空間領域データ確認装置
【課題】3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認することを可能とする装置を提供することにある。
【解決手段】空間領域データ確認処理部7は、3次元筐体の形状を表示装置1に表示し、空間領域データ生成部6で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aと、入力装置2のマウスボタンが押されたときのカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部7bと、表示装置1の画面上に表示した格子データをピックすることによって、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部7cと、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を表示装置1に表示する断面表示処理部7dを有する。
【解決手段】空間領域データ確認処理部7は、3次元筐体の形状を表示装置1に表示し、空間領域データ生成部6で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aと、入力装置2のマウスボタンが押されたときのカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部7bと、表示装置1の画面上に表示した格子データをピックすることによって、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部7cと、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を表示装置1に表示する断面表示処理部7dを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間領域データ確認技術に係わり、特に3次元CAD(Computer Aided Design)ソフトウェア等で作成した3次元形状を、3角形フェースの集合で3次元形状を定義するSTL(Stereo Lithography)データ等を入力として、3次元形状と基準となる面との空間を空間領域データとして生成した結果を画面上で確認する空間領域データ確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在製品設計において3次元CADソフトウェアを用いた3次元設計が一般的になってきており、例えば筐体内部に部品が納まるかどうかのチェックのためには、筐体形状と各部品形状を組み合わせ、3次元CADソフトウェアの持つ干渉チェック機能等を利用して検証を行っている。
【0003】
しかしながら3次元CADソフトウェアのデータ形式は、それぞれの3次元CADソフトウェアに依存し、異なる3次元CADソフトウェアで作成したデータを組み合わせて干渉チェックするためには、取り込み可能なデータ形式に変換後読み込むなどの必要がある。また筐体内部に部品が納まるかどうかのチェックのために3次元形状内部の高さ等を計測する方法があるが、3次元CADソフトウェアの持つ寸法計測機能などを用いる必要がある。
【0004】
そこで3次元CADソフトウェアに依存せずに3次元形状の内部の高さ情報を取得でき、かつ3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認できることが望まれる。一方、現在普及している3次元CADソフトウェアの多くが、3角形フェースの集合として3次元形状を表現するSTLデータを出力する機能を有しており、このSTLデータを入力として基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成することは下記の特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平2004−318368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、3角形フェースの集合として3次元形状を表現するSTLデータを入力とし、基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成した結果を、画面上に高さ別に色分け表示し、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示し、指定した断面形状を表示することで、3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認することを可能とする空間領域データ確認装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示装置、入力装置、記憶装置、作業用データメモリ及び演算処理装置からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部と空間領域データ確認処理部から構成され、前記空間領域データ確認処理部は、前記3次元筐体の形状を前記表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として前記表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部と、前記入力装置の入力によるカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部と、前記表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることにより、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部と、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を前記表示装置に表示する断面表示処理部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、現在普及している3次元CADソフトウェアの多くが出力可能なSTLデータを入力として、基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成した結果を、画面上に高さ別に色分け表示し、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示し、更に指定した断面形状を表示することで、3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認することを可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明による空間領域データ確認装置の構成の一実施例を示したものである。
【0011】
