空間仕切装置、空間仕切方法およびコンピュータ・プログラム
【課題】プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる空間仕切装置を提供すること。
【解決手段】室内空間と室外空間との境界に設けられ、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部11と、室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサ12と、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサ13と、室外センサ12によって人体が検知された場合、室内センサ13による検出内容に係わらず、遮光部11の通過光量を所定の通常値より少なくし、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって検出された事象が所定の条件を満たす場合、遮光部11の通過光量を前記通常値より多くするよう遮光部11を制御する遮光制御部14と、を備える。
【解決手段】室内空間と室外空間との境界に設けられ、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部11と、室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサ12と、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサ13と、室外センサ12によって人体が検知された場合、室内センサ13による検出内容に係わらず、遮光部11の通過光量を所定の通常値より少なくし、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって検出された事象が所定の条件を満たす場合、遮光部11の通過光量を前記通常値より多くするよう遮光部11を制御する遮光制御部14と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置に関し、特に、通過光量を調節可能な空間仕切装置、空間仕切方法およびコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置として、通過光量を調節可能な空間仕切装置が知られている。
【0003】
このような空間仕切装置としては、車両内の空間と車両外の空間とを仕切る車両の窓ガラスに液晶を挟持し、車両電源がオフにされると液晶に電圧を印可して透過率を低下させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、このような他の空間仕切装置としては、車両の窓ガラスからの入射光量を調整する遮光手段を有し、照度センサによって検出される照度と、車両に対する太陽の位置情報とに基づいて、遮光手段の入射光量を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、このような他の空間仕切装置としては、複層ガラスの中空部にブラインドを配置し、このブラインドのルーバーの角度を調整するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
この特許文献3に記載された空間仕切装置は、ルーバーの一方の面に太陽電池セルを備え、他方の面に採光面を備え、室内の照度および太陽電池セルの発電量が最適となるようルーバー角度を調整する。
【0007】
また、このような他の空間仕切装置としては、建物の開口部を閉鎖するシャッターカーテンを有し、日射情報や外気温情報といった屋外環境情報に基づいて、シャッタカーテンのスラット角度を調整するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
また、このような他の空間仕切装置としては、車両の窓から車両内への入射光の透過率を変更して車両内を不可視化する不可視化手段を備え、車両から一定の範囲に侵入する物体を検出すると、不可視化手段の透過率を低下させるものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
また、このような他の空間仕切装置としては、液晶遮蔽部材を窓ガラスの表面を覆う形で設け、センサによって人体を感知すると、液晶遮蔽部材を不透明化し、人体を感知しないと液晶遮蔽部材を透明化するものがある(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平6−87016号公報
【特許文献2】特開2005−349929号公報
【特許文献3】特開2007−231613号公報
【特許文献4】特開2007−277833号公報
【特許文献5】特開2009−143296号公報
【特許文献6】特開平8−260846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1〜4に記載された空間仕切装置は、室内の照度や室温等の室内環境を最適にするために通過光量を調節している。このため、これらの空間仕切装置は、室外に人が存在する場合等のように、プライバシー保護が必要とされるシーンでも通過光量を多くする場合があり、プライバシー保護性能が低い。さらに、室内環境を快適にするために通過光量を少なくした場合、室内から室外への眺望性が悪くなるという課題があった。
【0012】
また、特許文献5〜6に記載された空間仕切装置は、室外の所定範囲に物体や人体を感知しないときは入射光の透過率を高くする。すなわち、室外の所定範囲に物体や人体を感知しない場合には常に眺望性が良いことになる。しかしながら、室内に存在する利用者は、集中力を高めたい場合や入眠したい場合等のように、眺望性を望まない場合もある。このため、これらの空間仕切装置は、利用者が眺望性を望まない場合にも眺望性を良くしてしまい、利用者の状況に則した眺望性を確保することができないという課題があった。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置において、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる空間仕切装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の空間仕切装置は、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、を備える。
【0015】
本発明の空間仕切方法は、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する。
【0016】
本発明のコンピュータ・プログラムは、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部を、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて制御するコンピュータ装置に、前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御する室外センサ検知ステップと、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する室内センサ検出ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる空間仕切装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の設置例を示す図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の設置例の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の設置例の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置1の機能ブロック構成を図1に示す。図1において、空間仕切装置1は、遮光部11と、室外センサ12と、室内センサ13と、遮光制御部14とを含んでいる。
【0021】
次に、空間仕切装置1の設置例を図2に示す。図2において、空間仕切装置1は、天井91、床92および壁93を有する室内空間と、その室外空間との境界に備えられている。すなわち、空間仕切装置1は、室内空間と室外空間との境界となっている壁93の開口部内に設置されている。図2の設置例におけるA−A断面図を図3に示す。
【0022】
図3において、壁93の開口部には、窓ガラス10が設けられている。また、遮光部11は、窓ガラス10の全面または一部の領域を覆うように備えられている。また、室外センサ12は、窓ガラス10に対して室外側に設置されている。また室内センサ13および遮光制御部14は、窓ガラス10に対して室内側に設置されている。なお、窓ガラス10は本発明における透明仕切部材の一実施形態を構成している。
【0023】
図1〜図3を参照して、空間仕切装置1の構成について説明する。
【0024】
遮光部11は、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能である。
【0025】
例えば、遮光部11は、印可電圧に応じて透過率を変化させることにより通過光量を調整可能な液晶フィルムによって構成されていてもよい。この場合、遮光部11は、印可電圧に応じて、半透明、透明、不透明と変化する。すなわち、遮光部11は、透過率が所定の通常値のとき半透明となり、透過率が通常値より大きい所定値以上のとき透明となり、透過率が通常値より小さい所定値以下のとき不透明となる。
【0026】
また、この場合、遮光部11は、窓ガラス10を合わせガラスとして構成することにより、合わせガラスに挟持されていてもよい。あるいは、遮光部11は、窓ガラス10の表面に貼り付けられていてもよい。
【0027】
あるいは、遮光部11は、角度調節可能な複数のルーバーを有するブラインドによって構成されていてもよい。この場合、遮光部11は、ルーバーの角度を調節する調節機構を有し、調節機構に入力される制御信号に応じて、通過光量が所定の通常値より大きい開状態、通過光量が通常値の通常状態、通過光量が通常値より少ない閉状態と変化する。
【0028】
また、この場合、遮光部11は、窓ガラス10を複層ガラスとして構成することにより、複層ガラスの中空部に内蔵されていてもよい。あるいは、遮光部11は、壁93の開口部の上辺に取り付けられた支持体から吊持されていてもよい。
【0029】
このように、遮光部11は、液晶フィルムやブラインドに限らず、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能な採光部材や透光部材によって構成可能である。
【0030】
また、遮光部11は、窓ガラス10のほぼ全ての領域を覆っていてもよいし、一部の領域を覆っていてもよい。なお、遮光部11は、窓ガラス10の一部の領域を覆う場合、室外空間からの視線が向けられる領域と、室内空間からの視線が向けられる領域とを覆うように備えられることが望ましい。
【0031】
また、遮光部11は、窓ガラス10に限らず、その他の透明仕切部材に備えられていてもよい。
【0032】
また、遮光部11は、窓ガラス10が無い状態で、室内空間および室外空間の境界である壁93の開口部内に配置されていてもよい。
【0033】
室外センサ12は、室外空間の所定範囲にある人体を検知する。例えば、室外センサ12は、赤外線検出素子および信号処理回路を含んで構成されていてもよい。この場合、室外センサ12は、検知範囲内の物体から放射される赤外線の変化が人体によるものであると判断したときに検出信号を出力する。
【0034】
あるいは、室外センサ12は、カメラおよび信号処理回路を含んで構成されていてもよい。この場合、室外センサ12は、カメラによって検知範囲を撮像し、画像解析により撮像画像内に人体を認識したと判断したときに検出信号を出力する。
【0035】
また、図3の例では、室外センサ12は、室外空間の所定範囲aを検知範囲とするよう、窓ガラス10の上端部の室外側に設置されている。また、室外センサ12の検知範囲は、室外空間において、窓ガラス10を介して室内空間を視認可能な範囲に設定されていることが望ましい。なお、室外センサ12は、室外空間の所定範囲を検知範囲とする場所であれば、その他の場所に設置されていてもよい。
【0036】
室内センサ13は、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する。例えば、室内センサ13は、窓ガラス10に対する室内空間からの接触を検出する接触センサによって構成されていてもよい。
【0037】
この場合、室内センサ13は、透明電導性フィルムを用いて構成され、窓ガラス10の室内空間側の表面に貼り付けられていてもよい。窓ガラス10に貼り付けられた室内センサ13は、窓ガラス10に対する接触が有ると検出信号を出力する。
【0038】
また、この場合、室内センサ13は、窓ガラス10のほぼ全ての領域を覆うように窓ガラス10に貼り付けられていてもよいし、一部の領域を覆うように貼り付けられていてもよい。なお、このとき、室内センサ13が窓ガラス10を覆う領域は、遮光部11が窓ガラス10を覆う領域とほぼ同一であることが望ましい。
【0039】
あるいは、室内センサ13は、室内空間にいる人体の視線が窓ガラス10に向いたことを検出する装着型の視線センサであってもよく、その他、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出するセンサであればよい。
【0040】
