説明

空間的な線維素凝塊形成を監視するための方法及び装置

本発明は、複数のサンプルにおける空間的線維素凝塊の形成又は溶解を監視するための、方法と、特別に設計されたキュベット(1)、及び活性化体を有する突出部(6)を備える挿入体(5)とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のサンプルにおける空間的線維素凝塊形成を監視するための方法及び装置に関する。
【0002】
背景技術
診断及び基礎研究のために生体外で血液凝固をモデリングする問題が従来存在する。血漿の凝固パラメータを測定するための多数の方法及び装置が提案されてきた。しかしながら、これらの方法の大部分(例えば活性化部分トロンボプラスチン時間試験、血栓弾性記録法、トロンビン産生試験)は、凝固時間又はその他の均一なパラメータを監視する。すなわち、血液のサンプル(血漿)が活性化体と均一に混合されるこれらの試験においては、全体的なサンプルの凝固が監視される。これは最も単純なアプローチであるが、非生理学的である。なぜならば、生体内での血液凝固は空間的に不均一な現象であるからである。作用物質の拡散はこのプロセスにおいて決定的に重要な役割を果たす。
【0003】
空間的不均質性及び拡散の役割を考慮した幾つかの方法が存在する。特に、これらのパラメータを考慮した最も関連のある方法は、細胞ベースの凝固試験である(Monroe他、Br J Haematol. 1994; 88(2):364-371 一連の研究により続く)。この方法は、慣用の分光蛍光計の使用に基づく。この方法は、血漿タンパク質及び血小板の再構成された系における蛍光原基質の助けを用いて二段抽出することによってトロンビン発生を監視することを含み、この場合、凝固は、単層の組織因子表現細胞(単球)によって活性化される。これは、敏感な方法であるが、この方法の大きな欠点は、本当に空間的ではないということである。作用物質は不均質に分配されるが、観察される信号は、凝固プロセスの一体の特性である。サンプル獲得中のピペットによる混合も、より顕著でない空間的不均質性を形成する。この方法は、著しく労力と時間がかかるものである。この方法は、基礎研究及び薬理学研究のためだけに使用されてきた。この形式では、診断のために使用することは不可能である。なぜならば、この方法は、線維素凝塊の形成がサンプリングの可能性を阻止するので、変更なしに血漿凝固のために使用することができないからである。
【0004】
第2のアプローチは空間的凝固法である(Ataullakhanov他、Biochim Biophys Acta. 1998; 1425(3): 453-468; Sinauridze他、Biochim Biophys Acta. 1998; 1425(3): 607-616; Ovanesov他、Biochim Biophys Acta. 2002; 1572(1): 45-57; Ovanesov他、Thromb Haemost. 2003; 89(2): 235-242; Ovanesov他、J Thromb Haemost. 2005; 3(2):321-331; Panteleev 他、Biophys J. 2006; 90(5): 1489-1500、空間的凝固法についての引用された出版物は、引用したことにより本明細書に記載されたものとする)。この方法は、血漿を、活性化体、すなわちガラス又は線維芽細胞単層と接触させることによって生ぜしめられる、再石灰化された血漿における血栓の形成のビデオ鏡検によって、空間的凝固形成の研究を許容する。この方法は、敏感で再現可能なアプローチとして確立されている。この方法は、血液凝固規制の研究のために能動的に使用されてきた。基礎研究に加え、様々な異常状態における空間的凝固異常(血友病A,B,C;凝固因子X,VII,II及びフィブリノーゲンの欠乏;敗血症及び塊状外傷;輸血治療の間の血漿希釈等)が研究され、治療薬(第VIII因子濃縮物、組換え型活性化因子VII(Novoseven(R), Novo Nordisc, Denmark)、抗トロンビンIII濃縮物等)の作用の仕組みが調査された。利点があるにもかかわらず、以前使用された空間的凝固のための方法及び装置は、実用のためには不十分である。この方法は、2つ以上のサンプルを同時に測定することができず、このことは、基礎研究にとっては不便であり、広い臨床的な利用を完全に妨げる。血漿の所要の最小の量は300μlであり、これは、標準的な凝固試験において使用される量(100μl)を数倍も超えている。活性化は、線維芽細胞単層又はガラスによって行われる。前者の方法は十分に再現可能ではなく、高価であり、時間、労力及び材料を消費し(細胞培養施設が必要とされる)、後者の方法は非生理学的である(ガラスによる活性化は、固有の通路を介しており、これは生体内では機能しない)。サンプルを37℃に保持するために、キュベットが、攪拌装置を備えた水恒温器内にキュベットを保持することによって熱安定化される。しかしながら、これは、気泡を発生させ、信号の質を損なう。
【0005】