表示装置1、入力装置2、記憶装置4、作業用データメモリ5及び演算処理装置3からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置3は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部6と、前記3次元筐体の形状を表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aと、マウスのボタンが押されたときのカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部7bと、表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることによって、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部7cと、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を表示装置に表示する断面表示処理部7dから構成する空間領域データ確認処理部7を有する。
【0012】
図2は、本発明による空間領域データ確認装置における処理フローの一例を示したものであり、図3は図2におけるステップ3000の詳細フローの一例を示したものであり、図4は図3におけるステップ4000の詳細フローの一例を示したものであり、図5は図2におけるステップ5000の詳細フローの一実施例を示したものであり、図6は図2におけるステップ7000の詳細フローの一例を示したものである。
【0013】
図7は本発明による3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データの好適な一例を示す。図7で実線は3次元形状の外形線を示し、点線が3角形フェースを示す例である。図8は空間領域データ生成後の3次元形状表示の一例を示す図、図9は空間領域データ生成後の格子データ表示の一例を示す図、図10は高さと色NO及び色を示すカラーテーブルの一例を示す図、図11は格子をピック後の表示の一例を示す図、図12はクリップ面設定の一例を示す図、及び図13は断面表示後の表示の一例を示す図である。
【0014】
図7、図8、図9、図11、図13に示すような表示を実現するためには、OpenGLTMグラフィックライブラリ等で実現することが出来る。以下、表示に関する処理については、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理として説明する。OpenGLTMグラフィックライブラリの使用方法を説明した文献には、OpenGLTMProgramingGuide(日本語版)等がある。
【0015】
次に本発明による空間領域データ確認装置の処理手順の一例を図2、図3、図4、図5及び図6を用いて説明する。
【0016】
まずステップ1000で、空間領域データ生成部6において、入力装置2から指示した3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データを記憶装置4から作業用メモリ5に読み込む。次にステップ2000で3次元形状の空間領域データである内部高さデータを格子状の格子データとして生成し作業用メモリ5に格納する。ステップ1000及びステップ2000の処理の詳細は、上記の特許文献1に示す方法によって実現できる。
【0017】
次にステップ3000で3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aにおいて、3次元形状データ、及び格子データを求めた格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示する。次にステップ4000で、画面ピック処理部7bにおいて、格子データがピックされたかどうかを判定し、ピックされたと判定された場合は、ステップ5000で、ピックデータ処理部7cにおいて、ピックデータ処理を行い、ピックした格子の位置情報と高さ情報を画面上に表示する。
【0018】
次に入力装置2から断面表示するかどうかを指定し、ステップ6000で断面表示をするかどうかを判定し、断面表示する場合はステップ7000で、断面表示処理部7dにおいて、断面表示を行う。ステップ8000では、次に入力装置から終了するかどうかを指定し、終了する場合は、全ての処理を終了し、終了しない場合は、ステップ3000に戻る。
【0019】
以下、ステップ3000とステップ4000とステップ5000とステップ7000の詳細な処理を説明する。
【0020】
図3に、3次元形状データ及び格子データ表示処理フローの一例を示す。
【0021】
入力装置2から3次元形状データを表示するかどうかを指示する。ステップ3001で3次元形状を表示すると判定された場合は、ステップ3002に移る。ステップ3002では、ステップ1000で読み込んだ3角形フェースデータを抽出する。3角形フェースデータは作業用メモリ5に、特許文献1の図8に示すような法線ベクトルと3つの頂点データとして格納されている。
【0022】
次にステップ3003で表示色の設定を行う。表示色は一般的にRGB値で設定され、R成分、G成分、B成分ともに、0〜255の値を指定する。例えば、図10に示すようなカラーテーブルから表示色を設定する場合、色REDを示す色NOは#FF0000である。“#“を除いた“FF0000”は、左から2文字ずつ、16進数として取り出しR成分、G成分、及びB成分とする。よって“FF0000“は、R=255,G=0,B=0の赤色として設定される。
【0023】
次に、ステップ3004で3角形の表示を行う。ステップ3005で次のフェースデータがなしとなるまで、ステップ3002から3005を繰り返すことで表示装置1に3次元形状データを表示できる。次に、入力装置2から格子データを表示するかどうかを指示する。ステップ3006で格子データを表示すると判定された場合は、ステップ3007に移る。
【0024】
ステップ3007では、ステップ2000で生成した空間領域データから、格子データを抽出する。格子データは、作業用メモリ5に、特許文献1の図13に示すようなデータとして格納されている。次に、ステップ3008で、格子データの高さ情報から、表示色を設定する。例えば、図10に示すような高さと色NO及び色を示すカラーテーブルを設定すると、高さが2.5mm以下は色NO#00008B、高さが2.5mmを超え、5mmまでは、色NO#0000FFとするものとして表示色を設定することが出来る。
【0025】
次に、ステップ3009で、格子データの頂点座標データと高さデータから四角柱を描画する。ステップ3010で次の格子データがなしと判定されるまで、ステップ3007から3009を繰り返すことによって、格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示することが出来る。
【0026】
図4に、画面ピック処理フローの一例を示す。