遮光制御部14は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、接続インタフェースモジュールとを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。遮光制御部14は、接続インタフェースモジュールを介して、遮光部11、室外センサ12および室内センサ13に接続されている。また、遮光制御部14は、ROMに記憶されたコンピュータ・プログラムをCPUがRAMに読み込んで実行することにより動作する。
【0041】
また、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を調整するよう遮光部11を制御する。
【0042】
具体的には、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、遮光部11の通過光量を通常値より小さくする。このとき、遮光制御部14は、室内センサ13による検出内容に係わらず、室外センサ12によって人体が検知されれば遮光部11の通過光量を通常値より小さくする。
【0043】
また、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって検出される事象が所定の状況を満たす場合、遮光部11の透過率を通常値より大きくする。
【0044】
つまり、遮光制御部14は、室内センサ13により所定の条件を満たす事象が検出されている間であっても、室外センサ12により室外空間の所定範囲に人体が検知された場合は、遮光部11の通過光量を通常値より大きくする。
【0045】
また、遮光制御部14は、室外センサ12による検知がなく、室内センサ13による検出内容が所定の条件を満たさない場合は、遮光部11の通過光量を通常値にする。
【0046】
例えば、遮光部11が液晶フィルムによって構成され、室内センサ13が接触センサによって構成される場合について説明する。
【0047】
この場合、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを不透明にする。
【0048】
また、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって窓ガラス10に対する室内空間側からの接触が検出されている間、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを透明にする。
【0049】
また、遮光制御部14は、室外センサ12による人体の検知および室内センサ13による接触の検知のいずれも無い場合は、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを半透明にする。
【0050】
以上のように構成された空間仕切装置1の動作について図4を用いて説明する。
【0051】
まず、遮光制御部14は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたか否かを判断する(ステップS11)。
【0052】
ここで、所定範囲に人体が検知されたと判断した場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値より小さくする(ステップS12)。
【0053】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを不透明にする。
【0054】
ステップS12を実行後、空間仕切装置1はステップS11からの動作を再度実行する。
【0055】
一方、ステップS11において、所定範囲に人体が検知されなかったと判断した場合、遮光制御部14は、室内センサ13によって検出される室内空間の事象が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS13)。
【0056】
例えば、遮光制御部14は、室内センサ13を構成する接触センサによって窓ガラス10に対する室内空間側からの接触が検知されたか否かを判断する。
【0057】
ここで、室内センサ13によって検出された事象が所定の条件を満たすと判断した場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値より大きくする(ステップS14)。
【0058】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを透明にする。
【0059】
ステップS14を実行後、空間仕切装置1は、ステップS11からの動作を再度実行する。ステップS14を実行後ステップS11からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置1は、室内空間で発生する事象が所定の条件を満たしている間であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルムを不透明にすることになる。
【0060】
一方、ステップS13において、室内センサ13によって検知された事象が所定の条件を満たさないと判断された場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値にする(ステップS15)。
【0061】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを半透明にする。
【0062】
ステップS15を実行後、空間仕切装置1はステップS11からの動作を再度実行する。
【0063】
以上で、空間仕切装置1の動作の説明を終了する。
【0064】
次に、図5を参照して空間仕切装置1の動作例について説明する。なお、図5において、遮光部11は液晶フィルムによって構成され、室内センサ13は接触センサによって構成されているものとする。
【0065】
図5(a)は、室内の人間が窓ガラス10を手で触っている場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(a)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触を検知しているので(ステップS13でYes)、遮光部11を透明に変化させる(ステップS14)。
【0066】
図5(b)は、この図5(a)の状態から、室外空間の所定範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(b)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたので(ステップS11でYes)、室内センサ13によって接触が検知されていても、遮光部11を不透明に変化させる(ステップS12)。
【0067】
図5(b)の状態から、室外空間の所定範囲から人体が退出後の空間仕切装置1の動作状態は、再び図5(a)の状態に戻る。すなわち、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されなくなり(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触を検知しているので(ステップS13でYes)、遮光部11を透明に変化させる(ステップS14)。
【0068】
図5(c)は、図5(a)の状態から、室内の人間が窓ガラス10から手を離した場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(c)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触が検知されないので(ステップS13でNo)、遮光部11を半透明に変化させる。
【0069】
以上で、空間仕切装置1の動作例の説明を終了する。
【0070】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
【0071】
本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置は、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置において、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる。
【0072】
その理由は、室外センサによって人体を検知した場合には、室内センサによる検知状況に係わらず遮光部の通過光量を小さくすることにより、室外空間から室内空間への視線遮蔽度を高めるからである。また、室外センサによって人体を検知しない場合には、人体の行動に関連して発生する事象が所定の条件を満たすときに遮光部の通過光量を大きくするためである。これにより、室内空間にいる利用者が眺望性を要求する状況にある場合に、室内空間から室外空間への眺望性を確保することができるからである。
【0073】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成要素および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0074】
まず、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2の機能ブロック構成を図6に示す。図6において、空間仕切装置2は、液晶フィルム21と、室外センサ12と、接触センサ23と、音センサ25と、遮光制御部24とを備えている。
【0075】
ここで、液晶フィルム21は、本発明の遮光部の一実施形態を構成している。また、接触センサ23および音センサ25は、本発明の室内センサの一実施形態を構成している。
【0076】
空間仕切装置2の設置例について説明する。空間仕切装置2は、一例として、本発明の第1の実施の形態と同様に図2における壁93の開口部に設置される。空間仕切装置2の図2におけるA−A断面図を図7に示す。図7において、液晶フィルム21は、窓ガラス10の全面または一部の領域を覆うように備えられている。また、接触センサ23、音センサ25および遮光制御部24は、窓ガラス10に対して室内空間側に設置されている。
【0077】
図6〜図7を参照して、空間仕切装置2の構成について説明する。
【0078】
液晶フィルム21は、本発明の第1の実施の形態における遮光部11の一例として説明した液晶フィルムと同様に、印可電圧に応じて透過率を変化させるものである。
【0079】
また、液晶フィルム21は、印可電圧に応じて、半透明、透明、不透明と変化する。すなわち、液晶フィルム21は、透過率が所定の通常値のとき半透明となり、透過率が通常値より大きい所定値以上のとき透明となり、透過率が通常値より小さい所定値以下のとき不透明となる。
【0080】
接触センサ23は、窓ガラス10に対する室内空間側からの触圧を検出する。例えば、接触センサ23は、透明電導性フィルムによって構成され、窓ガラス10の室内空間側の表面に貼り付けられることにより触圧を検出する。
【0081】
音センサ25は、室内空間で発生する音声を検知する。例えば、音センサ25はマイクおよび信号処理回路によって構成される。
【0082】
遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、印可電圧を変化させて液晶フィルム21を不透明にする。
【0083】
また、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されず、接触センサ23によって検出される触圧が閾値より大きい間、印可電圧を変化させて液晶フィルム21を透明にする。
【0084】
ここで、触圧の閾値としては、例えば、窓ガラス10が手で触れられていることを判断可能な値(例えば、20g/平方cm等)が設定されていることが望ましい。
【0085】
また、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されず、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下の場合でも、音センサ25によって開始音が検出されると、液晶フィルム21を透明にする。
【0086】
具体的には、遮光制御部24は、音声解析技術を用いて、あらかじめ記憶した所定の開始音と、音センサ25によって検出された音声とを比較することにより、開始音が検出されたか否かを判断するようにしてもよい。音声解析技術としては、例えば、オープンソースの連続音声認識エンジンJulius(http://julius.sourceforge.jp/)等を用いればよい。
【0087】
また、遮光制御部24は、開始音が検出されて液晶フィルム21を透明にした時点から所定期間経過すると、液晶フィルム21を透明な状態から解除する。すなわち、遮光制御部24は、液晶フィルム21の透過率を通常値以下にする。
【0088】
具体的には、遮光制御部24は、開始音が検出されて液晶フィルム21を透明にする際に計時を開始し、所定期間経過すると計時を終了するようにする。
【0089】
また、遮光制御部24は、計時中に音センサ25によって終了音が検出されると、計時を終了し、液晶フィルム21を透明な状態から解除する。
【0090】
また、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明な状態から解除するとき、室外センサ12によって人体が検知されていれば液晶フィルム21を不透明にし、人体が検知されていなければ液晶フィルム21を半透明にする。
【0091】
また、遮光制御部24は、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25による検知のいずれも無い場合は、液晶フィルム21を半透明にする。
【0092】
以上のように構成された空間仕切装置2の動作について、図8を参照して説明する。
【0093】
まず、遮光制御部24は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたか否かを判断する(ステップS21)。
【0094】
