説明

空間線量評価装置および方法

【課題】測定結果の入力と評価エリアマップの入力自動化を図ることで,評価算出速度の向上,結果の精度向上を図る。
【解決手段】広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し評価エリアを設定するエリア設定手段と、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を入力する測定手段と、エリア設定手段と測定手段から得られた情報を用いて、格子状に配置された複数箇所の評価点の線量を計算する処理装置と、処理装置の演算結果を出力する出力装置を含む広域空間線量評価装置において、処理装置は、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から,格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め,分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、出力装置は、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質により汚染された土壌,建物,森林,その他さまざまな構造物から寄与する放射線量を表示すること目的とした空間線量評価装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の管理区域内等限定された範囲において作業員の被ばく低減の観点で,線量マップを作成し汚染状況を把握する技術として,例えば特許文献1の放射線線量マップ作成装置が知られている。
【0003】
特許文献1の放射線線量マップ作成装置は,線量を評価すべき空間の位置を入力する評価位置入力装置と、作業空間内の放射能の存在する構造物と放射能の無い遮へい物等の構造物の配置データを蓄えた記憶装置と、放射能の存在する構造物を任意の大きさの小領域に仮想的に分割するメッシュ生成装置と、分割した小領域の線源が任意の空間位置へ与える放射線の影響を求める応答マトリクス生成装置と、線量を求める演算装置とから構成されている。
【0004】
この装置は,主に測定結果が十分得られない場合の未測定範囲の線量予測に主眼を置いた評価装置であり、測定を実施した時点における線量を二次元マップとして出力する。
【0005】
従来技術での代表的な線量評価装置の一連の計算手法について、図5から図10を用いて説明する。従来技術による評価方法の一例では、最初に例えば図5に示すような5×5メッシュで構成された合計25マスの評価エリアZを想定する。ここでは、25の各マスを図示のZ1からZ25で定義する。
【0006】
この25マスの評価エリアZの放射線量を従来技術で評価する場合の方法は,まず,図6のように単位汚染密度(ここでは1Bq/cm)が中心のZc(Z13)にあった場合の,合計25マスの格子状の各評価点における線量率を,一般公開されている遮へい計算コードを用いて計算し,応答マトリクスを作成する。図6の応答マトリクスでは、25マスの格子状評価点の中心位置Zc(Z13)の線量率が10であり、ここから遠くなるほど、小さい値(左右上下が4、斜め上下が3など)となる例を示している。
【0007】
次に,測定の結果この中心位置Zc(Z13)の実際の汚染密度が10Bq/cmであったとするならば,この応答マトリクスに10を乗じてこの線源周囲25マスの線量率は、図7に示す値として計算される。
【0008】
次に,このエリアの右下隅Z0(Z5)の実際の汚染密度が2Bq/cmであったとするならば,この応答マトリクスに2を乗じてこの線源周囲25マスの線量率は図8に示す値として計算される。
【0009】
つぎに,上記の2マス(Zc,Z0)以外の23マスの実際の汚染密度が全て0であるとしたならば,それらのマスからの放射線量は0となる。その結果,この評価エリアZの汚染状況は図9に示すとおりであり,これが入力となる。図9は、評価エリアZの中心のZcと、右下のZ0にそれぞれ10Bq/cm、2Bq/cmの汚染密度を計測し、それ以外のマスでは汚染密度が全て0であることを示している。
【0010】
次に25マスからの線量として図7の結果と図8の結果を重ね合わせた図10の値が,このエリアの評価結果となる。但し,図8の結果のうち左上9マス以外における結果は評価範囲外のため使用しない。なお、図10において、評価エリアZCを中心とする25マスのエリアZAが図7の結果であり、評価エリアZ0を中心とする25マスのエリアZBが図8の結果である。図での重ね合わせは、他のマスの汚染密度が全て0であることからこの2つの数値の合算として求められる。従って、他のマスにも汚染密度が存在するのであれば、その分も含めた多重の重ね合わせが実施されることになる。
【0011】
最終的に,この評価範囲における計算結果は図11に示すとおりとなる。この結果を等高線図として表示することで,この評価範囲の放射線量分布を表示することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−186340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上述べた従来の技術の線量評価装置によれば,計算が簡単なために非常に高速に計算処理できるという利点がある。