第3のアプローチは、血漿凝固及び表面からのその成長の映像化を伴う(Faxalv他、J Biomed Mater Res A. 2007; in press, equblished ahead of print. DOI: 10.1002/jbm.a.3152)。このアプローチは、上述の空間的凝固方法とほぼ同じであり、キュベットにおいて形成する線維素網から散乱する光の微速度画像キャプチャに依存する。活性化はガラスのみによって行われる。大きな違いは、空間的凝固方法において使用される特別なキュベットの代わりに、標準的な分光測光キュベットを使用することであった。複数のキュベットを同時に監視することができるが、解像度が低く、自動化もされていない。この方法は、標準的な分光測光キュベットを使用することができ、複数のサンプルを同時に監視することができるが、主な欠点は、この方法は極めて大量の血漿(1500μl)を必要とすることである。さらに、この方法は、複数のサンプルを用いた実験のために低い空間的解像度を提供し("空間的凝固法"における10μmの代わりに100μm)、(ガラスのみによる)非生理学的な活性化によって行われる。自動化もされておらず、この方法は時間を浪費し、労力も大きい。この方法は、材料試験のためだけに設計されており、診断、基礎研究及び薬理学研究のための適性が制限されている。
【0006】
第4のアプローチは、再構築された人間組織因子で、パターン化された、支持されたリン脂質二重層における時空的な凝固である(Kastrup他、Proc Natil Aca Sci USA. 2006; 103(43):15747-17752)。この方法において、パターン化された脂質面上に新たに石灰化された血漿を含むために、ミクロ流体チャンバが使用された。線維素の形成を検出するために、明視野顕微鏡検査法が使用された。この方法において、光軸は、活性化体面に対して垂直であり、このことは、この方向での空間的成長の監視を許容しない。活性化体に沿った凝塊形成及び凝塊成長のみを観察することができる。この方法の主な利点は、パターン化された活性化面における凝固を観察することができ、凝固発生の仕組みを研究することができるということである。しかしながら、これは、狭くて特定の問題である。その他の基礎研究、診断、薬理学研究に対するこの方法の適性は制限されている。
【0007】
したがって、この技術分野においては、前記欠点のうちの1つ又は2つ以上を解消する、改良された方法、特に装置が必要とされている。
【0008】
発明の開示
したがって、本発明の一般的な目的は、空間的不均一性及び拡散の役割を考慮して、血液凝固(特に、線維素凝塊形成及び/又は溶解のプロセス)の、敏感で再現可能な生体外モデリングを可能にし、また、臨床モニタリングにおいて特に重要である多数のサンプルの同時モニタリングに適した、高解像度の方法、特に装置を提供することである。
【0009】
本発明は、特に、キュベットアセンブリ26と、キュベットホルダ13と、キュベットホルダ及び光学検出装置を有する装置14と、方法とを開示しており、これらは、著しくより単純に製造及び使用することができ、空間的凝固法のさらなる発展を構成し、より多くの情報を提供し、自動化を可能にし、臨床環境において使用するのに適している。
【0010】
第1の態様において、本発明は、キュベットと、挿入体と、凝固の活性化体とを有する光分析のためのキュベットアセンブリ26を提供し、キュベット1は、隔壁4によって複数のウェル2に分割されている。挿入体5は、領域7から突出した複数の突出部6を有しており、これらの突出部6は前記キュベット1のウェル2に嵌合するようになっている。活性化体は、凝固の生理学的活性化体及び非生理学的活性化体のクラスから選択されており、前記活性化体は、挿入体の突出部6、特に突出部6の下縁部24に配置されている。
【0011】
好適には、キュベット1のウェル2は、平行平面でありかつ/又は断面が矩形である。
【0012】
より好適には、キュベット2のウェル2は、一列に配置されており、等しい体積を有している。
【0013】
好適な実施形態において、キュベットは、透光性のプラスチック材料、好適にはポリスチロールから形成されている。しかしながら、塩化ポリビニル又はポリメチルメタクリレート等のその他の生物学的に不活性の材料が使用されてよい。
【0014】
別の好適な実施形態において、挿入体5の突出部6の数は、キュベット1のウェル2の数に対応している。
【0015】
別の好適な実施形態において、挿入体5は、キュベット1に嵌合された時に、挿入体5の表面とキュベット1の内面との間の有効距離を、1〜0.1mm以下、好適には0.05mmに減じる。
【0016】
さらに別の好適な実施形態において、挿入体5は、各突出部6において、互いに同じ又は互いに異なる活性化体を有しているか、又は全ての突出部6が活性化体を有しているわけではない。
【0017】
さらに別の好適な実施形態において、挿入体5の突出部6は交換可能であり、これにより、特定の実験のための活性化体の所望の組合せを、突出部6を所望の構成で挿入体5に設定することによって得ることができる。したがって、本発明は、挿入体5の突出部6が領域7に解離可能に又は解離不能に結合されているキュベットアセンブリにも関する。
【0018】
