説明

穿孔方法およびレーザー加工装置

【課題】第1の材料と第2の材料とが接続された被加工物に加工孔を効率よく形成することができる穿孔方法およびレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料から第2の材料に変化するまでのショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料から完全に第2の材料に変化した時までのショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程とし、レーザー加工孔を形成する際に、ショット数が最小値に達しプラズマのスペクトルが第1の材料から第2の材料に変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、ショット数が最小値に達してもプラズマのスペクトルが第1の材料から第2の材料に変化しない場合にはショット数が最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接続された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成する穿孔方法およびレーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。
【0003】
装置の小型化、高機能化を図るため、複数のデバイスを積層し、積層されたデバイスに設けられたボンディングパッドを接続するモジュール構造が実用化されている。このモジュール構造は、半導体ウエーハにおけるボンディングパッドが設けられた箇所に貫通孔(ビアホール)を形成し、この貫通孔(ビアホール)にボンディングパッドと接続するアルミニウム等の導電性材料を埋め込む構成である。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
上述した半導体ウエーハに設けられる貫通孔(ビアホール)は、ドリルによって形成されている。しかるに、半導体ウエーハに設けられる貫通孔(ビアホール)は直径が90〜300μmと小さく、ドリルによる穿孔では生産性が悪いという問題がある。
【0005】
上記問題を解消するために、基板の表面に複数のデバイスが形成されているとともに該デバイスにボンディングパッドが形成されているウエーハに、基板の裏面側からパルスレーザー光線を照射してボンディングパッドに達するビアホールを効率よく形成するウエーハの穿孔方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0006】
しかるに、パルスレーザー光線は、ボンディングパッドを形成する金属に対して吸収率が低く、基板を形成するシリコンやリチウムタンタレート等の基板材料に対しては吸収率が高い波長が選ばれているものの、基板の裏面側からパルスレーザー光線を照射してボンディングパッドに達するビアホールを形成する際に、基板に形成されたビアホールがボンディングパッドに達した時点でパルスレーザー光線の照射を停止することが困難であり、ボンディングパッドが溶融して穴が開くという問題がある。
【0007】
下記特許文献2に開示されたウエーハの穿孔方法の問題を解消するために、レーザー光線の照射によって物質がプラズマ化し、そのプラズマが発する物質固有のスペクトルを検出することによりレーザー光線が金属からなるボンディングパッドに達したと判定するレーザー加工装置が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−163323号公報
【特許文献2】特開2007−67082号公報
【特許文献3】特開2009−125756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
而して、レーザー光線の照射によって形成された細孔の底に位置する金属からなるボンディングパッドにレーザー光線が照射されても基板材料がノイズとなってボンディングパッドを形成する金属の適正なプラズマの発生を妨げ、レーザー光線が金属からなるボンディングパッドに達したとの判定が困難となり、ボンディングパッドを溶融して穴を開けてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接続された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を効率よく形成することができる穿孔方法およびレーザー加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接合された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成する穿孔方法であって、
被加工物の任意の領域に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化する変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料固有のスペクトルから完全に第2の材料固有のスペクトルに変化した時までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程と、
被加工物の所定の加工位置に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が該最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止する穿孔工程と、を含む、
ことを特徴とする穿孔方法が提供される。
【0012】
また、本発明においては、被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に移動せしめる移動手段と、該レーザー光線照射手段から被加工物にレーザー光線が照射されることによって発生するプラズマのスペクトルを検出するプラズマ検出手段と、該プラズマ検出手からの検出信号に基づいて該レーザー光線照射手段を制御する制御手段とを具備し、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接合された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成するレーザー加工装置において、
制御手段は、該レーザー加工孔を形成するに必要なパルスレーザー光線のショット数の最小値と最大値とを記憶するメモリおよび該レーザー光線照射手段によって照射されるパルスレーザー光線のショット数をカウントとするカウンターを具備しており、被加工物の所定の加工位置に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際には、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が該最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止するように該レーザー光線照射手段を制御する、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
【0013】