【0027】
まず、ステップ4001でマウスボタンが押されたかどうかを判定する。マウスボタンが押されたと判定された場合は、ステップ4002でマウスボタンが押された時点のカーソルの画面上の座標を取り出す。次に、前記マウスボタンが放されたかどうかを判定する。前記マウスボタンが放されたと判定された場合、ステップ4004で前記マウスボタンが放された時点のカーソルの画面上の座標を取り出す。次にステップ4005で、ステップ4002で取り出した座標とステップ4004で取り出した座標が同じかどうかを判定し、同じと判定された場合に、ピックデータ処理に移る。
【0028】
図5に、ピックデータ処理フローの一例を示す。
【0029】
例えば、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理をした場合、まず、ステップ5001で、ピックモードに切り替えて、ステップ3000に示す処理で全格子データを描画する。次に、ステップ5002で、ピックバッファから格子IDを取出す。次に、ステップ5003で、ステップ5002で取り出した格子の位置情報と高さ情報を取り出し、文字列データに変換する。次に、ステップ5004で、表示装置1に、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示する。
【0030】
図6に、断面表示処理フローの一例を示す。
例えば、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理をした場合、まず、ステップ7001で断面として設定する面をクリップ面として設定する。次に、ステップ7002でクリップ面を有効にする。
【0031】
次に、ステップ7003で、ステップ3000で示した処理で全データを表示装置1表示する用になっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】空間領域データ確認装置の構成の一実施例を示す図
【図2】空間領域データ確認装置における処理フローの一例を示す図
【図3】3次元形状データ及び格子データ表示処理フローの一例を示す図
【図4】画面ピック処理フローの一例を示す図
【図5】ピックデータ処理フローの一例を示す図
【図6】断面表示処理フローの一例を示す図
【図7】3次元形状の好適な一例を示す図
【図8】空間領域データ生成後の3次元形状表示の一例を示す図
【図9】空間領域データ生成後の格子データ表示の一例を示す図
【図10】高さと色NO及び色を示すカラーテーブル一例を示す図
【図11】格子をピック後の表示の一例を示す図
【図12】クリップ面設定の一例を示す図
【図13】断面表示後の表示の一例を示す図
【符号の説明】
【0033】
1 …表示装置
2 …入力装置
3 …演算処理装置
4 …記憶装置
5 …作業用メモリ
6 …空間領域データ生成部
7 …空間領域データ確認処理部
7a…3次元形状データ及び格子データ表示処理部
7b…画面ピック処理部
7c…ピックデータ処理部
7d…断面表示処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間領域データ確認技術に係わり、特に3次元CAD(Computer Aided Design)ソフトウェア等で作成した3次元形状を、3角形フェースの集合で3次元形状を定義するSTL(Stereo Lithography)データ等を入力として、3次元形状と基準となる面との空間を空間領域データとして生成した結果を画面上で確認する空間領域データ確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在製品設計において3次元CADソフトウェアを用いた3次元設計が一般的になってきており、例えば筐体内部に部品が納まるかどうかのチェックのためには、筐体形状と各部品形状を組み合わせ、3次元CADソフトウェアの持つ干渉チェック機能等を利用して検証を行っている。
【0003】
しかしながら3次元CADソフトウェアのデータ形式は、それぞれの3次元CADソフトウェアに依存し、異なる3次元CADソフトウェアで作成したデータを組み合わせて干渉チェックするためには、取り込み可能なデータ形式に変換後読み込むなどの必要がある。また筐体内部に部品が納まるかどうかのチェックのために3次元形状内部の高さ等を計測する方法があるが、3次元CADソフトウェアの持つ寸法計測機能などを用いる必要がある。
【0004】
そこで3次元CADソフトウェアに依存せずに3次元形状の内部の高さ情報を取得でき、かつ3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認できることが望まれる。一方、現在普及している3次元CADソフトウェアの多くが、3角形フェースの集合として3次元形状を表現するSTLデータを出力する機能を有しており、このSTLデータを入力として基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成することは下記の特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平2004−318368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、3角形フェースの集合として3次元形状を表現するSTLデータを入力とし、基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成した結果を、画面上に高さ別に色分け表示し、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示し、指定した断面形状を表示することで、3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認することを可能とする空間領域データ確認装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示装置、入力装置、記憶装置、作業用データメモリ及び演算処理装置からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部と空間領域データ確認処理部から構成され、前記空間領域データ確認処理部は、前記3次元筐体の形状を前記表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として前記表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部と、前記入力装置の入力によるカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部と、前記表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることにより、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部と、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を前記表示装置に表示する断面表示処理部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、現在普及している3次元CADソフトウェアの多くが出力可能なSTLデータを入力として、基準面に格子を生成し格子の高さ情報として3次元形状内部の空間領域データを生成した結果を、画面上に高さ別に色分け表示し、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示し、更に指定した断面形状を表示することで、3次元形状の内部の高さ情報を容易に確認することを可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明による空間領域データ確認装置の構成の一実施例を示したものである。