ここで、所定範囲に人体が検知されたと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を不透明にする(ステップS22)。
【0095】
一方、ステップS21で、室外センサ12によって人体が検知されていない場合、遮光制御部24は、接触センサ23からの検出信号に基づいて、窓ガラス10に対する室内空間側からの触圧が閾値より大きいか否かを判断する(ステップS23)。
【0096】
ここで、窓ガラス10に対する触圧が閾値より大きいと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。
【0097】
ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。ステップS24実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、窓ガラス10に対する触圧が閾値より大きい間であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0098】
一方、ステップS23において、窓ガラス10に対する触圧が閾値以下であると判断された場合、遮光制御部24は、音センサ25によって室内空間における音声が検出されたか否かを判断する(ステップS25)。
【0099】
ここで、音センサ25によって音声が検出されたと判断した場合、遮光制御部24は、検出された音声が、所定の開始音であるか否かを判断する(ステップS26)。
【0100】
ここで、検出された音声が所定の開始音であると判断した場合、遮光制御部24は、計時を開始する(ステップS27)。そして、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。
【0101】
ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。ステップS24実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、開始音の検出後であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0102】
一方、ステップS26で、検出された音声が所定の開始音でないと判断した場合、遮光制御部24は、検出された音声が、所定の終了音であるか否かを判断する(ステップS28)。
【0103】
ここで、検出された音声が所定の終了音であると判断した場合、遮光制御部24は、計時中であれば計時を終了する(ステップS31)。そして、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返す。
【0104】
ステップS31を実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、液晶フィルム21を透明にした後に終了音を検出したとき、室外に人体を検知しなければ液晶フィルム21を半透明に戻し、室外に人体を検知すれば液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0105】
一方、ステップS28で、検出された音声が所定の終了音でないと判断した場合、遮光制御部24は、既に計時を開始しており計時中であるか否かを判断する(ステップS29)。
【0106】
ここで、計時中であると判断した場合、遮光制御部24は、計時開始から所定期間経過したか否かを判断する(ステップS30)。
【0107】
ここで、所定期間経過したと判断した場合、遮光制御部24は、計時を終了する(ステップS31)。そして、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返す。
【0108】
ステップS31を実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、液晶フィルム21を透明にしてから所定期間経過したときに、室外に人体を検知しなければ液晶フィルム21を半透明に戻し、室外に人体を検知すれば液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0109】
一方、ステップS30で、所定期間経過していないと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明のままにする(ステップS24)。
【0110】
そして、ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。
【0111】
また、ステップS29で計時中でないと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を半透明にする(ステップS32)。
【0112】
ステップS32を実行後、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返し実行する。
【0113】
以上で、空間仕切装置2の動作の説明を終了する。
【0114】
次に、図9を参照し、空間仕切装置2が室内空間で発生する音声を検出した場合の動作例について説明する。なお、空間仕切装置2が窓ガラス10に対する接触を検出した場合の動作例については、図5を用いて説明した本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置1の動作例と同様であるため本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0115】
図9(a)は、室内空間にいる人間が、手を1回叩く等の開始音を発生した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。図9において、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されておらず(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、音センサ25によって開始音が検出されたので(ステップS26でYes)、液晶フィルム21を透明に変化させる(ステップS24)。このとき、遮光制御部24は、計時を開始する(ステップS27)。
【0116】
図9(b)は、図9(a)の状態から、室外センサ12の検知範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す図である。図9(b)において、遮光制御部24は、室外の所定範囲aに人体を検知するので(ステップS21でYes)、液晶フィルム21を不透明に変化させる(ステップS22)。
【0117】
図9(c)は、図9(b)の状態から、室外センサ12の検知範囲から人体が退出した後の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。すなわち、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されなくなり(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、音センサ25によって音声が検出されないので(ステップS25でNo)、ステップS29に進む。そして、遮光制御部24は、計時中であり(ステップS29でYes)、所定期間経過していないので(ステップS30でNo)、液晶フィルム21を再度透明にする(ステップS24)。
【0118】
図9(d)は、図9(c)の状態から、室内空間にいる人間が手を2回叩く等の終了音を発生した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。図9(d)において、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されておらず(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、終了音を検出したので(ステップS28でYes)、計時を終了する(ステップS31)。このとき、室外センサ12によって人体が検知されていないので(ステップS21でNo)、遮光制御部24は、液晶フィルム21を半透明に変化させる(ステップS32)。
【0119】
また、図9(c)の状態から、所定期間が経過した場合の空間仕切装置2の動作状態も図9(d)に示したものと同様になる。すなわち、遮光制御部24は、計時中であり(ステップS29でYes)、所定期間が経過したので(ステップS30でYes)、計時を終了し(ステップS31)、液晶フィルム21を半透明に変化させる(ステップS32)。
【0120】
以上で、空間仕切装置2の動作例の説明を終了する。
【0121】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
【0122】
本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置は、プライバシー保護性能を向上させながら利用者の状況に則した眺望性を確保する空間仕切装置の操作性を向上することができる。
【0123】
その理由は、室外センサによって人体を検知しない場合には、窓ガラスに触圧を加えている間だけ液晶フィルムを透明にして眺望性を提供するので、利用者は、眺望性を必要とするときに窓ガラスに触れるだけでよいからである。
【0124】
さらに、所定の開始音を検出するだけで液晶フィルムを透明にして眺望性を提供することができ、利用者は、窓ガラスに近寄って触圧を与え続けなくても自由に眺望性を操作することができるからである。
【0125】
さらなる理由は、液晶フィルムを透明にした後、利用者が終了音を発生させるのを忘れた場合等のように所定の終了音を検出できない場合であっても、所定の期間経過後に液晶フィルムを透明な状態から解除するので、操作性の向上と共にプライバシー保護性能を保つことができるからである。
【0126】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第2の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0127】
まず、本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置3の機能ブロック構成を図10に示す。図10において、空間仕切装置3は、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2に対して、遮光制御部24に替えて遮光制御部34を備え、さらに、安否センサ36を備える点が異なる。
【0128】
空間仕切装置3の設置例について説明する。空間仕切装置3は、一例として本発明の第1の実施の形態と同様に図2における壁93の開口部に設置される。空間仕切装置3の図2におけるA−A断面図を図11に示す。図11において、遮光制御部34は、本発明の第2の実施の形態における遮光制御部24と同様に窓ガラス10の上端の室内側に設置されている。また、安否センサ36は、天井91に設けられた支持体に吊持されている。
【0129】
図10〜図11を参照して、空間仕切装置3の構成について説明する。
【0130】
安否センサ36は、室内空間にいる人体の安否を確認するための情報を検出するセンサと、例えば、ZigBee(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth、または特定小電力無線等を用いた無線通信モジュールとによって構成される。
【0131】
ここで、人体の安否を確認するための情報とは、例えば、室内空間における人体の動きを表す情報であってもよい。
【0132】
この場合、安否センサ36は、物体から放射される赤外線の変化に基づいて人体の動きを検出するセンサを含む。また、安否センサ36は、赤外線の変化に基づいて人体の動きがあったと判断すると、無線通信モジュールを介して検出信号を送信する。
【0133】
あるいは、人体の安否を確認するための情報とは、例えば、家電の使用状況を表す情報や、ドアの開閉状況を表す情報等であってもよい。また、人体の安否を確認するための情報とは、上述の各種情報の組み合わせであってもよい。
【0134】
遮光制御部34を構成するマイクロコンピュータは、本発明の第1および第2の実施の形態における遮光制御部14および24を構成するマイクロコンピュータと同一の構成に加えて、さらに、安否センサ36の無線通信モジュールと通信可能な無線通信モジュールを備えている。
【0135】
また、遮光制御部34は、本発明の第2の実施の形態における遮光制御部24と同様に構成されるのに加えて、上述の無線通信モジュールを介して、安否センサ36からの検出信号を取得する。
【0136】
遮光制御部34は、安否センサ36からの検出信号が、人体が安全であることを表す所定の条件を満たさない場合に、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25による検知の有無に係わらず、液晶フィルム21を透明にする。
【0137】
例えば、安否センサ36が室内空間における人体の動きを検出する場合、遮光制御部34は、人体の動きが所定の期間検出されない場合に、液晶フィルム21を透明にする。
【0138】
以上のように構成された空間仕切装置3の動作について、図12を参照して説明する。
【0139】
まず、遮光制御部34は、安否センサ36から取得した検出信号が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS41)。
【0140】
ここで、安否センサ36の検出信号が所定の条件を満たさないと判断した場合、遮光制御部34は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。そして、空間仕切装置3は、ステップS41からの動作を繰り返し実行する。
【0141】
