説明

穿孔の表示方法および装置ならびに岩盤穿孔時のドリルロッド案内方法

本発明は、制御装置およびこれに属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグ(1)を使用して、3次元座標系において定義され穿孔すべき各穴ごとに始点(19aないし21a)および終点(19bないし21b)を定義する事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、穿孔すべき穴を表示する方法および装置に関する。本発明では、穴の終点(19bないし21b)を通り投影面と平行な基面(18)を各穴(19ないし21)ごとに定義し、ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と定義された基面との交点の投影を投影面上にグラフィック位置記号で表示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対して3次元座標系を用いて定義されそれぞれの計画穴の方向に従って始点および終点を穿孔すべき穴ごとに定義する事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、穿孔すべき穴を表示し、穴の穿孔に関して、計画穴の穿孔計画に従って投影を制御装置のディスプレイ上に、穿孔すべき穴の横断方向投影面上に表示し、ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に生成される投影をその穴について設定された目標長に従って投影面上に表示する方法に関するものである。
【0002】
本発明はさらに、制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対し得て3次元座標系を用いて定義される事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、3次元座標系において穿孔すべき各穴ごとに始点および終点をそれぞれの計画穴の方向および長さに従って決定し、穴の穿孔に関して、計画穴の投影を各穴の横断方向投影面上の線分として制御装置のディスプレイ上に表示し、また、ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に作成される実穴の投影を、その穴について設定された目標長に従って穿孔するとき、投影面上に線分として表示するドリルロッド案内方法に関するものである。
【0003】
さらに本発明は、制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対して3次元座標系を用いて定義され3次元座標系において穿孔すべきそれぞれの穴ごとに各計画穴の方向および長さに従って始点および終点を定義する事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、穿孔すべき穴を表示し、計画穴の投影を各穴の横断方向投影面上における線分として制御装置のディスプレイ上に表示する表示手段を備え、表示手段はまた、ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に生成される実穴の投影を、その穴について設定された目標長に従って穿孔するとき、投影面上に線分として表示する装置に関するものである。
【0004】
今日、岩盤穿孔において、大多数の穴は、事前設計された穿孔計画および自動制御に基づいて操作される自動トンネル掘削機によって穿孔される。穿孔を実行およびモニタするため、穿孔計画、すなわち穿孔リグブームの位置および穴の実際の穿孔と計画との関係は、典型的にはディスプレイ上に穿孔リグのグラフィックユーザインタフェースによって2次元投影を使って表示される。ディスプレイ上に表示された投影を使用して、例えば、穿孔ブームの方向記号が計画穴の記号の上に正確に来るようにブームを計画穴へ位置決めする。
【0005】
この投影は、穿孔穴について固定の5メートル穿孔長もしくは実際の計画長などのさまざまな単純化表示を用いている。しかし、公知の実施例では、ブームの位置決めには、例えば固定長を用いることが必要であり、片や穿孔のモニタには、実穿孔長に応じた投影を用いることが必要であった。この投影のばらつきがユーザの作業を複雑にしてきた。
【0006】
固定穿孔長に対応する投影を用いる場合、各穴の終点の関係が実情に対応していないことが問題である。また、実長に従って投影を行なう場合、計画の穴もしくは実際の穴は相互に対応性がなく、異なる長さや異なる角度の穴が2次元面上に完全に同じように投影されることがある。さらに、実際の穴長に応じた投影が直近の穴の長さに基づいてブーム記号の投影と組み合わされていないと、その表示はユーザに誤解を与える。なぜなら、ディスプレイ上では平行かつ等長の投影線であっても、計画穴および実穴が実際に平行であるとは限らないからである。
【0007】
両投影方法における重大な問題はまた、三角法に精通していないユーザが次のような勘違いを容易にしてしまうことである。すなわち、穴とブームの終点がディスプレイ上で一致すると、その穴の実際の終点および目標終点も一致したと勘違いする。しかし、これは必ずしも正解ではなく、この問題は、穿孔すべき穴が計画始点で開始できないという特殊な状況で発生する。
