突起付きベルト及びその製造方法
【課題】突起体を支持突部に強固に固設した突起付きベルト及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ベルト2の背面に突設した支持突部1に、支持突部1の両面を突起体4の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体4をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部1に設けた貫通孔6に充填される貫通連結部7で一対の接合部5を連結すると共に、該支持突部1の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部とした突起付きベルトである。
【解決手段】ベルト2の背面に突設した支持突部1に、支持突部1の両面を突起体4の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体4をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部1に設けた貫通孔6に充填される貫通連結部7で一対の接合部5を連結すると共に、該支持突部1の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部とした突起付きベルトである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突起体が一体的に設けられた突起付きベルト及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯付ベルト2は、ベルト長手方向に所定間隔で複数の歯11を設けた内周側の歯部12と、心線13が埋設された外周側の背部14とで形成されている。このような歯付のベルト2は歯付プーリに懸架して走行駆動されるが、このベルト2をカードや紙類などを搬送するために使用する場合、カードや紙類等を係止して送るための突起体4をベルト2の背面に樹脂で成形して設けることが行われている。
【0003】
図10はベルト2の背面に突起体4を樹脂成形して設けた突起付きベルトの一例を示すものであり、ベルト2はポリウレタン等のエラストマーで歯部12と背部14を成形して形成されており、ベルト2の背部14には支持突部1が一体に突出させて設けてある。そしてこの支持突部1を背面に突出して作製したベルト2を射出成形用の成形金型内にセットし、射出成形を行うことによって、突起体4を成形することができるものであり、この突起体4はその基部に形成される二股形状の一対の接合部5で支持突部1のベルト長手方向の両面を挟持させた状態でアウトサート成形されるようにしてある。
【0004】
そしてこのように支持突部1に突起体4をアウトサート成形して、その基部の接合部5で支持突部1を挟持させることによって、ベルト2の背面に突起体4を設ける場合、例えばベルト2をポリウレタンで作製し、突起体4をポリアセタールで作製する場合のように、樹脂の密着性が低いと突起体4の取付強度は極めて低くなる。そこで、支持突部1に貫通孔6を設け、アウトサート成形の際に貫通孔6に樹脂が充填されて形成される貫通連結部7で突起体4の基部の一対の接合部5を連結することによって、突起体4を支持突部1と一体化し、支持突部1に対する突起体4の取付強度を高く得ることができるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001‐341157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、支持突部1に設けた貫通孔6を通して貫通連結部7で突起体4の基部の接合部5を連結することによって、突起体4が支持突部1から外れることを防ぐことができるが、突起体4にベルト2の幅方向に応力が作用した場合に、突起体4がベルト幅方向に倒れるおそれがあるという問題があった。
【0006】
図11は突起体4にベルト2の幅方向に応力が作用した際に突起体4が倒れる現象を観察した結果を示すものであり、図11(a)は応力が作用する前の初期状態である。そして図11(b)のように突起体4にベルト幅方向に応力Fが作用すると、ポリウレタン等の弾性を有する樹脂で形成されているベルト2の支持突部1が屈曲変形して、支持突部1の屈曲に従って、突起体4が傾くが、屈曲初期では支持突部1の上面は突起体4に接触している。しかし、突起体4に応力が作用し続けると、支持突部1の弾性復元力によって支持突部1に図11(c)のように矢印a方向に支持突部1が復元を始め、さらに図11(d)のb矢印のように支持突部1の上面がスリップする。さらに図11(e)のように貫通孔6の変形によって貫通連結部7と貫通孔6の内周との間に隙間が生じて、スリップが発生し易くなり、最終的には図11(f)のように、突起体4が傾いたまま支持突部1は屈曲状態から元の状態に復元し、応力Fの作用が解除された後でも突起体4は傾いて倒れたままの状態になるものである。