説明

穿孔された層をもつ優先的に延伸可能なラミネート

オフセット穿孔部をもつ、例えば、不織ウェブのような拡張可能な表面材層、及び、弾性フィルム層を有する弾性ラミネートは、該ラミネートの伸縮に関して優先的な方向を与えるように製造される。弾性ラミネートは、使い捨てパンツ状衣料のウエスト区域のパネルとして特に有益である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
使い捨て又は制限された回数の使用の衣料のための衣料パネルは、以下では簡単にするために弾性ラミネートと呼ばれる不織ウェブ/弾性材料のラミネートで製造することができる。このような弾性ラミネートの幾つかの望ましい特質は、軽量であること、皮膚感触が良好であること、外側の耐摩耗性、及び適用されたときの良好な可撓性を含むものである。一般に、このような弾性ラミネートは、少なくとも、弾性フィルム又はフィラメントのアレイにラミネートされた不織表面材で製造することができる。
しかし、過去においては、弾性ラミネートの不織部分の適当に延伸するか又は収縮する、又はこれら両方の能力は、種々のパーソナルケア製品用途に対するこのような弾性ラミネートの適合性を制限するものであった。ラミネートは、その最も引き伸ばし可能ではない層の程度までしか延伸しない。このような制限を克服するために、当該技術分野では、種々の技術が使用されてきた。
【0002】
例えば、弾性フィルムラミネートの不織布の引き伸ばし可能範囲を増加させることを試みるために、不織表面材の機械方向又は機械横方向のいずれかにおいて、穿孔がなされている。Abuto他に付与された米国特許第5,804,021号は、1つのこのような教示を示す。他の例は、Nakahata他に付与された米国特許第6,262,331号、Widlund他に付与された米国特許第5,702,378号、Korpmanに付与された米国特許第4,731,066号、及びKorpmanに付与された米国特許第4,166,464号を含み、これらすべては引用によりここに組み入れられる。さらに、弾性フィルムラミネート全体を穿孔することも知られている。しかし、この技術は、注意しないと、弾性フィルムの収縮力を大いに減少させることになる。
【0003】
穿孔の代替的手法としては、さらに、ネック付けされた不織ウェブが知られており、ここでは、ネッキングとして知られる工程において、不織布が機械方向に引き伸ばされて、その機械横方向の寸法を減少させる。ネック付けされた不織布は、次いで、力がかけられるまで、該ネック付けされた不織布を小さい機械横方向寸法で保持する弾性材料にラミネートされ、これにより、該不織布はその予めネック付けされた寸法まで外方に伸びることができるようになる。Mormanに付与された米国特許第4,981,747号、及び第5,336,545号は、2つのこのような教示を示す。Mormanの名における米国特許出願10/034,353号は、さらに、部分的に穿孔されたラミネートから延伸を得るための付加的な方法について述べている。すべての開示は、引用によりここに組み入れられる。
【0004】
穿孔法及びネッキング法の両方は、ラミネートの延伸及び回復、すなわち、伸縮の程度又は方向において、又は、弾性ラミネート製造の経済性、又はその両方において、弾性ラミネートを製造することに対して制限を有し、このようなラミネートを置くことができる適用例を制限する。
【0005】
既知の技術は、一組の穿孔部を弾性ラミネートに与えて、伸長性を増加させることに大いに集中していた。しかし、「フリーサイズ」手法は、多くの場合、穿孔されたラミネートのために、衣料内の弾性性能及び機能性において、明らかな制限を呈する。
【0006】
既知のラミネート工程及びこれを全体として製品又は衣料の中に統合することは、さらに、ラミネートが用いられるように設計された、例えば、失禁用衣料の特定の機能区域又は用途区域に関して、十分に改良されたとは信じられていない。例えば、不織/フィルムラミネートを使用するウエスト区域は、股部区域とは異なるラミネート性能を要求する。方向性延伸及び回復、並びに、ラミネートを衣料シャーシに対して接着/締結するための十分な結合区域の備えは、ラミネートを使用する衣料の最適な性能を達成するために考慮されねばならない。
【0007】
したがって、パーソナルケア製品のための、望ましい延伸能力及び回復能力を有する経済的な弾性ラミネートを製造する代替的な方法をさらに提供する必要性がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、典型的には、そのX−Y平面に第1及び第2主要表面を有し、Z軸の厚さをもつ、フィルム又はウェブのような弾性層、及び、該弾性層の該主要表面の少なくとも1つに結合された少なくとも1つの伸長性の表面材層を含む、弾性ラミネートに向けられる。ここで用いられる「結合」は、2つの層を恒久的に取り付けることを意図する、接着剤、熱結合、超音波結合などを含むすべての種類の接着を含むものとする。
【0009】
パンツ状衣料のウエスト区域に適用される、以下では「弾性性能」と呼ばれることもある延伸及び回復、又は収縮特性は、着用者のフィット性を維持するのに適した収縮力を有する一方で、材料を引き伸ばす際には小さい力を要求することが理想的である。本発明の種々の態様によれば、既知の当該技術分野の欠点は、以下に限定されるものではないが、穿孔部のオフセット配向を含む新規な穿孔技術により対処することができる。さらに性能を高めるには、前述の新規な技術をウエスト弾性ラミネート部材の完全なパネルに適用すること、及び特定の構成材を該弾性ラミネート内に使用することにより行うことができる。したがって、本発明によるラミネートは、例えば、使い捨ておむつのウエスト又は側部パネル、又はおむつの締結パネルのような用途に用いることができる。既知の弾性ラミネートの使用は、以前は、要求される伸縮程度が、引き裂き又は適していない弾性性能を生じさせることがあるような区域には制限されていた。
【0010】
本発明の幾つかの態様においては、伸縮量、伸縮方向、及び弾性ラミネートが適用される物品の結果としてのフィット性及び性能は、弾性ラミネートにおける穿孔部のパラメータを調整することにより変更することができる。本発明の幾つかの態様においては、表面材層は、弾性ラミネートの表面材材料の1つ又はそれ以上に異なる方法で適用された、種々の程度及び種類の穿孔部を有する。
【0011】
本発明の他の態様においては、特定の穴の形状、大きさ、及び配向を層に与えて、これらが適用される衣料内の区域に基づいて、失禁用衣料に対する弾性ラミネートの有用性を最大にすることができる。さらに、穿孔部の大きさ及び形状、不織布の種類、及びラミネートの表面材とフィルム層との間の結合程度をすべて最適化して、一貫した性能を有し、弾性ラミネートの上述の望ましい特質を保持する延伸可能なラミネートを製造することができる。さらに、穿孔されない、又は、選択されたパターンで穿孔された弾性ラミネートの特定の区域を区分けすることにより、既知のラミネートと比較して、衣料に対する連結及び全体的な有益性を改善することができ、よりフィット性のある衣料をもたらすことができる。
【0012】