【発明の簡単な説明】
【0008】
本発明は、穿孔図にて計画された穴と、穿孔すべき穴および/またはすでに穿孔した穴とを削岩リグの制御装置のディスプレイ上に表示し、これによって、計画穴とそれに対応する穿孔された穴との関係および相対位置をより良好に表示する方法および装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、ユーザがドリルビットを容易に所望のように案内して、実際の穴の終点が十分な精度で計画穴の終点になるように出来るドリルロッド案内方法を提供することを他の目的とする。
【0009】
本発明による穿孔すべき穴の表示方法は、
a)穴の終点を通り投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
b)ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と投影面上に定義された基面との間の交点の投影をグラフィック位置記号で表示することを特徴とする。
【0010】
本発明による穿孔すべき穴の表示装置は、表示手段が、
a)穴の終点を通り投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
b)ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部とその穴について定義された基面との間の交点を前記投影にグラフィック位置記号で表示するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によるドリルロッド案内方法は、
a)穴の終点を通り投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
b)ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と定義された基面との間の交点を前記投影にグラフィック位置記号で表示し、
c)穿孔中に形成される穴もしくはその平行な延長部の投影の交点が計画穴の終点とは異なる場合、次の動作、すなわち、
d)前記計画穴の終点ならびに穿孔中に形成される穴およびその基面の交点の記号がディスプレイ上で同じ位置になるまでドリルロッドを案内し、
e)穿孔中に形成される穴の穿孔長を変更して、これをディスプレイ上で交点に終端させることの一方もしくは両方を行なうことを特徴とする。
【0012】
本発明の基本的概念は、計画された穴およびドリルロッドの位置に基づいて穿孔する際、および同じ投影面上の実際に形成される穴の投影を表示する際、実際に形成される穴の終点の位置に対してその計画された穴の終点の位置もユーサに表示し、これによってユーザが穴を穿孔する前に、形成すべき穴が計画に対して適切であるかを確かめることにある。
【0013】
本発明の利点は、穴の2次元投影によって、計画された穴および実穿孔穴の両方とも始点および終点の実際の状態を十分な精度でディスプレイスクリーン上に表示できることである。実穴の投影は、各穴について掘削円の長さに基づいた共通の基準深さを用いるので、対比可能である。
【0014】
目標穴および計画穴の投影線が平行で、それぞれの始点と位置マークの間の距離が同じ長さになるようドリルロッド付送り装置を位置決めする。また、前に穿孔した実穴に平行な穴を穿孔することも可能である。同様に、これらの操作に従って穿孔する際に生成される実穴は、実質的に計画穴の終点で終端することになる。
【0015】
ドリルロッドの位置決めは穴の始点とは無関係に行なって、穴を正しい深さまで穿孔したときに、その穿孔した穴の実際の終点を計画穴の終点と十分な精度で一致させることもできる。さらに、グラフィック表示によれば、穴が計画のものと比べて短すぎたり長すぎたりするような場合、穴の深さを調節する図解がユーザに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
次に、添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図1】トンネル掘削装置の模式図である。
【図2a】および
【図2b】トンネルにおける穿孔計画を上から、およびトンネル方向から見た場合を公知の投影法で示す模式図である。
【図3a】および
【図3b】1つの穴と穿孔すべき穴の状況を従来技術によって、それぞれ上から見た場合、およびディスプレイスクリーンに表示された投影として示す模式図である。
【図4a】ないし
【図4f】本発明による穿孔状況の表示を、上から見た場合およびディスプレイ上の投影として模式的に示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0017】
図1は削岩リグを示す。留意すべきは、本発明の適用が何らかの特殊な削岩リグに限定されることはないことである。本発明はまた、削岩リグの操作手段のいくつかが、例えば地上の別個の操作室にある遠隔操作削岩リグにも適用できる。その場合、本発明の構成要件の少なくともいくつかは、削岩リグ外部のユーザインタフェースおよびこれに属するディスプレイに関連させて実現してもよい。