一方、安否センサ36の検出信号が所定の条件を満たすと判断した場合、空間仕切装置3は、ステップS21〜ステップS32まで、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2と同様に動作することにより、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25からの各検出信号に基づいて、液晶フィルム21を透明、不透明、または半透明に変化させる。そして、空間仕切装置3は、ステップS41からの動作を繰り返し実行する。
【0142】
以上で、空間仕切装置3の動作の説明を終了する。
【0143】
次に、図13を参照して、空間仕切装置3が安否センサ36の検出信号に基づいて動作する例について説明する。なお、ここでは、安否センサ36は、室内空間における人体の動きを検出するものとして説明を行う。
【0144】
図13(a)は、室内空間にいる人間が倒れて動けなくなっている場合の空間仕切装置3の動作状態を示す模式図である。図13(a)において、遮光制御部34は、安否センサ36によって所定の期間(例えば30分等)人体の動きが検知されていないため(ステップS41でNo)、液晶フィルム21を透明に変化させる(ステップS24)。
【0145】
図13(b)は、図13(a)の状態から、室外センサ12の検知範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置3の動作状態を示す図である。図13(b)において、遮光制御部34は、依然として、安否センサ36によって人体の動きが検知されていないため(ステップS41でNo)、室外センサ12によって人体が検知されたことに係わらず、液晶フィルム21を透明のままとしている(ステップS24)。これにより、室外を通行した人間に、室内空間にいる人間が倒れていることを視認させることが可能となる。
【0146】
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について説明する。
【0147】
本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置は、プライバシー保護性能を向上させ利用者の状況に則した眺望性を確保しながら、さらに室内にいる利用者に対する安否確認を支援することができる。
【0148】
その理由は、室内に備えた安否センサからの検出信号に基づいて、室内にいる人体の安全が確認できない場合には、室外センサおよび室内センサによる検出内容に係わらず、遮光部の通過光量を通常値より大きくして室外から室内を視認可能にするからである。
【0149】
なお、上述の各実施の形態において、空間仕切装置が、図2に示したように天井、床および壁を有する室内空間において壁の開口部に設置される例について説明した。しかしながら、本発明における空間仕切装置は、空間を間仕切りする間仕切り構造に適用されてもよい。この場合、本発明の空間仕切装置が適用される間仕切り構造は、壁の開口部に設置されていなくてもよく、例えば、移動可能な間仕切り用パネル等であってもよい。
【0150】
また、上述の各実施の形態において、本発明の遮光部として主に液晶フィルムを適用した例について説明しているが、液晶を用いて透過率を調節可能な他の液晶モジュールを適用してもよい。
【0151】
また、各実施の形態における遮光部として、室内空間および室外空間との間の通過光量を調節可能なものであれば、液晶モジュール以外の他の採光部材や透光部材を適用可能である。
【0152】
また、例えばブラインド等のように、通過光量を調節する調節機構を有する部材を遮光部に適用する場合、本発明の遮光制御部は、調節機構に制御信号を送ることにより遮光部の通過光量を制御するようにする。
【0153】
また、各実施の形態において室内センサとして接触センサおよび音センサを適用した例について説明しているが、各実施の形態における室内センサとして、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出するその他のセンサを適用してもよい。
【0154】
また、各実施の形態における室外センサ、室内センサおよび安否センサは、それぞれ1種類のセンサで構成してもよいし、複数種類のセンサの組み合わせによって構成してもよい。
【0155】
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明した空間仕切装置の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとして遮光制御部の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPUが読み出して実行するようにしてもよい。このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【0156】
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
【0157】
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。
【0158】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、
前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、
前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、
を備えた空間仕切装置。
(付記2)
前記遮光部は、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであり、
前記遮光制御部は、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする付記1に記載の空間仕切装置。
(付記3)
前記室内センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの接触を検出する接触センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって前記透明仕切部材に対する接触が検出されている間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記2に記載の空間仕切装置。
(付記4)
前記接触センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの触圧を検出し、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって検出される触圧が閾値より大きい間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記3に記載の空間仕切装置。
(付記5)
前記室内センサは、前記室内空間で発生する音声を検出する音センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記音センサによって検出された音声が所定の開始音である場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の空間仕切装置。
(付記6)
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした後に、前記音センサによって所定の終了音が検出された場合に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記5に記載の空間仕切装置。
(付記7)
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした時点から所定期間経過後に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記5または付記6に記載の空間仕切装置。
(付記8)
前記室内空間における人体の安否を確認するための情報を検出する安否センサをさらに備え、
前記遮光制御部は、前記安否センサによって検出される情報が、前記室内空間における人体の安全を表す所定の条件を満たさない場合、前記室外センサによる検知の有無および前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする付記1から付記7のいずれかに記載の空間仕切装置。
(付記9)
前記安否センサは、前記室内空間における人体の動きを検出するセンサを含み、
前記遮光制御部は、前記室内空間における人体の動きが所定期間検出されない場合、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする付記8に記載の空間仕切装置。
(付記10)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する、空間仕切方法。
(付記11)
前記遮光部として、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールを用いて、
前記遮光部を制御する際に、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする付記10に記載の空間仕切方法。
(付記12)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部を、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて制御するコンピュータ装置に、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御する室外センサ検知ステップと、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する室内センサ検出ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記13)
前記遮光部が、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであるとき、
前記室外センサ検知ステップにおいて、前記遮光部の透過率を前記通常値より少なくするよう前記遮光部に対する印可電圧を変化させ、
前記室内センサ検出ステップにおいて、前記遮光部の透過率を前記通常値より多くするよう前記遮光部に対する印可電圧を変化させることを特徴とする付記12に記載のコンピュータ・プログラム。
【符号の説明】
【0159】
1、2、3 空間仕切装置
10 窓ガラス
11 遮光部
12 室外センサ
13 室内センサ
14、24、34 遮光制御部
21 液晶フィルム
23 接触センサ
25 音センサ
36 安否センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置に関し、特に、通過光量を調節可能な空間仕切装置、空間仕切方法およびコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置として、通過光量を調節可能な空間仕切装置が知られている。
【0003】
このような空間仕切装置としては、車両内の空間と車両外の空間とを仕切る車両の窓ガラスに液晶を挟持し、車両電源がオフにされると液晶に電圧を印可して透過率を低下させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、このような他の空間仕切装置としては、車両の窓ガラスからの入射光量を調整する遮光手段を有し、照度センサによって検出される照度と、車両に対する太陽の位置情報とに基づいて、遮光手段の入射光量を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、このような他の空間仕切装置としては、複層ガラスの中空部にブラインドを配置し、このブラインドのルーバーの角度を調整するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
この特許文献3に記載された空間仕切装置は、ルーバーの一方の面に太陽電池セルを備え、他方の面に採光面を備え、室内の照度および太陽電池セルの発電量が最適となるようルーバー角度を調整する。
【0007】
また、このような他の空間仕切装置としては、建物の開口部を閉鎖するシャッターカーテンを有し、日射情報や外気温情報といった屋外環境情報に基づいて、シャッタカーテンのスラット角度を調整するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
また、このような他の空間仕切装置としては、車両の窓から車両内への入射光の透過率を変更して車両内を不可視化する不可視化手段を備え、車両から一定の範囲に侵入する物体を検出すると、不可視化手段の透過率を低下させるものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
また、このような他の空間仕切装置としては、液晶遮蔽部材を窓ガラスの表面を覆う形で設け、センサによって人体を感知すると、液晶遮蔽部材を不透明化し、人体を感知しないと液晶遮蔽部材を透明化するものがある(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平6−87016号公報
【特許文献2】特開2005−349929号公報
【特許文献3】特開2007−231613号公報
【特許文献4】特開2007−277833号公報
【特許文献5】特開2009−143296号公報
【特許文献6】特開平8−260846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1〜4に記載された空間仕切装置は、室内の照度や室温等の室内環境を最適にするために通過光量を調節している。このため、これらの空間仕切装置は、室外に人が存在する場合等のように、プライバシー保護が必要とされるシーンでも通過光量を多くする場合があり、プライバシー保護性能が低い。さらに、室内環境を快適にするために通過光量を少なくした場合、室内から室外への眺望性が悪くなるという課題があった。