【0014】
しかし、評価エリア内に応答マトリクスの結果に影響を与える遮へい物等が有る場合には,遮へい物が有る場合の影響を加味した応答マトリクスを別に準備する必要がある。このため、任意で遮へいを設置した場合の計算を可能にするには、膨大な量のデータベースを備える必要があるという課題がある。また,応答マトリクスは二次元で準備された離散的な結果であり,三次元的に配置された線源や評価点,格子状評価点以外の評価点など,格子状評価点のように決められた距離以外の距離を計算するような場合に、対応する計算ができないことも課題であった。
【0015】
また,従来の技術では格子状の線源からある着目した評価点への線量を,合算して評価結果として出力することが一般的な考え方であったため,途中結果である合算前の格子状線源からのそれぞれの線量計算結果を,そのままマップ化する発想が無かった。図線量寄与を視覚的に示す寄与マップが存在せず,除染範囲を決定する場合の線量寄与マップを作成することができなかったために,効率的な除染を実施する観点からは,十分な情報を得られなかったことも課題である。
【0016】
以上のことから、本発明の目的は,簡便な手法で3次元表示を可能とし、かつ各種の影響要因にも対応可能な空間線量評価装置及び方法を提供することを目的とする。
【0017】
本件出願の実施例における目的をより具体的に説明すると、以下のようである。まず、第一の目的は、三次元的な計算の実施を可能にすると共に,遮へい物等による影響も簡易に評価することを可能にし,評価体系の一般化,評価精度の向上を図ることである。
【0018】
第二の目的は,遮へい物の入力において,計算時間短縮を図りつつ過小評価を防止する遮へい物のモデル化方法の導入により,従来必要であった遮へいの種類(大きさ,材質,構造,位置,数量等)の組合せ数分必要であった大量の応答マトリクスデータベースを削減可能とするとともに,計算精度を向上させることである。
【0019】
第三の目的は,線量マップ作成において着目した評価点への各線源からの寄与を計算する際,従来は計算過程の途中結果でしかなかった評価点における全ての線源からの計算結果の合算前の値をそのままマップ作成の入力とし,その評価点における線量寄与割合が大きいエリアを示すマップとして利用することで,評価対象エリアにおける効果的な除染範囲を表示し除染計画立案に資することである。
【0020】
第四の目的は,測定結果の入力と評価エリアマップの入力自動化を図ることで,評価算出速度の向上,結果の精度向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
以上のことから本発明においては、広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し評価エリアを設定するエリア設定手段と、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を入力する測定手段と、エリア設定手段と測定手段から得られた情報を用いて、格子状に配置された複数箇所の評価点の線量を計算する処理装置と、処理装置の演算結果を出力する出力装置を含む広域空間線量評価装置において、処理装置は、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から,格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め,分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、出力装置は、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして表示する。
【0022】
また、格子状線源から格子状評価点に至る経路上に遮へい物が存在し、経路が遮へい物の地表に垂直な面のうち2つの面を通過する場合に環境放射線量の算出に遮へい物の存在を加味する。
【0023】
また、遮へい物を考慮した場合の散乱成分を,距離と線量の相関を示す前記近似式を使って評価結果に加算する。
【0024】
また、任意の線源からの着目した評価点における計算結果を合算せずに,計算結果のデジタル値をそのままマップとして表示する。
【0025】
また測定手段は、位置情報を有する測定器であり、測定結果を位置情報とともに得る。
【0026】
またエリア設定手段は、地図情報を評価エリアに変換して入力フォーマットを作成できる機能を有する。
【0027】
以上のことから本発明においては、広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を得、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から,格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め,分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして得る。