上記制御手段は、加工送り手段を作動して被加工物保持手段に保持された被加工物の任意の領域を該レーザー光線照射手段の照射位置に位置付け、レーザー光線照射手段を作動し第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化する変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料固有のスペクトルから完全に第2の材料固有のスペクトルに変化した時までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程を実行し、最小値および最大値をメモリに格納する。
【発明の効果】
【0014】
本発明による穿孔方法においては、被加工物の任意の領域に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化する変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料固有のスペクトルから完全に第2の材料固有のスペクトルに変化した時までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程と、被加工物の所定の加工位置に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止する穿孔工程とを含んでいるので、レーザー光線の照射によって発生するプラズマ光が適正に発生しない場合であっても第2の部材を溶融することがない。従って、被加工物が基板(第1の部材)の表面に形成された複数のデバイスにそれぞれボンディングパッド(第2の部材)が配設されたウエーハであり、基板(第1の部材)の裏面側からボンディングパッド(第2の部材)に達するレーザー加工孔を形成する場合に、ボンディングパッド(第2の部材)が溶融して穴が開くことがない。
【0015】
また、本発明によるレーザー加工装置は、レーザー光線照射手段から被加工物にレーザー光線が照射されることによって発生するプラズマのスペクトルを検出するプラズマ検出手段と、該プラズマ検出手からの検出信号に基づいて該レーザー光線照射手段を制御する制御手段とを具備し、制御手段は、レーザー加工孔を形成するに必要なパルスレーザー光線のショット数の最小値と最大値とを記憶するメモリおよびレーザー光線照射手段によって照射されるパルスレーザー光線のショット数をカウントとするカウンターを具備しており、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接続された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成する際には、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が該最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止するように該レーザー光線照射手段を制御するので、レーザー光線の照射によって発生するプラズマ光が適正に発生しない場合であっても第2の部材を溶融することがない。従って、被加工物が基板(第1の部材)の表面に形成された複数のデバイスにそれぞれボンディングパッド(第2の部材)が配設されたウエーハであり、基板(第1の部材)の裏面側からボンディングパッド(第2の部材)に達するレーザー加工孔を形成する場合に、ボンディングパッド(第2の部材)が溶融して穴が開くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。
【図2】図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の構成ブロック図。
【図3】図1に示すレーザー加工装置に装備される制御手段の構成ブロック図。
【図4】被加工物としての半導体ウエーハの平面図。
【図5】図4に示す半導体ウエーハの一部を拡大して示す平面図。
【図6】図4に示す半導体ウエーハを環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着した状態を示す斜視図。
【図7】図4に示す半導体ウエーハが図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブルの所定位置に保持された状態における座標との関係を示す説明図。
【図8】本発明による穿孔方法における最小ショット数設定工程および最大ショット数設定工程の説明図。
【図9】本発明による穿孔方法における穿孔工程の説明図。
【図10】本発明による穿孔方法における穿孔工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による穿孔方法およびレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0018】
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置1は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向(X軸方向)に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2にX軸方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構4と、該レーザー光線照射ユニット支持機構4に矢印Zで示す集光点位置調整方向(Z軸方向)に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
【0019】
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上にX軸方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上にY軸方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持されたカバーテーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361上に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、後述する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
【0020】
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるためのX軸方向移動手段(加工送り手段37)を具備している。この加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動せしめられる。