本発明の幾つかの態様においては、弾性ラミネートの表面材は、弾性性能を制御するためにオフセット配向を有する。穿孔部の種々のパターン及び配向を、例えば、不織層に製造して、材料に対して優先的な方向性収縮を与えることができる。この優先的な方向性収縮を用いて、衣料に張力を与え、弾性ラミネート、したがって着用者における衣料のフィット性を改善し、かつその位置を維持して、パーソナルケア物品の性能を改善することができる。このような孔のパターンは、一般には、優先的な伸縮の方向性を生成するために、これらが適用されるラミネート、衣料、又は物品の縦方向軸又は横方向軸のいずれにも一致せず、並行でもない。弾性ラミネートの両側の表面材におけるスリットは、さらに、該ラミネートの内側すなわち身体側の表面材層には短い第1のスリットがあり、該ラミネートの外側すなわち非身体側の表面材層には長い第2のスリットがあるような等しくない長さであり、表面材上に利用可能な伸縮量を調整することができる。外側すなわち非身体側の表面材が、内側すなわち身体側の表面材より高程度に収縮することになる特異的な収縮力を生成することにより、固有の反り効果が生成されて、弾性ラミネートを着用者の身体の周りに包む傾向になる。このような効果は、さらに、ラミネートの両側に異なる表面材の重量又は材料を用いることにより高めるか又は調整することができる。内側及び外側の表面材スリットの各々は、オフセットになるようにパターン形成することができ、必ずしも線形である必要はない。さらにスリットパターン又はスリットの大きさ及び形状、又はこれら両方は、本発明の幾つかの態様においては、衣料の右側及び左側の間で異なってもよい。さらに、身体側及び非身体側の表面材層は、異なる孔のパターン又は重量の多層を含み、さらに、優先的な伸縮の方向性を誘起させることができる。
【0013】
本発明の別の態様においては、弾性ラミネートは、これが適用される衣料内の区域において適切な伸縮特性をもつ、完全なウエストパネル組立体としてパンツ状衣料に適用することができる。このような完全なウエストパネル組立体は、衣料を強化すること、該衣料を着用者に対してより密接に適用するようにすること又は着用者における望ましい位置により良好に保持すること、及び該衣料内に付加的な滲出物保持区域を与えることのような利点を有することができる。
【0014】
本発明の幾つかの態様においては、本発明は、所望の弾性性能を可能にするために、穿孔された表面材に接合されるフィルムのような弾性材料から製造された弾性ラミネートを与えることにより、当該技術分野における上述の必要性を解決する。本発明の種々の態様においては、弾性ラミネートのための不織布又はフィルムの表面材、又は構成材層の選択されたものは、ラミネートされた後又はその前に穿孔することができる。本発明の幾つかの態様においては、不織布は、ネック付けされたスパンボンドその他の不織布とすることができる。本発明の幾つかの態様においては、表面材材料は、熱可塑性フィラメントの不織ウェブを含むことができる。これらのウェブは、ボンデッドカーデッドウェブ(BCW)の特定の形態のように元々固有の伸長性があってもよいし、又は、スパンボンド熱可塑性不織ウェブのように、以下でさらに説明されるように、ネッキングのような後続処理により後に伸長性を与えられてもよい。他の表面材材料は、弾性又は伸長性のフィルムを含むことができる。
【0015】
本発明による1つの弾性フィルムのブレンドは、約10重量%から約60重量%までのスチレン・ブタジエンブロック共重合体、約15重量%から約75重量%までのポリオレフィンエラストマ、及び0より大きい重量%から約15重量%までの低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことができ、このLDPEは、高生産性でのフィルム加工を安定させるのを助け、要求されたときには、フィルムをダウンゲージするのを助ける。さらに、弾性フィルムをラミネートの強度を与える部材として使用して、軽量の不織表面材のような、設計者にとって広範囲の不織布の選択肢をもたらすことができる。弾性フィルムを穿孔することが望まれる場合には、このような弾性フィルム穿孔は、全体を引用によりここに組み入れるMajors他に付与された米国特許第5,704,101号による技術、又は、本発明において使用されるフィルムに適したその修正物により行われることが望ましい。フィルムの穿孔は、さらに、種々の既知の技術により行うことができるが、フィルムの引き裂き、脆弱化などを阻止するように、穿孔の一体性を維持することを注意すべきである。孔の形状は、弾性層の一体性及び性能を高めるために、ダイアモンド形状又は楕円形形状で形成された孔を含むことができる。本質的に伸長性の表面材材料が用いられない本発明の幾つかの態様においては、弾性フィルム及び穿孔されたネック付けされた不織布のいわゆるネックボンデッドラミネート(NBL)を製造することが望ましいとすることができる。本発明の幾つかの態様においては、ストレッチボンデッドラミネート(SBL)、ネック付けされたストレッチボンデッドラミネート(SBL)、その他のラミネートの形態又は種類を製造して、適当な伸縮特性を確実にすることが望ましいとすることができる。
【0016】
定義
「二成分フィラメント」又は「二成分繊維」という用語は、別々の押出成形機から押出成形されるが、共に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つポリマーから形成された繊維を意味し、ここでは、「コンジュゲート」又は「多成分」繊維とも呼ぶこともできる。「二成分」は、特に示されない限り、二成分のポリマーだけに限定することを意味するものではない。ポリマーは、二成分繊維の断面にわたってほぼ一定に位置された区別可能なゾーンに配置され、該二成分繊維の長さに沿って連続的に延びる。こうした二成分繊維の構成は、例えば、一方のポリマーが他方のポリマーによって囲まれる鞘/芯配置とするか、又は並列、A/B配置、又はA/B/A、並列(並列)配置とすることができる。二成分繊維は、一般に、Kaneko他に付与された米国特許第5,108,820号、Strack他に付与された米国特許第5、336、552号、及びPike他に付与された米国特許第5,382,400号に教示されており、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。二成分繊維においては、ポリマーは、75/25、50/50、25/75の比率か又はその他の所望の比率で存在することができる。顔料及び界面活性剤のような従来の添加剤を、一方又は双方のポリマーの流れに組み込むか、又はフィラメントの表面に適用することができる。
【0017】
ここで用いられる「弾性の」、「エラストマ性の」及びその派生形は、付勢力がかけられたときに延伸可能すなわち伸びる又は伸長することができ、延伸させ、伸ばす力を解除すると実質的に元の形状に戻る、何らかの材料を意味する。この用語は、弾力性を生じさせるために、加工前おむつ構造体に適用した後、熱活性化されるか、又は他の手法で皇族して処理される前駆エラストマ材を含むことができる。「伸長性」及び「伸長性の」という用語は、少なくとも一方向に延伸可能であるが、必ずしも、弾性であると考慮されるほど十分な回復はしない材料を互換的指す。