【0012】
また、特許文献5〜6に記載された空間仕切装置は、室外の所定範囲に物体や人体を感知しないときは入射光の透過率を高くする。すなわち、室外の所定範囲に物体や人体を感知しない場合には常に眺望性が良いことになる。しかしながら、室内に存在する利用者は、集中力を高めたい場合や入眠したい場合等のように、眺望性を望まない場合もある。このため、これらの空間仕切装置は、利用者が眺望性を望まない場合にも眺望性を良くしてしまい、利用者の状況に則した眺望性を確保することができないという課題があった。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置において、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる空間仕切装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の空間仕切装置は、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、を備える。
【0015】
本発明の空間仕切方法は、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する。
【0016】
本発明のコンピュータ・プログラムは、室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部を、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて制御するコンピュータ装置に、前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御する室外センサ検知ステップと、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する室内センサ検出ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる空間仕切装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の設置例を示す図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の設置例の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の機能ブロック構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の設置例の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置の動作状態の一例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置1の機能ブロック構成を図1に示す。図1において、空間仕切装置1は、遮光部11と、室外センサ12と、室内センサ13と、遮光制御部14とを含んでいる。
【0021】
次に、空間仕切装置1の設置例を図2に示す。図2において、空間仕切装置1は、天井91、床92および壁93を有する室内空間と、その室外空間との境界に備えられている。すなわち、空間仕切装置1は、室内空間と室外空間との境界となっている壁93の開口部内に設置されている。図2の設置例におけるA−A断面図を図3に示す。
【0022】
図3において、壁93の開口部には、窓ガラス10が設けられている。また、遮光部11は、窓ガラス10の全面または一部の領域を覆うように備えられている。また、室外センサ12は、窓ガラス10に対して室外側に設置されている。また室内センサ13および遮光制御部14は、窓ガラス10に対して室内側に設置されている。なお、窓ガラス10は本発明における透明仕切部材の一実施形態を構成している。
【0023】
図1〜図3を参照して、空間仕切装置1の構成について説明する。
【0024】
遮光部11は、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能である。
【0025】
例えば、遮光部11は、印可電圧に応じて透過率を変化させることにより通過光量を調整可能な液晶フィルムによって構成されていてもよい。この場合、遮光部11は、印可電圧に応じて、半透明、透明、不透明と変化する。すなわち、遮光部11は、透過率が所定の通常値のとき半透明となり、透過率が通常値より大きい所定値以上のとき透明となり、透過率が通常値より小さい所定値以下のとき不透明となる。
【0026】
また、この場合、遮光部11は、窓ガラス10を合わせガラスとして構成することにより、合わせガラスに挟持されていてもよい。あるいは、遮光部11は、窓ガラス10の表面に貼り付けられていてもよい。
【0027】
あるいは、遮光部11は、角度調節可能な複数のルーバーを有するブラインドによって構成されていてもよい。この場合、遮光部11は、ルーバーの角度を調節する調節機構を有し、調節機構に入力される制御信号に応じて、通過光量が所定の通常値より大きい開状態、通過光量が通常値の通常状態、通過光量が通常値より少ない閉状態と変化する。
【0028】
また、この場合、遮光部11は、窓ガラス10を複層ガラスとして構成することにより、複層ガラスの中空部に内蔵されていてもよい。あるいは、遮光部11は、壁93の開口部の上辺に取り付けられた支持体から吊持されていてもよい。
【0029】
このように、遮光部11は、液晶フィルムやブラインドに限らず、室内空間と室外空間との間での通過光量を調節可能な採光部材や透光部材によって構成可能である。
【0030】
また、遮光部11は、窓ガラス10のほぼ全ての領域を覆っていてもよいし、一部の領域を覆っていてもよい。なお、遮光部11は、窓ガラス10の一部の領域を覆う場合、室外空間からの視線が向けられる領域と、室内空間からの視線が向けられる領域とを覆うように備えられることが望ましい。
【0031】
また、遮光部11は、窓ガラス10に限らず、その他の透明仕切部材に備えられていてもよい。
【0032】
また、遮光部11は、窓ガラス10が無い状態で、室内空間および室外空間の境界である壁93の開口部内に配置されていてもよい。
【0033】
室外センサ12は、室外空間の所定範囲にある人体を検知する。例えば、室外センサ12は、赤外線検出素子および信号処理回路を含んで構成されていてもよい。この場合、室外センサ12は、検知範囲内の物体から放射される赤外線の変化が人体によるものであると判断したときに検出信号を出力する。
【0034】
あるいは、室外センサ12は、カメラおよび信号処理回路を含んで構成されていてもよい。この場合、室外センサ12は、カメラによって検知範囲を撮像し、画像解析により撮像画像内に人体を認識したと判断したときに検出信号を出力する。
【0035】
また、図3の例では、室外センサ12は、室外空間の所定範囲aを検知範囲とするよう、窓ガラス10の上端部の室外側に設置されている。また、室外センサ12の検知範囲は、室外空間において、窓ガラス10を介して室内空間を視認可能な範囲に設定されていることが望ましい。なお、室外センサ12は、室外空間の所定範囲を検知範囲とする場所であれば、その他の場所に設置されていてもよい。
【0036】
室内センサ13は、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する。例えば、室内センサ13は、窓ガラス10に対する室内空間からの接触を検出する接触センサによって構成されていてもよい。
【0037】
この場合、室内センサ13は、透明電導性フィルムを用いて構成され、窓ガラス10の室内空間側の表面に貼り付けられていてもよい。窓ガラス10に貼り付けられた室内センサ13は、窓ガラス10に対する接触が有ると検出信号を出力する。
【0038】
また、この場合、室内センサ13は、窓ガラス10のほぼ全ての領域を覆うように窓ガラス10に貼り付けられていてもよいし、一部の領域を覆うように貼り付けられていてもよい。なお、このとき、室内センサ13が窓ガラス10を覆う領域は、遮光部11が窓ガラス10を覆う領域とほぼ同一であることが望ましい。
【0039】
あるいは、室内センサ13は、室内空間にいる人体の視線が窓ガラス10に向いたことを検出する装着型の視線センサであってもよく、その他、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出するセンサであればよい。
【0040】
遮光制御部14は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、接続インタフェースモジュールとを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。遮光制御部14は、接続インタフェースモジュールを介して、遮光部11、室外センサ12および室内センサ13に接続されている。また、遮光制御部14は、ROMに記憶されたコンピュータ・プログラムをCPUがRAMに読み込んで実行することにより動作する。
【0041】
また、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を調整するよう遮光部11を制御する。
【0042】
具体的には、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、遮光部11の通過光量を通常値より小さくする。このとき、遮光制御部14は、室内センサ13による検出内容に係わらず、室外センサ12によって人体が検知されれば遮光部11の通過光量を通常値より小さくする。
【0043】
また、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって検出される事象が所定の状況を満たす場合、遮光部11の透過率を通常値より大きくする。
【0044】
つまり、遮光制御部14は、室内センサ13により所定の条件を満たす事象が検出されている間であっても、室外センサ12により室外空間の所定範囲に人体が検知された場合は、遮光部11の通過光量を通常値より大きくする。
【0045】
また、遮光制御部14は、室外センサ12による検知がなく、室内センサ13による検出内容が所定の条件を満たさない場合は、遮光部11の通過光量を通常値にする。
【0046】
例えば、遮光部11が液晶フィルムによって構成され、室内センサ13が接触センサによって構成される場合について説明する。
【0047】
この場合、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを不透明にする。
【0048】
また、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず、室内センサ13によって窓ガラス10に対する室内空間側からの接触が検出されている間、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを透明にする。
【0049】
また、遮光制御部14は、室外センサ12による人体の検知および室内センサ13による接触の検知のいずれも無い場合は、遮光部11を構成する液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを半透明にする。
【0050】
以上のように構成された空間仕切装置1の動作について図4を用いて説明する。
【0051】
まず、遮光制御部14は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたか否かを判断する(ステップS11)。
【0052】
ここで、所定範囲に人体が検知されたと判断した場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値より小さくする(ステップS12)。
【0053】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを不透明にする。
【0054】
ステップS12を実行後、空間仕切装置1はステップS11からの動作を再度実行する。
【0055】
一方、ステップS11において、所定範囲に人体が検知されなかったと判断した場合、遮光制御部14は、室内センサ13によって検出される室内空間の事象が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS13)。
【0056】
例えば、遮光制御部14は、室内センサ13を構成する接触センサによって窓ガラス10に対する室内空間側からの接触が検知されたか否かを判断する。
【0057】
ここで、室内センサ13によって検出された事象が所定の条件を満たすと判断した場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値より大きくする(ステップS14)。
【0058】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを透明にする。
【0059】
ステップS14を実行後、空間仕切装置1は、ステップS11からの動作を再度実行する。ステップS14を実行後ステップS11からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置1は、室内空間で発生する事象が所定の条件を満たしている間であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルムを不透明にすることになる。
【0060】
一方、ステップS13において、室内センサ13によって検知された事象が所定の条件を満たさないと判断された場合、遮光制御部14は、遮光部11の通過光量を通常値にする(ステップS15)。
【0061】
例えば、遮光部11が液晶フィルムで構成される場合、遮光制御部14は、液晶フィルムに対する印可電圧を変化させることにより、液晶フィルムを半透明にする。
【0062】
ステップS15を実行後、空間仕切装置1はステップS11からの動作を再度実行する。
【0063】
以上で、空間仕切装置1の動作の説明を終了する。
【0064】
次に、図5を参照して空間仕切装置1の動作例について説明する。なお、図5において、遮光部11は液晶フィルムによって構成され、室内センサ13は接触センサによって構成されているものとする。
【0065】
図5(a)は、室内の人間が窓ガラス10を手で触っている場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(a)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触を検知しているので(ステップS13でYes)、遮光部11を透明に変化させる(ステップS14)。
【0066】
図5(b)は、この図5(a)の状態から、室外空間の所定範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(b)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたので(ステップS11でYes)、室内センサ13によって接触が検知されていても、遮光部11を不透明に変化させる(ステップS12)。
【0067】
図5(b)の状態から、室外空間の所定範囲から人体が退出後の空間仕切装置1の動作状態は、再び図5(a)の状態に戻る。すなわち、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されなくなり(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触を検知しているので(ステップS13でYes)、遮光部11を透明に変化させる(ステップS14)。
【0068】
図5(c)は、図5(a)の状態から、室内の人間が窓ガラス10から手を離した場合の空間仕切装置1の動作状態を示す模式図である。図5(c)において、遮光制御部14は、室外センサ12によって人体が検知されず(ステップS11でNo)、室内センサ13によって窓ガラス10に対する接触が検知されないので(ステップS13でNo)、遮光部11を半透明に変化させる。
【0069】
以上で、空間仕切装置1の動作例の説明を終了する。
【0070】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
【0071】
本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置は、室内空間と室外空間とを仕切る空間仕切装置において、プライバシー保護性能を向上させながらも利用者の状況に則した眺望性を確保することができる。
【0072】
その理由は、室外センサによって人体を検知した場合には、室内センサによる検知状況に係わらず遮光部の通過光量を小さくすることにより、室外空間から室内空間への視線遮蔽度を高めるからである。また、室外センサによって人体を検知しない場合には、人体の行動に関連して発生する事象が所定の条件を満たすときに遮光部の通過光量を大きくするためである。これにより、室内空間にいる利用者が眺望性を要求する状況にある場合に、室内空間から室外空間への眺望性を確保することができるからである。
【0073】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明で参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成要素および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0074】
まず、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2の機能ブロック構成を図6に示す。図6において、空間仕切装置2は、液晶フィルム21と、室外センサ12と、接触センサ23と、音センサ25と、遮光制御部24とを備えている。
【0075】
ここで、液晶フィルム21は、本発明の遮光部の一実施形態を構成している。また、接触センサ23および音センサ25は、本発明の室内センサの一実施形態を構成している。
【0076】
空間仕切装置2の設置例について説明する。空間仕切装置2は、一例として、本発明の第1の実施の形態と同様に図2における壁93の開口部に設置される。空間仕切装置2の図2におけるA−A断面図を図7に示す。図7において、液晶フィルム21は、窓ガラス10の全面または一部の領域を覆うように備えられている。また、接触センサ23、音センサ25および遮光制御部24は、窓ガラス10に対して室内空間側に設置されている。
【0077】
図6〜図7を参照して、空間仕切装置2の構成について説明する。
【0078】
液晶フィルム21は、本発明の第1の実施の形態における遮光部11の一例として説明した液晶フィルムと同様に、印可電圧に応じて透過率を変化させるものである。
【0079】
また、液晶フィルム21は、印可電圧に応じて、半透明、透明、不透明と変化する。すなわち、液晶フィルム21は、透過率が所定の通常値のとき半透明となり、透過率が通常値より大きい所定値以上のとき透明となり、透過率が通常値より小さい所定値以下のとき不透明となる。
【0080】
接触センサ23は、窓ガラス10に対する室内空間側からの触圧を検出する。例えば、接触センサ23は、透明電導性フィルムによって構成され、窓ガラス10の室内空間側の表面に貼り付けられることにより触圧を検出する。
【0081】
音センサ25は、室内空間で発生する音声を検知する。例えば、音センサ25はマイクおよび信号処理回路によって構成される。
【0082】
遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知された場合に、印可電圧を変化させて液晶フィルム21を不透明にする。
【0083】
また、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されず、接触センサ23によって検出される触圧が閾値より大きい間、印可電圧を変化させて液晶フィルム21を透明にする。
【0084】
ここで、触圧の閾値としては、例えば、窓ガラス10が手で触れられていることを判断可能な値(例えば、20g/平方cm等)が設定されていることが望ましい。
【0085】
また、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されず、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下の場合でも、音センサ25によって開始音が検出されると、液晶フィルム21を透明にする。
【0086】
具体的には、遮光制御部24は、音声解析技術を用いて、あらかじめ記憶した所定の開始音と、音センサ25によって検出された音声とを比較することにより、開始音が検出されたか否かを判断するようにしてもよい。音声解析技術としては、例えば、オープンソースの連続音声認識エンジンJulius(http://julius.sourceforge.jp/)等を用いればよい。
【0087】
また、遮光制御部24は、開始音が検出されて液晶フィルム21を透明にした時点から所定期間経過すると、液晶フィルム21を透明な状態から解除する。すなわち、遮光制御部24は、液晶フィルム21の透過率を通常値以下にする。
【0088】
具体的には、遮光制御部24は、開始音が検出されて液晶フィルム21を透明にする際に計時を開始し、所定期間経過すると計時を終了するようにする。
【0089】
また、遮光制御部24は、計時中に音センサ25によって終了音が検出されると、計時を終了し、液晶フィルム21を透明な状態から解除する。
【0090】
また、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明な状態から解除するとき、室外センサ12によって人体が検知されていれば液晶フィルム21を不透明にし、人体が検知されていなければ液晶フィルム21を半透明にする。
【0091】
また、遮光制御部24は、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25による検知のいずれも無い場合は、液晶フィルム21を半透明にする。
【0092】
以上のように構成された空間仕切装置2の動作について、図8を参照して説明する。
【0093】
まず、遮光制御部24は、室外センサ12によって所定範囲に人体が検知されたか否かを判断する(ステップS21)。
【0094】
ここで、所定範囲に人体が検知されたと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を不透明にする(ステップS22)。
【0095】
一方、ステップS21で、室外センサ12によって人体が検知されていない場合、遮光制御部24は、接触センサ23からの検出信号に基づいて、窓ガラス10に対する室内空間側からの触圧が閾値より大きいか否かを判断する(ステップS23)。
【0096】
ここで、窓ガラス10に対する触圧が閾値より大きいと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。
【0097】
ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。ステップS24実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、窓ガラス10に対する触圧が閾値より大きい間であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0098】
一方、ステップS23において、窓ガラス10に対する触圧が閾値以下であると判断された場合、遮光制御部24は、音センサ25によって室内空間における音声が検出されたか否かを判断する(ステップS25)。
【0099】
ここで、音センサ25によって音声が検出されたと判断した場合、遮光制御部24は、検出された音声が、所定の開始音であるか否かを判断する(ステップS26)。
【0100】
ここで、検出された音声が所定の開始音であると判断した場合、遮光制御部24は、計時を開始する(ステップS27)。そして、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。
【0101】
ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。ステップS24実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、開始音の検出後であっても、室外センサ12によって人体が検知されれば、液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0102】
一方、ステップS26で、検出された音声が所定の開始音でないと判断した場合、遮光制御部24は、検出された音声が、所定の終了音であるか否かを判断する(ステップS28)。
【0103】
ここで、検出された音声が所定の終了音であると判断した場合、遮光制御部24は、計時中であれば計時を終了する(ステップS31)。そして、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返す。
【0104】
ステップS31を実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、液晶フィルム21を透明にした後に終了音を検出したとき、室外に人体を検知しなければ液晶フィルム21を半透明に戻し、室外に人体を検知すれば液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0105】
一方、ステップS28で、検出された音声が所定の終了音でないと判断した場合、遮光制御部24は、既に計時を開始しており計時中であるか否かを判断する(ステップS29)。
【0106】
ここで、計時中であると判断した場合、遮光制御部24は、計時開始から所定期間経過したか否かを判断する(ステップS30)。
【0107】
ここで、所定期間経過したと判断した場合、遮光制御部24は、計時を終了する(ステップS31)。そして、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返す。
【0108】
ステップS31を実行後にステップS21からの動作を繰り返すことにより、空間仕切装置2は、液晶フィルム21を透明にしてから所定期間経過したときに、室外に人体を検知しなければ液晶フィルム21を半透明に戻し、室外に人体を検知すれば液晶フィルム21を不透明にすることになる。
【0109】
一方、ステップS30で、所定期間経過していないと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を透明のままにする(ステップS24)。
【0110】
そして、ステップS24を実行後、空間仕切装置2はステップS21からの動作を繰り返す。
【0111】
また、ステップS29で計時中でないと判断した場合、遮光制御部24は、液晶フィルム21を半透明にする(ステップS32)。
【0112】
ステップS32を実行後、空間仕切装置2は、ステップS21からの動作を繰り返し実行する。
【0113】
以上で、空間仕切装置2の動作の説明を終了する。
【0114】
次に、図9を参照し、空間仕切装置2が室内空間で発生する音声を検出した場合の動作例について説明する。なお、空間仕切装置2が窓ガラス10に対する接触を検出した場合の動作例については、図5を用いて説明した本発明の第1の実施の形態としての空間仕切装置1の動作例と同様であるため本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0115】
図9(a)は、室内空間にいる人間が、手を1回叩く等の開始音を発生した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。図9において、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されておらず(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、音センサ25によって開始音が検出されたので(ステップS26でYes)、液晶フィルム21を透明に変化させる(ステップS24)。このとき、遮光制御部24は、計時を開始する(ステップS27)。
【0116】
図9(b)は、図9(a)の状態から、室外センサ12の検知範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す図である。図9(b)において、遮光制御部24は、室外の所定範囲aに人体を検知するので(ステップS21でYes)、液晶フィルム21を不透明に変化させる(ステップS22)。
【0117】
図9(c)は、図9(b)の状態から、室外センサ12の検知範囲から人体が退出した後の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。すなわち、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されなくなり(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、音センサ25によって音声が検出されないので(ステップS25でNo)、ステップS29に進む。そして、遮光制御部24は、計時中であり(ステップS29でYes)、所定期間経過していないので(ステップS30でNo)、液晶フィルム21を再度透明にする(ステップS24)。
【0118】
図9(d)は、図9(c)の状態から、室内空間にいる人間が手を2回叩く等の終了音を発生した場合の空間仕切装置2の動作状態を示す模式図である。図9(d)において、遮光制御部24は、室外センサ12によって人体が検知されておらず(ステップS21でNo)、接触センサ23によって検出される触圧が閾値以下であり(ステップS23でNo)、終了音を検出したので(ステップS28でYes)、計時を終了する(ステップS31)。このとき、室外センサ12によって人体が検知されていないので(ステップS21でNo)、遮光制御部24は、液晶フィルム21を半透明に変化させる(ステップS32)。
【0119】
また、図9(c)の状態から、所定期間が経過した場合の空間仕切装置2の動作状態も図9(d)に示したものと同様になる。すなわち、遮光制御部24は、計時中であり(ステップS29でYes)、所定期間が経過したので(ステップS30でYes)、計時を終了し(ステップS31)、液晶フィルム21を半透明に変化させる(ステップS32)。
【0120】
以上で、空間仕切装置2の動作例の説明を終了する。
【0121】
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
【0122】
本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置は、プライバシー保護性能を向上させながら利用者の状況に則した眺望性を確保する空間仕切装置の操作性を向上することができる。
【0123】
その理由は、室外センサによって人体を検知しない場合には、窓ガラスに触圧を加えている間だけ液晶フィルムを透明にして眺望性を提供するので、利用者は、眺望性を必要とするときに窓ガラスに触れるだけでよいからである。
【0124】
さらに、所定の開始音を検出するだけで液晶フィルムを透明にして眺望性を提供することができ、利用者は、窓ガラスに近寄って触圧を与え続けなくても自由に眺望性を操作することができるからである。
【0125】
さらなる理由は、液晶フィルムを透明にした後、利用者が終了音を発生させるのを忘れた場合等のように所定の終了音を検出できない場合であっても、所定の期間経過後に液晶フィルムを透明な状態から解除するので、操作性の向上と共にプライバシー保護性能を保つことができるからである。
【0126】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第2の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
【0127】
まず、本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置3の機能ブロック構成を図10に示す。図10において、空間仕切装置3は、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2に対して、遮光制御部24に替えて遮光制御部34を備え、さらに、安否センサ36を備える点が異なる。
【0128】
空間仕切装置3の設置例について説明する。空間仕切装置3は、一例として本発明の第1の実施の形態と同様に図2における壁93の開口部に設置される。空間仕切装置3の図2におけるA−A断面図を図11に示す。図11において、遮光制御部34は、本発明の第2の実施の形態における遮光制御部24と同様に窓ガラス10の上端の室内側に設置されている。また、安否センサ36は、天井91に設けられた支持体に吊持されている。
【0129】
図10〜図11を参照して、空間仕切装置3の構成について説明する。
【0130】
安否センサ36は、室内空間にいる人体の安否を確認するための情報を検出するセンサと、例えば、ZigBee(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth、または特定小電力無線等を用いた無線通信モジュールとによって構成される。
【0131】
ここで、人体の安否を確認するための情報とは、例えば、室内空間における人体の動きを表す情報であってもよい。
【0132】
この場合、安否センサ36は、物体から放射される赤外線の変化に基づいて人体の動きを検出するセンサを含む。また、安否センサ36は、赤外線の変化に基づいて人体の動きがあったと判断すると、無線通信モジュールを介して検出信号を送信する。
【0133】
あるいは、人体の安否を確認するための情報とは、例えば、家電の使用状況を表す情報や、ドアの開閉状況を表す情報等であってもよい。また、人体の安否を確認するための情報とは、上述の各種情報の組み合わせであってもよい。
【0134】
遮光制御部34を構成するマイクロコンピュータは、本発明の第1および第2の実施の形態における遮光制御部14および24を構成するマイクロコンピュータと同一の構成に加えて、さらに、安否センサ36の無線通信モジュールと通信可能な無線通信モジュールを備えている。
【0135】
また、遮光制御部34は、本発明の第2の実施の形態における遮光制御部24と同様に構成されるのに加えて、上述の無線通信モジュールを介して、安否センサ36からの検出信号を取得する。
【0136】
遮光制御部34は、安否センサ36からの検出信号が、人体が安全であることを表す所定の条件を満たさない場合に、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25による検知の有無に係わらず、液晶フィルム21を透明にする。
【0137】
例えば、安否センサ36が室内空間における人体の動きを検出する場合、遮光制御部34は、人体の動きが所定の期間検出されない場合に、液晶フィルム21を透明にする。
【0138】
以上のように構成された空間仕切装置3の動作について、図12を参照して説明する。
【0139】
まず、遮光制御部34は、安否センサ36から取得した検出信号が所定の条件を満たすか否かを判断する(ステップS41)。
【0140】
ここで、安否センサ36の検出信号が所定の条件を満たさないと判断した場合、遮光制御部34は、液晶フィルム21を透明にする(ステップS24)。そして、空間仕切装置3は、ステップS41からの動作を繰り返し実行する。
【0141】
一方、安否センサ36の検出信号が所定の条件を満たすと判断した場合、空間仕切装置3は、ステップS21〜ステップS32まで、本発明の第2の実施の形態としての空間仕切装置2と同様に動作することにより、室外センサ12、接触センサ23および音センサ25からの各検出信号に基づいて、液晶フィルム21を透明、不透明、または半透明に変化させる。そして、空間仕切装置3は、ステップS41からの動作を繰り返し実行する。
【0142】
以上で、空間仕切装置3の動作の説明を終了する。
【0143】
次に、図13を参照して、空間仕切装置3が安否センサ36の検出信号に基づいて動作する例について説明する。なお、ここでは、安否センサ36は、室内空間における人体の動きを検出するものとして説明を行う。
【0144】
図13(a)は、室内空間にいる人間が倒れて動けなくなっている場合の空間仕切装置3の動作状態を示す模式図である。図13(a)において、遮光制御部34は、安否センサ36によって所定の期間(例えば30分等)人体の動きが検知されていないため(ステップS41でNo)、液晶フィルム21を透明に変化させる(ステップS24)。
【0145】
図13(b)は、図13(a)の状態から、室外センサ12の検知範囲に人体が進入した場合の空間仕切装置3の動作状態を示す図である。図13(b)において、遮光制御部34は、依然として、安否センサ36によって人体の動きが検知されていないため(ステップS41でNo)、室外センサ12によって人体が検知されたことに係わらず、液晶フィルム21を透明のままとしている(ステップS24)。これにより、室外を通行した人間に、室内空間にいる人間が倒れていることを視認させることが可能となる。
【0146】
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について説明する。
【0147】
本発明の第3の実施の形態としての空間仕切装置は、プライバシー保護性能を向上させ利用者の状況に則した眺望性を確保しながら、さらに室内にいる利用者に対する安否確認を支援することができる。
【0148】
その理由は、室内に備えた安否センサからの検出信号に基づいて、室内にいる人体の安全が確認できない場合には、室外センサおよび室内センサによる検出内容に係わらず、遮光部の通過光量を通常値より大きくして室外から室内を視認可能にするからである。
【0149】
なお、上述の各実施の形態において、空間仕切装置が、図2に示したように天井、床および壁を有する室内空間において壁の開口部に設置される例について説明した。しかしながら、本発明における空間仕切装置は、空間を間仕切りする間仕切り構造に適用されてもよい。この場合、本発明の空間仕切装置が適用される間仕切り構造は、壁の開口部に設置されていなくてもよく、例えば、移動可能な間仕切り用パネル等であってもよい。
【0150】
また、上述の各実施の形態において、本発明の遮光部として主に液晶フィルムを適用した例について説明しているが、液晶を用いて透過率を調節可能な他の液晶モジュールを適用してもよい。
【0151】
また、各実施の形態における遮光部として、室内空間および室外空間との間の通過光量を調節可能なものであれば、液晶モジュール以外の他の採光部材や透光部材を適用可能である。
【0152】
また、例えばブラインド等のように、通過光量を調節する調節機構を有する部材を遮光部に適用する場合、本発明の遮光制御部は、調節機構に制御信号を送ることにより遮光部の通過光量を制御するようにする。
【0153】
また、各実施の形態において室内センサとして接触センサおよび音センサを適用した例について説明しているが、各実施の形態における室内センサとして、室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出するその他のセンサを適用してもよい。
【0154】
また、各実施の形態における室外センサ、室内センサおよび安否センサは、それぞれ1種類のセンサで構成してもよいし、複数種類のセンサの組み合わせによって構成してもよい。
【0155】
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明した空間仕切装置の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとして遮光制御部の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPUが読み出して実行するようにしてもよい。このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【0156】
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
【0157】
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。
【0158】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、
前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、
前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、
を備えた空間仕切装置。
(付記2)
前記遮光部は、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであり、
前記遮光制御部は、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする付記1に記載の空間仕切装置。
(付記3)
前記室内センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの接触を検出する接触センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって前記透明仕切部材に対する接触が検出されている間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記2に記載の空間仕切装置。
(付記4)
前記接触センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの触圧を検出し、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって検出される触圧が閾値より大きい間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記3に記載の空間仕切装置。
(付記5)
前記室内センサは、前記室内空間で発生する音声を検出する音センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記音センサによって検出された音声が所定の開始音である場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の空間仕切装置。
(付記6)
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした後に、前記音センサによって所定の終了音が検出された場合に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記5に記載の空間仕切装置。
(付記7)
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした時点から所定期間経過後に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする付記5または付記6に記載の空間仕切装置。
(付記8)
前記室内空間における人体の安否を確認するための情報を検出する安否センサをさらに備え、
前記遮光制御部は、前記安否センサによって検出される情報が、前記室内空間における人体の安全を表す所定の条件を満たさない場合、前記室外センサによる検知の有無および前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする付記1から付記7のいずれかに記載の空間仕切装置。
(付記9)
前記安否センサは、前記室内空間における人体の動きを検出するセンサを含み、
前記遮光制御部は、前記室内空間における人体の動きが所定期間検出されない場合、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする付記8に記載の空間仕切装置。
(付記10)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する、空間仕切方法。
(付記11)
前記遮光部として、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールを用いて、
前記遮光部を制御する際に、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする付記10に記載の空間仕切方法。
(付記12)
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部を、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて制御するコンピュータ装置に、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御する室外センサ検知ステップと、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する室内センサ検出ステップと、
を実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記13)
前記遮光部が、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであるとき、
前記室外センサ検知ステップにおいて、前記遮光部の透過率を前記通常値より少なくするよう前記遮光部に対する印可電圧を変化させ、
前記室内センサ検出ステップにおいて、前記遮光部の透過率を前記通常値より多くするよう前記遮光部に対する印可電圧を変化させることを特徴とする付記12に記載のコンピュータ・プログラム。
【符号の説明】
【0159】
1、2、3 空間仕切装置
10 窓ガラス
11 遮光部
12 室外センサ
13 室内センサ
14、24、34 遮光制御部
21 液晶フィルム
23 接触センサ
25 音センサ
36 安否センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、
前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、
前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、
を備えた空間仕切装置。
【請求項2】
前記遮光部は、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであり、
前記遮光制御部は、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする請求項1に記載の空間仕切装置。
【請求項3】
前記室内センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの接触を検出する接触センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって前記透明仕切部材に対する接触が検出されている間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項2に記載の空間仕切装置。
【請求項4】
前記接触センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの触圧を検出し、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって検出される触圧が閾値より大きい間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項3に記載の空間仕切装置。
【請求項5】
前記室内センサは、前記室内空間で発生する音声を検出する音センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記音センサによって検出された音声が所定の開始音である場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の空間仕切装置。
【請求項6】
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした後に、前記音センサによって所定の終了音が検出された場合に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項5に記載の空間仕切装置。
【請求項7】
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした時点から所定期間経過後に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の空間仕切装置。
【請求項8】
前記室内空間における人体の安否を確認するための情報を検出する安否センサをさらに備え、
前記遮光制御部は、前記安否センサによって検出される情報が、前記室内空間における人体の安全を表す所定の条件を満たさない場合、前記室外センサによる検知の有無および前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の空間仕切装置。
【請求項9】
前記安否センサは、前記室内空間における人体の動きを検出するセンサを含み、
前記遮光制御部は、前記室内空間における人体の動きが所定期間検出されない場合、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする請求項8に記載の空間仕切装置。
【請求項10】
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する、空間仕切方法。
【請求項1】
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、
前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、
前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサと、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくし、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する遮光制御部と、
を備えた空間仕切装置。
【請求項2】
前記遮光部は、前記室内空間と前記室外空間との境界に設けられた透明仕切部材に備えられ、印可電圧に応じて透過率が変化する液晶モジュールであり、
前記遮光制御部は、前記遮光部に対する印可電圧を変化させることにより前記遮光部の透過率を制御することを特徴とする請求項1に記載の空間仕切装置。
【請求項3】
前記室内センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの接触を検出する接触センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって前記透明仕切部材に対する接触が検出されている間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項2に記載の空間仕切装置。
【請求項4】
前記接触センサは、前記透明仕切部材に対する室内空間側からの触圧を検出し、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記接触センサによって検出される触圧が閾値より大きい間、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項3に記載の空間仕切装置。
【請求項5】
前記室内センサは、前記室内空間で発生する音声を検出する音センサを含み、
前記遮光制御部は、前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記音センサによって検出された音声が所定の開始音である場合に、前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の空間仕切装置。
【請求項6】
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした後に、前記音センサによって所定の終了音が検出された場合に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項5に記載の空間仕切装置。
【請求項7】
前記遮光制御部は、前記所定の開始音が検出されて前記通過光量を前記通常値より多くした時点から所定期間経過後に、前記通過光量を前記通常値以下にするよう前記遮光部を制御することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の空間仕切装置。
【請求項8】
前記室内空間における人体の安否を確認するための情報を検出する安否センサをさらに備え、
前記遮光制御部は、前記安否センサによって検出される情報が、前記室内空間における人体の安全を表す所定の条件を満たさない場合、前記室外センサによる検知の有無および前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の空間仕切装置。
【請求項9】
前記安否センサは、前記室内空間における人体の動きを検出するセンサを含み、
前記遮光制御部は、前記室内空間における人体の動きが所定期間検出されない場合、前記通過光量を前記通常値より大きくすることを特徴とする請求項8に記載の空間仕切装置。
【請求項10】
室内空間と室外空間との境界に設けられ、前記室内空間と前記室外空間との間での通過光量を調節可能な遮光部と、前記室外空間の所定範囲における人体を検知する室外センサと、前記室内空間における人体の行動に関連して発生する事象を検出する室内センサとを用いて、
前記室外センサによって前記人体が検知された場合に、前記室内センサによる検出内容に係わらず、前記通過光量を所定の通常値より少なくするよう前記遮光部を制御し、
前記室外センサによって前記人体が検知されず、前記室内センサによって検出された事象が所定の条件を満たす場合に前記通過光量を前記通常値より多くするよう前記遮光部を制御する、空間仕切方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−52339(P2012−52339A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195759(P2010−195759)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
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