【0018】
図1に示す削岩リグ1は、1本以上の穿孔ブーム3が配設された可動キャリア2を含んでよい。穿孔ブーム3は1本以上のブーム部品3a、3bで構成してよく、これらは継ぎ手4によって相互に、またキャリア2にも連結されて、ブーム3をさまざまな方向に多目的に動かすことができる。さらに、各穿孔ブーム3の自由端には穿孔ユニット5を配することができ、これは、送りビーム6、送り装置7、削岩機部8、および最外端部にドリルビット9aを有するドリルロッド9で構成することができる。削岩機8は、送り装置7によって送りビーム6に対して動かすことができ、穿孔中、ドリルロッド9を岩盤10の方へ給送することができる。削岩機8は、工具9に対して衝撃パルスを与える衝撃装置と、さらにはドリルロッド9をその長手軸を中心に回転させる回転装置とを有してよい。削岩リグ1はまた、穿孔を制御する制御装置11も有している。制御装置11は、ドリルブーム3を動かすアクチュエータや穿孔作業の遂行に参加する他のアクチュエータに指示を与えることができる。さらに、穿孔ブーム3の継ぎ手4には1つ以上のセンサ12を、さらに穿孔ユニット5に1つ以上のセンサ13があってもよい。これらのセンサ12、13から受信した測定データは制御装置11へ送信することができ、これに基づいて制御装置は、制御の目的で穿孔ユニット5の位置と方向を決めることができる。制御装置11は、穿孔ユニット5の位置をドリルビット9aの位置およびドリルロッド9の長手軸の方向として用いるよう構成してもよい。注意すべきは、制御装置11とは削岩リグ1の制御装置を総称し、いくつかのサブシステムで構成してもよく、さらに以下の各例に示すようにいくつかの制御ユニットを含んでもよいことである。さらに、削岩リグは通常、操作室14を有し、ここに、穿孔中ユーザが滞在し、必要な操作装置およびモニタ装置が配されている。操作室は、リグを遠隔操作する場合は必ずしも必要でなく、その場合は、必要な操作装置およびモニタ装置は遠隔操作装置にある。操作装置およびモニタ装置を備えた操作室はなお、有人操作の場合に備えて設けておいてよい。
【0019】
図2aおよび図2bは、一例として実際の穴長を基にした従来技術の投影法を示す。図2aはトンネル内の穿孔図の上面図である。これは、一例として必要な送りビーム5および穿孔装置を取り付けた2本の穿孔ブーム3を備えた削岩リグ1を有している。トンネル15は、穿孔用に定義された掘削円を有し、穿孔計画16として図示されている。穿孔計画は、3次元座標系における各穴ごとに始点および方向、ならびに穴の終点を定める長さを定義するものである。または、穿孔計画は、穴の始点および終点を定義し、これによって穴の長さを定義するものでもよい。穿孔計画は、例えば岩盤表面15aからある距離にある仮想面としてのナビゲーション面17から開始してもよい。次に、各穴の始点をナビゲーション面17上にて決め、各穴の長さを決めてそこから開始する。掘削円の各穴は、主として掘削円の長さに沿って、すなわちその基面18まで伸びる。ナビゲーション面17を用いれば、基面18はこれに平行である。穿孔計画はさまざまな穴を有し、これらのいくつか、すなわち番号19aで示す始点および番号19bで示す終点を有する穴19は、掘削円と実質的に平行である。さらに、トンネル壁と天井および床に隣接して、斜め外方に伸びる穴20があり、その始点は番号20aで、また終点は番号20bで示し、この穴を用いることによって、トンネルは常に必要な断面積を維持し、狭くなることがない。同図はさらに、その開始表面側端部にかなり斜めに穿孔された開始穴21がある様子を示し、その始点は番号21aで、また終点を番号21bで示し、この穴を使用して発破を開始し、爆破された岩石を発破現場から出す。
【0020】
図2bは、削岩リグの方向から見たトンネルプロファイルの形で穿孔計画を示す。スポット19aないし21aは3次元座標系における穴の始点を指す。この穿孔計画は、穿孔装置が各穴をその始点から始めてその終点まで穿孔するよう作成されている。各穴の方向および距離はこれらの実際の定義事項に従っているので、各穴の方向および位置を表し点20aおよび21aから始まる線20cおよび21cは、互いに交差していない。穴19に対しては線が示されていない。なぜなら、この穿孔計画によれば、各穴は掘削円に対して正確に平行にすべきであるからである。このように、穿孔方法はユーザにとって明瞭に見える。同図はまた、送りビームの位置および方向も示し、これによってドリルロッドの位置、すなわちドリルビットの始点22を丸印で示し、同様にその長さおよび方向をその丸印から始まる線22cで示している。しかしこれらは、実際に穿孔された穴と計画された穴との関係をユーザに信頼性を持って示すものではない。
【0021】