【0018】
ここで用いられる「弾性材料」又は「弾性フィルム」は、フィルム、繊維、スクリム、発泡体その他の弾性材料の層を含む。
「層」は、単独で用いられる場合には、単一の要素又は複数の要素の2つの意味を持つことができる。
ここで用いられる「機械方向」すなわちMDという用語は、布が製造される方向における布の長さを意味する。「機械横方向」すなわちCDという用語は、布の幅、すなわち機械方向にほぼ垂直な方向を意味する。
【0019】
ここで用いられる「ネック付けする」又は「ネック延伸する」は、互換的に、布の幅すなわち横方向の寸法が減少する状態で布が引き伸ばされることを意味する。制御された引き伸ばし、低温、室温、又はより高い温度で行うことができ、引き伸ばし方向への全体的な寸法の増加は、布が破れるのに必要な伸長量までに制限される。ネッキング工程は、典型的には、供給ロールからシートを繰り出し、それを所定の線速度で駆動される制動ニップ・ロール組立体に通すことを含む。制動ニップ・ロールより大きな線速度で作動する巻取りロールすなわちニップが、布を引き伸ばし、布を伸ばしてネック付与するのに必要な張力を生じさせる。Mormanに付与された米国特許第4,965,122号、及びMormanに付与された米国特許第5,336,545号の両方は、本明細書において全体を引用によりここに組み入れられ、このような2つのネッキング配置を開示する。
【0020】
ここで用いられる「ネック付け可能な材料又は層」という用語は、不織材料、織成材料、又は編成材料のようなネック付けできる何らかの材料を意味する。ここで用いられる「ネック付けされた材料」という用語は、横方向の寸法(例えば幅)を減らしながら少なくとも一方向(例えば前後方向)に引き伸ばされ、引き伸ばし力が解除されたときに材料を元の幅又は元の幅の近くまで戻す、或いは緩めることができる何らかの材料を指す。ネック付けされた材料は、通常は、ネック付けされていない材料に比べて、単位面積当たり、高い坪量を有する。ネック付けされた材料が元のネック付けされていない幅に戻るときには、該材料は、ネック付けされていない材料とほぼ同じ坪量を有するはずである。これは、層が薄くなり、坪量が恒久的に減少する、材料層の延伸/配向とは異なる。
【0021】
典型的には、そのようなネック付けされた不織布材料は、約80パーセントまでネック付けすることができる。例えば、本発明の種々の態様のネック付け可能な裏面シート30は、向上された性能を得るために、約10パーセントから約80パーセントまで、望ましくは約20パーセントから約60パーセントまで、より望ましくは約30パーセントから約50パーセントまでの範囲でネック付けされた材料によって与えられる。「ネック付け率」又は「ネックダウン率」という用語は、本開示の目的において、ネック付け可能な材料のネック付け前の寸法とネック付け後の寸法との差を測定し、次いでその差を該ネック付け可能な材料のネック付け前の寸法で割り、百分率で表すために100を掛けることによって算出された比率すなわち百分率を指す。ネッキングの百分率(ネック付け率)は、上述の米国特許第4,965,122号の記載に従って算出可能である。
【0022】
通常、「ストレッチボンデッド」とは、一方の弾性部材がその弛緩された状態の長さの少なくとも約25%で伸ばされる間に、他方の部材に結合された弾性部材のことを指す。「ストレッチボンデッドラミネート」とは、一方の層がギャザー寄せ可能な層で、もう一方の層が弾性層である、少なくとも2つの層を有する複合材料を指す。これらの層は、弾性層が伸ばされた状態にあるときに互いに接合され、これにより、これらの層を弛緩させると、ギャザー寄せ可能な層にギャザーが寄る。こうした多層複合弾性材料は、結合位置の間でギャザー寄せされた非弾性材料が弾性材料を伸ばすことを可能にするまで、延伸させることができる。ストレッチボンデッドラミネートの1つの種類は、Vander Wielen他に付与された米国特許第4,720,415号に開示されている。他の複合弾性材料は、Kieffer他に付与された米国特許第4,789,699号、Wrightに付与された米国特許第5,385,775号、及びTaylorに付与された米国特許第4,781,966号に開示されている。さらに、Mormanに付与された米国特許第4,652,487号及び第4,657,802号、及びMorman他に付与された第4,655,760号に説明され、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。
【0023】
通常、「ネックボンデッド」とは、非弾性部材が引き伸ばされてネック付けされる間に、該非弾性部材に結合された弾性部材のことを指す。「ネックボンデッドラミネート」とは、一方の層がネック付けされた非弾性層であり、もう一方の層が弾性層である、少なくとも2つの層を有する複合材料のことを指す。これらの層は、非弾性層が引き伸ばされてネック付けされた状態にあるときに互いに接合される。ネックボンデッドラミネートの例は、Mormanに付与された米国特許第5,226,992号、第4,981,747号、第4,965,122号、及び第5,336,545号に述べられており、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。
【0024】
通常、「ネックストレッチボンデッド」とは、非弾性部材が引き伸ばされてネック付けされ、弾性部材が少なくとも引き伸ばされている間に、非弾性部材に結合される弾性部材のことを指す。「ネックストレッチボンデッドラミネート」とは、一方の層がネック付けされた非弾性層であり、もう一方の層が延伸されて、時にはネック付けされた弾性層である、少なくとも2つの層を有する複合材料のことを指す。これらの層は、引き伸ばされた(及びネック付けされた)状態にあるときに互いに接合される。ネックストレッチボンデッドラミネートの例は、Mormanに付与された米国特許第5,114,781号及び第5,116,662号に述べられており、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。
【0025】
「不織布」は、個々の繊維又はフィラメントが、相互に組み合わされているが、編まれた布のように識別できる形態ではない構造を有する材料のウェブ又は層のことを指す。不織布又はウェブは、例えば、押出成形、発泡体、メルトブロー工程、スパンボンド工程、空気堆積工程、及びボンデッドカーデッドウェブ工程などの多くの工程により形成されている。不織布の坪量は、通常は、材料の平方ヤード当たりのオンス数(osy)、又は平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表され、繊維直径は、通常はミクロンで表される(osyをgsmに換算するには、osyに33.91を掛ける)。
【0026】
ここで用いられる「オフセット」という用語は、製品又はラミネートの横方向及び縦方向又は横方向軸又は縦方向軸以外の方向に配向されることを意味する。
「穿孔する」又は「穿孔された」という用語は、ウェブの境界内に含まれており、該ウェブの機械横方向又は機械方向の縁部の間に及びこれを通って延びないウェブ内の切断部又は穴を指す。