この現象は、貫通孔6の断面形状が円形の場合、貫通孔6を回転中心として支持突部1が弾性復元し易くなるので、より発生し易くなる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、突起体に応力が作用した場合に、突起体が倒れることを確実に防ぐことができる突起付きベルトを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記溝の断面が半円状又は多角形状であることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形であることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項4の発明は、ベルト背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトの製造方法であって、貫通孔を有し、上面又は側面の一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝を有する支持突部がベルト背面に一体に立設されたベルト本体を成形し、上記支持突部の貫通孔及び溝が充塞されるように該支持突部を溶融した熱可塑性樹脂で覆い、熱可塑性樹脂を固化させることにより突起体を成形することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項5の発明は、請求項4において前記溝の断面が半円状又は多角形状である突起付きベルトの製造方法を特徴とするものである。
【0013】
また請求項6の発明は、請求項4又は5において前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である突起付きベルトの製造方法を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とする突起付きベルトであることから、該貫通孔によって突起体の脱落を防止し、支持部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部に設けられた溝を突起体が充塞することから、突起体の回動を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、ベルト2は、ベルト長手方向(ベルト2の走行方向)に所定間隔で複数の歯11を設けた内周側の歯部12と、心線13が埋設された外周側の背部14とで形成してあり、歯部12と背部14はポリウレタンなどの弾性を有するエラストマーで形成してある。またベルト2の背部14にはそのベルト長手方向に沿った4箇所に支持突部1が一体に突設してある。この支持突部1は、ベルト長手方向の両面のうち、一方の片面がベルト2の背面と垂直で他の片面が傾斜する傾斜面となったフック用支持突部1aと、ベルト長手方向の両面がベルト2の背面と垂直なタワー用支持突部1bの2種類からなるものであり、フック用支突部1aとタワー用支持突部1bとで対をなすようにしてある。またこれらのフック用支持突部1aやタワー用支持突部1bには、ベルト長手方向の両面で開口するように貫通する貫通孔6がそれぞれ設けてある。勿論、支持突部1はこのような形態のものに限定されるものではない。
【0016】
上記のように形成されるベルト2を成形金型3にセットして射出成形し、支持突部1に突起体4をアウトサート成形することによって、ベルト2の背面に突起体4を立設させた状態で設けることができるものである。突起体4はポリアセタールなどの硬質の熱可塑性樹脂で形成することができるものである。そして突起体4は基部の二股形状の一対の接合部5が支持突部1のベルト長手方向での両面を挟むようにしてアウトサート成形されているものであり、成形の際に樹脂の一部は支持突部1の貫通孔6に流入し、貫通孔6に樹脂が流入して成形される貫通連結部7が、一対の接合部5にそれぞれ一体化されている。このように突起体4の基部の一対の接合部5が支持突部1のベルト長手方向での両面を挟むようにしてアウトサート成形されているものであり、成形の際に樹脂の一部は支持突部1の貫通孔6に流入し、貫通孔6に樹脂が流入して成形される貫通連結部7が、一対の接合部5にそれぞれ一体化されている。このように突起体4の基部の一対の接合部5が支持突部1の貫通孔6を通して連結されているので、突起体4は支持突部1から外れることがなくなり、支持突部1への突起体4の取付強度を高く得ることができるものである(既述の図10参照)。
【0017】
ベルト本体2は、ポリウレタン組成物からなり、内面にベルト歯10,10,…が所定ピッチで設けられている。又、各ベルト歯10の底部に沿って抗張体としてのアラミド繊維、スチールコード、ポリエステル繊維等のうちの1種からなる心線3がベルト幅方向にピッチを形成した螺旋状をなして埋設されている。
【0018】
板状の支持突部1は、板面がベルト走行方向を向く矩形であり、その中央には外郭形状が円形の貫通孔6が一つ設けられている。さらに該板状の支持突部1上面又は側面の少なくとも一部には溝7が設けられている。該溝7は、その断面が半円状であっても台形状、三角形状、四角形状、又は五角形以上の多角形状等であっても良いが、突起体4の回動を防止するためには、台形状であって、溝7の上部になるほどその幅が狭くなるのがより好ましい。そして、該溝7は板状の支持突部1上面或いは側面の少なくとも一部に設けられていれば突起体4の回動を防止できるが、該板状の支持突部1の上面或いは側面で、ベルト長手方向に沿って上面或いは側面全体に溝7が刻設されるのがより好ましい。さらに、突起体4の回動を確実に防止するには、該溝7が支持突部1の上面及び側面共に設けられ、該溝7を樹脂が充塞していることが好ましい。
