトル数がBVで表される場合、最大データサイズmdsは以下の式に従う:mds=[BV(1−PP)+PP*C]*Pnumber。保存することができるピクセルのパーセントPPに関して解くと、以下のように計算することができる:PP=[(mds/Pnumber)−BV]/(C−BV)。基底ベクトルBVの数が各CCDF曲線ごとに異なる場合、計算結果は異なるであろう。例えば、Nmax基底ベクトルのセットを用いたときに、保存することができるピクセルのパーセントPP(N-max)を250aで計算することができる。同様に、M基底ベクトルのセットを用いたときに、保存されるピクセルのパーセントPP(M)を250bで計算することができる。更に、L基底ベクトルのセットを用いたときに、保存されるピクセルのパーセントPP(L)を250cで計算することができる。
【0032】
図3に示すように、方法(200)は、260へ進み、ここで、保存されるピクセルのパーセントPPを用いて達成可能な最大エラーについて、CCDF曲線を用いて計算される。例えば、260aにおいて、Nmax基底ベクトルのセットを用いて計算されるピクセルのパーセントPP(N-max)に関して、最大エラーをコンピューティングすることができる。260bにおいて、M基底ベクトルのセット用いて計算されるピクセルのパーセントPP(M)に関して、最大エラーをコンピューティングすることができる。更に言えば、260cでは、L基底ベクトルのセットを用いて計算されるピクセルのパーセントPP(L)に関して最大エラーをコンピューティングすることができる。それぞれのケースに関する最大エラーをコンピューティングし、用いられた基底ベクトル数(即ち、Nmax、M若しくはL、又は他の任意の適切な数)に依存して、保存されたピクセルのパーセンテージに基づく最も小さい最大エラー、及び該エラーに関連する基底ベクトルセットの関連サイズ(即ち、BVoptimum基底ベクトルのセット)を270で選択することができる。所与の数の基底ベクトルは、入力された最大データサイズmdsよりも小さいデータサイズを維持しながらエラーの最小化を促進することができ、その結果、BVoptimum基底ベクトルのセットを用いることにより、DIMREDデータは、更に減少されたデータへと、更に減少させることができる。その後、方法(200)はステップ(280)へと進み、前記更に減少されたデータ、及び保存されたピクセルを出力する。これは、方法(100)の170と同様であってもよい。前記保存されたピクセルは、元々のHSIデータから受け取ってもよい。一方で、前記更に減少されたデータは、BVoptimum基底ベクトルのセットに対応する係数の切り捨てられたセットを含むことができる。
【0033】
上記方法(100)及び(200)の実施形態において、前記N基底ベクトルの特定のサブセットに関連したエラーレベルは、CCDFのセットをコンピューティンスするために用いられる点を理解されたい。前記CCDFは、圧縮されないで保存することができる、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルの数を決定することができる。他の実施形態では、基底ベクトルの数は、Nの最大サイズ、又はNmax基底ベクトルで開始することができ、しかし、連続して減少して、最良の縮小因子又は最大エラーを確認する。一実施形態において、各反復において前記方法で減少させる基底ベクトルの数は1であるが、他の実施形態では、方法で、N又はNmaxよりも小さい任意の他の数ごとに減少させることができる。例えば、方法(300)の実施形態が図4に描写しており、方法(100)と同様であるが、最大減少を促進し、選択されたレベルの最大エラーmxe内で、データサイズを最小化するように設計される。
【0034】
図示しているように、方法(300)は、110で開始してDIMREDデータ、前記選択された最大エラーmxe、及びN基底ベクトルのセットを受け取るか、又は110’で開始して、前記HSIデータ、前記最大エラーmxe、及びN基底ベクトルのセットを受け取る。分離の結果が以前の計算から得ることができない場合には、前記HSIデータを110’で受け取れば、N基底ベクトルのセットは、HSIデータの各ピクセルから、120’において、分離することができる。方法(300)は、310へと進み、N基底ベクトルのフルセットのための各空間ピクセルに関するエラーを計算する。一実施形態において、前記エラーは上述したように計算することができ、大きさpで割って、端数誤差を計算することができる点を理解されたい。エラーを計算した後、最大エラーmxeを超えるエラーを有するピクセルのパーセントは、N基底ベクトルのフルセットに関して、320で確認することができる。そして、これは、方法(100)のステップ130aと同様であってもよい。また、N基底ベクトルの完全なセットに関する縮小因子は、330で計算することができ、方法(100)のステップ140aと同様であってもよい。
【0035】