【0021】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、上記チャックテーブル36の加工送り量即ちX軸方向位置を検出するためのX軸方向位置検出手段374を備えている。X軸方向位置検出手段374は、案内レール31に沿って配設されたリニアスケール374aと、第1の滑動ブロック32に配設され第1の滑動ブロック32とともにリニアスケール374aに沿って移動する読み取りヘッド374bとからなっている。このX軸方向位置検出手段374の読み取りヘッド374bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量即ちX軸方向の位置を検出する。なお、上記加工送り手段37の駆動源としてパルスモータ372を用いた場合には、パルスモータ372に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量即ちX軸方向の位置を検出することもできる。また、上記加工送り手段37の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量即ちX軸方向の位置を検出することもできる。
【0022】
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、Y軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動させるための第1のY軸方向移動手段(第1の割り出し送り手段38)を具備している。この第1の割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
【0023】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、上記第2の滑動ブロック33の割り出し加工送り量即ちY軸方向位置を検出するためのY軸方向位置検出手段384を備えている。このY軸方向位置検出手段384は、案内レール322に沿って配設されたリニアスケール384aと、第2の滑動ブロック33に配設され第2の滑動ブロック33とともにリニアスケール384aに沿って移動する読み取りヘッド384bとからなっている。このY軸方向位置検出手段384の読み取りヘッド384bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の割り出し送り量即ちY軸方向の位置を検出する。なお、上記第1の割り出し送り手段38の駆動源としてパルスモータ382を用いた場合には、パルスモータ382に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、チャックテーブル36の割り出し送り量即ちY軸方向の位置を検出することもできる。また、上記第1の割り出し送り手段38の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の割り出し送り量即ちY軸方向の位置を検出することもできる。
【0024】
上記レーザー光線照射ユニット支持機構4は、静止基台2上にY軸方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一側面にZ軸方向に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構4は、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動させるための第2のY軸方向移動手段(第2の割り出し送り手段43)を具備している。この第2の割り出し送り手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ネジロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
【0025】
図示の実施形態のおけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段52を具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、Z軸方向に移動可能に支持される。
【0026】
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段52を具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、Z軸方向に移動可能に支持される。
【0027】
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動させるためのZ軸方向移動手段(集光点位置調整手段53)を具備している。集光点位置調整手段53は、一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザー光線照射手段52を案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においてはパルスモータ532を正転駆動することによりレーザー光線照射手段52を上方に移動し、パルスモータ532を逆転駆動することによりレーザー光線照射手段52を下方に移動するようになっている。
【0028】
上記レーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521と、図2に示すようにケーシング521内に配設されたパルスレーザー光線発振手段6と、パルスレーザー光線発振手段6が発振したレーザー光線の光軸を加工送り方向(X軸方向)に偏向する光偏向手段としての音響光学偏向手段7と、該音響光学偏向手段7を通過したパルスレーザー光線を上記チャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する集光器8を具備している。
【0029】
上記パルスレーザー光線発振手段6は、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器61と、これに付設された繰り返し周波数設定手段62とから構成されている。パルスレーザー光線発振器61は、繰り返し周波数設定手段62によって設定された所定周波数のパルスレーザー光線(LB)を発振する。繰り返し周波数設定手段62は、パルスレーザー光線発振器61が発振するパルスレーザー光線の繰り返し周波数を設定する。
【0030】
上記音響光学偏向手段7は、レーザー光線発振手段6が発振したレーザー光線(LB)の光軸を加工送り方向(X軸方向)に偏向する音響光学素子71と、該音響光学素子71に印加するRF(radio frequency)を生成するRF発振器72と、該RF発振器72によって生成されたRFのパワーを増幅して音響光学素子71に印加するRFアンプ73と、RF発振器72によって生成されるRFの周波数を調整する偏向角度調整手段74と、RF発振器72によって生成されるRFの振幅を調整する出力調整手段75を具備している。上記音響光学素子71は、印加されるRFの周波数に対応してレーザー光線の光軸を偏向する角度を調整することができるとともに、印加されるRFの振幅に対応してレーザー光線の出力を調整することができる。なお、光偏向手段としては上記音響光学偏向手段7に代えて電子光学素子を用いた電子光学偏向手段を使用してもよい。上述した偏向角度調整手段74および出力調整手段75は、後述する制御手段によって制御される。
【0031】