有利な実施形態において、挿入体5は、プラスチック、好適にはポリスチロール、ポリ塩化ビニル又はポリメチルメタクリレートから形成されている。本発明は、その他の生物学的に不活性の材料等のその他の材料を挿入体5のために使用することも含んでいる。
【0019】
別の有利な実施形態において、活性化体は、生理学的凝固活性化体、例えば、組織因子、トロンビン、組織因子表示細胞の層、組織サンプル等である。凝塊形成だけでなく、凝塊溶解の監視を伴う実験のために、線維素溶解現象活性化体(組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)等)を使用することができる。医用生体材料の適合性の研究のために、非生理学的活性化体、例えばガラス、インプラント可能な装置/材料のサンプル及び人工器官/材料等を使用することができる。活性化体、好適にはタンパク質は、公知の化学処理、例えば化学結合によって、表面に固定される。
【0020】
ここで開示されたキュベットアセンブリ26は、好適には、生体外で空間的線維素凝塊形成を監視するために使用される。
【0021】
第2の態様において、本発明はキュベットホルダを開示している。ここで用いられるように、"キュベット"との用語は、キュベット内で生じる化学的又は生化学的反応が適切な機器によって監視されることができるようにキュベットを固定する装置に関する。
【0022】
ここで記載されたキュベットホルダは、キュベット1を熱安定化させるためのサーモスタット10と、光路に沿ってサーモスタット10内にキュベット1を保持するための手段とを有している。ここで用いられるように、"サーモスタット"との用語は、温度制御された流体28を含んだチャンバを意味する。サーモスタット10は流体28で充填されている。適切な流体28は、N2及び空気等の気体、水性液、アルコール又はポリオール等の液体、最も好適には水を含む。さらに、流体28を含むサーモスタット10は少なくとも部分的に透光性であり、キュベットアセンブリ26内の化学的又は生化学的反応を、光学装置によって記録することができる。流体28は、光路内にも位置する。好適には、キュベットホルダ13は熱安定化及び断熱されている。
【0023】
好適な実施形態において、キュベットホルダは、キュベット1が光路に対して垂直にかつ鉛直方向に対して好適には10〜40゜だけ傾斜して配置されるように適応されている。しかしながら、キュベット平面は、光路に対して厳密に垂直であるべきである。
【0024】
好適な実施形態において、キュベットホルダは、前記キュベットに適応されている。
【0025】
別の態様において、本発明は、ここに記載されたキュベットホルダと、光学検出装置とを有する、空間的線維素凝塊形成及び/又は溶解を生体外で監視するための装置14を提供する。
【0026】
別の態様において、本発明は、キュベットホルダ13と、光学検出装置とを有する装置、特に上述の装置を開示しており、キュベットホルダ13は、キュベット1を光路に対して垂直にかつ鉛直方向に対して好適には10〜40゜だけ傾斜して配置する。キュベットホルダは、好適には、ここに開示されたキュベットホルダ13である。典型的には、キュベット平面は光路に対して厳密に垂直である。
【0027】
別の態様において、本発明は、線維素凝塊形成及び/又は溶解を生体外で監視するための方法も提供し、この方法は、
A)凝塊形成の場合に、
(a)血漿の1つ又は2つ以上のサンプルを含むキュベットを提供するステップと、
(b)血漿を、凝固の生理学的活性化体と接触させるステップと、
(c)時間に関して線維素凝塊の成長を記録するステップとを有し、
B)凝塊溶解の場合に、
(a)1つ又は2つ以上の線維素凝塊を有する血漿の1つ又は2つ以上のサンプルを含むキュベットを提供するステップと、
(b)血漿を、線維素溶解現象の活性化体と接触させるステップと、
(c)時間に関して線維素凝塊の溶解を記録するステップとを有している。
【0028】
この方法は、好適には、制御された温度において、好適には生理学的温度において、すなわち37゜において又は37゜付近で行われる。
【0029】
ステップ(a)のキュベットは、好適には、上述のキュベット1である。キュベット1内へのサンプルの分配は、方法の自動化を可能にするマルチピペットを用いて行われる。
【0030】
より好適には、キュベットは、ここに開示されたキュベットホルダ13内に配置される。最も好適には、前記方法は、ここに開示された装置14内において行われる。
【0031】
好適な実施形態において、ステップ(b)は、上述の挿入体5をキュベット1内に挿入することによって行われる。くし形の挿入体5は、突出部6の表面、好適には突出部6の下縁部24に配置された活性化体を有している。突出部6の縁部24に配置された活性化体が血漿と接触すると、線維素凝塊が活性化体表面に形成し始め、血漿の塊に成長する。
【0032】
好適には、活性化体は組織因子であるが、トロンビン、組織因子表示細胞又は組織サンプル等のその他の活性化体が使用されてよい。択一的に、活性化体は非生理学的であってよく、例えば生体との適合性が試験されているガラス又はプラスチックであってもよい。血餅の溶解についての実験のために、線維素溶解現象の活性化体(例えば組織プラスミノーゲン活性化体)を使用することができる。