【0019】
尚、支持突部1に形成される貫通孔6はその断面形状が円形であっても、該支持突部の上面又は側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を突起体を形成する樹脂が充塞することで、突起体4が傾いたまま貫通孔6を回転中心として支持突部1が弾性復元するようなことはなく、突起体4の倒れの防止の効果が損なわれることはない。
【0020】
突起体4は、アセタール樹脂(POM)製の板状であり、板状の支持突部1を挟持する一対の脚部4a,4aが設けられていると共に、板状の支持突部1の貫通孔6を充塞して通じ且つ両脚部4a,4aを連結する脚部連結部6bが一体に設けられている。又、突起体4上端には、搬送物のはみ出しを規制するはみ出し規制部4cがベルト長さ方向に突設されている。
【0021】
即ち、突起体4は、一対の脚部4a,4aで板状の支持突部1を挟持し、且つ、脚部連結部4bが貫通孔6を充塞して通じ且つ両脚部4a,4aに結合しており、さらに突起体4の脚股部8が溝7に充塞することにより、物理的に板状の支持突部1に固設されているものである。なお、突起体4底部はベルト背面に接触しているのみであり、これによってベルトをプーリに巻き掛けた際、突起体4とベルト背面との接触が解かれ、ベルトはプーリに沿って適正に巻き掛けられることとなる。
【0022】
又、他の実施形態は、突起体4が、一対の脚部4a,4aで板状の支持突部1を挟持し、且つ脚部連結部4bが貫通孔5及び支持突部1の側面の溝9を充塞して通じ且つ、両脚部4a,4aに結合することによって、物理的に板状の支持突部1に固設されているものである。
【0023】
そして、この突起付きベルトは、ベルト背面に設けられた突起体4により紙葉類等の搬送物を押圧して水平搬送したり、突起体4により搬送物を支持して上下搬送するのに使用されるものである。
【0024】
以上の構成の突起付きベルトによれば、支持突部1に設けられた貫通孔6に突起体4に一体に設けられた脚部連結部4bが充塞して通じ、さらに、突起体4の脚股部8が溝7に充塞することによって、板状支持突部1又は突起体4が破損されない限り突起体4が板状の支持突部1から脱落することはないので、突起体4の板状の支持突部1への固設状態は極めて強固なものとなる。
【0025】
次に、ベルトの製造方法について説明する。ベルト背面に板状の支持部が立設された歯付ベルト本体が成形されるようなキャビティを有する注型用金型にウレタンプレポリマー組成物を注入し、加熱して硬化させる。これによって、そのキャビティ形状に対応したベルト本体が成形されることとなる。なお、注型用金型には上記組成物の注入前に予め心線を緊張状態でセットしておき、ベルトに心線が埋設されるようにしておく。
【0026】
次に、板状の支持突部の中央部に外郭形状が円形或いは楕円形の貫通孔を設ける。
【0027】
突起体を形成する為の射出金型内に貫通孔を設けた板状の支持突部のみをインサートし、所定位置にセットする。
【0028】
射出金型内に溶融したアセタール樹脂(POM)を射出する。このとき貫通孔には溶融樹脂が流入充填されると共に、突起体が成形されることとなる。
【0029】
次に、射出金型からベルトに取り付けられた突起体を取り出す。
【0030】
以上の突起付きベルトの製造方法によれば、板状の支持突部が熱可塑性樹脂によって形成された突起体で覆われ、しかも板状の支持突部に設けられた貫通孔には突起体の両脚部を連結する脚部連結部によって充塞され、さらに板状の支持突部の上面に設けられた溝は、突起部材の両脚部の付け根にある脚股部によって充塞されることとなる。また、板状の支持突部の側面に設けられた溝は、前記脚部連結部によって充塞されることとなる。
【0031】
実施例1、2
図2は、実施例1に係るベルトを示す。図3は、実施例2に係るベルトを示す。板状の支持突部1は、板面がベルト走行方向を向く矩形であり、その中央には外郭形状が円形の貫通孔6が一つ設けられている。さらに該板状の支持突部1上面の少なくとも一部には溝7が設けられている。該溝7は、その断面が半円状であっても台形状であっても良いが、突起体4の回動を防止するためには、台形状であって、溝7の上部になればなるほどその幅が狭くなるのがより好ましい。そして、該溝7は板状の支持突部1上面の少なくとも一部に設けられていれば突起体4の回動を防止できるが、該板状の支持突部1の上面で、ベルト長手方向に沿って上面全体に溝7が刻設されるのがより好ましい。
【0032】
実施例3
図4は、本発明の実施例3に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0033】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。
【0034】
その他の構成は、実施例1と同一である。又、板状の支持突部上面に設けられた溝7の断面形状は半円状であっても良い。
【0035】
実施例4、5
図5は、本発明の実施例4に係る搬送用突起付きベルトを示し、図6は、本発明の実施例5に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0036】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の側面には一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、実施例4が半円形状、実施例5が三角形状である。
【0037】
実施例6、7
図7は、本発明の実施例6に係る搬送用突起付きベルトを示し、図8は、本発明の実施例7を示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0038】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の両側面にはそれぞれ一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、実施例6が半円形状、実施例7が四角形状である。
【0039】
実施例7
図9は、本発明の実施例8に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0040】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が突起体の長手方向に縦長である楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の両側面にはそれぞれ一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、半円形状である。
【0041】
上記実施例1〜7では、ベルト本体1を歯付ベルト本体としたが、これに限定されるものではなく、平ベルト、Vベルト等であってもよい。
【0042】
又、上記実施例1〜7では、ベルト本体2を熱硬化性ポリウレタンで形成したものとしたが、これに限定されるものではなく、ゴムで形成されたものであっても良い。
【0043】
又、上記実施例1〜7では、突起体4をアセタール樹脂(POM)製としたが、特にこれに限定されるものではなく、ポリアミド樹脂(PA)製、ポリカーボネート樹脂(PC)製、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)製等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は全体の正面図、(b)はイ‐イ線部分の断面図、(c)はロ‐ロ線部分の断面図である。
【図2】実施例1に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図4】本発明の実施例3に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図5】本発明の実施例4に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図6】本発明の実施例5に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図7】本発明の実施例6に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図8】本発明の実施例7に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図9】本発明の実施例に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図10】従来例の一部の断面図である。
【図11】図10のニ‐ニ線部分の断面図であり、(a)乃至(f)は突起体の倒れの現象を示すものである。
【符号の説明】
【0045】
1 支持突部
2 ベルト
4 突起体
4a 脚部
4b 脚部連結部
4c はみ出し規制部
5 接合部
6 貫通孔
7 溝
8 脚股部
9 溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、突起体が一体的に設けられた突起付きベルト及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯付ベルト2は、ベルト長手方向に所定間隔で複数の歯11を設けた内周側の歯部12と、心線13が埋設された外周側の背部14とで形成されている。このような歯付のベルト2は歯付プーリに懸架して走行駆動されるが、このベルト2をカードや紙類などを搬送するために使用する場合、カードや紙類等を係止して送るための突起体4をベルト2の背面に樹脂で成形して設けることが行われている。
【0003】
図10はベルト2の背面に突起体4を樹脂成形して設けた突起付きベルトの一例を示すものであり、ベルト2はポリウレタン等のエラストマーで歯部12と背部14を成形して形成されており、ベルト2の背部14には支持突部1が一体に突出させて設けてある。そしてこの支持突部1を背面に突出して作製したベルト2を射出成形用の成形金型内にセットし、射出成形を行うことによって、突起体4を成形することができるものであり、この突起体4はその基部に形成される二股形状の一対の接合部5で支持突部1のベルト長手方向の両面を挟持させた状態でアウトサート成形されるようにしてある。