その後、方法(300)は、ステップ(340)へと続き、ここで、基底ベクトルの数が、N基底ベクトルのサブセットKに対する増分だけ減少する。幾つかの実施形態において、基底ベクトルが正規直交ではない場合、基底ベクトルの新たなセットは、各ピクセルから分離することができるが、正規直交の基底ベクトルに関する幾つかの実施形態において、こうしたステップは不要であることは上記より理解される。幾つかの実施形態において、Kは、以前のKより小さいもの(又は、初期反復に関するNよりも小さいもの)であってもよい。その一方で、他の実施形態では、更に大きな減少値を実行することができる。方法(300)は、ステップ(350)へと続き、K基底ベクトルのサブセットに基づいて、各ピクセルに関するエラーを計算する。ここで、該計算は、上述した計算と同様に実行することができる。そして、方法(300)は、ステップ(360)へと続き、方法(100)のステップ(130b)を反映させており、最大エラーmxeを超えるエラーを有するK基底ベクトルと関連するピクセルのパーセントを計算する。その後、ステップ(370)でK基底ベクトルに関連する縮小因子を計算し、該ステップは、方法(100)のステップ(150b)を反映したものである。ステップ(370)で確認した縮小因子は、ステップ(380)において、以前の最良の縮小因子(もし存在すれば)と比較することができる。新たな縮小因子が、以前の最良の縮小因子よりも更に良好な場合には、方法(300)は、ステップ(340)へと戻ることができ、増加分だけ基底ベクトル数を減少させることによりKに関する新たな値を確立させる。その結果、K基底ベクトルの新たなセットは、K基底ベクトルの古いセットのサブセットとなる。新たにコンピューティングされた縮小因子が、ステップ(380)において以前の最良の縮小因子と再度比較されるまでは、方法(300)は繰り返される。新たな縮小因子が、以前の最良の縮小因子よりも悪い場合には、方法(300)は、ステップ(390)へと進むことができ、ここで、以前の最良の縮小因子は、最大縮小因子として確立される。そして、方法(300)は、ステップ(400)へと進むことができ、上述したステップ(170)と類似の方法(例えば、保存されたピクセルを元々のHSIデータから受け取る)であってもよいが、更に減少されたデータ及び保存されたピクセルを出力する。
【0036】
ステップ(340)における各減少に関して、全ピクセルの次元(及びデータサイズ)が減少するが、最大エラーを超える保存されたピクセルのパーセンテージは増加する点を理解されたい。従って、データサイズとエラーレベルとの好ましいトレードオフは、全ての値のKを通したループを行うことと、最良の結果(即ち最小のデータボリューム)を維持することによって特定することができることを理解されたい。シーケンスの最後における最良の縮小因子に関連する前記基底ベクトルセットは、HSI又はDIMREDデータを更なる減少データへと減少させるために利用することができる。また、方法(300)において描写した基底ベクトル数の数の漸次的減少は、方法(100)とも類似しているが、他の非例示的な実施形態のみならず方法(200)においても利用することができることを理解されたい。
【0037】
幾つかの実施形態において、スペクトル・データ・ベースのターゲット/材料は、最適な群の基底ベクトルを用いて、分離(即ち、アンコンストレインド分離を介して)し、各ターゲット/材料用の一群の係数を生成することができる。これに加えて、又はこれに代えて、幾つかの実施形態において、前記分離プロセスの残りの署名ベクトル(signature vectors)は、後述するように、シーンからの保存されたピクセルと比較するためにコンピューティングされてもよい。前記保存されたピクセルは、元の形態で保持することができ、又は、完全なセットの色情報Cは、前記分離した残りに加えて、N基底ベクトルに関する分離係数の中に含んでもよい。一旦更なる減少データが生成されれば、係数のセットは、更に減少されたデータ(例えば、ターゲットの同定及び分析)と比較するのに適した署名として使用することができる点を理解されたい。幾つかのこうした実施形態においては、同様に、最適のセットの基底ベクトルの残差ベクトルは、残りの署名ベクトルと比較することができる。幾つかの実施形態において、前記ピクセルの生データ(即ち、保存されたピクセルから)は、元々の署名と比較することができる。前記実行された比較(複数可)は実施形態ごとに異なってもよく、また、該比較は、例えば以下のものを含むことができる:ピクセル及び参考スペクトル間のベクトル角度、古典的整合フィルタ(classical matched filter)、適応余弦・コヒーレンス評価部(adaptive cosine/coherence estimator)、又はベクトルとしてピクセルを扱う他のアルゴリズム。例として、更に次元縮小されたピクセルは、参照スペクトルベクトルのデータベースと比較することができる。前記参照ベクトルは、基底ベクトルを用いて分離し、そして、元々の参照をアンコンストレインド分離係数で置き換えることによって、最初に減少させることができる。その後、いくつかの技術(例えば、限定されないが、古典的整合フィルタ(即ち、スペクトル整合フィルタ)比較)を用いて、前記参照ベクトルと、更に次元縮小されたピクセルとを比較することができる。
【0038】