【0028】
また、格子状線源から格子状評価点に至る経路上に遮へい物が存在し、経路が遮へい物の地表に垂直な面のうち2つの面を通過する場合に環境放射線量の算出に遮へい物の存在を加味する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、簡便な手法で3次元表示を可能とし、かつ各種の影響要因にも対応可能な空間線量評価装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の広域空間線量評価装置の構成を、処理機能で表記した図。
【図2】本発明の広域空間線量評価装置の構成を示す図。
【図3】図1の各機能の実行に使用する外部データ、あるいは外部からの設定を表記した図。
【図4】遮へい物を考慮するか否かの判定方法を説明するための図。
【図5】5×5メッシュで構成された合計25マスの評価エリアを示す図。
【図6】図5の評価エリアにおいて単位汚染密度が中心にあった場合の格子状評価点における線量率例を示す図。
【図7】図5の評価エリアにおいて,図6の応答マトリクスを使用して中心の実際の汚染密度が10Bq/cmであった場合の格子状評価点における線量計算結果を示す図。
【図8】図6の応答マトリクスを使用して,評価エリアの右下隅の汚染密度が2Bq/cmであった場合の格子状評価点における線量計算結果を示す図。
【図9】評価エリアの汚染状況(入力値)を示す図。
【図10】図7の計算結果と図8の計算結果を重ね合わせたイメージを示す図。
【図11】図7の計算結果と図8の計算結果を合算して,最終的に出力される5×5メッシュの格子状評価エリアの線量評価結果を示す図。
【図12】近似式によって示される距離と線量の相関関係を示す図。
【図13】近似式により線源点Z1から格子状評価点の計算を実施する場合のモデルを示す図。
【図14】近似式により線源点Z2から格子状評価点の計算を実施する場合のモデルを示す図。
【図15】評価エリアに凹凸がある地形で評価エリアの断面モデルを示す図。
【図16】評価エリアに遮へい物がある場合の入力状態を示す図。
【図17】評価エリアに遮へい物がある場合の計算モデルを示す図。
【図18】評価エリアに遮へい物がある場合の散乱線だけの計算モデルを示す図。
【図19】評価エリアの中央の評価点に着目した場合の,線量寄与デジタル値を示す図。
【図20】線量寄与デジタル値を近似式により計算する場合のモデルを示す図。
【図21】線量測定高さを1mとした場合の換算係数の決定方法について示す図。
【図22】自動入力用の東経北緯座標を有する格子状線源入力位置を示す図。
【図23】実際に作成した700×700mメッシュの計算による寄与マップを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を、図を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
本発明による評価方法の一例を説明する場合においても、先に説明した図5の5×5メッシュで構成された25マスの評価エリアZを想定する。この評価エリアZの放射線量を本発明技術で評価する場合の方法は、以下のとおりである。
【0033】
まず,単位汚染密度(ここでは1Bq/cm)の面状線源が存在した場合の距離と線量の相関関係を,関係式として記述する。関係式の一例は(1)式に示した「播磨の式」であり,以下の一般化された指数関数で示される。この(1)式は,放射線の距離と遮へい物(本発明における空気)による減衰を表す場合に良く使用される式であり,公知のものである。
【0034】
【数1】

【0035】
ここで,A,B,C,D,Eは任意の係数である。この式のうち係数B,C,D,Eについては,単位汚染密度の面線源からの距離と線量率の関係を詳細に計算するモンテカルロ計算コードMCNP5を用いて求めた結果に±20%以内でフィッティングするように適切に調整する係数である。フィッティングでは係数B,C,D,Eについての4つの数字の最適な組合せを探し出し,近似式に計算コードと同等の評価精度を持たせる。また任意の係数Aは、結果の絶対値を増減させる係数,tは線源からの距離を示す係数である。
【0036】
ここで、フィッティングは,同一グラフ上にモンテカルロ計算コードMCNP5の解析結果とf(x)で描かれる曲線を記載し,係数を順番に変化させながら解析結果に近い値を探し出す方法で,係数の変更でf(x)の値が大きく変化する係数順に決定していく。
【0037】
なお,t=0を代入するとf(t)=0となるため,距離0の時の値は,単位線源から線源中央位置での任意高さにおける計算コードで算出した結果の逆数を処理せずそのまま使用する。
【0038】