【0033】
本願明細書において用いられる「血漿」との用語は、血漿、多血小板血漿、再石灰化された血漿、及び血漿の部分を含む。特定の研究用途のためには、血漿を、様々な試薬(付加的な活性化体、阻害物質、薬剤等)と混合することができる。線維素溶解現象を監視するために、血漿を、線維素溶解現象活性化体の水溶液(例えば、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化体又はストレプトキナーゼ)と混合することができる。また、研究の目的のためには、凝固タンパク質の特定の試薬混合物、較正溶液等を、血漿の代わりに使用することができる。すなわち、「血漿」との用語は、これらの変更された血漿タイプも含んだ広い意味で理解されるべきである。
【0034】
線維素凝塊の成長は、例えば発光ダイオードによって照明される。成長する線維素凝塊によって散乱された光を、光学検出装置15、例えばCCDカメラによって記録することができる。次いで、記録されたデータ、例えば成長する血栓の時間差顕微画像は、好適にはコンピュータによってデジタル式に分析される。例えば、ここで開示された方法によって決定することができる主なパラメータは、凝塊成長速度、遅れ時間及び凝固の時間である。
【0035】
別の態様において、本発明は、表面において固定された、例えば化学結合された血液凝固又は線維素溶解現象の活性化体を開示する。これは、空間的線維素凝塊の形成又は溶解をそれぞれ生体外で監視するために役立つ。血液凝固の活性化体は、組織因子又はトロンビン等のタンパク質、又は細胞又は組織表示組織因子である。線維素溶解のための活性化体の例は、tPA及びuPAを含む。
【0036】
従来技術のものに対する、空間的線維素凝塊形成を監視するための本発明による方法及び装置14の主な利点は、小さな体積の血漿のみしか必要としないということである。20μl(300〜1500μlの代わりに、すなわち、前に報告されたただ1つの他の類似システムよりも75倍少なく、標準的な凝血塊分析に必要な最小限の血漿量よりも5倍少ない)を用いることにより、高解像度の信頼できる結果を得ることができる。
【0037】
さらに、本発明のキュベット1は使用しやすく、特別な技能を必要としない最小限の操作だけを必要とする。これに対して、従来の装置は、操作するために平均的な技量よりも高い技量を備える専門の生化学者を必要とする。
【0038】
装置14の操作は単純であり、装置14は、熟練した一人又は二人の生化学者を必要とする従来の手段とは対称的に、アシスタントスタッフによって使用することができる。簡便な分配可能キュベット1及び挿入体5の使用は、必要な操作を最小限にする(キュベット1を挿入し、血漿を充填し、挿入体5上に存在する活性化体を挿入する)。
【0039】
前記方法及び装置は、凝塊形成だけでなく、線維素凝塊消散("溶解"又は線維素溶解)の過程をも監視するために使用することができる。
【0040】
さらに、試験サンプルは、本明細書に記載のキュベット1に迅速に充填される。サンプルの充填は、僅かな時間、つまり1〜2分しか必要としない。通常の実験時間は25〜30分であり、映像が10秒ごとに取り込まれる。血栓形成の通常のパターンは2〜5分の遅れ時間を含み(活性化後のこの時間の間は、何も見られず、遅れ時間は、活性化体のタイプに著しく依存する)、この遅れ時間の後、線維素凝塊が、30〜40μm/minの速度で血漿の塊に成長する。病的条件において、遅れ時間は、延長又は短縮されることができ、凝塊の成長速度は増減されることができる。さらに、血漿におけるプロコアギュラント変化の場合には、自発的な、活性化体から独立した凝固を観察することができる。
【0041】
最も重要なことは、種々異なる活性化体を自動化された形式で使用することによって複数のサンプルを同時に監視することができることである。本明細書に開示されたキュベット1を使用することにより、例えばサンプルを慣用のマルチピペットによって分配することによって全てのウェルに血漿が同時に充填され、挿入可能な活性化体を使用することにより、一回の動作で凝固が同時に活性化される。4つのウェル及び対応する挿入体5を備えた特別に設計された廃棄可能なプラスチック製のキュベット1の実施形態において、空間的凝塊形成は、4つまでの種々異なる活性化体を用いて同時に4つまでの異なるサンプルにおいて監視されてよい。サンプルを、(例えばマルチチャネルピペットを用いて)同時に充填し、くし状の挿入体を用いて同時に活性化することができる。
【0042】
この方法及び装置14の主な利点は、活性化部分トロンボプラスチン時間試験、プロトロンビン時間試験、血栓弾性記録、又はトロンビン産生試験等の慣用の凝固検査によって十分に検出できないか又は検出不可能である凝固障害、例えば血漿におけるプロコアギュラント変化、を検出することができるということである。この利点は、前述の従来の時空的な方法によって部分的に共有されるかもしれないが、提案された方法及び装置は、臨床場面における実用的利用のために便利であるただ一つのものである。
【0043】