様々な実施形態において、本明細書に記載の方法は、任意の数のハイパースペクトルなイメージング・システム、又は任意のコンピューティング・システム上で実行することができ、該システムはハイパースペクトルなイメージ及び/又はこれらに関連するDIMREDデータを受け取るように設計される。前記ハイパースペクトルイメージは、任意のソースから、任意のプラットフォーム上で受け取ることができる。例えば、幾つかの実施形態において、前記ハイパースペクトルイメージは、宇宙衛星、航空機、又は他の上昇するイメージング・システムから得ることができる。更に言えば、幾つかの実施形態において、前記ハイパースペクトルイメージ及び/又はDIMREDデータは、以下の目的で処理をすることができる:イメージ化されたシーンにおいてターゲット及び材料の特性分析;捕捉された様々な異なるハイパースペクトルイメージ間での変化の検出;又は、これらに関する他の分析の実行。本明細書に記載の方法を実行する前記ハイパースペクトルなイメージング・システム、又は他のコンピューティング・システムは、前記イメージングシステムに関連する1以上のローカルプロセッサのためのフロント・エンド・インターフェースを含むことができるか、そうでない場合には該インタフェースを提供することができる。幾つかの実施形態において、前記1以上のプロセッサは、ハイパースペクトルイメージに関する縮小されたデータセットを分析するために設計することができ、該分析のために、前記縮小されたデータセットを解凍したり、或いは、前記ハイパースペクトルイメージに関する元々の(即ち、縮小されていない)データセットを再構築する処理を行うことを必要としない。或いは、又は更にいえば、幾つかの実施形態において、本明細書に記載した前記DIMRED方法を実行するために設計されたシステムは、ハイパースペクトルイメージの初期DIMREDを実行するために設計されてもよい。ここで、前記縮小データセットは、迅速に遠隔地のステーションと通信を行うことができ、該ステーションは、前記データセットを更に処理することができる地上のステーション又は他の遠隔地の物であっても良い。例えば、前記遠隔地ステーション又は他の処理地は、DIMREDデータ等を更に処理した後で更に解凍することなく、ハイパースペクトルイメージに関する前記DIMREDデータセットを分析することができる。
【0039】
様々な実施形態において、本明細書に記載した前記DIMRED方法は、任意の適切なシステム又はハードウェア上で実施することができるが、幾つかの実施形態において、前記DIMRED方法は、コンピュータ・システム上で実施することができる。そして、該システムは、一般的に、典型的なコンピュータの構成要素を含むことができ、例えば、1以上のプロセッサ、メモリ・モジュール、ストレージ・デバイス、入力装置及び出力装置等が挙げられる。一実施形態において、こうしたシステムは、コンピュータ・システムのアクティブ・メモリ内で管理して、速度及び効率を強化することができ、更には、コンピュータ・ネットワークと接続して、コンピュータ・ネットワークに関連する分散リソースを活用することができる。様々な実施形態において、前記DIMRED方法を操作するシステムは、1以上のインターフェース、1以上のスペクトラム・リーダー、及び1以上のモジュールを備えることができ、該モジュールは、BVセットの確立、ハイパースペクトルイメージの分解、ハイパースペクトルイメージの評価、及びDIMREDデータの後処理等を実行することができる。幾つかの実施形態において、前記1以上のインターフェースは、以下のものを受け取るように設計することができる:1以上のハイパースペクトルイメージに対応するデータ、ユーザーが提供する1以上のBV、次元縮小が、ロスが多いとして実行されるべきか又はロスの無い操作として実行されるべきかについての提示、次元縮小におけるデータ損失量に関する寛容レベル、及び/又はハイパースペクトルイメージの処理に関する他の情報。一実施形態において、前記1以上のインターフェースは、DIMRED方法を実行するシステムに関連する入力装置を介してユーザーから直接、又は、1つのシステム又は複数のシステムの構成要素から直接、情報を受け取るように配置することができる。
【0040】
一実施形態によれば、本明細書に記載した前記様々なシステムの実装、及びハイパースペクトルイメージの次元を減少させるための方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの様々な組合せにおいて成しうるものである。例えば、ハイパースペクトルイメージの次元を減少させるための前記システム及び方法は、非一時的な機械読取可能媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能な指示として実施することができる。そして、該指示は、1以上の、物理的に隔離された、又は通信的に連結されているコンピュータ・システム若しくは他の処理装置を用いて、読取及び実行を行うことができる。機械読取可能媒体は、前記コンピュータ・システム、前記処理装置、又は他の機械によって読み取り可能な態様で、情報を記憶及び/又は伝送するための様々な機構を含むことができる。例えば、機械読取可能記憶媒体には、リード・オンリ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気ディスク保存媒体、光学的保存媒体、フラッシュ・メモリ装置、ハード・ドライブ、及び情報を保存するための他の媒体を含めることができる。機械読取可能伝送媒体には、信号(シグナル)を含めることができ、例えば、搬送波、赤外線シグナル、デジタルシグナル、又は情報を伝送するための他の媒体を含めることができる。更に言えば、上記開示内容では、特定の例示的態様及び実施形態、並びに特定の作用の実行の観点から、方法、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、又は指示について記載している。しかし、こうした記載は、便宜上の目的のためのものに過ぎないこと、そして、実際のところ、こうした作用は、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、又は指示を実行するコンピュータ・システム、処理装置、プロセッサ、コントローラー、又は他の装置若しくは機械から生じるものであることは明らかであろう。