このような方法で決定した近似式によって示される距離と線量の相関関係を図12に示す。図12では、横軸に距離、縦軸に任意の直接線を採用して、セシウム134と、セシウム137を表示している。このうち、直線で示したものが(1)式に示した「播磨の式」で求めたものであり、「●」で示したものが単位汚染密度の面線源からの距離と線量率の関係を詳細に計算するモンテカルロ計算コードMCNP5を用いて求めた結果を示している。この結果からは、(1)式に示した「播磨の式」がきわめて正確な近似式であることが理解できる。
【0039】
なお,近似式には播磨の式の他に,以下に示す「田山の式」等も適用可能であり,距離と放射線量を精度良く示すことが可能であれば近似式の形式を本発明で指定するものではない。
【0040】
【数2】

【0041】
次に,計算結果の絶対値を値付けるため,入力として使用する線量測定結果の測定高さに応じた,線量から汚染密度への変換係数を決定する。以下に,図21に示すような線量測定高さを1mとした場合の換算係数の決定方法について記載する。
【0042】
係数は評価エリアの汚染状況に応じて選択する必要がある。例えば,評価エリア内の線量はどの位置でも概ね同じで,局所的に線量が高い場所は無いとの前提に立つ場合には,例えば1km四方の単位汚染密度線源を仮定し,遮へい計算コードで線源中心位置1mの線量を計算した結果の逆数を変換係数として装置に内蔵させる。その結果,高さ1mにおける測定線量をこの係数に乗ずることで地表の汚染密度が計算可能になる。この換算係数は,1m高さで測定した場合に当然含まれる,遠方からの放射線の寄与も考慮しているため,評価結果が過大評価になることを防止する。
【0043】
一方,評価エリアの汚染状況が一様ではなく,ホットスポットが多く見つかるとの前提に立つ場合には,例えば10m四方の単位汚染密度線源を仮定し,遮へい計算コードで線源中心位置1mの線量を計算した結果の逆数を変換係数として装置に内蔵させる。この換算係数は,1m高さで測定した場合に当然含まれる,遠方からの放射線の寄与を考慮せず,線量計で測定される放射線は全て10m四方の範囲内からのみ入射する前提のため,周辺にホットスポットが有った場合でも,評価結果の過小評価を防止する。但し,入力で使用する実際の測定結果は遠方から入射する放射線分も含んだ値のため,汚染が一様な評価エリアで使用する場合には過大評価を発生させる。
【0044】
このように,線量測定値から汚染密度への変換係数は,全体の計算結果の精度を大きく左右する情報であるため,ユーザーが評価結果を現実と照らし合わせながら容易に調整可能とすることで,評価精度の悪化を防止可能な方法とした。
【0045】
次に,格子上の線源から格子状評価点の計算を実施する。計算では,播磨の式に基づく近似式を使い線源数×評価点数だけ計算を実施する。一例として,図5の5×5メッシュで構成された合計25マスの評価エリアZを使って、評価エリアZの左下のZ1線源の1点から格子状評価点25箇所に対する計算を実施する。
【0046】
この場合の,計算モデル図を図13に示す。図13の評価エリアZのマスにおいて、位置Z1の「○」が線源、他の位置の「▲」が評価点であり、線源と評価点を結ぶ線分が評価距離tを意味している。
【0047】
また同様に線源点Z2から格子状評価点の計算を実施する場合のモデルを図14に示す。図14の評価エリアZのマスにおいて、位置Z2の「○」が線源、他の位置の「▲」が評価点であり、線源と評価点を結ぶ線分が評価距離tを意味している。
【0048】
図13、図14は、位置Z1とZ2から他の評価点を推定することを示しているが、同様に線源位置を格子状に替えて行き,次々にこの作業を繰り返すことで,全25箇所の線源から合計625回の計算を実施する。
【0049】
それぞれの計算では,その線源位置の汚染密度に応じて単位汚染密度で決定した(1)式の係数Aを任意倍することで,汚染の程度を反映した計算結果を得られる。この様に,線源点から評価点までの距離をピタゴラスの定理で計算した後に近似式で線量を計算することで,従来技術と同様に格子状評価点の結果を得ることが可能である。
【0050】
次に,図5の評価エリアが同一面上ではなく,凹凸がある地形であった場合を考える。ここでは図15の断面モデルに示すように,図15上の評価エリアZをA−A面で見た場合の断面を図15下に示している。このような例えば右下がりの地形である時の線源と評価点の位置関係を想定する。この時には,図15下に示すように線源「○」と評価点「▲」の距離は,高さ方向の差分により平面で見た場合より遠い距離の計算を実施すればよい。
【0051】
このような傾斜地の場合、従来技術で使用した応答マトリクスによる計算では容易に対応できない。解決策としては、段差を2次元にモデル化して計算するか,または追加して高さに応じた応答マトリクスを大量に装置に組み込む必要がある。然しながら、前者の対応では計算精度が低下し,後者の対応では計算時間やコストの問題より現実的な対応ではないため,実施されていない。
【0052】
この点に関し本発明で採用する近似式を用いた計算では,高さの差分を踏まえた距離を算出するだけで正確な計算結果が得られるため,容易に対応することが可能である。
【実施例2】
【0053】
次に,図5の評価エリアZに、考慮すべき遮へい物Xが存在する場合を想定する。図5の評価エリアに遮へい物が有る場合の入力状態を図16に示す。この図の例では、Z1からZ25までのマス目のうち、Z18,Z19の部分に遮へい物Xが存在している。