本発明は、血栓症及び止血における、診断、医用生体材料試験、基礎研究、薬理学研究のために使用することができる。
【0044】
図面の簡単な説明
本発明は、以下の発明の詳細な説明を考慮した場合に、より良く理解され、上記の目的以外の目的が明らかになるであろう。このような発明の詳細な説明は、添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1a】キュベットの正面図である。
【図1b】キュベット1の内部空間の断面図である。
【図2a】キュベット1のためのくし状の挿入体5の正面図である。
【図2b】挿入体5の側面図である。
【図2c】挿入体5の斜視図である。
【図2d】キュベットアセンブリ26の断面図である。
【図2e】図2dの側面図である。
【図3】キュベット1が配置されているキュベットホルダ13を示しており、キュベットホルダは、防水性ドア11を介してアクセスすることができるサーモスタット10を有している。
【図4】装置14の主要なエレメントの斜視図である。
【図5a】光路におけるキュベット1の傾斜した位置決めの配列を概略的に示す図である。
【図5b】光路におけるキュベット1の傾斜した位置決めの配列を概略的に示す図である。
【0046】
発明を実施するための態様
図1は、実験用のキュベット1の正面図を示している。キュベット1は、実質的に立方体である。
【0047】
図1bの断面図に示されているように、キュベット1の内部空間は、隔壁4によって、等しい大きさの4つのウェル2に分割されている。各ウェル2は、3×1mm2の矩形の断面を有している。しかしながら、本発明は、提示された寸法に限定されない。例えば、より小さな矩形断面を備えるより多くのウェル2を設けることも可能である。好適な実施形態では、キュベット1及びウェル2の全体的な設計は、信頼できる結果を提供するために小さなサンプル体積しか必要でないように設計されている。図1a及び図1bに示された実施形態においては、信頼できる結果を得るためには僅か20μlのサンプル体積しか必要ではない。
【0048】
好適には、隔壁4は、キュベット1を複数の平行な互いに並んで配置されたウェル2に分割している(図1b参照)。チャンバ若しくはウェル2の幅は好適には等しい。
【0049】
この実施形態において、隔壁4の高さは、キュベット1の全高よりも小さい。しかしながら、隔壁4は、異なる高さを有していてよい、例えばキュベットの上部と同じ高さであってもよい。
【0050】
キュベット1の頭部18には保持手段19が設けられており、この保持手段19により、キュベット1に挿入体5が固定される。この場合、保持手段19は突起として設計されているが、その他の態様も可能である。
【0051】
頭部18は、正面図において、傾斜した縁部を備えた実質的に正方形である。しかしながら、頭部18は異なる形状であってもよい。傾斜した縁部の領域8は、キュベット1を正しい向きで配置することを可能にし、使用者は、サンプル及び/又は挿入体5をキュベット1に間違いなく確実に配置することができる。別の実施形態においては、キュベット1は、キュベット1の向きを決定するための異なる向き付け手段、例えば着色マーク、サイン又は突出領域を有してもよい。
【0052】
図1aに示されたキュベット1の外面における縁部27も、正確な位置決めのために働くが、選択的である。縁部8はキュベット1内での挿入体5の正確な向き付けを助けるが、これらの向き付け手段27は、不正確な向き付けを回避するガイドである。
【0053】
別の好適な実施形態において、キュベットは、深さよりも幅が大きく、好適には幅は僅か1.1mm又は約1.1mmである。
【0054】
キュベット1はポリスチロールから形成されている。しかしながら、例えばポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等のその他の透光性プラスチックも本発明に含まれる。
【0055】
隔壁4はキュベットと同じ材料から形成されているが、択一的な実施形態においては、前記隔壁4は異なる材料から形成されていてよい。図1bに示したように、キュベットは4つのウェル2を有している。しかしながら、技術的に実現可能で有効なその他の数のウェル2が本発明に含まれる。
【0056】
さらに、択一的な実施形態において、キュベット1は、以下で説明するようなキュベットホルダに安定してかつ取外し可能に挿入されるための手段を外面3に有していてよい。
【0057】
図2aは、キュベット1のためのくし状の挿入体5の正面図を示している。挿入体5は、支持体7から互いに平行に突出した4つの突出部6を有している。本発明の挿入体5は、4つの突出部に限定されず、技術的に実現可能で有効なあらゆる数の突出部6が本発明に含まれる。最も好適には、突出部6の数は、キュベット1におけるウェル2の数に対応している。
【0058】
さらに、突出部6は、特定の実験的設計のために活性化体の必要な組合せの現場での容易な構成を可能にするために、交換可能であることができる。
【0059】