【0041】
上記開示において、特定の特性、構造、又は特徴を含むものとして、更に、幾つかの態様及び実施形態を記述することができる。しかしながら、明らかなことではあろうが、どの態様又は実施形態についても、前記特定の特性、構造、又は特徴を含んでも良いし、又は必ずしも含む必要がない。特に、幾つかの実施形態において、1以上の上述した方法のステップは、省略してもよいし、改変してもよい。例えば、様々な実施形態において、170、280、又は400での出力は省略してもよい。または、これらの出力は、保存されたピクセルを含むことなく更に縮小されたデータを含むことができる(それによって、特定の実施形態において、元々のHSIデータにアクセスすることなく、関連する方法の性能を促進する)。更に、特定の態様又は実施形態に関連して、特定の特性、構造又は特徴について記載したい場合、こうした特性、構造又は特徴については、明記されているかどうかに関わらず、他の態様又は実施形態と共に含めることができる点を理解されたい。従って、本発明の概念の範囲又は思想から乖離することなく、前述した開示内容に対して、様々な変更及び改変を行うことができる。よって、本明細書及び図面は例示にすぎないものとしてみなすべきであり、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の空間ピクセル(spatial pixels)を有するハイパースペクトルイメージデータの次元縮小のための方法であって、各ピクセルは複数のスペクトル次元と関連しており、前記方法は、以下のステップを含む:
前記ハイパースペクトルイメージデータの各ピクセルに関連した係数のセット、前記係数のセットを生成するために使用される基底ベクトルのセット、及び最大エラー値を受け取るステップ;
前記基底ベクトルのセットに関連する各ピクセルのための第一セットのエラーと、前記基底ベクトルのセットの1以上のサブセットと関連する各ピクセルのための1以上の更なるセットのエラーとをプロセッサを用いて計算するステップ;
前記第一セットのエラー、及び前記1以上の更なるセットのエラーそれぞれに関して、前記最大エラー値を超えるエラーを有する空間ピクセルの数のパーセントを、前記プロセッサを用いて計算するステップ;
前記第一セットのエラー、及び前記1以上の更なるセットのエラーそれぞれに関連する複数の縮小因子(reduction factor)を前記プロセッサを用いて計算するステップであって、前記複数の縮小因子は、前記最大エラー値を超えるエラーを有する空間ピクセルの数のパーセントと、前記ハイパースペクトルイメージデータに関連するスペクトル次元数の両方に基づいて計算される該ステップ;並びに
前記複数の縮小因子からの最大縮小因子と、及びこれらに関連した前記基底ベクトルのセット又は前記基底ベクトルのサブセットの最適サイズとを、前記プロセッサを用いて選択するステップ。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第一セットのエラー及び前記1以上の更なるセットのエラーを計算するステップが、前記基底ベクトルのセットと、及び前記基底ベクトルのセットの前記1以上のサブセットとに関連した相補累積分布関数のプロットをコンピューティングするステップを含む該方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットが互いに正規直交である該方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記係数のセットは、前記ハイパースペクトルイメージデータの空間ピクセルの各数から、プロセッサを用いて、前記基底ベクトルのセットを分離(unmixing)することによって生成される該方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記縮小因子は、前記係数のセットそれぞれと合計量で割ったものと関連する複数の次元に従い、以下のものを含む:
基底ベクトルの前記セット又はサブセットのサイズ × 前記最大エラー未満であるエラーのピクセルのパーセント;及び
前記最大エラーを超えるエラーのピクセルのパーセント × 前記ハイパースペクトルイメージデータに関連するスペクトル次元数。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットの前記1以上のサブセットが、前記基底ベクトルのセットの複数の更に小さいサブセットを含む該方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、更に縮小したデータを生成させるために、前記基底ベクトルのセットの前記最適サイズから前記ハイパースペクトルイメージデータを分離するステップを更に含む該方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットの前記最適サイズから前記ハイパースペクトルイメージデータを分離する前に、前記最大エラー値を超えるエラーを有するピクセルを保存(setting aside)するステップを更に含む該方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記更に縮小したデータ、及び前記保存したピクセルを出力するステップを更に含む該方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットに関連する各ピクセルに関する前記第一セットのエラーを計算するステップが、前記基底ベクトルのセットの前記1以上のサブセットに関連する前記1以上の更なるセットのエラーに関連する計算を利用するステップを含む該方法。