図3aおよび図3bは、公知の表示方法における問題を示す模式図である。図3aは、計画穴20がその始点から開始して掘削円の終点、この例では掘削円の基面18上で終了する様子を示す上面図である。穴20の始点20aおよびその終点20bは、穿孔方向に対する横断面、例えばナビゲーション面17、および同様に基面18上に黒丸として示されている。同図はさらに、削岩リグ送りビーム5、穿孔中に形成される実穴20'、ならびにその始点20a'および終点20b'を模式的に示している。図3aに示すように、実穴はナビゲーション面17に対してかなり急角度であり、たとえその長さが計画穴の長さと等しくても、基面18までは届かずにある距離xに留まっている。しかし、穿孔された穴20'の終点20b'がほぼ計画穴の終点20bにあれば、削岩リグの制御系のディスプレイ上における結果は、横断方向の投影面、例えばナビゲーション面17上で示すと、図3bに示す通りとなる。つまり、計画穴の投影、すなわち線分20cと、穿孔中に形成される実穴の投影を表す線分20c'は、この状況で行なった場合、互いに対して終端しているように見える。この状況でユーザは、計画された終点まで穴を穿孔したと考えるが、実際には距離xが残り、こうして設計上の発破結果より劣ることになる。
【0022】
図4aないし図4fは、さまざまな穿孔状況を上から見た場合、および本発明によってディスプレイ上に表示された対応する投影として示す模式図である。図4aは、計画された穴20がナビゲーション面17から基面18まで走っている状況の模式図である。その始点と、対応するその終点も両面上に丸印として示す。送り装置5は、実穴20'の始点20a'が計画穴の始点からある距離sになるように案内される。同様に実穴の方向は、ナビゲーション面に対して異なる角度にある。その結果、穴を実際にその穴の元々の長さに従って穿孔すると、その終点20b'は基面18の後方のある距離xになってしまうが、これは意図したものではない。図4bには、この状況をナビゲーション面17上の投影として示し、この場合、ナビゲーション面は投影面として機能する。これには、計画穴20が、一方の端部に始点20aを、また他方の端部の基面上に終点20bを有する実線として示されている。同様に、ナビゲーション面17上の計画穴の投影がそれらの間の線分20cとして示されている。同様に、穿孔すべき実穴の始点20a'が丸印で示され、その穴の長さが投影20c'として実線で示されている。これは、この穴の線分が基面18の記号20"を通過する様子を示し、したがってこの投影は穴が遠く伸びすぎてしまうことを示している。この状況でユーザは、穿孔すべき穴を計画長より短くして、穴の終端部が基面18上になる、すなわち基面を示す記号20b"になるようにすることができる。
【0023】
そこで図4cは、計画穴と穿孔すべき穴が互いに平行であるが、互いにある距離に離れている状況を示している。この状況は図4dにおいて、計画穴および実穴の長さを表す線分20cおよび20c'が同じで、これらの穴の始点20aおよび20a'と、対応する終点20bおよび20b'の位置を互いにずらせ、これによって穴の横断方向のずれを示すように表示している。しかし、実穴の終端部20b'は所望通りに基面18上にあり、したがってこの穴は許容できる。
【0024】
図4eおよび図4fは、計画穴の方向と穿孔すべき穴の方向が互いに異なり、実際は穿孔すべき穴がナビゲーション面17の法線とは計画穴以上に異なっている状況を示している。この状況において、計画穴の長さを有する穴を穿孔するとすれば、形成された穴と基面18との間には距離xが残ってしまうであろう。これは図4fでは、基面における計画穴長の投影と計画穴の終点20bとの間の部分を、形成すべき実穴を表す線分20c'とは異なる線分20d'、この場合、一例として点線で示すように表示している。この状況においてユーザは、本来の計画された穴長が十分でなく、穴長を増す必要があることに気づく。このようにして、実穿孔は基面18まで伸長され、こうして発破に必要な位置まで伸長される。
【0025】
図4b、図4dおよび図4fでは、計画穴および実穴の記号は、縦方向において互いの上方に示し、これらを互に良好に区別している。理論上、これらは、縦方向において同一位置にあれば、同一線上にあるはずである。実際は、これらは同じ位置になるように表示されるが、それぞれ異なった色もしくは線分を用いて互に区別するようにする。穴の始点および終点を表す記号は自由に選択してよい。同様に、結果的にユーザにとって明瞭で視認しやすくなる限り、さまざまな線分形式および太さを必要に応じて選択してよい。これらの図はまた、穿孔すべき穴もしくはその延長部と計画穴との基面交点も、ひし形20b"で示している。これらは、図4aおよび図4bに示す場合にて形成すべき穴が長すぎればこれを短くする必要があることを示している。同様に、図4eおよび図4fに示す場合にて形成すべき穴が短すぎればこれを長くする必要がある。
【0026】
上の説明および図面では、本発明を一例として記載したが、本発明は何らこれらに限定されない。本質的なことは、穿孔すべき穴の位置を投影する際、その計画長に基づいて生成されたその終点の掘削円の基面に対する位置を、穿孔すべき穴の終点が基面上にあるか、もしくは終点が基面の片側にずれていかをユーザが投影から判断するように表示して、必要な場合、ユーザが穿孔を修正して所望の目標に対応するよう、すなわち、穴を基面上で終端させるようにすることである。すべての状況において、ドリルロッドを案内してその始点を横断方向に移動させ、計画穴の投影と、穿孔中に形成すべき穴、ならびに始点および終点の投影を完全に互いの上方に配するようにすることも、当然可能である。このようにして穴は正確にその計画位置に穿孔される。