【0011】
表示装置1、入力装置2、記憶装置4、作業用データメモリ5及び演算処理装置3からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置3は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部6と、前記3次元筐体の形状を表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aと、マウスのボタンが押されたときのカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部7bと、表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることによって、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部7cと、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を表示装置に表示する断面表示処理部7dから構成する空間領域データ確認処理部7を有する。
【0012】
図2は、本発明による空間領域データ確認装置における処理フローの一例を示したものであり、図3は図2におけるステップ3000の詳細フローの一例を示したものであり、図4は図3におけるステップ4000の詳細フローの一例を示したものであり、図5は図2におけるステップ5000の詳細フローの一実施例を示したものであり、図6は図2におけるステップ7000の詳細フローの一例を示したものである。
【0013】
図7は本発明による3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データの好適な一例を示す。図7で実線は3次元形状の外形線を示し、点線が3角形フェースを示す例である。図8は空間領域データ生成後の3次元形状表示の一例を示す図、図9は空間領域データ生成後の格子データ表示の一例を示す図、図10は高さと色NO及び色を示すカラーテーブルの一例を示す図、図11は格子をピック後の表示の一例を示す図、図12はクリップ面設定の一例を示す図、及び図13は断面表示後の表示の一例を示す図である。
【0014】
図7、図8、図9、図11、図13に示すような表示を実現するためには、OpenGLTMグラフィックライブラリ等で実現することが出来る。以下、表示に関する処理については、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理として説明する。OpenGLTMグラフィックライブラリの使用方法を説明した文献には、OpenGLTMProgramingGuide(日本語版)等がある。
【0015】
次に本発明による空間領域データ確認装置の処理手順の一例を図2、図3、図4、図5及び図6を用いて説明する。
【0016】
まずステップ1000で、空間領域データ生成部6において、入力装置2から指示した3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データを記憶装置4から作業用メモリ5に読み込む。次にステップ2000で3次元形状の空間領域データである内部高さデータを格子状の格子データとして生成し作業用メモリ5に格納する。ステップ1000及びステップ2000の処理の詳細は、上記の特許文献1に示す方法によって実現できる。
【0017】
次にステップ3000で3次元形状データ及び格子データ表示処理部7aにおいて、3次元形状データ、及び格子データを求めた格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示する。次にステップ4000で、画面ピック処理部7bにおいて、格子データがピックされたかどうかを判定し、ピックされたと判定された場合は、ステップ5000で、ピックデータ処理部7cにおいて、ピックデータ処理を行い、ピックした格子の位置情報と高さ情報を画面上に表示する。
【0018】
次に入力装置2から断面表示するかどうかを指定し、ステップ6000で断面表示をするかどうかを判定し、断面表示する場合はステップ7000で、断面表示処理部7dにおいて、断面表示を行う。ステップ8000では、次に入力装置から終了するかどうかを指定し、終了する場合は、全ての処理を終了し、終了しない場合は、ステップ3000に戻る。
【0019】
以下、ステップ3000とステップ4000とステップ5000とステップ7000の詳細な処理を説明する。
【0020】
図3に、3次元形状データ及び格子データ表示処理フローの一例を示す。
【0021】
入力装置2から3次元形状データを表示するかどうかを指示する。ステップ3001で3次元形状を表示すると判定された場合は、ステップ3002に移る。ステップ3002では、ステップ1000で読み込んだ3角形フェースデータを抽出する。3角形フェースデータは作業用メモリ5に、特許文献1の図8に示すような法線ベクトルと3つの頂点データとして格納されている。
【0022】
次にステップ3003で表示色の設定を行う。表示色は一般的にRGB値で設定され、R成分、G成分、B成分ともに、0〜255の値を指定する。例えば、図10に示すようなカラーテーブルから表示色を設定する場合、色REDを示す色NOは#FF0000である。“#“を除いた“FF0000”は、左から2文字ずつ、16進数として取り出しR成分、G成分、及びB成分とする。よって“FF0000“は、R=255,G=0,B=0の赤色として設定される。
【0023】
次に、ステップ3004で3角形の表示を行う。ステップ3005で次のフェースデータがなしとなるまで、ステップ3002から3005を繰り返すことで表示装置1に3次元形状データを表示できる。次に、入力装置2から格子データを表示するかどうかを指示する。ステップ3006で格子データを表示すると判定された場合は、ステップ3007に移る。