【0054】
この場合,左下の線源Z1から格子状評価点25箇所に対する計算を実施する場合の,計算モデル図を図17に示す。この図によれば、遮へい物Xの存在によりマスZ19,Z24,Z25の推定に影響を与えることがわかる。特に、マスZ24,Z25の格子状評価点のa及びbについては遮へいにより評価結果を減少させる必要があることが確認できる。
【0055】
この点に関し、本発明で採用する近似式を用いた計算では,遮へい物の材質と厚さを考慮した減衰率を設定し,前記の「播磨の式」、「田山の式」において、計数A,B,C,D,Eを変えることで容易に対応することが可能である。
【0056】
然るにこの場合,従来技術で使用した応答マトリクスによる計算では容易に対応できない。遮へいを無いものとして計算するか,追加して任意の遮へい物の位置に応じた応答マトリクスを大量に装置に組み込む必要がある。前者の対応では計算精度が低下し,後者の対応では計算時間やコストの問題より現実的な対応ではないため,実施されていない。
一方,本発明において三次元計算を実施可能にすると共に遮へい物の効果も考慮可能としたことで,新たな問題が発生する。一つ目は遮へい物を考慮するか否かの判定方法である。
【0057】
例えば,遮へい計算コードQADで計算する場合は,遮へい物の縦横高さ寸法を入力し,線源から評価点を線で繋いで遮へい物を通過する距離を算出する。しかし、入力が膨大で線源を多く設定出来ないこと,格子状の線源強度をケーススタディー的に数値変更する場合は,複雑な入力をその都度変更する必要があるなどの不利益がある。このため,一般環境中の広範囲に放出された放射性物質により汚染された土壌,建物,森林,その他さまざまな構造物から寄与する放射線量を評価するには適さない。つまり,遮へい計算コードと同じ方法を実施する場合には,同様の問題が発生するため採用できない。
【0058】
そこで,遮へい物を簡易的に扱いかつ過小評価が発生しないための対策が必要であった。本発明では,その方法として遮へいを考慮する場合の判定方法を開発した。判定方法は,図4左側の絵のように,ある線源「○」からある評価点「▲」までの直線が,遮へい物Xの地表に垂直な面のうち,2つの面を通過する場合だけ,遮へい物を考慮する判定方法である。つまり、図4左のように線源「○」から評価点「▲」までの直線が地表に水平に移動する場合には遮へいを考慮することとし、図4右のように線源「○」から評価点「▲」までの直線が地表に水平に移動しない場合には遮へいを考慮しないとしたものである。判定で遮へい効果を考慮すると判断された場合には,予め入力する遮へい物の厚さと材質に応じた減衰率を評価結果に乗ずることで結果が得られる。
【0059】
なお、本判定の場合、遮へい物の天井面は考慮されないが,広範囲(例えば1km四方)の線量を評価する際に,例えば10mの建物の天井面に抜けるある線源「○」からある評価点「▲」までの直線は,周囲にそれを上回る急峻な崖,谷等の急激な地形変化がなければ発生することは無い。図4右側の配置関係のように仰角が45°を超えるような位置に評価点がある計算はほとんど無いとみなすことができる。また,例外的にそのような線源と評価点の位置関係があったとしても,結果は過大になり保守的な結果が得られ,また最終的に合算する場合は多数の計算結果の一部分でしか無いために積算された結果への影響もほとんど無く,極端な過大評価となることは無い。
【0060】
この発明は,一般環境中の広範囲の評価エリアを対象とする場合には,適用しても問題が無い考え方であり,遮へい物の内部が空洞である場合も入力する厚さで補正することも可能である。このように,三次元的な計算において過小評価を防止することができ,最低限考慮すべき厚さと,材質,地表に垂直な面の位置と大きさを入力条件とすることで,遮へい計算コードで必要になる複雑な入力を簡素化し,かつ計算時間の短縮が可能になった。
【0061】
新たな問題の二つ目は遮へい物によって減衰した直接線の評価結果が小さくなった場合に表面化する散乱線による線量の考慮である。この問題についても,モンテカルロ計算コードMCNP5で計算した直接線を除いた散乱線だけの計算に基づく,距離と線量の相関図にフィッティングさせた,散乱線だけの近似式を装置に内蔵させ,図18に示すように遮へいを考慮すると判定された評価点の直接線の計算結果に対してだけ,近似式で求めた散乱線だけの計算値を加算することで解決した。
【実施例3】
【0062】
次に,より効果的な除染を実施するために開発した線量寄与マップの実施例を示す。
【0063】
従来線量の計算を実施する場合,線源が多数存在する際にはそれぞれの線源から評価点までの線量を個別に計算して,個々の値を合算することで評価点における線量を出力することが一般的な考え方であった。
【0064】
つまり,図10に示す評価結果のうち,右下9マスに示された合算する前の個々の計算結果は,図11のような出力を構成する一要素でしかなく,重要な意味を持つ情報としては扱われていなかった。つまり,図10の格子状評価点の中央Zcに記載された100+2の100と2は,図9のような汚染が有る場合の評価エリアZにおける図11に示す線量102を得るための計算過程の途中結果でしか無いとされていた。