しかし、これは常に可能な訳ではなく、そこで、必要な終点は、本発明によればその始点の差に関係なく達成することができる。投影面は掘削円の長手方向に対する何らかの横断面でよく、これにさまざまな投影を画成することができる。投影面は、掘削円の長手方向に対して、したがって大部分の穴の長手方向に対しても、実質的に垂直であることが最も望ましい。すべての穴が平行とは限らないので、すべての穴の長手方向に対して垂直にすることはできない。投影面は、先に説明したナビゲーション面でよいが、これとは異なっても、また非平行でもよい。同様に、穴の始点が投影面上にある必要はない。投影を決める場合、穴の計画された終点を通って伸びる面を各穴ごとに使用し、これらの面すべてを掘削円の基面に対して平行にする。これらは掘削円の基面と同一でもよく、または穴の終点に応じて基面からある距離にあってもよい。実際は、ほとんどの場合、掘削円の中央部における平行な穴の基面は掘削円の基面と同じであるが、縁端部およびカットホールでは、基面は掘削円の基面と異なる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対して3次元座標系を用いて定義されそれぞれの計画穴の方向に従って始点および終点を穿孔すべき穴ごとに定義する事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、穿孔すべき穴を表示し、穴の穿孔に関して、前記計画穴の穿孔計画に従って投影を前記制御装置のディスプレイ上に、前記穿孔すべき穴の横断方向投影面上に表示し、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴の投影を該穴について設定された目標長に従って前記投影面上に表示する方法において、該方法は、
b)前記穴の終点を通り前記投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
c)前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と前記投影面上に定義された基面との間の交点の投影をグラフィック位置記号で表示することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記基面および前記穿孔中に形成される穴またはその平行な延長部の投影の交点が前記計画穴の終点と異なる場合、該計画穴の終点、および前記生成すべき穴および前記計画穴の基面の交点の記号がディスプレイ上で互いの上方になるまで前記ドリルロッドを案内することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、案内後に、穿孔中に形成される穴の投影の終点が前記計画穴の終点と同じ位置にない場合、穿孔中に生成すべき穴の穿孔長を変更して、その前記ディスプレイ上の投影を前記交点で終端させることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記計画穴の終点にグラフィック位置記号を画成することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記計画穴の終点、および前記穿孔中に形成される穴もしくはその延長部と前記定義された基面との交点において画成されるグラフィック位置記号として同様の形状および大きさの記号を用いることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴の終点が前記穴延長部と前記基面との交点から離れている場合、各点の間の線分の投影を実穴を表す線分とは異なる線分として表示することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記穿孔中に形成される穴の方向および長さを変えて、前記穿孔計画における計画穴の基面に到達させることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記穿孔計画におけるすべての穴について前記投影面として共通のナビゲーション面を使用し、該面へすべての穴の始点を画成することを特徴とする方法。
【請求項9】
制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対して3次元座標系を用いて定義される事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、前記3次元座標系において穿孔すべき各穴ごとに始点および終点をそれぞれの計画穴の方向および長さに従って決定し、前記穴の穿孔に関して、前記計画穴の投影を前記穴の横断方向投影面上の線分として前記制御装置のディスプレイ上に表示し、また、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に生成される実穴の投影を、該穴について設定された目標長に従って穿孔するとき、前記投影面上に線分として表示するドリルロッド案内方法において、該方法は、
c)前記穴の終点を通り前記投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