また、図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段52は、上記音響光学素子71に所定周波数のRFが印加された場合に、図2において破線で示すように音響光学素子71によって偏向されたレーザー光線を吸収するためのレーザー光線吸収手段76を具備している。
【0032】
上記集光器8はケーシング521の先端に装着されており、上記音響光学偏向手段7によって偏向されたパルスレーザー光線を下方に向けて方向変換する方向変換ミラー81と、該方向変換ミラー81によって方向変換されたレーザー光線を集光するテレセントリックレンズからなる集光レンズ82を具備している。
【0033】
図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段52は以上のように構成されており、以下その作用について図2を参照して説明する。
音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に後述する制御手段から例えば5Vの電圧が印加され、音響光学素子71に5Vに対応する周波数のRFが印加された場合には、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線は、その光軸が図2において1点鎖線で示すように偏向され集光点Paに集光される。また、偏向角度調整手段74に後述する制御手段から例えば10Vの電圧が印加され、音響光学素子71に10Vに対応する周波数のRFが印加された場合には、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線は、その光軸が図2において実線で示すように偏向され、上記集光点Paから加工送り方向(X軸方向)に図2において左方に所定量変位した集光点Pbに集光される。一方、偏向角度調整手段74に後述する制御手段から例えば15Vの電圧が印加され、音響光学素子71に15Vに対応する周波数のRFが印加された場合には、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線は、その光軸が図2において2点鎖線で示すように偏向され、上記集光点Pbから加工送り方向(X軸方向)に図2において左方に所定量変位した集光点Pcに集光される。また、音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に後述する制御手段から例えば0Vの電圧が印加され、音響光学素子71に0Vに対応する周波数のRFが印加された場合には、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線は、図2において破線で示すようにレーザー光線吸収手段76に導かれる。このように、音響光学素子71によって偏向されたレーザー光線は、偏向角度調整手段74に印加される電圧に対応して加工送り方向(X軸方向)に偏向せしめられる。
【0034】
図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、集光器8の光軸上に配設されレーザー光線発振手段6が発振するレーザー光線は通過するが被加工物Wで発するプラズマ光を反射する反射手段9と、該反射手段9によって反射された光の波長を検出する波長検出手段10を具備している。反射手段9は、図2に示す実施形態においては、レーザー光線が通過する開口911を備えたミラー91からなっている。
【0035】
図2を参照して説明を続けると、波長検出手段10は、上記反射手段9によって反射された光を各波長毎に分光する回折格子101と、該回折格子101によって分光された光の各波長の光強度を検出し光強度信号を出力するラインイメージセンサー102とからなっており、ラインイメージセンサー102は光強度信号を後述する制御手段に出力する。なお、後述する制御手段は、波長検出手段10のラインイメージセンサー102からの光強度信号に基づいて被加工物の材質を判定し、レーザー光線照射手段52を制御する。回折格子101によって分光されるスペクトルの中、シリコンのスペクトルは波長が251nmであり、リチウムタンタレートのスペクトルは波長が670nmであり、銅のスペクトルは波長が515nmである。このように被加工物を形成する物質とプラズマの波長との関係は、後述する制御手段のメモリに記憶されている。従って、後述する制御手段は、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が251nm付近であるならばレーザー光線照射手段52の集光器8から照射されるレーザー光線によって加工されている被加工物はシリコンであり、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が670nm付近であるならばレーザー光線照射手段52の集光器8から照射されるレーザー光線によって加工されている被加工物はリチウムタンタレートであり、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が515nm付近であるならばレーザー光線照射手段52の集光器8から照射されるレーザー光線によって加工されている被加工物は銅であると判定することができる。図示の実施形態においては、反射手段9を集光器8の光軸上に配設し、レーザー光線を被加工物に照射することによって発するプラズマ光を光軸上で検出できるので、細孔が形成された底に位置する金属からなるボンディングパッドにレーザー光線が照射されることによって発するプラズマ光を確実に検出することができる。
【0036】
図1に戻って説明を続けると、図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、ケーシング521の前端部に配設され上記レーザー光線照射手段52によってレーザー加工すべき加工領域を撮像する撮像手段11を備えている。この撮像手段11は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
【0037】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、図3に示す制御手段20を具備している。制御手段20はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)201と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)202と、後述する制御マップや被加工物の設計値のデータや演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)203と、カウンター204と、入力インターフェース205および出力インターフェース206とを備えている。制御手段20の入力インターフェース205には、上記X軸方向位置検出手段374、Y軸方向位置検出手段384、波長検出手段10のラインイメージセンサー102および撮像手段11等からの検出信号が入力される。そして、制御手段20の出力インターフェース206からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ532、レーザー光線照射手段52、表示手段200等に制御信号を出力する。なお、上記ランダムアクセスメモリ(RAM)203は、被加工物を形成する物質とプラズマの波長との関係を記憶する第1の記憶領域203aや後述するウエーハの設計値のデータを記憶する第2の記憶領域203bや後述するパルスレーザー光線の最小ショット数を記憶する第3の記憶領域203cや他の記憶領域を備えている。
【0038】
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
図4にはレーザー加工される被加工物としての半導体ウエーハ30の平面図が示されている。図4に示す半導体ウエーハ30は、シリコン基板300(第1の部材)の表面300aに格子状に配列された複数の分割予定ライン301によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイス302がそれぞれ形成されている。この各デバイス302は、全て同一の構成をしている。デバイス302の表面にはそれぞれ図5に示すように複数のボンディングパッド303(303a〜303j)(第2の部材)が形成されている。この第2の部材としてのボンディングパッド303(303a〜303j)は、図示の実施形態においては銅によって形成されている。なお、図示の実施形態においては、303aと303f、303bと303g、303cと303h、303dと303i、303eと303jは、X方向位置が同一である。この複数のボンディングパッド303(303a〜303j)にそれぞれ裏面300bからボンディングパッド303に達する加工穴(ビアホール)が形成される。各デバイス302におけるボンディングパッド303(303a〜303j)のX方向(図5おいて左右方向)の間隔A、および各デバイス302に形成されたボンディングパッド303における分割予定ライン301を挟んでX方向(図5において左右方向)に隣接するボンディングパッド即ちボンディングパッド303eとボンディングパッド303aとの間隔Bは、図示の実施形態においては同一間隔に設定されている。また、各デバイス302におけるボンディングパッド303(303a〜303j)のY方向(図5において上下方向)の間隔C、および各デバイス302に形成されたボンディングパッド303における分割予定ライン301を挟んでY方向(図5において上下方向)に隣接するボンディングパッド即ちボンディングパッド303fとボンディングパッド303aおよびボンディングパッド303jとボンディングパッド303eとの間隔Dは、図示の実施形態においては同一間隔に設定されている。このように構成された半導体ウエーハ30について、図4に示す各行E1・・・・Enおよび各列F1・・・・Fnに配設されたデバイス302の個数と上記各間隔A,B,C,DおよびX,Y座標値は、その設計値のデータが上記ランダムアクセスメモリ(RAM)203の第2の記憶領域203bに格納されている。
【0039】
上述したレーザー加工装置を用い、半導体ウエーハ30に形成された各デバイス302のボンディングパッド303(303a〜303j)部にレーザー加工孔(ビアホール)を形成するレーザー加工の実施形態について説明する。
半導体ウエーハ30は、図6に示すように環状のフレーム40に装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなる保護テープ50に表面300aを貼着する。従って、半導体ウエーハ30は、裏面300bが上側となる。このようにして環状のフレーム40に保護テープ50を介して支持された半導体ウエーハ30は、図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブル36上に保護テープ50側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ30は、保護テープ50を介してチャックテーブル36上に吸引保持される。従って、半導体ウエーハ30は、裏面300bを上側にして保持される。また、環状のフレーム40は、クランプ362によって固定される。
【0040】
上述したように半導体ウエーハ30を吸引保持したチャックテーブル36は、加工送り手段37によって撮像手段11の直下に位置付けられる。チャックテーブル36が撮像手段11の直下に位置付けられると、チャックテーブル36上の半導体ウエーハ30は、図7に示す座標位置に位置付けられた状態となる。この状態で、チャックテーブル36に保持された半導体ウエーハ30に形成されている格子状の分割予定ライン301がX軸方向とY軸方向に平行に配設されているか否かのアライメント作業を実施する。即ち、撮像手段11によってチャックテーブル36に保持された半導体ウエーハ30を撮像し、パターンマッチング等の画像処理を実行してアライメント作業を行う。このとき、半導体ウエーハ30の分割予定ライン301が形成されている表面300aは下側に位置しているが、撮像手段11が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、半導体ウエーハ30の裏面300bから透かして分割予定ライン301を撮像することができる。
【0041】
次に、チャックテーブル36を移動して、半導体ウエーハ30に形成されたデバイス302における最上位の行E1の図7において最左端のデバイス302を撮像手段11の直下に位置付ける。そして、更にデバイス302に形成された電極303(303a〜303j)における図7において左上の電極303aを撮像手段11の直下に位置付ける。この状態で撮像手段11が電極303aを検出したならばその座標値(a1)を第1の加工送り開始位置座標値として制御手段20に送る。そして、制御手段20は、この座標値(a1)を第1の加工送り開始位置座標値としてランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する(加工送り開始位置検出工程)。このとき、撮像手段11とレーザー光線照射手段52の集光器8はX軸方向に所定の間隔を置いて配設されているので、X座標値は上記撮像手段11と集光器8との間隔を加えた値が格納される。
【0042】
このようにして図7において最上位の行E1のデバイス302における第1の加工送り開始位置座標値(a1)を検出したならば、チャックテーブル36を分割予定ライン301の間隔だけY軸方向に割り出し送りするとともにX軸方向に移動して、図7において最上位から2番目の行E2における最左端のデバイス302を撮像手段11の直下に位置付ける。そして、更にデバイス302に形成された電極303(303a〜303j)における図5において左上の電極303aを撮像手段11の直下に位置付ける。この状態で撮像手段11が電極303aを検出したならばその座標値(a2)を第2の加工送り開始位置座標値として制御手段20に送る。そして、制御手段20は、この座標値(a2)を第2の加工送り開始位置座標値としてランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する。このとき、撮像手段11とレーザー光線照射手段52の集光器8は上述したようにX軸方向に所定の間隔を置いて配設されているので、X座標値は上記撮像手段11と集光器8との間隔を加えた値が格納される。以後、制御手段20は、上述した割り出し送りと加工送り開始位置検出工程を図7において最下位の行Enまで繰り返し実行し、各行に形成されたデバイス302の加工送り開始位置座標値(a3〜an)を検出して、これをランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する。なお、図示の実施形態においては、半導体ウエーハ30に形成された複数のデバイス302における図7において最下位の行Enの最左端のデバイス302が計測デバイスとして設定されており、この計測デバイスの開始位置座標値(an)が計測位置座標値(an)としてランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する。