【0065】
本発明では,格子状中央Zcの評価点から見た場合に,100+2の数値100は格子状線源中央Zcからの寄与,数値2は格子状線源右下Z0からの寄与線量を示す有力な情報であることに着目し図19のよう示すこととし,評価エリアの中央Zcの評価点(網掛け部)に着目した場合の線量寄与として表示することとした。
【0066】
さらにその値をそのまま等高線図で示すことでその評価点において支配的に寄与する線源はどこかを視覚的に示すことも可能になり,どの部分を除染すれば効率的に線量が低減可能かを瞬時に判断することが可能になった。
【0067】
なお,図10,図11の結果は従来技術である応答マトリクスを用いた計算結果であるが,図20のように本発明で使用する近似式による計算でも同等以上の計算の途中結果が算出可能である。図20は,左下の評価点Z1(網掛け部)に着目した場合の格子状線源からのそれぞれ計算する場合のモデル図であり,結果をその線源の位置に記載したものである。
【0068】
従来では,この結果に基づき出力されるのは,左下の評価点Z1における積算線量52
(3+2+1+1+5+4+5+6+2+5+1+1+10+1+4+0+0+0+1+1+0+0+0+0+0)であったが,それぞれの値を合算せずに,線源位置に個々の値を表示させることで,左下での評価点Z1では評価エリア中央の線源を優先的に除染することが,効率的に線量低下させる方法であることが確認できる。実際に本開発品を使用し作成した700×700mメッシュの計算による寄与マップを図23に示す。
【実施例4】
【0069】
次に測定結果自動入力機能の実施例を示す。この自動入力には,東経北緯の位置情報と測定結果を同時に記録し,そのデータをCSV形式で出力可能な,例えばGPS機能付き線量計を使用する。
【0070】
空間線量評価装置では格子状線源入力位置に図22のようにそれぞれ東経北緯の番号を割付する。この東経北緯情報に基づき,評価装置に測定結果をインポートする際に線量計から出力されたCSV形式のデータから,該当する位置の線量を抽出し,線量の入力とする。
【0071】
その際,GPS等による位置情報の精度の問題から正確な格子状測定位値をポータブル線量計が得ることは現状の技術では困難であるため,格子当りに2つの測定結果が存在することや,測定結果が空白の格子が存在する状態が発生する。
【0072】
そこで,前者の場合には,複数有る測定結果から最大の測定値を判別し入力として使用することで過小評価を防止し,後者の場合には周囲の値を平均化することによる内挿値を使用する。ここで,内挿値を使用する場合には,測定値が得られなかった格子に偶然線量が高い場所があった場合の過小評価が懸念されるが,その場合には,線量が高い場所が周囲の測定結果に影響をあたえて高めの線量が測定されるので極端な過小評価は発生しない。
【0073】
このような位置情報付き線量計の誤差を補正する方法を本発明品に内蔵することで,一般環境中に放出された放射性物質により汚染された土壌,建物,森林,その他さまざまな構造物から寄与する放射線量の測定結果を自動で空間線量評価システムに入力することが可能になった。
【実施例5】
【0074】
次に評価エリア自動設定機能の実施例を示す。実際に環境中の放射線環境を本発明品で評価する場合には,格子状の線源と,格子状の評価位置を実物の地形にあわせて設定する必要がある。
【0075】
その際,線源は任意大の正方形面状と仮定する必要があるが,広範囲の正確な位置を格子状に落とし込むことは精度の低下を伴う作業である。そこで,本開発品に地図情報を内蔵して,装置の格子状線源入力フォーマットにあわせた格子を範囲指定により自動作成することを可能にした。
【0076】
これにより,図22に示す東経北緯の座標を有する格子状線源の入力位置を正確に示すことが可能になり,実際の測定位置を明確に示すと共に,評価エリア全体の広さも精度良く把握可能になり,かつ評価点位置も正確に設定することが可能になった。
【実施例6】
【0077】
次に、本発明の広域空間線量評価装置の構成を図2に示す。図2の広域空間線量評価装置100は、計算機で構成された広域空間線量計算装置50と、広域空間線量率評価装置60とで構成されている。広域空間線量計算装置50は、位置情報記憶装置付き測定器10、地図情報記憶装置評価エリア自動設定装置20から入力を得る。また、除染計画と予想効果評価30並びに、被ばく低減対策40を別途入力している。
【0078】
図1は、図2に示した本発明の広域空間線量評価装置の構成を、入力装置部分I、処理装置部分OP、出力装置部分Oに分け、かつ各部分に備えるべき機能を表記している。このような機能表現をした場合に、まず入力装置部分Iには評価エリア自動設定機能I1と測定結果自動入力機能I2を備える。
【0079】