【0004】
そしてこのように支持突部1に突起体4をアウトサート成形して、その基部の接合部5で支持突部1を挟持させることによって、ベルト2の背面に突起体4を設ける場合、例えばベルト2をポリウレタンで作製し、突起体4をポリアセタールで作製する場合のように、樹脂の密着性が低いと突起体4の取付強度は極めて低くなる。そこで、支持突部1に貫通孔6を設け、アウトサート成形の際に貫通孔6に樹脂が充填されて形成される貫通連結部7で突起体4の基部の一対の接合部5を連結することによって、突起体4を支持突部1と一体化し、支持突部1に対する突起体4の取付強度を高く得ることができるようにしている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001‐341157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、支持突部1に設けた貫通孔6を通して貫通連結部7で突起体4の基部の接合部5を連結することによって、突起体4が支持突部1から外れることを防ぐことができるが、突起体4にベルト2の幅方向に応力が作用した場合に、突起体4がベルト幅方向に倒れるおそれがあるという問題があった。
【0006】
図11は突起体4にベルト2の幅方向に応力が作用した際に突起体4が倒れる現象を観察した結果を示すものであり、図11(a)は応力が作用する前の初期状態である。そして図11(b)のように突起体4にベルト幅方向に応力Fが作用すると、ポリウレタン等の弾性を有する樹脂で形成されているベルト2の支持突部1が屈曲変形して、支持突部1の屈曲に従って、突起体4が傾くが、屈曲初期では支持突部1の上面は突起体4に接触している。しかし、突起体4に応力が作用し続けると、支持突部1の弾性復元力によって支持突部1に図11(c)のように矢印a方向に支持突部1が復元を始め、さらに図11(d)のb矢印のように支持突部1の上面がスリップする。さらに図11(e)のように貫通孔6の変形によって貫通連結部7と貫通孔6の内周との間に隙間が生じて、スリップが発生し易くなり、最終的には図11(f)のように、突起体4が傾いたまま支持突部1は屈曲状態から元の状態に復元し、応力Fの作用が解除された後でも突起体4は傾いて倒れたままの状態になるものである。この現象は、貫通孔6の断面形状が円形の場合、貫通孔6を回転中心として支持突部1が弾性復元し易くなるので、より発生し易くなる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、突起体に応力が作用した場合に、突起体が倒れることを確実に防ぐことができる突起付きベルトを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記溝の断面が半円状又は多角形状であることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形であることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項4の発明は、ベルト背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトの製造方法であって、貫通孔を有し、上面又は側面の一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝を有する支持突部がベルト背面に一体に立設されたベルト本体を成形し、上記支持突部の貫通孔及び溝が充塞されるように該支持突部を溶融した熱可塑性樹脂で覆い、熱可塑性樹脂を固化させることにより突起体を成形することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項5の発明は、請求項4において前記溝の断面が半円状又は多角形状である突起付きベルトの製造方法を特徴とするものである。
【0013】
また請求項6の発明は、請求項4又は5において前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である突起付きベルトの製造方法を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とする突起付きベルトであることから、該貫通孔によって突起体の脱落を防止し、支持部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部に設けられた溝を突起体が充塞することから、突起体の回動を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、ベルト2は、ベルト長手方向(ベルト2の走行方向)に所定間隔で複数の歯11を設けた内周側の歯部12と、心線13が埋設された外周側の背部14とで形成してあり、歯部12と背部14はポリウレタンなどの弾性を有するエラストマーで形成してある。またベルト2の背部14にはそのベルト長手方向に沿った4箇所に支持突部1が一体に突設してある。この支持突部1は、ベルト長手方向の両面のうち、一方の片面がベルト2の背面と垂直で他の片面が傾斜する傾斜面となったフック用支持突部1aと、ベルト長手方向の両面がベルト2の背面と垂直なタワー用支持突部1bの2種類からなるものであり、フック用支突部1aとタワー用支持突部1bとで対をなすようにしてある。またこれらのフック用支持突部1aやタワー用支持突部1bには、ベルト長手方向の両面で開口するように貫通する貫通孔6がそれぞれ設けてある。勿論、支持突部1はこのような形態のものに限定されるものではない。