領域7(支持体)は実質的に矩形であり、上部左側の縁部には傾斜部8が設けられている。この傾斜部8により、挿入体5がキュベット1に挿入される際に挿入体5を正しい向きに配置することができる。領域7を保持することによって挿入体5を掴みかつ操作することができる。別の好適な実施形態において、領域7は、傾斜した縁部の代わりに、又は傾斜した縁部に加えて、その他の向き付け手段、例えば着色マーク、サイン又は突出した領域等の物理的なマークを有する。これにより、使用者は、キュベット1のウェル2において挿入体5を容易に正しい向きに配置することができ、各突出部6を特定のウェル2に指定する。1つの実施形態において、向き付け手段は、領域7から突出した案内領域として形成されていてよく、この案内領域は、挿入する際に挿入体5をキュベット1の頭部18に沿って案内する。
【0060】
通常、挿入体の突出部6は、挿入体5がキュベット1に挿入されるように、また空気を排出させるために、キュベット1のウェル2の幅よりも狭幅になっている。挿入体5がキュベット1に配置される場合、挿入体5の表面とキュベット1の内面との間の空間28は、好適には0.05mmであり、このことは潜在的に捕捉される空気を逃がす。
【0061】
サンプルが充填されたキュベット1内に配置される場合、突出部6はサンプルと直接に接触する。しかしながら、突出部6の長さは、ウェル2の底部9に達しないようになっているべきである。形成される線維素凝塊は、突出部6の下縁部24からキュベット1の底部に向かって、すなわち、突出部6とウェル2の底部9との間に形成された空間28に成長する。
【0062】
領域若しくは支持体7に設けられた円形の孔20は、固定手段として働き、この固定手段は、キュベット1の内面に設けられた保持手段19に挿入体5を結合する。固定手段20は様々な形式で設計されていてよい。しかしながら、保持手段19と、固定手段20とは、好適には、互いに嵌合する。
【0063】
図2b及び図2cに示されているように、挿入体5は幅広ではなく狭幅である。
【0064】
挿入体5はポリスチロールから形成されているが、その他の材料、好適には例えばポリメチルメタクリレート等のプラスチックも、本発明に含まれる。
【0065】
挿入体5は、表面において、好適には、突出部6の下縁部24において、凝固又は線維素溶解の活性化体を有している。活性化体として様々なタイプの凝固活性化表面を使用することができるが、好適には、生理学的活性化体、例えば、凝固の再現可能な生理学的開始を許容する固定化された組織因子が使用される。択一的に、挿入体5はガラスから形成されており、生理学的活性化体の存在は必要ではないこともある。挿入体5の各突出部6は、同じ濃度又は異なる濃度の同じ活性化体を有していてよいか、又は各突出部6は異なる活性化体を有していてよい。図1b及び図2a〜cに示した実施形態を用いる場合、空間的凝塊形成は、4つまでの異なる活性化体を用いて4つまでの異なるサンプルにおいて同時に監視されてよい。
【0066】
図2dの断面図において、キュベット1に配置された挿入体5が示されている。キュベット1内の挿入体5の位置は固定されている。なぜならば、挿入体は、固定手段20を介して、キュベット1の保持手段19に取り付けられているからである。突出部6と隔壁4との間には小さな空間28が形成されており、この空間は、潜在的に捕らわれる空気を逃がすことができる。挿入体5及びキュベット1の向き付け手段若しくは傾斜部8は整合させられている。図示したように、突出部6の下縁部24はウェル2の底部に達しない。図2eは、キュベット1内に配置された挿入体5の側面図を示している。
【0067】
図3は、キュベットアセンブリ26がサーモスタット10内に配置された、分解されたキュベットホルダ13の実施形態を示している。
【0068】
サーモスタット10は、キュベットに配置された異なるサンプル内での可能な対流を最小限にするために熱安定性及び熱隔離を提供する。流体28がサーモスタット10内に存在しており、この流体28は、良好な可視性を保証するために、再循環及びろ過される及び/又は抗菌物質を有している。しかしながら、熱安定化及び/又は熱隔離が生じない別の実施形態が可能である。
【0069】
サーモスタット10は、防水性ドア11を介してアクセスされ、メンテナンスを行うことができる。図3に示されているように、ドア11とサーモスタット10はねじ等の結合手段22を介して結合されている。
【0070】
サーモスタット10は、凝塊形成の映像化及び監視を可能にする可視部分21を有している。サーモスタット10は、1つ又は2つ以上の可視部分21を有するか、全体が透明であってよい。
【0071】
図3は、さらに、ドア11を備えるサーモスタット10がケーシング12に挿入された場合の、キュベット1を挿入するための開口23を備えたケーシング12を示している。前記ケーシングは、好適には、キュベットホルダ13をパネル17等の別の部品に結合することができるようにする、ねじ山等の少なくとも1つの結合手段25を有している。
【0072】
図4は、分解された装置14の1つの実施形態の斜視図を示しており、この装置14は、識別手段15、この場合は対物レンズ16を備えたCCDカメラと、フロントパネル17と、キュベット1を備えた実験用キュベットホルダ13とを有している。
【0073】