「パーソナルケア物品」という用語は、おむつ、拭取材、トレーニングパンツ、吸収性アンダーパンツ、成人失禁用製品、婦人用衛生用品、包帯のような創傷ケア用品、その他同様の物品を意味する。
「ポリマー」という用語は、単独重合体と、(例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、及び交互共重合体を含む)共重合体と、三元重合体等、及びそれらの配合物及び変成物を含むが、これらに限られるものではない。さらに、特に限定されていない限り、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のあるすべての幾何学的形状を含むものとする。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
【0027】
「スパンボンド繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、それぞれの全部を引用によりここに組み入れる、Appel他に付与された米国特許第4,340,563号、Dorschner他に付与された米国特許第3,692,618号、Matsuki他に付与された米国特許第3,802,817号、Kinneyに付与された米国特許第3,338,992号及び3,341,394号、Hartmanに付与された米国特許第3,502,763号、Petersenに付与された米国特許第3,502,538号、及びDobo他に付与された米国特許第3,542,615号におけるように、急速に縮小させることにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、通常はメルトブローン繊維より大きく、より具体的には、概ね約1ミクロンから約30ミクロンまでの平均直径を有する。
【0028】
「ほぼ連続的なフィラメント」又は「ほぼ連続的な繊維」という用語は、紡糸口金からの押し出しにより準備された、制限的ではないが、不織ウェブ又は布に形成される前に、元の長さから切断されてないスパンボンド繊維及びメルトブローン繊維を含むフィラメント又は繊維のことをいう。ほぼ連続的なフィラメント又は繊維は、約15cmより大きい値から1メートルより大きい値までの長さまで、及び形成されている不織ウェブ又は布の長さまで又は該長さより大きい値までの範囲に及ぶ平均長さを有することができる。「ほぼ連続的なフィラメント(又は繊維)」の定義は、不織ウェブ又は布に形成される前に切断されていないが、該不織ウェブ又は布が切断された後に切断されるものを含む。
【0029】
「約」「ほぼ」のような程度を表す言葉は、ここでは、「記載された条件に内在する製造公差及び材料公差が与えられた場合は〜で、又は〜付近で」という意味で用いられ、かつ、本発明の開示内容の利点を不当に利用する無法な権利侵害を防ぐために用いられ、正確な又は絶対的な図面は、本発明の理解を助けるものとして記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
添付の図面は、本発明の種々の態様の説明及び理解の一助としてのみ示されるものであり、本発明を限定するものとみなすべきではない。
【0031】
本発明の特定の態様及び実施形態は、使い捨て吸収性物品の内容で述べられ、より詳細には、限定的ではなく、例示のために、弾性の側部パネル、ウエストパネル、又は締結耳部をもつ、パンツ状衣料、例えば、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ衣料、又は水着衣料に関して言及される。しかし、本発明の態様は、さらに、他の伸縮自在な区域、及び、吸収性であってもなくても、容易に製造できる弾性のある伸縮自在な区域を必要とする、婦人用ケア物品、種々の失禁用衣料、医療用衣料その他の使い捨て衣料といった種類の他の衣料又はパーソナルケア製品を製造するのに採用することができることが容易に明らかになるであろう。典型的には、このような使い捨て物品は、制限された使用に意図され、再使用のために洗濯されるか或いは別の方法により洗浄されることが意図されるものではない。例えば、使い捨てトレーニングパンツは、これが着用者により汚された後に、経済的に処分される。
【0032】
図1は、平坦に広げた状態すなわち折り畳まれていない状態の、使い捨ておむつ20のような吸収性物品の代表的な平面図である。おむつ20の内部構造をより明確に示すために、構造体の一部が部分的に切り取られている。おむつ20の着用者に接触する身体側表面がこちらを向いている。
【0033】
使い捨ておむつ20は、通常は、前ウエスト部22と、後ウエスト部24と、前ウエスト部と後ウエスト部を相互に連結する中間部26とを定める。前ウエスト部22及び後ウエスト部24は、使用中にそれぞれ着用者の腹部領域の前後をほぼ覆って延びるように構成されるおむつの一般的な部分を含む。おむつの中間部26は、着用者の脚の間において股部領域を通って延びるように構成されるおむつの一般的な部分を含む。
【0034】
おむつ20は、これらに限定されることはないが、非身体側外側カバーすなわち裏面シート30と、該裏面シート30とは反対側に配置された液体透過性の身体側ライナすなわち上面シート32と、該裏面シート30と該上面シート32の間に配置された吸収パッドのような吸収性コア又は吸収体の、主要な液体保持構造体34とを含む。図示された実施形態において、裏面シート30は、おむつ20の長さ及び幅と一致した長さすなわち縦方向48と幅すなわち横方向50とを定める。これらの方向は、さらに、おむつ20の軸であると考慮することができる。液体保持構造体34は通常、裏面シート30の長さより小さい長さと、該裏面シート30の幅より小さい幅を定める。これにより、裏面シート30の縁部のようなおむつ20の縁部が、液体保持構造体34の終端縁を越えて延びることができる。例えば、図示された実施形態においては、裏面シート30は液体保持構造体34の終端縁を超えて外向きに延びて、おむつ20の側縁と端縁を形成する。上面シート32は通常、裏面シート30と同一の広がりをもつが、必要に応じて、該裏面シート30の面積より大きいか又は小さい面積を随意的に覆うことができる。
【0035】
おむつ20は、漏れを減らし、向上された快適性と外観を提供するために、おむつ20の側縁に作動的に張力を与え、着用者の脚の周りにぴったりとフィットできる伸縮自在な脚部バンドを与えるように構成された脚部弾性体36を含むことができる。以下にさらに説明されるように、おむつ20の後ウエスト部24を伸縮自在にして伸縮自在なウエストバンドを提供するために、区分けされ、優先的に穿孔されたウエスト弾性体の完全なパネル38を用いることができる。以下でさらに説明されるように、ウエスト弾性体38は、着用者のウエストの周りに弾性的でぴったりとした快適なフィット性を与える形状にされる。
【0036】
図示実施形態においては、ウエスト弾性体38は、フック・ループ式ファスナのフック部分として示されるファスナ40が取り付けられる一対の一体的な側部パネル42を含む。図示されていないループ部分は、前ウエスト部22の外側すなわち非身体側において別々の又は一体的なパネルとして取り付けることができる。