【0016】
上記のように形成されるベルト2を成形金型3にセットして射出成形し、支持突部1に突起体4をアウトサート成形することによって、ベルト2の背面に突起体4を立設させた状態で設けることができるものである。突起体4はポリアセタールなどの硬質の熱可塑性樹脂で形成することができるものである。そして突起体4は基部の二股形状の一対の接合部5が支持突部1のベルト長手方向での両面を挟むようにしてアウトサート成形されているものであり、成形の際に樹脂の一部は支持突部1の貫通孔6に流入し、貫通孔6に樹脂が流入して成形される貫通連結部7が、一対の接合部5にそれぞれ一体化されている。このように突起体4の基部の一対の接合部5が支持突部1のベルト長手方向での両面を挟むようにしてアウトサート成形されているものであり、成形の際に樹脂の一部は支持突部1の貫通孔6に流入し、貫通孔6に樹脂が流入して成形される貫通連結部7が、一対の接合部5にそれぞれ一体化されている。このように突起体4の基部の一対の接合部5が支持突部1の貫通孔6を通して連結されているので、突起体4は支持突部1から外れることがなくなり、支持突部1への突起体4の取付強度を高く得ることができるものである(既述の図10参照)。
【0017】
ベルト本体2は、ポリウレタン組成物からなり、内面にベルト歯10,10,…が所定ピッチで設けられている。又、各ベルト歯10の底部に沿って抗張体としてのアラミド繊維、スチールコード、ポリエステル繊維等のうちの1種からなる心線3がベルト幅方向にピッチを形成した螺旋状をなして埋設されている。
【0018】
板状の支持突部1は、板面がベルト走行方向を向く矩形であり、その中央には外郭形状が円形の貫通孔6が一つ設けられている。さらに該板状の支持突部1上面又は側面の少なくとも一部には溝7が設けられている。該溝7は、その断面が半円状であっても台形状、三角形状、四角形状、又は五角形以上の多角形状等であっても良いが、突起体4の回動を防止するためには、台形状であって、溝7の上部になるほどその幅が狭くなるのがより好ましい。そして、該溝7は板状の支持突部1上面或いは側面の少なくとも一部に設けられていれば突起体4の回動を防止できるが、該板状の支持突部1の上面或いは側面で、ベルト長手方向に沿って上面或いは側面全体に溝7が刻設されるのがより好ましい。さらに、突起体4の回動を確実に防止するには、該溝7が支持突部1の上面及び側面共に設けられ、該溝7を樹脂が充塞していることが好ましい。
【0019】
尚、支持突部1に形成される貫通孔6はその断面形状が円形であっても、該支持突部の上面又は側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を突起体を形成する樹脂が充塞することで、突起体4が傾いたまま貫通孔6を回転中心として支持突部1が弾性復元するようなことはなく、突起体4の倒れの防止の効果が損なわれることはない。
【0020】
突起体4は、アセタール樹脂(POM)製の板状であり、板状の支持突部1を挟持する一対の脚部4a,4aが設けられていると共に、板状の支持突部1の貫通孔6を充塞して通じ且つ両脚部4a,4aを連結する脚部連結部6bが一体に設けられている。又、突起体4上端には、搬送物のはみ出しを規制するはみ出し規制部4cがベルト長さ方向に突設されている。
【0021】
即ち、突起体4は、一対の脚部4a,4aで板状の支持突部1を挟持し、且つ、脚部連結部4bが貫通孔6を充塞して通じ且つ両脚部4a,4aに結合しており、さらに突起体4の脚股部8が溝7に充塞することにより、物理的に板状の支持突部1に固設されているものである。なお、突起体4底部はベルト背面に接触しているのみであり、これによってベルトをプーリに巻き掛けた際、突起体4とベルト背面との接触が解かれ、ベルトはプーリに沿って適正に巻き掛けられることとなる。
【0022】
又、他の実施形態は、突起体4が、一対の脚部4a,4aで板状の支持突部1を挟持し、且つ脚部連結部4bが貫通孔5及び支持突部1の側面の溝9を充塞して通じ且つ、両脚部4a,4aに結合することによって、物理的に板状の支持突部1に固設されているものである。
【0023】
そして、この突起付きベルトは、ベルト背面に設けられた突起体4により紙葉類等の搬送物を押圧して水平搬送したり、突起体4により搬送物を支持して上下搬送するのに使用されるものである。
【0024】
以上の構成の突起付きベルトによれば、支持突部1に設けられた貫通孔6に突起体4に一体に設けられた脚部連結部4bが充塞して通じ、さらに、突起体4の脚股部8が溝7に充塞することによって、板状支持突部1又は突起体4が破損されない限り突起体4が板状の支持突部1から脱落することはないので、突起体4の板状の支持突部1への固設状態は極めて強固なものとなる。
【0025】
次に、ベルトの製造方法について説明する。ベルト背面に板状の支持部が立設された歯付ベルト本体が成形されるようなキャビティを有する注型用金型にウレタンプレポリマー組成物を注入し、加熱して硬化させる。これによって、そのキャビティ形状に対応したベルト本体が成形されることとなる。なお、注型用金型には上記組成物の注入前に予め心線を緊張状態でセットしておき、ベルトに心線が埋設されるようにしておく。
【0026】
次に、板状の支持突部の中央部に外郭形状が円形或いは楕円形の貫通孔を設ける。
【0027】
突起体を形成する為の射出金型内に貫通孔を設けた板状の支持突部のみをインサートし、所定位置にセットする。
【0028】
射出金型内に溶融したアセタール樹脂(POM)を射出する。このとき貫通孔には溶融樹脂が流入充填されると共に、突起体が成形されることとなる。
【0029】
次に、射出金型からベルトに取り付けられた突起体を取り出す。
【0030】
以上の突起付きベルトの製造方法によれば、板状の支持突部が熱可塑性樹脂によって形成された突起体で覆われ、しかも板状の支持突部に設けられた貫通孔には突起体の両脚部を連結する脚部連結部によって充塞され、さらに板状の支持突部の上面に設けられた溝は、突起部材の両脚部の付け根にある脚股部によって充塞されることとなる。また、板状の支持突部の側面に設けられた溝は、前記脚部連結部によって充塞されることとなる。
【0031】
実施例1、2
図2は、実施例1に係るベルトを示す。図3は、実施例2に係るベルトを示す。板状の支持突部1は、板面がベルト走行方向を向く矩形であり、その中央には外郭形状が円形の貫通孔6が一つ設けられている。さらに該板状の支持突部1上面の少なくとも一部には溝7が設けられている。該溝7は、その断面が半円状であっても台形状であっても良いが、突起体4の回動を防止するためには、台形状であって、溝7の上部になればなるほどその幅が狭くなるのがより好ましい。そして、該溝7は板状の支持突部1上面の少なくとも一部に設けられていれば突起体4の回動を防止できるが、該板状の支持突部1の上面で、ベルト長手方向に沿って上面全体に溝7が刻設されるのがより好ましい。
【0032】
実施例3
図4は、本発明の実施例3に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0033】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。
【0034】
その他の構成は、実施例1と同一である。又、板状の支持突部上面に設けられた溝7の断面形状は半円状であっても良い。
【0035】
実施例4、5
図5は、本発明の実施例4に係る搬送用突起付きベルトを示し、図6は、本発明の実施例5に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0036】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の側面には一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、実施例4が半円形状、実施例5が三角形状である。
【0037】
実施例6、7
図7は、本発明の実施例6に係る搬送用突起付きベルトを示し、図8は、本発明の実施例7を示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0038】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の両側面にはそれぞれ一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、実施例6が半円形状、実施例7が四角形状である。
【0039】
実施例7
図9は、本発明の実施例8に係る搬送用突起付きベルトを示す。尚、実施例1と同一部分は同一符号で示している。
【0040】
この搬送用突起付きベルトでは、板状の支持突部1に設けられた貫通孔6の外郭形状が突起体の長手方向に縦長である楕円形であって、突起体には貫通孔6を充塞して通じる脚部連結部4bが設けられている。又、支持突部1の両側面にはそれぞれ一つの溝9が設けられている。溝9の断面形状は、半円形状である。
【0041】
上記実施例1〜7では、ベルト本体1を歯付ベルト本体としたが、これに限定されるものではなく、平ベルト、Vベルト等であってもよい。
【0042】
又、上記実施例1〜7では、ベルト本体2を熱硬化性ポリウレタンで形成したものとしたが、これに限定されるものではなく、ゴムで形成されたものであっても良い。
【0043】
又、上記実施例1〜7では、突起体4をアセタール樹脂(POM)製としたが、特にこれに限定されるものではなく、ポリアミド樹脂(PA)製、ポリカーボネート樹脂(PC)製、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)製等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は全体の正面図、(b)はイ‐イ線部分の断面図、(c)はロ‐ロ線部分の断面図である。
【図2】実施例1に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図4】本発明の実施例3に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図5】本発明の実施例4に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図6】本発明の実施例5に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図7】本発明の実施例6に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図8】本発明の実施例7に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図9】本発明の実施例に係る突起付きベルトの(a)正面図及び(b)側面図である。
【図10】従来例の一部の断面図である。
【図11】図10のニ‐ニ線部分の断面図であり、(a)乃至(f)は突起体の倒れの現象を示すものである。
【符号の説明】
【0045】
1 支持突部
2 ベルト
4 突起体
4a 脚部
4b 脚部連結部
4c はみ出し規制部
5 接合部
6 貫通孔
7 溝
8 脚股部
9 溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該支持突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とする突起付きベルト。
【請求項2】
前記溝の断面が半円形状又は多角形状である請求項1に記載の突起付きベルト。
【請求項3】
前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である請求項1又は2に記載の突起付きベルト。
【請求項4】
ベルト背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトの製造方法であって、貫通孔を有し、上面又は側面の一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝を有する支持突部がベルト背面に一体に立設されたベルト本体を成形し、上記支持突部の貫通孔及び溝が充塞されるように該支持突部を溶融した熱可塑性樹脂で覆い、熱可塑性樹脂を固化させることにより突起体を成形することを特徴とする突起付きベルトの製造方法。
【請求項5】
前記溝の断面が半円形状又は多角形状である請求項4に記載の突起付きベルトの製造方法。
【請求項6】
前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である請求項4又は5に記載の突起付きベルトの製造方法。
【請求項1】
ベルトの背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトであって、支持突部に設けた貫通孔に充填される貫通連結部で一対の接合部を連結すると共に、該支持突部の上面又は側面の少なくとも一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝が設けられており、該溝を充填することで、突起体の回動防止部としたことを特徴とする突起付きベルト。
【請求項2】
前記溝の断面が半円形状又は多角形状である請求項1に記載の突起付きベルト。
【請求項3】
前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である請求項1又は2に記載の突起付きベルト。
【請求項4】
ベルト背面に突設した支持突部に、支持突部の両面を突起体の基部の一対の接合部で挟んだ状態で、突起体をベルトの背面に起立させて設けた突起付きベルトの製造方法であって、貫通孔を有し、上面又は側面の一部、又は上面及び側面の少なくとも一部には溝を有する支持突部がベルト背面に一体に立設されたベルト本体を成形し、上記支持突部の貫通孔及び溝が充塞されるように該支持突部を溶融した熱可塑性樹脂で覆い、熱可塑性樹脂を固化させることにより突起体を成形することを特徴とする突起付きベルトの製造方法。
【請求項5】
前記溝の断面が半円形状又は多角形状である請求項4に記載の突起付きベルトの製造方法。
【請求項6】
前記支持突部に設けられた貫通孔が楕円形である請求項4又は5に記載の突起付きベルトの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−232409(P2006−232409A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41759(P2005−41759)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】
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