【請求項11】
複数の空間ピクセルを有するハイパースペクトルイメージデータの次元縮小のための方法であって、各ピクセルは複数のスペクトル次元と関連しており、前記方法は、以下のステップを含む:
前記ハイパースペクトルイメージデータの各ピクセルに関連した係数のセット、前記係数のセットを生成するために使用される基底ベクトルのセット、及び最大データサイズ値を受け取るステップ;
前記最大データサイズ値及び空間ピクセル数に基づいて、前記基底ベクトルのセットにおけるメンバーの最大数を、プロセッサを用いて計算し、そして、前記最大データサイズに関連する前記基底ベクトルのセットの最大のサブセットを確立するステップ;
前記基底ベクトルの前記最大のサブセットに関連する各ピクセルのための第一セットのエラーと、前記基底ベクトルの前記最大のサブセットの1以上のサブセットと関連する各ピクセルのための1以上の更なるセットのエラーとをプロセッサを用いて計算するステップ;
前記基底ベクトルの最大サブセット及び前記基底ベクトルの1以上の更なるサブセットそれぞれのために、保存することができる空間ピクセルの数のパーセントを、前記最大データサイズに基づいて、前記プロセッサを用いて計算するステップ;
前記基底ベクトルの最大サブセット及び前記基底ベクトルの1以上の更なるサブセットそれぞれに関連して、保存することができる空間ピクセルの数のパーセントそれぞれに関連する複数の最大エラー値を、前記プロセッサを用いて計算するステップ;並びに
前記複数の最大エラー値から最小エラー値と、及びこれらに関連した前記基底ベクトルの最大サブセット又は前記基底ベクトルの最大サブセットの前記1以上の更なるサブセットの最適サイズとを、前記プロセッサを用いて選択するステップ。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記第一セットのエラー、及び前記1以上の更なるセットのエラーを計算するステップが、前記基底ベクトルのセットと、及び前記基底ベクトルのセットの前記1以上のサブセットとに関連した相補累積分布関数のプロットをコンピューティングするステップを含む該方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットが互いに正規直交である該方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記係数のセットは、空間ピクセルの各数から、プロセッサを用いて、前記基底ベクトルのセットを分離することによって生成される該方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、保存することができる空間ピクセルの数のパーセントは、以下の商(quotient)に従う該方法:
前記最大データサイズ値と前記空間ピクセル数の商の量 − 最大のサブセットのサイズ、又は基底ベクトルの1以上の更なるサブセット;
前記ハイパースペクトルイメージデータに関連するスペクトル次元数 − 最大のサブセットのサイズ、又は基底ベクトルの1以上の更なるサブセット。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットの前記1以上の更なるサブセットは、前記基底ベクトルの最大サブセットである複数の更に小さいサブセットを含む該方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、更に縮小したデータを生成させるために、前記基底ベクトルの最大のサブセットの前記最適サイズから前記ハイパースペクトルイメージデータを分離するステップを更に含む該方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、保存することが可能な空間ピクセル数を保存するステップを更に含む該方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記更に縮小したデータ、及び前記保存した空間ピクセル数を出力するステップを更に含む該方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、前記基底ベクトルのセットに関連する各ピクセルに関する前記第一セットのエラーを計算するステップが、前記基底ベクトルのセットの前記1以上のサブセットに関連する前記1以上の更なるセットのエラーに関連する計算を利用するステップを含む該方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110734(P2013−110734A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−208503(P2012−208503)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】