また処理装置部分OPでは、線量の測定結果に基づき汚染物表面の汚染密度を計算する処理(処理ステップS10)と,汚染密度を計算した結果に除染の効果を示す係数を反映する計算処理(処理ステップS11)と,汚染密度を設定した線源から評価点における空間線量を計算するための近似式を有し主に直接線を計算する処理(処理ステップS12)と,近似式によって得られた結果に遮へい物による効果を入力し結果を補正計算する処理(処理ステップS13)と,遮へい物によって直接線が減衰した場合に支配的となる散乱線(スカイシャイン線)を近似する式を有し散乱線を計算する処理(処理ステップS14)と,格子状に設定される線源からの格子状評価点に対する計算結果を合算する処理(処理ステップS15)と,ある評価点における全計算値の合算しない結果を得る処理(処理ステップS16)を実行する。
【0080】
さらに、出力装置部分Oは、計算結果をディジタル値とする部分O1,O2,空間線量率マップとして等高線図化して出力する部分O3,線量寄与マップとして等高線図化して出力する部分O4などを備える。
【0081】
図3は、図1の機能図にさらに各機能の実行に使用する外部データ、あるいは外部からの設定を表記した図である。まず入力装置部分Iの評価エリア自動設定機能I1は、内蔵された国土地理院地図D1に接続される。D1から評価対象エリアの地図情報を機械的に読み込んで格子状線源入力フォーマットと格子状評価点を自動的に作成する。測定結果自動入力装置I2は、GPS等位置情報も記録する機能が付いた線量計D2に接続される。ここから放射線の測定結果及び測定位置情報を自動で読み取り入力とする。
【0082】
同様に、処理装置内での各部処理には、以下の外部データ、外部からの設定が参照される。
【0083】
線量の測定結果に基づき汚染物表面の汚染密度を計算する処理(処理ステップS10)では、その実行前に線量と汚染密度変換係数D3を得る。汚染密度を計算した結果に除染の効果を示す係数を反映する計算処理(処理ステップS11)では、除染係数、除染範囲D4を参照する。
【0084】
汚染密度を設定した線源から評価点における空間線量を計算し主に直接線を計算する処理(処理ステップS12)では、直接線近似式D5や、遮へい情報(範囲、材質、厚さなど)D6を用いる。遮へい物によって直接線が減衰した場合に支配的となる散乱線(スカイシャイン線)を計算する処理(処理ステップS14)では、散乱線近似式D6を使用する。
【0085】
以上説明した本発明と、その実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
【0086】
本発明の実施例では、評価マトリクスに基づく線量計算を実施する方法を例えば播磨の式を使用した近似式による評価手法に変更した。近似式を決定する際には詳細な遮へい計算を3次元で実施するモンテカルロ計算コードを用いた計算結果に基づき,近似式のパラメータフィッティングを実施することで計算結果との差を±20%の範囲に収めることができた。遮へいの影響を考慮することが容易になり,また連続的な結果が得られることから評価点位置を任意に変更することが可能になり,三次元的な計算が可能になった。また,遮へい物の効果と,三次元的な計算が実施できることにより,より現実ベースの計算が可能になったため,従来技術と比較して評価精度の向上が達成された。
【0087】
また,近似式を使用した遮へい効果の計算で問題となる遮へい物のモデル化の方法において,遮へい物効果を考慮する際の判定方法を開発した。この判定方法では,地表に垂直な2面を通過した場合のみ遮へい考慮必要と判断し,地表と平行な面を1回でも通過する場合には遮へいと判断しないとすることで,過小評価の防止が達成される。
【0088】
この方法は,評価エリア内に急激な標高の変化が無い場合には計算精度を確保できる最適な方法である。格子状の線源から近似式を用いて格子状の評価点への計算を実施する場合に問題となる,遮へいの効果を考慮する場合の判定方法について,簡単かつ過小評価防止を図ることが可能になり,評価精度の向上と計算時間の短縮が達成された。
【0089】
また,近似式を使用した遮へい効果の計算を実施する場合に,新たに考慮することが必要になる散乱線の寄与について,近似式を用いた計算を実施することができる機能を持たせた。遮へい物で減衰した直接線の寄与が無くなった後に,表面化してくる散乱線の寄与を考慮可能にしたことで,評価精度の向上が達成された。
【0090】
また,従来は線量マップを作成する場合の出力情報として利用されることが無かった,格子状の線源からの任意の着目した評価点における合算前の計算結果を,そのままマップ用の入力として使用する機能を持たせた。除染により線量率を低減させたい範囲において,最も寄与する線源を,線源自体の強度と,距離の効果と,遮へい物の効果と,散乱線の寄与を加味した上で視覚的に確認することができる線量寄与マップを作成することが可能になり,効率的な除染範囲を決定する際の有力な情報が得られるようになった。
【0091】
また、GPS機能を有する放射線測定器とのインターフェースにCSV形式を採用することと,位置情報に関する測定誤差の補正方法を開発し,空間線量評価の分野においてデータの自動受け渡しと入力値への変換を実施した。測定値を自動で入力することを可能とし,入力作業と,入力値の確認作業を削減することが可能になると共に,人間が介在することによるエラーポテンシャルを皆無とすることも可能になるため,評価精度の確保と計算速度の向上の両立を図ることが可能となった。
【0092】
また、装置に内蔵した国土地理院の地図情報より,任意で評価範囲を選択すると自動で格子状入力フォーマットを作成し,縮尺の調整や範囲の確認を不要とした。任意の評価エリアを選択する場合でも,線源点と評価点位置を簡単・正確に決定することが可能になり,人間が介在することによるエラーポテンシャルを皆無とすることも可能になるため,評価精度の確保と計算速度の向上の両立を図ることが可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0093】
経済的要因を考慮に入れながら合理的に効率的な除染方法の検討が現在必要になっている。本発明は,除染が必要な範囲と除染の程度を,迅速に,高精度で,簡単に示すことを可能にする装置である。
【符号の説明】
【0094】
10:位置情報記憶装置付き測定器
20:地図情報記憶装置評価エリア自動設定装置
30:除染計画と予想効果評価30
40:被ばく低減対策
50:広域空間線量計算装置
60:広域空間線量率評価装置
100:広域空間線量評価装置
OI:入力装置部分
OP:処理装置部分
O:出力装置部分
I1:評価エリア自動設定機能
I2:測定結果自動入力機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し評価エリアを設定するエリア設定手段と、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を入力する測定手段と、前記エリア設定手段と前記測定手段から得られた情報を用いて、格子状に配置された複数箇所の評価点の線量を計算する処理装置と、該処理装置の演算結果を出力する出力装置を含む広域空間線量評価装置において、
前記処理装置は、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から,格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め,分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、
前記出力装置は、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして表示する
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の広域空間線量評価装置において、
格子状線源から格子状評価点に至る経路上に遮へい物が存在し、前記経路が遮へい物の地表に垂直な面のうち2つの面を通過する場合に環境放射線量の算出に遮へい物の存在を加味する
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項3】
請求項2に記載の広域空間線量評価装置において、
遮へい物を考慮した場合の散乱成分を,距離と線量の相関を示す前記近似式を使って評価結果に加算する
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の広域空間線量評価装置において、
任意の線源からの着目した評価点における計算結果を合算せずに,計算結果のデジタル値をそのままマップとして表示する
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の広域空間線量評価装置において、
前記測定手段は、位置情報を有する測定器であり、測定結果を位置情報とともに得る
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の広域空間線量評価装置において、
前記エリア設定手段は、地図情報を評価エリアに変換して入力フォーマットを作成できる機能を有する
ことを特徴とする広域空間線量評価装置。
【請求項7】
広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を得、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から,格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め,分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして得ることを特徴とする広域空間線量評価方法。
【請求項8】
請求項7に記載の広域空間線量評価方法において、
格子状線源から格子状評価点に至る経路上に遮へい物が存在し、前記経路が遮へい物の地表に垂直な面のうち2つの面を通過する場合に環境放射線量の算出に遮へい物の存在を加味する
ことを特徴とする広域空間線量評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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