【0037】
一般に、ウエスト弾性体38は、例えば、接着剤ストライプ又は超音波結合ライン39によってであるか、或いは当業者に知られる別の方法により、おむつ20のウエスト部22、24の一方の、少なくとも、横方向側縁及びウエスト縁部の近くにおいて、おむつの一部として結合し取り付けることができる。さらに、結合ライン39を、おむつ20の側縁とウエスト縁部37に隣接する部分との間の幅広い表面積にわたり配置し、ウエスト弾性体38の底部縁部41は取り付けられないままにして、このようにして、滲出物を格納し収容するための区域43が下にあるフラップ状の構造体を与えることができる。接着剤が接触する幅広い区域は、ウエスト弾性体38がおむつ20の本体から剥がれるのを阻止する。ウエスト弾性体38は、側部パネル42を介して、次いで、おむつ20の側縁から横方向外向きに延びる。例示的な態様の側部パネル42は、拡張可能になるように、ウエスト弾性体38と一体成形される。他の実施形態は、本発明による別々に取り付けられた側部パネルを含むことができる。側部パネル40及びファスナ42をウエスト弾性体の完全なパネル38に統合することは、該側部パネル40及び該ファスナ42がおむつ20の本体から引き裂かれたり分離されたりすることを効果的に減少させる。
【0038】
ウエスト弾性体38及び側部パネル42、又はこれら両方、その他の衣料の前駆構成材ウェブは、以下にさらに述べられるようにラミネートとすることができ、機械的な延伸により製造されたネックボンデッドラミネート(NBL)、又はストレッチボンデッドラミネート(SBL)材料といった拡張可能なエラストマ表面材材料を使用することができ、又は、不織熱結合カーデッドウェブ(TBCW)、弾性フィルムなどのような本質的に拡張可能な材料を含むことができる。このような機械的に延伸された材料を製造する方法は、当業者に周知であり、1987年5月5日にWisneski他に特許付与された米国特許第4,663,220号、1993年7月13日にMormanに特許付与された米国特許第5,226,992号、及び1987年4月8日にTaylor他の名において発行された欧州特許出願番号EP 0 217 032号に述べられている。伸縮自在の側部パネル及び選択的に構成されたファスナタブを含む吸収性物品の例は、1995年6月22日にRoesslerに発行されたPCT特許出願番号WO95/16425号、1995年3月21日にRoessler他に特許付与された米国特許第5,399,219号、Friesに付与された米国特許第5,540,796号、Frisに付与された米国特許第5,595,618号、及びKuepper他に付与された米国特許第5,496,298号に述べられており、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。
【0039】
当業者であれば、前ウエスト部22のような他の区域、又は裏面シート30により覆われたようなおむつ20の全体的な区域を拡張可能に製造してもよいことを理解するであろう。おむつ20のあらゆる拡張可能な区域は、機能性及び美観を高めるために、ここに述べられた弾性複合材を使用することができる。
【0040】
おむつ20はまた、流体排出物を迅速に除き、おむつ20内で流体排出物を液体保持構造体34に分散させるために、上面シート32と該液体保持構造体34との間に配置されるサージ調整層44を含むこともできる。おむつ20はさらに、液体保持構造体34から裏面シート30を隔離して該裏面シート30の衣類対向面の湿気を減らすために、該液体保持構造体34と該裏面シート30との間に配置される通気層(図示せず)を含むことができる。適切なサージ調整層44の例は、Bishopに付与された米国特許第5,486,166号、Ellisに付与された米国特許第5,490,846号、Latimer他に付与された米国特許第5,364,382号、及びLatimerに付与された米国特許第5,429,629号、及びDodgeII他に付与された米国特許第5,820,973号に述べられており、本明細書において全体を引用によりここに組み入れる。
【0041】
図1に代表的に示されるように、使い捨ておむつ20はまた、身体排出物の横方向流出に対する障壁を与えるように形成された一対の閉じ込めフラップ46を含むこともできる。閉じ込めフラップ46は、液体保持構造体34の側縁に隣接したおむつ20の横方向に相対する側縁に沿って配置することができる。閉じ込めフラップ46の各々は、通常は、着用者の身体に対するシールを形成するために、おむつ20の少なくとも中間部26において直立した垂直な形を維持するように構成された、取り付けられていない縁を定める。
【0042】
本発明の弾性体及び弾性ラミネートは、以下にさらに述べられるように、パーソナルケア物品、医療用衣料、及び産業用作業服衣料のようなあらゆる好適な物品に組み込むことができる。より詳細には、弾性体及び弾性ラミネートは、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性アンダーパンツ、成人用失禁用製品、婦人用衛生製品、保護医療用ガウン、外科医療用ガウン、帽子、手袋、フェースマスク、実験室用コート、及びカバーオールに用いるのに適している。多くのエラストマ構成材がこのような物品の設計及び製造に用いられることが知られている。例えば、使い捨て吸収性物品は、拡張可能で伸縮自在の脚部カフス、そのカフス区域を含む伸縮自在のウエスト部分、伸縮自在の側部パネル及び締結タブを含むことが知られている。本発明の弾性複合材及びラミネートは、このような拡張可能で伸縮自在の区域を形成するためのあらゆる好適な物品に適用することができる。
【0043】
図2及び図4を参照すると、ウエスト弾性体38は、本発明による成形された弾性ラミネートの完全なパネル52を含むことができ、これは、後ウエスト部24(図3)上に又はこれに配置されるように成形されている。ラミネート52には、ウエスト部が区別できるゾーンで拡張することを可能にする、総合的に54で示される穿孔ゾーンが示されるが、総合的に56で示される他方の穿孔されていないゾーンはほとんど拡張せず、より引き裂き抵抗がある。例えば、中央穿孔部54aは、穿孔された側部パネル部54bより大きな伸長性を与えるように製造することができる。弾性ラミネートの完全なパネル52の外側すなわち非身体側表面図である図4と比較すると、表面材に利用可能な伸縮量を調整するために、該弾性ラミネートの完全なパネル52の対向する側の表面材スリットは、内側すなわち身体側の表面材における第1スリット53(図2)が短く、外側すなわち非身体側の表面材における第2スリット55(図4)が長いような等しくない長さになっているのが見られる。外側すなわち非身体側の表面材が、内側すなわち身体側の表面材より高程度に収縮するような特異的な収縮力を生成することにより、固有の反り効果が生成されて、弾性ラミネートの完全なパネル52を着用者の身体の周りを包む傾向になる。このような効果は、さらに、ラミネートの両側に異なる重量又は材料の表面材を用いることにより高めるか又は調整することができる。内側及び外側の表面材スリットの各々は、以下にさらに述べられるようにオフセットになるようにパターン形成される。さらに、スリットのパターン又は大きさ、又はこれら両方は、本発明の幾つかの態様においては、衣料の右側及び左側の間で異なってもよい。