【0024】
ステップ3007では、ステップ2000で生成した空間領域データから、格子データを抽出する。格子データは、作業用メモリ5に、特許文献1の図13に示すようなデータとして格納されている。次に、ステップ3008で、格子データの高さ情報から、表示色を設定する。例えば、図10に示すような高さと色NO及び色を示すカラーテーブルを設定すると、高さが2.5mm以下は色NO#00008B、高さが2.5mmを超え、5mmまでは、色NO#0000FFとするものとして表示色を設定することが出来る。
【0025】
次に、ステップ3009で、格子データの頂点座標データと高さデータから四角柱を描画する。ステップ3010で次の格子データがなしと判定されるまで、ステップ3007から3009を繰り返すことによって、格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として表示装置1に表示することが出来る。
【0026】
図4に、画面ピック処理フローの一例を示す。
【0027】
まず、ステップ4001でマウスボタンが押されたかどうかを判定する。マウスボタンが押されたと判定された場合は、ステップ4002でマウスボタンが押された時点のカーソルの画面上の座標を取り出す。次に、前記マウスボタンが放されたかどうかを判定する。前記マウスボタンが放されたと判定された場合、ステップ4004で前記マウスボタンが放された時点のカーソルの画面上の座標を取り出す。次にステップ4005で、ステップ4002で取り出した座標とステップ4004で取り出した座標が同じかどうかを判定し、同じと判定された場合に、ピックデータ処理に移る。
【0028】
図5に、ピックデータ処理フローの一例を示す。
【0029】
例えば、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理をした場合、まず、ステップ5001で、ピックモードに切り替えて、ステップ3000に示す処理で全格子データを描画する。次に、ステップ5002で、ピックバッファから格子IDを取出す。次に、ステップ5003で、ステップ5002で取り出した格子の位置情報と高さ情報を取り出し、文字列データに変換する。次に、ステップ5004で、表示装置1に、ピックした格子の位置情報と高さ情報を表示する。
【0030】
図6に、断面表示処理フローの一例を示す。
例えば、OpenGLTMグラフィックライブラリを用いた処理をした場合、まず、ステップ7001で断面として設定する面をクリップ面として設定する。次に、ステップ7002でクリップ面を有効にする。
【0031】
次に、ステップ7003で、ステップ3000で示した処理で全データを表示装置1表示する用になっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】空間領域データ確認装置の構成の一実施例を示す図
【図2】空間領域データ確認装置における処理フローの一例を示す図
【図3】3次元形状データ及び格子データ表示処理フローの一例を示す図
【図4】画面ピック処理フローの一例を示す図
【図5】ピックデータ処理フローの一例を示す図
【図6】断面表示処理フローの一例を示す図
【図7】3次元形状の好適な一例を示す図
【図8】空間領域データ生成後の3次元形状表示の一例を示す図
【図9】空間領域データ生成後の格子データ表示の一例を示す図
【図10】高さと色NO及び色を示すカラーテーブル一例を示す図
【図11】格子をピック後の表示の一例を示す図
【図12】クリップ面設定の一例を示す図
【図13】断面表示後の表示の一例を示す図
【符号の説明】
【0033】
1 …表示装置
2 …入力装置
3 …演算処理装置
4 …記憶装置
5 …作業用メモリ
6 …空間領域データ生成部
7 …空間領域データ確認処理部
7a…3次元形状データ及び格子データ表示処理部
7b…画面ピック処理部
7c…ピックデータ処理部
7d…断面表示処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置、入力装置、記憶装置、作業用データメモリ及び演算処理装置からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部と空間領域データ確認処理部から構成され、前記空間領域データ確認処理部は、前記3次元筐体の形状を前記表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として前記表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部と、前記入力装置の入力によるカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部と、前記表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることにより、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部と、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を前記表示装置に表示する断面表示処理部を有することを特徴とした空間領域データ確認装置。
【請求項1】
表示装置、入力装置、記憶装置、作業用データメモリ及び演算処理装置からなる空間領域データ確認装置において、前記演算処理装置は、内部に空間を有する3次元筐体の形状を表現する3角形フェースデータの集合からなる3次元形状データによって内部高さデータを格子状の格子データとして求める空間領域データ生成部と空間領域データ確認処理部から構成され、前記空間領域データ確認処理部は、前記3次元筐体の形状を前記表示装置に表示し、前記空間領域データ生成部で求めた空間領域データを格子データの高さに応じて色を変化させて四角柱として前記表示装置に表示する3次元形状データ及び格子データ表示処理部と、前記入力装置の入力によるカーソル位置からピックデータ処理を行うかどうかを判定する画面ピック処理部と、前記表示装置の画面上に表示した格子データをピックすることにより、ピックした格子データの位置情報と高さ情報を画面上に表示する画面ピック処理部と、断面表示が指示された場合に、表示する断面位置を判定し断面形状を前記表示装置に表示する断面表示処理部を有することを特徴とした空間領域データ確認装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−277434(P2006−277434A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−96754(P2005−96754)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
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