d)前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と前記投影面上に定義された基面との間の交点を前記投影にグラフィック位置記号で表示し、
c)前記基面および前記穿孔中に生成される穴もしくはその平行な延長部の投影の交点が前記計画穴の終点と異なる場合、次の動作、すなわち
d)前記計画穴の終点と穿孔中に形成される穴およびその基面の交点の記号とが同じ位置になるまで前記ドリルロッドを案内し、
e)前記穿孔中に形成される穴の穿孔長を変更して、これを前記ディスプレイ上で前記交点に終端させることの一方もしくは両方を行なうことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記穿孔計画におけるすべての穴について前記投影面として共通のナビゲーション面を使用し、該面へすべての穴の始点を画成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の方法において、前記計画穴の終点にグラフィック位置記号を画成することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記計画穴の終点について画成されるグラフィック位置記号、および前記穿孔中に形成される穴もしくはその延長部と前記定義された基面との交点のグラフィック位置記号は、同一の形状および大きさであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9ないし12のいずれかに記載の方法において、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴の終点が前記穴の延長部と基面の交点から離れている場合、各点の間の線分の投影を実穴を表す線分とは異なる線分として表示することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載の方法において、穿孔中に形成される穴の方向および長さを自動的に変更して、前記穿孔計画における計画穴の基面に到達させることを特徴とする方法。
【請求項15】
制御装置およびこれに付属するディスプレイと、ドリルロッドの方向および位置を求める測定手段とを有する削岩リグを使用して、岩盤に対して3次元座標系を用いて定義され該3次元座標系において穿孔すべきそれぞれの穴ごとに各穴の計画された方向および長さに従って始点および終点を定義する事前設計穿孔計画を用いることによって岩盤に穴を穿孔する際、穿孔すべき穴を表示し、前記計画穴の投影を該穴の横断方向投影面上における線分として前記制御装置のディスプレイ上に表示する表示手段を備え、該表示手段はまた、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に生成される実穴の投影を、該穴について設定された目標長に従って穿孔するとき、前記投影面上に線分として表示する装置において、前記表示手段は、
b)前記穴の終点を通り前記投影面に平行な基面を各穴ごとに定義し、
c)前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する際に形成される穴もしくはその延長部と該穴について定義された基面との間の交点を前記投影にグラフィック位置記号で表示するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、前記表示手段は、前記計画穴の終点にグラフィック位置記号を表示するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、前記表示手段は、前記計画穴の終点、および前記穿孔中に形成される穴もしくはその延長部と前記定義された基面との基面交点について前記グラフィック位置記号として同様の形状および大きさの記号を表示するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項15ないし17のいずれかに記載の装置において、前記ドリルロッドの現在位置に従って穿孔する場合、および前記穿孔中に形成される穴の終点が前記穴延長部と基面との交点から離れている場合、前記表示手段は、各点の間の線分の投影を実穴を表す線分とは異なる線分として表示するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項15ないし18のいずれかに記載の装置において、前記表示手段は、前記穿孔計画におけるすべての穴について前記投影面として共通のナビゲーション面を使用し、該面へすべての穴の始点を画成するように構成されていることを特徴とする装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【公表番号】特表2011−522983(P2011−522983A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513011(P2011−513011)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050468
【国際公開番号】WO2009/150294
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY