説明

突出する側方ノズルを装備したプッシュボタンスプレイヤー

本発明は、突出する側方ノズルを装備するポンプスプレイヤーに関する。このノズル(20)は、プッシュボタン(14)に取り付けられた直線に進む要素(24)の端部に形成され、そしてこの要素は、選択された長さの凹部を可能にするに十分な深さであるプッシュボタンの腔(28)中に押されて取り付けられ、この要素の突出部分の長さを決定する。このノズルは、プンジャーを覆うキャップ(13)の側壁中に形成されるスロット(19)の範囲で進む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランジャーを形成するボタンの側面上に突出する側方スプレーノズルを備えたスプレーに関する。これは、より詳細には、このタイプのデバイスを、そのケーシングに容易に適合可能にし、そして製造するのがより安価にすることを狙う改良に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのタイプのスプレーは、プランジャーを備えたポンプを装備したボトルを含むことが知られ、このプランジャーは、側方スプレーノズルを備える。ボトルには、一般に、スプレーされる製品を表す美的性質をもつケーシングが提供される。このケーシングは、プランジャーを完全に覆うキャップを備える。従来は、このプランジャーは、それ自身がボトルのネック上に適合される、ポンプの出力チューブの端部に適合されている。このようなケーシングの場合には、このキャップの上部には、それをプランジャーと作動することを可能にする可撓性の膜または類似の要素が提供される。プランジャーには、突出する側方ノズルが提供され、それが、キャップの側壁の近傍にスプレーオリフィスとなることを可能にする。この側壁は、プランジャーの作動軸に平行に延び、そしてその長さがポンプの作動距離に対応するスロットを備える。このノズルは、真直ぐなほぼ円筒形の要素の端部に形成される。この要素はコアを収容する。この2つの部品は、成形されたプラスチック材料から作製される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この要素の長さは、ボトルおよびそのケーシングに依存する。結果として、所定のタイプのボトルについては、2つの鋳型、1つは上記真直ぐな要素のため、そして他は上記コアのため、を生成することが必要である。これは、高い生産コストを生じる。本発明は、ボトルおよびケーシングのすべての形態に適用可能な装備を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、突出する側方ノズルを備えたプランジャーを装備したポンプを有するスプレーに関し、該ノズルは、該プランジャーに取り付けられた真直ぐな要素の端部に形成され、かつそれに対して側方に延び、該要素が、該ポンプの出力と連絡している該プランジャー中の腔中にプレスばめされることに特徴があり、そして該腔が、該要素が選択された長さだけ駆動されるために適切な深さを有し、その突出する部分の長さを決定することに特徴がある。
【0005】
この前述の真直ぐな要素は、その中に作製されたスプレー穴を有する端部壁を備える。この要素は、液体のための出力チャネルを規定し、そして上記で述べたコアを含む。1つ以上の長軸方向通路が、前記出力チャネルの内表面と該コアの外表面との間に作製される。そしてそれ自体は公知である回旋チャンバーが、前記スプレー穴の内部オリフィスと、該内部オリフィスに対向して位置する該コアの1つの端部との間に整列される。その結果、ポンプによって供給される液体は、出力チャネルとコアとの間に形成される長軸方向の通路(単数または複数)中に放出され、そしてこの回旋チャンバーからのその出力でスプレーされる。
【0006】
有利には、前述の腔は、ポンプの出力チューブが挿入されるプランジャー中の軸方向穴に垂直に延びるほぼ円筒形の出口のない穴である。この出口のない穴は、上記出口のない穴の内側の真直ぐな要素の選択された位置にかかわらず、この軸方向の穴と連絡している。この目的のために、上記真直ぐな要素は、その最も内側の部分に、該真直ぐな要素の出力チャネルと、上記ポンプの出力チューブを受ける軸方向穴との間の連絡を維持し得る、少なくとも1つの溝を備え得る。この溝は、上記要素が出口のない穴中に十分挿入されている位置でさえ、連絡を維持することを可能にする。
【0007】
別の有利な特徴によれば、上記出口のない穴の底は、整列の不連続面によって形成される制限ストップを備え、その上に上記真直ぐな要素の内側端部が着座するようになる。この整列は、前述の要素が、出口のない穴の中にできるだけ遠くに挿入され、そしてこの制限ストップに対して接するようになるときでさえ、上記出力チャネルと上記ポンプの出力チューブとの間の連絡を補償する。
【0008】
先に示されたように、上記要素をアセンブルするための機械(そのコアとともに提供される)とプランジャーとは、上記要素が上記プランジャーの側面に対して側方に突出する長さを決定するようにセットアップされる。この目的のために、上記要素は、その外表面に、上記プレスばめを補強する、例えば、環状であるノッチまたは類似のわずかな突出物を備え得る。
【0009】
本発明は、例示のみによって与えられ、そして添付の図面を参照して生成される本発明の原理による、プランジャーをもつスプレーの以下の記載を考慮して、より良好に理解され、そしてそれのその他の利点がより明瞭に現れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1および2は、審美性をもつ、ここではほぼ円筒形のケーシング12によって完全に覆われる手動ポンプを備えたスプレー11を描写している。下部分はボトル17を含み、その一方、上部分は、ボトルのネック、およびボトルのネックに適合される手動で操作されるポンプの端部に固定されているプランジャー14を完全に覆う一種のキャップ13を形成する。図2は、ボトル17のネック17a、およびその上端部がキャップ13の上面中に作製されるウインドウを隠す可撓性膜18と対向して配置され、かつこの膜から短距離にあるプランジャー14をより詳細に示す。
【0011】
このタイプのスプレーでは、ポンプの作動軸に平行に、キャップ13の側壁中に形成されたスロット19の範囲にスプレーノズルを側方に形成することが必要である。この目的のために、このスプレーノズル20は、内側に液体のための出力チャネル25が形成される真直ぐな要素24の端部に形成される。この要素はプランジャーに取り付けられ、そしてそれに対して側方に延びる。その端部は、キャップ中のスロット19中に挿入され、その結果、スプレーすることは、完全にその外側で起こる。この要素24の端部は、キャップ13の側面と同一平面に横たわる。
【0012】
それは、上記から、上記真直ぐな要素が、いくつかの因子、特に、ボトルのサイズ、キャップの形状および寸法などに依存してプランジャーを超えて突出する長さで出現する。本発明は、すべての形態に適合し得る単一長さの真直ぐな要素24を用いることを可能にする。この目的のために、図3の断面で見られるプランジャーは、腔28中にプレスばめされているこの要素のセクションに対応するセクションをもつ腔を備える。この例では、この要素24および腔28は円筒形である。
【0013】
図3に見られるように、腔28は、上記要素24が、その突出する部分の長さを決定する選択された長さだけ駆動されることを可能にするために適切な十分な深さを有し、この長さは、プランジャー14およびコア29を含む上記要素240アセンブルするための機械のセットアップ時に決定される。
【0014】
プランジャー14は、それと関連するポンプ16の出力と連絡している。図3は、このポンプの出力チューブ15を描写し、そして、慣習的に、プランジャー14は、ここでは軸方向に延びる穴30を備え、その中に、ポンプの出力チューブ15が挿入されることが観察され得る。上記要素24を適合するための腔28は、この軸方向穴30と、そしてその結果、ポンプの出力と連絡する。この例では、上記要素24はほぼ円筒形であり、腔は、対応する直径のほぼ円筒形の出口のない穴である。それは、軸方向穴に垂直に延び、そしてそれと連絡する。
【0015】
上記要素24には、端部壁32が提供され、その中にスプレー穴34が作製される。1つ以上の長軸方向通路33が、出力チャネル25の内側面とコア29の外表面との間に形成される。これは、ポンプから排出された液体が、スプレー穴34の内部オリフィスと、この内部オリフィスに対向して位置するコア29の1つの端部との間に整列された、それ自体は公知である回旋チャンバー36の範囲に到達することを可能にする。この回旋チャンバーは、その中に液体が実質的に接線方向に導入され、液体の非常に高度の乱流、および微細液滴の形態にあるスプレー穴34からのその排除を生成する。描写される例では、いくつかの長軸方向通路33は、コア29の外表面上に形成され、そして上記出力チャネル25の内側表面と接触する長軸方向リブ39によって生成され、この要素24中に形成されている。コア29は挿入されて、かつこのチャネル中にプレスばめされる。それは、ポンプの出力を超えて淀む液体製品の量を最小にするためにその実際上の全長に亘り延びる。
【0016】
有利には、このコア29は、上記要素中に適合する際にその配向を不必要にするために、各端部は同じ様式で成形される。結果として、記載される例では、このコアの各端部は、出力チャネルの内側壁と、回旋チャンバーを供給する小環状腔を形成するために適切な直径の減少を備える。
【0017】
上記プランジャー14中に形成される出口のない穴は、プランジャーが、ポンプの出力チューブ15の端部で適合される軸方向穴30のいずれかの側で直径の方向に延びる。上記要素は、図3および5に描写されるように、その最も内側の部分中に、該要素が該出口のない穴中に十分挿入される位置でさえ、該出口のない穴中のこの要素の任意の位置に対し、該真直ぐな要素の出力チャネル25(スプレー穴の範囲)と、上記ポンプの出力チューブを受ける軸方向穴との間の連絡を維持し得る、その内側端部において外に開口する少なくとも1つの溝を備える。
【0018】
記載される例では、いくつかの溝40は、上記要素24の周縁に形成される。プランジャー中の要素の任意の位置について、この要素24の円筒形部分と、上記出口のない穴の内側表面との間に形成されるシールされた円筒形のクランプ領域が存在し、そして溝のある部分上のクランプ領域は、溝40の存在によって規定され、この部分の外径は、隣接する円滑部分のそれと同じである。
【0019】
別の有利な特徴によれば、この出口のない穴の底は、この出口のない穴の軸に対して側方に形成される整列の不連続面によって形成される制限ストップ44を備える。この要素24の内側端部は、それが、この出口のない穴中に可能な限り遠く挿入されるとき、この制限ストップ上に接するようになる。このようにして、図5に見られ得るように、上記ポンプ出力とスプレー穴との間の連絡は、この位置でさえ中断されない。
【0020】
有利には、この要素24は、その外表面に、上記プレスばめを補強する、ここでは、環状形態であるノッチ46を備える。これらのノッチは、上記要素24の腔28中へのプレスばめの間は圧迫されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明が適用される、そのケーシングをともなうスプレーボトルの略斜視図である。
【図2】図2は、図1の詳細図であって、そのキャップの断面を示す。
【図3】図3は、スプレーノズル、プランジャーおよびポンプを示す立面かつ断面の詳細図である。
【図4】図4は、図3の断面IV−IVである。
【図5】図3と同様の図であって、より小さなスケールで、個々のケーシング(図示せず)に適用される異なる適合形態を示す。
【図6】図3と同様の図であって、より小さなスケールで、個々のケーシング(図示せず)に適用される異なる適合形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出する側方ノズルを備えたプランジャー(14)を装備したポンプを有するスプレーであって、該ノズルは、該プランジャーに取り付けられた真直ぐな要素の端部に形成され、かつそれに対して側方に延び、
該要素(24)が、該ポンプの出力と連絡している該プランジャー中の腔(28)中にプレスばめされることに特徴があり、そして
該腔が、該要素が選択された長さだけ駆動されるために適切な深さを有し、その突出する部分の長さを決定することに特徴があり、該ノズルが、該プンジャーを覆うキャップ(13)の側壁中に形成されるスロット(19)の範囲で進む、スプレー。
【請求項2】
前記要素が、その中に作製されたスプレー穴(34)を有する端部壁(32)を備えた出力チャネル(25)を規定することに特徴がある、請求項1に記載のスプレー。
【請求項3】
前記出力チャネルがコア(29)を含むことに特徴があり、1つ以上の長軸方向通路が前記出力チャネル(25)の内表面と該コアの外表面との間に作製されることに特徴があり、そしてそれ自体は知られる回旋チャンバー(36)が前記スプレー穴の内部オリフィスと、該内部オリフィスに対向して位置する該コアの1つの端部との間に整列されることに特徴がある、請求項2に記載のスプレーチャンバー。
【請求項4】
前記長軸方向通路が、前記出力チャネルの内表面と接触して、前記コアの外表面上に形成される長軸方向リブ(39)によって作製されることに特徴がある、請求項3に記載のスプレーチャンバー。
【請求項5】
前記コア(29)が、適合に際しその不必要な配向を作製しないために、各端部で同じ方式で成形されることに特徴がある、請求項3または4に記載のスプレー。
【請求項6】
前記腔(28)が、ほぼ円筒形の出口のない穴であることに特徴があり、それが、前記ポンプの出力チューブ(15)が挿入される穴(30)に垂直に延びることに特徴があり、そしてそれがこの穴と連絡することに特徴がある、請求項2〜5のいずれか1つに記載のスプレー。
【請求項7】
前記出口のない穴が、前記穴(30)のいずれかの側で直径方向に延びることに特徴があり、そして前記真直ぐな要素(24)が、その最も内側の部分に、該要素が該出口のない穴中に十分挿入される位置で、該真直ぐな要素の出力チャネルと、前記ポンプの出力チューブ(15)を受ける穴(30)との間の連絡を維持し得る、その内側端部において外に開口する少なくとも1つの溝(40)を備えることに特徴がある、請求項6に記載のスプレー。
【請求項8】
いくつかの溝(40)が、前記要素(24)の周縁に形成されることに特徴がある、請求項7に記載のスプレー。
【請求項9】
前記出口のない穴の底が、整列の不連続面によって形成される制限ストップ(44)を備え、その上に前記真直ぐな要素の内側端部が、該要素が該出口のない穴中に可能な限り遠くに挿入される位置で一部着座するようになることに特徴がある、請求項7または8に記載のスプレー。
【請求項10】
前記要素が、その外表面に、前記プレスばめを補強する、例えば、環状であるノッチ(46)を備える、請求項1〜9のいずれかに記載のスプレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−513836(P2006−513836A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542475(P2004−542475)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011200
【国際公開番号】WO2004/033110
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(505091064)レクサム ディスペンシング システムズ (6)
【Fターム(参考)】