【0043】
上述した加工送り開始位置検出工程を実施したならば、チャックテーブル36を移動して、上記ランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納されている計測位置座標値(an)をレーザー光線照射手段52の集光器8の直下に位置付ける。このように計測位置座標値(an)が集光器8の直下に位置付けられた状態が図8の(a)に示す状態である。次に、制御手段20は、上記偏向角度調整手段74に例えば10Vの電圧を印加しパルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線の光軸を図2において実線で示すように集光点Pbに集光されるようにセットする。次に、制御手段20は、レーザー光線照射手段52を作動し集光器8からパルスレーザー光線を照射し、シリコン基板300に裏面側からボンディングパッド303に達するレーザー加工孔を形成する。このレーザー加工孔を形成する際に、制御手段20はレーザー光線発振手段6が発振するパルスレーザー光線のショット数をカウンター204によってカウントするとともに、上記波長検出手段10を作動しラインイメージセンサー102から検出信号を入力している。制御手段20は、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が251nmであるならばシリコン基板300を加工していると判断し、上記パルスレーザー光線の照射を継続する。そして、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が515nmに変化したならば、制御手段20は銅によって形成されたボンディングパッド303が加工されたと判断し、この変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定し、この最小ショット数をランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する(最小ショット数設定工程)。制御手段20はパルスレーザー光線の照射を継続し、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が251nmから515nmに完全に変化したならば、この時点までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定し、この最大ショット数をランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納する(最大ショット数設定工程)。そして、制御手段20は、音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に0Vの電圧を印加し、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線を図2において破線で示すようにレーザー光線吸収手段76に導く。なお、最小ショット数設定工程および最大ショット数設定工程を実施するために用いられたデバイスには図8の(b)に示すように裏面側からボンディングパッド303に達するレーザー加工孔304が形成される。このようにレーザー加工孔304が形成されるとボンディングパッド303は溶融して穴が開くことがあるが、計測用のデバイスとして設定されたデバイス302は製品として使用されない。
【0044】
上記最小ショット数設定工程および最大ショット数設定工程における加工条件は次のように設定されている。
光源 :LD励起QスイッチNd:YVO4
波長 :355nm
繰り返し周波数 :50kHz
平均出力 :2W
集光スポット径 :φ50μm
【0045】
上述した最小ショット数設定工程および最大ショット数設定工程を実施したならば、半導体ウエーハ30の各デバイス302に形成された各電極303(303a〜303j)の裏面にレーザー加工孔(ビアホール)を穿孔する穿孔工程を実施する。穿孔工程は、先ず加工送り手段37を作動しチャックテーブル36を移動して、上記ランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納されている第1の加工送り開始位置座標値(a1)をレーザー光線照射手段52の集光器8の直下に位置付ける。このように第1の加工送り開始位置座標値(a1)が集光器8の直下に位置付けられた状態が図9の(a)に示す状態である。図9の(a)に示す状態から制御手段20は、チャックテーブル36を図9の(a)において矢印X1で示す方向に所定の移動速度で加工送りするように上記加工送り手段37を制御すると同時に、レーザー光線照射手段52を作動し集光器8からパルスレーザー光線を照射する。なお、集光器8から照射されるレーザー光線の集光点Pは、半導体ウエーハ30の表面30a付近に合わせる。このとき、制御手段20は、X軸方向位置検出手段374の読み取りヘッド374bからの検出信号に基いて音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74および出力調整手段75を制御するための制御信号を出力する。
【0046】
一方、RF発振器72は偏向角度調整手段74および出力調整手段75からの制御信号に対応したRFを出力する。RF発振器72から出力されたRFのパワーは、RFアンプ73によって増幅され音響光学素子71に印加される。この結果、音響光学素子71は、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線の光軸を図2において1点鎖線で示す位置から2点鎖線で示す位置までの範囲で偏向して移動速度に同期させる。この結果、第1の加工送り開始位置座標値(a1)に所定出力のパルスレーザー光線を照射することができる。なお、上記穿孔工程における加工条件は、上記最小ショット数設定工程および最大ショット数設定工程における加工条件と同一である。
【0047】