【0044】
おむつ20の幾分より概略的な図3を参照すると、ラミネート52には、後ウエスト部24においておむつ20のシャーシ又は主要本体に配置された区分けされた穿孔部54が示されている。結合部39は、穿孔されていないゾーン56に配置されて、引き裂き抵抗、及び、ラミネート結合区域に固定する堅固な結合を与える。結合部は、超音波、接着剤(図1に示されるように)その他の既知の結合形式形態とすることができる。穿孔されていないゾーン56は、さらに、ファスナ40の結合区域に与えられ、この重要な接合部材の下にファスナ材料及び堅固な材料を結合するための堅固な区域を与えて、さらに引き裂きを阻止する。穿孔ゾーン54は、後ウエスト区域24の実質的な幅を占めて、着用者の移動による負荷の下で拡張が必ず生じる着用者の背部、及び、着用者の移動によりさらに負荷が加えられる区域において衣料の延伸フィッティングが達成される側部パネル42を取り囲み、衣料の快適で一貫性及び信頼性のあるフィット性を確実にする。
【0045】
図5を参照すると、おむつ20は、内側又は身体側表面、すなわちカバーシート又はライナ32が上を向いており、後ウエスト部24が上方に向いて弾性ラミネートの完全なパネル252により覆われた状態で概略的に示されている。該弾性ラミネート252の完全なパネルの中には、代替的な穿孔ゾーン54の配置が含まれた状態で示される。弾性ラミネートの完全なパネル252は、着用者の衣料のフィット性に必要な弾性性能のほとんどを与えるため、所望の場合には、穿孔ゾーン54は、必ずしもおむつ20の横方向縁部付近又は側部パネル付近の区域に配置する必要はない。穿孔部は、おむつ20の縦方向中線又は軸48に対向する配向であり、図においては、おむつの右側においては約30度の正の角、該おむつの左側においては約30度の負の角をもたらすように示される。角度が付けられた穿孔部は、図6及び図7に関連してさらに説明される「プルアップ」収縮力を与える。穿孔部のパターンは、線形配置に限定されるものではなく、湾曲したパターンを含むことができることが理解されるであろう。また、パターンは1つすなわち鏡像パターンに限定されるものではなく、ラミネートの単層において多数のパターンを含んでもよいし、又は、多層ラミネート内に積層された穿孔部のパターンを含んでもよい。多層は、さらに、異なる重量であってもよい。
【0046】
図6を参照すると、例えば、図8及び図9の穿孔ローラ164又は182のそれぞれによって行うことができるような穿孔されたが延伸されていないラミネート82は、おむつ20の軸に対応する縦方向軸48及び横方向軸50を有する。当業者に知られるように、機械方向に配向された穿孔部は不織布その他の表面材材料の横方向軸50における引き伸ばしを助けるように不織ウェブに配置されており、機械横方向又は横方向軸50に配向された穿孔部は、不織布の縦方向軸における引き延ばしを助けるように不織ウェブに配置される。理解されるように、縦方向軸48から正及び負の30度傾斜で延びる本発明の態様によるオフセット配向された穿孔部84は、横方向軸50より縦方向軸48に沿ってより実質的に配向される。したがって、優先的な引き伸ばし可能方向は、横方向軸50において与えられるが、依然として、縦方向軸又は横方向軸50に排他的に沿って配向された穿孔部における場合においては、縦方向軸48におけるラミネートの伸長性を高めることを可能にする。
【0047】
さらに、図6の例示的な実施形態においては、各々の穿孔ゾーン54は、2インチの幅であり、1.5インチの穿孔されていないゾーン56により分離されて、弾性ラミネート82の幅にわたり、区分けされた伸長性及び穿孔されていない結合区域を可能にする。穿孔ラインは、0.25インチで分離されている。
【0048】
図7を参照すると、張力が機械横方向すなわち横方向50にかけられたときには、穿孔部84は、ウェブ82の拡張可能性を機械方向におけるより機械横方向において多く可能にするように拡張する。張力が機械方向にかけられたときには、穿孔部84はその方向に少ない程度まで拡張し、依然としてウェブ82の機械方向の拡張可能性を可能にする。収縮は、引き伸ばし方向に対して垂直方向に配向される。したがって、穿孔部のパターンをオフセットに、図5ないし図7に示されるように対向して配置することにより、矢印85(図7)により示される収縮力が組み合わさって、縦方向軸に対する「プルアップ」効果を生成し、これがおむつ20を着用者の適切な位置に保持することを助ける。
【0049】
図8を参照すると、弾性ラミネートの完全なパネル38又はおむつ20の側部パネル部分42のための例示的なラミネートが、ネックボンデッド様式で、弾性フィルム58及び不織ウェブ60から製造されている。或いは、ラミネートは、以下にさらに説明されるように、ネック付けを要求しない本質的に拡張可能な材料で製造することができる。本発明の幾つかの態様による望ましい弾性フィルムのブレンドは、例えば、約10重量%から約60重量%まで、望ましくは約30重量パーセントの、テキサス州ヒューストン所在のKraton Polymersから商品名KRATONで商業的に入手可能なスチレン・ブタジエンブロック共重合体、及び、望ましくは約65ないし70重量パーセントの、例えば、ミシガン州ミッドランド所在のDow Chemical Companyからの商品名Affinityで商業的に入手可能なメタロセンにより触媒作用を受けたポリマーのようなポリオレフィンエラストマ、及び、0より大きい重量%から約40重量%まで、望ましくは5重量パーセントの、例えば、ミシガン州ミッドランド所在のDow Chemicalからの商品名AFFINITYで商業的に入手可能なポリマーのような低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことができる。LDPEは、高生産性でフィルムの加工を安定させるのを助け、要求されたときには、信頼性のあるフィルムのダウンゲージングを確実にするのを助ける。フィルムが、さらに、穿孔される場合には、LDPEは、安定した穿孔が形成されるのを助ける。
【0050】
不織ウェブの表面材60は、強度、価値、及び美観の良好な妥協をもたらすと信じられている、約0.7osyから約0.8osyまでの間の、例えばポリプロピレンスパンボンド表面材を含むことができる。しかし、他の表面材が本発明の範囲から除外されるわけではない。例えば、本発明の精神を保持する、本質的に伸長性の熱結合カーデッドウェブのような他の不織布、又は弾性の又は伸長性の材料のフィルム、及び天然材料をラミネートの表面材層に用いることができる。ウェブ表面材は、切開法、水圧交絡法、高温ピン穿孔法その他の既知の又は好適な方法により穿孔することができる。
【0051】
図9を参照すると、本発明によるラミネートを製造するための例示的な装置及び方法は、穿孔されていない弾性フィルム58が、穿孔されネック付けされた不織布152にラミネートされる前に、該弾性フィルム58が引張られることがないように、カレンダロール158とほぼ同じ速度で回転している第1供給ロール156から取られるのが示されている。例えば、0.7osyのポリプロピレン又はほぼ連続的な繊維の二成分スパンボンド又はメルトブローン不織ウェブのような予め穿孔された不織ウェブ59は、一方164が不織ウェブ59をオフセットパターンで穿孔するように構成された第1の対のローラ162により、供給ロール160から引き出される。穿孔されたウェブ61は、次いで、第2の対のローラ166において引っ張られる。第2の対の第1のローラ163は制動ローラとして働き、該第2の対166の第2のローラ165は、例えば、約30パーセントから約55パーセントまでの間、望ましくは、約35パーセント又はそれ以上まで不織布をネック付けするのを助けるように、より高速で移動している。次いで、さらに、穿孔されネック付けされた不織ウェブ152及び延伸されていない弾性フィルム58が、カレンダロール158を通るニッピングにより接合されるときに、不織布152に対するネッキング張力が、該カレンダロール158により生成されるか又は維持されて、ラミネート47を生成する。ラミネート層は、望ましくはホットメルト接着剤により結合されるか、又は弾性フィルム58を表面材の上に又は表面材の間に半溶融状態で押出被覆して結合を助けてもよいし、或いは、カレンダロール158を用いて、パターン結合により、ラミネート層を熱融着してもよいし、熱活性接着剤(図示せず)を層の間に適用してもよいし、又は当業者に知られる他のこのような方法を用いてもよい。
【0052】
図10を参照すると、第2の例示的な材料又はラミネート71が、ラミネート装置174により、引っ張られ穿孔された弾性フィルム172及び表面材ウェブ152から製造されている。本発明による弾性フィルム150は、一方171が弾性フィルム150を穿孔するように構成された、取り上げ又は張力ロール176より遅い速度で回転する第1供給ロール175から取られる。或いは、弾性フィルム150は、第1供給ロール175に巻き取られる前に、所望のパターンで穿孔することができる。張力ロール176は、穿孔された不織ウェブ152に対するラミネート前に、穿孔された弾性フィルム172を引っ張るように、カレンダロール177より遅い速度で移動することができる。
【0053】
図10に示される工程中であれ、これより前であれ、フィルムが穿孔される図10の例示的な実施形態においては、穿孔形状を所望の構成で保持し、穿孔部における引き裂き傾向を最小にするために、弾性フィルムがLDPEを含有するブレンドされたエラストマから製造される、本発明の態様によりフィルムを製造することが特に望ましい。
【0054】
例えば、0.7osyのポリプロピレンスパンボンド不織ウェブ、伸長性のボンデッドカーデッドウェブ、引き伸ばし可能フィルムなどのような表面材ウェブ59は、一方182が、図4により示されるパターンで表面材ウェブ59を穿孔するように構成された第1の対のローラ180により、供給ロール178から引き出される。穿孔された表面材ウェブ61は、次いで、カレンダロール177を通るニッピングにより、穿孔された表面材ウェブ61及び引っ張られた弾性フィルムが接合されるときに、該カレンダロール177により受け取られる。ラミネート層は、望ましくはホットメルト接着剤により結合されるか、又は弾性フィルム58を表面材の上に又は表面材の間に半溶融状態で押出被覆して結合を助けてもよいし、或いは、カレンダロール177を用いて、パターン結合により、ラミネート層を熱融着してもよいし、熱活性接着剤(図示せず)を層の間に適用してもよいし、又は当業者に知られる他のこのような方法を用いてもよい。もちろん、2つより多いウェブを有するラミネートを生成することが可能である。さらに、本ラミネートを製造する際に、穿孔されたウェブにラミネートした後に、穿孔部を不織布の中に配置することは、可能性のある代替的手法である。
【0055】
初めのウェブの延伸可能性の量及び方向、及びそこに適用される後続する穿孔部のパターンによって、材料の延伸可能性及び弾性の組み合わせ、程度、及び配向は、本発明の教示により行うことができることが一般的に理解されるであろう。したがって、本発明は、図示実施形態又は本明細書に述べられる例示的な材料に限定されるものとして考えるべきではない。
【0056】
このように、おむつのためのウエスト弾性体の完全なパネルの内容において、少なくとも1つの表面材及び弾性フィルムを含む高度に拡張可能な弾性ラミネートの例示的な実施形態を述べたが、当業者であれば、これに対する多くの変更を想起できることが理解されるであろう。例えば、弾性ラミネートを、おむつの他の区域に適用してもよいし、又は、ウエスト弾性体の完全なパネルの代用物として側部パネルとして用いてもよい。したがって、本発明は、本明細書に述べられた例示的な実施形態及び態様によってではなく、特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の弾性ラミネートを使用する制限された使用のパンツ状衣料を示す。
【図2】本発明の弾性ラミネートを使用することができる制限された使用のパンツ状衣料のためのウエスト区域のラミネート用途の態様を示す、おむつの内側すなわち身体側表面の図である。
【図3】本発明の弾性ラミネートを使用することができる制限された使用のパンツ状衣料のためのウエスト区域のラミネート用途の態様を示す、おむつの内側すなわち身体側表面の図である。
【図4】特異的なスリット付けを示すのを助ける、図2及び図3の弾性ラミネートの完全なパネルの外側すなわち非身体側表面の図である。
【図5】「プルアップ」効果を生成するように、穿孔部がオフセットで、縦方向中線の周りに対向するようにパターン形成されたウエスト区域の弾性ラミネートの代替的な態様を示す。
【図6】ラミネートの縦方向の中心線の約30度だけオフセットした軸線方向に配向された穿孔部を用い、2つの穿孔ゾーンが穿孔されていないゾーンにより分離され、かつこれにより取り囲まれた、不織布の1つの可能性のある穿孔部のパターンを示す。
【図7】張力がかけられた後の図6の布の穿孔部に対する影響を示す。
【図8】本発明による1つの弾性ラミネートの断面図である。
【図9】ラミネートの弾性コア層が、不織表面材に対して熱結合ラミネートされる前に穿孔されない、本発明の弾性ラミネートを製造する工程を示す。
【図10】ラミネートの弾性コア層が、不織表面材に対して接着ラミネートされる前に穿孔される、本発明の弾性ラミネートを製造する工程を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性ラミネートであって、
a)第1及び第2主要表面を有する弾性フィルム、及び、
b)伸長性のウェブ、
を備え、
c)前記ウェブが前記弾性フィルムの前記第1主要表面に結合されており、
d)前記ウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部が、ラミネートの縦方向軸及び横方向軸からオフセットした軸線方向に配向されて、前記ラミネートの伸縮に関して優先的な方向を生成するように構成された、
ことを特徴とする弾性ラミネート。