識別手段15は、CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム等の光学検出装置であるか、又はレーザスキャニング装置、顕微鏡又はその他の光検出器等の現在の計測機器である。
【0074】
フロントパネル17の存在は選択的である。装置14内へのキュベットホルダ13の取付けは、様々な形式で行われてよい。フロントパネル17が用いられる場合、キュベットホルダ13は、ねじ山25等の結合手段25を介して取り付けられることができる。
【0075】
通常、挿入体5がキュベット1に挿入される時に空気の捕捉を回避するためにキュベットが鉛直でない位置に配置されるように、キュベットホルダ13は位置決めされる、例えばフロントパネル17に取り付けられる。好適には、傾きの角度は、鉛直軸線に対して10〜40゜である(図4及び図5参照)。
【0076】
選択的に、ケーシング(図示せず)が装置14を保護していてよい。
【0077】
図5aにおいて、キュベット1又はキュベットアセンブリ26がキュベットホルダ13に配置されていることが概略的に示されている。キュベットホルダと光学検出装置とは、x軸の方向の光路において整列させられている。光路に対する垂直平面が、y軸方向及びz軸方向に形成されている。図示したように、キュベット1又はキュベットアセンブリ26は光路に対して垂直に配置されている。図5bは、図5aの概略的な正面図であり、キュベット1又はキュベットアセンブリ26が光路に対して垂直であるだけでなく、鉛直線に対して傾斜させられていることも示している。
【0078】
様々な実施形態、好み、範囲が、意志によって組み合わされてよい。さらに、特定の実施形態に応じて、選択された定義、実施形態又は範囲は、当てはまらないことがある。
【0079】
本発明の好適な実施形態が示されかつ説明されているが、発明は、例示された実施形態に限定されず、請求項に記載の範囲で様々な形式で実施することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 キュベット、 2 ウェル、 4 隔壁、 5 挿入体、 6 突出部、 7 支持体、 8 傾斜部、 10 サーモスタット、 13 キュベットホルダ、 18 頭部、 19 保持手段、 20 孔、 24 下縁部、 26 キュベットアセンブリ、 27 向き付け手段、 28 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光分析のためのキュベットアセンブリにおいて、キュベットと、挿入体と、活性化体とを有しており、
前記キュベット(1)が、隔壁(4)によって複数のウェル(2)に分割されており、
前記挿入体(5)が、領域(7)から突出した複数の突出部(6)を有しており、該突出部が、前記キュベット(1)のウェル(2)に嵌合するようになっており、
前記活性化体が、凝固の生理学的活性化体、凝固の非生理学的活性化体、線維素溶解の生理学的活性化体、及び線維素溶解の非生理学的活性化体のクラスから選択されており、前記活性化体が、挿入体の突出部(6)、好適には突出部(6)の下縁部(24)に配置されていることを特徴とする、光分析のためのキュベットアセンブリ。
【請求項2】
前記ウェル(2)が、互いに平行平面でありかつ/又は横断面図において矩形である、請求項1記載のキュベットアセンブリ。
【請求項3】
前記キュベット(1)のウェル(2)が、一列に配置されており、互いに等しい体積を有している、請求項1又は2記載のキュベットアセンブリ。
【請求項4】
前記キュベット(1)が、透光性プラスチック材料、好適にはポリスチロールから形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項5】
前記挿入体(5)の突出部(6)の数が、キュベット(1)に設けられたウェル(2)の数に対応している、請求項1から4までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項6】
前記挿入体(5)がキュベット(1)に嵌合させられた時に、前記挿入体(5)が、該挿入体(5)の表面とキュベット(1)の内面との間の有効距離を0.1mm以下、好適には0.05mmまで減じる、請求項1から5までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項7】
前記挿入体(5)が、各突出部(6)において同じ活性化体又は異なる活性化体を有しているか、又は全ての突出部(6)が活性化体を有しているわけではない、請求項1から6までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項8】
前記挿入体(5)が、プラスチック、好適にはポリスチロールから形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項9】
前記活性化体が、生理学的活性化体、例えば組織プラスミノーゲン活性化体、又は非生理学的活性化体、例えばガラスである、請求項1から8までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項10】