上述した穿孔工程を実施している際に、制御手段20はレーザー光線発振手段6が発振するパルスレーザー光線のショット数をカウンター204によってカウントするとともに、上記波長検出手段10を作動しラインイメージセンサー102から検出信号を入力している。制御手段20は、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達しても波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が251nmであるならばシリコン基板300を加工していると判断し、上記穿孔工程を継続する。そして、制御手段20は、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達し、波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が515nmに変化したならば、銅によって形成されたボンディングパッド303が加工されたと判断し、音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に0Vの電圧を印加し、音響光学素子71に0Vに対応する周波数のRFを印加し、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線を図2において破線で示すようにレーザー光線吸収手段76に導く。従って、パルスレーザー光線がチャックテーブル36に保持された半導体ウエーハ30に照射されない。このように、ボンディングパッド303にパルスレーザー光線が照射されると、上記波長検出手段10のラインイメージセンサー102によってボンディングパッド303が加工されたことを検出して、ボンディングパッド303へのパルスレーザー光線の照射を止めるので、ボンディングパッド303が溶融して穴が開くことがない。この結果、図9の(b)に示すように半導体ウエーハ30のシリコン基板300にはボンディングパッド303に達する加工孔304を形成することができる。なお、上記波長検出手段10によるボンディングパッド303が加工されたことの検出は、上述したように反射手段9を集光器8の光軸上に配設し、レーザー光線を被加工物である半導体ウエーハ30に照射することによって発するプラズマ光を光軸上で検出するので、加工孔304が形成され底に位置する銅からなるボンディングパッド303にレーザー光線が照射されることによって発するプラズマ光を確実に検出することができる。
【0048】
また、上記穿孔工程において、パルスレーザー光線のショット数が最小値に達しても波長検出手段10のラインイメージセンサー102によって測定されたスペクトルの波長が251nmであるならば、即ちボンディングパッドを形成する銅のスペクトルの波長(515nm)に変化しない場合には、制御手段20はパルスレーザー光線のショット数が最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続する。そして、パルスレーザー光線のショット数が最大値に達したら、制御手段20は音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に0Vの電圧を印加し、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線を図2において破線で示すようにレーザー光線吸収手段76に導く。このように、ボンディングパッドを形成する銅のスペクトルの波長(515nm)に変化しない場合には、パルスレーザー光線のショット数が最大値に達した際にパルスレーザー光線の照射を停止するので、プラズマ光を適正に発生しない場合であってもボンディングパッド303が溶融して穴が開くことがない。
【0049】
一方、制御手段20は、X軸方向位置検出手段374の読み取りヘッド374bからの検出信号を入力しており、この検出信号をカウンター204によってカウントしている。そして、カウンター204によるカウント値が次のボンディングパッド303座標値に達したら、制御手段20はレーザー光線照射手段52を制御し上記穿孔工程を実施する。その後も制御手段20は、カウンター204によるカウント値がボンディングパッド303の座標値に達する都度、制御手段20はレーザー光線照射手段52を作動し上記穿孔工程を実施する。そして、図9の(b)で示すように半導体ウエーハ30のE1行の最右端のデバイス302に形成されたボンディングパッド303における図9の(b)において最右端の電極303e位置に上記穿孔工程を実施したら、上記加工送り手段37の作動を停止してチャックテーブル36の移動を停止する。この結果、半導体ウエーハ30のシリコン基板300には、図9の(b)で示すようにボンディングパッド303に達する加工孔304が形成される。
【0050】
次に、制御手段20は、レーザー光線照射手段52の集光器8を図9の(b)において紙面に垂直な方向に割り出し送りするように上記第1の割り出し送り手段38を制御する。一方、制御手段20は、Y軸方向位置検出手段384の読み取りヘッド384bからの検出信号を入力しており、この検出信号をカウンター204によってカウントしている。そして、カウンター204によるカウント値がボンディングパッド303の図5においてY軸方向の間隔Cに相当する値に達したら、第1の割り出し送り手段38の作動を停止し、レーザー光線照射手段52の集光器8の割り出し送りを停止する。この結果、集光器8は上記ボンディングパッド303eと対向するボンディングパッド303j(図5参照)の直上に位置付けられる。この状態が図10の(a)に示す状態である。図10の(a)に示す状態で制御手段20は、チャックテーブル36を図10の(a)において矢印X2で示す方向に所定の移動速度で加工送りするように上記加工送り手段37を制御すると同時に、レーザー光線照射手段52を作動し上記穿孔工程を実施する。そして、制御手段20は、上述したようにX軸方向位置検出手段374の読み取りヘッド374bからの検出信号をカウンター204によりカウントし、そのカウント値がボンディングパッド303に達する都度、制御手段20はレーザー光線照射手段52を作動し上記穿孔工程を実施する。そして、図10の(b)で示すように半導体ウエーハ30のE1行の最右端のデバイス302に形成されたボンディングパッド303f位置に上記穿孔工程を実施したら、上記加工送り手段37の作動を停止してチャックテーブル36の移動を停止する。この結果、半導体ウエーハ30のシリコン基板300には、図10の(b)で示すようにボンディングパッド303の裏面側にレーザー加工孔304が形成される。
【0051】
以上のようにして、半導体ウエーハ30のE1行のデバイス302に形成されたボンディングパッド303の裏面側にレーザー加工孔304が形成されたならば、制御手段20は加工送り手段37および第1の割り出し送り手段38を作動し、半導体ウエーハ30のE2行のデバイス302に形成されたボンディングパッド303における上記ランダムアクセスメモリ(RAM)203に格納されている第2の加工送り開始位置座標値(a2)をレーザー光線照射手段52の集光器8の直下に位置付ける。そして、制御装置20は、レーザー光線照射手段52と加工送り手段37および第1の割り出し送り手段38を制御し、半導体ウエーハ30のE2行のデバイス302に形成されたボンディングパッド303の裏面側に上述した穿孔工程を実施する。以後、半導体ウエーハ30のE3〜En行のデバイス302に形成されたボンディングパッド303の裏面側に対しても上述した穿孔工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ30のシリコン基板300には、各デバイス302に形成されたボンディングパッド303の裏面側にレーザー加工孔304が形成される。
【0052】