【請求項2】
前記穿孔部が、穿孔されていない材料のゾーンにより分離された第1及び第2の穿孔ゾーン内にある、
ことをさらに含む請求項1に記載の弾性ラミネート。
【請求項3】
前記第1及び第2の穿孔ゾーンが、異なるオフセット角度で配置された穿孔部を有する、
ことをさらに含む請求項1に記載の弾性ラミネート。
【請求項4】
前記ウェブが、本質的に伸長性のボンデッドカーデッドウェブである、
ことをさらに含む請求項1に記載の弾性ラミネート。
【請求項5】
前記ウェブが、約35%又はそれより大きいネッキングレベルまでネック付けされたスパンボンド不織ウェブである、
ことをさらに含む請求項1に記載の弾性ラミネート。
【請求項6】
前記弾性フィルムの前記第2主要表面に結合された第2の伸長性のウェブ、
をさらに備えた請求項1に記載の弾性ラミネート。
【請求項7】
前記第2の伸長性のウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部がオフセットした軸線方向に配向されて、前記ラミネートの伸長性に関して優先的な方向を生成するようになった、
ことをさらに含む請求項6に記載の弾性ラミネート。
【請求項8】
前記第2の伸長性のウェブが穿孔部を有し、該第2の伸長性のウェブの穿孔部が異なる大きさである、
ことをさらに含む請求項7に記載の弾性ラミネート。
【請求項9】
パンツ状衣料であって、
a)弾性ラミネートが、
i)第1及び第2主要表面を有する弾性フィルム、及び、
ii)不織ウェブ
を含み、
iii)前記不織ウェブが前記弾性フィルムの前記第1主要表面に結合されており、
iv)前記不織ウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部が、ラミネートの縦方向軸及び横方向軸からオフセットした軸線方向に配向されて、前記ラミネートの伸縮に関して優先的な方向を生成するように構成されており、
b)前記弾性ラミネートが衣料のウエスト部に配置された、
ことを特徴とするパンツ状衣料。
【請求項10】
前記弾性ラミネートが、前記衣料の前記ウエスト部の幅の大部分にわたり延びるようになった、
ことをさらに含む請求項9に記載のパンツ状衣料。
【請求項11】
前記弾性ラミネートが、前記衣料の前記ウエスト部に配置された側部パネルを含む、
ことをさらに含む請求項9に記載のパンツ状衣料。
【請求項12】
前記側部パネルがファスナを含む請求項11に記載のパンツ状衣料。
【請求項13】
前記弾性ラミネートが高伸長性ゾーン及び低伸長性ゾーンを含む請求項10に記載のパンツ状衣料。
【請求項14】
前記弾性ラミネートが、穿孔区域及び穿孔されていない区域を含む請求項10に記載のパンツ状衣料。
【請求項15】
弾性ラミネートであって、
a)第1及び第2の主要表面を有する弾性フィルムが、
i)約10重量%から約60重量%までのスチレン・ブタチエンブロック共重合体、
ii)約15重量%から約75重量%までのポリオレフィンエラストマ、及び、
iii)0より大きい重量%から約40重量%までの低密度ポリエチレン、
を含み、
b)伸長性の表面材ウェブ、
を含み、
c)前記伸長性のウェブが前記弾性フィルムの前記第1主要表面に結合されており、
d)前記伸長性のウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部がオフセットした軸線方向に配向されて、ラミネートの伸長性に関して優先的な方向を生成するようになった、
ことを特徴とする弾性ラミネート。
【請求項16】
前記穿孔部が、穿孔されていない材料のゾーンにより分離された第1及び第2の穿孔ゾーン内にある、
ことをさらに含む請求項15に記載の弾性ラミネート。
【請求項17】
前記第1及び第2の穿孔ゾーンが、異なるオフセット角度で配置された穿孔部を有する、
ことをさらに含む請求項16に記載の弾性ラミネート。
【請求項18】
前記弾性フィルムの前記第2主要表面に結合された第2の伸長性のウェブ、
をさらに備えた請求項17に記載の弾性ラミネート。
【請求項19】
前記第2の伸長性のウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部がオフセットした軸線方向に配向されて、前記ラミネートの伸長性に関して優先的な方向を生成するようになった、
ことをさらに含む請求項18に記載の弾性ラミネート。
【請求項20】
前記第2の伸長性のウェブが穿孔部を有し、該第2の伸長性のウェブの穿孔部が異なる大きさである、
ことをさらに含む請求項19に記載の弾性ラミネート。
【請求項21】
前記伸長性のウェブが、本質的に伸長性のボンデッドカーデッドウェブである、
ことをさらに含む請求項15に記載の弾性ラミネート。
【請求項22】
前記ウェブが、約30%から約55%までの間のネッキングレベルまでネック付けされたスパンボンド不織ウェブである、
ことをさらに含む請求項15に記載の弾性ラミネート。
【請求項23】
吸収性パンツ状衣料であって、
I)ライナ、
II)液体保持構造体、
III)外側カバー、及び
IV)弾性ラミネート、
を含み、前記弾性ラミネートが、
a)弾性フィルム、
を含み、前記弾性フィルムが、
i)約10重量%から約60重量%までのスチレン・ブタチエンブロック共重合体、
ii)約15重量%から約75重量%までのポリオレフィンエラストマ、及び、
iii)0より大きい重量%から約40重量%までの低密度ポリエチレン、
を含み、
b)伸長性の不織ウェブ、
を含み、
c)前記弾性フィルムが前記不織ウェブに結合されており、
d)前記不織ウェブがこれを通る穿孔部を有し、前記穿孔部がオフセットした軸線方向に配向されて、前記ラミネートの伸長性に関して優先的な方向を生成するようになり、
e)前記弾性ラミネートが、衣料のウエスト部に配置された、
ことを特徴とする吸収性パンツ状衣料。
【請求項24】
前記弾性ラミネートが、前記衣料のウエスト部の幅を横切って延びるようになった、
ことをさらに含む請求項23に記載の吸収性パンツ状衣料。
【請求項25】
さらに、前記弾性ラミネートが、前記衣料のウエスト部に配置された側部パネルを含む、
請求項23に記載の吸収性パンツ状衣料。
【請求項26】
前記側部パネルがファスナを含む請求項25に記載の吸収性パンツ状衣料。
【請求項27】
前記弾性ラミネートが、高伸長性ゾーン及び低伸長性ゾーンを含む請求項24に記載の吸収性パンツ状衣料。
【請求項28】
前記弾性ラミネートが、穿孔材料及び穿孔されていない材料の区域を含む請求項24に記載の吸収性パンツ状衣料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2006−511375(P2006−511375A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564765(P2004−564765)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/031159
【国際公開番号】WO2004/060666
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】