前記突出部(6)が、挿入体(5)の領域(7)に解離可能に又は解離不能に結合されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ。
【請求項11】
キュベットホルダにおいて、キュベットを熱安定化させるためのサーモスタット(10)と、キュベットをサーモスタット(10)内に光路に沿って保持するための手段とを有しており、
前記サーモスタット(10)が流体(28)で充填されており、
流体(28)を有するサーモスタット(10)が、少なくとも部分的に透光性であり、
流体(28)も光路内に位置していることを特徴とする、キュベットホルダ。
【請求項12】
前記キュベットが、光路に対して垂直にかつ鉛直方向に対して好適には10〜40゜だけ傾けて配置されている、請求項11記載のキュベットホルダ。
【請求項13】
請求項1から10までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリ(26)に特に適応されている、請求項11又は12記載のキュベットホルダ。
【請求項14】
空間的線維素凝塊の形成及び/又は溶解を生体外で監視する方法において、
A)凝塊形成の場合、
(a)血漿の1つ又は2つ以上のサンプルを含むキュベットを提供するステップと、
(b)血漿を凝固の生理学的な活性化体と接触させるステップと、
(c)時間に関して線維素凝塊の成長を記録するステップとを有し、
B)凝塊溶解の場合、
(a)1つ又は2つ以上の線維素凝塊を含む血漿の1つ又は2つ以上のサンプルを有するキュベットを提供するステップと、
(b)血漿を線維素溶解の活性化体と接触させるステップと、
(c)時間に関して線維素凝塊の溶解を記録するステップとを有することを特徴とする、空間的線維素凝塊の形成及び/又は溶解を生体外で監視する方法。
【請求項15】
制御された温度、好適には37℃において行われる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
ステップ(a)のキュベットが、請求項1から9までのいずれか1項記載のキュベット(1)である、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
ステップ(c)が、請求項1から10までのいずれか1項記載の挿入体(5)をキュベット(1)に挿入することによって行われる、請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記活性化体が、挿入体(5)の突出部(6)の縁部(24)に配置されており、挿入体(5)がキュベット(1)に挿入されると血漿と接触する、請求項14から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記活性化体が、組織プラスミノーゲン活性化体である、請求項14から18記載の方法。
【請求項20】
空間的線維素凝塊の形成又は溶解を生体外で監視するための、請求項1から10までのいずれか1項記載のキュベットアセンブリの使用。
【請求項21】
空間的線維素凝塊形成を生体外で監視するための、固定化された血液凝固活性化体又は線維素溶解活性化体、特に組織因子の使用。
【請求項22】
請求項11から13までのいずれか1項記載のキュベットホルダと、光学検出装置とを有することを特徴とする、空間的線維素凝塊の形成及び/又は溶解を生体外で監視するための装置。
【請求項23】
キュベットホルダ(13)と、光学検出装置とを有しており、キュベットホルダ(13)が、キュベット(1)を、光路に対して垂直にかつ鉛直方向に対して好適には10〜40゜だけ傾けて配置する、特に請求項23記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2011−502268(P2011−502268A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532396(P2010−532396)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000543
【国際公開番号】WO2009/055940
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510123851)メドプラスト ソシエテ アノニム (1)
【氏名又は名称原語表記】MedPlast S.A.
【住所又は居所原語表記】c/o Fiduciaire Fidag SA, succursale de Sion, Chemin du Vieux−Canal 15, CH−1950 Sion, Switzerland
【出願人】(510123862)メディカル イノベーションズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Medical Innovations Ltd.
【住所又は居所原語表記】Ogorodny proezd 5, building 7, 127254 Moscow, Russian Federation
【Fターム(参考)】