なお、上記穿孔工程において、図6におけるX軸方向の間隔A領域と間隔B領域および図6におけるY軸方向の間隔C領域と間隔D領域には半導体ウエーハ30にパルスレーザー光線を照射しない。このように、半導体ウエーハ30にパルスレーザー光線を照射しないために、上記制御手段20は音響光学偏向手段7の偏向角度調整手段74に0Vの電圧を印加する。この結果音響光学素子71には0Vに対応する周波数のRFが印加され、パルスレーザー光線発振手段6から発振されたパルスレーザー光線(LB)は図2において破線で示すようにレーザー光線吸収手段76に導かれるので、半導体ウエーハ30に照射されることはない。
【0053】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、上述した実施形態においては、基板(第1の部材)の表面に形成された複数のデバイスにそれぞれボンディングパッド(第2の部材)が配設されたウエーハに、基板(第1の部材)の裏面側からボンディングパッド(第2の部材)に達するレーザー加工孔を形成する例について説明したが、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接合された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成する場合に、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1:レーザー加工装置
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
31:案内レール
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
374:X軸方向位置検出手段
38:第1の割り出し送り手段
384:Y軸方向位置検出手段
4:レーザー光線照射ユニット支持機構
41:案内レール
42:可動支持基台
43:第2の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット
51:ユニットホルダ
52:レーザー光線照射手段
6:パルスレーザー光線発振手段
61:パルスレーザー光線発振器
62:繰り返し周波数設定手段
7:音響光学偏向手段
71:音響光学素子
72:RF発振器
73:RFアンプ
74:偏向角度調整手段
75:出力調整手段
76:レーザー光線吸収手段
8:集光器
9:反射手段
10:波長検出手段
101:回折格子
102:ラインイメージセンサー
11:撮像手段
20:制御手段
30:半導体ウエーハ
301:分割予定ライン
302:デバイス
303:ボンディングパッド
304:レーザー加工孔
40:環状のフレーム
50:保護テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接合された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成する穿孔方法であって、
被加工物の任意の領域に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化する変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料固有のスペクトルから完全に第2の材料固有のスペクトルに変化した時までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程と、
被加工物の所定の加工位置に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が該最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止する穿孔工程と、を含む、
ことを特徴とする穿孔方法。
【請求項2】
被加工物を保持する被加工物保持手段と、該被加工物保持手段に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該被加工物保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に移動せしめる移動手段と、該レーザー光線照射手段から被加工物にレーザー光線が照射されることによって発生するプラズマのスペクトルを検出するプラズマ検出手段と、該プラズマ検出手からの検出信号に基づいて該レーザー光線照射手段を制御する制御手段とを具備し、第1の材料によって形成された第1の部材と第2の材料によって形成された第2の部材とが接合された被加工物に第1の部材から第2の部材に達するレーザー加工孔を形成するレーザー加工装置において、
制御手段は、該レーザー加工孔を形成するに必要なパルスレーザー光線のショット数の最小値と最大値とを記憶するメモリおよび該レーザー光線照射手段によって照射されるパルスレーザー光線のショット数をカウントとするカウンターを具備しており、被加工物の所定の加工位置に第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際には、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達しレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化した場合にはパルスレーザー光線の照射を停止し、パルスレーザー光線のショット数が該最小値に達してもレーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化しない場合にはパルスレーザー光線のショット数が該最大値に達するまでパルスレーザー光線の照射を継続した後に停止するように該レーザー光線照射手段を制御する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項3】
該制御手段は、該加工送り手段を作動して該被加工物保持手段に保持された被加工物の任意の領域を該レーザー光線照射手段の照射位置に位置付け、該レーザー光線照射手段を作動し第1の部材側からパルスレーザー光線を照射してレーザー加工孔を形成する際に、パルスレーザー光線のショット数をカウントするとともにレーザー光線の照射によってプラズマが発する物質固有のスペクトルを計測し、レーザー光線の照射によって発するプラズマのスペクトルが第1の材料固有のスペクトルから第2の材料固有のスペクトルに変化する変換時までのパルスレーザー光線のショット数を最小値として設定する最小ショット数設定工程、および第1の材料固有のスペクトルから完全に第2の材料固有のスペクトルに変化した時までのパルスレーザー光線のショット数を最大値として設定する最大ショット数設定工程を実行し、該最小値および該最大値を該メモリに格納する、請求項2記載のレーザー加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−43198(P2013−43198A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182358(P2011−182358)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】